JP3576909B2 - データ伝送方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はデータ伝送方法に関わり、特に電気ネットワークにおけるデータ伝送に好適なデータ伝送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気ネットワークにおいては、直交周波数分割多重方法(Orthogonal Frequency Division Multiplex Method:OFDM)により、1つ又は幾つかの周波数帯域内で、符号化データが幾つかの搬送波周波数上にブロック変調される。また、該電気ネットワークにおいては、データブロックに対応し、かつ、フーリエ逆変換により得られる信号が、所定期間(T) の間、受信機に転送される。受信機内では、個々の信号が信号ブロックとして時間的に継続する。
【0003】
上記のような方法は、例えば電力線伝送技術で使用される。この技術は、転送対象データの適当な符号化及び変調により、DCネットワーク上で、単一方向及び双方向で受信機にそのデータを転送しようとするものである。
【0004】
この目的のため、ヨーロッパでは、CENELEC EN 50065というヨーロッパ標準に従う帯域A乃至Dが利用可能である。これらの帯域の周波数範囲は、それぞれ9〜95KHz(A帯域)、95〜125KHz(B帯域)、125〜140KHz(C帯域)、140〜148.5KHz(D帯域)である。米国及び日本では、最大500KHzまでの周波数範囲が利用可能である。
【0005】
ほとんど全ての家屋や建築物が電気ネットワークに接続されているため、電力線によるデータ伝送が望ましく、2本のワイヤ線、同軸ケーブル及び光ファイバーの追加設置が必要なくなる。
【0006】
セントラルヒーティング、エアコンディショニング、照明器具、又は機械等の電気機器は、例えばスイッチ、センサ、アクチュエータにより、自動的に操作、制御、監視可能である。
【0007】
このため、50Hzでエネルギー伝送するための既存の電気ネットワークが、高周波数信号の伝送に使用される。この点に関して、異なる高周波数ごとに異なるライン特性、ライン電圧降下、引込線、地域ごとに多様な伝送媒体特性が問題となる。ヨーロッパ標準の許可帯域内では、供給信号の入力インピーダンスが、周波数低下と共に増加する。
【0008】
別の問題として、電気ネットワークに様々なスプリアス信号が存在する結果起こるものがある。特に、低周波数で、強く大きい帯域幅雑音が生じる。テレビ、コンピュータ、無線送信機は、高い出力密度で狭帯域幅干渉を起こす。また、パルス干渉も起こる。これは、電力オンと電力オフ操作が原因であり、KVレンジのピーク電圧を有する。このような干渉スペクトラムは、その急峻な前端と後端(立ち上がり端と立ち下がり端)により、MHzレンジに及ぶ。
【0009】
数MHzの帯域幅を使い、数Mbit/s オーダーのデータ伝送速度を有する電気ネットワーク用伝送方式が、目下検討されている。しかし、ヨーロッパ標準の周波数帯域を採用する高データ伝送速度が望ましい。
【0010】
エネルギー分配ネットワーク上のテレコミュニケーション(通信)に関しては、周知の直交周波数分割多重方法(OFDM)により、ACラインを介しデータを転送する方法が知られている(インテロン社、1998年、白書#0032、IeOFDM高速新ワイヤ無し、改訂第2.0 、http://www.intellon.com)。このため、利用可能周波数スペクトルが多くの狭帯域幅区域に分割され、そこで各データが搬送波周波数の位相変調により符号化される。
【0011】
OFDM変調は高速フーリエ変換(FFT)プロセッサにより生じ、その後のフーリエ逆変換により時間信号が得られる。この信号の最後に位置する数マイクロ秒長の信号部分を、それの最初にコピーすることにより、転送すべき信号ブロックが生成される。コピーされた部分の長さは、それぞれ、伝送チャンネルにおける元の信号の反射期間に依存する。このコピー操作は、元の信号ブロックによるその時間遅延反射の干渉を避けるために行われる。このようにして得られる伝送速度は、2MHzを超える周波数帯域において、10Mbit/s になる。
【0012】
周知のテレコミュニケーション方法において不都合と判明しているものは、まさに上記のコピー操作である。その理由はコピー操作が接続点での不連続遷移につながることであり、このことは、個々の信号ブロックが一列に並ぶ場合も起こる。時間レンジ(時間領域)におけるこのような不連続性は、結果として周波数レンジ(周波数領域)での成分をもたらす。そのため、他の搬送波周波数との重なりが起き、また許可された周波数帯域外での干渉が起こる。更に、伝送チャンネルでの反射期間、従って、それによるコピーすべき信号部分の長さが変化する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、使用周波数帯域外への干渉を生ずることなく、高速なデータ伝送速度で狭周波数帯域内で動作する、特に電気ネットワーク用のデータ伝送方法を提供することである。特に、各国固有の標準を遵守する必要がある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、 直交周波数分割多重方法(OFDM)により、1つ又は幾つかの個別の周波数帯域内で、符号化データが数個の搬送周波数上にブロック変調され、また、データブロックに対応し、フーリエ逆変換により得られる信号が所定の期間(T)受信機に転送され、そして各信号が信号ブロックとして時間的に継続する電力ネットワークにおけるデータ伝送方法において、各信号が伝送前にウィンドウ関数により乗算され、ウィンドウ関数のフーリエ変換の絶対値が、各使用搬送周波数で零交差を有し、主最大点に対して少なくとも−30dBの減衰を持つ二次最大点を有することを特徴とする。
【0015】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のデータ伝送方法において、フーリエ変換の絶対値が少なくとも搬送波としての第2周波数毎に零交差を有するウィンドウ関数が使用されることを特徴とする。
【0016】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載のデータ伝送方法において、フーリエ変換絶対値が、第2の二次最大点以降、主最大点に対して少なくとも−50dB〜−60dBの減衰を持つ二次最大点を有するウィンドウ機能が使用されることを特徴とする。
【0017】
請求項4に係る発明は、請求項1から3の何れか1つに記載のデータ伝送方法において、次の式で表す関数が、ウィンドウ関数として使用され、
【数2】
ここで、n=0,...,NFFT−1であり、NFFTは、フーリエ逆変換に使われる点の数を示し、
係数ciは、I=2の場合、c0=0.5093、c1=−0.4941、c2=0.0059として選ばれることを特徴とする。
【0018】
請求項5に係る発明は、請求項1から4の何れか1つに記載のデータ伝送方法において、データが直交振幅変調(QAM)により符号化されることを特徴とする。
【0019】
請求項6に係る発明は、請求項1から5の何れか1つに記載のデータ伝送方法において、ヨーロッパ標準CenelecEN50065の1つ以上の帯域、特に前記標準の内、それぞれ95〜125kHz、140〜148.5kHzの範囲のB帯域及びD帯域が周波数帯域として使用されることを特徴とする。
【0020】
請求項7に係る発明は、請求項1から6の何れか1つに記載のデータ伝送方法において、前記信号は低電圧分配ネットワークにおいて転送されることを特徴とする。
【0021】
請求項8に係る発明は、請求項1から7の何れか1つに記載のデータ伝送方法において、前記信号は周波数空間内でディジタル信号プロセッサ(DSP)により生成され、フーリエ逆変換により時間空間に変換され、そこでウィンドウ関数により逓倍され、その後DA変換器により変換され、伝送体内に供給されることを特徴とする。
【0022】
請求項9に係る発明は、請求項1から8の何れか1つに記載のデータ伝送方法において、各信号ブロックは時間的に重複して転送されることを特徴とする。
【0023】
請求項10に係る発明は、請求項1から9の何れか1つに記載のデータ伝送方法において、搬送周波数の数が、伝送チャンネル、リターン・チャンネル及び同期チャンネルの間に分配されることを特徴とする。
【0024】
請求項11に係る発明は、請求項10に記載のデータ伝送方法において、搬送周波数が各リターン・チャンネル及び同期チャンネルに使用されることを特徴とする。
【0025】
請求項12に係る発明は、請求項1から11の何れか1つに記載のデータ伝送方法において、信号ブロックのデータが、例えばBCH符号化により、エラー訂正されることを特徴とする。
【0026】
請求項13に係る発明は、請求項10に記載のデータ伝送方法において、伝送チャンネル及びリターン・チャンネルは、それぞれ数個の異なる、或いは同一の搬送周波数を有することを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態例を説明する。図1は本発明の電気ネットワーク上のデータ伝送に適当な配置を示す略図、図2は方形ウィンドウのフーリエ・スペクトルを示す図、図3は本発明のウィンドウ関数のフーリエ・スペクトルを示す図、図4は、本発明のディジタル・フィルターの係数ckを示す図である。
【0029】
本発明の目的は請求項1又は14の記載の特徴により達成される。好適な実施例は従属請求項に記載される。
【0030】
本発明によれば、各信号は伝送前にウィンドウ関数により乗算される。このようにして得られる信号ブロックは、時間継続的に転送される。ウィンドウ関数は、高周波数干渉成分を排除するならば、不連続をできるだけ避ける必要があるから、信号をマージン(余裕)を以て切り出すべきではない。
【0031】
従って、本発明によれば、フーリエ変換の絶対値が次のような特徴を有するウィンドウ関数を選ぶ必要がある。つまり、各零交差が使用搬送周波数において存在すること(第1の条件)、二次最大点が主最大点(周波数0)に関して少なくとも−30dBの減衰を有すること(第2の条件)が必要である。
【0032】
上記第1の条件により、使用される各搬送周波数に対して直交性が保証される。つまり、このことは、結果的に生成される信号が、搬送周波数間に分配される調和関数の直線組合せを表し、各関数と各搬送波の相互干渉無しに構成され、個々の搬送波成分に一意的に分解されることを意味する。
【0033】
上記第2の条件により、搬送周波数の範囲外では、電力スペクトルの急速な低下が保証される。これにより、特に、電気ネットワークにおいて特定の周波数範囲を使用する時、必須の標準を満たすことが可能となる。
【0034】
特定期間の信号ブロックの時間範囲での結合は、時間期間Tの方形ウィンドウによる信号の乗算あるいは逓倍に対応し、その後結果的に生じる各信号ブロックは時間的に結合される。この時間範囲での乗算あるいは逓倍は、周波数範囲でのコンボルーションに対応する。周波数範囲内で起こる干渉が小さいほど、時間範囲でより広い方形ウィンドウが選ばれる。公知のインテロン方法では、狭時間信号部分のコピーが結果的に広帯域干渉を生じる。
【0035】
期間Tの方形ウィンドウは、値1/(2×T)の逓倍でそれぞれ零交差を有する。その場所では、搬送周波数は、他の搬送波情報と重なることなしに、配置可能である。しかし、方形ウィンドウにより生成する高周波数成分が極めてゆっくりとのみ減衰される、という不都合は残る。その結果、使用周波数帯域外で前記スプリアス周波数が生じ、従って、標準に不一致となる。
【0036】
従って、本発明によれば、使用すべきウィンドウは、搬送波数の制限を避けるため、許可周波数帯域内で出来る限り多くの零交差を有する必要がある。また、主最大点外で少なくとも−30dBというような、強力な減衰を有する必要もある。これらの必要条件を満たすため、減衰条件を満たすことができれば、方形ウィンドウに関連する各搬送周波数の中で何れの第2の周波数だけでも使用可能である。特に望ましいことは、第2の二次最大点からはずっと、少なくとも−50〜−60dBの減衰である。
【0037】
可能なウィンドウ関数の例は、次の式で表すことができる。
【数3】
【0038】
ここで、NFFTは、信号生成でのフーリエ逆変換に使用される点の数を表す。nは、t0からt0+Tの時間間隔に対応する、0から(NFFT−1)なる数である。係数ciは、該関数のフーリエ変換が出来るだけ速く減衰し、第2の二次最大点においてすでに少なくとも−50dBの減衰を有するよう、選ぶことができる。式中のIをI=2とすれば、これら係数は、c0=0.5093、c1=−0.4941、c2=0.0059と表すことができる。
【0039】
このウィンドウは図3に示すように、少なくとも第2の搬送周波数毎に(方形ウィンドウと比較して)直交条件を満たす。また、減衰条件も、すでに第2の二次最大点が−59dBに低下することで満足される。
【0040】
本発明のデータ伝送方法においては、OFDM(直交周波数分割多重方法)との組合せで直交振幅変調(Quqdrature Amplitude Modulatin:QAM)を使用することによりデータ変調を行うことが、好ましい。ここで、2、4、8、64、128、256等の情報個数が、256−QAMにおいて搬送波毎に8ビット符号化で、位相及び・又は振幅変調により符号化することが可能である。この点に関し、複素空間内の隣接方形上で、等距離に情報を分配することが好ましい。方形のサイズは、伝送経路の位相及び振幅の不確実さにより前もって決められる。
【0041】
本発明の方法は、特に、Cenelec標準のB帯域及びD帯域でのデータ転送に使用可能である。よって、信号は低電圧配電ネットワークで分配することができる。例えば、「建物内」あるいは「建物間」データ伝送が特に好ましい。
【0042】
周波数空間内にてディジタル信号プロセッサにより信号を生成し、この信号をフーリエ逆変換により時間空間へ変換することが好ましい。時間空間では、信号は本発明の時間ウィンドウにより乗算され、次いで、ディジタル・アナログ変換器により継続的に変換される。これにより、信号は搬送波等の伝送体に供給され得る。本方法により、極めて高速な実行可能なフーリエ変換により高速伝送が可能となり、従って、リアルタイムの通信が可能となる。
【0043】
生成された信号ブロックの最初と最後に含まれるエネルギーはほんの僅かであり、あるいは殆どない。そのため、秒当たりのブロック数を増加するために、各信号ブロックを重ねることが可能である。このようにして、ISDN速度に匹敵するデータ伝送速度を容易に達成することができる。
【0044】
また、本発明の方法は、単一方向データ伝送に加えて、搬送周波数の数を伝送チャンネルとリターン・チャンネルに分けることにより、双方向データ伝送にも使用可能である。さらに、好ましくは、搬送波を保有あるいは予約できる別の同期チャンネルを設置することである。同期チャンネルにより、長期的に大きな偏差に繋がる小さな水晶ドリフトなしに、数カ所の局で永久同期が可能となる。
【0045】
データ伝送の形態により、リアルタイムに即ち(例えば、テレコミュニケーションにおけるような)遅延のないデータ転送を行う必要があり、或いは、遅延を許容して、2値化形態で、信頼性があり且つエラー無しにデータ転送を行う必要がある。エラー訂正のために、伝送対象の全データを、一方のビット数を制御ビットとして使用する2つのパッケージ内に分配することができる。このエラー訂正の点においては、BCHコード(ボーズ−チョドーリ−オッケンジェム符号:巡回符号の1つ)を使用することが好ましい。
【0046】
データ伝送速度は、伝送チャンネル及びリターン・チャンネルを使うことにより増加できる。ただし、両チャンネルが同じ搬送周波数を有することが必要である。このための必要条件は、低反射の伝送路である。
【0047】
データ伝送の別の可能性として、伝送前にディジタル・フィルターを通して各信号を供給することが上げられる。この場合、ディジタル・フィルターの伝達関数は、許可帯域内の全ての搬送波と比べ、各使用周波数帯域外で少なくとも−30dBの減衰を有するものが使用可能である。周波数帯域では、ウィンドウ技術における第2周波数帯域毎に代わり、許可帯域内の全ての搬送波が使用可能であり、よって、データ速度が2倍になる。
【0048】
ディジタル・フィルターは、直線位相で動作し、即ち、対称な係数(c−k=ck)及び奇数個(k=−m,...,0,...m)の係数を有する。ディジタル・フィルターの使用により信号ブロックが時間的に長くなるため、個々の信号ブロックを時間的に直接継続して転送すべきでない。信号ブロック間の時間間隔として、ブロック長の約10%を選ぶことが有利であることが判明している。
【0049】
フィルター係数の選択にあたっては、減衰条件、即ち使用周波数帯域外での強い減衰と、直交性条件、即ち搬送波の相互干渉の回避を遵守すべきである。
【0050】
ウィンドウ関数を採用するデータ伝送方法と、各信号ブロックのディジタル・フィルタリングを行うデータ伝送方法を比較すると、以下の点に着目できる。
【0051】
つまり、ディジタル・フィルタリング技術では、ウィンドウ技術より多くの計算オーバーヘッドが要求され、更に直交性の必要条件が完全に満たされるとは限らない。他方、数で2倍の搬送周波数を使うことができ、伝送路における信号対雑音比が低い場合でさえも、信頼できるデータ伝送が実現できる。最後に、ウィンドウ技術では信号ブロックを時間的に重複させることができるが、ディジタル・フィルタリング技術では信号ブロックが時間的に長くなる。
【0052】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0053】
図1は、本発明の電気ネットワーク5におけるデータ伝送のための配置を概略的に示す。ディジタル信号プロセッサ(DSP、以下、信号プロセッサと呼ぶ)1により符号化及び変調されたデータが、高速サンプリングレートのDA変換器2により、トランスジューサ(変換器)4を介し電気ネットワーク5内に供給される。受信側では、受信信号が、AD変換器3によりディジタル形態で、信号プロセッサ1に供給され、そこで、信号が復調され復号化される。
【0054】
使用可能なデータは信号プロセッサ1に転送され、そこで、データは、例えばQAM−OFDM方法(256−QAM)により、8ビットの精度でディジタル化される。変調に関しては、好ましくは、振幅及び位相の値を複素空間における256値の各々に割り当て、これらの値がそこに等距離格子点を形成するように行う。2点間距離は伝送チャンネルの品質により与えられる。このことは、信号雑音が小さく、また復号化時の割当ミスに繋がるような伝送による点ぼけを生じることなく、伝送路に沿うチャンネル特性の変化が小さい場合、各点間隔をより近接させて設定できることを意味する。このようにして、8ビットが、振幅及び位相変調により、1つの搬送周波数上に変調できる。
【0055】
本実施例において、データ伝送には、ヨーロッパCENELEC標準に従い、全体の帯域幅が38.5kHzであるB帯域(95〜125KHz)及びD帯域(140〜148.5KHz)が利用される。そして、使用可能な最高周波数fmaxは148.5kHzであり、そのため、DA変換器2は300kHzを越えるサンプリング周波数で動作するよにされる。DA変換器2の出力電圧は、周期的に生じる高周波数成分を含むステップ関数である。サンプリング・レートがfaの時、第1の高周波数成分は、周波数fa−fmaxで開始する。しかし、このような周波数成分は、1/fに比例して減少する。従って、DA変換器2により生じるスプリアス周波数を低いまま保持するため、サンプリング周波数をより高く選ぶことが好ましい。本例では、fa=768kHzを選ぶことができる。
【0056】
異なる搬送周波数に分けられた使用可能情報は、フーリエ逆変換により、信号ブロック(時間空間)に変換される。そこでは、フーリエ変換はNFFT個の点により実行される。長さは、少なくとも512又は1024、或いはそれ以上の点であるように選ぶことが好ましい。本例では、NFFT=4096である。所定のサンプリング周波数faにより、搬送周波数間の距離dfは、結果的にdf=fa/NFFTとなる。距離dfの逆数は信号ブロックの長さに対応し、本例では5.3msである。30msまでの最大ブロック期間でも、テレコミュニケーションではリアルタイム転送が起こると考えられる。距離dfにより離散的な周波数群(”bins”: ビン)が定まり、方形波関数により切り出された信号ブロックのフーリエ・スペクトルは各離散的周波数にて、零交差を持つ。本例では、搬送波の数はおよそ204である。
【0057】
方形ウィンドウにより切り出される信号ブロックは、実際には、特定の周波数帯域内ではデータ伝送に使用することはできない。その理由は、図2に示すように、より高い周波数での電力低下が小さすぎるからである。ヨーロッパ標準では、使用周波数帯域外では強い電力低下が規定されている。即ち、現れるスプリアス周波数の電力スペクトルは急激に低下する必要がある。これは、搬送周波数の厳しい制限により、例えば、周波数帯域の境界から十分な距離を保った搬送周波数のみ選ぶことにより、達成できる。しかし、一方ではデータ伝送速度が、非実際的な値まで低下してしまう。
【0058】
従って、本発明では、ウィンドウ関数で信号ブロックを乗算ないし逓倍することが提示され、そのフーリエ変換は使用搬送周波数において零交差を有し、また、主最大点に対して少なくとも−30dBの減衰増加を有する二次最大点を有する。これは、許可周波数帯域外での最高使用搬送周波数によって、周波数に従い低下する極めて弱い干渉が起こるだけであることを保証する。使用搬送周波数での零交差の必要条件は、システムの前記直交性を保証する。
【0059】
適当なウィンドウを選ぶ場合、搬送周波数として各第2の離散的周波数(”bin”: ビン)のみ使用することが必要、且つ好適である。図3は、特に好適なウィンドウ関数のフーリエ・スペクトルを示す図である。以下に、ウィンドウ関数の例を示す。
【数4】
【0060】
ここで、n=0〜NFFT−1、I=2で、係数ciは、c0=0.5093、c1=−0.4941、c2=0.0059である。
【0061】
上記の時間ウィンドウを使う場合、時間期間における各信号ブロックの最初と最後が受けるエネルギーは極めて僅かであることは明らかである。従って、データ伝送速度を上げるため、信号ブロックを重複させることができる。前記ウィンドウ関数を使う場合、使用可能搬送波を半分にすることに繋がり、データ伝送速度は、例えば、およそ153kbit/sである。このデータ伝送速度は、信号ブロックの重なり率が約6%の場合、搬送周波数がリターン・チャンネル及び同期チャンネルに占められて、伝送チャンネルの搬送波数が96に減少した場合でさえ、維持可能である。
【0062】
本発明のデータ伝送方法により、電力ネットワーク上で、ISDNデータ伝送速度が可能となる。給電は、トランスデューサ(変換器)4により実行され、変換器4は二方向に動作し、電気ネットワークからの電気的分離をもたらす。変換器4により、50Hzのライン周波数に対してフィルタリングが行われ、一方、使用周波数帯域に対して良好な伝送特性が提供される。
【0063】
アナログ受信側上のアナログ帯域フィルターにより、周波数の下及び上に現れる電力線妨害を抑制することが望ましい。これにより、AD変換器3のダイナミック・レンジが広がり、データの安全保護性が向上する。
【0064】
本発明のデータ伝送方法の別の実施例では、時間ウィンドウに代わり、ディジタル・フィルターが使用される。このディジタル・フィルターは、各使用周波数帯域外で、少なくとも−30dBの減衰率を有する。このため、二値符号化データが、シフト・レジスター内で遅延され、所定の係数列で加重される。この手順は、時間空間のコンボルーションとして数学的に表すことができ、周波数空間での乗法に対応する。
【0065】
信号位相を変化しないよう維持するため、全体長が奇数となるよう、長さm(k=0,...,m)の対称係数ck=c−kを有するディジタル・フィルターが利用される。m=300の場合の適当な係数が図4に示され、その詳細は、次の表に列状に示される。
【0066】
【0067】
上記使用のディジタル・フィルターにより、各離散的周波数(ビン)を搬送周波数として採用することが可能となり、直交性をできるだけ良好に維持することが可能となる。ディジタル・フィルターの特性により、許可周波数帯域外の周波数に対して、データ伝送における減衰必要条件を十分に満たすことができる。
【0068】
フィルタリングは、結果的に信号ブロックの時間拡大に繋がることから、時間ウィンドウとは対照的に如何なる重複も不可能であるが、信号ブロック間の時間分離は必要である。この時間分離長さは、ブロック期間のおよそ10%に相当する。
【0069】
ディジタル・フィルターの使用は、伝送チャンネルの信号対雑音比が低い場合、特に効果的である。
【0070】
転送対象の信号ブロック上に、それぞれウィンドウ関数及びディジタル・フィルターを適用する本発明のデータ伝送によれば、電気ネットワークを伝送チャンネルとして使う場合、ISDNのデータ伝送速度が可能となり、一方では、ヨーロッパ基準を維持できる。
【0071】
【発明の効果】
本発明のデータ伝送方法は、使用周波数帯域外への干渉を生ずることなく、高速なデータ伝送速度で狭周波数帯域内で動作することできる電力ネットワーク用のデータ伝送方法であり、また、各国固有の標準を遵守することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例として、本発明の電気ネットワーク上のデータ伝送に適当な構成を示す図。
【図2】方形ウィンドウのフーリエ・スペクトラムを示す図。
【図3】本発明のウィンドウ関数のフーリエ・スペクトラムを示す図。
【図4】本発明のディジタルフィルタの係数ck を示す図。
【符号の説明】
1 ディジタル信号プロセッサ
2 DA変換器
3 AD変換器
4 トランスデューサ
5 電力ネットワーク
【発明の属する技術分野】
本発明はデータ伝送方法に関わり、特に電気ネットワークにおけるデータ伝送に好適なデータ伝送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気ネットワークにおいては、直交周波数分割多重方法(Orthogonal Frequency Division Multiplex Method:OFDM)により、1つ又は幾つかの周波数帯域内で、符号化データが幾つかの搬送波周波数上にブロック変調される。また、該電気ネットワークにおいては、データブロックに対応し、かつ、フーリエ逆変換により得られる信号が、所定期間(T) の間、受信機に転送される。受信機内では、個々の信号が信号ブロックとして時間的に継続する。
【0003】
上記のような方法は、例えば電力線伝送技術で使用される。この技術は、転送対象データの適当な符号化及び変調により、DCネットワーク上で、単一方向及び双方向で受信機にそのデータを転送しようとするものである。
【0004】
この目的のため、ヨーロッパでは、CENELEC EN 50065というヨーロッパ標準に従う帯域A乃至Dが利用可能である。これらの帯域の周波数範囲は、それぞれ9〜95KHz(A帯域)、95〜125KHz(B帯域)、125〜140KHz(C帯域)、140〜148.5KHz(D帯域)である。米国及び日本では、最大500KHzまでの周波数範囲が利用可能である。
【0005】
ほとんど全ての家屋や建築物が電気ネットワークに接続されているため、電力線によるデータ伝送が望ましく、2本のワイヤ線、同軸ケーブル及び光ファイバーの追加設置が必要なくなる。
【0006】
セントラルヒーティング、エアコンディショニング、照明器具、又は機械等の電気機器は、例えばスイッチ、センサ、アクチュエータにより、自動的に操作、制御、監視可能である。
【0007】
このため、50Hzでエネルギー伝送するための既存の電気ネットワークが、高周波数信号の伝送に使用される。この点に関して、異なる高周波数ごとに異なるライン特性、ライン電圧降下、引込線、地域ごとに多様な伝送媒体特性が問題となる。ヨーロッパ標準の許可帯域内では、供給信号の入力インピーダンスが、周波数低下と共に増加する。
【0008】
別の問題として、電気ネットワークに様々なスプリアス信号が存在する結果起こるものがある。特に、低周波数で、強く大きい帯域幅雑音が生じる。テレビ、コンピュータ、無線送信機は、高い出力密度で狭帯域幅干渉を起こす。また、パルス干渉も起こる。これは、電力オンと電力オフ操作が原因であり、KVレンジのピーク電圧を有する。このような干渉スペクトラムは、その急峻な前端と後端(立ち上がり端と立ち下がり端)により、MHzレンジに及ぶ。
【0009】
数MHzの帯域幅を使い、数Mbit/s オーダーのデータ伝送速度を有する電気ネットワーク用伝送方式が、目下検討されている。しかし、ヨーロッパ標準の周波数帯域を採用する高データ伝送速度が望ましい。
【0010】
エネルギー分配ネットワーク上のテレコミュニケーション(通信)に関しては、周知の直交周波数分割多重方法(OFDM)により、ACラインを介しデータを転送する方法が知られている(インテロン社、1998年、白書#0032、IeOFDM高速新ワイヤ無し、改訂第2.0 、http://www.intellon.com)。このため、利用可能周波数スペクトルが多くの狭帯域幅区域に分割され、そこで各データが搬送波周波数の位相変調により符号化される。
【0011】
OFDM変調は高速フーリエ変換(FFT)プロセッサにより生じ、その後のフーリエ逆変換により時間信号が得られる。この信号の最後に位置する数マイクロ秒長の信号部分を、それの最初にコピーすることにより、転送すべき信号ブロックが生成される。コピーされた部分の長さは、それぞれ、伝送チャンネルにおける元の信号の反射期間に依存する。このコピー操作は、元の信号ブロックによるその時間遅延反射の干渉を避けるために行われる。このようにして得られる伝送速度は、2MHzを超える周波数帯域において、10Mbit/s になる。
【0012】
周知のテレコミュニケーション方法において不都合と判明しているものは、まさに上記のコピー操作である。その理由はコピー操作が接続点での不連続遷移につながることであり、このことは、個々の信号ブロックが一列に並ぶ場合も起こる。時間レンジ(時間領域)におけるこのような不連続性は、結果として周波数レンジ(周波数領域)での成分をもたらす。そのため、他の搬送波周波数との重なりが起き、また許可された周波数帯域外での干渉が起こる。更に、伝送チャンネルでの反射期間、従って、それによるコピーすべき信号部分の長さが変化する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、使用周波数帯域外への干渉を生ずることなく、高速なデータ伝送速度で狭周波数帯域内で動作する、特に電気ネットワーク用のデータ伝送方法を提供することである。特に、各国固有の標準を遵守する必要がある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、 直交周波数分割多重方法(OFDM)により、1つ又は幾つかの個別の周波数帯域内で、符号化データが数個の搬送周波数上にブロック変調され、また、データブロックに対応し、フーリエ逆変換により得られる信号が所定の期間(T)受信機に転送され、そして各信号が信号ブロックとして時間的に継続する電力ネットワークにおけるデータ伝送方法において、各信号が伝送前にウィンドウ関数により乗算され、ウィンドウ関数のフーリエ変換の絶対値が、各使用搬送周波数で零交差を有し、主最大点に対して少なくとも−30dBの減衰を持つ二次最大点を有することを特徴とする。
【0015】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のデータ伝送方法において、フーリエ変換の絶対値が少なくとも搬送波としての第2周波数毎に零交差を有するウィンドウ関数が使用されることを特徴とする。
【0016】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載のデータ伝送方法において、フーリエ変換絶対値が、第2の二次最大点以降、主最大点に対して少なくとも−50dB〜−60dBの減衰を持つ二次最大点を有するウィンドウ機能が使用されることを特徴とする。
【0017】
請求項4に係る発明は、請求項1から3の何れか1つに記載のデータ伝送方法において、次の式で表す関数が、ウィンドウ関数として使用され、
【数2】
ここで、n=0,...,NFFT−1であり、NFFTは、フーリエ逆変換に使われる点の数を示し、
係数ciは、I=2の場合、c0=0.5093、c1=−0.4941、c2=0.0059として選ばれることを特徴とする。
【0018】
請求項5に係る発明は、請求項1から4の何れか1つに記載のデータ伝送方法において、データが直交振幅変調(QAM)により符号化されることを特徴とする。
【0019】
請求項6に係る発明は、請求項1から5の何れか1つに記載のデータ伝送方法において、ヨーロッパ標準CenelecEN50065の1つ以上の帯域、特に前記標準の内、それぞれ95〜125kHz、140〜148.5kHzの範囲のB帯域及びD帯域が周波数帯域として使用されることを特徴とする。
【0020】
請求項7に係る発明は、請求項1から6の何れか1つに記載のデータ伝送方法において、前記信号は低電圧分配ネットワークにおいて転送されることを特徴とする。
【0021】
請求項8に係る発明は、請求項1から7の何れか1つに記載のデータ伝送方法において、前記信号は周波数空間内でディジタル信号プロセッサ(DSP)により生成され、フーリエ逆変換により時間空間に変換され、そこでウィンドウ関数により逓倍され、その後DA変換器により変換され、伝送体内に供給されることを特徴とする。
【0022】
請求項9に係る発明は、請求項1から8の何れか1つに記載のデータ伝送方法において、各信号ブロックは時間的に重複して転送されることを特徴とする。
【0023】
請求項10に係る発明は、請求項1から9の何れか1つに記載のデータ伝送方法において、搬送周波数の数が、伝送チャンネル、リターン・チャンネル及び同期チャンネルの間に分配されることを特徴とする。
【0024】
請求項11に係る発明は、請求項10に記載のデータ伝送方法において、搬送周波数が各リターン・チャンネル及び同期チャンネルに使用されることを特徴とする。
【0025】
請求項12に係る発明は、請求項1から11の何れか1つに記載のデータ伝送方法において、信号ブロックのデータが、例えばBCH符号化により、エラー訂正されることを特徴とする。
【0026】
請求項13に係る発明は、請求項10に記載のデータ伝送方法において、伝送チャンネル及びリターン・チャンネルは、それぞれ数個の異なる、或いは同一の搬送周波数を有することを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態例を説明する。図1は本発明の電気ネットワーク上のデータ伝送に適当な配置を示す略図、図2は方形ウィンドウのフーリエ・スペクトルを示す図、図3は本発明のウィンドウ関数のフーリエ・スペクトルを示す図、図4は、本発明のディジタル・フィルターの係数ckを示す図である。
【0029】
本発明の目的は請求項1又は14の記載の特徴により達成される。好適な実施例は従属請求項に記載される。
【0030】
本発明によれば、各信号は伝送前にウィンドウ関数により乗算される。このようにして得られる信号ブロックは、時間継続的に転送される。ウィンドウ関数は、高周波数干渉成分を排除するならば、不連続をできるだけ避ける必要があるから、信号をマージン(余裕)を以て切り出すべきではない。
【0031】
従って、本発明によれば、フーリエ変換の絶対値が次のような特徴を有するウィンドウ関数を選ぶ必要がある。つまり、各零交差が使用搬送周波数において存在すること(第1の条件)、二次最大点が主最大点(周波数0)に関して少なくとも−30dBの減衰を有すること(第2の条件)が必要である。
【0032】
上記第1の条件により、使用される各搬送周波数に対して直交性が保証される。つまり、このことは、結果的に生成される信号が、搬送周波数間に分配される調和関数の直線組合せを表し、各関数と各搬送波の相互干渉無しに構成され、個々の搬送波成分に一意的に分解されることを意味する。
【0033】
上記第2の条件により、搬送周波数の範囲外では、電力スペクトルの急速な低下が保証される。これにより、特に、電気ネットワークにおいて特定の周波数範囲を使用する時、必須の標準を満たすことが可能となる。
【0034】
特定期間の信号ブロックの時間範囲での結合は、時間期間Tの方形ウィンドウによる信号の乗算あるいは逓倍に対応し、その後結果的に生じる各信号ブロックは時間的に結合される。この時間範囲での乗算あるいは逓倍は、周波数範囲でのコンボルーションに対応する。周波数範囲内で起こる干渉が小さいほど、時間範囲でより広い方形ウィンドウが選ばれる。公知のインテロン方法では、狭時間信号部分のコピーが結果的に広帯域干渉を生じる。
【0035】
期間Tの方形ウィンドウは、値1/(2×T)の逓倍でそれぞれ零交差を有する。その場所では、搬送周波数は、他の搬送波情報と重なることなしに、配置可能である。しかし、方形ウィンドウにより生成する高周波数成分が極めてゆっくりとのみ減衰される、という不都合は残る。その結果、使用周波数帯域外で前記スプリアス周波数が生じ、従って、標準に不一致となる。
【0036】
従って、本発明によれば、使用すべきウィンドウは、搬送波数の制限を避けるため、許可周波数帯域内で出来る限り多くの零交差を有する必要がある。また、主最大点外で少なくとも−30dBというような、強力な減衰を有する必要もある。これらの必要条件を満たすため、減衰条件を満たすことができれば、方形ウィンドウに関連する各搬送周波数の中で何れの第2の周波数だけでも使用可能である。特に望ましいことは、第2の二次最大点からはずっと、少なくとも−50〜−60dBの減衰である。
【0037】
可能なウィンドウ関数の例は、次の式で表すことができる。
【数3】
【0038】
ここで、NFFTは、信号生成でのフーリエ逆変換に使用される点の数を表す。nは、t0からt0+Tの時間間隔に対応する、0から(NFFT−1)なる数である。係数ciは、該関数のフーリエ変換が出来るだけ速く減衰し、第2の二次最大点においてすでに少なくとも−50dBの減衰を有するよう、選ぶことができる。式中のIをI=2とすれば、これら係数は、c0=0.5093、c1=−0.4941、c2=0.0059と表すことができる。
【0039】
このウィンドウは図3に示すように、少なくとも第2の搬送周波数毎に(方形ウィンドウと比較して)直交条件を満たす。また、減衰条件も、すでに第2の二次最大点が−59dBに低下することで満足される。
【0040】
本発明のデータ伝送方法においては、OFDM(直交周波数分割多重方法)との組合せで直交振幅変調(Quqdrature Amplitude Modulatin:QAM)を使用することによりデータ変調を行うことが、好ましい。ここで、2、4、8、64、128、256等の情報個数が、256−QAMにおいて搬送波毎に8ビット符号化で、位相及び・又は振幅変調により符号化することが可能である。この点に関し、複素空間内の隣接方形上で、等距離に情報を分配することが好ましい。方形のサイズは、伝送経路の位相及び振幅の不確実さにより前もって決められる。
【0041】
本発明の方法は、特に、Cenelec標準のB帯域及びD帯域でのデータ転送に使用可能である。よって、信号は低電圧配電ネットワークで分配することができる。例えば、「建物内」あるいは「建物間」データ伝送が特に好ましい。
【0042】
周波数空間内にてディジタル信号プロセッサにより信号を生成し、この信号をフーリエ逆変換により時間空間へ変換することが好ましい。時間空間では、信号は本発明の時間ウィンドウにより乗算され、次いで、ディジタル・アナログ変換器により継続的に変換される。これにより、信号は搬送波等の伝送体に供給され得る。本方法により、極めて高速な実行可能なフーリエ変換により高速伝送が可能となり、従って、リアルタイムの通信が可能となる。
【0043】
生成された信号ブロックの最初と最後に含まれるエネルギーはほんの僅かであり、あるいは殆どない。そのため、秒当たりのブロック数を増加するために、各信号ブロックを重ねることが可能である。このようにして、ISDN速度に匹敵するデータ伝送速度を容易に達成することができる。
【0044】
また、本発明の方法は、単一方向データ伝送に加えて、搬送周波数の数を伝送チャンネルとリターン・チャンネルに分けることにより、双方向データ伝送にも使用可能である。さらに、好ましくは、搬送波を保有あるいは予約できる別の同期チャンネルを設置することである。同期チャンネルにより、長期的に大きな偏差に繋がる小さな水晶ドリフトなしに、数カ所の局で永久同期が可能となる。
【0045】
データ伝送の形態により、リアルタイムに即ち(例えば、テレコミュニケーションにおけるような)遅延のないデータ転送を行う必要があり、或いは、遅延を許容して、2値化形態で、信頼性があり且つエラー無しにデータ転送を行う必要がある。エラー訂正のために、伝送対象の全データを、一方のビット数を制御ビットとして使用する2つのパッケージ内に分配することができる。このエラー訂正の点においては、BCHコード(ボーズ−チョドーリ−オッケンジェム符号:巡回符号の1つ)を使用することが好ましい。
【0046】
データ伝送速度は、伝送チャンネル及びリターン・チャンネルを使うことにより増加できる。ただし、両チャンネルが同じ搬送周波数を有することが必要である。このための必要条件は、低反射の伝送路である。
【0047】
データ伝送の別の可能性として、伝送前にディジタル・フィルターを通して各信号を供給することが上げられる。この場合、ディジタル・フィルターの伝達関数は、許可帯域内の全ての搬送波と比べ、各使用周波数帯域外で少なくとも−30dBの減衰を有するものが使用可能である。周波数帯域では、ウィンドウ技術における第2周波数帯域毎に代わり、許可帯域内の全ての搬送波が使用可能であり、よって、データ速度が2倍になる。
【0048】
ディジタル・フィルターは、直線位相で動作し、即ち、対称な係数(c−k=ck)及び奇数個(k=−m,...,0,...m)の係数を有する。ディジタル・フィルターの使用により信号ブロックが時間的に長くなるため、個々の信号ブロックを時間的に直接継続して転送すべきでない。信号ブロック間の時間間隔として、ブロック長の約10%を選ぶことが有利であることが判明している。
【0049】
フィルター係数の選択にあたっては、減衰条件、即ち使用周波数帯域外での強い減衰と、直交性条件、即ち搬送波の相互干渉の回避を遵守すべきである。
【0050】
ウィンドウ関数を採用するデータ伝送方法と、各信号ブロックのディジタル・フィルタリングを行うデータ伝送方法を比較すると、以下の点に着目できる。
【0051】
つまり、ディジタル・フィルタリング技術では、ウィンドウ技術より多くの計算オーバーヘッドが要求され、更に直交性の必要条件が完全に満たされるとは限らない。他方、数で2倍の搬送周波数を使うことができ、伝送路における信号対雑音比が低い場合でさえも、信頼できるデータ伝送が実現できる。最後に、ウィンドウ技術では信号ブロックを時間的に重複させることができるが、ディジタル・フィルタリング技術では信号ブロックが時間的に長くなる。
【0052】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0053】
図1は、本発明の電気ネットワーク5におけるデータ伝送のための配置を概略的に示す。ディジタル信号プロセッサ(DSP、以下、信号プロセッサと呼ぶ)1により符号化及び変調されたデータが、高速サンプリングレートのDA変換器2により、トランスジューサ(変換器)4を介し電気ネットワーク5内に供給される。受信側では、受信信号が、AD変換器3によりディジタル形態で、信号プロセッサ1に供給され、そこで、信号が復調され復号化される。
【0054】
使用可能なデータは信号プロセッサ1に転送され、そこで、データは、例えばQAM−OFDM方法(256−QAM)により、8ビットの精度でディジタル化される。変調に関しては、好ましくは、振幅及び位相の値を複素空間における256値の各々に割り当て、これらの値がそこに等距離格子点を形成するように行う。2点間距離は伝送チャンネルの品質により与えられる。このことは、信号雑音が小さく、また復号化時の割当ミスに繋がるような伝送による点ぼけを生じることなく、伝送路に沿うチャンネル特性の変化が小さい場合、各点間隔をより近接させて設定できることを意味する。このようにして、8ビットが、振幅及び位相変調により、1つの搬送周波数上に変調できる。
【0055】
本実施例において、データ伝送には、ヨーロッパCENELEC標準に従い、全体の帯域幅が38.5kHzであるB帯域(95〜125KHz)及びD帯域(140〜148.5KHz)が利用される。そして、使用可能な最高周波数fmaxは148.5kHzであり、そのため、DA変換器2は300kHzを越えるサンプリング周波数で動作するよにされる。DA変換器2の出力電圧は、周期的に生じる高周波数成分を含むステップ関数である。サンプリング・レートがfaの時、第1の高周波数成分は、周波数fa−fmaxで開始する。しかし、このような周波数成分は、1/fに比例して減少する。従って、DA変換器2により生じるスプリアス周波数を低いまま保持するため、サンプリング周波数をより高く選ぶことが好ましい。本例では、fa=768kHzを選ぶことができる。
【0056】
異なる搬送周波数に分けられた使用可能情報は、フーリエ逆変換により、信号ブロック(時間空間)に変換される。そこでは、フーリエ変換はNFFT個の点により実行される。長さは、少なくとも512又は1024、或いはそれ以上の点であるように選ぶことが好ましい。本例では、NFFT=4096である。所定のサンプリング周波数faにより、搬送周波数間の距離dfは、結果的にdf=fa/NFFTとなる。距離dfの逆数は信号ブロックの長さに対応し、本例では5.3msである。30msまでの最大ブロック期間でも、テレコミュニケーションではリアルタイム転送が起こると考えられる。距離dfにより離散的な周波数群(”bins”: ビン)が定まり、方形波関数により切り出された信号ブロックのフーリエ・スペクトルは各離散的周波数にて、零交差を持つ。本例では、搬送波の数はおよそ204である。
【0057】
方形ウィンドウにより切り出される信号ブロックは、実際には、特定の周波数帯域内ではデータ伝送に使用することはできない。その理由は、図2に示すように、より高い周波数での電力低下が小さすぎるからである。ヨーロッパ標準では、使用周波数帯域外では強い電力低下が規定されている。即ち、現れるスプリアス周波数の電力スペクトルは急激に低下する必要がある。これは、搬送周波数の厳しい制限により、例えば、周波数帯域の境界から十分な距離を保った搬送周波数のみ選ぶことにより、達成できる。しかし、一方ではデータ伝送速度が、非実際的な値まで低下してしまう。
【0058】
従って、本発明では、ウィンドウ関数で信号ブロックを乗算ないし逓倍することが提示され、そのフーリエ変換は使用搬送周波数において零交差を有し、また、主最大点に対して少なくとも−30dBの減衰増加を有する二次最大点を有する。これは、許可周波数帯域外での最高使用搬送周波数によって、周波数に従い低下する極めて弱い干渉が起こるだけであることを保証する。使用搬送周波数での零交差の必要条件は、システムの前記直交性を保証する。
【0059】
適当なウィンドウを選ぶ場合、搬送周波数として各第2の離散的周波数(”bin”: ビン)のみ使用することが必要、且つ好適である。図3は、特に好適なウィンドウ関数のフーリエ・スペクトルを示す図である。以下に、ウィンドウ関数の例を示す。
【数4】
【0060】
ここで、n=0〜NFFT−1、I=2で、係数ciは、c0=0.5093、c1=−0.4941、c2=0.0059である。
【0061】
上記の時間ウィンドウを使う場合、時間期間における各信号ブロックの最初と最後が受けるエネルギーは極めて僅かであることは明らかである。従って、データ伝送速度を上げるため、信号ブロックを重複させることができる。前記ウィンドウ関数を使う場合、使用可能搬送波を半分にすることに繋がり、データ伝送速度は、例えば、およそ153kbit/sである。このデータ伝送速度は、信号ブロックの重なり率が約6%の場合、搬送周波数がリターン・チャンネル及び同期チャンネルに占められて、伝送チャンネルの搬送波数が96に減少した場合でさえ、維持可能である。
【0062】
本発明のデータ伝送方法により、電力ネットワーク上で、ISDNデータ伝送速度が可能となる。給電は、トランスデューサ(変換器)4により実行され、変換器4は二方向に動作し、電気ネットワークからの電気的分離をもたらす。変換器4により、50Hzのライン周波数に対してフィルタリングが行われ、一方、使用周波数帯域に対して良好な伝送特性が提供される。
【0063】
アナログ受信側上のアナログ帯域フィルターにより、周波数の下及び上に現れる電力線妨害を抑制することが望ましい。これにより、AD変換器3のダイナミック・レンジが広がり、データの安全保護性が向上する。
【0064】
本発明のデータ伝送方法の別の実施例では、時間ウィンドウに代わり、ディジタル・フィルターが使用される。このディジタル・フィルターは、各使用周波数帯域外で、少なくとも−30dBの減衰率を有する。このため、二値符号化データが、シフト・レジスター内で遅延され、所定の係数列で加重される。この手順は、時間空間のコンボルーションとして数学的に表すことができ、周波数空間での乗法に対応する。
【0065】
信号位相を変化しないよう維持するため、全体長が奇数となるよう、長さm(k=0,...,m)の対称係数ck=c−kを有するディジタル・フィルターが利用される。m=300の場合の適当な係数が図4に示され、その詳細は、次の表に列状に示される。
【0066】
【0067】
上記使用のディジタル・フィルターにより、各離散的周波数(ビン)を搬送周波数として採用することが可能となり、直交性をできるだけ良好に維持することが可能となる。ディジタル・フィルターの特性により、許可周波数帯域外の周波数に対して、データ伝送における減衰必要条件を十分に満たすことができる。
【0068】
フィルタリングは、結果的に信号ブロックの時間拡大に繋がることから、時間ウィンドウとは対照的に如何なる重複も不可能であるが、信号ブロック間の時間分離は必要である。この時間分離長さは、ブロック期間のおよそ10%に相当する。
【0069】
ディジタル・フィルターの使用は、伝送チャンネルの信号対雑音比が低い場合、特に効果的である。
【0070】
転送対象の信号ブロック上に、それぞれウィンドウ関数及びディジタル・フィルターを適用する本発明のデータ伝送によれば、電気ネットワークを伝送チャンネルとして使う場合、ISDNのデータ伝送速度が可能となり、一方では、ヨーロッパ基準を維持できる。
【0071】
【発明の効果】
本発明のデータ伝送方法は、使用周波数帯域外への干渉を生ずることなく、高速なデータ伝送速度で狭周波数帯域内で動作することできる電力ネットワーク用のデータ伝送方法であり、また、各国固有の標準を遵守することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例として、本発明の電気ネットワーク上のデータ伝送に適当な構成を示す図。
【図2】方形ウィンドウのフーリエ・スペクトラムを示す図。
【図3】本発明のウィンドウ関数のフーリエ・スペクトラムを示す図。
【図4】本発明のディジタルフィルタの係数ck を示す図。
【符号の説明】
1 ディジタル信号プロセッサ
2 DA変換器
3 AD変換器
4 トランスデューサ
5 電力ネットワーク
Claims (13)
- 直交周波数分割多重方法(OFDM)により、1つ又は幾つかの個別の周波数帯域内で、符号化データが数個の搬送周波数上にブロック変調され、また、データブロックに対応し、フーリエ逆変換により得られる信号が所定の期間(T)受信機に転送され、そして各信号が信号ブロックとして時間的に継続する電力ネットワークにおけるデータ伝送方法であり、各信号が伝送前にウィンドウ関数により乗算され、ウィンドウ関数のフーリエ変換の絶対値が、各使用搬送周波数で零交差を有し、主最大点に対して少なくとも−30dBの減衰を持つ二次最大点を有することを特徴とするデータ伝送方法。
- 請求項1に記載のデータ伝送方法において、フーリエ変換の絶対値が少なくとも搬送波としての第2周波数毎に零交差を有するウィンドウ関数が使用されることを特徴とするデータ伝送方法。
- 請求項1又は2に記載のデータ伝送方法において、フーリエ変換絶対値が、第2の二次最大点以降、主最大点に対して少なくとも−50dB〜−60dBの減衰を持つ二次最大点を有するウィンドウ機能が使用されることを特徴とするデータ伝送方法。
- 請求項1から4の何れか1つに記載のデータ伝送方法において、データが直交振幅変調(QAM)により符号化されることを特徴とするデータ伝送方法。
- 請求項1から5の何れか1つに記載のデータ伝送方法において、ヨーロッパ標準(CenelecEN50065)の1つ以上の帯域、特に前記標準の内、それぞれ95〜125kHz、140〜148.5kHzの範囲のB帯域及びD帯域が周波数帯域として使用されることを特徴とするデータ伝送方法。
- 請求項1から6の何れか1つに記載のデータ伝送方法において、前記信号は低電圧分配ネットワークにおいて転送されることを特徴とするデータ伝送方法。
- 請求項1から7の何れか1つに記載のデータ伝送方法において、前記信号は周波数空間内でディジタル信号プロセッサ(DSP)により生成され、フーリエ逆変換により時間空間に変換され、そこでウィンドウ関数により逓倍され、その後DA変換器により変換され、伝送体内に供給されることを特徴とするデータ伝送方法。
- 請求項1から8の何れか1つに記載のデータ伝送方法において、各信号ブロックは時間的に重複して転送されることを特徴とするデータ伝送方法。
- 請求項1から9の何れか1つに記載のデータ伝送方法において、搬送周波数の数が、伝送チャンネル、リターン・チャンネル及び同期チャンネルの間に分配されることを特徴とするデータ伝送方法。
- 請求項10に記載のデータ伝送方法において、搬送周波数が各リターン・チャンネル及び同期チャンネルに使用されることを特徴とするデータ伝送方法。
- 請求項1から11の何れか1つに記載のデータ伝送方法において、信号ブロックのデータが、例えばBCH符号化により、エラー訂正されることを特徴とするデータ伝送方法。
- 請求項10に記載のデータ伝送方法において、伝送チャンネル及びリターン・チャンネルは、それぞれ数個の異なる、或いは同一の搬送周波数を有することを特徴とするデータ伝送方法。
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