JP3576003B2 - 使い捨ておむつ - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、開放型の使い捨ておむつに関する。
【０００２】
【従来の技術】
特開平５−３１７３５６号公報に開示のおむつは、前後身頃の胴周りの対向側部を重ね合わせ、さらに、先端部の内面に係着部を設けた各締結片の基端部を重ね合せて一体に接合する。前身頃の側部には、各締結片の接合部の近傍に、前身頃の側部を後身頃の側部から切離すための切断線を設けている。おむつの前身頃には、胴周り部の外面にスケール目盛を表示した帯状シートが貼着されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
前記公知技術の帯状シートは、締結片の係着部を繰り返し係着するための補強と、係着部の係着位置を示すインジケータとの機能を果たすものであるが、着用者の胴周りおよび脚周りの寸法合わせの目安にはならない。寸法合わせは、母親が経験や勘に頼った目測で行っているため、着用者の胴周りと脚周りとの寸法が事前にわかっていても、実際の着用者のそれら寸法に合わせることが難しい。
【０００４】
本発明の課題は、着用者の胴周り寸法と脚周りの寸法とに対応する目安を設け、着用時にこの目安を用いながら微調整を行うことで、容易に寸法合わせをすることができる使い捨ておむつの提供である。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明が前提とするのは、透液性トップシートと不透液性バックシートとの間に吸液性コアが介在し、胴周り方向と交差する長手方向に前胴周り域と、後胴周り域と、これら両域間に位置する股下域とを有し、前記後胴周り域の両側縁それぞれから胴周り方向外方へ延出するテープファスナの自由端部を前記前胴周り域の外面に形成された止着域に取り外し可能に係合させたときに胴周り開口と一対の脚周り開口とが形成される開放型の使い捨ておむつである。
【０００６】
かかる前提において、本発明が特徴とするところは、前記止着域には、前記おむつを胴周り方向に二分する中心線から左右対称の位置に胴周り方向へ並ぶ複数の第１指標が表示され、前記第１指標には、前記テープファスナの自由端部に形成された第２指標を前記第１指標に一致させたときの胴周り寸法と、前記胴周り寸法に対応する平均的な脚周り寸法とが表示され、前記第１指標が、前記中心線と平行に延びていて該中心線から胴周り方向外方へ等間隔で並ぶ複数条の直線と、前記中心線と交差する方向へ延びていて隣り合う前記直線どうしの上端と下端とを結ぶ複数条の斜線とから形成され、前記第２指標が、前記テープファスナの自由端部の先端よりも内側の位置で該テープファスナ外面に表示されていて前記中心線に平行して延びる止着案内線から形成され、前記胴周り寸法が、前記直線の上端に表示され、前記脚周り寸法が、前記直線の下端に表示され、１つの前記胴周り寸法に対する３つの前記脚周り寸法が、１条の前記直線の下端と１条の前記直線の上端から延びる２条の前記斜線の下端とに示されていることにある。
【０００７】
本発明の実施の態様の一例では、前記止着域が、ループ部材とフック部材とからなるメカニカルファスナの一方の部材で形成され、前記テープファスナが、前記メカニカルファスナの他方の部材を有している。
【０００８】
本発明の実施の態様の他の一例では、前記胴周り寸法が、前記中心線から胴周り方向外方へ向かって２ｃｍ間隔で大きくなるように前記直線の上端に表示され、前記脚周り寸法が、前記中心線から胴周り方向外方へ向かって１ｃｍ間隔で大きくなるように前記直線の下端に表示されている。
【０００９】
【００１０】
【発明の実施の形態】
添付の図面を参照し、この発明に係る開放型の使い捨ておむつの詳細を説明すると、以下のとおりである。
【００１１】
図１，２は、使い捨ておむつ１の部分破断斜視図と、テープファスナ６を仮想線で示すターゲットテープ５の平面図とである。図１では、テープファスナ６を前胴周り域２０のターゲットテープ５に係合させた状態で示し、テープファスナ６をターゲットテープ５に係合させる以前の状態を仮想線で示す。
【００１２】
使い捨ておむつ１は、透液性トップシート２と、不透液性バックシート３と、これらシート２，３のうちの少なくとも一方の内面に接合された吸液性コア４とで構成されている。おむつ１は、胴周り方向と交差する長手方向に前胴周り域２０と、後胴周り域２２と、これら両域２０，２２間に位置する股下域２１とを有する。
【００１３】
後胴周り域２２の左右両側には、胴周り方向外方へ延出する翼部２３が形成されている。翼部２３の側縁からは、テープファスナ６が延出している。前胴周り域２０の外面には、テープファスナ６の止着域５となるターゲットテープ５が接合されている。このテープ５は、前胴周り域２０の端縁２０ａと並行しておむつ１の胴周り方向へ延びる端縁５ａがおむつ１の長手方向へ延びる側縁５ｂよりも長い矩形を呈する。テープファスナ６をその内面に塗布された粘着剤７を介して、ターゲットテープ５に止着すると、胴周り開口８と左右一対の脚周り開口９とが形成される。後胴周り域２２と股下域２１とには、後胴周り域２２の端縁２２ａと股下域２１の側縁とに沿って延びる弾性伸縮部材１０，１１が取り付けられている。それら弾性伸縮部材１０，１１は、トップシート２とバックシート３との間に介在し、これらシート２，３のうちの少なくとも一方の内面に伸長状態で接合されている。
【００１４】
ターゲットテープ５は、プラスチックシートから形成されている。ターゲットテープ５には、おむつ１を胴周り方向に二分する中心線Ｙに関して左右対称な位置に胴周り方向へ並ぶ複数の第１指標が表示されている。第１指標は、中心線Ｙと平行して延びていて中心線Ｙから胴周り方向外方へ等間隔で並ぶ複数条の直線Ａと、中心線Ｙと交差する方向へ延びて隣接する直線Ａどうしの上端と下端とを結ぶ複数の斜線Ｂとから形成されている。それら直線Ａの上端には、中心線Ｙから離間する胴周り方向外方へ向って２ｃｍ間隔で大きくなる胴周り寸法Ｗが表示されている。それら直線Ａの下端には、中心線Ｙから離間する胴周り方向外方へ向って１ｃｍ間隔で大きくなる脚周り寸法Ｌが表示されている。
【００１５】
胴周り寸法Ｗと脚周り寸法Ｌとは、テープファスナ６の自由端部の先端６ａを対称位置にある直線Ａまたは斜線Ｂのうちのいずれか一方に一致させて、テープファスナ６それぞれをターゲットテープ５に止着させたときに形成される胴周り開口８の周り方向の寸法と、胴周り寸法Ｗに対応する平均的な脚周り開口９の周り方向の寸法とである。
【００１６】
図示の胴周り寸法Ｗと脚周り寸法Ｌとには、約７００人のモニターの実際の胴周り寸法Ｗと、この胴周り寸法Ｗに対応する脚周り寸法Ｌの平均値とが示されている。たとえば、胴周り寸法Ｗが４０ｃｍの場合は、脚周り寸法Ｌの平均値が２５ｃｍであったから、直線Ａの上端部に４０が表示され、下端部に２５が表示されている。なお、１つの胴周り寸法Ｗに対する脚周り寸法Ｌには幅があるので、１つの胴周り寸法Ｗに対する３つの脚周り寸法Ｌが１条の直線Ａの下端と１条の直線Ａの上端から延びる２条の斜線Ｂの下端とに示されている。
【００１７】
テープファスナ６は、プラスチックシートから形成されている。テープファスナ６では、その基端部が翼部２３に剥離不能に接合されている。テープファスナ６の内面には、粘着剤７が塗布されている。テープファスナ６の自由端部の先端部分には、テープファスナ６を摘持し易いように粘着剤７が塗布されていない。
【００１８】
図２は、着用者の胴周り寸法Ｗが４６ｃｍ、脚周り寸法Ｌが２７ｃｍの場合を示している。仮想線で示すテープファスナ６の先端６ａを数値４６と数値２７との間に延びる斜線Ｂに一致させて、テープファスナ６をターゲットテープ５に止着する。テープファスナ６は、先端６ａから基端部に向かっておむつ１の下方向へ傾斜した状態にある。このときの脚周り寸法Ｌは、胴周り寸法Ｗ４６ｃｍのときの脚周り寸法Ｌの平均値２８ｃｍよりも短い２７ｃｍになる。
【００１９】
図３は、図２とは異なる寸法を有する着用者におむつ１を着用させるときのターゲットテープ５の平面図である。図３では、着用者の胴周り寸法Ｗが４４ｃｍ、脚周り寸法Ｌが２８ｃｍの場合を示している。仮想線で示すテープファスナ６の先端６ａを数値４４と数値２８との間に延びる斜線Ｂに一致させて、テープファスナ６をターゲットテープ５に止着する。テープファスナ６は、先端６ａから基端部に向かっておむつ１の上方向へ傾斜した状態にある。このときの脚周りの寸法Ｌは、胴周り寸法Ｗ４４ｃｍのときの脚周り寸法Ｌの平均値２７ｃｍよりも長い２８ｃｍになる。
【００２０】
図４は、図２，３とは異なる態様のテープファスナ６を止着させたターゲットテープ５の平面図である。図４では、テープファスナ６に表示された止着案内線６ｂを直線Ａに一致させた状態で示す。
【００２１】
テープファスナ６の外面には、先端６ａから内側の位置で中心線Ｙに平行して延びる止着案内線６ｂが表示されている。図４では、着用者の胴周り寸法Ｗが４６ｃｍ、脚周り寸法Ｌが２８ｃｍである場合を示し、テープファスナ６の止着案内線６ｂを数値４４と数値２８との間に延びる直線Ａに一致させ、テープファスナ６をターゲットテープ５に止着している。おむつ１の着用時には、テープファスナ６の先端部分を指で摘持するので、指が邪魔になり先端６ａを直線Ａまたは斜線Ｂに一致させ難い。止着案内線６ｂを表示したテープファスナ６は、指が邪魔にならないので、止着案内線６ｂを直線Ａまたは斜線Ｂに簡単に一致させることができる。
【００２２】
ターゲットテープ５には、プラスチックシートにループ部材とフック部材とからなるメカニカルファスナのうちの一方が取り付けられていてもよい。この場合、テープファスナ６には、粘着剤７に代えてメカニカルファスナのうちの他方が取り付けられる。また、テープファスナ６を不織布やその他のシート素材に代えることもできる。
【００２３】
ターゲットテープ５には、直線Ａと斜線Ｂとを表示せずに、胴周りと脚周りとの寸法Ｗ，Ｌのみを表示してもよいが、この場合に、テープファスナ６の先端６ａまたは止着案内線６ｂをそれら寸法Ｗ，Ｌに合わせ易いように、胴周りと脚周りとの寸法Ｗ，Ｌどうしを結ぶための目印として、それら寸法Ｗ，Ｌの近傍に互いに向かい合う図形や記号等を表示することが好ましい。この発明において、胴周り寸法Ｗや脚周り寸法Ｌは、図示例の寸法に限定するものではなく、大人用や子供用の用途に応じた寸法を採用することができる。寸法には、数値に代えてＬ、Ｍ、Ｓ等の記号を採用することでもできる。この発明は、実質的に矩形であって、翼部２３のないおむつ１において実施することもできる。
【００２４】
【発明の効果】
本発明に係る使い捨ておむつによれば、止着域の指標に胴周り寸法とその胴周り寸法に対応する平均的な脚周り寸法とが表示されているから、この指標がおむつの着用時に着用者の胴周り寸法と脚周り寸法との寸法合わせの目安となる。おむつの着用時には、テープファスナ側の指標を一致させるだけなので着用操作に手間取らない。
【図面の簡単な説明】
【図１】おむつの部分破断斜視図。
【図２】テープファスナを仮想線で示すターゲットテープの平面図。
【図３】図２とは異なる寸法で着用するときのターゲットテープの平面図。
【図４】図２，３とは異なる態様のターゲットテープの平面図。
【符号の説明】
１ 使い捨ておむつ
２ 透液性トップシート
３ 不透液性バックシート
４ 吸液性コア
５ 止着域（ターゲットテープ）
６ テープファスナ
６ａ 第２指標（先端）
６ｂ 第２指標（止着案内線）
７ 粘着域
８ 胴周り開口
９ 脚周り開口
２０ 前胴周り域
２１ 股下域
２２ 後胴周り域
Ａ 第１指標（中心線に平行な線）
Ｂ 第１指標（中心線と交差する方向の線）
Ｗ 胴周り寸法
Ｌ 脚周り寸法
Ｙ 中心線
【発明の属する技術分野】
本発明は、開放型の使い捨ておむつに関する。
【０００２】
【従来の技術】
特開平５−３１７３５６号公報に開示のおむつは、前後身頃の胴周りの対向側部を重ね合わせ、さらに、先端部の内面に係着部を設けた各締結片の基端部を重ね合せて一体に接合する。前身頃の側部には、各締結片の接合部の近傍に、前身頃の側部を後身頃の側部から切離すための切断線を設けている。おむつの前身頃には、胴周り部の外面にスケール目盛を表示した帯状シートが貼着されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
前記公知技術の帯状シートは、締結片の係着部を繰り返し係着するための補強と、係着部の係着位置を示すインジケータとの機能を果たすものであるが、着用者の胴周りおよび脚周りの寸法合わせの目安にはならない。寸法合わせは、母親が経験や勘に頼った目測で行っているため、着用者の胴周りと脚周りとの寸法が事前にわかっていても、実際の着用者のそれら寸法に合わせることが難しい。
【０００４】
本発明の課題は、着用者の胴周り寸法と脚周りの寸法とに対応する目安を設け、着用時にこの目安を用いながら微調整を行うことで、容易に寸法合わせをすることができる使い捨ておむつの提供である。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明が前提とするのは、透液性トップシートと不透液性バックシートとの間に吸液性コアが介在し、胴周り方向と交差する長手方向に前胴周り域と、後胴周り域と、これら両域間に位置する股下域とを有し、前記後胴周り域の両側縁それぞれから胴周り方向外方へ延出するテープファスナの自由端部を前記前胴周り域の外面に形成された止着域に取り外し可能に係合させたときに胴周り開口と一対の脚周り開口とが形成される開放型の使い捨ておむつである。
【０００６】
かかる前提において、本発明が特徴とするところは、前記止着域には、前記おむつを胴周り方向に二分する中心線から左右対称の位置に胴周り方向へ並ぶ複数の第１指標が表示され、前記第１指標には、前記テープファスナの自由端部に形成された第２指標を前記第１指標に一致させたときの胴周り寸法と、前記胴周り寸法に対応する平均的な脚周り寸法とが表示され、前記第１指標が、前記中心線と平行に延びていて該中心線から胴周り方向外方へ等間隔で並ぶ複数条の直線と、前記中心線と交差する方向へ延びていて隣り合う前記直線どうしの上端と下端とを結ぶ複数条の斜線とから形成され、前記第２指標が、前記テープファスナの自由端部の先端よりも内側の位置で該テープファスナ外面に表示されていて前記中心線に平行して延びる止着案内線から形成され、前記胴周り寸法が、前記直線の上端に表示され、前記脚周り寸法が、前記直線の下端に表示され、１つの前記胴周り寸法に対する３つの前記脚周り寸法が、１条の前記直線の下端と１条の前記直線の上端から延びる２条の前記斜線の下端とに示されていることにある。
【０００７】
本発明の実施の態様の一例では、前記止着域が、ループ部材とフック部材とからなるメカニカルファスナの一方の部材で形成され、前記テープファスナが、前記メカニカルファスナの他方の部材を有している。
【０００８】
本発明の実施の態様の他の一例では、前記胴周り寸法が、前記中心線から胴周り方向外方へ向かって２ｃｍ間隔で大きくなるように前記直線の上端に表示され、前記脚周り寸法が、前記中心線から胴周り方向外方へ向かって１ｃｍ間隔で大きくなるように前記直線の下端に表示されている。
【０００９】
【００１０】
【発明の実施の形態】
添付の図面を参照し、この発明に係る開放型の使い捨ておむつの詳細を説明すると、以下のとおりである。
【００１１】
図１，２は、使い捨ておむつ１の部分破断斜視図と、テープファスナ６を仮想線で示すターゲットテープ５の平面図とである。図１では、テープファスナ６を前胴周り域２０のターゲットテープ５に係合させた状態で示し、テープファスナ６をターゲットテープ５に係合させる以前の状態を仮想線で示す。
【００１２】
使い捨ておむつ１は、透液性トップシート２と、不透液性バックシート３と、これらシート２，３のうちの少なくとも一方の内面に接合された吸液性コア４とで構成されている。おむつ１は、胴周り方向と交差する長手方向に前胴周り域２０と、後胴周り域２２と、これら両域２０，２２間に位置する股下域２１とを有する。
【００１３】
後胴周り域２２の左右両側には、胴周り方向外方へ延出する翼部２３が形成されている。翼部２３の側縁からは、テープファスナ６が延出している。前胴周り域２０の外面には、テープファスナ６の止着域５となるターゲットテープ５が接合されている。このテープ５は、前胴周り域２０の端縁２０ａと並行しておむつ１の胴周り方向へ延びる端縁５ａがおむつ１の長手方向へ延びる側縁５ｂよりも長い矩形を呈する。テープファスナ６をその内面に塗布された粘着剤７を介して、ターゲットテープ５に止着すると、胴周り開口８と左右一対の脚周り開口９とが形成される。後胴周り域２２と股下域２１とには、後胴周り域２２の端縁２２ａと股下域２１の側縁とに沿って延びる弾性伸縮部材１０，１１が取り付けられている。それら弾性伸縮部材１０，１１は、トップシート２とバックシート３との間に介在し、これらシート２，３のうちの少なくとも一方の内面に伸長状態で接合されている。
【００１４】
ターゲットテープ５は、プラスチックシートから形成されている。ターゲットテープ５には、おむつ１を胴周り方向に二分する中心線Ｙに関して左右対称な位置に胴周り方向へ並ぶ複数の第１指標が表示されている。第１指標は、中心線Ｙと平行して延びていて中心線Ｙから胴周り方向外方へ等間隔で並ぶ複数条の直線Ａと、中心線Ｙと交差する方向へ延びて隣接する直線Ａどうしの上端と下端とを結ぶ複数の斜線Ｂとから形成されている。それら直線Ａの上端には、中心線Ｙから離間する胴周り方向外方へ向って２ｃｍ間隔で大きくなる胴周り寸法Ｗが表示されている。それら直線Ａの下端には、中心線Ｙから離間する胴周り方向外方へ向って１ｃｍ間隔で大きくなる脚周り寸法Ｌが表示されている。
【００１５】
胴周り寸法Ｗと脚周り寸法Ｌとは、テープファスナ６の自由端部の先端６ａを対称位置にある直線Ａまたは斜線Ｂのうちのいずれか一方に一致させて、テープファスナ６それぞれをターゲットテープ５に止着させたときに形成される胴周り開口８の周り方向の寸法と、胴周り寸法Ｗに対応する平均的な脚周り開口９の周り方向の寸法とである。
【００１６】
図示の胴周り寸法Ｗと脚周り寸法Ｌとには、約７００人のモニターの実際の胴周り寸法Ｗと、この胴周り寸法Ｗに対応する脚周り寸法Ｌの平均値とが示されている。たとえば、胴周り寸法Ｗが４０ｃｍの場合は、脚周り寸法Ｌの平均値が２５ｃｍであったから、直線Ａの上端部に４０が表示され、下端部に２５が表示されている。なお、１つの胴周り寸法Ｗに対する脚周り寸法Ｌには幅があるので、１つの胴周り寸法Ｗに対する３つの脚周り寸法Ｌが１条の直線Ａの下端と１条の直線Ａの上端から延びる２条の斜線Ｂの下端とに示されている。
【００１７】
テープファスナ６は、プラスチックシートから形成されている。テープファスナ６では、その基端部が翼部２３に剥離不能に接合されている。テープファスナ６の内面には、粘着剤７が塗布されている。テープファスナ６の自由端部の先端部分には、テープファスナ６を摘持し易いように粘着剤７が塗布されていない。
【００１８】
図２は、着用者の胴周り寸法Ｗが４６ｃｍ、脚周り寸法Ｌが２７ｃｍの場合を示している。仮想線で示すテープファスナ６の先端６ａを数値４６と数値２７との間に延びる斜線Ｂに一致させて、テープファスナ６をターゲットテープ５に止着する。テープファスナ６は、先端６ａから基端部に向かっておむつ１の下方向へ傾斜した状態にある。このときの脚周り寸法Ｌは、胴周り寸法Ｗ４６ｃｍのときの脚周り寸法Ｌの平均値２８ｃｍよりも短い２７ｃｍになる。
【００１９】
図３は、図２とは異なる寸法を有する着用者におむつ１を着用させるときのターゲットテープ５の平面図である。図３では、着用者の胴周り寸法Ｗが４４ｃｍ、脚周り寸法Ｌが２８ｃｍの場合を示している。仮想線で示すテープファスナ６の先端６ａを数値４４と数値２８との間に延びる斜線Ｂに一致させて、テープファスナ６をターゲットテープ５に止着する。テープファスナ６は、先端６ａから基端部に向かっておむつ１の上方向へ傾斜した状態にある。このときの脚周りの寸法Ｌは、胴周り寸法Ｗ４４ｃｍのときの脚周り寸法Ｌの平均値２７ｃｍよりも長い２８ｃｍになる。
【００２０】
図４は、図２，３とは異なる態様のテープファスナ６を止着させたターゲットテープ５の平面図である。図４では、テープファスナ６に表示された止着案内線６ｂを直線Ａに一致させた状態で示す。
【００２１】
テープファスナ６の外面には、先端６ａから内側の位置で中心線Ｙに平行して延びる止着案内線６ｂが表示されている。図４では、着用者の胴周り寸法Ｗが４６ｃｍ、脚周り寸法Ｌが２８ｃｍである場合を示し、テープファスナ６の止着案内線６ｂを数値４４と数値２８との間に延びる直線Ａに一致させ、テープファスナ６をターゲットテープ５に止着している。おむつ１の着用時には、テープファスナ６の先端部分を指で摘持するので、指が邪魔になり先端６ａを直線Ａまたは斜線Ｂに一致させ難い。止着案内線６ｂを表示したテープファスナ６は、指が邪魔にならないので、止着案内線６ｂを直線Ａまたは斜線Ｂに簡単に一致させることができる。
【００２２】
ターゲットテープ５には、プラスチックシートにループ部材とフック部材とからなるメカニカルファスナのうちの一方が取り付けられていてもよい。この場合、テープファスナ６には、粘着剤７に代えてメカニカルファスナのうちの他方が取り付けられる。また、テープファスナ６を不織布やその他のシート素材に代えることもできる。
【００２３】
ターゲットテープ５には、直線Ａと斜線Ｂとを表示せずに、胴周りと脚周りとの寸法Ｗ，Ｌのみを表示してもよいが、この場合に、テープファスナ６の先端６ａまたは止着案内線６ｂをそれら寸法Ｗ，Ｌに合わせ易いように、胴周りと脚周りとの寸法Ｗ，Ｌどうしを結ぶための目印として、それら寸法Ｗ，Ｌの近傍に互いに向かい合う図形や記号等を表示することが好ましい。この発明において、胴周り寸法Ｗや脚周り寸法Ｌは、図示例の寸法に限定するものではなく、大人用や子供用の用途に応じた寸法を採用することができる。寸法には、数値に代えてＬ、Ｍ、Ｓ等の記号を採用することでもできる。この発明は、実質的に矩形であって、翼部２３のないおむつ１において実施することもできる。
【００２４】
【発明の効果】
本発明に係る使い捨ておむつによれば、止着域の指標に胴周り寸法とその胴周り寸法に対応する平均的な脚周り寸法とが表示されているから、この指標がおむつの着用時に着用者の胴周り寸法と脚周り寸法との寸法合わせの目安となる。おむつの着用時には、テープファスナ側の指標を一致させるだけなので着用操作に手間取らない。
【図面の簡単な説明】
【図１】おむつの部分破断斜視図。
【図２】テープファスナを仮想線で示すターゲットテープの平面図。
【図３】図２とは異なる寸法で着用するときのターゲットテープの平面図。
【図４】図２，３とは異なる態様のターゲットテープの平面図。
【符号の説明】
１ 使い捨ておむつ
２ 透液性トップシート
３ 不透液性バックシート
４ 吸液性コア
５ 止着域（ターゲットテープ）
６ テープファスナ
６ａ 第２指標（先端）
６ｂ 第２指標（止着案内線）
７ 粘着域
８ 胴周り開口
９ 脚周り開口
２０ 前胴周り域
２１ 股下域
２２ 後胴周り域
Ａ 第１指標（中心線に平行な線）
Ｂ 第１指標（中心線と交差する方向の線）
Ｗ 胴周り寸法
Ｌ 脚周り寸法
Ｙ 中心線
Claims (3)
- 透液性トップシートと不透液性バックシートとの間に吸液性コアが介在し、胴周り方向と交差する長手方向に前胴周り域と、後胴周り域と、これら両域間に位置する股下域とを有し、前記後胴周り域の両側縁それぞれから胴周り方向外方へ延出するテープファスナの自由端部を前記前胴周り域の外面に形成された止着域に取り外し可能に係合させたときに胴周り開口と一対の脚周り開口とが形成される開放型の使い捨ておむつであって、
前記止着域には、前記おむつを胴周り方向に二分する中心線から左右対称の位置に胴周り方向へ並ぶ複数の第１指標が表示され、前記第１指標には、前記テープファスナの自由端部に形成された第２指標を前記第１指標に一致させたときの胴周り寸法と、前記胴周り寸法に対応する平均的な脚周り寸法とが表示され、
前記第１指標が、前記中心線と平行に延びていて該中心線から胴周り方向外方へ等間隔で並ぶ複数条の直線と、前記中心線と交差する方向へ延びていて隣り合う前記直線どうしの上端と下端とを結ぶ複数条の斜線とから形成され、前記第２指標が、前記テープファスナの自由端部の先端よりも内側の位置で該テープファスナ外面に表示されていて前記中心線に平行して延びる止着案内線から形成され、
前記胴周り寸法が、前記直線の上端に表示され、前記脚周り寸法が、前記直線の下端に表示され、１つの前記胴周り寸法に対する３つの前記脚周り寸法が、１条の前記直線の下端と１条の前記直線の上端から延びる２条の前記斜線の下端とに示されていることを特徴とする前記おむつ。 - 前記止着域が、ループ部材とフック部材とからなるメカニカルファスナの一方の部材で形成され、前記テープファスナが、前記メカニカルファスナの他方の部材を有している請求項１記載のおむつ。
- 前記胴周り寸法が、前記中心線から胴周り方向外方へ向かって２ｃｍ間隔で大きくなるように前記直線の上端に表示され、前記脚周り寸法が、前記中心線から胴周り方向外方へ向かって１ｃｍ間隔で大きくなるように前記直線の下端に表示されている請求項１または請求項２に記載のおむつ。
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