JP3575348B2 - 番組再生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放送番組等を番組別に記録した記録媒体の再生時において、複数番組を同時に同一画面上で再生する番組再生装置及び番組再生方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、放送番組等の映像信号及び音声信号を記録媒体に記録し、記録した番組を再生する番組再生装置として、ビデオテープレコーダ(以下VTRと略)等が普及している。また記録密度の増大にともない、ハードディスクや光ディスク等の記録媒体に圧縮信号による映像等を記録できるようになってきている。VTR等では放送番組を受信して磁気テープに記録したあとで磁気テープに記録された信号を読み出して記録番組を再生する。また同時に発生する複数のデータを同時に1本の記録テープに記録し、記録されている複数のデータから任意の組み合わせで同時に再生される発明も考案されているが、この発明では、別々に記録されたデータを任意の組み合わせで同時に再生することは困難である。
【0003】
そこで、任意の複数のデータを再生するための装置として、例えば特開平10−327383号公報に記載された複数データ記録再生装置(図示せず)が考案されている。この複数データ記録再生装置の再生処理は、映像信号等を高度に圧縮して高密度に記録できるメディアであるDVD(Digital Versatile Disc)と呼ばれるディスクのなかで、何度も読み書きのできるDVD−RAM等の記録媒体を用い、複数の番組データを再生するために交互に使用する各番組データ毎の2つのメモリの組みを設ける。複数の番組データの同時再生にあたり、データの読み出し区間と再生回路への書き出し区間を設ける。そして、記録媒体の任意の位置から、同時再生数以上のクロックタイミングを発生してそのタイミングに合わせて1方の組みのメモリへ読み込みを行い、データ読み込み中でないもう1組のメモリからデータを再生回路に書き出して転送することにより、任意の複数のデータの同時再生を行うものである。
【0004】
また上記公報の例では同時に複数番組を記録する手段も有しており、同時記録数以上のクロックタイミングにあわせて記録媒体に対して複数番組を記録でき、この同時に書き込んだ複数の番組から任意の複数の番組の再生を可能とするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成は、任意の複数のデータ再生にあたって、2組みのメモリを用いて、同時再生数以上のクロックタイミングを発生させてデータの読み出しや、表示回路への書き出しを行っていた。これは、単位時間あたりの記録信号量の異なる(圧縮方式や圧縮比率の異なる)映像信号からなる複数番組の再生を考慮したものではなく、上記公報のように記録時において複数の番組に対して同一クロックタイミングによる記録時間で記録を行った複数の番組から、同時に任意の複数の番組再生をはかるものであった。従って、記録する番組によって、高精細で単位時間あたりの記録信号量の多い番組と、長時間記録を行い単位時間あたりの記録信号量の少ない番組等を同時に再生するときには、同時再生数以上からなるクロックタイミングからなるデータの読み出しでは、一方で必要なデータの読み出し不足等が発生する可能性があり、単位時間あたりの記録信号量が異なる番組の複数同時再生には適用が難しいという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点を解決するもので、記録媒体に記録された圧縮比率等の異なる複数の番組から同時に再生できる番組を選択して、各々の各記録内容を別々のタイミングで読み出し、番組別に記録内容を分配した各々記録番組に対して圧縮信号の伸張再生を行うため、利用者が記録圧縮比率等を考慮せずとも、任意の複数の番組を同時にみながら特定のシーン等を見逃さない再生を行うことができる利便性をはかった装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、第1の本発明(請求項1に対応)は、再生番組を選択する番組選択手段と、記録媒体から通常再生速度の倍速以上で記録内容を読み出す記録内容読出手段と、読み出された前記記録内容を番組別に分配する記録内容分配手段と、番組別に設けられた複数の番組再生手段を有し、前記記録内容分配手段により番組別に分配された記録内容を番組別に設けられた前記複数の番組再生手段でそれぞれ番組別に再生し、さらに再生した画像の画面サイズを同一画面領域内に同時再生する画面数に合わせて変更する画面サイズ変更処理手段とを有し、分配された前記記録内容に基づいて再生画像信号を生成する番組再生手段と、生成された前記再生画像信号から同一画面領域内に同時再生する映像信号を生成する映像信号出力手段と、を備え、同時に複数個の番組を同一画面領域内に再生する際に、前記記録内容分配手段が再生中の番組の再生終了を検知することにより、前記映像信号出力手段が再生終了番組の表示を取りやめ、残りの同時再生数に合わせて画面分割数の変更を行うことを特徴とする番組再生装置である。
また、第2の本発明(請求項2に対応)は、再生番組を選択する番組選択手段と、
番組毎の番組記録情報を有する記録媒体から通常再生速度の倍速以上で記録内容を読み出す記録内容読出手段と、読み出された前記記録内容を番組別に分配する記録内容分配手段と、分配された前記記録内容に基づいて再生画像信号を生成する番組再生手段と、生成された前記再生画像信号から同一画面領域内に同時再生する映像信号を生成する映像信号出力手段とを備え、前記番組選択手段が前記記録媒体に記録された番組のうちから、前記番組記録情報を参照し、前記番組記録情報のうち画像圧縮方式、または画像の解像度、または出演者情報が同一の番組から順に特定数の番組を選択することを特徴とする番組再生装置である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の発明は、再生番組を選択する番組選択手段と、記録媒体から通常再生速度の倍速以上で記録内容を読み出す記録内容読出手段と、
読み出された前記記録内容を番組別に分配する記録内容分配手段と、
分配された前記記録内容に基づいて再生画像信号を生成する番組再生手段と、
生成された前記再生画像信号から同一画面領域内に同時再生する映像信号を生成する映像信号出力手段とを備えるもので、複数の番組から再生番組を選択して、番組別に記録内容を分配した各々記録番組の伸張再生を行った結果から同一画面内に映し出す映像信号を出力するため、同時に同一画面での複数番組の再生確認を行うことができるという作用を有する。
【0009】
本発明の第2の発明は、第1の発明に従属する発明であって、記録内容分配手段により番組別に有する番組再生手段に記録内容を分配し、各々の前記番組再生手段内で単一の記録内容を再生して分配数に合わせた画面サイズ変更処理を施した再生画像信号を出力することにより、複数の番組再生手段をもつことによって独立に番組再生がはかれるので、番組ごとに単位時間あたりの圧縮比や記録情報量の異なる記録内容に対しても再生可能であるため、複数番組の同時再生の制限が少ないという作用を有する。
【0010】
本発明の第3の発明は、第1の発明に従属する発明であって、記録内容分配手段により番組別に記録内容を分配し、番組再生手段内で再生処理を時間分割し、分割時間内で単一の記録内容を再生し、分配数に合わせた画面サイズ変更処理を施した再生画像信号を出力することより、各々の記録内容を番組別のメモリ等に格納しさえすれば高機能な単一の番組再生手段で複数の番組再生が可能である。従って構成部品点数の削減をはかることができ、複数の番組再生手段をもつことなく番組毎の記録内容に対して再生ができるという作用を有する。
【0011】
本発明の第4の発明は、第2及び第3の発明に従属する発明であって、同時に複数個の番組を再生する際に、番組選択手段により特定番組の単独表示による再生が選択された時に、記録内容読出手段から選択されていない番組に対する記録内容の読み出しを一時停止とすることより、選択された特定画面のみの再生を解除すれば、すぐに他の一時停止してある番組の再生を再開できるという作用を有する。
【0012】
本発明の第5の発明は、第2及び第3の発明に従属する発明であって、同時に複数個の番組を再生する際に、記録内容分配手段が再生中の番組の終了を検知することによって残りの同時再生数にあわせ画面分割数の変更を行い前記映像信号出力手段が終了した番組の表示を取り止めることにより、同時再生数の減少による番組の再生が終了処理と、同時再生番組数の減少による各々の再生画面サイズの変更を自動的に行うことができるという作用を有する。
【0013】
本発明の第6の発明は、第2及び第3の発明に従属する発明であって、記録内容読出手段が同一番組に対して一定時間間隔で複数回数同時に読み出して再生しているときに、番組選択手段により特定の表示画面を選択すれば、前記記録内容分配手段が選択されていない他の読み出しと分配を停止し、前記映像信号出力手段が選択された番組の映像信号のみを出力することにより、ある番組内で特定のシーンを探し、そこから再生を行いたいような場合、特定のシーンが見つかればそのシーンから再生する画面のみを有効とすることができるいう作用を有する。
【0014】
本発明の第7の発明は、再生番組を選択する番組選択手段と、記録媒体から通常再生速度の倍速以上で記録内容を読み出す記録内容読出手段と、
読み出された前記記録内容を番組別に分配する記録内容分配手段と、
分配された前記記録内容に基づいて再生音声信号を生成する番組音声再生手段と、
生成された前記再生音声信号を入力とし出力設定を行った音声信号を出力する音声信号出力手段とを備えるもので、複数の番組から再生番組を選択して、番組別に記録内容を分配した各々記録番組の再生を行い番組再生装置にある音声出力端子から、利用者が設定した番組別の音声を同時に出力できるという作用を有する。
【0015】
本発明の第8の発明は、第7の発明に従属する発明であって、記録内容分配手段により番組別の番組音声再生手段に記録内容を分配し、各々の前記番組音声再生手段内で単一の記録内容から再生を行うことにより、番組ごとに単位時間あたりの圧縮方式、圧縮比や記録情報量の異なる記録内容に対しても、各々が再生に必要な読み出し要求を出せるため、複数番組の同時再生の制限が少ないという作用を有する。
【0016】
本発明の第9の発明は、第7の発明に従属する発明であって、記録内容分配手段により番組別に記録内容を分配し、番組音声再生手段内で再生処理を時間分割し、分割時間内で単一の記録内容から各々の再生音声信号を生成して、特定の番組に対する前記再生音声信号のみを有効することにより、同時に再生されている番組のうちの1つの番組についてのみ音声出力を行い、他の再生番組についてはその間音声出力なしを行うことができるので、同時再生中の各番組の音声を確実に聞き比べる比較試聴等を実現しやすいという作用を有する。
【0017】
本発明の第10の発明は、第8及び第9の発明に従属する発明であって、同時に複数個の番組の再生時において、番組選択手段により特定番組の単独再生が選択された時に、記録内容分配手段が選択されなかった記録内容の読み出しと分配を一時中止し、音声信号出力手段からの音声出力を取りやめて選択された番組の音声出力に切り替えることにより、選択された特定番組のみの再生を中止すれば、すぐに他の一時停止してある番組の再生を再開できるという作用を有する。
【0018】
本発明の第11の発明は、第1及び第7の発明に従属する発明であって、記録媒体に番組毎の番組記録情報を有し、番組選択手段が選択された複数の番組を同時再生するために前記番組記録情報から複数番組再生リストを生成し、生成された前記複数番組再生リストに従って、記録内容読出手段から複数の記録内容を読み出すことにより、複数番組を同時再生することを前提とした同時再生リストに従った読み出しができるため、効率よく記録媒体にアクセスできるという作用を有する。
【0019】
本発明の第12の発明は、第1の発明に従属する発明であって、記録媒体に番組毎の番組記録情報を有し、番組選択手段が記録媒体に記録された番組のうちから、前記番組記録情報を参照し表示画像情報が同一もしくは類似した番組から順に特定数の番組を選択することにより、各番組の番組再生にあたり表示画像情報の共有化と画像処理の共有化がはかれるために、番組再生の負荷の低減や各々の番組再生に必要な作業用メモリ量の低減をはかれるという作用を有する。
【0020】
本発明の第13の発明は、第7の発明に従属する発明であって、記録媒体に番組毎の番組記録情報を有し、前記番組選択手段が記録媒体に記録された番組のうちから、前記番組記録情報を参照し音声圧縮情報が同一もしくは類似した番組から順に特定数の番組を選択することにより、各番組の音声再生にあたり圧縮方式等の相違による番組再生用の信号処理の違いをなくすことができるため、番組再生の負荷の低減がはかれるという作用を有する。
【0021】
本発明の第14の発明は、第7の発明に従属する発明であって、記録媒体に番組毎の番組記録情報を有し、前記番組選択手段が記録媒体に記録された番組のうちから、前記番組記録情報を参照し音声出力情報が同一もしくは類似した番組から順に特定数の番組を選択することにより、同時再生中の音楽再生番組を切り替えたときにでも、接続されたアンプ側の設定を変更することなく再生を続けられるという作用を有する。
【0022】
本発明の第15の発明は、番組に関する記録内容を記録した記録媒体の再生時において、複数の番組を同時に再生する番組再生方法であって、
同時に再生する番組数等の同時再生条件を決定し、
複数番組分の記録内容を読み出して番組別に前記記録内容を分配し、
番組別に分けられた記録内容に従い各々の再生信号を生成し、
前記各々の再生信号を入力とし前記同時再生条件に従って出力信号を生成するもので、複数の番組から再生番組を選択して、番組別に記録内容を分配した各々記録番組の再生を行った結果から再生信号を出力するため、同時に複数番組の再生確認を行うことが容易に行えるという作用を有する。
【0023】
本発明の第16の発明は、第15の発明に従属する発明であって、
前記記録媒体に番組毎の番組記録情報を有し、前記番組記録情報から複数の番組を同時再生するための複数番組再生リストを生成し、
生成された前記複数番組再生リストに従って、前記記録内容を読み出すことにより、複数番組を同時再生することを前提とした同時再生リストに従った読み出しができるため、効率よく記録媒体にアクセスできるという作用を有する。
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0025】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1による番組再生方法を用いる番組再生装置の基本的構成を示すブロック図である。図1において、11は複数の番組に関する記録内容を記録した記録媒体、12は利用者からの入力もしくは番組再生装置内で自動的に再生する番組を選択する番組選択手段、13は記録媒体11内の各番組の記録内容を読み出す記録内容読出手段、14は記録内容読出手段13から読み出した複数の番組の記録内容を番組別の記録内容に分配する記録内容分配手段、15と16及び17は記録内容分配手段14で番組別に分配された記録内容を入力とし各々で再生を行う番組再生手段Aと番組再生手段B及び番組再生手段C、18は番組再生手段A15等の出力から装置外部への映像信号を生成する映像信号出力手段である。
【0026】
記録媒体11には、ハードディスク等の磁気記録メディア、光磁気記録メディア等いろいろな種別がある。またテープ状の媒体やディスク状の媒体もある。記録媒体11はここでは、従来例と同様にDVD−RAMで説明する。DVD−RAMとは異なった記録媒体11についてはあとで説明する。
【0027】
記録媒体11へ記録される番組の代表例が放送信号である。これには電波信号や光や同軸のケーブル信号などの放送形態の信号を含む。また電話線や専用回線等を用いたインターネット等によるネットワーク形態で1対1で発信される信号も含む。番組再生装置側からみれば、番組が発信される地点から、番組情報として受けることのできる信号を受信信号とし、チューナ装置であったり、モデム装置であったり、多重化された受信データの復号化装置によって信号受信処理がなされる。受信データは、信号圧縮され、記録媒体11に記録される記録内容に変換される。記録媒体11内に記録できる容量には限りがあるため、信号圧縮し、記録情報量を削減することによって、長時間の記録を実現している。
【0028】
記録媒体11には、番組信号と、記録番組内容に関する番組記録情報が記録内容として記録されている。番組記録情報には、たとえば番組記録開始時刻や、記録期間等の時間情報、放送局名(もしくは受信チャネル名)、記録番組名等が含まれる。さらに映像及び音声の信号を圧縮して記録する場合においては、圧縮された番組信号に、信号圧縮の方式、圧縮ビデオ信号の圧縮モード、画像解像度、アスペクト比(16:9もしくは4:3等の画面比率)、表示モード形式(パンスキャンやレターボックス)、想定している画面出力形式(水平解像度525本もしくは625本等)、圧縮オーディオ信号のオーディオ符号化モード、音声のサンプリング周波数、量子化ビット数、オーディオチャネル数等の圧縮関連情報も含まれる。さらに、再生時の視聴制限情報や、再生回数、最新の再生日等の情報を番組記録情報に加えるとあとで説明する効果を得ることができる。
【0029】
図2を参照して、本発明の実施の形態1における番組再生方法について具体例を挙げて説明する。図2は、本発明の実施の形態1に係る番組再生方法の動作開始時の処理動作を示すフローチャートである。
【0030】
記録媒体11内の番組記録情報を参照して(ステップS101)、各番組の情報を獲得する。再生番組を決定する際に、番組記録情報である放送時間情報と記録番組名(放送チャネル情報や放送局名)等が画面等に表示され、番組選択手段12によって記録された番組を指定する。もちろん各番組に対しサブタイトル名、番組制作会社名等の詳細な記録情報がある場合はそれらを表示、或いは検索キーとして選択できる構成でもかまわない。ここでは単一の番組の再生だけではなく、複数の番組の同時再生を前提として説明する。番組選択手段12によって、利用者は再生可能な番組から複数の番組を選択する(ステップS102)。
【0031】
記録内容分配手段14は、番組選択手段12から選択された番組情報を獲得し、同時記録再生に必要な情報を関連する各手段に伝える。まず複数の記録内容を番組別に分配する分配数を決定する(ステップS103)。例えば分配数や分配に必要な情報を生成する。次に記録媒体11内の各番組の記録内容から圧縮方式等の圧縮関連情報を読み出し、再生に必要な初期設定情報を番組再生手段A15等に伝える(ステップS104)。さらに再生番組数と各番組の圧縮関連情報から、映像信号出力手段18に、映像信号出力に必要な画面サイズや画面分割数と各番組の出力位置等の映像信号出力方式情報を設定する(ステップS105)。
【0032】
各番組の再生に関する情報及び圧縮関連情報は、番組記録情報を読み出して獲得できる。再生に関する情報を再生リスト情報と定義する。1番組についての再生リスト情報は、各番組の再生論理単位セルの再生順序を決定する情報を格納するプログラムチェーンから構成される。このプログラムチェーンの情報には、このプログラムチェーンを用いた再生開始時間、再生期間や次のプログラムチェーンへの続き情報、各セルの格納位置情報等が納められている。各セルには各番組の再生に必要な圧縮ビデオ信号や圧縮オーディオ信号等からなる記録情報の格納位置情報や再生時間情報等が納められている。
【0033】
そして記録内容読出手段13により、記録媒体11から各番組の記録内容の格納位置が伝えられ、読み出しが開始される(ステップS106)。この記録内容読出手段13にはトラックバッファとよばれる一時待避用のメモリを有し、一度トラックバッファに記録内容を読み出したあとで、記録内容分配手段14に転送する。記録内容分配手段14に転送された記録内容は、番組毎に分配先が特定されており、例えば番組Aに対する記録内容は番組再生手段A15に、番組Bに対する記録内容は番組再生手段B16に転送される(ステップS107)。記録内容分配手段14は、各番組の記録内容を読み出しながらその都度、再生リスト情報等を確認して、次の記録内容の読み出し位置を確認する。複数の番組を同時再生するにあたっても、同時に読み出す各番組の情報に対し番組別に処理を行う。各番組再生手段内にはバッファメモリを有し、圧縮された番組を途切れなく再生するために必要な記録内容を格納する。この記録容量はMPEG2ビデオの標準の圧縮方式では数百キロバイト必要である。同時に複数の番組を再生するために番組再生手段A15だけでなく、番組再生手段B16や番組再生手段C17の各々のバッファメモリがいっぱいになるまで各記録内容を読み出す必要がある。例えば、番組再生手段B16のバッファメモリがいっぱいでなければ、記録内容分配手段14に対し、該当番組の記録内容読み出し要求を発生する(ステップS109)。そして各番組再生手段内のバッファメモリがいっぱいになるまで読み込みが繰り返される(ステップS108)。各々のバッファメモリがいっぱいになった時点で、各番組再生手段による番組の再生が開始される(ステップS110)。バッファメモリは、従来例のように2組みのメモリから構成するのではなく、高速にアクセス可能なメモリであればよい。またはFIFOメモリとし、読み出しと書き込みが非同期で行える構成のメモリを用いれば、わざわざ2組みのメモリを有する必要はない。
【0034】
各番組が再生され、各番組記録手段内のバッファメモリ内の記録内容を再生することによって、バッファメモリ内の記録内容が減少すれば、次の記録内容の読み出しを各々要求する。従って各々の番組再生手段間で、同期をとらず、次の再生に必要な記録内容を必要時に要求する構成とする。各番組の記録位置情報や、各番組の再生位置の確定はすべて記録内容分配手段14にて行う。記録内容分配手段14は、担当する番組の記録内容を連続的に再生するにあたり、再生リスト情報を読み込んで記録媒体11内のどこの位置からどれだけの量を読み込むかという制御を担当する。記録内容読出手段13は、記録内容分配手段14からの指令により記録媒体11から各記録内容を高速に読み出す役割である。また番組再生手段A15は、実際に再生に必要な情報のみが入力される。各番組再生手段はバッファメモリの管理は行うが、実際に記録媒体11を直接制御はしない。
【0035】
次に番組再生手段A15内の処理内容を説明する。図3は、本発明の実施の形態1における番組再生装置内の1つの番組再生手段の構成を示すブロック図である。また図4は番組再生手段A15内の処理内容を示すフローチャートである。
【0036】
番組再生手段A15は、例えば記録内容から圧縮ビデオ信号をデコードするビデオデコーダ部22と、記録内容を保存するバッファメモリ部21と、デコードした再生画像信号に対し画面サイズ変更などの処理を施す画像信号処理部23から構成する。記録内容分配手段14から分配された記録内容はまずバッファメモリ部21に蓄えられる。そしてバッファメモリ部21から画像信号の再生に必要な圧縮関連情報及びビデオ用の番組信号である圧縮ビデオ信号を読み出す。圧縮ビデオ信号の再生には、信号圧縮方式(例として、MPEG2等の圧縮方式)、画像解像度、出力画面サイズ等の圧縮関連情報を用いて圧縮ビデオ信号を伸張し復号化する(この処理をデコード処理と定義する)。圧縮ビデオ信号をデコードした結果は、バッファメモリ部21に再び格納される。映像出力としてNTSC方式の出力を想定すれば、1秒間に約30枚の画像を生成する必要がある。まず最初の1枚の画面のデコード処理がなされる(ステップS121)。
【0037】
同時番組再生数が1であれば、バッファメモリ部21に格納された再生画像信号をそのまま映像信号出力手段18に出力すればよい。しかし同時番組再生数が複数である場合は、画面サイズを変更する(ステップS122)。これは同一画面に複数の再生画面を表示するため、各々の画面サイズを縮小する必要があるからである。例えば、同時に4番組を再生し、各画面が重ならないように表示するには、縦と横の表示領域をそれぞれ半分とし、面積で4分の1の画面サイズに変更する。そこで垂直方向は、走査線の間引きを行うことによって実現する。この垂直方向の間引きに際し、垂直信号に対しローパスフィルタ等からなる垂直フィルタを用いて、折り返しスペクトルやフリッカ妨害化を防ぐ。一方、水平方向については、ローパスフィルタからなる水平フィルタを介したあとにデータを間引くことでも実現できるが、画面を構成するバッファメモリ部21の一部をフィールドメモリにて構成し、書き込みクロックと読み出しクロックの周波数を変え、水平フィルタを介したあとにデータの書き込みを行い、書き込みに対して読み出しを高速におこなうことによってデータを圧縮する方法もある。このような方法で画像信号処理部23にて画面サイズ等の変更処理を行う(ステップS123)。
【0038】
変更された再生画像信号は、画像信号処理部23から映像信号出力手段18へ出力される(ステップS124)。なお、再生画像信号が出力される前に記録内容分配手段14から映像出力情報が映像信号出力手段18に伝えられる。映像出力情報の例として、同一画面内での出力位置、出力サイズ、出力の有無、複数番組の重ね合わせ優先度等の情報を含む。この映像出力情報は、必要時にのみ出力される構成とし、最初の表示時や再生番組数が変更されるとき等にのみ出力される。再生画像信号と同期して絶えず出力する必要はない。まず最初の1画面表示までに映像出力情報が出力されればよい。なお同一画面に複数の番組を重ねあわせるには、各画面が重ならないように画面サイズを変更する方法、代表の1画面は標準サイズで表示し残りの画面を小画面サイズとして代表画面に重ねあわせる方法、同時再生番組に対し再生画面の一部の重ねあわせを許して表示する方法等がある。番組選択手段12にて複数番組の画面の表示方法も選択して、記録内容分配手段14から選択された表示方法から各表示位置や画面サイズに関する情報を各番組再生手段や映像信号出力手段18に伝える構成としてもよい。
【0039】
バッファメモリ部21には、最初に記録内容を読み込む容量(数百キロバイト程度)と、圧縮ビデオ信号に関する圧縮方式がMPEG方式の場合には、前後の画像を参照しながら1枚の画像を生成するため3枚分相当の画像を格納する容量(数メガバイト程度)、及び画面サイズ変更を行った再生画像信号を格納する容量(数百キロバイト程度)が必要である。合計で1つの番組再生手段A15には、2から4メガバイト程度のバッファメモリ容量が必要である。
【0040】
記録内容分配手段14からバッファメモリ部21に記録内容を転送する方法として、バッファメモリ部21に直接転送する方式(図中点線で示す)でもよいし、ビデオデコーダ部22を介して転送する方式(図中実線で示す)でも良い。またバッファメモリ部21に書き込まれた記録内容はビデオ信号のみでもよいし、ビデオ信号に音声信号を含んだものでもよい。ビデオデコーダ部22はビデオ信号のみを有効とし、圧縮ビデオ信号のデコードをおこなう。
【0041】
また映像信号出力手段18への出力形式として、再生画像信号を1画面の各画素の色相と輝度を示す情報等のデジタル信号で出力する。バッファメモリ部21から直接、映像信号出力手段18内の画像メモリに転送する形式(図中点線で示す)でも良いし、画像信号処理部23が信号処理を行った結果を出力する形式(図中実線で示す)でも良い。どちらの構成であっても、映像信号出力手段18からみれば、画面サイズ等が変更された再生画像信号が出力されればよい。複数の画面の情報は映像信号出力手段18内で合成される。
【0042】
映像信号出力手段18は、出力された映像出力情報及び再生画像信号を元に、出力する映像信号を生成する。ここでは複数の番組の再生画面から、同一画面に出力する映像信号が生成される、これには出力用の画像メモリに各画面の情報を転送して1枚の画面を作成する方法でも良いし、ビデオプレーンを同時番組再生数だけもち、有効画面を重ね合わせる方式でも良い。後者は複数の画面を重ね合わせるグラフィック機能に優れた半導体を用いることによって実現できる。映像信号出力手段18は、複数番組を同一画面に再生した映像信号を、NTSC方式のアナログ信号出力や、RGB信号等、テレビやプロジェクタ等の映像信号入力方式にあわせた出力形式の映像信号として出力する。
【0043】
複数の番組再生手段は、1番組を再生する半導体を複数個並べた回路から構成し、再生画像信号を出力する構成とすることができる。また複数の番組を個々に再生できる回路と、各々の画像サイズの変換、さらに映像信号出力手段18の同一画面に複数番組の各画面を重ね合わせる回路までを1つの画像処理用半導体に内蔵することもできる。この画像処理用半導体に必要なメモリを、外付けもしくは内蔵する構成とすれば、複数番組再生装置を小型で実現することが可能である。
【0044】
同時に複数の番組の再生中に、利用者の入力によって、番組選択手段12から特定番組の単独表示が指示された時には、記録内容分配手段14から該当する番組以外に対する記録内容の読み出しを一時停止とする。従って記録内容読出手段13は選択された番組の記録内容のみを読み出す。そして選択された特定番組のみの再生を続ける。画面表示は再生画面の単独表示に変更するか、もしくは複数画面中で選択画面のみ再生を続け、他は一時停止の静止画状態で表示が行えるように構成する。このような機能を有すれば、同時再生中の番組で特定の番組のシーンのみ注目したいときに便利である。一方で一時停止された番組の再生はすぐにでも再開できるような状態で待機する。再生を一時停止している番組再生手段B16や番組再生手段C17は、一時停止時の画面情報を保持し、一時停止が解除されれば、次の画面からすみやかに再生を開始する。従って複数番組の再生中で、任意の番組の再生を選択しても、他の番組を最初からもう一度見直すことなく番組再生を再開するため、利用者の便宜をはかることができる。
【0045】
さらに、同時に複数個の番組の再生中に、再生中の1つの番組の再生が終了したときを説明する。一例として、再生リスト情報から記録内容分配手段14がある番組Aの再生終了(記録情報等の終了検知等)を検知した場合には、番組再生手段A15への記録内容の分配が終了することを通知する。そして記録内容読出手段13から該当番組に関する読み出しを終了させる。さらに残りの同時再生数にあわせ画面分割数の変更を行い映像信号出力手段18が終了した番組の表示を取り止める。これらの作業を番組再生の終了とともに自動的に行うために、利用者は同時再生数の減少で番組の再生が終了したことを認識することができる。さらに、残りの同時再生数で画面分割サイズ等の変更を行うことも可能である。
【0046】
同時に複数再生するには複数番組であるとは限らない。同一番組に対し、特定のシーン等を見つけだしそこからは通常の再生を行いたいという要求もある。例えば前回途中までみたが、どこまでみたか各シーンをみながら思い出すといった例である。このような場合、記録内容分配手段14が、分配数等を設定し、読み出し時間間隔を定める。そして記録内容読出手段13が同一番組に対して一定時間間隔で複数回数同時に読み出す要求を行う。従って、一定の時間間隔で再生する場合においても、別の番組を再生しているときと同様な処理を行うことで容易に実現できる。そして特定のシーンが見つかり番組選択手段12により特定の表示画面を選択すれば、他の再生は必要がないと判断され、記録内容読出手段14からの他の読み出しを停止する。そして該当する番組再生手段A15のみの再生が有効となり、映像信号出力手段18が選択された画面の映像信号のみを出力する構成とすれば所望の機能を実現することができる。
【0047】
DVD−RAMは、映画番組等の映像や音声情報を圧縮して記録して市販されているパッケージメディアのDVD−ROM(読み出しのみのDVD)と違い、何度も読み書きできるものである。ディスクはテープと異なり、ランダムアクセスが行いやすく、検索後の頭出し等が素早くできたり、順序よく記録しなくても再生時に順序を並べ替えて連続性を保ちながら再生する再生性に優れている。もちろん記録媒体11には、パーソナルコンピュータ等でよく使われるハードディスクなども使用することができる。ただし固定されたハードディスク等の着脱不可能、もしくは着脱に手間のかかる記録媒体11の場合は、記録容量に制限があり、多数の番組を記録するためには、着脱可能な記録媒体11を使用するほうが、記録容量の制限がなくなり便利である。また書き込みが1度だけ許される記録媒体11(たとえばCD−RやDVD−R等)も利用することができる。本発明は、DVD−ROMのような読み出し専用媒体、DVD−Rのように1回だけ書き込みを許す媒体にも有効であるが、DVD−RAMやハードディスク等の何度でも読み書きできる記録媒体11に最も有効である。着脱を行うことが不要な用途においてはハードディスクにも適用可能であるが、着脱可能なDVD−RAMのディスクまたは着脱可能なリムーバブルハードディスクが、番組を記録し、再生できるという目的には適している。
【0048】
記録媒体11からの読み出し速度について説明する。ハードディスク等のインタフェース規格では、UltraATA等の規格があり、UltraDMAのモード2を用いれば最大転送速度は1秒あたり33.3メガバイト(1秒あたり約260メガビット)となる。一方DVD−ROMドライブも高速化がはかられ倍速以上の再生速度を有するドライブも登場してきた。DVDで用いられるMPEG2の圧縮方式をもつ番組の圧縮信号の平均再生速度を1秒あたり4メガビットとすると、8倍速だと1秒あたり32メガビットに相当する。さらに、各々の番組を再生する再生速度は最高で1秒あたり10メガビット程度以下である。複数の番組を再生するにあたっても、UltraDMAのモード2等のインタフェース仕様を用いれば十分余裕がある。読み出した記録内容を書き出すバッファメモリをSDRAM等の高速にアクセスできるメモリとし、16ビットバスで構成すればバイト換算で1秒あたり数百メガバイトで読み書きでき、アクセス速度に問題は発生しない。DVD−ROMドライブと同様にして、DVD−RAMディスクを再生するドライブについても高速化がはかられているため、複数番組を同時再生できることが想定される。なおハードディスクにMPEG2等で圧縮した番組を記録し、複数同時再生する場合においては、数十メガビットでの読み出しが可能であるため、DVD−RAMの番組の記録内容を一度ハードディスクや大量の半導体メモリ等に書き込んで読み出すことによって複数の番組の記録内容を同時に読み出すドライブを構成することができる。もちろんハードディスクだけでも、複数の番組を高速に読み出すことができる。
【0049】
以上は1台のドライブに格納された1枚の記録媒体11から、複数の番組を同時再生について説明してきたが、複数のドライブで構成すれば、さらに同時に再生可能な番組数が増加することはいうまでもない。ただし、本発明は1枚の記録媒体11に記録された複数の番組からでも、複数の番組を同時に再生できる番組再生装置を実現することができるものである。
【0050】
高速に記録内容を読み出すには、1つの番組の記録内容ができるだけ連続的な位置に配置されてあるほうがよい。通常市販されている映画ソフト等を記録したDVD−ROMでは、途中で利用者の選択肢による分岐などを考慮し、連続的に記録されていない場合が多い。このため連続的に記録されるよりも、光ピックアップの移動時間等のアクセス時間を要する。従って複数の同時再生には、トラックバッファの容量を増加させるか、同時再生数を限定する。しかし連続的に記録されていれば、光ピックアップ等のシークに必要な時間が短縮される。さらにトラックバッファをキャッシュメモリのように扱い、先読みした情報をできるだけ再度読み出さなくても有効とすることができる。結果としてトラックバッファの容量を減らすことができる。従って、放送番組等のDVD−RAM等への記録媒体11への記録時においては、連続的に記録されることが望まれる。
【0051】
利用者による再生番組選択の例を説明したが、再生番組を装置側で自動的に選択する機能を付加することができる。記録内容には番組信号と圧縮関連情報を含む番組記録情報からなることを説明した。記録媒体11に書き込まれている番組記録情報を参照することで番組を選択しているため、DVD−RAMやハードディスク等の記録メディアだけでなく、DVD−ROMやCD−ROM、DVD−RやCD−Rのような記録メディアを使っても同様な内容が実現できた。従ってDVD−RAMのような記録媒体11に、記録された放送番組の信号を再生する用途だけでなく、DVD−ROMのように、映画等の素材が記録した記録媒体11にも適用できる。ある市販されている映画等が記録されたDVD−ROMの場合でも、特定の時間間隔(例えば10分等)で複数回数同時に再生し、気になる特定のシーンを見つけだすような用途に有効である。
【0052】
また、再生開始時において記録媒体11の記録内容(番組記録情報)を読み出して、最も過去に記録された番組から、番組選択手段12が順に特定数の番組を選択して再生すれば、再生番組から記録しておくこと自体が不要な番組かを判断しやすくなる。記録媒体11に記録できる番組数にも限りがあるので、不要な番組を消去し次回の記録のための空き容量を確保するために、番組内容を確認する目的で利用する事ができる。
【0053】
さらに、番組選択手段12が、最近記録された番組から順に特定数の番組を選択して再生することもできる。これも最近に記録した番組を、記録した事実を忘れないうちに再生し、保存すべき番組かどうかを判断する条件付けができる。もちろん記録媒体11に記録できる番組数にも限りがあるので不要な番組を消去し、次回の記録のための空き容量を確保するための番組内容確認に利用できる。
【0054】
視聴制限情報を設けてあれば、利用者毎に再生可能な番組を選択することができる。子供にみさせても良い番組を自動的に複数再生し、子供が気に入った番組を選択させるといったアプリケーションにも適用することができる。
【0055】
しかしながら、各々記録された番組に対し、再生時の情報を付加して番組記録情報に書き込むことを許す構成とすれば、下記の展開がはかれる。なお番組記録情報の追加変更を可能とするため、記録媒体11には、DVD−RAMやハードディスク等の何度でも書き換えができる記録メディアがふさわしい。例えば、番組記録情報として各番組に再生日時情報、再生回数情報、前回の再生箇所情報等を有すれば以下のような制御が可能となる。
【0056】
番組選択手段12が、最近再生された番組から順に特定数の番組を選択すれば、よくみる番組から即座に再生することができる。一方最も過去に再生されたものから順に特定数の番組を選択して再生すれば、どのような番組を記録していたか、再生の機会があるごとに確認をすることができる。また再生回数を参照することもできる。再生回数が多い番組は、すぐにでも再生したいという要望が多いと想定できるため優先することができるし、再生回数が少ない番組は、番組の記録価値がないと想定し、記録媒体11の記録可能容量が残りすくなった時の消す候補にあげることができる。また前回どこまで再生したかという再生情報を設ければ、再生途中で中断した番組を順に特定数選択して再生することもできる。
【0057】
また記録媒体11内の番組毎に有する番組記録情報のうち圧縮関連情報を参照した番組選択を行う番組再生装置を構成することができる。番組選択手段12が記録媒体11に記録された番組から、番組記録情報を参照し表示画像情報が同一もしくは類似した番組から順に特定数の番組を選択する。具体的には画像圧縮方式や解像度等の情報を参照する。圧縮方式や画像の解像度等が各番組再生手段で共通であれば、各番組の番組再生にあたり表示画像情報の共有化がはかれる。例えば表示画像の解像度が同一であれば、画面サイズの変更処理が、各々同一の内容となり、パラメータの共有化をはかることができる。また圧縮方式が統一されれば、統一されない場合よりデコードによる負荷を予測しやすくなるため、記録内容読出手段12等のトラックバッファの容量の低減化等をはかることができる。
【0058】
さらに、番組記録情報に出演者等の情報が含まれていれば、以下のアプリケーションを実行することができる。例えば、各番組の出演者に関する選択肢があり、番組選択手段12を介して選択すれば、ある特定の出演者が登場する番組のみを複数同時に再生することができる。さらに登場シーン等が時間指定されていれば、再生開始時点から時間送りを行った地点を各々呼び出して同時に再生開始するアプリケーションにも適用できる。登場シーンの特定には、番組開始時刻からの時間情報(登場開始時間と登場期間等)が必要である。さらに、先に選択した出演者と異なる出演者を選択すれば、同時再生可能な番組を選択し、その中の時間情報を読みとって、特定された番組を再生していけばよい。登場シーンを時間情報としてもっていれば、特定者が登場するシーンにて画面の拡大を自動で行ったりすることもできる。番組選択手段12は、番組記録情報を参照した詳細情報を利用者に提供し、目次検索案内機能を持たせることもできる。目次検索案内機能を用いれば、希望する番組の選択や目標とするシーン再生がさらに容易になる。もちろん複数の番組の同時再生においても有効である。これら各種のアプリケーションを実行できる本発明の番組再生装置により、従来の記録された番組信号を単独で再生すること以上の新たな利用方法を提供することができる。
【0059】
(実施の形態2)
図5は本発明の実施の形態2による番組再生方法を用いる番組再生装置の内の構成要素の1つである番組再生手段の内容を示すブロック図である。図5において、31は記録内容読出手段から読み出した複数の番組の記録内容を番組別の記録内容に分配する記録内容分配手段、32は記録内容分配手段31で番組別に分配された記録内容を入力とし再生を行う番組再生手段、33は番組再生手段32の出力から装置外部に出力する信号を生成する映像信号出力手段である。
【0060】
番組再生手段32には、分配された番組毎の記録内容を保存するバッファメモリA36、バッファメモリB37、バッファメモリC38と、これらの各バッファメモリに格納された各々の番組の記録内容の再生処理を時間分割し、分割時間内で各々の記録内容から記録内容を再生し、各番組の再生画像信号を生成するビデオデコーダ部34と、各バッファメモリに格納された再生画像信号を分配数に合わせた画面サイズ変更処理を施す画像信号処理部35から構成される。
【0061】
実施の形態2と実施の形態1の違いは、番組再生手段の構成の違いと、記録内容分配手段31から番組再生手段32の各バッファメモリに対し直接各番組の記録内容を転送すること、及び各バッファメモリから映像信号出力手段33に再生された再生画像信号を出力するという構成をとっている点である。図5には示していないが、記録媒体11や番組選択手段12、記録内容読出手段13は図1に示した構成と同様のもので構成することが可能であり、記録内容分配手段31への入力がなされるものである。
【0062】
ビデオデコーダ部34の処理能力が高く、デコーダ処理を時間分割を行うことによって複数の番組のデコード処理が可能であれば、各番組再生毎にビデオデコーダ部を有する必要はない。NTSC出力を前提とすれば、1番組あたり30分の1秒毎に1画面を生成すればよいので、3番組の同時再生であれば90分の1秒毎に1画面を生成できればよい。また1画面のデコードが終わり再生画像信号としてバッファメモリA36に格納されたあとは、実施の形態1同様に同時再生数に応じて画像信号処理部35で画面サイズの変更処理を行う。画像信号処理部35は、デコード作業が終了し再生画像信号が格納されたバッファメモリから順に作成していけばよい。そして画面サイズの変更処理後、もう一度各々のバッファメモリに再格納される。そして映像信号出力手段33内の映像メモリ等へ再生画像信号が転送される。各々のバッファメモリから転送された再生画像信号から出力する映像信号を生成する方法については実施の形態1と同様である。
【0063】
本実施の形態2の構成によれば、番組別のメモリ等に格納すれば高機能な単一の番組再生手段32で、複数の番組再生が可能であるので、複数の番組再生手段をもつことなく番組毎の記録内容に対して再生ができるため、構成部品点数の削減をはかれるという効果を有する。
【0064】
(実施の形態3)
図6は本発明の実施の形態3による番組再生方法を用いる番組再生装置の基本的構成を示すブロック図である。図6において、41は複数の番組に関する記録内容を記録した記録媒体、42は利用者からの入力もしくは番組再生装置内で自動的に再生する番組を選択する番組選択手段、43は記録媒体41内の各番組の記録内容を読み出す記録内容読出手段、44は記録内容読出手段43から読み出した複数の番組の記録内容を番組別の記録内容に分配する記録内容分配手段、45と46及び47は記録内容分配手段44で番組別に分配された記録内容を入力とし各々で音声の再生を行う番組音声再生手段Aと番組音声再生手段B及び番組音声再生手段C、48は番組音声再生手段A45等からの出力から装置外部に出力する音声信号を生成する音声信号出力手段である。
【0065】
実施の形態3と実施の形態1の違いは、番組再生内容が映像再生から音声再生に変わる点である。番組再生手段A15と音声再生手段A45で、その機能と内容が一部異なる。さらに映像信号を出力する映像信号出力手段18と、音声信号を出力する音声信号出力手段48で、その機能と内容が異なる。しかし番組の選択方法や各々の番組の記録内容の読み出しについては実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0066】
番組選択手段42によって選択された番組情報は、記録内容分配手段44に伝えられる。記録内容分配手段44は、同時記録再生に必要な情報を関連する各手段に伝えることが必要である。まず複数の記録内容を番組別に分配する分配数を決定し、分配数や分配のために必要な情報を生成する。次に記録媒体41内の各番組の記録内容から圧縮方式等の圧縮関連情報を読み出し、初期設定情報を番組音声再生手段A45等に伝える。さらに音声信号出力方式を設定する。具体例として、音声信号出力手段48からの音声信号出力に必要な出力音声方式や出力端子数と番組の出力端子位置を決定する。
【0067】
そして記録内容読出手段43によって、記録媒体41から各番組の記録内容の読み出しが開始される。この記録内容読出手段43のトラックバッファに各番組の記録内容を一時待避し、転送要求があれば記録内容分配手段44に転送する。記録内容分配手段44に転送された記録内容は、番組毎に分配先が特定されており、例えば番組Aに対する記録内容は番組音声再生手段A45に、番組Bに対する記録内容は番組音声再生手段B46に転送される。各番組音声再生手段内にはバッファメモリを有し、番組を途切れなく再生するために必要な記録内容を格納する。この記録容量はリニアPCM方式やドルビーデジタル方式等の標準の圧縮方式では数キロバイト必要である。同時に複数の番組を再生するために番組音声再生手段A45だけでなく、番組音声再生手段B46や番組音声再生手段C47の各々のバッファメモリがいっぱいになるまで各記録内容を読み出す必要がある。
【0068】
各番組が再生され、各番組記録手段内のバッファメモリ内の記録内容が減少すれば、次の記録内容の読み出しを各々要求する。各々の番組再生間で同期をとらず、次の再生に必要な記録内容を必要時に要求する。各番組の記録内容を連続的に再生するにあたり、記録媒体41内からの読み出し指令は記録内容分配手段44が担当する。各番組の記録位置情報や、番組の読み出し順序制御はすべて記録内容分配手段44にて行う。記録内容読出手段43は、記録内容分配手段44からの指令により記録媒体41から各記録内容を高速に読み出す役割である。また番組音声再生手段A45は、実際に再生に必要な情報のみが入力される。
【0069】
次に番組音声再生手段A45内の処理内容について説明する。図7は、本発明の実施の形態3における番組再生装置内の1つの番組音声再生手段の構成例を示すブロック図である。
【0070】
番組音声再生手段A45は、例えば記録内容から圧縮された音声信号情報をデコードするオーディオデコーダ部52と、記録内容を保存するバッファメモリ部51と、デコードした再生音声信号を読み出し連続的な再生音声信号として出力する音声信号出力部53から構成する。記録内容分配手段44から分配された記録内容はまず、バッファメモリ部51に蓄えられる。そしてバッファメモリ部51から音声信号の再生に必要な圧縮関連情報及びオーディオ用の番組信号である圧縮オーディオ信号を読み出す。圧縮オーディオ信号の再生には、オーディオ符号化方式(例として、ドルビーデジタルや、MPEG1やMPEG2等の圧縮方式、リニアPCM方式等)、サンプリング周波数、量子化ビット数、再生チャネル数等の圧縮関連情報を用いて、圧縮オーディオ信号を伸張し復号化する。圧縮オーディオ信号をデコードした結果は、バッファメモリ部51に再び格納される。各番組が再生された再生音声信号はデジタル信号形式等(DA変換したアナログ信号方式でもよい)で、連続的に音声信号出力部53から出力される。
【0071】
音声信号出力手段48には、各々の番組音声再生手段からのデジタル音声信号の出力と、記録内容分配手段44からの出力端子情報が伝えられる。出力端子情報の例として、番組再生装置の有する出力端子数と配置、番組の再生音声をどの出力端子から出力するかの設定、各出力端子の再生音量等の情報を含む。この出力端子情報は、音声出力開始時や再生番組数が変更されるときなどにのみ出力されればよい。再生音声信号と同期して絶えず出力する必要はない。
【0072】
バッファメモリ部51は、最初に記録内容を読み込む容量(数キロバイト程度)と、デコード結果を格納する容量(数十キロバイト程度)が必要で、合計で1つの番組音声再生手段A45には、100キロバイト程度の容量が必要である。
【0073】
記録内容分配手段44からバッファメモリ部51に記録内容を転送する方法として、バッファメモリ部51に直接転送する方式(図中点線で示す)でもよいし、オーディオデコーダ部52を介して転送する方式(図中実線で示す)でも良い。またバッファメモリ部51に書き込まれた記録内容は圧縮オーディオ信号のみでもよいし、圧縮オーディオ信号に圧縮ビデオ信号を含んだものでもよい。但し両方を含む場合、両方の記録内容を確保できるだけのバッファメモリの容量が必要となる。オーディオデコーダ部52は圧縮オーディオ信号のみを有効とし、デコード処理を行う。また音声信号出力手段48への入力形式として、再生音声信号をサンプリングクロック(例えば48キロヘルツ)等に同期したデジタル信号で入力する。そして、音声信号出力手段48は、サンプリングクロックに同期して、音量変換等の出力信号変換をデジタル信号処理した後でDA変換を行い、アナログの音声信号に変換する。そして記録内容分配手段44で定められた出力端子から、設定された番組の音声信号を出力する。
【0074】
音声出力端子が複数あり、例えばヘッドホン用の端子が複数ある場合には、同時再生する番組の音声信号それぞれを別々に出力する事ができる。ヘッドホン出力に限らず、番組毎の出力端子を有する場合も同等である。一方単一番組用の再生出力端子しか有さない番組再生装置の場合は、同時再生番組からの各再生音声信号を加算して出力することができる。音声加算の場合は、どの番組を優先して(音量を大きく)再生するかについては番組選択手段42の入力にて予め設定しておき、再生番組の音量情報を記録内容分配手段44を介して伝えればよい。複数種の複数スピーカに接続できる端子を有している場合は、番組毎に複数のスピーカの内の特定のいくつかのスピーカ別に音声出力を振り分けることもできる。従って利用者が設定した番組別の音声を同時に出力できる。
【0075】
記録内容分配手段44により番組別の各番組音声再生手段に記録内容を分配する構成であれば、各番組音声再生手段間で異なる圧縮方式の記録内容であっても問題ない。各々の番組音声再生手段内で、単一の記録内容から再生を行い、各々の再生音声信号から音声信号出力手段48にて出力端子設定による音声信号を出力することにより、番組ごとに単位時間あたりの圧縮方式や記録情報量の異なる記録内容に対しても、各々が再生に必要な読み出し要求を出せるために、複数番組が制限なく同時再生可能である。
【0076】
同時に複数個の番組の再生中に、利用者の入力によって、番組選択手段42から特定番組の単独音声出力が指示された時には、記録内容分配手段44から該当する番組以外に対する記録内容の読み出しを一時停止とする。従って記録内容読出手段43は選択された番組のみの記録内容を読み出して選択された特定番組のみの再生を続ける。音声出力端子からは、単独番組の音声のみが再生される。他は再生が一時停止される。このような機能を有すれば、同時再生中の番組で特定の番組のシーンのみ再生したいときに便利である。一方で一時停止された番組の再生はすぐにでも再開できるような状態で待機する。再生を一時停止している番組音声再生手段B46や番組音声再生手段C47は、再生情報を保持し、すみやかに再生を開始する。従って複数番組の再生中で、任意の1番組の再生を選択しても、他の番組を最初からもう一度再生をやり直すことなく番組再生を再開するため、利用者の便宜をはかることができる。
【0077】
また記録媒体41内の番組毎の番組記録情報のうち圧縮関連情報を参照した番組選択を行う番組再生装置を構成することができる。番組選択手段42が記録媒体41に記録された番組のうちから、番組記録情報を参照し音声圧縮方式等の情報が同一もしくは類似した番組から順に特定数の番組を選択する。具体的には音声圧縮方式等の情報を参照する。圧縮方式等が各番組音声再生手段で共通であれば、各番組の番組再生にあたり各オーディオデコーダ処理等の共有化がはかれる。各々同一の内容とすることができるため、パラメータの共有化をはかることができる。また圧縮方式が統一されれば、デコード負荷が予測しやすくなり、記録内容読出手段42等のトラックバッファの容量の低減化等をはかることができる。
【0078】
また記録媒体41内の番組毎の番組記録情報のうち圧縮関連情報から音声出力に関する音声出力情報を参照した番組選択を行う番組再生装置を構成することができる。番組選択手段42が記録媒体41に記録された番組のうちから、番組記録情報を参照し音声出力方式等の情報が同一もしくは類似した番組から順に特定数の番組を選択する。具体的にはサンプリング周波数や量子化ビット等の情報を参照する。サンプリング周波数等が各番組音声再生手段で共通であれば、各番組音声再生手段から出力された、各々サンプリング周波数に同期した連続的なデジタル信号による再生音声信号を加算する際に都合がよい。もし異なっていればそれぞれの信号の同期をはかってから加算するか、それぞれをDA変換したアナログ信号での加算が必要となる。従ってサンプリング周波数が同一であれば、同じクロックに同期した信号を扱えばよいため、回路構成規模が少なく済む。従って再生音質等の落とすことなく装置コストの低減化をはかることができる。なお量子化ビット数についても同様で、複数の番組の量子化ビット数が異なっていれば、一番少ない量子化ビット数にあわせる処理等が必要となる。
【0079】
また音声信号出力手段48から出力される音声信号をIEC958に定められたビットストリーム形式のデジタル信号で出力する端子を設けることもできる。この端子に接続されたアンプ側においても、各々の番組の音声出力条件が同時再生中の番組間で変化しなければ、再生する音楽再生番組を途中で切り替えても、接続されたアンプ側の設定を変更することなく再生を続けられる。サンプリング周波数等の変更による番組切り替え時のボツ音の発生等を押さえることができる。
【0080】
さらに、実施の形態2で説明した構成を音声の再生にも適用することができる。記録内容分配手段により番組別に記録内容を分配し、番組別のバッファメモリに転送する。番組音声再生手段内で再生処理を時間分割し、分割時間内で各々のバッファメモリから単一の番組の再生音声信号を生成する。しかし音声出力時において、各番組のサンプリング周波数に同期した音声信号を連続的に出力するためには、音声信号出力部を複数設ける必要がある。そこで音声信号出力部を複数持てば、各々の再生音声信号を同時に出力することができる。
【0081】
一方、音声信号出力部が番組音声再生手段内に1つしかなく、同時に複数の番組の再生音声信号を出力できない場合は、特定の1番組に対する再生音声信号のみを有効とする。有効とされた再生音声信号を入力とし、音声信号出力手段48にて設定された出力端子から音声信号を出力することにより、同時に再生中のうちの1つの番組についてのみ音声出力を行う。他の再生番組についてはその間音声の出力はしない。但し各々の番組に対応したバッファメモリには音声出力の有無に関わらず、常に最新の記録情報をデコードした再生音声信号を格納する構成とする。すると同じ記録媒体41に記録された複数の曲を一度に同時再生し、再生曲を次々に切り替えて聴きたい曲を探し出す用途や、同じ音楽ソースに対し異なった符号化方式で圧縮して記録した各々の圧縮オーディオ信号を、同時に再生することによって、同時再生中の音声の比較試聴等の用途等に適した番組再生装置を提供することができる。
【0082】
なお、映像再生の例と音声再生の例を別々に説明してきたが、音声つき映像番組に対しても同様に適用できる。各々の番組再生手段に番組毎のバッファメモリ部に加え(圧縮オーディオ信号と圧縮ビデオ信号の両方を扱える容量が必要)、ビデオデコーダ部とオーディオデコーダ部の両方を有し、画像信号処理部及び音声信号出力部を有する構成とすれば、映像と音声の同時番組再生が可能となる。
【0083】
さらに、再生する記録媒体としてDVDビデオ規格を満足するDVD−ROMを再生する場合には、ビデオデコーダ部とオーディオデコーダ部に加え、字幕等の情報をデコードするサブピクチャデコーダ部についてもビデオデコーダ部と同様に番組毎に設け、ビデオデコードした各画面に、サブピクチャデコードした画面を重ね合わせる構成とすれば、対応が容易である。加えて、DVDオーディオ規格を満足するディスクも、さらに歌詞などを表示するリアルタイムテキストデコーダ部や静止画デコーダ部を番組毎に設ける構成とすれば、対応可能である。
【0084】
(実施の形態4)
図8は本発明の実施の形態4による番組再生方法を用いる番組再生装置の構成のうち各番組を読み出す複数番組再生リストに関する処理を示すブロック図である。図8において、61は複数の番組に関する記録内容を記録した記録媒体、62は利用者からの入力もしくは番組再生装置内で再生する番組を選択する番組選択手段、63は記録媒体61内の各番組の記録内容を読み出す記録内容読出手段、64は記録内容読出手段63から読み出した複数の番組の記録内容を番組別の記録内容に分配する記録内容分配手段、65は記録媒体61内に記録された番組記録情報、66は番組記録情報65の内容を読み出して、同時に複数番組を効率よく再生するための再生リストを生成する複数番組再生リスト生成手段である。なお、記録内容分配手段64は番組別に記録内容を分配し、番組再生手段等(図示せず)にて各番組ごとに再生を行い、映像信号出力手段等で出力する信号を生成する点は、実施の形態1等と同一のため説明を省略する。
【0085】
図9は、本発明の実施の形態4に係る番組再生方法の初期時の処理動作を示すフローチャートである。図10は実施の形態4に係る番組再生方法の番組再生進行時の処理動作を示すフローチャートである。
【0086】
実施の形態4と実施の形態1の違いは、再生する複数の番組に対して、記録媒体61内の各番組の番組記録情報65を前もって読み出し、予め複数の番組を効率よく再生できるような再生リストを生成する点である。実施の形態1内の説明では、各番組の再生にあたって、記録内容分配手段14が各番組の記録内容を読み出しながらその都度、次の再生リスト情報等を読み出して判断し各記録内容毎に分配を行っていた(図2のステップS107参照)。複数の番組を同時再生するにあたっても、同時に読み出す各番組の情報を別々に処理する構成であった。
【0087】
実施の形態4では各番組の記録内容を読み出して分配する前に(ステップS138とステップS139)、複数再生する番組に関する再生リストを生成する。まず番組記録情報65から各番組各々の再生リスト情報を読み出す(ステップS136)。そして同時再生する複数番組再生リストを生成する(ステップS137)。生成された複数番組同時再生リストの内容からどの番組の記録内容を読み出したらよいかを決定し、各番組の記録内容を読み出す手順を開始する。
【0088】
各番組の再生を進行するにあたり、複数番組再生リストの内容を更新もしくは変更する必要がある。利用者の要求もしくは再生番組数の終了等による再生番組数の変更や、予め作成していたリスト情報の終了時には、作成してあった複数番組再生リストの内容の変更や追加を行う必要がある。追加や変更の発生の有無を判断し(ステップS151)、必要時には番組記録情報65を読み出して、複数番組生成リストを変更または追加する必要がある(ステップS153)。以降、追加や変更された複数番組再生リストの内容に従って各番組の記録内容が読み出される(ステップS154以降)。
【0089】
複数番組再生リストの構造例について説明する。まず1つの番組についての再生リスト情報は、実施の形態1内で説明したとおり、各番組を再生する再生論理単位セルの再生順序を決定する再生情報であるプログラムチェーンから構成される。各プログラムチェーンは再生セルの位置情報等を格納し、各セルには各番組の再生用画像信号や音声信号の格納位置情報や再生時間等が納められている。そこで同時に再生する番組の各再生リスト情報を獲得し、各プログラムチェーンの情報から再生時間等の情報、格納位置に関する情報等を読み出し、どのような順序で各番組を読み出せば効率よくなるかを算出する。記録媒体64内の格納位置が近く連続的にトラックバッファ等に読み出しておけば、無駄が少なくなる読み出し方や、各番組の再生時間情報による効率的なプログラムチェーンの読み出し順序等を決定し、複数の番組の再生リスト情報を包含する複数番組再生リスト情報を、各番組の再生リストとは別に、新規に生成する。
【0090】
本実施の形態4では、選択された複数の番組を同時再生するために番組記録情報から複数番組再生リストを生成し、生成された複数番組再生リストに従って、記録内容読出手段63から複数の記録内容を読み出すことにより、複数番組を同時再生することを前提とした同時再生リストに従った読み出しができるため、効率よく記録媒体にアクセスできるという効果を有する。
【0091】
さらに、別の構成として、ある番組の記録内容ばかりをまとめて読み出すのではなく、同時再生される各番組の記録内容まとめて読み出すように構成することもできる。記録内容読出手段63は、各番組の記録内容をまとめた形で読み出し、記録内容分配手段64に高速に転送する。複数の番組をまとめて転送するために、各番組の記録内容を識別するための工夫を行う。例えば、各番組の記録内容と識別のための情報からなる記録内容が転送する。識別情報の例として、記録内容別に識別符号を付加したり、各番組の記録内容の転送前に識別信号を交換する方法を採る。そして、識別情報に従って各番組毎の記録内容に分配するように構成する。これらは読み出しと転送に関してさらに高速化をはかる実現例である。
【0092】
以上本発明の実施の形態によれば、記録されている複数の番組の記録内容を同時に読み出し、読み出した信号を番組毎に再生する番組再生手段を持ち、再生された各番組の再生情報を元に、同一画面に複数番組の映像を同時再生、音声出力端子に応じた複数番組の音声の同時出力が可能な、同時再生に適した番組再生方法を実現する番組再生装置を提供することができる。
【0093】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、複数の番組を同時に再生するにあたり、複数番組分の記録内容を読み出して、同時に再生する番組数等の同時再生条件を決定し、番組別に記録内容を分配し、番組別に分けられた記録内容に従って各々の再生信号を生成し、同時再生条件に従って出力信号を生成するため、同時に複数番組の再生確認を行うことが容易に行うことができる、再生機能を強化した番組再生方法を実現する番組再生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における番組再生装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における番組再生方法の動作開始時の処理動作を示すフローチャート
【図3】本発明の実施の形態1における番組再生装置の番組再生手段の構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態1における番組再生方法を用いる番組再生装置の番組再生処理動作を示すフローチャート
【図5】本発明の実施の形態2における番組再生装置の番組再生手段の構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態3における番組再生装置の構成を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態3における番組再生装置の番組音声再生手段の構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態4における番組再生装置の複数番組再生リストに関する構成部分を示すブロック図
【図9】本発明の実施の形態4における番組再生方法の初期時の処理動作を示すフローチャート
【図10】本発明の実施の形態4における番組再生方法の再生継続時の処理動作を示すフローチャート
【符号の説明】
11 記録媒体
12 番組選択手段
13 記録内容読出手段
14 記録内容分配手段
15 番組再生手段A
16 番組再生手段B
17 番組再生手段C
18 映像信号出力手段

Claims (2)

  1. 再生番組を選択する番組選択手段と、
    記録媒体から通常再生速度の倍速以上で記録内容を読み出す記録内容読出手段と、
    読み出された前記記録内容を番組別に分配する記録内容分配手段と、
    番組別に設けられた複数の番組再生手段を有し、前記記録内容分配手段により番組別に分配された記録内容を番組別に設けられた前記複数の番組再生手段でそれぞれ番組別に再生し、さらに再生した画像の画面サイズを同一画面領域内に同時再生する画面数に合わせて変更する画面サイズ変更処理手段とを有し、分配された前記記録内容に基づいて再生画像信号を生成する番組再生手段と、
    生成された前記再生画像信号から同一画面領域内に同時再生する映像信号を生成する映像信号出力手段とを備え、
    同時に複数個の番組を同一画面領域内に再生する際に、前記記録内容分配手段が再生中の番組の再生終了を検知することにより、前記映像信号出力手段が再生終了番組の表示を取りやめ、残りの同時再生数に合わせて画面分割数の変更を行うことを特徴とする番組再生装置。
  2. 再生番組を選択する番組選択手段と、
    番組毎の番組記録情報を有する記録媒体から通常再生速度の倍速以上で記録内容を読み出す記録内容読出手段と、
    読み出された前記記録内容を番組別に分配する記録内容分配手段と、
    分配された前記記録内容に基づいて再生画像信号を生成する番組再生手段と、
    生成された前記再生画像信号から同一画面領域内に同時再生する映像信号を生成する映像信号出力手段とを備え、
    前記番組選択手段が前記記録媒体に記録された番組のうちから、前記番組記録情報を参照し、前記番組記録情報のうち画像圧縮方式、または画像の解像度、または出演者情報が同一の番組から順に特定数の番組を選択することを特徴とする番組再生装置。
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