JP3574114B2 - ホルムアルデヒド吸収能を有する生成物及びその製造方法 - Google Patents

ホルムアルデヒド吸収能を有する生成物及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、植物組織に由来するアルカリ処理生成物、特にホルムアルデヒド吸収能を有するホルムアルデヒド吸収剤に関する。特にカラマツ(Larix leptolepis )由来の植物組織を原料として製造されるホルムアルデヒド吸収剤、その製造方法及び当該ホルムアルデヒド吸収剤の応用に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラマツ(Larix leptolepis)は、わが国、特に中部山地および北海道に多く生育するマツ科の落葉針葉樹である。わが国に多数生育するカラマツの森林資源としての利用範囲は、梱包材、構造材など限られたものであって、現状では決して広いものではなく、その有効利用が様々な観点から検討されている。
【0003】
例えば、特開2001−261394号公報には、カラマツから抽出された抽出物、すなわち有効成分としてタキシホリンを含有する抽出物をセメント用添加剤として使用する例が開示されている。
【0004】
近年の住宅の高断熱化、及び高気密化の要求にともなって、建材又は家具などから発生したホルムアルデヒドに代表されるVOC(揮発性有機化合物)が室内から放散されにくくなっている現象が顕著である。このような住宅に居住する人々が、ホルムアルデヒドのような有害物質に過敏に反応することにより様々な症状を発症する、いわゆるシックハウス症候群が大きな社会問題となっている。
【0005】
例えばホルムアルデヒド濃度については、「室内空気中化学物質の室内濃度指針値及び標準的測定方法について、厚生省生活衛生局長生衛発第1093号、平成12年6月30日」によれば、ホルムアルデヒドの室内濃度指針値は、30分平均値(30分換気後に対象室内を5時間以上密閉後30分間採取、DNPH誘導体化固相吸着/溶媒抽出−高速液体クロマトグラフ法)として、100μg/m(0.08ppm)とされている。
【0006】
このような状況により、効果的なホルムアルデヒド吸収剤に対する需要は増大している。室内に滞留するホルムアルデヒドを減少させるか、又は除去する目的で各種のホルムアルデヒド吸収剤が提案されてきた。特に植物由来のものを挙げると、例えば特開平11−226100号公報には、茶葉由来のポリフェノールであるカテキン類を用いて、建築用材料、家具用材料及びフィルター等を処理する構成が開示されている。
【0007】
また、「大原誠次、第49回日本木材学会研究発表要旨集、p.397(1999)」によれば、樹皮タンニンのホルムアルデヒド吸着能について種々の濃度及び測定方法が報告されている。例えばカテキンは、デシケータ中でのホルムアルデヒド濃度を検知管により測定する方法によると、40ppm程度の高濃度のホルムアルデヒド発生源を用いた場合でも、優れた吸着能を示すことが報告されている。さらにアルカリ変性させたカテキンや、アンモニアと気相反応させたアカシアタンニンは、より高いホルムアルデヒド吸着能を示すことが報告されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のタンニン化合物を得るためには、原料の確保が困難である。すなわち、茶葉由来のカテキンを大量に入手することは、極めて困難である。また、例えば天然に自生するアカシアは、多くを伐採し、なおかつこれをホルムアルデヒド吸収剤として使用するための資源とすることは現実には不可能である。従って、植物由来の優れたホルムアルデヒド吸収能を奏する物質を大量に供給するためには、新たな原料資源を開拓する必要がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記従来の問題点を解決するためになされたものである。すなわち、この発明の発明者らは、鋭意研究を進める中で、特にカラマツに多量に含有されるポリフェノール類であるタキシホリンに着目した。そして、カラマツ抽出物をアルカリ処理することにより得られる、タキシホリン誘導体を実質的に含有するアルカリ処理生成物が、顕著なホルムアルデヒド吸収能を奏することを見い出し、この発明を完成させるに至った。
【0010】
すなわち、この発明は、植物組織から抽出されたポリフェノール類を含有する抽出物を、アルカリ性物質と反応させることにより製造されるホルムアルデヒド吸収能を有するアルカリ処理生成物に関する。
【0011】
ここでいう植物組織には、樹皮、心材、葉及び根等の植物体のあらゆる単一組織及びこれらの混合物が含まれる。
【0012】
また、この発明に適用可能なポリフェノールとしては、フラバノノールであるタキシホリン、アロマデンドリン、フラバノン類のケルセチン、ケンフェロール、又はリグニン、リグナン等のアルカリ性条件下で酸化的に自己重合する物質及びこれらの混合物を挙げることができる。従って、上述したポリフェノールを含有する植物を適宜選択して使用するのがよい。
【0013】
植物組織からポリフェノール類を抽出するに際しては、好ましくは70〜90℃、特に好ましくは70℃の熱水によるか、又はアセトンにより処理するのがよい。この抽出を効率よく行うために、好ましくは植物組織を破砕して粉末状とするのがよい。
【0014】
また、所望により、このアルカリ処理前の抽出物を精製してもよい。例えば具体的には限外ろ過、クロマトグラフィ、イオン交換などの工程により行うのがよい。
【0015】
この発明のアルカリ処理生成物は、この発明の目的を損なわない範囲で、特に従来使用されていなかった植物組織、すなわち従来何らかの理由により有効利用されていなかった植物組織を使用して製造することができる。また、有効成分の抽出は植物組織を破砕して行うため、従来廃棄するしかなかった廃材等を使用することもできる。従って、この発明は、限られた資源の有効利用という観点から、極めて有意義なものである。
【0016】
この発明のホルムアルデヒド吸収能を有する生成物は、好ましくは植物組織をカラマツ属(Larix属)由来として製造するのがよい。
【0017】
カラマツ属には、産地によりLarix leptolepis ( Japanese larch )、Larix laricina ( Tamarach )、Larix occidentalis ( Western larch )、Larix decidua ( European larch )、Larix dahurica ( Mongoliana larch ) 及びLarix sibirica ( Siberian larch )の6種が含まれるが、いずれもこの発明の構成に適用して好適である。特にわが国に多数が生育するカラマツ( Larix leptolepis)の使用は、資源の有効利用を図る観点からも好ましい。
【0018】
カラマツは、資源量としても十分な量が存在している。従って、森林資源として、わが国に多数生育するカラマツの新たな用途を開拓し、資源としてのカラマツを積極的に有効利用することが可能となる。
【0019】
植物組織としてカラマツを使用した場合には、タキシホリンが主成分として抽出されるが、他のポリフェノール成分も少量ではあるが不可避的に混入する。これらの他のポリフェノール成分は、特に必要のない限り、除去しなくても問題ない。
【0020】
また、この発明の抽出物の処理工程に使用されるアルカリ性物質としては、水に溶解した際にアルカリ性を呈するものであれば、どのような物質でも使用可能であるが、好ましくは気相又は液相のアンモニア又はモノメチルアミン等の第一級アミン類を使用するのがよい。
【0021】
これらは、常温(20℃〜25℃)で水溶液として混合するのがよい。濃度はアンモニア水溶液の場合は20〜30%、アミン水溶液の場合は70%に設定して、水溶液として混合するのがよい。また、抽出物を閉空間にて気相反応により処理してもよい。この場合の濃度は、特に限定されるものではないが、反応を早く進めるためにはより飽和濃度に近い状態にするのがよい。この工程により、抽出物のホルムアルデヒド吸収能は飛躍的に向上する。
【0022】
このように、簡易な操作で抽出物をアルカリ性物質と反応させることで、顕著なホルムアルデヒド吸収能を奏するアルカリ処理生成物を効率的に製造することができる。従って、製造コスト低減に貢献する。
【0023】
さらに、この発明のアルカリ処理生成物は、タキシホリン誘導体を実質的に含むことを特徴とする。このアルカリ処理生成物には、上述したように、この発明の目的を損なわない範囲で、他の成分が少量含まれていてもよい。
【0024】
このように、カラマツ由来のポリフェノールであるタキシホリンを原料として使用すれば、顕著なホルムアルデヒド吸収能を有するホルムアルデヒド吸収剤を極めて簡易な工程で工業的に大量に製造することができる。
【0025】
タキシホリンとは、下記式(I)の構造を含む分子量304.3のフラバノノール化合物である。このようなフラバノノール化合物には、他にアロマデンドリンが挙げられる。すなわちタキシホリンとは、カテキン及びロイコアントシアンが含まれるいわゆるタンニンとは全く別個の植物ポリフェノールの1種である。タキシホリンは、カラマツ、特にカラマツ心材に豊富に含まれている。このタキシホリンは、アンモニア等でアルカリ処理することにより、酸化的に自己重合する。この明細書でいうタキシホリン誘導体とは、このタキシホリンの酸化的自己重合体及びそのアルカリ塩をいう。
【0026】
【化1】
Figure 0003574114
【0027】
このアルカリ処理を行うに際して、例えばアンモニアを用いる場合には、好ましくはモル比にしてタキシホリン:アンモニア=1:9又は1:9以上とするのがよい。
【0028】
また、この発明は、揮発性有機化合物、特にホルムアルデヒド吸収能を有する吸収剤に関する。上述の工程により得られたアルカリ処理生成物を水等の溶媒に溶解し、これを空気清浄器、加湿器、換気扇、冷暖房機器、集塵装置等のフィルタに塗布又は含浸させるのがよい。また、乾固されたアルカリ処理生成物を破砕して、適当な粒径に加工するか、又は粉末状にしてフィルタ材に混入させてもよい。また、これらを紙材や不織布等の通気性材料で包装するか、又はプラスチック等の適宜の容器に詰めて使用することができる。このとき使用されるアルカリ処理生成物の量は、用途等を考慮して、適宜決定すればよい。
【0029】
さらにまたこの発明は、上述したホルムアルデヒド吸収能を有するアルカリ処理生成物、すなわちホルムアルデヒド吸収剤を含有する塗料に関する。例えば市販の塗料に添加する場合には、アルカリ処理生成物の性状を考慮して適切な量を添加すればよい。その含有量は条件等によりこの発明の目的を損なわない範囲で適宜設定することができるが、被塗布領域1平方メートルあたり、好ましくは20〜50gが含まれるように添加するのがよい。
【0030】
さらにこの発明は、上述したホルムアルデヒド吸収能を有するアルカリ処理生成物、すなわちホルムアルデヒド吸収剤を含有する着色料に関する。ここでいう着色料とは、上述の塗料のように対象物の表面のみに適用する場合のみならず、例えば粉末、液体に混入して対象物全体に適用することが想定されている。この場合には、その含有量は条件等によりこの発明の目的を損なわない範囲で適宜設定することができる。アルカリ処理生成物の性状を考慮して、適切な量を対象物に添加すればよい。
【0031】
この発明のアルカリ処理生成物は、重厚感のある自然な褐色を有しているので極めて応用範囲は広い。
【0032】
また、この発明のアルカリ処理生成物は、上述のフィルタ、調度品、家具、ふすま材、障子材等の建具、及び板材等の建築資材といった対象物にアルカリ処理前の抽出物を塗布または含浸する工程(第1の工程)と、この対象物に対してアルカリ薫蒸する工程(第2の工程)の2段階の工程で行うことで、吸収能を付与することができる。
【0033】
上述した第1の工程と第2の工程とは、逆に行うこともできる。すなわち対象物をアルカリ薫蒸する工程をまず行った後に、アルカリ処理前の抽出物を塗布または含浸する工程をおこなってもよい。
【0034】
これらの工程を含む方法によれば、ホルムアルデヒド吸収能を必要とする箇所に現場状況に応じて施工することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して、この発明の実施の形態を実施例として説明する。
【0036】
<実施例1>
(実施例1−1)カラマツ心材抽出物の製造
カラマツ心材抽出物は以下のようにして得た。すなわち、カラマツ( Larix leptolepis)心材の木粉0.4kgを70℃の熱水2l(リットル)で1時間処理した。得られた抽出液をロータリーエバポレータで濃縮した。ここで、木粉とは、メッシュ番号にして9〜100メッシュの粉末を含み、このうち10〜16メッシュの粉末が7割程度を占める粉末を意味する。多糖類(アラビノガラクタン等)を除去するために、得られた濃縮抽出液を、約5倍量のエタノールに滴下した。これらの工程により、カラマツ心材ポリフェノール分画(沈殿以外の溶液分画)を減圧下で濃縮して黒褐色、ペースト状の抽出物を得た。
【0037】
このポリフェノール分画の主成分は、フラバノノール類の一種であるタキシホリンである。その他の成分としてケルセチン、ケンフェロール、アロマデンドリンなどその類縁化合物(フラボノイド)をごく微量だけ不可避的に含んでいる。
【0038】
(実施例1−2)アルカリ処理生成物の製造
実施例1−1で得られたカラマツ心材抽出物10gにアンモニア水(アンモニア約28%含有)を100ml加えた。アルカリ環境下に室温で14日間静置することにより暗赤褐色の沈殿を得た。デカンテーションにより、上澄み液を除去した後、乾燥(風乾、減圧乾燥)して固形状の非水溶性のアルカリ処理生成物を得た。このアルカリ処理生成物には、主たる生成物であるタキシホリン誘導体以外の他の成分として、未反応のタキシホリンと、ケルセチン、ケンフェロール、アロマデンドリン及びこれらのアルカリ処理により生じる誘導体等とが不可避的に少量含まれている。これらの他の成分は、特に必要のない限り、除去しなくても問題ない。このアルカリ処理生成物を乳鉢を用いて粉砕して、微粒子状とし、以下の試験に供した。
【0039】
(実施例1−3)ホルムアルデヒド吸収実験1
実施例1−1で得られたカラマツ心材抽出物及び実施例1−2で得られたアルカリ処理生成物それぞれについて、1gずつ秤量し、ろ紙に添着した。このろ紙を内容積が約20lのガラス製デシケータ中に入れた。さらにこのデシケータ中に気中濃度がほぼ40ppmとなるように、ホルムアルデヒド水溶液をマイクロシリンジを用いて添加した。ガステック検知管(ガステック社製)を用いて、デシケータ中に残存するホルムアルデヒド量(%)を、40ppmを100%として、経時的に測定した。
【0040】
結果を表1及び図1に示す。
【0041】
【表1】
Figure 0003574114
【0042】
図1は、表1に基づいて作成されたアルカリ処理を行ったカラマツ心材抽出物と無処理のカラマツ心材抽出物のホルムアルデヒド吸収能の比較を示すグラフである。縦軸は残存ホルムアルデヒド量(%)を、横軸は時間(分)を示している。
【0043】
一般的にいって、ホルムアルデヒド吸収剤の吸収反応は、初期においては、そのホルムアルデヒド吸収能は十分大きい。従って、ホルムアルデヒド濃度の経時的な低下割合は大きい。やがて吸収剤がホルムアルデヒドを吸収するにつれて、残存ホルムアルデヒド量の減少及び吸収剤の吸着能の低下などから、経時的に徐々にホルムアルデヒド濃度の低下割合は減少していって、最終的に平衡状態に達する現象であるといえる。従って、これらの実験結果を非線形最小自乗法により統計的に解析したところ、下記式(II)により非常に良好な近似を得た。
【0044】
F(x)=A×exp(−B×x)+C (II)
(式中、A、B及びCは正数である。)
F(x)は残存ホルムアルデヒド量(%)を、xは経過時間(分)を示している。A+Cは実験開始時のホルムアルデヒド量(すなわち、100%)に相当する。Cは平衡状態に達した残存ホルムアルデヒド量に相当する。初期のホルムアルデヒド吸収能は、曲線の接線の傾き(−AB)の絶対値|AB|に相当していて、式(II)を時間xで微分して得られる式F′(x)=−AB×exp(−B×x)の係数で与えられる。
【0045】
すなわち、デシケータ中に存在するホルムアルデヒドが、アルカリ処理されているか又は無処理のカラマツ心材抽出物により、経時的に除去されていく様子が観察される。具体的にはアルカリ処理により、無処理の抽出物に関しては、確かにホルムアルデヒド吸収能は示すものの実験開始から24時間(1440分)後に約58%が残存していた。一方、アルカリ処理を施したカラマツ心材抽出物では、検出限界以下であることがわかる。従って、すべての時点でアルカリ処理によりホルムアルデヒド吸収能が飛躍的に向上していることがわかった。
【0046】
この結果の意味するところは、カラマツ心材から抽出した抽出物をホルムアルデヒドに経時的に曝露すると、無処理の抽出物は、当初デシケータ内に40ppmの濃度で存在していたホルムアルデヒドの40%程度を吸収するにとどまるのに対し、アルカリ処理をした抽出物は、ほぼ100%の吸収能を示すということにある。この100%というホルムアルデヒド吸収能は、従来のホルムアルデヒド吸収剤からは予想し得ない顕著な数字である。
【0047】
<実施例2>
(実施例2−1)カラマツ樹皮抽出物の製造
カラマツ(Larix leptolepis)樹皮の粉末0.4kgを70℃の熱水2l(リットル)で1時間処理した。ここでいう粉末とは、メッシュ番号にして9〜100メッシュの粉末を含み、このうち10〜16メッシュの粉末が7割程度を占める粉末を意味する。得られた抽出液をロータリーエバポレータで濃縮した。多糖類(アラビノガラクタン等)を除去するために、得られた濃縮抽出液を、約5倍量のエタノールに撹拌しながら滴下した。これらの工程により、カラマツ樹皮ポリフェノール分画(沈殿以外の溶液分画)を減圧下で濃縮して黒褐色、ペースト状の抽出物を得た。
【0048】
この抽出物は、カテキン及びその重合物等のフラボン類といった多種多様のフラボノイド類縁化合物を多量に含んでいる。
【0049】
(実施例2−2)アルカリ処理生成物の製造
実施例2−1で得られたカラマツ樹皮抽出物10gにアンモニア水(アンモニア約28%含有)を100ml加えた。アルカリ環境下に室温で14日間静置することにより暗赤褐色の沈殿を得た。デカンテーションにより、上澄み液を除去した後、乾燥(風乾、減圧乾燥)して固形状の非水溶性のアルカリ処理生成物を得た。このアルカリ処理生成物を乳鉢を用いて粉砕して微粒子状とし、以下の試験に供した。
【0050】
(実施例2−3)ホルムアルデヒド吸収実験2
実施例2−1で得られたカラマツ樹皮抽出物及び実施例2−2で得られたアルカリ処理生成物それぞれについて、1gずつ秤量し、ろ紙に添着した。このろ紙を内容積が約20lのガラス製デシケータ中に入れた。さらにこのデシケータ中に気中濃度がほぼ40ppmとなるように、ホルムアルデヒド水溶液をマイクロシリンジを用いて添加した。ガステック検知管(ガステック社製)を用いて、デシケータ中に残存するホルムアルデヒド量(%)を、40ppmを100%として、経時的に測定した。
【0051】
結果を表2及び図2に示す。
【0052】
【表2】
Figure 0003574114
【0053】
図2は、表2に基づいて作成されたアルカリ処理を行ったカラマツ樹皮抽出物と無処理のカラマツ樹皮抽出物のホルムアルデヒド吸収能の比較を示すグラフである。縦軸は残存ホルムアルデヒド量(%)を、横軸は時間(分)を示している。
【0054】
デシケータ中に存在するホルムアルデヒドが、アルカリ処理されているカラマツ樹皮抽出物及び無処理のカラマツ樹皮抽出物のいずれによっても、経時的に除去されていくが、アルカリ処理を行った方が顕著なホルムアルデヒド吸収能を示すことが理解される。このように、抽出物のアルカリ処理によりホルムアルデヒド吸収能が飛躍的に向上することがわかった。従って、カラマツ樹皮もこの発明のホルムアルデヒド吸収能を有する生成物の原材料として極めて有用であることが確認された。
【0055】
これらの実験結果を上述の式(II)を用いて統計的に解析したところ、無処理のカラマツ樹皮抽出物は、約80%のホルムアルデヒド吸収能を示し、アルカリ処理したカラマツ樹皮抽出物では、約90%のホルムアルデヒド吸収能を示した。
【0056】
<実施例3>
カラマツ心材の木粉約1kgにアセトン4l(リットル)を投入し、室温中で72時間静置した。得られた抽出液をロータリーエバポレータにより減圧下で濃縮後結晶化処理を行い、約3gのタキシホリン粗結晶を得た。得られたタキシホリン粗結晶をアンモニア水(アンモニア濃度約28%)によりガラスデシケータ中で室温下、196時間気相処理した。処理終了後減圧乾燥し、水溶性部及び非水溶性部を含む褐色の粉末を得た。
【0057】
この粉末を使用して実施例1−3と同様の条件で、ホルムアルデヒド吸収実験に供試した結果を表3及び図3に示す。
【0058】
【表3】
Figure 0003574114
【0059】
図3は、表3に基づいて作成されたアルカリ処理を行ったタキシホリンのホルムアルデヒド吸収能の比較を示すグラフである。縦軸は残存したホルムアルデヒドの量(%)を示し、横軸は測定時間(分)を示している。
【0060】
このようにホルムアルデヒド残存率は、測定開始(100%)から2時間後には10%以下にまでホルムアルデヒド残存量が減少し、24時間後には約3%となった。この結果、水溶性部及び非水溶性部の混合物にも高いホルムアルデヒド吸収能が認められた。
【0061】
(応用例1−1)塗料の製造
実施例1−1で得られたカラマツ心材抽出物と等量のアンモニア水(アンモニア約28%含有)との混合物は、自然な褐色を呈しているので、そのまま塗料として使用することができる。また、実施例1−2により得られる固形状の非水溶性のアルカリ処理生成物はさらに自然な雰囲気の深みのある褐色を呈しているので、これもそのまま適当な溶媒を加え塗料として使用することができる。
【0062】
これらをカバ材単板表面に塗布して、色調を評価した。結果を表4に示す。表4はカラマツ心材抽出物、そのアンモニア水との混合物及びアルカリ処理生成物によって得られる色調を説明するための表である。
【0063】
【表4】
Figure 0003574114
【0064】
表中、LEはカラマツ心材抽出物を示す。LE+NHはカラマツ心材抽出物とアンモニア水との混合物を示す。LEDはアルカリ処理生成物を示す。LEはエタノールを適当量含むペースト状で、LE+NHとLEDは水溶液状態で塗布した。
【0065】
また、L*、a*、b*、ΔE*はJISに規定される「L*a*b*表色系」で、L*は明度を示す。a*、b*は色相と彩度からなる色度を示す。ΔE*は色差を示す。無塗装の場合はL*=63.10、a*=4.75、b*=23.53であったが、この板にカラマツ心材抽出物を塗布するとL*=53.62、a*=7.03、b*=30.57となり、ΔE*=12.02であった。アンモニア等のアルカリで処理をしていないので、その色調はあまり大きく変化していない。これに対してカラマツ心材抽出物とアンモニア水の等量混合物を添加したものはL*=50.72、a*=5.25、b*=30.43、ΔE*=14.18となった。また、アルカリ処理生成物を塗布した場合にはL*=39.42、a*=12.63、b*=14.13、ΔE*=26.67と大きく変化した。得られた色調は自然な雰囲気の深みのある褐色で、高級感があるものであった。
【0066】
(応用例1−2)塗布評価実験
これらの塗料の耐水性について評価するため、塗料を塗布したカバ材を雑巾で複数回水拭きすることで評価した。アンモニア処理したもの(LE+NH及びLED)は、試行初期(1回目及び2回目)には、塗料の雑巾への移行がわずかに認められたものの、それ以降の試行では塗料の雑巾への移行は認められなかった。従って、十分な耐水性を有していると判断された。
【0067】
【発明の効果】
この発明の植物抽出物、特にカラマツ抽出物をアルカリ処理することにより得られるタキシホリン誘導体を実質的に含有するアルカリ処理生成物は、従来と比較して顕著なホルムアルデヒド吸収能を奏する。また、この発明のアルカリ処理生成物の製造方法によれば、極めて簡易な工程でこれを大量に製造することができる。
【0068】
さらに、従来有効に利用されていなかった植物組織、特にカラマツ由来の植物組織を有効に利用することができる。また、従来廃棄するしかなかった廃材等を利用することもできる。従って、この発明は、資源の有効利用という観点から、極めて有意義なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】無処理及びアルカリ処理したカラマツ心材抽出物のホルムアルデヒド吸収能を比較したグラフである。
【図2】無処理及びアルカリ処理したカラマツ樹皮抽出物のホルムアルデヒド吸収能を比較したグラフである。
【図3】アルカリ処理タキシホリンのホルムアルデヒド吸収能を示すグラフである。

Claims (12)

  1. 植物組織から抽出されたポリフェノール類を含有する抽出物を、アルカリ性物質と反応させることを特徴とするホルムアルデヒド吸収能を有するアルカリ処理生成物。
  2. 前記植物組織がカラマツ由来であることを特徴とする請求項1に記載のアルカリ処理生成物。
  3. 前記アルカリ性物質が、アンモニア又はアミン類であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアルカリ処理生成物。
  4. タキシホリン誘導体を実質的に含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のアルカリ処理生成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のアルカリ処理生成物を含むことを特徴とするホルムアルデヒド吸収剤。
  6. 請求項5に記載のホルムアルデヒド吸収剤を含有する塗料。
  7. 請求項5に記載のホルムアルデヒド吸収剤を含有する着色料。
  8. 植物組織を、アセトンもしくは70〜90℃の熱水により処理することでポリフェノール類を含有する抽出物を得る工程と、前記抽出物をアルカリ性物質と反応させてアルカリ処理生成物を得る工程とを含むことを特徴とするホルムアルデヒド吸収能を有するアルカリ処理生成物の製造方法。
  9. 前記植物組織が、カラマツ由来であることを特徴とする請求項8に記載の製造方法。
  10. 前記アルカリ性物質が、アンモニア又はアミン類であることを特徴とする請求項8又は9に記載の製造方法。
  11. 対象物にアルカリ処理前の植物組織から抽出されたポリフェノール類を含有する抽出物を塗布もしくは含浸した後に、前記対象物に対してアルカリ薫蒸することを特徴とする対象物へのホルムアルデヒド吸収能付与方法。
  12. 前記対象物をアルカリ薫蒸した後に、前記対象物にアルカリ処理前の植物組織から抽出されたポリフェノール類を含有する抽出物を塗布もしくは含浸することを特徴とする対象物へのホルムアルデヒド吸収能付与方法。
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