JP3573201B2 - 直流電源回路の出力電流制限回路 - Google Patents

直流電源回路の出力電流制限回路 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、直流出力電流を厳しく管理する必要のある機器の直流電源回路に使用して好適な電流制限回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の直流電源回路として、部品の故障、電源出力の短絡事故等の場合に、部品の発熱や発火を防ぐために、出力直流電流を所定値以下に制限する出力電流制限回路を搭載する場合がある。
【0003】
このような直流電源回路の出力電流制限回路としては、図6に示すような、いわゆる「フの字」垂下特性の回路が用いられる。すなわち、出力直流電流が、予め設定されている出力電流制限値ISよりも小さい間は、所定の出力電圧が得られるようにされるが、出力直流電流が、出力電流制限値ISよりも大きくなろうとすると、出力電圧Voが減少すると共に、出力電流も減少するような特性を、この「フの字」垂下特性の電流制限回路は備える。
【0004】
図7は、この「フの字」垂下特性の出力電流制限回路の一般的な回路例を示すものである。
【0005】
図7においては、入力電圧(例えば直流電源電圧)Vinが、端子1および端子2間に供給され、端子3および端子4間に、出力電圧Voが得られるようにされている。例えば、端子1には、正の直流電源電圧Vinが供給され、端子2は接地端子とされている。また、端子3には、正の直流出力電圧Voが得られ、端子4は、接地端子とされている。
【0006】
そして、PNP形トランジスタ5のエミッタが、正の直流電源電圧Vinが供給される端子1に接続され、このトランジスタ5のコレクタは、例えば機器の電源ラインに接続される端子3に接続される。そして、トランジスタ5のベースは、抵抗器6を通じてNPN形トランジスタ7のコレクタに接続され、このトランジスタ7のエミッタは抵抗器8を通じて接地端子2に接続される。
【0007】
また、端子1と接地端子2との間に、抵抗器9とダイオード10と抵抗器11との直列回路が接続される。そして、抵抗器9とダイオード10との接続点12がトランジスタ7のベースに接続される。また、ダイオード10と抵抗器11との接続点13が抵抗器14を通じて端子3に接続される。
【0008】
以上のような構成の図7の回路の動作について説明する。
【0009】
端子3からの出力直流電流Ioが、図6の「フの字」垂下特性の出力電流制限値ISよりも小さい状態においては、トランジスタ7のベース電位は、十分に高く、このため、トランジスタ7はオンになる。したがって、トランジスタ5のベース電流IBは十分に大きく、トランジスタ5は、オンとなり、端子3の出力電圧Voとしては、端子1の正の直流電源電圧Vinが、トランジスタ5のコレクタ−エミッタ間電圧Vce分だけ降下した電圧が得られる。
【0010】
一方、端子3の出力直流電流Ioが、前記出力電流制限値ISを越えようとすると、抵抗器14と抵抗器11との接続点13の電位、つまりトランジスタ7のベース電位が低くなる。すると、トランジスタ7のコレクタ−エミッタ間を通じて流れる電流、すなわち、トランジスタ5のベース電流IBが小さくなる。このため、端子3に得られる出力電圧Voが低下すると共に、出力電流Ioも小さくされる。
【0011】
出力電圧Voが下がると、さらにトランジスタ7のベース電位が下がり、このため、トランジスタ5のベース電流IBが小さくなり、さらに、出力電圧Voおよび出力電流Ioが小さくなる。
【0012】
こうして、図7の回路によれば、出力直流電流Ioの値を、出力電流制限値IS以下に制限することができ、電子機器の部品の発熱や発火を有効に防止することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、例えば爆発性雰囲気中などで使用する必要がある電子機器の直流電源回路の場合には、上述のような出力電流制限回路は必須であり、しかも、前記出力電流制限値ISが変動してしまうと、出力電流制限回路の本来の目的を達成することができない場合を生じる恐れがあり、出力電流制限値は、厳格に管理される必要がある。
【0014】
しかしながら、出力電流制限回路として、上述した図7のようなフの字垂下特性の一般的な出力電流制限回路を用いた場合、周囲温度の変化によって、出力電流制限値ISが変動してしまうことが判明した。また、入力直流電源電圧Vinの変動によっても、出力電流制限値ISが変動しまうことが判明した。
【0015】
すなわち、図7において、抵抗器8の抵抗値をR1、抵抗器14の抵抗値をR2、抵抗器11の抵抗値をR3とし、トランジスタ5の直流電流増幅率をHfeとすると、出力電流制限値ISは、
IS=Hfe×(R3×Vo)/{R1×(R2+R3)}…(1)
となる。
【0016】
この(1)式に示されるように、出力電流制限値ISは、トランジスタ5の直流電流増幅率Hfeに比例したものとなるが、直流電流増幅率Hfeは、周囲温度の変動に応じて、例えば数10%変化する。このため、出力電流制限値ISは、周囲温度に応じて変動してしまうと考えられる。
【0017】
また、上記の(1)式から判るように、出力電流制限値ISは、出力電圧Voの変動にも依存している。この出力電圧Voは、トランジスタ5のコレクタ−エミッタ間電圧をVceとすると、
Vo=Vin−Vce
であるので、出力電流制限値ISは、入力直流電源電圧Vinの変動にも依存していることが判る。
【0018】
したがって、例えば、携帯型の電子機器のような電池駆動の電子機器の場合、その電池電圧の変化により、出力電流制限値ISは変動してしまうことになる。
【0019】
以上のように、従来のフの字垂下特性の出力電流制限回路では、出力電流制限値ISが、周囲温度変化や入力電圧変化に応じて変動してしまうために、出力電流制限値ISを厳格に管理しなければならない環境で用いる電子機器の直流電源回路の出力電流制限回路としては不十分であり、電気機械器具防爆構造規格(昭和44年労働省告示第16号)を満足するようにすることが困難であった。
【0020】
この発明は、以上の点にかんがみ、出力電流制限値ISを厳格に管理しなければならない環境で用いる電子機器用としても、十分な性能を備える直流電源回路の出力電流制限回路を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明による直流電源回路の出力直流電流制限回路は、
出力直流電流が第1のトランジスタのコレクタ−エミッタ間を通じて取り出され、前記第1のトランジスタのベース電流の電流路に、第2のトランジスタのコレクタ−エミッタ間が設けられ、前記第2のトランジスタのベース電位を制御することにより前記第1のトランジスタのベース電流を制御して、前記出力直流電流が、予め定められた出力電流制限値を超えないように、フの字垂下特性により制限する直流電源回路の出力電流制限回路において、
入力電圧の変動を抵抗値変化として検出して監視し、前記検出された前記入力電圧の降下時の前記抵抗値変化に応じて、前記第2のトランジスタのベース電位を、前記トランジスタのベース電流を増加させるように制御することにより、前記入力電圧の降下時の前記出力電流制限値の変動を抑制する入力電圧降下補正回路と、
出力電圧を監視し、前記入力電圧上昇に伴って前記出力電圧が予め設定された値以上に上昇したときに、前記第2のトランジスタのベース電位を一定値に保持することにより、前記第1のトランジスタのベース電流を一定に保持して、前記入力電圧の上昇時の前記出力電流制限値の変動を抑制する入力電圧上昇補正回路と、
ことを特徴とする。
【0022】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の直流電源回路の出力電流制限回路において、
前記第1のトランジスタのベース電流の電流路に、前記第1のトランジスタの直流電流増幅率の周囲温度変化に応じた変動による前記第1のトランジスタのベース電流の変動を打ち消すようにする手段を備える
ことを特徴とする。
【0025】
【作用】
上述の構成の請求項1の発明によれば、入力電圧が変動しても、出力電流制限値は、変動しないようにされる。したがって、出力電流制限値を厳格に管理しなければならない環境で用いる電子機器用としても、十分な性能を備える直流電源回路の出力電流制限回路を提供することができる。
【0026】
また、請求項の発明によれば、出力電流制限値は、周囲温度変化および入力電圧変動があっても、変動しないようにされる。したがって、出力電流制限値を厳格に管理しなければならない環境で用いる電子機器用としても、十分な性能を備える直流電源回路の出力電流制限回路を提供することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明による直流電源回路の出力電流制限回路の実施の形態の構成を示すものである。この図1の実施の形態の出力電流制限回路において、前述した図7の従来のフの字垂下特性の出力電流制限回路と同一部分には、同一符号を付すことにする。
【0028】
図1の実施の形態の出力電流制限回路においては、図7のトランジスタ7のエミッタと接地端子2との間に接続される抵抗器8の代りに、周囲温度変化に対して、トランジスタ5の直流電流増幅率Hfeの温度変化率と同等の抵抗値の温度変化率を有する抵抗器(サーミスタ)21を接続する。すなわち、トランジスタ5のベース電流IBの電流路に、トランジスタ5の直流電流増幅率Hfeの温度変化に応じて抵抗値が温度変化する抵抗器21が設けられる。
【0029】
トランジスタ5では、周囲温度が上がると、その直流電流増幅率Hfeが大きくなり、また、周囲温度が下がると、その直流電流増幅率Hfeが小さくなる。したがって、この例では、抵抗器21は、周囲温度が上がると抵抗値が大きくなり、また、周囲温度が下がると抵抗値が小さくなる正の温度係数を有するものが用いられる。
【0030】
また、図1の実施の形態では、入力電圧降下補正回路30を、入力電圧Vinが供給される端子1と接地端子2との間に設けると共に、図7の抵抗器11の代りに、可変抵抗器22を接続する。そして、入力電圧降下補正回路30は、入力電圧Vinの降下に応じて、可変抵抗器22の抵抗値を増加させるように制御する。
【0031】
さらに、図1の実施の形態では、入力電圧上昇補正回路40を、出力電圧Voが得られる端子3と接地端子4との間に設ける。この入力電圧上昇補正回路40は、また、ダイオード10と可変抵抗器22との接続点13に接続されている。そして、この入力電圧上昇補正回路40は、入力電圧Vin、したがって、出力電圧Voが上昇したときに、この出力電圧Voの上昇に応じて、接続点13の電位が上昇するのを防止するように動作する。
【0032】
その他の構成は、図7の回路と全く同様である。
【0033】
以上のように構成した図1の実施の形態の出力電流制限回路における出力電流制限値ISの変動防止動作について説明する。
【0034】
[温度変動対策]
入力電圧Vinおよび出力電圧Voが変動せずに、図1の回路の周囲温度が変動するときには、抵抗器9とダイオード10との接続点12の電圧は、一定である。したがって、このときには、接続点12の電圧が一定であるため、抵抗器21での電圧降下も変化しない。
【0035】
このため、周囲温度の変動により抵抗器21の抵抗値が増減すると、それに応じて抵抗器21を流れる電流、すなわち、トランジスタ5のベース電流IBが変化する。抵抗器21の抵抗値は、周囲温度上昇時に大きくなり、周囲温度下降時に小さくなるので、トランジスタ5のベース電流IBは、周囲温度上昇時に減少し、周囲温度下降時に増加する。
【0036】
一方、前述したように、トランジスタ5の直流電流増幅率Hfeは、周囲温度上昇時に大きくなり、周囲温度下降時に小さくなり、ベース電流IBとは相反する変化をする。
【0037】
出力電流制限値ISは、(トランジスタ5のベース電流IB)×(トランジスタ5の直流電流増幅率Hfe)で決定されるので、上述のように、ベース電流IBと、直流電流増幅率Hfeとは、周囲温度変動に対して相反する変化をすることから、出力電流制限値ISの周囲温度変動に対する変動が抑制される。
【0038】
[入力電圧変動対策]
(入力電圧降下時)
入力電圧降下補正回路30は、入力電圧Vinの電圧値降下を監視する。そして、入力電圧降下補正回路30は、入力電圧Vinの電圧値が降下したことを検知すると、その降下分に応じた分だけ、可変抵抗器22の抵抗値を増加させる。
【0039】
すると、この可変抵抗器22の抵抗値の増加により、この抵抗器22の両端電圧が上昇し、このため、トランジスタ7のベース電位も上昇し、トランジスタ5のベース電流IBが増加して、入力電圧Vinの降下により減少していた出力電流制限値ISが増加する。したがって、入力電圧が降下しても、出力電流制限値ISの変動は抑制される。
【0040】
(入力電圧上昇時)
入力電圧上昇補正回路40は、入力電圧Vinの上昇に伴う出力電圧Vo(=入力電圧Vin−Vce)の上昇を監視する。そして、入力電圧Vinの上昇に伴い、出力電圧Voが、入力電圧上昇補正回路40の内部において設定されている設定値以上に上昇すると、入力電圧上昇補正回路40は、抵抗器22に与えている電圧を一定値にして、接続点12の電圧を一定値にする。すると、トランジスタ5のベース電流IBが一定に保たれ、出力電流制限値ISの上昇が抑制される。したがって、入力電圧が上昇しても、出力電流制限値ISの変動は抑制される。
【0041】
[実施例]
次に、上述したこの発明による直流電源回路の出力電流制限回路の実施の形態を、電池駆動の携帯機器の直流電源回路に適用した場合の実施例について、図2を参照しながら説明する。この図2において、図1で示した部分と同一部分には、同一符号を付して、その部分の説明は省略する。
【0042】
この図2の例においては、電池50の正極側が端子1に接続され、電池50の負極側が接地端子2に接続される。この例では、電池50は、3.5V〜4.4Vの電圧を供給する。
【0043】
図1の入力電圧降下補正回路30は、図2の例では、2個の抵抗器31および32と、電界効果トランジスタ33とで構成される。また、図1の可変抵抗器22は、図2の例では、2個の可変抵抗器221と222の直列接続により構成される。
【0044】
そして、抵抗器31および抵抗器32は、端子1と端子2との間に直列に接続され、電界効果トランジスタ33のゲートが抵抗器31と抵抗器32との接続点34に接続され、電界効果トランジスタ33のドレインが可変抵抗器221と可変抵抗器222との接続点に接続され、電界効果トランジスタ33のソースが端子2に接続される。
【0045】
また、図1の入力電圧上昇補正回路40は、図2の例では、抵抗器41と、ツェナーダイオード42と、抵抗器43とで構成される。そして、端子3と、ダイオード10および可変抵抗器221の接続点13との間に、抵抗器41と抵抗器43とが直列に接続される。そして、抵抗器41と抵抗器43との接続点44と、端子4との間にツェナーダイオード42が接続される。
【0046】
以上のような構成の図2の実施例の出力電流制限回路における出力電流制限値ISの変動防止動作について説明する。
【0047】
[温度変動対策]
温度変動対策についての構成および動作は、図1の実施の形態で説明した部分と全く同一である。すなわち、トランジスタ5の直流電流増幅率Hfeの温度変化率と同等の抵抗値の温度変化率を有する抵抗器21の存在により、トランジスタ5のベース電流IBと、直流電流増幅率Hfeとは、周囲温度変動に対して相反する変化をするので、出力電流制限値ISの周囲温度変動に対する変動が抑制される。
【0048】
[入力電圧変動対策]
(入力電圧降下時)
この図2の例においては、入力電圧降下の検出は、抵抗器31、32の分圧回路により行う。すなわち、抵抗器31と抵抗器32との接続点34には、入力電圧Vinの分圧電圧Vaが得られる。そして、その分圧電圧Vaが電界効果トランジスタ33のゲートに、バイアス電圧として供給されている。
【0049】
したがって、入力電圧Vinの前記分圧電圧Vaが、電界効果トランジスタ33のカットオフ電圧以上であるときには、電界効果トランジスタ33のソース−ドレイン間の抵抗値RDSは小さく、可変抵抗器222は、ほぼバイパスされる状態になる。つまり、このときには、接続点13と接地端子との間には、ほぼ、可変抵抗器221のみが接続される状態になっている。
【0050】
そして、入力電圧Vinが降下して、接続点34の分圧電圧Vaが電界効果トランジスタ33のカットオフ電圧まで下がると、電界効果トランジスタ33のソース−ドレイン間の抵抗値RDSは大きな値となり、可変抵抗器222が有効となって、接続点13と接地端子との間には、可変抵抗器221に対して、可変抵抗器222および電界効果トランジスタ33の抵抗RDSの並列回路が接続されたものが挿入される状態になる。
【0051】
このため、抵抗器41および抵抗器43と、可変抵抗器221および可変抵抗器222とで分圧されるダイオード10のカソード側の接続点13の電位が上がる。したがって、ダイオード10のアノード側の接続点12の電位(接続点13の電位よりもダイオード10の順方向電圧分だけ高い電圧)、つまり、トランジスタ7のベース電位も上がり、このトランジスタ7のコレクタ電流、つまり、トランジスタ5のベース電流IBが増加する。このベース電流IBの増加により、トランジスタ5のコレクタ電流、すなわち、出力電流制限値ISが上がる。
【0052】
以上のようにして、入力電圧Vinの降下により、下がりかけた出力電流制限値ISが持ち上げられる。
【0053】
なお、可変抵抗器222の抵抗値を調整することにより、入力電圧Vinの降下時の出力電流制限値ISの持ち上げ量を調整することができる。
【0054】
(入力電圧上昇時)
図2の例においては、入力電圧上昇の検出は、抵抗器41,43および可変抵抗器221,222からなる分圧回路により行う。すなわち、抵抗器41と抵抗器43との接続点44には、出力電圧Voの分圧電圧Vbが得られる。
【0055】
入力電圧Vinが上昇し、これに伴い出力電圧Voも上昇して、前記分圧電圧Vbがツェナーダイオード42のツェナー電圧以上になると、ツェナーダイオード42がツェナー降服し、接続点44の電位は、ツェナー電圧に保持され、トランジスタ7のベース電位の上昇が抑えられる。その結果、トランジスタ5のベース電流IBは一定となり、出力電流制限値ISの上昇が抑えられる。
【0056】
以上のようにして、図2の実施例の出力電流制限回路によれば、周囲温度変動や電池電圧変動による入力電圧変動にあっても、出力電流制限値ISの変動が抑制される。そして、図2の例では、少ない回路素子からなる簡単な構成によって、出力電流制限値ISの変動を抑制することができ、小型で電池駆動の電子機器用として、その効果は大きい。
【0057】
実回路による実測値により、従来の一般的なフの字垂下特性の出力電流制限回路と、図2の例の出力電流制限回路とにおける周囲温度および入力電圧変動性能を比較したところ、次のような結果を得た。
【0058】
図3は、従来の一般的なフの字垂下特性の出力電流制限回路の場合における出力電流制限特性を示している。また、図4は、図2の例の出力電流制限回路の場合における出力電流制限特性を示している。図5に、図3および図4に基づく、両者の周囲温度・入力電圧変動性能対比表を示す。
【0059】
以上の実測結果から、図2の例の出力電流制限回路によれば、一般的なフの字垂下特性の出力電流制限回路に比べて、出力電流制限値の温度変動は約1/12に、出力電流制限値の入力電圧による変動は1/5.7に、出力電流制限値の総合変動は約1/6に、それぞれ抑制されることが確認された。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明による直流電源回路の出力電流制限回路によれば、周囲温度変化または入力電圧変化があっても、出力電流制限値の変動が抑制される。したがって、出力電流制限値ISを厳格に管理しなければならない環境で用いる電子機器用として好適な直流電源回路の出力電流制限回路を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による直流電源回路の出力電流制限回路の実施の形態を示す図である。
【図2】この発明による直流電源回路の出力電流制限回路の一実施例を示す回路図である。
【図3】従来の一般的なフの字垂下特性の出力電流制限回路の場合における出力電流制限特性を示す図である。
【図4】図2の実施例の出力電流制限回路の場合における出力電流制限特性を示す図である。
【図5】従来の一般的なフの字垂下特性の出力電流制限回路と、図2の実施例の出力電流制限回路との周囲温度・入力電圧変動性能対比表を示す図である。
【図6】出力電流制限回路のフの字特性を示す図である。
【図7】従来の一般的なフの字垂下特性の出力電流制限回路を示す回路図である。
【符号の説明】
5、7 トランジスタ
21 正の温度係数を備える抵抗器
30 入力電圧降下補正回路
40 入力電圧上昇補正回路

Claims (2)

  1. 出力直流電流が第1のトランジスタのコレクタ−エミッタ間を通じて取り出され、前記第1のトランジスタのベース電流の電流路に、第2のトランジスタのコレクタ−エミッタ間が設けられ、前記第2のトランジスタのベース電位を制御することにより前記第1のトランジスタのベース電流を制御して、前記出力直流電流が、予め定められた出力電流制限値を超えないように、フの字垂下特性により制限する直流電源回路の出力電流制限回路において、
    入力電圧の変動を抵抗値変化として検出して監視し、前記検出された前記入力電圧の降下時の前記抵抗値変化に応じて、前記第2のトランジスタのベース電位を、前記トランジスタのベース電流を増加させるように制御することにより、前記入力電圧の降下時の前記出力電流制限値の変動を抑制する入力電圧降下補正回路と、
    出力電圧を監視し、前記入力電圧上昇に伴って前記出力電圧が予め設定された値以上に上昇したときに、前記第2のトランジスタのベース電位を一定値に保持することにより、前記第1のトランジスタのベース電流を一定に保持して、前記入力電圧の上昇時の前記出力電流制限値の変動を抑制する入力電圧上昇補正回路と、
    を設けたことを特徴とする直流電源回路の出力電流制限回路。
  2. 請求項1に記載の直流電源回路の出力電流制限回路において、
    前記第1のトランジスタのベース電流の電流路に、前記第1のトランジスタの直流電流増幅率の周囲温度変化に応じた変動による前記第1のトランジスタのベース電流の変動を打ち消すようにする手段を備える
    ことを特徴とする直流電源回路の出力電流制限回路。
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