JP3572701B2 - パネルシャッターのパネル取付構造 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、建造物の出入口等の開口部に設置されるパネルシャッターにおいて、パネル板の縁に框枠を取り付けるパネル取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のパネルシャッターでは、図1に示すように、パネル板3の上下両縁部に連結固定した連結用框枠4を、互いに屈折可能に連結して、全体として、シャッターカーテンを構成しているので、シャッター収納部へのカーテン巻き込み、あるいは、折り畳み収納に際して、無理な荷重が、パネル板3と連結用框枠4との接続箇所に掛かり、また、シャッター使用時すなわちカーテンの開閉時には、重力作用で、パネル板3と框枠4とが、その接続部分に自重による引張力を受けるので、図10に示すように、パネル板3の上下縁の両側面側に蟻溝31を形成し、框枠4の嵌合溝41の開口縁に形成した突条42を、蟻溝31に係合させる構造とするか、図11に示すように、パネル板3の上下縁32のみを厚くして、これを嵌合溝41に嵌合した際に、嵌合溝41の開口縁42で係止して、十分な連結強度を保たせる構造としていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のパネル取付構造では、前者の係合構造の場合には、パネル板3を、蟻溝31を形成するに足る相当な厚さにしなければならず、また、後者の構造の場合には、縁32の厚さからパネル板3を削り出しするか、成形型を用いて、パネル板3を、その特異な断面になるように、個々に成形しなければならない。
すなわち、従来のパネル取付構造では、既存品の平板をそのままパネル板3として使用できず、成形の段階からパネル板の形状を決定し成形させなければならないことから、全体のコスト高を招くことになるという欠点を有している。
【0004】
また、シャッターの開口幅が広い場合では、左右方向に長尺なパネル板3が使用されるが、この長尺なパネル板では、パネル板自信の自重や風などの外力によって框枠4が撓んでしまうおそれがあり、パネル板3と上下框枠4が分離してしまうおそれがあるという欠点がある。
【0005】
そこで本発明は、上記問題点を解消するために、パネル板と框枠とを容易に結合させるとともに、互いを強固に固定させることができるパネルシャッターのパネル取付構造を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
次に、上記の目的を達成するための手段を、実施例に対応する図面を参照して説明する。
この発明のパネルシャッターのパネル取付構造は、方形のパネル板3の上下縁部にそれぞれ連結用框枠4が設けられるパネルシャッター1のパネル取付構造において、
前記パネル板3の上縁部3a及び下縁部3bに固設されるとともに、前記連結用框枠4に形成される前記パネル板3の縁部3a,3bに沿った溝状の係合凹部5内に収容される結合部材8を具備し、
該結合部材8と前記係合凹部5に、爪片10と係合溝6とが互いに係合しあう組み合わせで設けられ、該結合部材8が前記連結用框枠4と前記パネル板3の縁部3a,3bとの間に介設されて、互いを固定することを特徴としている。前記係合凹部5内には、溝底部の両側に位置して、この係合凹部5の開放方向と直交し、かつ互いに開口方向が対向するような一対の前記係合溝6,6が形成され、前記結合部材8は、可撓性を有する材質により断面略Y字状に形成され、その各先端には一対の前記爪片10,10が形成され、この爪片と係合溝とが、上下方向からの嵌め込みにより、一対の前記爪片10,10がやや内方に撓んだ後復元することにより互いに係合しあう。
【0007】
【作用】
方形のパネル板3の上縁部3a及び下縁部3bにそれぞれ固設される結合部材8を、連結用框枠4に形成される溝状の係合凹部5に収容させるとともに、この結合部材8と係合凹部5に設けられる互いに係合しあう爪片10と係合溝6によって、結合部材8が前記連結用框枠4と前記パネル板3の縁部3a,3bとの間に介設された状態で、互いが固定される。
【0008】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図1乃至図4を参照しながら具体的に説明する。
本発明に係わるパネルシャッター1は、パネル板3の上下縁部3a,3bに、それぞれ連結用框枠4を接続したパネル構造体であるスラット2を、図1に示すように、多数連結して構成したものであり、このパネルシャッター1を構成するために、上下の各連結用框枠4には、それぞれ連結用カール部4aが形成され、この連結用カール部4aにてスラット2同士を連結するようになっている。
【0009】
このパネルシャッター1を構成するスラット2は、図2に示すように、連結用框枠4と、パネル板3と、結合部材8とで構成されている。
【0010】
連結用框枠4は、アルミ型材などより形成され、図2に示すように、パネル板3の上縁部3aまたは下縁部3b(図3参照)に沿う溝状の係合凹部5を有して断面略コ字状に形成されているとともに、連結用カール部4aが延出形成されている。
なお、本実施例では図3に示すように、上縁用連結用框枠4Aと下縁用連結用框枠4Bとの連結用カール部4Aa,4Baの形状が異なっており、上縁用連結用框枠4Aでは湾曲した断面略2字状に形成され、下縁用連結用框枠4Bでは断面略C字状に形成されている。
【0011】
また、連結用框枠4の係合凹部5内には、溝底部5aの両側に位置して、この係合凹部5の開放方向と直交し、かつ互いに開口方向が対向するような一対の係合溝6が形成されており、この係合凹部5は、これら係合溝6によって、奥拡がり形状となっている
【0012】
次に、パネル板3は、アクリル樹脂などの透明樹脂や、ガラス、アルミなどの金属などよりなる平板状の長尺な略短冊形状に形成されている。
また、このパネル板3の上下両縁部3a,3bの近傍には、長手方向の所定間隔毎に、貫通孔7がそれぞれ穿設されている。
【0013】
次に、結合部材8は、合成樹脂よりなる型材やアルミ型材など可撓性を有する材質よりなり、一対の係合片9,9と取付片11とを有した断面略Y字状に形成されている。
【0014】
一対の係合片9,9は、互いの間隔が、前述した連結用框枠4の係合凹部5内側の幅長と同等に設定されるとともに、各先端側が互いに平行となって形成され、各先端9a,9aには外側に向かって突出した爪片10,10がそれぞれ形成されている。
【0015】
また、取付片11は、基端に、前記パネル板3の厚さと同等の溝幅を有する凹溝12が形成され、先端近傍の板面には、貫通した固定孔13が設けられている。
なお、凹溝12は一対の取付片9,9の中間に位置しており、取付片11はこの凹溝12の一側から延出するように形成されている。
【0016】
そして、図3に示すように、この結合部材8は、前述したパネル板3の上下両縁部3a,3bに、まず凹溝12を嵌合させ、取付片11をパネル板3の一方の板面に沿わせ、固定孔13をパネル板3の貫通孔7に合致させた後、各孔7,13を嵌挿させてリベット14などの固定手段にて、互いを固定するようになっている。
【0017】
なお、この結合部材8は、パネル板3の長手方向の全長に対応した長尺に連続した形状のものでもよく、また、パネル板3に対して長手方向の複数カ所に間隔をあけて設けられるように、短尺幅に形成されていてもよい。
【0018】
そして、パネル板3に連結用框枠4を取り付けるには、図3及び図4に示すように、パネル板3の上下両縁に固定されている結合部材8を連結用框枠4の係合凹部5内に、パネル板3の上下方向から嵌め込み、収容させる。
収容される結合部材8は、一対の係合片9が係合凹部5内にてやや内方向に撓むが、各係合片9の先端の両爪片10が係合溝6にて係合することで、係合片9は復元し、爪片10と係合溝6とが互いに係合しあって固定される。
これにより、パネル板3と連結用框枠4とが固定され、その後、図4に示すように、連結用框枠4とパネル板3との結合部分の隙間に防塵・防水用のビード材15を嵌入させ、スラット2が完成される。
【0019】
なお、図5は、上述した実施例とは上下の連結用框枠4の連結用カール部4aの形状が異なる例を示した図である。
【0020】
従ってこのように構成されたパネルシャッターのパネル取付構造では、パネル板3の上下両縁部3a,3bに固定された結合部材8に爪片10を設け、連結用框枠4に形成されている係合溝6に係合させるのみで、パネル板3と連結用框枠4とを連結固定させることが行えるとともに、この固定状態が結合部材を介して行われていることから、互いの固定状態が強固となって剛性が向上し、風などの外力やパネル板3自信の自重によって連結用框枠4が撓むことがなく、パネル板3と上下の框枠4とが分離してしまうことがない。
【0021】
また、パネル板3と連結用框枠4との連結固定作業が、パネル板3の上下方向、すなわち垂直な吊持ち方向から、パネル板3の縁部に固定された結合部材8を連結用框枠4の係合凹部5内に収容させる手順であることから、この作業が簡素であり、また、その作業空間がパネル板3の左右幅方向の長さのみで行うことが可能となる。
【0022】
さらに、既成の平板状のパネル板3を用いてスラット2を構成させることが可能であるので、このパネル板3に特殊な加工を施すことなく連結用框枠4と結合でき、これによりパネルシャッター1を廉価に構成できる。
【0023】
なお、上述した実施例では、結合部材8の一対の爪片10を外側に向かって突出した形状とし、係合凹部5内の一対の係合溝6を対向した形状とした例について述べたが、図6に示すように、結合部材8の一対の爪片10を内方に突出させ、係合凹部5内の一対の係合溝6をそれぞれ外方向に開口するように形成させ構成させてもよい。
【0024】
図7〜図9は、参考例を示す。上述した実施例では、結合部材8の形状を、一対の係合片9と取付片11とを有した断面略Y字状に形成し、各係合片9の先端に爪片10を設けた例について述べたが、図7の参考例では、この結合部材8を断面略T字状に形成し、水平部9’の両端を爪片10とし、垂直部11’を取付片とさせる構成としてもよい。
この場合、連結用框枠4の断面形状は、係合凹部5内の係合溝6の形状を、図7に示すように、略水平な一対の延出片6aを有する形状とし、図8に示すように結合部材8を係合させるようにする。
なお、この例では、連結用框枠4とパネル板3との連結固定作業は、連結用框枠4に対して側方(左右幅方向)からスライド嵌合させることで係合させ取り付ける。
また、図9は、上下の連結用框枠4の連結用カール部4aの形状が異なる例を示した図である。
【0025】
さらに、上述した実施例では、パネル板3と結合部材8との固定手段としてリベット14を用いた例について述べたが、ネジやボルトで構成してもよい。
また、互いの固定をステイプルで行ってもよく、この場合、予め貫通孔7や固定孔13などの孔を穿設させる必要がないため、組立手順を簡素化させることができる。
さらに、接着剤による接着や溶接などの加熱溶着で、パネル板3と結合部材8とを互いに固定させてもよい。
【0026】
また、上述した各実施例では、結合部材8に爪片10を設け、係合凹部5に係合溝6を設けた組み合わせの例について述べたが、それぞれの組み合わせはこれに限ることはない。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によるパネルシャッターのパネル取付構造では、パネル板の上下両縁部に固定された結合部材に可撓性を有する材質により断面略Y字状に爪片を設け、連結用框枠に形成されている係合溝に、上下方向からの嵌め込みにより係合させるのみで、パネル板と連結用框枠とを連結固定させることが行えるとともに、この固定状態が結合部材を介して行われていることから、互いの固定状態が強固となって剛性が向上し、風などの外力やパネル板自信の自重によって連結用框枠が撓むことがなく、パネル板と上下の框枠とが分離してしまうことがないという効果がある。
【0028】
また、既成の平板状のパネル板を用いてスラットを構成させることが可能であるので、このパネル板に特殊な加工を施すことなく連結用框枠と結合でき、これによりパネルシャッターを廉価に構成できるという効果がある。
【0029】
特に、パネル板と連結用框枠との連結固定作業が、パネル板の上下方向、すなわち垂直な吊持ち方向から、パネル板の縁部に固定された結合部材を連結用框枠の係合凹部内に収容させる手順で行える構成である場合、この作業は簡素となり、また、その作業空間がパネル板の左右幅方向の長さのみで行うことが可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるパネル取付構造を備えるパネルシャッターの概略正面図
【図2】本発明によるパネル取付構造の一実施例を示す分解側面図
【図3】同実施例によるパネル取付構造の側面図
【図4】同実施例によるパネル取付構造の側面図
【図5】他の実施例によるパネル取付構造の側面図
【図6】他の実施例によるパネル取付構造の側面図
【図7】参考例によるパネル取付構造の側面図
【図8】他の参考例によるパネル取付構造の側面図
【図9】他の参考例によるパネル取付構造の側面図
【図10】従来のパネル取付構造の側面図
【図11】従来のパネル取付構造の側面図
Claims (1)
- 方形のパネル板の上下縁部にそれぞれ連結用框枠が設けられるパネルシャッターのパネル取付構造において、
前記パネル板の上縁部及び下縁部に固設されるとともに、前記連結用框枠に形成される前記パネル板の縁部に沿った溝状の係合凹部内に収容される結合部材を具備し、
該結合部材と前記係合凹部に、爪片と係合溝とが互いに係合しあう組み合わせで設けられ、該結合部材が前記連結用框枠と前記パネル板の縁部との間に介設されて、互いを固定する構造になり、前記係合凹部内には、溝底部の両側に位置して、この係合凹部の開放方向と直交し、かつ互いに開口方向が対向するような一対の前記係合溝が形成され、前記結合部材は、可撓性を有する材質により断面略Y字状に形成され、その各先端には一対の前記爪片が形成され、この爪片と係合溝とが、上下方向からの嵌め込みにより、一対の前記爪片がやや内方に撓んだ後復元することにより互いに係合しあうようになることを特徴とするパネルシャッターのパネル取付構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04272195A JP3572701B2 (ja) | 1995-03-02 | 1995-03-02 | パネルシャッターのパネル取付構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP04272195A JP3572701B2 (ja) | 1995-03-02 | 1995-03-02 | パネルシャッターのパネル取付構造 |
Publications (2)
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JPH08240084A JPH08240084A (ja) | 1996-09-17 |
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Family
ID=12643940
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP04272195A Expired - Lifetime JP3572701B2 (ja) | 1995-03-02 | 1995-03-02 | パネルシャッターのパネル取付構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3572701B2 (ja) |
-
1995
- 1995-03-02 JP JP04272195A patent/JP3572701B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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