JP3572693B2 - 画像形成装置の転写機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、転写フィルムに書き込まれた画像を転写ローラの加熱加圧により被転写体に転写する画像形成装置の転写機構に関し,特に,転動する転写ローラの円周方向の距離と被転写体の移動距離とのずれを解消して,被転写体へ転写される画像の転写位置の精度を向上させる画像形成装置の転写機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から,プリンターなどにおいて昇華性染料からなるインク層を設けた転写リボンを被転写体に当接させ,この転写リボンの上にサーマルヘッドを当接し,画像データに基づいてサーマルヘッドを選択的に加熱し,被転写体に所望の画像を印字する方式は知られている。
【0003】
しかし,昇華性材料で染色できる材料は,例えば,ポリエステル,アクリル系樹脂,塩化ビニル系樹脂等に限られるため,昇華性染料に対して染色性のない合成樹脂,金属,紙,ガラスなど材質からなる被転写体には,画像を描写できない不具合がある。
【0004】
そこで,サーマルヘッド機構により転写リボンの昇華性染料を転写フィルムの接着層側に転移させて画像を書き込み,ヒートローラの加熱加圧方式の転写機構により,前記転移させた昇華性染料による画像の層を接着層と共に被転写体に転写する方式が提案されている。
【0005】
この方式では,転写部のステージの上部にゴムシートが敷設され,ゴムシートの上面に被転写体となるプラスチックカードや冊子がセットされ,このプラスチックカードの上に転写フィルムを載せ,ヒートローラの加熱加圧によって転写するようになっている。ステージ及び転写フィルムは転写フィルムの長手方向に移動可能である。プラスチックカードはゴムシート上面に突設された位置決め突起等によって保持される。プラスチックカードは,転写フィルムが加熱加圧されることにより,転写フィルムのインク層がフィルムベースの接着層と共に転写される。この方式によれば,接着層を選択することで,被転写体の材質に関わりなく被転写体表面に画像を形成することが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、転写フィルムを均一に加熱加圧してプラスチックカードに精密な画像を転写するには,プラスチックカードをステージの平らな面に安定して保持すると共に,プラスチックカードにわずかな厚さの変化(透かしを含む)があっても,加圧力を均一化させる必要がある。
【0007】
さらに,プラスチックカードの転写位置と転写フィルム上の転写画像の位置合わせをするためには,プラスチックカードの位置並びに姿勢を正確に保持しなければならない。
【0008】
また,ヒートローラによる加熱加圧の時に,ゴムシートが弾性変形してヒートローラ周面がゴムシートに若干めりこんでプラスチックカードに接触する。この接触部位はニップ点といわれる場合があるが,この接触部位における円周方向の弧の長さは,接触部位の弦の長さ(いわゆるニップ幅)より長い。
【0009】
従って,ステージを移動させると共に,ヒートローラを加熱加圧して回転させると,ニップ点ではステージの搬送速度に較べてヒートローラの周速度が早いこと等のため,プラスチックカードがわずかながらゴムシートより先に進んで,加熱加圧当初の位置よりステージの進行方向に位置がずれるという現象が生ずる。
【0010】
このため,プラスチックカードがゴムシートにぴったりと貼り付いたり,位置決め突起によってプラスチックカードが移動不能に固定されていると,転写フィルムが切れたり,プラスチックカード或いは転写フィルムのホログラム画像を形成する格子が壊れたりする問題がある。
【0011】
また,位置決め突起の保持力を強化するためには,ある程度の高さが必要であるが,高すぎるとヒートローラとの非接触部が生じ,低すぎると前記の位置決め突起とプラスチックカードとに隙間が生じる。このため,ヒートローラの加圧によってプラスチックカードがステージから浮き上がって,位置決め突起から外れたり,プラスチックカードがふらついて,転写フィルムにしわが発生し,画像品位を大きく低下させてしまうという問題点があった。
【0012】
本発明は,このような円弧と弦の長さの相違による被転写体と転写フィルムのずれに鑑みてなされたものであり,転写ローラが転写フィルムと被転写体とを加熱加圧する時に,被転写体の挙動を許容すると共に,被転写体が一定の姿勢を保つように被転写体を保持することによって,被転写体や転写フィルム或いは転写フィルムの転写画像が損傷されることを防止し,転写画像を精度良く被転写体に転写できる画像形成装置の転写機構を提供することを目的とする。
【0013】
なお,被転写体としては,キャッシュカード,クレジットカード,身分証明書,プリペイドカード,通行証,等のカード類,あるいはパスポート,通帳,等の冊子類が代表例として挙げられる。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために,本発明の請求項1の画像形成装置の転写機構は,
ステージ上に被転写体を載せ,この被転写体上に転写フィルムを介在させて転写ローラを当接させ,この転写ローラを前記ステージ側に加熱加圧しつつ,この転写ローラと前記ステージとを前記転写フィルムの長手方向に相対的に移動させることにより,前記転写フィルム上の転写画像を前記被転写体の所定位置に転写する画像形成装置の転写機構において,
前記ステージの隣に配設され,前記ステージ上に載せられた被転写体の一部を保持して,前記ステージに沿って前記相対的な移動方向に移動可能な被転写体支持手段を有することを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項2の画像形成装置は,請求項1の画像形成装置の転写機構において,前記ステージの前記被転写体を搭載する部位はシリコンラバーで形成されていることを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項3の画像形成装置は,請求項1〜請求項2の画像形成装置の転写機構において,前記被転写体支持手段はゴム又はバネのいずれかの復帰手段を備えていることを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項4の画像形成装置の転写機構は,請求項1〜請求項2の画像形成装置の転写機構において,前記被転写体支持手段はパルスモータを用いた搬送機構を備えていることを特徴とする。
【0018】
【作 用】
本発明の請求項1の画像形成装置の転写機構によれば,被転写体支持手段が被転写体を保持したままステージに沿ってスライド可能であるので,ステージと転写ローラとの接触部位であるニップ点において転写ローラの円周方向の転動距離が弦の方向のいわゆるニップ幅の距離より大きくても,被転写体支持手段がスライドして転写ローラの円周方向の転動距離と,弦方向の移動距離との差を吸収し,被転写体と転写フィルムとを一体に移動させることができる。
すなわち、転写ローラによって転写フィルムの転写画像をステージ上の被転写体に転写する際に、ステージ或いは被転写体が転写ローラの加圧によって凹む場合、転写ローラの回転による転写フィルムの転写ローラ円周方向の送り量と、ステージの直線的な送り量とが、異なることによって、転写フィルムが貼り付いた状態の被転写体とステージとの間で位置ずれを生じる。
しかし、このような被転写体とステージとの位置ずれが生じても、被転写体がステージ上を滑って移動すると共に、転写フィルムに伴って被転写体支持手段が変位する。換言すれば、被転写体支持手段は被転写体を固定的に支持するが、ステージに対して転写フィルムの長手方向に変位可能とされている。
従って,被転写体及び転写フィルムに無理な力がかからず、転写が良好に行われることとなる。また、転写フィルム上の画像位置と被転写体の転写位置との位置決めが容易であると共に,被転写体が加熱加圧中にふらつくことを防止でき,転写フィルムにしわが発生して,画像品位を低下させることがない。また,転写フィルムが切れたり,被転写体或いは転写フィルムに例えばホログラム画像等の非常に精密な格子からなる画像があっても壊れたりするおそれがない。
【0019】
また請求項2の発明のように,ステージをシリコンラバーにより構成すれば,転写フィルムの接着層がステージに溶融接着することがない。
【0020】
本発明の請求項3の画像形成装置によれば,簡単な構成で微動調整を行うことができ,請求項4の画像形成装置によれば弾性体による歪の応力によって移動量が減殺されない微動調整を行うことができる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明の実施例にかかる画像形成装置を図面に基づいて説明する。
【0022】
図9は本発明の実施例の画像形成装置の概略構成を示しており,符号1は画像形成装置を示す。
【0023】
この画像形成装置1を概略説明すると,転写フィルム2の巻出しリール3,巻取りリール4と,サーマルヘッド5と,昇華性インクを転写フィルム2に転写するイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックのインク層を有するインクリボン6と,インクリボン6の巻出しリール7及び巻取りリール8と,転写ドラム9と,後述する転写機構10と,制御装置11とを備えている。巻出しリール3,巻取りリール4,ピンチローラ3a,4a,転写ドラム9,ローラ9a,9b,インクリボン6の巻出しリール7,巻取りリール8の回転軸はそれぞれ電磁クラッチを介して動力源となるモータに接続され,制御装置11の命令により電磁クラッチの断続が行われて回転する。
【0024】
被転写体としては,本実施例では冊子12が転写対象とされているが,ほかにも塩化ビニル樹脂,ポリエチレンテレフタレート,紙,紙に塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体をコーティングしたもの,ABS樹脂,ポリブチルテレフタレート等様々なものを使用できる。
【0025】
画像形成装置1において,巻出しリール3から繰り出される転写フィルム2は,ピンチローラ3a及びガイドローラ3b,ピンチローラ4a,ガイドローラ4b,4cを介して,巻取りリール4に巻取られる。転写フィルム2は,巻出しリール3と巻取りリール4との間において往復移動できるようになっており,転写フィルム2の往復動に合わせて同期回転可能な転写ドラム9に支えられる。
【0026】
転写ドラム9上の転写フィルム2は,転写ドラム9と同軸で一体回動可能であり,さらに転写ドラム9に対して接触・離間可能なローラ9a,9bによって転写ドラム9に固定される。ローラ9a,9bは,インクリボン6の印字が解除されている時に,転写フィルム2を解放し,サーマルヘッド5によってインクリボン6の印字を行うときに,転写フィルム2を固定する。
【0027】
11aは転写フィルム2の検知マークを検知する光学式のセンサである。センサ11aにて検知された転写フィルム2の送り量は制御装置11に送られる。転写フィルム2の転写画像は,センサ11aのマーク検知から転写機構10での転写フィルム2の剥離までの移送距離に合わせて接着層上に形成され,所定位置に転写画像の検知マークが設けられている。
【0028】
印字検知マークは,転写画像を印字する時に同時に印字される。転写画像と検知マークの距離は一定であり,検知マークを検出した信号を受けて転写フィルムが所定量送られ,転写される位置に搬送される。
【0029】
インクリボン6の巻出しリール7,巻取りリール8は,転写フィルム2上に画像形成される領域の開始部分がサーマルヘッド5の先端部に位置したら,インクリボン6をリール8側に送り,サーマルヘッド5はインクリボン6を介して転写ドラム9の転写フィルム2に転写を行う。転写機構10はヒートローラ20により印字処理が終わった転写画像を被転写体である冊子12に転写する。
【0030】
画像形成装置1の動作を概略説明すると,初期操作は巻出しリール3から転写フィルム2を引き出し,ピンチローラ3a,ガイドローラ3b,転写ドラム9,ガイドローラ4b,転写機構10,ガイドローラ4c,ピンチローラ4aを経由させて巻取りリール4に巻き付け,また,インクリボン6を巻出しリール7からサーマルヘッド5を介して巻取りリール8に巻き付ける。サーマルヘッド5は転写ドラム9から離しておく。
【0031】
予めホストコンピュータ(図示せず)に転写画像の特定,間隔,転写色,印字範囲,印字内容等の印字に必要なデータを設定記憶しておく。メインスイッチを入れると,制御装置11のイニシャライズが終了する。このとき,巻出しリール3,巻取りリール4,ピンチローラ3a,4aはクラッチが切られており,停止している。また,サーマルヘッド5は転写ドラム9から離れており,リール7,8は停止し,また,転写機構10も冊子12の挿入口1a側に停止している。
【0032】
転写機構10に冊子12を入れ,前記ホストコンピュータの命令により,各電磁クラッチの断続が行われ,巻出しリール3,巻取りリール4,ピンチローラ3a,4aが回転すると共に,転写機構10のステージ14が所定位置に移動して停止する。転写フィルム2は,検知マークがセンサ11aに検知されたら,転写画像の印字範囲が転写ドラム9の所定位置に搬送され,ここでローラ9a,9bを転写ドラム9に当接させて転写フィルム2を固定する。転写ドラム9を巻取りリール4側に回転させ,リール7,8を回転させてインクリボン6の所定インク層をサーマルヘッド5の前に位置させ,サーマルヘッド5を転写ドラム9に当接させて印字する。
【0033】
インクリボン6の印字が多色であるときは,ローラ9a,9bを転写ドラム9につけたまま,サーマルヘッド5を転写ドラム9から退避させ,インクリボン6を送って,再度転写ドラム9を巻取りリール4側に回転させる動作を繰り返す。転写ドラム9の往復回転動作はステッピングモータの所定パルス数に応じて行う。所定の4色の印字が完了したら,ローラ9a,9bを解放し,サーマルヘッド5を転写ドラム9から離し,新しい4色の最初の1色目がサーマルヘッド5の直前に来るようにインクリボン6を送って停止させる。
【0034】
転写フィルム2は,巻出しリール3から所定量だけ巻取りリール4方向に送られ,転写機構10において冊子12と転写画像とが対向する位置で転写が行われる。転写機構10では,ヒートローラ20の加熱加圧により転写フィルム2の転写画像が冊子12に転写される。冊子12への転写後,転写フィルム2は,はがしローラPによって転写された部分と転写フィルム2のベースとが分離され,巻取られる。
【0035】
次に,転写機構10の構成を説明する。転写機構10のステージ14は,図1(a)に示すように,ベース16に固定されている。ベース16は図9に示す送りネジ13に螺合するナット部15を下面に有し,送りネジ13の回転により移動する。ステージ14の上面には耐熱性のあるシリコンラバー14aが配設されている。このシリコンラバー14aの代わりに非粘着処理を施したシリコンラバーを用いても良い。シリコンラバー14aの表面はグラインダにより研削されて凹凸のある粗面に形成されており,冊子12を適度に保持しつつ,冊子12にスライド方向に一定の応力が働いた場合にスライド移動を許容するようになっている。また,凹凸により冊子12などのワークがシリコンラバー14aに密着することを防止している。ここでシリコンラバー14aの前後方向は転写フィルム2の長手方向とされている。
【0036】
シリコンラバー14aの上面には冊子12が搭載される。なお被転写体としては冊子12の他にパスポートなどの冊子であっても良い。シリコンラバー14aの上方には転写フィルム2が送られる。転写フィルム2はベース16の移動方向に沿って移送される。ステージ14の近傍には被転写体支持手段としてのスライドベース17が設けられている。このスライドベース17は転写フィルム2の移動方向に沿ってベース16の移動方向に微動できるようになっており,スライドベース17の下面には溝17bが形成されており,ベース16に設けた示しない突起からなるガイドによって直線的に移動する。このガイドは図1(b)に示すようにガイドバー等の棒状のガイドG及び滑り軸受Bであってもよい。
【0037】
スライドベース17の前部Aには弾性体としての一対のコイルスプリング18,18が設けられている。弾性体としてはコイルスプリングの代わりに板バネや合成ゴムでもよい。弾性体とすると,バネと違って不要なバネ振動が発生しないというメリットがある。また,コイルスプリング18もエラストマも単独で使用しなければならないといったわけでなく,両方の部材を直列的或いは並列的に用いて冊子12のショックや移動の吸収・保持を効果的に実施することができる。
【0038】
スライドベース17の後部Bにはストッパ19が設けられている。ストッパ19はベース16側に固定されている。コイルスプリング18とストッパ19との配設位置は,転写ローラとしてのヒートローラ20の転動開始する位置及び転動方向によって前後が入れ替わることがあり得る。これはヒートローラ20の転動方向により冊子12がシリコンラバー14aから変位する方向が変わるからである。この実施例では,ヒートローラ20は最初図2に示すようにスライドベース17の前部A側に接触し,転動しながら図3に示す後部Bに位置する。ヒートローラ20は,転写フィルム2の移動に伴って回転するように駆動されるが,画像形成装置1において上下するだけであり,ベース16が水平方向にスライドする。
【0039】
なお,本実施例ではヒートローラ20側を駆動系にしてあるが,この他にも駆動系をベース16側に設けたり,あるいはヒートローラ20側とベース16側の両方を駆動系に設けたりすることも設計上可能である。
【0040】
ベース16が図2において左から右(矢印D方向)に移動するとき,ヒートローラ20は矢印Dの反対方向(AB方向)に相対的に移動する。ベース16が直線距離L移動して,ヒートローラ20が同時にθ回転する場合,ベース16の直線移動量Lに較べて,ヒートローラ20の円周方向の回転距離Rθ(R=ヒートローラの半径)が長くなる。
【0041】
すなわち,ベース16が距離L移動するとき,ヒートローラ20はRθの送り量を生ずるから,冊子12は周方向の距離だけδL(=Rθ−L)だけ強制的に送られることとなる。ヒートローラ20が回転すると,冊子12がベース16より先に進むため,スライドベース17は後部Bから前部Aに変位する。
【0042】
スライドベース17の上面の前後及び側端部には冊子12の位置決めブロック21,22,23が設けられ,さらに前後に及ぶ固定板24の後部がヒンジ結合されている。固定板24の自由端部には係止金具25が設けられている。係止金具25には係合穴が開口されている。係止金具25の係合穴にはスライドベース17の前部に突設された係止バネ26の突起が係合し,固定板24の自由端部が冊子12をロックするようになっている。
【0043】
ヒートローラ20はシリコンラバー14aに対して上下動可能になっている。このヒートローラ20は,図示していないが,直径50mm程度の円筒形状のアルミニウム芯金を有しており,ヒートローラ20の表面に50μmのテトラ・フルオロ・エチレンとパー・フルオロ・アルキル・ビニル・エーテルとの共重合体による被覆層が設けられている。ヒートローラ20の内面にはプライマー層を介して加熱加硫型のシリコンゴム層1mmをアルミニウム芯金上に設けている。ヒートローラ20のアルミニウム芯金の内部には,熱源としてのハロゲンランプヒータが設置されており,さらにアルミニウム芯金の内部は黒色塗料による内面黒化処理を施している。ヒートローラ20は,図示しない温度センサと温度コントローラにより温度調整され,表面温度は150°c程度に保持されている。
【0044】
この実施例では,ヒートローラ20が上下に移動して冊子12を載せたステージ14が移動するように構成したが,ステージ14及び冊子12が一定位置に固定されて,ヒートローラ20のみが上下動並びに矢印方向に転がってもよく,また,ヒートローラ20と冊子12と転写フィルム2の双方が移動しても良い。
【0045】
図3に示すように,ヒートローラ20で転写フィルム2及び冊子12を加熱加圧すると,ニップの発生やヒートローラ20と冊子12との相対的な移動によりヒートローラ20の回転方向に冊子12の収縮・移動が発生するが,冊子12を保持するスライドステージ17が微動するので,転写フィルム2上の画像位置と冊子12への転写位置との位置決めが良好に実現できる。
【0046】
なお,冊子12には,厚さのばらつきがあるのが通常であるが,すかし等意図的に厚さに変化をもたせることもある。この場合,ヒートローラ20の接触表面もしくは表面近傍にゴム層を設けると,加圧の均一化を図ることができる。転写フィルム2にホログラフィック格子による画像を予め内在させておいて接着層と共に冊子12に転写する場合も,加圧の均一化を図るとホログラフィック格子を破壊せず,良好な転写画像が得られる。
【0047】
図4,図5は本発明の第2実施例を示す。この第2実施例ではコイルスプリング18,18の代わりにパルスモータ30がベース16に取り付けられ,送りネジ31がスライドベース17のナット部32に螺合している。パルスモータ30は制御装置11により回転方向,回転数が制御される。パルスモータ30はベース16の移動開始と共に予め計算されたスライドベース17のずれ量だけベース16の移動量に対応してスライドベース17を移動させる。そのほかの構成は第1実施例と同様であるので,その説明を援用する。
【0048】
図6,図7は本発明の第3実施例であり,この第3実施例はスライドベース17の上部に固定プレート33が取り付けられている。固定プレート33にはプラスチックカード34を固定するクランプ突起35,36が形成されている。クランプ突起35はプラスチックカード34の側端部を支持し,クランプ突起36はヒートローラ20が転動する進行方向に設けられてプラスチックカード34を支持している。クランプ突起35,36はプラスチックカード35の肉厚相当の高さを有しており,転写フィルム2がプラスチックカード34に接触し易くなっている。スライドベース17は第1実施例と同様にステージ14の前後方向に移動可能になっており,コイルスプリング37により,ストッパー38側に付勢されている。ヒートローラ20は加熱加圧開始時に図6のようにステージ14の右側に位置し,ステージ14が図6の右に移動するにつれて転動しながら図7の左側に移動する。このときのヒートローラ20の転動のために固定プレート33は図7の右側に送られるが,スライドベース17のスライドによってステージ14とのずれ量δLが吸収される。
【0049】
図8は本発明の第4実施例を示しており,この第4実施例では,第2実施例と同様にステージ14側にパルスモータ40及びパルスモータ40の軸に固定された送りネジ41が設けられ,スライドベース17の下面にナット部が設けられている。スライドベース17には第3実施例と同様に固定プレート33が取り付けられ,固定プレート33にクランプ突起35,36が突設されている。パルスモータ40の動作は第2実施例の説明を援用する。そのほかの構成は第3実施例と同様であるのでその説明を援用する。
【0050】
【発明の効果】
本発明の請求項1の画像形成装置によれば,ステージと転写ローラとのニップ点において,ステージと転写ローラとが相対的に移動して,転写ローラが一体回転するとき,転写ローラの円周方向の転動距離がステージの弦方向の移動距離より大きくても,被転写体支持手段がスライドするため,転写ローラの円周方向の転動距離と,弦方向の移動距離との差が吸収され,被転写体と転写フィルムとを一体に移動させることができる。
【0051】
すなわち、転写ローラによって転写フィルムの転写画像をステージ上の被転写体に転写する際に、ステージ或いは被転写体が転写ローラの加圧によって凹む場合、転写ローラの回転による転写フィルムの転写ローラ円周方向の送り量と、ステージの直線的な送り量とが、異なることによって、転写フィルムが貼り付いた状態の被転写体とステージとの間で位置ずれを生じる。
しかし、このような被転写体とステージとの位置ずれが生じても、被転写体がステージ上を滑って移動すると共に、転写フィルムに伴って被転写体支持手段が変位する。換言すれば、被転写体支持手段は被転写体を固定的に支持するが、ステージに対して転写フィルムの長手方向に変位可能とされている。
従って,被転写体及び転写フィルムに無理な力がかからず、転写が良好に行われることとなる。また、転写フィルム上の画像位置と被転写体の転写位置との位置決めが容易であると共に,被転写体が加熱加圧中にふらつくことを防止でき,転写フィルムにしわが発生して,画像品位を低下させることがない。また,転写フィルムが切れたり,被転写体或いは転写フィルムに例えばホログラム画像等の非常に精密な格子からなる画像があっても壊れたりするおそれがない。
【0052】
また請求項2の発明のように,ステージをシリコンラバーにより構成すれば,転写フィルムの接着層がステージに溶融接着することがない。
【0053】
本発明の請求項3の画像形成装置によれば,簡単な構成でステージを転写前の位置に復帰させることができ,請求項4の画像形成装置によれば弾性体の歪というものが生じないので,ステージが転写フィルムに追従して移動する場合に弾性体の反発力によって減殺されることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1実施例の画像形成装置の転写機構の斜視図
(b)は(a)の変形例のガイド機構を示した部分斜視図
【図2】図1のスライドステージにヒートローラが加圧を開始する状態の平面図
【図3】図1のスライドステージにヒートローラが加圧を終了する状態の平面図
【図4】本発明の第2実施例の画像形成装置の転写機構の斜視図
【図5】図4の画像形成装置のスライドステージの移動機構の概略断面図
【図6】本発明の第3実施例の転写機構のスライドステージにヒートローラが加圧を開始する状態の平面図
【図7】本発明の第3実施例の転写機構のスライドステージにヒートローラが加圧を終了する状態の平面図
【図8】本発明の第4実施例の転写機構のスライドステージの平面図
【図9】本発明の各実施例が適用される画像形成装置の概略構成図
【符号の説明】
1 画像形成装置
2 転写フィルム
5 サーマルヘッド
6 インクリボン
9 ドラム
10 画像形成装置の転写機構
11 制御装置
12 冊子(被転写体)
13 送りネジ
14 ステージ
14a シリコンラバー
16 ベース
17 スライドステージ
18 コイルスプリング
19 ストッパー
20 ヒートローラ
21,22,23 位置決めブロック
24 固定プレート
25 係止金具
26 係止バネ

Claims (4)

  1. ステージ上に被転写体を載せ,転写画像を有する転写フィルムを前記被転写体上に当接させ、前記転写フィルム及び前記被転写体を介在させて転写ローラを前記ステージに当て,前記転写ローラと前記ステージとの少なくとも何れかを前記転写フィルムの長手方向に移動させつつ、前記転写ローラを前記ステージ側に加熱加圧することによって,前記転写フィルム上の転写画像を前記被転写体の所定位置に転写する画像形成装置の転写機構において,
    前記被転写体の一部が前記ステージからはみ出るように、前記ステージを構成し、前記被転写体の一部が前記ステージからはみ出る部位が存在する位置に、前記被転写体のはみ出た部分を脱着可能に固定支持すると共に、前記転写画像の転写の際に前記転写フィルムと前記ステージとの位置ずれに伴って変位可能な被転写体支持手段を設けたことを特徴とする画像形成装置の転写機構。
  2. 請求項1の画像形成装置の転写機構において,
    前記ステージの前記被転写体を搭載する部位はシリコンラバーで形成されていることを特徴とする画像形成装置の転写機構。
  3. 請求項1乃至請求項2のいずれかの画像形成装置の転写機構において,前記被転写体支持手段はゴム又はバネのいずれかの復帰手段を備えていることを特徴とする画像形成装置の転写機構。
  4. 請求項1乃至請求項2のいずれかの画像形成装置の転写機構において,前記被転写体支持手段はパルスモータを用いた搬送機構を備えていることを特徴とする画像形成装置の転写機構。
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