JP3572163B2 - 原子炉用制御棒 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子炉の制御に使用される制御棒に関し、特に加圧水型原子炉の炉内反応の制御に使用される制御棒の中性子吸収部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
軽水炉の一種である加圧水型原子炉は、現在広く発電用として使用されているが、多数の燃料集合体からなる炉心の反応制御には図4に示すような制御棒組立体1が使用される場合が多い。これを概説すると、中性子吸収材を被覆管内に有する細長い制御棒3が、多数スパイダ組立体5から吊り下げられている。スパイダ組立体5は、筒状の中心部材とそこから放射状に延出する複数のフィンガアームとから構成され、そのフィンガ部に制御棒3の上端が連結されている。そして、制御棒組立体1は図5に示すような状態で使用される。即ち、複数の燃料棒支持格子7は、所定の配置の格子開口に制御棒案内管9を挿通支持しており、その制御棒案内管9の中に、制御棒組立体1の制御棒3が個別に受け入れられる。そしてその挿入量の大きさに応じて、炉内核反応を制御する。尚、図において、燃料棒支持格子7は、制御棒案内管9が挿通されていない他の支持格子開口に燃料棒8を挿通支持していて、制御棒組立体1がある部分の制御棒案内管9と燃料棒8の図示が省略されている。
【0003】
前述の制御棒3の構造が図6に示されている。薄肉のステンレス鋼等からなる被覆管11の上端は、上端部に取り付け用ねじ部を有する上部端栓13によって閉じられ、他方下端は砲弾型の下部端栓15によって閉じられている。そして内部に、上部中性子吸収部材17と下部中性子吸収部材19が積重して収容され、プレナム内に装填された押さえばね18により下方に押さえられている。図7は、その下部中性子吸収部材19と被覆管11との関係を拡大して示しているが、図から分かるように、下部中性子吸収部材19の下部は、2段に直径が小さくなっていて、被覆管11との隙間は被覆管11と上部中性子吸収部材17の隙間に比し大きくなっている。これは以下に述べる理由による。通常の出力運転において、制御棒組立体1は概して炉心の上方に引き上げられているが、制御棒3の下端部は炉心上部に出ていることが多い。このため、下部中性子吸収部材19の下端部は、中性子を多く吸収してスウェリング(体積膨張)が大きくなるので、これを吸収して被覆管11との干渉を防止する。尚、上部中性子吸収部材17と下部中性子吸収部材19の中性子吸収材料としては、Ag−15In−5Cd合金が使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように従来の制御棒においても、直径を2段に小さくした下部中性子吸収部材を組み込んでいるのであるが、使用による中性子照射が進むと、下部中性子吸収部材の照射膨張が進み、最終的には被覆管と干渉し、亀裂を発生せしめる虞れがある。
従って、本発明は、使用時間を増大しても照射膨張が少なく、被覆管の亀裂損傷の発生を防止して制御棒の使用寿命が大幅に延長される原子炉用制御棒を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
如上の課題を解決するため、本発明によれば、被覆管内に積重される複数の中性子吸収部材を有する原子炉用制御棒において、中性子吸収部材は銀−インジウム−カドミウム合金から形成され、下段にある前記中性子吸収部材は上段にある前記中性子吸収部材より銀含有比が相対的に小さく、インジウム含有比が相対的に大きくなるように選定されている。前記中性子吸収部材は、好適には上部中性子吸収部材と下部中性子吸収部材の2種類から構成され、下部中性子吸収部材を構成する銀Ag−インジウムIn−カドミウムCd合金の各成分元素の含有量の範囲が次のように選定される。
【0006】
スウェリングの発生原因を検討すると、中性子吸収部材の含有銀は中性子照射を受けて原子径の大きいカドミウムに変わり、インジウムは原子径の小さい錫に変わり、カドミウムは元素変換をしない。従来の銀Ag−インジウムIn−カドミウムCd合金 Ag−15In−5Cdにおいては、銀の割合が多く全体として原子径増加となり、これが中性子吸収部材のスウェリング(体積膨張)を起こす。従ってスウェリングの量を減らすには全体として原子径の増加を小さくすればよいと判断される。以上の観点から各成分元素の含有量の範囲は次のようになる。
カドミウムCd
この元素は中性子吸収能力が非常に大きいが、低融点金属であるので、高温状態で使用する制御棒ではその量はそれほど大きくはできない。このため上限を10%とする。一方、その含有量を大幅に下げると中性子吸収能力の低下が著しくなり、実用に耐えなくなるので下限を5%とする。
以上を整理すると、5重量%≦Cd≦10重量% となり、これは取りも直さず、銀とインジウムの合計含有量が、90重量%≦Ag+In≦95重量% の条件を満足させる必要があることを示している。
銀
銀Ag−インジウムIn−カドミウムCd合金 Ag−15In−5Cdでは、融点が約800℃ですが、銀の量を50%まで減らすと融点は約500℃程度に低下し、通常運転時の中性子吸収部材温度約400℃を考えるとこれが下限値となる。又、スウェリングを抑制して制御棒寿命を50%向上させるには、70%以下が良い。一方、中性子吸収能力についてみると、銀の含有量50%を境にしてこれより銀含有量が小さいと、従来のAg−15In−5Cdのものに比し中性子吸収能力が大きく減少するが、それ以上であればAg−15In−5Cdの中性子吸収能力と同等の能力が得られる。
インジウム
カドミウムを前述の範囲に留めれば、インジウムの含有量は、銀の含有量と相補的関係にあり、銀の含有量により定まる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
先ず図1を参照するに、制御棒20の薄肉のステンレス鋼等からなる被覆管21の上端は、上端部に取り付け用ねじ部を有する上部端栓23によって閉じられ、他方下端は砲弾型の下部端栓25によって閉じられている。そして内部に、上部中性子吸収部材27と下部中性子吸収部材29が積重して収容され、プレナム内に装填された押さえばね31により下方に押さえられている。図2は、その下部中性子吸収部材29と被覆管21との関係を拡大して示しているが、長さ範囲R内にある下部中性子吸収部材29が通常の原子炉運転時においても炉心の上部にあって中性子の照射を受ける部分であり、2段細径部29aとなっている。そして上部中性子吸収部材27及び2段細径部29aを除く下部中性子吸収部材29の中性子吸収材料はAg−15In−5Cdであり、2段細径部29aの中性子吸収材料は、Ag−55In−5Cdが使用されている。
【0008】
図3にカドミウムCdを5%としたときの銀Ag及びインジウムInの重量比とスウエリングとの関係を示している。これは、銀、インジウム、カドミウム及び錫の原子径がそれぞれ2.88Å、3.32Å,3.08Å,3.24Åであることを基に算出した5年照射後のスウエリング量を示している。従来から使用し、上部中性子吸収部材27の構成材料である Ag−15In−5Cd のスウエリング量は点Aで表され、この量の3分の2を目標とすればスウエリング量は点B以下であれば良い。即ち銀Agは、70%以下であれば良いことが分かる。本実施形態では、銀Agは、40%であるので、スウェリングは実質的に発生しない。これはAg−55In−5Cdの照射前の格子体積が30.7であり、照射後の格子体積が30.6になることからも理解できる。なお、Ag−15In−5Cdのそれぞれの格子体積が、25.8,26.2であることからも本発明の効果も確認される
【0009】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、制御棒の中性子吸収部材を上下方向に分割し、下側に位置する中性子吸収部材を構成する銀−インジウム−カドミウム合金の銀の相対的な含有量が上部のものに比し小さくしているので、たとえ常時原子炉炉心にあって中性子照射を受けても、スウェリング量を大幅に減少させ、被覆管の健全性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す一部省略立面図である。
【図2】図1の一部を拡大して示す部分断面図である。
【図3】本発明の効果を説明するグラフである。
【図4】制御棒組立体の全体を示す斜視図である。
【図5】制御棒組立体の使用状態を示す一部省略の斜視図である。
【図6】従来の制御棒の構造を示す側面図である。
【図7】図6の一部を拡大して示す部分断面図である。
【符号の説明】
20 制御棒
21 被覆管
23 上部端栓
25 下部端栓
27 上部中性子吸収部材
29 下部中性子吸収部材
29a 2段細径部
Claims (3)
- 被覆管内に積重された複数の中性子吸収部材を有する原子炉用制御棒において、前記中性子吸収部材は銀−インジウム−カドミウム合金から形成され、下段にある前記中性子吸収部材は上段にある前記中性子吸収部材より銀含有比が相対的に小さく、インジウム含有比が相対的に大きいことを特徴とする原子炉用制御棒。
- 前記中性子吸収部材は、上部中性子吸収部材と下部中性子吸収部材の2種類からなることを特徴とする請求項1記載の原子炉用制御棒。
- 銀Ag−インジウムIn−カドミウムCd合金から形成された前記下部中性子吸収部材の成分元素の含有量が次の関係を満たすことを特徴とする請求項2記載の原子炉用制御棒。
90重量%≦Ag+In≦95重量%,
50重量%≦Ag≦70重量%,
20重量%≦In≦45重量%
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- 1997-04-04 JP JP08672097A patent/JP3572163B2/ja not_active Expired - Fee Related
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