JP3572112B2 - 単相誘導電動機の駆動制御装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、熱的異常現象に対する保護のためにサーマルプロテクタを使用している単相誘導電動機の駆動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
単相誘導電動機を熱的異常現象から保護する手段として、巻線に供給される電流(モータ電流)の変化を利用したサーマルリレー等が従来より採用されている。しかし、小型の単相誘導電動機にあっては、熱によるモータ電流の変化が小さいため熱的異常現象に対する充分な保護を行い得ないことから、単相誘導電動機の巻線温度を直接的に検出するサーマルプロテクタを採用している。
【0003】
この種の従来の単相誘導電動機の駆動制御装置としては、例えば、図5に示すようなものがある。図5において、1は単相誘導電動機、2はこの単相誘導電動機1の固定子(図示せず)に巻回された励磁用の主巻線、3は前記固定子に巻回された始動用の補助巻線、Rは単相誘導電動機1の回転子、4は単相誘導電動機1のケーシング5内に内蔵されたサーマルプロテクタである。なお、サーマルプロテクタ4はバイメタル式の開閉器から成るものであって、主巻線2及び補助巻線3の温度を直接検出するためのものである。
【0004】
上述のサーマルプロテクタ4の一端は主巻線2及び補助巻線3の一端T1 に接続されると共に、サーマルプロテクタ4の他端はケーシング5に配設された端子6に接続されている。そして、前記主巻線2及び補助巻線3の他端T2 ,T3 はケーシング5に配設された端子7,8にそれぞれ接続されている。また、交流電源9が前記端子6,7の間に接続されると共に、進相コンデンサ10が前記端子7,8の間に接続されるようになっている。かくして、主巻線2と、補助巻線3及び進相コンデンサ10の直列回路とを並列接続して成る駆動回路Sに、交流電流がサーマルプロテクタ4を介して供給される構成となされている。
【0005】
このような構成の従来の駆動制御装置の場合、単相誘導電動機1に熱的異常現象が生じると、これに伴ってサーマルプロテクタ4が作動してオフ状態となり、交流電源9からの交流電流が前記主巻線2及び補助巻線3に供給されなくなって単相誘導電動機1の回転子Rの回転駆動が停止され、熱的異常現象に対する保護がなされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の如き従来の単相誘導電動機の駆動制御装置では、熱的異常を検知して単相誘導電動機1の駆動回路の動作を制御する手段がバイメタル式の開閉器から成るサーマルプロテクタ4のみであってサーマルプロテクタ4の作動状態を信号出力にて得るようにしていないため、次のような不具合がある。すなわち、温度上昇に応じてサーマルプロテクタ4が作動して回転子Rの回転駆動が停止された後に温度が低下すると、サーマルプロテクタ4が再びオン状状態に復帰してしまい、これに伴って単相誘導電動機1が再起動(再運転)されることとなる。このため、単相誘導電動機1は図6に示すように運転状態と停止状態とに交互に繰り返し切換えられ、従って回転子Rを停止状態に保持することができないという問題点がある。
【0007】
また、回転子R(出力シャフト若しくはモータシャフト)の回転停止時に機械的保持を必要とする用途の場合には、サーマルプロテクタ4の作動時に両巻線2,3への交流電流の供給が遮断されてしまうだけなので、回転子R(出力シャフト若しくはモータシャフト)は外力により回転されてしまって停止位置に保持されないという問題点がある。
【0008】
一方、温度センサを温度検出手段として用いてこの温度センサから得られる検知信号に基づいて単相誘導電動機を熱的異常現象に対して保護することも考えられるが、この場合には温度センサの使用方法によっては単相誘導電動機が保護されないこともあり、保護機能は充分とはいえない。
【0009】
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、サーマルプロテクタの作動の検出を行い得てその検知信号に基づいて単相誘導電動機の再起動を防止でき、ひいては熱的異常現象に対する単相誘導電動機の保護を図ることができ、しかもサーマルプロテクタの作動の検出に応じて電磁ブレーキ等の他の機器を制御することが可能な単相誘導電動機の駆動制御装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明では、主巻線及び補助巻線の一端を互いに接続しかつ前記主巻線及び補助巻線の他端間に進相コンデンサを接続して成る並列回路として構成された駆動回路に、交流電源をサーマルプロテクタを介して供給するようにした単相誘導電動機の駆動制御装置において、交流電源から補助巻線に印加される交流電圧に同期する同期信号を検出する同期信号検出回路と、前記同期信号検出回路から出力される信号を整形する波形整形回路と、前記波形整形回路から出力されるパルス信号を処理するデジタル信号処理回路と、前記デジタル信号処理回路から出力される制御信号が入力されるトリガ回路と、前記主巻線の他端と前記交流電源の他端との間に設けられかつ前記トリガ回路からトリガ信号が供給されるトライアック回路とを備え、前記サーマルプロテクタが作動したときには、前記同期信号検出回路からの出力信号力が停止されて前記波形整形回路からデジタル信号処理回路へのパルス信号が遮断され、これに応じて、前記デジタル信号処理回路から出力される制御信号に基づいて、前記トリガ回路から所定のトリガ信号が前記トライアック回路に入力されなくなることによって、前記トライアック回路の点弧が停止され、その結果、前記駆動回路への交流電圧の供給が遮断されると共に、前記サーマルプロテクタの復帰後においても前記駆動回路への交流電圧の供給を遮断したままの状態が保持されるように構成している。
【0011】
また、本発明では、主巻線及び補助巻線の一端を互いに接続しかつ前記主巻線及び補助巻線の他端間に進相コンデンサを接続して成る並列回路として構成された駆動回路に、交流電源をサーマルプロテクタを介して供給するようにした単相誘導電動機の駆動制御装置において、
交流電源と前記主巻線との間に接続され、前記交流電源の交流電圧に応じて同一周期でオン・オフに切換えられるスイッチングトランジスタによって、前記交流電圧に同期した信号が検出され、
前記サーマルプロテクタの作動時に前記スイッチングトランジスタからのパルス出力が得られなくなるのに応じて、前記サーマルプロテクタの動作状態が検知され、
この検知に基づいてトリガ回路が作動されるのに応じて、前記補助巻線の他端と前記交流電源の他端との間に設けられたトライアックの点弧が停止されることによって、前記主巻線及び補助巻線への交流電圧の供給が遮断されると共に、
前記サーマルプロテクタの復帰後においても前記駆動回路への交流電圧の供給を遮断したままの状態が保持されるように構成している。
【0012】
また、本発明では、主巻線及び補助巻線の一端を互いに接続しかつ前記主巻線及び補助巻線の他端間に進相コンデンサを接続して成る並列回路として構成された駆動回路に、交流電源をサーマルプロテクタを介して供給するようにした単相誘導電動機の駆動制御装置において、
前記主巻線及び補助巻線にそれぞれ直列接続されかつ前記主巻線及び補助巻線の他端と前記交流電源の他端との間にそれぞれ接続されたトライアックを設けると共に、
前記進相コンデンサの端子間電圧を検出する検出素子を設け、
前記検出素子の出力信号の変化によって前記サーマルプロテクタの動作状態が検知され、
この検知に基づいてトリガ回路が作動されるのに応じて前記トライアックの点弧を停止することによって、前記主巻線及び補助巻線への交流電圧の供給が遮断されると共に、
前記サーマルプロテクタの復帰後においても前記駆動回路への交流電圧の供給を遮断したままの状態が保持されるように構成している。
【0013】
また、本発明では、主巻線及び補助巻線の一端を互いに接続しかつ前記主巻線及び補助巻線の他端間に進相コンデンサを接続して成る並列回路として構成された駆動回路に、交流電源をサーマルプロテクタを介して供給するようにした単相誘導電動機の駆動制御装置において、
前記主巻線及び補助巻線にそれぞれ直列接続されかつ前記主巻線及び補助巻線の他端と前記交流電源の他端との間にそれぞれ接続されたトライアックを設けると共に、
抵抗と2つのフォトダイオードを互いに逆接続して成る並列回路とを直列に接続した回路を前記トライアックに並列にそれぞれ接続し、
前記抵抗及び2つのフォトダイオードの両回路から得られる2つの信号の合成信号によって前記サーマルプロテクタの動作状態が検知され、
この検知に基づいてトリガ回路が作動されて前記トライアックの点弧が停止されることによって、前記主巻線及び補助巻線への交流電圧の供給が遮断されると共に、
前記サーマルプロテクタの復帰後においても前記駆動回路への交流電圧の供給を遮断したままの状態が保持されるように構成している。
【0015】
【作用】
単相誘導電動機が高温になりサーマルプロテクタが作動するとその作動状態が検出回路にて検出され、検出回路から出力される検知信号により遮断回路が作動されて巻線への交流電圧の印加が遮断され、これに基づいて単相誘導電動機の回転駆動が継続的に停止される。また、この際に前記検出回路から出力される検知信号すなわちサーマルプロテクタ作動検知信号を利用することにより、出力シャフト(モータシャフト)制動用の電磁ブレーキ等の他の機器を熱的異常現象発生時に自動的に作動させることが可能であり、このような構成を採用した場合には、外力による出力シャフトの回転が阻止される。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図1〜図4を参照して説明する。なお、図1〜図4において図5と同一の部品には同一の符号を付することとする。
【0017】
図1は本発明を適用した単相誘導電動機1の駆動制御装置11の構成を示すものである。図1に示すように、交流電源9の一端AC1 がバイメタル式開閉器から成るサーマルプロテクタ4を介して主巻線2及び補助巻線3の一端T1 にそれぞれ接続され、これらの主巻線2及び補助巻線3の他端T2 ,T3 の間に進相コンデンサ10が接続されている。そして、交流電源9の他端AC2 と補助巻線3の他端T3 (補助巻線3と進相コンデンサ10との接続点)との間に、交流電源9から補助巻線3に印加される交流電圧に同期する同期信号を検出する同期信号検出回路12が設けられている。なお、本例における同期信号検出回路12は、発光ダイオード13,抵抗14及びダイオード15を直列接続して成るものである。
【0018】
また、主巻線2の他端T2 と交流電源9の他端AC2 との間にトライアック回路16が設けられている。一方、同期信号検出回路12の出力信号として発光ダイオード13から投光された光信号が波形整形回路17に入力され、この波形整形回路17からの出力パルスがデジタル信号処理回路18に供給されるようになっている。そして、デジタル信号処理回路18からの出力信号がトリガ回路19,電磁ブレーキ制御回路20及び警報ランプ21にそれぞれ供給され、トリガ回路19からトライアック回路16にトリガ信号が供給されるようになっている。かくして、波形整形回路17,デジタル信号処理回路18,トリガ回路19及びトライアック回路16にて交流電源遮断回路22が構成されている。
【0019】
次に、上述の駆動制御装置11の動作について説明すると以下の通りである。まず、単相誘導電動機1の駆動開始には、主巻線2及び補助巻線3の温度は通常温度であるためサーマルプロテクタ4はオン状態に設定され、交流電源9からの交流電圧が主巻線2,補助巻線3及び進相コンデンサ10から成る駆動回路(並列回路)Sの端子T1 ,T2 間にサーマルプロテクタ4及びトライアック回路16を介して供給が開始される。このようにして駆動回路Sに交流電圧が供給されると、主巻線2及び補助巻線3が所定の位相差で励磁され、単相誘導電動機1の回転子R(出力シャフト)が回転駆動される。
【0020】
単相誘導電動機1が通常に駆動されている時には、交流電源電圧の半波毎に投光される光信号が同期信号検出回路12の発光ダイオード13から波形整形回路17に入力され、これに応じて波形整形回路17からデジタル信号処理回路18にデューティ比が50%のパルス信号が入力される。このようなパルス信号がデジタル信号処理回路18に入力されている場合には、サーマルプロテクタ4が非動作状態(オン状態)に設定されていることと判断され、トリガ回路19からトリガ信号が継続的に出力される。従って、単相誘導電動機1の駆動状態が維持され、回転子Rの回転駆動が継続される。
【0021】
一方、熱的異常現象を生じて主巻線2及び補助巻線3の温度が所定の設定温度以上の高温になった場合には、サーマルプロテクタ4がこれを検知して作動し、オフ状態に切換えられる。これに伴い、交流電源9からの交流電圧は駆動回路Sに印加されなくなるので、発光ダイオード13の発光が停止され、波形整形回路17への光信号の入力がなくなる。従って、波形整形回路17からデジタル信号処理回路18へのパルス信号の供給が遮断されることとなり、これに応じてデジタル信号処理回路18から出力される制御信号に基づいて、トリガ回路19から所定のトリガ信号がトライアック回路16に入力されなくなる。これにより、トライアック回路16を構成する交流電力供給用トライアックの点弧が停止され、その結果、駆動回路Sへの交流電圧の供給が遮断されて回転子Rの回転駆動が停止される。
【0022】
すなわち、デジタル信号処理装置18にパルス信号が一度入力された後にパルス信号の供給が停止されたことを検出することにより、サーマルプロテクタ4が作動したことを判別し、この判別結果に基づいて単相誘導電動機1が駆動停止される。そして、サーマルプロテクタ4の復帰後においても駆動回路Sへの交流電圧の供給を遮断したままの状態が保持される。
【0023】
また、本例においては、サーマルプロテクタ4の作動に応じて前記デジタル信号処理回路18から出力される制御信号が電磁ブレーキ制御回路20に制御信号として供給され、これに応じて電磁ブレーキが自動的に作動されて回転子R(出力シャフト)に制動力が付与されてその停止状態が保持されるようになっている。さらに、前記デジタル信号処理回路18から出力される制御信号が警報(アラーム)信号として利用され、この制御信号がデジタル信号処理回路18から発生されるのに伴って警報ランプが点灯されるか、警報音が発せられるか、或いは本発明と連動している他の機器が停止されるように構成されている。
【0024】
このような構成の本例の駆動制御装置11によれば、熱的異常現象の発生時にはサーマルプロテクタ4の作動に応じて同期信号検出回路12から得られる検知信号に基づいてトライアック回路16の点弧が停止されて主巻線2及び補助巻線3への交流電圧の供給が遮断されるため、単相誘導電動機1の駆動を自動的に停止し得て再起動を防止することができる。しかも、単相誘導電動機1の駆動停止と同時に、電磁ブレーキも自動的に作動させることが可能なため、駆動物が不測に移動してしまうような不具合の発生を防止できる。さらに、上述の如き回路構成によれば、単相誘導電動機1と交流電源9とを接続するリード線W1 ,W2 (図1参照)が切断された場合でも、電磁ブレーキが自動的に動作することとなるので、安全性を確保することができる。
【0025】
また、図2は本発明の第2実施例を示すものであって、本例は、既述の発光ダイオード13と波形整形回路17とから成るフォトカプラを用いることなく駆動制御装置30を構成するようにしたものである。この場合には、交流電源9の交流電圧に応じて同一周期でオン・オフに切換えられるスイッチングトランジスタ31にて前記交流電圧に同期した信号を検出する構成とし、サーマルプロテクタ4の動作時にスイッチングトランジスタ31からパルス出力が得られなくなるのに応じてサーマルプロテクタ4の動作状態が検知され、この検知に基づいてトリガ回路32を作動させてトライアック33の点弧を停止することにより主巻線2及び補助巻線3への交流電圧の供給が遮断される。すなわち、本実施例にあっては、交流電源9と主巻線2との間に接続され、交流電源9の交流電圧に応じて同一周期でオン・オフに切換えられるスイッチングトランジスタ31によって、交流電圧に同期した信号が検出され、サーマルプロテクタ4の作動時にスイッチングトランジスタ31からのパルス出力が得られなくなるのに応じて、サーマルプロテクタ4の動作状態が検知され、この検知に基づいてトリガ回路32が作動されるのに応じて、補助巻線3の他端と交流電源9の他端との間に設けられたトライアック33の点弧が停止されることによって、主巻線2及び補助巻線3への交流電圧の供給が遮断されると共に、サーマルプロテクタ4の復帰後においても駆動回路への交流電圧の供給を遮断したままの状態が保持される。
【0026】
また、図3は本発明の第3実施例に係る駆動制御装置40を示すものであって、本例は、サーマルプロテクタ可の動作状態を検知する検出回路、並びに、サーマルプロテクタ4の作動時に検出回路から出力される検知信号に墓づいて駆動回路Sへの交流電流の供給を遮断する遮断回路を、単相誘導電動機1の正逆転用回路に組み込んだものである。この場合には、フォトダイオード41とカップリングされたフォトトランジスタ42から得られる信号がサーマルプロテクタ4の動作検出のために利用され、サーマルプロテクタ4の動作時にはその際に得られる検出信号に基づいてトライアック43又は44のトリガが停止されて駆動回路Sへの交流電流の供給が遮断される。すなわち、本実施例にあっては、主巻線2及び補助巻線3にそれぞれ直列接続されかつ主巻線2及び補助巻線3の他端と交流電源9の他端との間にそれぞれ接続されたトライアック43,44が設けられる共に、進相コンデンサ10の端子間電圧を検出する検出素子(フォトダイオード41及びフォトトランジスタ42)が設けられ、この検出素子の出力信号の変化によってサーマルプロテクタの動作状態が検知され、この検知に基づいてトリガ回路が作動されるのに応じてトライアック43,44の点弧を停止することによって、主巻線2及び補助巻線3への交流電圧の供給が遮断されると共に、サーマルプロテクタ4の復帰後においても駆動回路Sへの交流電圧の供給を遮断したままの状態が保持される。
【0027】
また、図4は本発明の第4実施例に係る駆動制御装置50を示すものであって、本例は、主巻線2及び補助巻線3の他端T2,T3と交流電源9の他端AC2との間に、トライアック51,52をそれぞれ接続すると共に、抵抗RとフォトダイオードD1,D2を互いに逆接続して成る益列回路とを直列に接続した回路をそれぞれ接続したものである。この場合には、抵抗R及びフォトダイオードD1,D2の両回路から得られる2つの信号M1,M2の合成信号が、交流電源9の交流電圧に同期した信号としてサーマルプロテクタ4の動作検出のために利用され、サーマルプロテクタ4の動作時にはその際に得られる合成信号(検出信号)に基づいてトライアック51,52のトリガが停止されて駆動回路Sへの交流電流の供給が遮断される。すなわち、本実施例にあっては、主巻線2及び補助巻線3にそれぞれ直列接続されかつ主巻線2及び補助巻線3の他端と交流電源9の他端との間にそれぞれ接続されたトライアック51,52が設けられると共に、抵抗Rと2つのフォトダイオードD 1 ,D 2 を互いに逆接続して成る並列回路とを直列に接続した回路がトライアック51,52に並列にそれぞれ接続され、抵抗R及び2つのフォトダイオードD 1 ,D 2 の両回路から得られる2つの信号M 1 ,M 2 の合成信号によってサーマルプロテクタ4の動作状態が検知され、この検知に基づいてトリガ回路が作動されてトライアック51,52の点弧が停止されることによって、主巻線2及び補助巻線3への交流電圧の供給が遮断されると共に、サーマルプロテクタ4の復帰後においても駆動回路Sへの交流電圧の供給を遮断したままの状態が保持される。
【0028】
図2,図3及び図4に示される駆動制御装置30,40,50によれば、図1に示される第1実施例の駆動制御装置11の場合と同様の作用効果を奏することができる。
【0029】
【発明の効果】
以上の如く、本発明は、サーマルプロテクタの動作状態を検出する検出回路を設け、サーマルプロテクタの作動時に前記検出回路から出力される検知信号に基づいて巻線への交流電源の供給を遮断する遮断回路を設けるようにしたものであるから、サーマルプロテクタにて熱的異常現象が検知されるのに伴って巻線への交流電源の供給が遮断され、単相誘導電動機の再起動を防止し得て熱的異常現象に対する単相誘導電動機の保護を図ることができる。
【0030】
また、上述の検知回路及び遮断回路は、従来の回路構成を変更することなく、単相誘導電動機の正逆転用回路にも容易に組み込むことができる。
【0031】
しかも、サーマルプロテクタの作動時に前記検知回路から得られる検出信号にて、警報(アラーム)信号を出力させて警報ランプを点灯させたり或いは電磁ブレーキを作動させて単相誘導電動機の出力シャフトに制動力を自動的に付与せしめる構成を採用することが可能である。
【0032】
さらに、本発明に係る駆動制御装置の回路構成によれば、サーマルプロテクタの作動により交流電源の遮断がなされた場合のみならず、巻線の断線が生じた場合にも巻線への交流電源の供給が遮断されることとなるため、安全性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る単相誘導電動機の駆動制御装置の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の第2実施例に係る単相誘導電動機の駆動制御装置の構成を示す回路図である。
【図3】本発明の第3実施例に係る単相誘導電動機の駆動制御装置の構成を示す回路図である。
【図4】本発明の第3実施例に係る単相誘導電動機の駆動制御装置の構成を示す回路図である。
【図5】従来における単相誘導電動機の駆動制御装置の構成を示す回路図である。
【図6】従来の駆動制御装置にて単相誘導電動機を回転駆動した場合に熱的異常現象が生じた際の回転駆動状態を示す駆動特性図である。
【符号の説明】
1 単相誘導電動機
2 主巻線
3 補助巻線
4 サーマルプロテクタ
9 交流電源
10 進相コンデンサ
11 駆動制御装置
12 同期信号検出回路
16 トライアック回路
17 波形整形回路
18 デジタル信号処理回路
19 トリガ回路
20 電磁ブレーキ制御回路
21 警報ランプ
22 交流電源遮断回路
30,40,50 駆動制御装置
AC1 交流電源の一端
AC2 交流電源の他端
S 駆動回路(並列回路)
T1 主巻線及び補助巻線の一端
T2 主巻線の他端
T3 補助巻線の他端
Claims (4)
- 主巻線及び補助巻線の一端を互いに接続しかつ前記主巻線及び補助巻線の他端間に進相コンデンサを接続して成る並列回路として構成された駆動回路に、交流電源をサーマルプロテクタを介して供給するようにした単相誘導電動機の駆動制御装置において、
交流電源から補助巻線に印加される交流電圧に同期する同期信号を検出する同期信号検出回路と、
前記同期信号検出回路から出力される信号を整形する波形整形回路と、
前記波形整形回路から出力されるパルス信号を処理するデジタル信号処理回路と、
前記デジタル信号処理回路から出力される制御信号が入力されるトリガ回路と、
前記主巻線の他端と前記交流電源の他端との間に設けられかつ前記トリガ回路からトリガ信号が供給されるトライアック回路と、
を備え、
前記サーマルプロテクタが作動したときには、前記同期信号検出回路からの出力信号力が停止されて前記波形整形回路からデジタル信号処理回路へのパルス信号が遮断され、 これに応じて、前記デジタル信号処理回路から出力される制御信号に基づいて、前記トリガ回路から所定のトリガ信号が前記トライアック回路に入力されなくなることによって、前記トライアック回路の点弧が停止され、
その結果、前記駆動回路への交流電圧の供給が遮断されると共に、
前記サーマルプロテクタの復帰後においても前記駆動回路への交流電圧の供給を遮断したままの状態が保持されるように構成したことを特徴とする単相誘導電動機の駆動制御装置。 - 主巻線及び補助巻線の一端を互いに接続しかつ前記主巻線及び補助巻線の他端間に進相コンデンサを接続して成る並列回路として構成された駆動回路に、交流電源をサーマルプロテクタを介して供給するようにした単相誘導電動機の駆動制御装置において、
交流電源と前記主巻線との間に接続され、前記交流電源の交流電圧に応じて同一周期でオン・オフに切換えられるスイッチングトランジスタによって、前記交流電圧に同期した信号が検出され、
前記サーマルプロテクタの作動時に前記スイッチングトランジスタからのパルス出力が得られなくなるのに応じて、前記サーマルプロテクタの動作状態が検知され、
この検知に基づいてトリガ回路が作動されるのに応じて、前記補助巻線の他端と前記交流電源の他端との間に設けられたトライアックの点弧が停止されることによって、前記主巻線及び補助巻線への交流電圧の供給が遮断されると共に、
前記サーマルプロテクタの復帰後においても前記駆動回路への交流電圧の供給を遮断したままの状態が保持されるように構成したことを特徴とする単相誘導電動機の駆動制御装置。 - 主巻線及び補助巻線の一端を互いに接続しかつ前記主巻線及び補助巻線の他端間に進相コンデンサを接続して成る並列回路として構成された駆動回路に、交流電源をサーマルプロテクタを介して供給するようにした単相誘導電動機の駆動制御装置において、
前記主巻線及び補助巻線にそれぞれ直列接続されかつ前記主巻線及び補助巻線の他端と前記交流電源の他端との間にそれぞれ接続されたトライアックを設けると共に、
前記進相コンデンサの端子間電圧を検出する検出素子を設け、
前記検出素子の出力信号の変化によって前記サーマルプロテクタの動作状態が検知され、
この検知に基づいてトリガ回路が作動されるのに応じて前記トライアックの点弧を停止することによって、前記主巻線及び補助巻線への交流電圧の供給が遮断されると共に、
前記サーマルプロテクタの復帰後においても前記駆動回路への交流電圧の供給を遮断したままの状態が保持されるように構成したことを特徴とする単相誘導電動機の駆動制御装置。 - 主巻線及び補助巻線の一端を互いに接続しかつ前記主巻線及び補助巻線の他端間に進相コンデンサを接続して成る並列回路として構成された駆動回路に、交流電源をサーマルプロテクタを介して供給するようにした単相誘導電動機の駆動制御装置において、
前記主巻線及び補助巻線にそれぞれ直列接続されかつ前記主巻線及び補助巻線の他端と前記交流電源の他端との間にそれぞれ接続されたトライアックを設けると共に、
抵抗と2つのフォトダイオードを互いに逆接続して成る並列回路とを直列に接続した回路を前記トライアックに並列にそれぞれ接続し、
前記抵抗及び2つのフォトダイオードの両回路から得られる2つの信号の合成信号によって前記サーマルプロテクタの動作状態が検知され、
この検知に基づいてトリガ回路が作動されて前記トライアックの点弧が停止されることによって、前記主巻線及び補助巻線への交流電圧の供給が遮断されると共に、
前記サーマルプロテクタの復帰後においても前記駆動回路への交流電圧の供給を遮断したままの状態が保持されるように構成したことを特徴とする単相誘導電動機の駆動制御装置。
Priority Applications (1)
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