JP3571467B2 - 光波形測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば蛍光等のナノ秒乃至フェムト秒の高速光現象を測定する光波形測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、高速の光現象を測定する装置として、ストリーク管を利用した装置が知られている。図9は、このストリーク管を利用した従来の光波形測定装置の構成図である。ストリーク管9は、内部が真空に保たれた筒状の密封容器の一方の面に光電変換面9aが形成されており、この光電変換面9aに被測定光が入射すると電子ビームを発生し、偏向電圧が印加された偏向電極9bによりこの電子ビームを偏向して、他方の面に形成された出力面9c上にストリーク像を生成するものである。
【0003】
レーザ光源1から出力されたパルスレーザ光は、ビームスプリッタ2で2分岐され、その一方は、試料3に照射される。試料3にパルスレーザ光が照射されると、この試料3に含まれる蛍光物質から蛍光が発生し、その蛍光は、光学系4を経てストリーク管9の光電変換面9aに入射する。ビームスプリッタ2で2分岐されたパルスレーザ光の他方は、光電変換素子である受光器5により光電変換されてトリガ信号となる。このトリガ信号は、位相器6により所定の位相遅れが与えられて、インピーダンス整合のための整合器7を経て、共振器8に入力する。そして、共振器8は、入力したトリガ信号に基づいて、ストリーク管9の偏向電極9bに印加すべき偏向電圧を出力する。この偏向電圧は、例えば鋸歯状の信号であり、偏向電極9bを構成する1対の平板電極の間に時間変化する電界を形成して、これにより、電子ビームを偏向させてストリーク掃引し出力面9c上にストリーク像を得るものである。
【0004】
このような光波形測定装置を用いて微弱な被測定光を測定する場合には、1回のストリーク掃引で得られるストリーク像は弱いため、S/N比は悪い。特に光子計数法による測定の場合には、この問題は大きい。そこで、微弱な被測定光の場合にS/N比の良いストリーク像を得るために、多数回のストリーク掃引を行い、これにより積算されたストリーク像を得ることが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の光波形測定装置を用いてストリーク像を積算して求める場合には、以下のような問題点がある。
【0006】
例えば、出力面9cに形成されたストリーク像を読み出す装置としてテレビレートで読み出しが可能なCCDを使用し、また、そのCCDからの出力をフレームメモリに転送し画像処理を行う場合を想定する。この場合、理論的には、最大30Hzのストリーク像の読み出しが可能であるが、実際には、ノイズの問題やフレームメモリへの転送時間の制約があるため、ストリーク像の読み出しは10Hz程度が限界となる。また、ストリーク像のS/N比として10000を得るためには、ノイズを1カウントとすると、そのピーク値において10000カウントのストリーク像の読み出しが必要であり、さらに、被測定光(蛍光)の蛍光寿命を求めるためには、さらに10倍の数のストリーク像の読み出しが必要である。このときの測定時間は約167分となる。このように、被測定光が微弱である場合に、S/N比が良好なストリーク像を得るためには、数十分から数時間にも亘って測定する必要がある。
【0007】
一方、共振器8は、振幅が数kVの一定繰り返し周波数の偏向電圧を発生するものであるために発熱し、その発熱のために発振特性が変化する。例えば、充分にウォーミングアップした後であっても、偏向電圧には約200フェムト秒/分のドリフトが生じる。そして、光波形測定装置の時間分解能は、測定時間と偏向電圧のドリフトとの積から決まる。例えば、測定時間を100分とし、偏向電圧のドリフトを200フェムト秒/分とすると、時間分解能は20ピコ秒となる。これでは、1ピコ秒程度の時間分解能が必要であるとされている蛍光寿命をS/N比良く測定することはできない。
【0008】
さらに、掃引レンジを切り替えると、共振器8の消費電力が変化するため、安定するまで10分程度要する場合があり、その間に100ピコ秒/分以上の偏向電圧のドリフトが生じる。したがって、安定するまでの間、測定をすることができないので、効率よく測定することができない。
【0009】
なお、共振器8等を温度制御し一定温度に維持することにより、偏向電圧のドリフトを低減することも考えられる。しかし、共振器8における発熱量が非常に大きいため、一定温度に維持することは現実には不可能である。
【0010】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、被測定光が微弱であってもS/N比と時間分解能とに優れたストリーク像を得ることができ、また、掃引レンジを切り替えても直ちに測定を開始することができる光波形測定装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る光波形測定装置は、(1) 入射したパルス状の被測定光の強度に応じて電子ビームを出力する光電変換面と、電子ビームの進行方向と略垂直な方向に電界を形成して電子ビームを偏向させる偏向電極と、到達した電子ビームの強度に応じてストリーク像を出力する出力面と、を備えるストリーク管と、(2) 被測定光に同期したトリガ信号を出力するトリガ信号生成手段と、(3) 偏向電圧を発生し偏向電極に印加する偏向電圧発生手段と、(4) 偏向電極に印加された偏向電圧を検出し偏向電圧検出信号を出力する偏向電圧検出手段と、(5) 偏向電圧検出信号とトリガ信号との位相差または時間差を検出して差信号を出力する比較手段と、(6) 差信号に基づいて、偏向電圧発生手段が出力する偏向電圧の位相または遅延を制御する基準信号を出力する偏向電圧制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
この光波形測定装置によれば、トリガ信号生成手段により、ストリーク管の光電変換面に入射するパルス状の被測定光に同期したトリガ信号が出力される。一方、偏向電圧発生手段により、ストリーク管の偏向電極に偏向電圧が印加されるとともに、偏向電圧検出手段により、その偏向電極に印加された偏向電圧が検出されて偏向電圧検出信号が出力される。そして、比較手段により、偏向電圧検出信号とトリガ信号との位相差または時間差が検出されて差信号が出力され、偏向電圧制御手段により、この差信号に基づいて、偏向電圧発生手段が出力する偏向電圧の位相または遅延を制御する基準信号が出力される。これによって、ストリーク管の偏向電極に印加される偏向電圧の被測定光に対する位相または遅延は、一定に維持される。
【0013】
請求項2に係る光波形測定装置は、さらに、偏向電圧制御手段が、差信号の低周波数成分を濾波するループフィルタを備え、この低周波数成分に基づいて基準信号を出力することを特徴とする。この場合、ループフィルタによりノイズ成分が除去され所定の応答特性で、偏向電圧の被測定光に対する位相または遅延が一定に制御される。
【0014】
請求項3に係る光波形測定装置は、さらに、偏向電圧制御手段が、トリガ信号および差信号を入力し、差信号に基づいてトリガ信号の位相または遅延を調整して、その調整されたトリガ信号を基準信号として出力することを特徴とする。この場合、トリガ信号生成手段から出力されたトリガ信号は、偏向電圧制御手段により位相または遅延が調整されて、基準信号として出力される。
【0015】
請求項4に係る光波形測定装置は、さらに、偏向電圧制御手段が、差信号に基づいて発振して基準信号を出力することを特徴とする。この場合、トリガ信号は偏向電圧制御手段に入力することなく、基準信号は偏向電圧制御手段から発振出力される。
【0016】
請求項5に係る光波形測定装置は、さらに、偏向電圧発生手段が、偏向電極とともに共振して偏向電圧を発生する共振器と、基準信号の電力を共振器に高効率に伝達する整合器とを備えることを特徴とする。この場合、整合器により、基準信号の電力は高効率に共振器に伝達され、共振器により、偏向電圧が共振出力される。
【0017】
請求項6に係る光波形測定装置は、さらに、偏向電圧検出手段が、偏向電極を構成する1対の平板電極それぞれの電位の差を検出する平衡−不平衡出力変換器であることを特徴とする。この場合、両者の電位の差をとることにより、偏向電極を構成する1対の平板電極の双方に重畳されるノイズが除去されるので、偏向電圧発生手段から出力される偏向電圧は更に安定したものとなる。
【0018】
請求項7に係る光波形測定装置は、偏向電圧検出手段、比較手段もしくは偏向電圧制御手段またはこれらの任意の組合せを温度制御する温度制御手段を更に備えることを特徴とする。この場合、これらの温度が一定に維持されるので、偏向電圧発生手段から出力される偏向電圧は更に安定したものとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。尚、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0020】
先ず、本発明に係る光波形測定装置の説明に先立って、この光波形測定装置に用いられるストリーク管について説明する。図1は、ストリーク管の構成図である。
【0021】
ストリーク管90は、内部が真空に保たれた筒状の密封容器の一方の面に光電変換面91が配されている。この光電変換面91に被測定光Aが入射すると、その被測定光Aの強度に応じた個数の光電子が発生し、その光電子は、加速電極92に印加された加速電圧により加速され、密封容器内を電子ビームBとしてマイクロチャンネルプレート(MCP)94に到達する。そして、この電子ビームBは、MCP94により増倍され蛍光面(出力面)95に到達して蛍光を発生する。この蛍光面95で発生した蛍光の強度は、到達した電子の個数とエネルギとに応じたものであり、したがって、被測定光Aの強度に応じたものである。なお、蛍光面95を設けることなく、この位置に撮像装置を配置して、この撮像装置により直接にストリーク像を撮像してもよい。
【0022】
加速電極92とMCP94との間に配された偏向電極93は、電子ビームBの経路を挟んで配された1対の平板電極からなるものであり、その1対の平板電極の間に印加された偏向電圧により電界を発生させ、この電界により電子ビームBを偏向する。したがって、この偏向電極93に偏向電圧を印加することにより、電子ビームBは蛍光面95上を方向Cにストリーク掃引され、被測定光Aの強度の時間変化は、蛍光面95上の空間的な変化に変換され測定される。
【0023】
本発明は、以上のようなストリーク管を用いた光波形測定装置に係るものである。
【0024】
(第1の実施形態)
先ず、第1の実施形態について説明する。図2は、第1の実施形態に係る光波形測定装置の構成図である。この図は、光波形測定装置を蛍光測定に用いた場合を示している。本発明に係る光波形測定装置は、ストリーク管90の偏向電極93に印加される偏向電圧の波形の形状が台形形状または鋸歯形状である場合、すなわち、単掃引の場合に有効なものである。
【0025】
レーザ光源11は、高繰り返し周波数の短パルスレーザ光を出力するものであり、例えば、チタンサファイアレーザ光源、CPMレーザ光源、YAGレーザ光源等のモードロックレーザ光源が好適に用いられる。このレーザ光源11から出力されたパルスレーザ光は、ハーフミラーにより2分岐され、一方が受光器(トリガ信号生成手段)22に入射し、他方が試料23に照射される。試料23にパルスレーザ光が照射されると、その試料23に含まれる蛍光物質から蛍光(被測定光)が発生し、その蛍光は、レンズ等からなる光学系24を経て、ストリーク管90の光電変換面91に入射する。
【0026】
一方、パルスレーザ光を受光した受光器22は、その受光量に応じたトリガ信号を出力する。このトリガ信号は、パルスレーザ光の繰り返し周波数と同期したものである。遅延回路31は、このトリガ信号を入力し、所定遅延時間だけ遅延させて出力する。そして、この遅延されたトリガ信号は、電圧制御遅延回路(偏向電圧制御手段)41および遅延比較器(比較手段)71に入力する。電圧制御遅延回路41は、ループフィルタ73から出力された信号を入力してこれに基づいて、遅延回路31から出力されたトリガ信号を所定遅延時間だけ遅延させて、この遅延されたトリガ信号を基準信号として出力する。そして、この基準信号は、偏向電圧発生器(偏向電圧発生手段)50に入力する。
【0027】
この偏向電圧発生器50は、電圧制御遅延回路41から出力された基準信号を入力し、この基準信号に同期して、所定形状(例えば、台形形状、鋸歯形状)の波形の偏向電圧を発生し、その偏向電圧を偏向電極93に印加する。この偏向電圧は、レーザ光源11から出力されたパルスレーザ光、すなわち、ストリーク管90の光電変換面91に入射した蛍光に同期したものである。
【0028】
このように、試料23で発生した蛍光がストリーク管90の光電変換面91に入射するとともに、偏向電圧発生器50から偏向電極93に偏向電圧が印加されると、光電変換面91で光電子が発生し、その電子ビームは、偏向電極93に偏向電圧が印加されて生じた電界に応じて偏向され、蛍光面95にストリーク掃引され、ストリーク像が得られる。
【0029】
このストリーク管90の偏向電極93に印加される偏向電圧は、差動増幅器(偏向電圧検出手段)60により検出される。差動増幅器60として、偏向電極93の1対の平板電極それぞれの電位を測定し、これらの電位の差を求める平衡−不平衡出力変換器が好適に用いられる。また、この差動増幅器60は、ノイズの少ない電位測定を行うために、偏向電極93の1対の平板電極それぞれに近い位置の電位を測定するのが好適である。また、この偏向電極93の1対の平板電極それぞれの電位を取り出すに際しては、直接分岐して差動増幅器60に入力する方法の他、容量結合、誘導結合および電磁波の受信等による方法も可能である。そして、差動増幅器60により検出された偏向電圧の値は、偏向電圧検出信号として出力され、遅延回路61により所定遅延時間だけ遅延されて、遅延比較器71に入力する。
【0030】
遅延比較器71は、遅延回路61から出力された偏向電圧検出信号と遅延回路31から出力されたトリガ信号とを入力し、両信号の遅延時間差を求め、その遅延時間差を表す差信号を出力する。この遅延比較器71から出力された差信号は、ループフィルタ73により低周波数成分のみが濾波されて、電圧制御遅延回路41に入力する。この電圧制御遅延回路41は、ループフィルタ73から出力された差信号に基づいて、遅延回路31から出力されたトリガ信号を遅延させて基準信号として出力する。すなわち、電圧制御遅延回路41は、差信号が所定値以上である場合には、基準信号の遅延量を減少させ、逆に、差信号が所定値以下である場合には、基準信号の遅延量を増加させ、これによって差信号を所定値に維持する。
【0031】
次に、本実施形態に係る光波形測定装置の作用について説明する。図3は、本実施形態に係る光波形測定装置の作用説明図である。
【0032】
レーザ光源11から出力されたパルスレーザ光は、ハーフミラー21により2分岐され、その一方が受光器22により受光され、この受光器22からトリガ信号が出力される(図3(a))。以下では、このトリガ信号の立ち上がり時刻を基準時刻とする。受光器22から出力されたトリガ信号は、遅延回路31により所定遅延時間だけ遅延され、ループフィルタ73から出力された差信号に基づいて電圧制御遅延回路41により更に遅延されて基準信号として出力される。この電圧制御遅延回路41から出力される基準信号は、遅延回路31および電圧制御遅延回路41それぞれにおける遅延のために、受光器22から出力されたトリガ信号とは時間Δt だけ遅れたものとなる(図3(b))。
【0033】
電圧制御遅延回路41から出力された基準信号は、偏向電圧発生器50に入力し、この基準信号に同期して発生した偏向電圧は、ストリーク管90の偏向電極93に印加される。この偏向電極93に印加される偏向電圧は、偏向電圧発生器50における遅延を受けるので、電圧制御遅延回路41から出力された基準信号のタイミングに対して、さらに時間Δt だけ遅れたものとなる(図3(c))。したがって、偏向電極93に印加される偏向電圧は、受光器22から出力されたトリガ信号に対して、
Δt = Δt + Δt … (1)
で表される時間Δtだけ遅れたものとなる。ここで、この遅延時間Δt は、偏向電圧発生器50における温度変化のために、一定値ではなくドリフトする量である。
【0034】
ストリーク管90の偏向電極93に印加された偏向電圧は、差動増幅器60により検出されて偏向電圧検出信号として出力され、この偏向電圧検出信号は、遅延回路61により所定遅延時間だけ遅延された後、遅延比較器71に入力し、遅延回路31から出力されたトリガ信号の遅延時間と比較され、その遅延時間差を示す差信号が出力される。この差信号は、ループフィルタ73により低周波数成分のみが濾波されて、電圧制御遅延回路41に入力する。そして、偏向電圧発生器50に入力する基準信号は、電圧制御遅延回路41により、差信号が所定値になるように遅延されて出力される。
【0035】
一方、試料23にパルスレーザ光が照射されて発生した蛍光は、光学系24を経てストリーク管90の光電変換面91に入射するが、その入射タイミングは、受光器22から出力されたトリガ信号に対して、光路長差に応じて時間t だけ遅れたものとなる(図3(d))。そして、この蛍光が光電変換面91に入射して発生した電子ビームは、偏向電極93により偏向されて、蛍光面95にストリーク掃引されて、ストリーク像が得られる。
【0036】
ここで、受光器22から出力されるトリガ信号を基準時刻として、偏向電極93に印加される偏向電圧の遅延時間Δtが、ストリーク管90に入射する蛍光の時間遅れt に対して所定値差になるよう、電圧制御遅延回路41により基準信号に加えられる遅延時間Δt が制御される。例えば、蛍光強度がピークとなった直後から蛍光のストリーク像を得るためには、偏向電極93に印加される偏向電圧の遅延時間Δtが、ストリーク管90に入射する蛍光の時間遅れt と等しくなるように、すなわち、
Δt = t … (2)
となるように、電圧制御遅延回路41により基準信号の遅延時間Δt が制御される。また、蛍光強度がピークとなった時刻から時間td1後の蛍光のストリーク像を得るためには、偏向電圧の遅延時間Δtが、蛍光の時間遅れt に対して、
Δt = t + td1 … (3)
となるように、電圧制御遅延回路41により基準信号の遅延時間Δt が制御される。
【0037】
なお、パルスレーザ光が、レーザ光源11から一定周期Tで出力される場合には、上記(2)式および(3)式それぞれは、
Δt = t + nT … (2a)
Δt = t + td1 + nT … (3a)
であってもよい。ただし、nは整数である。
【0038】
また、遅延回路61は、電圧制御遅延回路41による設定可能な基準信号の遅延時間が一定範囲に限られる場合を考慮して設けられたものである。したがって、電圧制御遅延回路41による基準信号の遅延時間の設定可能範囲が充分に広い場合には、遅延回路61は不要である。また、電圧制御遅延回路41は、常に上記(2)式または(2a)式を満たすように遅延時間Δt を制御し、遅延回路61は、上記時間td1を所定値に設定するために設けられてもよい。
【0039】
このような構成としたので、偏向電圧発生器50が数kVの偏向電圧を出力する際の発熱に起因して、偏向電圧発生器50に入力する基準信号に対して偏向電圧発生器50から出力される偏向電圧の遅延時間Δt がドリフトする場合であっても、電圧制御遅延回路41により遅延時間Δt が制御されて、受光器22から出力されたトリガ信号に対して偏向電圧発生器50から出力される偏向電圧の遅延時間Δtは一定に維持される。したがって、微弱な蛍光を多数回ストリーク掃引して積算してストリーク像を得る場合であっても、S/N比と時間分解能とに優れたストリーク像を得ることができる。また、掃引レンジを切り替えても直ちに安定したストリーク像を得ることができる。
【0040】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。図4は、第2の実施形態に係る光波形測定装置の構成図である。
【0041】
本実施形態に係る光波形測定装置は、第1の実施形態に係る光波形測定装置(図2)と比較すると、遅延回路31に替えて位相器32を、電圧制御遅延回路41に替えて電圧制御位相器42を、遅延回路61に替えて位相器62を、遅延比較器71に替えて位相比較器72を、それぞれ設けた点、および、偏向電圧発生器50として整合器51と共振器52とからなるものを備えた点で異なる。
【0042】
本実施形態に係る光波形測定装置は、レーザ光源11から出力されるパルスレーザ光の繰り返し周波数が高く、この繰り返し周波数に対して受光器22の応答性が充分でないために、受光器22から出力されるトリガ信号がパルス形状ではなく正弦波状またはこれに近い形状であり、また、ストリーク管90の偏向電極93に印加される偏向電圧が正弦波状である場合、すなわち、シンクロスキャン掃引を行う場合に有効なものである。
【0043】
位相器32は、レーザ光源11から出力されたパルスレーザ光の一部を受光器(トリガ信号生成手段)22が受光して出力した略正弦波形状のトリガ信号を入力し、所定量だけ位相シフトして、その位相シフトされたトリガ信号を出力する。位相器32から出力されたトリガ信号は、電圧制御位相器(偏向電圧制御手段)42および位相比較器(比較手段)72に入力する。電圧制御位相器42は、ループフィルタ73から出力された差信号に基づいて、位相器32から出力されたトリガ信号を位相シフトし、その位相シフトしたトリガ信号を基準信号として出力する。
【0044】
偏向電圧発生器(偏向電圧発生手段)50の整合器51は、この電圧制御位相器42から出力された基準信号を、インピーダンス整合をとって効率よく共振器52に伝送し、共振器52は、偏向に必要な高電圧を発生し、この基準信号に基づいてストリーク管90の偏向電極93とともに共振して、偏向電極93に印加すべき正弦波状の偏向電圧を発生する。そして、偏向電極93に印加された偏向電圧は、差動増幅器(偏向電圧検出手段)60により検出されて偏向電圧検出信号として出力され、この偏向電圧検出信号は位相器62に入力する。位相器62は、この偏向電圧検出信号を所定量だけ位相シフトして、その位相シフトされた偏向電圧検出信号を出力する。
【0045】
位相比較器72は、位相器62から出力された偏向電圧検出信号と位相器32から出力されたトリガ信号とを入力し、両信号の位相差を求め、その位相差を表す差信号を出力する。この位相比較器72から出力された差信号は、ループフィルタ73により低周波数成分のみが濾波されて、電圧制御位相器42に入力する。この電圧制御位相器42は、ループフィルタ73から出力された差信号に基づいて、位相器32から出力されたトリガ信号を位相シフトして基準信号として出力する。すなわち、電圧制御位相器42は、差信号が所定値以上である場合には、基準信号の位相シフト量を減少させ、逆に、差信号が所定値以下である場合には、基準信号の位相シフト量を増加させ、これによって差信号を所定値に維持する。
【0046】
次に、本実施形態に係る光波形測定装置の作用について説明する。レーザ光源11から出力されたパルスレーザ光は、ハーフミラー21により2分岐され、その一方が受光器22により受光され、この受光器22から略正弦波状のトリガ信号が出力される。以下では、このトリガ信号の位相を基準位相とする。受光器22から出力されたトリガ信号は、位相器32により所定量だけ位相シフトされ、ループフィルタ73から出力された差信号に基づいて電圧制御位相器42により更に位相シフトされて基準信号として出力される。この電圧制御位相器42から出力される基準信号は、位相器32および電圧制御位相器42それぞれにおける位相遅シフトのために、受光器22から出力されたトリガ信号とは位相シフト量Δφ だけ遅れたものとなる。
【0047】
電圧制御位相器42から出力された基準信号は、偏向電圧発生器50に入力し、この基準信号に基づいて共振して発生した正弦波状の偏向電圧は、ストリーク管90の偏向電極93に印加される。この偏向電極93に印加される偏向電圧は、偏向電圧発生器50における位相シフトを受けるので、電圧制御位相器42から出力された基準信号の位相に対して、さらに位相シフト量Δφ だけ遅れたものとなる。したがって、偏向電極93に印加される偏向電圧は、受光器22から出力されたトリガ信号に対して、
Δφ = Δφ + Δφ … (4)
で表される位相差Δφだけ遅れたものとなる。ここで、この位相シフト量Δφ は、偏向電圧発生器50における温度変化のために、一定値ではなくドリフトする量である。
【0048】
ストリーク管90の偏向電極93に印加された偏向電圧は、差動増幅器60により検出されて偏向電圧検出信号として出力され、この偏向電圧検出信号は、位相器62により所定量だけ位相シフトされた後、位相比較器72に入力し、位相器32から出力されたトリガ信号の位相と比較され、その位相差を示す差信号が出力される。この差信号は、ループフィルタ73により低周波数成分のみが濾波されて、電圧制御位相器42に入力する。そして、偏向電圧発生器50に入力する基準信号は、電圧制御位相器42により、差信号が所定値になるように位相シフトされて出力される。
【0049】
一方、試料23にパルスレーザ光が照射されて発生した蛍光は、光学系24を経てストリーク管90の光電変換面91に入射するが、その入射タイミングは、受光器22から出力されたトリガ信号に対して、光路長差に応じて位相差φ だけ位相遅れしたものとなる。そして、この蛍光が光電変換面91に入射して発生した電子ビームは、偏向電極93により偏向されて、蛍光面95にストリーク掃引されて、ストリーク像が得られる。
【0050】
ここで、受光器22から出力されるトリガ信号の位相を基準位相として、偏向電極93に印加される偏向電圧の位相差Δφが、ストリーク管90に入射する蛍光の位相遅れφ に対して所定値差になるよう、電圧制御位相器42により基準信号に加えられる位相シフト量Δφ が制御される。例えば、蛍光強度がピークとなった直後から蛍光のストリーク像を得るためには、偏向電極93に印加される偏向電圧の位相差Δφが、ストリーク管90に入射する蛍光の位相差φ と等しくなるように、すなわち、
Δφ = φ … (5)
となるように、電圧制御位相器42により基準信号の位相シフト量Δφ が制御される。また、蛍光強度がピークとなった時刻から位相差φd1後の蛍光のストリーク像を得るためには、偏向電圧の位相差Δφが、蛍光の位相差φ に対して、
Δφ = φ + φd1 … (6)
となるように、電圧制御位相器42により基準信号の位相シフト量Δφ が制御される。
【0051】
なお、パルスレーザ光が、レーザ光源11から一定周期で出力される場合には、上記(5)式および(6)式それぞれは、
Δφ = φ + 2nπ … (5a)
Δφ = φ + φd1 + 2nπ … (6a)
であってもよい。ただし、nは整数であり、πは円周率である。
【0052】
また、位相器61は、電圧制御位相器42による設定可能な基準信号の位相シフト量が一定範囲に限られる場合を考慮して設けられたものである。したがって、電圧制御位相器42による基準信号の位相シフト量の設定可能範囲が充分に広い場合には、位相器61は不要である。また、電圧制御位相器42は、常に上記(5)式または(5a)式を満たすように位相シフト量Δφ を制御し、位相器61は、上記位相差φd1を所定値に設定するために設けられてもよい。
【0053】
このような構成としたので、偏向電圧発生器50が数kVの偏向電圧を出力する際の発熱に起因して、偏向電圧発生器50に入力する基準信号に対して偏向電圧発生器50から出力される偏向電圧の位相シフト量Δφ がドリフトする場合であっても、電圧制御位相器42により位相シフト量Δφ が制御されて、受光器22から出力されたトリガ信号に対して偏向電圧発生器50から出力される偏向電圧の位相差Δφは一定に維持される。したがって、微弱な蛍光を多数回ストリーク掃引して積算してストリーク像を得る場合であっても、S/N比と時間分解能とに優れたストリーク像を得ることができる。また、掃引レンジを切り替えても直ちに安定したストリーク像を得ることができる。
【0054】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。図5は、第3の実施形態に係る光波形測定装置の構成図である。
【0055】
本実施形態に係る光波形測定装置は、第2の実施形態に係る光波形測定装置(図4)と比較すると、差動増幅器60を取り去り、ストリーク管90の偏向電極93の1対の平板電極の一方の電位を直接に位相器62に入力している点で異なる。
【0056】
前述の第1および第2の実施形態においては、差動増幅器60は、ストリーク管90の偏向電極93の1対の平板電極それぞれの電位を検出し、これらの電位の差を求め、これにより、偏向電極93の1対の平板電極の間に印加される偏向電圧を測定する平衡−不平衡出力変換器であった。これは、偏向電極93の1対の平板電極が互いに平衡状態であることに基づくものである。
【0057】
しかし、偏向電極93の1対の平板電極それぞれが不平衡状態である場合には、1対の平板電極それぞれの電位を検出する必要はない。すなわち、偏向電極93の1対の平板電極の双方の電位が、この1対の平板電極の間の電位差(偏向電圧)に同期したものである場合には、一方の平板電極の電位は、直ちに偏向電圧を表すものである。そこで、このような場合には、図5に示すように、差動増幅器を設けることなく、偏向電極93の1対の平板電極のうちの一方の平板電極の電位を直接に位相器62に入力すればよい。
【0058】
本実施形態に係る光波形測定装置の作用および効果は、偏向電極93に印加される偏向電圧が差動増幅器60を経ることなく直接に位相器62に入力する点を除いて、第2の実施形態の場合と同様である。
【0059】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。図6は、第4の実施形態に係る光波形測定装置の構成図である。
【0060】
本実施形態に係る光波形測定装置は、第2の実施形態に係る光波形測定装置(図4)と比較すると、レーザ光源12がモードロック周波数安定化器13とともに用いられる点、ハーフミラー21および受光器22が取り去られた点、および、モードロック周波数安定化器13から出力されるトリガ信号が位相器32に入力している点で異なる。
【0061】
モードロック周波数安定化器13は、一定周波数のトリガ信号を発振出力するものであり、レーザ光源12は、このモードロック周波数安定化器13から出力されたトリガ信号に同期して、パルスレーザ光を出力する。したがって、モードロック周波数安定化器13から出力されるトリガ信号は、前述の各実施形態において受光器22がレーザ光源11から出力されたパルスレーザ光を受光して出力するトリガ信号と同等のものである。
【0062】
そこで、本実施形態においては、位相器32は、このモードロック周波数安定化器13から出力されるトリガ信号を入力して、このトリガ信号を所定量だけ位相シフトして出力する。本実施形態に係る光波形測定装置の作用および効果は、第2の実施形態の場合と同様である。
【0063】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。図7は、第5の実施形態に係る光波形測定装置の構成図である。
【0064】
本実施形態に係る光波形測定装置は、第2の実施形態に係る光波形測定装置(図4)と比較すると、電圧制御位相器42に替えて電圧制御発振器43が設けられている点、位相器32から出力されたトリガ信号が位相比較器72にのみ入力している点、および、位相器62が取り去られた点で異なる。
【0065】
電圧制御発振器(偏向電圧制御手段)43は、ループフィルタ73から出力された差信号に基づいて、周波数および位相を調整して発振し、基準信号を出力するものである。すなわち、電圧制御発振器43は、ループフィルタ73から出力された差信号が所定周波数かつ所定位相差を表すものとなるよう、自ら発振出力する基準信号の周波数と位相とを調整する。電圧制御発振器43は、例えば水晶発振器であり、特にレーザ光源11からパルスレーザ光出力の繰り返し周波数が比較的安定している場合に好適に用いられる。この電圧制御発振器43から出力された基準信号は、偏向電圧発生器50に入力し、偏向電圧発生器50は、この基準信号に基づいて偏向電圧を出力する。したがって、電圧制御発振器43は位相器32から出力されたトリガ信号を入力することは不要であり、また、位相器62が不要となる。
【0066】
本実施形態に係る光波形測定装置の作用は、この電圧制御発振器43から発振出力される基準信号の周波数および位相が制御されることにより、ストリーク管90の偏向電極93に印加される偏向電圧の位相が一定に維持される点を除いて、第2の実施形態の場合と同様である。また、本実施形態に係る光波形測定装置は、第2の実施形態の場合と同様の効果の他、受光器を用いないので外来ノイズに強いという効果をも有する。
【0067】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、ストリーク管として、図8に示すような進行波型の偏向電極を備えたものであってもよい。これは、偏向電極93Aに偏向電圧が印加されると、その電位が電子ビームと同じ方向に略同じ速度で伝搬することを特徴とするものであって、電子ビームの偏向効率に優れたものである。偏向電極93Aの1対の平板電極それぞれの光電変換面91に近い側の端子96aおよび96bの間に偏向電圧を印加すると、その電位は、1対の平板電極それぞれを蛍光面95の側へ次第に伝搬していき、その電位の伝搬の速度は、電子ビームの速度と略一致する。この場合には、偏向電極93Aの1対の平板電極それぞれの蛍光面95に近い側の端子97aおよび97bの電位を差動増幅器60に入力すればよい。この進行波型ストリーク管90Aでは、偏向電極93Aに印加される偏向電圧と偏向電極93Aを通過する電子ビームとの間のタイミングあるいは位相がドリフトすると、蛍光面95に得られるストリーク像のS/N比と時間分解能に大きな影響を与えることになるが、本発明を適用することにより、S/N比と時間分解能とに優れたストリーク像を得ることができる。
【0068】
また、本発明に係る光波形測定装置の各構成要素の温度を一定に維持するため、温度制御手段を設けてもよい。例えば第2の実施形態に係る光波形測定装置(図4)において、位相器32、電圧制御位相器42、差動増幅器60、位相器62、位相比較器72およびループフィルタ73それぞれの温度を、空冷あるいはペルチエ素子等により一定に維持する。温度調整の対象は、これら全ての構成要素でなくても、これらの一部でもよい。特に、位相比較器72は、本発明に係る光波形測定装置において最も高安定性が要求されるものであるので、温度制御だけでなく、ノイズに対する対策も充分に考慮することが重要である。このようにすることにより、偏向電圧のドリフトは更に低減される。他の実施形態の場合においても同様である。
【0069】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したとおり本発明によれば、トリガ信号生成手段(受光器)により、ストリーク管の光電変換面に入射するパルス状の被測定光に同期したトリガ信号が出力される。一方、偏向電圧発生手段(偏向電圧発生器)により、ストリーク管の偏向電極に偏向電圧が印加されるとともに、偏向電圧検出手段(差動増幅器)により、その偏向電極に印加された偏向電圧が検出されて偏向電圧検出信号が出力される。そして、比較手段(遅延比較器、位相比較器)により、偏向電圧検出信号とトリガ信号との位相差または時間差が検出されて差信号が出力され、偏向電圧制御手段(電圧制御遅延回路、電圧制御位相器、電圧制御発振器)により、この差信号に基づいて、偏向電圧発生手段が出力する偏向電圧の位相または遅延を制御する基準信号が出力される。
【0070】
このような構成としたので、偏向電圧発生手段における発熱に起因して、この偏向電圧発生手段から出力される偏向電圧の位相または遅延がドリフトする場合であっても、ストリーク管の偏向電極に印加される偏向電圧の被測定光に対する位相または遅延は一定に維持される。したがって、微弱な蛍光を多数回ストリーク掃引して積算してストリーク像を得る場合であっても、S/N比と時間分解能とに優れたストリーク像を得ることができる。また、掃引レンジを切り替えても直ちに安定したストリーク像を得ることができる。
【0071】
また、偏向電圧検出手段が、偏向電極を構成する1対の平板電極それぞれの電位の差を検出する平衡−不平衡出力変換器である場合には、両者の電位の差をとることにより、偏向電極を構成する1対の平板電極の双方に重畳されるノイズが除去されるので、偏向電圧発生手段から出力される偏向電圧は更に安定したものとなり、更にS/N比と時間分解能とに優れたストリーク像を得ることができる。
【0072】
また、偏向電圧検出手段、比較手段もしくは偏向電圧制御手段またはこれらの任意の組合せを温度制御する温度制御手段を更に備える場合には、これらの温度が一定に維持されるので、この場合も、偏向電圧発生手段から出力される偏向電圧は更に安定したものとなり、更にS/N比と時間分解能とに優れたストリーク像を得ることができる。
【0073】
また、一般に、整合器と共振器とからなる偏向電圧発生手段を備えてシンクロスキャン掃引により高速光現象を測定する光波形測定装置では、偏向電圧発生手段から出力される偏向電圧の位相のドリフトがあった場合に、このドリフトがストリーク像のS/N比と時間分解能に与える影響は大きい。しかし、本発明を適用することにより、このような場合であってもS/N比と時間分解能とに優れたストリーク像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ストリーク管の構成図である。
【図2】第1の実施形態に係る光波形測定装置の構成図である。
【図3】第1の実施形態に係る光波形測定装置の作用説明図である。
【図4】第2の実施形態に係る光波形測定装置の構成図である。
【図5】第3の実施形態に係る光波形測定装置の構成図である。
【図6】第4の実施形態に係る光波形測定装置の構成図である。
【図7】第5の実施形態に係る光波形測定装置の構成図である。
【図8】進行波型ストリーク管の構成図である。
【図9】従来の光波形測定装置の構成図である。
【符号の説明】
11,12…レーザ光源、13…モードロック周波数安定化器、21…ハーフミラー、22…受光器、23…試料、24…光学系、31…遅延回路、32…位相器、41…電圧制御遅延回路、42…電圧制御位相器、43…電圧制御発振器、50…偏向電圧発生器、51…整合器、52…共振器、60…差動増幅器、61…遅延回路、62…位相器、71…遅延比較器、72…位相比較器、73…ループフィルタ、90…ストリーク管、91…光電変換面、92…加速電極、93…偏向電極、94…マイクロチャンネルプレート(MCP)、95…蛍光面。

Claims (7)

  1. 入射したパルス状の被測定光の強度に応じて電子ビームを出力する光電変換面と、前記電子ビームの進行方向と略垂直な方向に電界を形成して前記電子ビームを偏向させる偏向電極と、到達した前記電子ビームの強度に応じてストリーク像を出力する出力面と、を備えるストリーク管と、
    前記被測定光に同期したトリガ信号を出力するトリガ信号生成手段と、
    偏向電圧を発生し前記偏向電極に印加する偏向電圧発生手段と、
    前記偏向電極に印加された前記偏向電圧を検出し偏向電圧検出信号を出力する偏向電圧検出手段と、
    前記偏向電圧検出信号と前記トリガ信号との位相差または時間差を検出して差信号を出力する比較手段と、
    前記差信号に基づいて、前記偏向電圧発生手段が出力する前記偏向電圧の位相または遅延を制御する基準信号を出力する偏向電圧制御手段と、
    を備えることを特徴とする光波形測定装置。
  2. 前記偏向電圧制御手段は、前記差信号の低周波数成分を濾波するループフィルタを備え、この低周波数成分に基づいて前記基準信号を出力する、ことを特徴とする請求項1記載の光波形測定装置。
  3. 前記偏向電圧制御手段は、前記トリガ信号および前記差信号を入力し、前記差信号に基づいて前記トリガ信号の位相または遅延を調整して、その調整されたトリガ信号を前記基準信号として出力する、ことを特徴とする請求項1記載の光波形測定装置。
  4. 前記偏向電圧制御手段は、前記差信号に基づいて発振して前記基準信号を出力する、ことを特徴とする請求項1記載の光波形測定装置。
  5. 前記偏向電圧発生手段は、前記偏向電極とともに共振して前記偏向電圧を発生する共振器と、前記基準信号の電力を前記共振器に高効率に伝達する整合器と、を備えることを特徴とする請求項1記載の光波形測定装置。
  6. 前記偏向電圧検出手段は、前記偏向電極を構成する1対の平板電極それぞれの電位の差を検出する平衡−不平衡出力変換器である、ことを特徴とする請求項1記載の光波形測定装置。
  7. 前記偏向電圧検出手段、前記比較手段もしくは前記偏向電圧制御手段またはこれらの任意の組合せを温度制御する温度制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1記載の光波形測定装置。
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