JP3570539B2 - 光ファイバケーブル製造方法及び光ファイバケーブル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、長距離通信に適した通信用光ファイバケーブルの製造を行う光ファイバケーブル製造方法、及びその実施により製造される光ファイバケーブルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の光ファイバケーブルの技術分野では、光ファイバケーブル内に挿入する光ファイバの低損失化が重要であり、過去20年以上に亙り、主として石英系光ファイバの低損失化のための研究開発が続けられ、伝送光波長1.55[μm]において0.2[dB/km]程度の理論限界に相当する低損失光ファイバが実現されている。
【0003】
これは、従来では、信号を光ファイバにより遠隔地まで伝送するためには、光ファイバ中の光信号パワーが大きい程、伝送媒体である光ファイバが低損失である程、かつ受光器の感度が高いほど、伝送距離と伝送容量が拡大できるとされていたからである。
【0004】
従って、光ファイバケーブルの技術自体は、敷設時や運用時に光ファイバケーブルに加わる異常な張力、又は光ファイバケーブルの磨耗や電食等の自然劣化によって破断障害及び絶縁不良障害が発生しない材料の検討と、敷設時や運用時に光ファイバの伝送特性(主に伝送損失)が劣化しない構造の検討がなされているだけであった。
【0005】
しかし、近年の光増幅技術の進展により、伝送距離の大幅な改善は、光増幅器(エルビウム添加ファイバ増幅器)によって実現されている。具体的には、送信側では、送信側にある光源の後に設置した光増幅器(ポストアンプ)を用いて入力信号を光出力化できるとともに、受信側では、受光器の前に設置した光増幅器(プリアンプ)を用いることにより、最小受光レベルを従来よりも高感度化できるようになった。
【0006】
これによって、光ファイバの損失が従来と同等レベルでも、従来に比較すると伝送可能距離が飛躍的に拡大できるようになった。また、光増幅器を数十[km]〜100[km]程度離れた間隔で多数配置することで、大洋横断のような数千[km]以上の超長距離伝送が可能となった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この長距離大容量伝送の実現には光増幅技術の進展のみではなく、波長分散制限や光非線型現象による信号劣化を低減する伝送路構成技術の進展も不可欠な要素であった。
【0008】
つまり、光ケーブル中に挿入する光ファイバに対して、零分散波長の異なる光ファイバを厳選して、光ファイバケーブルの長手方向で波長分散値が管理された光ファイバケーブルを構成し、システム全体では信号波長で波長分散が小さくなるような設計がなされていた。このため、長距離大容量光ファイバケーブルの製造には、従来よりも時間と経費が必要になった。
【0009】
以上のように、現在までの長距離大容量光ファイバケーブルシステムは光増幅技術及び伝送路構成技術の進展により実現され、光ファイバケーブルの技術自体は機械特性や経年変化に対する安定性の進展が中心であり、伝送特性の直接的な寄与はしてこなかった。
【0010】
また、光ファイバケーブルの伝送路構成における光ファイバケーブルの製造時間の短縮、ケーブルコストの低下、並びに光ファイバの伝送特性の向上の要請がある。
【0011】
ここにおいて、本発明の解決すべき主要な目的は次の通りである。
【0012】
本発明の第1の目的は、従来の光ファイバケーブルで挿入する光ファイバの波長分散値を選択することによってのみ行われてきた伝送路構成を、光ファイバケーブルのケーブル化工程で行う光ファイバケーブル製造方法及び光ファイバケーブルを提供せんとするものである。
【0013】
本発明の第2の目的は、光ファイバケーブルの製造時間の短縮を図る光ファイバケーブル製造方法及び光ファイバケーブルを提供せんとするものである。
【0014】
本発明の第3の目的は、光ファイバケーブルの伝送路構成におけるケーブルコストの低下を図る光ファイバケーブル製造方法及び光ファイバケーブルを提供せんとするものである。
【0015】
本発明の第4の目的は、光ファイバの伝送特性の変化を行うことができる光ファイバケーブル製造方法及び光ファイバケーブルを提供せんとするものである。
【0016】
本発明のその他の目的は、明細書、図面、特に特許請求の範囲の各請求項の記載から自ずと明らかとなろう。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題の解決に当たり、ケーブル化工程において、光ファイバケーブル長手方向で意図的に外力を強制付与し、外力を受けた光ファイバは、与えられた外力の方向と種類と大きさにより、屈折率や導波路構造が変化するので、前記光ファイバの波長分散特性を所望の特性に調整設定させるには、与える外力の最適化が必要である。
【0018】
なお、従来の光ファイバケーブルでは、陸上用ケーブルの場合、ケーブル中にルーズに収納されているのが原則であり、その目的はケーブルを曲げたときに光ファイバに生じる外力の緩和にある。従って、陸上用ケーブルに外力を加えることは、陸上用ケーブルの目的に反するので、従来の陸上用ケーブルで外力を付与した例はなかった。
【0019】
また、海底用ケーブルではケーブル中の水走りを防止するため、光ファイバケーブル中の中心体と光ファイバが密着されており、構造としての応力の付与が可能であるが、しかし本発明のように意図的に応力を付与したり、又は応力を変化させて付与した例はない。
【0020】
本発明は、光ファイバケーブルの中心である中心体と、当該中心体に沿って周囲に配置され光信号の伝送媒体である光ファイバ心線と、当該光ファイバ心線を外包硬化する接着性樹脂と、からなる光ファイバ心線集合体を有する手段を講じることを特徴とし、当該光ファイバケーブルの製造において、前記光ファイバ心線に外力である軸引張荷重、曲げ応力を付与つつ前記接着性樹脂の外包硬化により外力を残留固定させて製造する、若しくは軸引張荷重の付与されていない光ファイバ心線集合体の光ファイバ心線へ軸引張荷重を付与して製造する手法を講じることを特徴とする。
【0021】
更に具体的詳細に述べると、当該課題の解決では、本発明が次に列挙する上位概念から下位概念に亙る新規な特徴的構成手段又は手法を採用することにより、前記目的を達成するよう為される。
【0022】
即ち、本発明方法の第1の特徴は、ケーブル化工程で光ファイバ心線に外力を付与残留させて、光ファイバケーブルを製造するに当り、まず、中心体を中心として、当該中心体の周囲に沿って配置される少なくとも1つの光ファイバ心線に外力を強制付与し、次いで、当該光ファイバ心線を前記中心体ともども埋蔵自在に一体に、接着力が強く硬化速度の速い少なくとも1つの接着性樹脂で外包硬化して前記外力を残留固定させた光ファイバ心線集合体を作成し、その後、当該光ファイバ心線集合体を用いて光ファイバケーブルを製造する光ファイバケーブル製造方法であって、前記光ファイバ心線への外力の強制付与は、外力の1つである曲げ応力の付与であり、前記光ファイバ集合体の作成は、前記中心体を巻きとったボビンを回転させて当該中心体を繰り出し、当該中心体周囲の前記光ファイバ心線を螺旋捲回するか、前記光ファイバ心線を巻きとったボビンが少なくとも1つ集まった集合機を回転させて前記光ファイバ心線を繰り出し、前記中心体周囲の前記光ファイバ心線を螺旋捲回するか、のうちの1つにより行い、前記光ファイバ心線は、石英系階段型分散シフト光ファイバであり、前記光ファイバ心線の螺旋捲回は、当該光ファイバ心線の曲率半径を約10[mm]〜37.5[mm]前後間中のいずれかの所要値に設定して、前記曲げ応力を付与しつつ行ってなる光ファイバケーブル製造方法の構成採用にある。
【0023】
本発明方法の第2の特徴は、上記本発明方法の第1の特徴における前記光ファイバ心線への外力の付与が、外力の1つである軸引張荷重の付与であり、前記光ファイバ心線集合体の作成における、前記接着性樹脂の外包硬化及び前記光ファイバ心線集合体の巻き取り速度を含む工程間速度を一定にして、前記光ファイバ心線を巻きとったボビンからの当該光ファイバ心線の繰り出し速度を単調増加、連続的、断続的のうちの少なくとも1つに設定することにより行ってなる光ファイバケーブル製造方法の構成採用にある。
【0024】
本発明方法の第3の特徴は、ケーブル化工程で光ファイバ心線に外力を付与残留させて、光ファイバケーブルを製造するに当り、まず、中心体を中心として、当該中心体の周囲に沿って配置される少なくとも1つの光ファイバ心線に外力を強制付与し、次いで、当該光ファイバ心線を前記中心体ともども埋蔵自在に一体に、接着力が強く硬化速度の速い少なくとも1つの接着性樹脂で外包硬化して、光ファイバ心線集合体を作成し、引続き、当該光ファイバ心線集合体に耐圧用の金属材料を被装圧着して、前記光ファイバ心線集合体に外力を強制付与し固定した光ファイバ心線集合体ユニットを作成し、その後、当該光ファイバ集合体ユニットを用いて光ファイバケーブルを製造する光ファイバケーブル製造方法であって、前記光ファイバ心線への外力の強制付与は、外力の1つである軸引張荷重の付与であり、前記接着性樹脂の外包は、前記接着性樹脂の外包量を単調増加、連続的、断続的のうちの少なくとも1つに設定して前記光ファイバ心線集合体の径を変化し、前記金属材料の被装圧着は、当該径の変化した光ファイバ心線集合体を一定の径となるよう、径方向に圧着することにより行ってなる光ファイバケーブル製造方法の構成採用にある。
【0025】
本発明方法の第4の特徴は、ケーブル化工程で光ファイバ心線に外力を付与残留させて、光ファイバケーブルを製造するに当り、まず、中心体を中心として、当該中心体の周囲に沿って配置される少なくとも1つの光ファイバ心線に外力を強制付与し、次いで、当該光ファイバ心線を前記中心体ともども埋蔵自在に一体に、接着力が強く硬化速度の速い少なくとも1つの接着性樹脂で外包硬化して、光ファイバ心線集合体を作成し、引続き、当該光ファイバ心線集合体に耐圧用の金属材料を被装圧着して、前記光ファイバ心線集合体に外力を強制付与し固定した光ファイバ心線集合体ユニットを作成し、その後、当該光ファイバ集合体ユニットを用いて光ファイバケーブルを製造する光ファイバケーブル製造方法であって、前記光ファイバ心線への外力の強制付与は、外力の1つである曲げ応力の付与であり、前記光ファイバ集合体の作成は、前記中心体を巻きとったボビンを回転させて当該中心体を繰り出し、当該中心体周囲の前記光ファイバ心線を螺旋捲回するか、前記光ファイバ心線を巻きとったボビンが少なくとも1つ集まった集合機を回転させて前記光ファイバ心線を繰り出し、前記中心体周囲の前記光ファイバ心線を螺旋捲回するか、のうちの1つにより行い、前記光ファイバ心線は、石英系階段型分散シフト光ファイバであり、前記光ファイバ心線の螺旋捲回は、当該光ファイバ心線の曲率半径を約10[mm]〜37.5[mm]前後間中のいずれかの所要値に設定して、前記曲げ応力を付与しつつ行ってなる光ファイバケーブル製造方法の構成採用にある。
【0026】
本発明方法の第5の特徴は、上記本発明方法の第3又は第4の特徴における前記光ファイバ心線への外力の強制付与が、外力の1つである軸引張荷重の付与であり、前記光ファイバ心線集合体ユニットの作成に当り、前記金属材料の被装圧着及び前記光ファイバ心線集合体ユニットの巻き取り速度を含める工程間速度を一定にして、前記光ファイバ心線集合体を巻きとったボビンからの当該光ファイバ心線集合体の繰り出し速度を単調増加、連続的、断続的のうちの少なくとも1つに設定することにより行ってなる光ファイバケーブル製造方法の構成採用にある。
【0027】
本発明方法の第6の特徴は、上記本発明方法の第4の特徴における前記光ファイバ心線集合体への外力の強制付与が、外力の1つである軸引張荷重の付与であり、前記光ファイバ心線集合体ユニットの作成は、前記金属材料の被装圧着及び前記光ファイバ心線集合体ユニットの巻き取り速度を含める工程間速度を一定にして、前記光ファイバ心線集合体を巻きとったボビンからの当該光ファイバ心線集合体の繰り出し速度を単調増加、連続的、断続的のうちの少なくとも1つに設定することにより行い、前記接着性樹脂の外包は、前記接着性樹脂の外包量を単調増加、連続的、断続的のうちの少なくとも1つに設定して前記光ファイバ心線集合体の径を変化し、前記金属材料の被装圧着は、当該径の変化した光ファイバ心線集合体を一定の径となるよう、径方向に圧着することにより行ってなる光ファイバケーブル製造方法の構成採用にある。
【0028】
本発明装置の第1の特徴は、ケーブル化工程で光ファイバ心線に外力を付与残留させた、光ファイバケーブルであって、光ファイバケーブルの中心となる中心体と、外力が強制付与されるとともに当該中心体に沿って周囲に配置されかつ光信号の伝送媒体である少なくとも1つの光ファイバ心線と、当該光ファイバ心線を前記中心体ともども埋蔵自在な一体の外包硬化により前記付与外力を残留固定した接着力が強く硬化速度の速い少なくとも1つの接着性樹脂とで形成される光ファイバ心線集合体と、からなり、当該光ファイバ心線集合体は、前記中心体を中心とした螺旋状に捲回された前記光ファイバ心線により、外力の1つである曲げ応力が前記光ファイバ心線に付与残留されている構造であり、前記光ファイバ心線は、前記石英系階段型分散シフト光ファイバであり、前記螺旋状に捲回された前記光ファイバ心線の曲率半径は、約10[mm]〜37.5[mm]前後間中のいずれか所要値を呈する光ファイバケーブルの構成採用にある。
【0029】
本発明装置の第2の特徴は、上記本発明装置の第1の特徴における前記光ファイバ心線が、ケーブル化工程の前記光ファイバ心線の繰り出し速度の変化により、繰り出し長手方向に単調増加、連続的、断続的のうちの少なくとも1つの状態に、外力のうちの1つである軸引張荷重が前記光ファイバ心線に付与残留されている構造である光ファイバケーブルの構成採用にある。
【0030】
本発明装置の第3の特徴は、ケーブル化工程で光ファイバ心線に外力を強制付与残留させた、光ファイバケーブルであって、前記光ファイバケーブルの中心となる中心体と、外力が強制付与されるとともに当該中心体に沿って周囲に配置されかつ光信号の伝送媒体である少なくとも1つの光ファイバ心線と、当該光ファイバ心線を前記中心体ともども埋蔵自在な一体の外包硬化する接着力が強く硬化速度の速い少なくとも1つの接着性樹脂と、で形成される光ファイバ心線集合体と、当該光ファイバ心線集合体に沿って被装圧着された金属材料と、で構成する光ファイバ心線集合体ユニットと、からなり、当該光ファイバ心線集合体は、前記金属材料圧着前の前記接着性樹脂の外包量に応じて径の大きさが変化した、当該光ファイバ心線集合体への、径方向の圧着により、繰り出し長手方向に単調増加、連続的、断続的のうちの少なくとも1つの状態に、外力のうちの1つである軸引張荷重が前記光ファイバ心線に付与残留されて、一定の径を有する構造である光ファイバケーブルの構成採用にある。
【0031】
本発明装置の第4の特徴は、ケーブル化工程で光ファイバ心線に外力を強制付与残留させた、光ファイバケーブルであって、前記光ファイバケーブルの中心となる中心体と、外力が強制付与されるとともに当該中心体に沿って周囲に配置されかつ光信号の伝送媒体である少なくとも1つの光ファイバ心線と、当該光ファイバ心線を前記中心体ともども埋蔵自在な一体の外包硬化する接着力が強く硬化速度の速い少なくとも1つの接着性樹脂と、で形成される光ファイバ心線集合体と、当該光ファイバ心線集合体に沿って被装圧着された金属材料と、で構成する光ファイバ心線集合体ユニットと、からなり、当該光ファイバ心線集合体は、前記中心体を中心とした螺旋状に捲回された前記光ファイバ心線により、外力の1つである曲げ応力が前記光ファイバ心線に付与残留されている構造であり、前記光ファイバ心線は、前記石英系階段型分散シフト光ファイバであり、前記螺旋状に捲回された前記光ファイバ心線の曲率半径は、約10[mm]〜37.5[mm]前後間中のいずれか所要値を呈する光ファイバケーブルの構成採用にある。
【0032】
本発明装置の第5の特徴は、上記本発明装置の第3または4の特徴における前記光ファイバ心線が、ケーブル化工程の前記光ファイバ心線集合体の繰り出し速度の変化により、繰り出し長手方向に単調増加、連続的、断続的のうちの少なくとも1つの状態に、外力のうちの1つである軸引張荷重が前記光ファイバ心線に付与残留されている構造である光ファイバケーブルの構成採用にある。
【0033】
本発明装置の第6の特徴は、上記本発明装置の第4の特徴における前記光ファイバ心線が、ケーブル化工程の前記光ファイバ心線集合体の繰り出し速度の変化により、繰り出し長手方向に単調増加、連続的、断続的のうちの少なくとも1つの状態に、外力のうちの1つである軸引張荷重が前記光ファイバ心線に付与残留されている構造であり、前記光ファイバ心線集合体は、前記金属材料圧着前の前記接着性樹脂の外包量に応じて径の大きさが変化した、前記光ファイバ心線集合体への、径方向の圧着により、繰り出し長手方向に単調増加、連続的、断続的のうちの少なくとも1つの状態に、外力のうちの1つである軸引張荷重が前記光ファイバ心線に付与残留されて、一定の径を有する構造である光ファイバケーブルの構成採用にある。
【0034】
本発明装置の第7の特徴は、上記本発明装置の第1、第2、第3、第4、第5又は第6の特徴における前記中心体が、前記光ファイバ心線に曲げ応力の付与を誘導する前記螺旋状の溝を有する光ファイバケーブルの構成採用にある。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態である方法例及びこれに対応するケーブル例につき順に説明する。
【0036】
(方法例1)
本方法例を図1を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態である光ファイバ心線集合体の製造方法の説明図である。
【0037】
本方法例は、光ファイバ心線に外力である軸引張荷重及び曲げ応力を強制付与して残留固定し、光ファイバケーブルを製造する方法例である。
【0038】
先ず、ボビン1aから繰り出された中心体2aの周囲に、撚り合せ機構を有する集合機3aを用いて、集合機3a中のボビン4aに巻き取られている光ファイバ心線5aを集合しつつ、樹脂サプライ6aから供給される接着性樹脂7aを充填した接着室8aを通して、接着性樹脂7aで外包埋蔵する中心体2a及び光ファイバ心線5aを硬化装置9aにおいて一体硬化して光ファイバ心線集合体10aを生成し、巻き取り機11aにて巻き取る。
【0039】
光ファイバ心線集合体10aは、更に、給電用の金属、耐圧用の金属、コーティング等の後処理工程を経て光ファイバケーブルに製造される。しかし、光ファイバ心線集合体10aの後の工程には特に限定されない。
【0040】
以上の工程において、接着室8aでの接着性樹脂7aの外包、硬化装置9aでの接着性樹脂7aの硬化、巻き取り機11aでの光ファイバ心線集合体10aの巻き取り速度、を含む工程間速度を変えないで、光ファイバ心線5aを巻き取ったボビン4aの繰り出し速度を遅くすることで、光ファイバ心線5aに外力である軸引張荷重による伸び歪みを生じさせる。伸び歪みが、光ファイバ心線集合体10a中の光ファイバ心線5aに残留固定するように、接着性樹脂7aの硬化時間は、光ファイバ伸び歪みの変動周期よりも短い必要がある。
【0041】
接着性樹脂7aは、速やかな硬化が可能な樹脂がよく、例としてはウレタン系、エポキシ系、シリコン系の紫外線硬化樹脂を用いる。この場合には、硬化装置9aとして、紫外線硬化ランプを用いる。他にも、速やかな硬化が可能ならば、熱硬化若しくは熱可塑性樹脂でもよい。
【0042】
なお、樹脂サプライ6a及び硬化装置9aは1系統に限定するものではなく。2系統以上タンデムに設置すれば、例えば、中心体2aとして鋼線を用い、ヤング率1[kg/mm]以下の軟質樹脂の接着性樹脂7aにて光ファイバ心線5aを6〜12心線内蔵埋め込み、その周囲にヤング率30〜70[kg/mm]の硬化樹脂の接着性樹脂7aを被覆して外径3[mm]程度の光ファイバ心線集合体10aを構成できる。
【0043】
中心体2aとしては、光ファイバ心線5aに比べて伸び剛性が圧倒的に大きいものを用いる必要がある。例えば、外径0.2〜1[mm]程度の鋼線に樹脂を被覆したものや、表面の長手方向に螺旋状に溝(スロットとも呼ぶ)を施した外径5〜10[mm]程度のポリエチレンロッド等でもよい。
【0044】
また、光ファイバ心線5aとしては、光ファイバの周囲に2層の紫外線硬化樹脂を被覆して、外径0.2〜1[mm]程度とした単心線でもよいし、これらを2〜12心線程度に整列並行配置し、樹脂で一体化したリボン形心線等でもよい。
【0045】
誘起される伸び歪み量は、前記工程間速度と、ボビン4aでの光ファイバ心線5aの繰り出し速度との比により決まり、例えば繰り出し速度が10[%]遅いときには、10[%]の伸び歪みを光ファイバ心線5aに付与することができる。
【0046】
また、外力の1つである曲げ応力を光ファイバ心線集合体10aのファイバに残留させるため、集合機3a、又は中心体2aを巻き取ったボビン1aを図中矢印方向に回転させる。回転速度は、中心体2aの繰り出し速度との関係で螺旋状に中心体2aに巻きつけられる光ファイバ心線5aの螺旋の曲率が、例えば、70程度以下になるように中心体2aの繰り出し速度と併せて調整する必要がある。
【0047】
なお、接着性樹脂7aの接着力が弱ければ、光ファイバ心線5aが繰り出し長手方向に移動することによって、外力である軸引張荷重及び曲げ応力が平均化されてしまうので、軸引張荷重及び曲げ応力を付与した効果を十分発揮することができない。
【0048】
ここで、参考のために図2を参照して螺旋曲率に用いる式を説明する。図2は、螺旋構造の説明図である。
【0049】
図2に示すように柱面の母線が軸OZに平行であるとき、XY平面上にある底面円周上の弧の長さを、この曲線と軸OXの正の部分との交点Pから、一定の方向に測るものとする。この曲線上に弧PNをとりその長さをLとし、線分NMを軸OZに平行に引き、その長さをkLに等しくとる。ここで、kはある定まった比例係数である。
【0050】
このとき、M点における曲率半径ρは次式で表すことができる。
ρ=(1+k)・R
ここで、Rは底面の曲率半径を示す。曲率は曲率半径の逆数(1/ρ)として算出することができる。
【0051】
よって、本方法例により光ファイバ心線5aに軸引張荷重、曲げ応力の外力を強制付与して残留固定して光ファイバ心線集合体10aをつくり、光ファイバ心線集合体10aを用いて光ファイバケーブルを製造することができる。
【0052】
(ケーブル例1)
本ケーブル例は方法例1により製造される光ファイバケーブル例であり、本ケーブル例を方法例1と同じく図1及び図2と、他に図3、図4、図5、図6、図7、図8、図9、図10及び図11を参照して、説明する。
【0053】
図3は、本ケーブル例における光ファイバ心線集合体の説明図であり、(a)は、光ファイバ心線集合体の断面図であり、(b)は、曲げ応力を付与した場合の光ファイバ心線1本における光ファイバ心線集合体の側面内部状態図であり、(c)は、軸引張荷重を付与した場合の光ファイバ心線集合体の側面内部状態図である。
【0054】
図3を参照して、光ファイバ心線集合体10aは、光ファイバケーブルの中心である中心体2aと、中心体2aの外周に沿って中心体2aの周囲に等間隔並行配置されて光信号の伝送媒体である光ファイバ心線5a群とを、外力である軸引張荷重、曲げ応力を付与した光ファイバ心線5a群を埋蔵自在に当該外力を残留固定する接着性樹脂7aで一体外包する構造である。外力が曲げ応力の場合は図3(b)のような構造となり、外力が軸引張荷重の場合は図3(c)のような構造となる。図3(b)は、分かり易いように光ファイバ心線5aを一本だけ表示している。
【0055】
なお、図3は、光ファイバ心線5a群は単心線4本で構成されてるが、この構造及び数に限られるものではない。また、方法例1で述べたように、光ファイバ心線集合体10aは、更に、給電用の金属、耐圧用の金属、コーティング等を経て光ファイバケーブルに製造される。また、方法例1で述べたように中心体2aに螺旋状の溝をつけて、光ファイバ心線5aを溝に嵌める構造とし、光ファイバ心線5aへの曲げ応力の付与を誘導させてもよい。
【0056】
以下、本ケーブル例の実験データを説明する。図4は、本ケーブル例の光ファイバ心線5aの光信号の伝搬速度と伸び歪み(軸引張荷重)の関係を示す図である。光ファイバ心線5aは石英系階段型分散シフト光ファイバの単心線を用い、伝送光の波長は1550[nm]である。
【0057】
ここで、伝搬速度Vは、同一の光ファイバ心線5に軸引張荷重のみを可変させて測定した光路長により算出した。伝搬速度Vの算出の式は次式となる。
V=(C/n)・(L−L)/L
また、軸引張荷重は測定した光ファイバ心線5の伸び量Lを用いて、伸び歪み量Sを次式により算出する。
S=L/L
【0058】
ここで、Cは光速度、nは光ファイバ心線5の屈折率を各々示し、L,L,Lは順に、軸引張荷重無しで測定した光路長、軸引張荷重を付与して測定した光路長、軸引張荷重により伸びた光ファイバ心線5の変化量をそれぞれ示す。光ファイバ心線5aの伸び量Lはデジタルマイクロメータにより精密に測定された。このとき、温度による変化を取り除くために、0.1[℃]以下の温度変化で実験を行った。
【0059】
図4から、光ファイバ心線5aは軸引張荷重に比例して伝搬速度Vが遅くなることが分かる。このときの伝搬速度Vの変化率は、−172.4[ns/m/%歪み]であった。一般的に、光ファイバの伸び歪みは、1[kg]の軸引張荷重により1[%]程度誘起されることが知られていることにより、上記の伝搬速度Vの変化率は、約−172.4[ns/m/kg重]と推定できる。
【0060】
図5は、図4の実験における波長と波長分散の相関関係を示した図であり、図6は、図4の実験における零分散波長と伸び歪み(軸引張荷重)の相関関係を示した図である。図5及び図6はいずれも図4の実験のデータを示すグラフである。
【0061】
図5から、軸引張荷重の付与に比例して、どの波長に対しても分散値が負の方向に変化していることが分かる。同様に、図6では、軸引張荷重の付与に比例して、零分散波長が長波長側にシフトしているのが分かる。このときの変化の比例係数は、近似的に+2.26[nm/%歪み]であることが分かった。
【0062】
以上の結果より、光ファイバ心線5aに軸引張荷重を付与すると、光信号の伝搬速度Vが遅くなり、波長分散及び零分散波長が変化することが分かった。この原因は、光ファイバの屈折率に複屈折が加わったためであると推定する。
【0063】
上述の軸引張荷重の応力付与による波長分散の変化を利用して、長手方向で波長分散制御を行った本ケーブル例の光ファイバ心線5aの一例を図7、図8及び図9に示す(波長1550[nm])。
【0064】
図7は、光ファイバ心線5aに単調増加する軸引張荷重を付与する場合における、長手方向の光ファイバ心線長と、伸び歪み又は波長分散との相関関係を示した図であり、図8は、同じく光ファイバ心線5aに連続的に変化する軸引張荷重を付与する場合における、長手方向の光ファイバ心線長と、伸び歪み又は波長分散との相関関係を示した図であり、図9は、同じく光ファイバ心線5aに断続的に変化する軸引張荷重を付与する場合における、長手方向の光ファイバ心線長と、伸び歪み又は波長分散との相関関係を示した図である。
【0065】
ここで、使用した光ファイバ心線5aの波長分散は、外力を加えない状態で測定した値が0[ps/nm/km]であり、波長分散スロープが0.15[ps/nm/km]であった。
【0066】
図7から、光ファイバ心線5aの長手方向に付与した軸引張荷重が単調増加する、つまり伸び歪みが単調増加するのに対して、波長分散値は光ファイバ心線5aの長手方向で単調減少し、2[%]の伸び歪みが誘起される軸引張荷重付与により、0から−0.7[ps/nm/km]まで変化した。
【0067】
図8から、光ファイバ心線5aの長手方向に付与した軸引張荷重が連続的に増減する、つまり伸び歪みが連続的に増減するのに対して、波長分散値は光ファイバ心線5aの長手方向で逆に減増し、最大2[%]の伸び歪みが誘起される軸引張荷重付与により、−0.7[ps/nm/km]まで変化し、軸引張荷重の付与を小さくすることで再び波長分散値が増加した。
【0068】
図9から、光ファイバ心線5aの長手方向に付与した軸引張荷重が断続的に増減する、つまり伸び歪みが断続的に増減するのに対して、波長分散値は光ファイバ心線5aの長手方向で、軸引張荷重を付与した部分のみ、波長分散値を変えることができた。
【0069】
次に、図10及び図11を参照して、光ファイバ心線5aに強制付与する外力が、軸引張荷重でなく、曲げ応力の場合を説明する。図10は、本ケーブル例の光ファイバ心線5aの曲率と群遅延時間と波長との相関関係を示す図である。曲げ応力を曲率で表しており、従って曲率が大きい程曲げ応力が大きいことを示す。
【0070】
図10から、曲げ応力の増加にともない、群遅延時間特性は変化し、特に群遅延時間特性曲線の底の部分(零分散波長は1550[nm])は、曲率が70[1/m]程度までは応力の増加に伴い平坦な領域が拡大し、曲率がそれ以上になると曲げ応力が強くなり過ぎて、平坦度が悪くなっていくことが分かる。
【0071】
この群遅延時間特性曲線の底の平坦部分は、曲率が26.7〜100[1/m]の部分で見られ、これは曲率半径に直すと10〜37.5[mm]にあたる。また、群速度遅延時間特性曲線のカーブは、波長分散スロープを示すものであり、底部の平坦化は、波長分散スロープの平坦化を示している。
【0072】
図11は、波長分散スロープが平坦化した場合の群遅延時間と波長の相関関係を示す図である。なお、図11の破線は、比較のため同種の光ファイバ心線(零分散波長は1554[nm]、曲率7.14[1/m])の群遅延時間特性を示した。
【0073】
図11において、波長分散スロープが平坦化した場合の曲率は66.7[1/m]である。曲げ応力を強制付与した光ファイバ心線5aは、波長1546〜1560[nm]にわたって、約15[nm]の群遅延時間の平坦化(波長分散スロープ平坦化)が実現できた。以上により、曲げ応力について曲率が特に70[1/m]以下であれば、光ファイバ心線10aの波長分散スロープを低減できることが分かった。
【0074】
以上により、群遅延時間特性曲線の底が平坦だということは、平坦部分の異なる波長同士で遅延時間の差が無いことであるから、伝送帯域の拡大を図ることができる。よって、この群遅延時間特性曲線の底の平坦部分が、曲率が26.7〜100[1/m](特に曲率が70以下の部分)、これは曲率半径10〜37.5[mm]にあたり、この範囲で曲げ応力を加えるように光ファイバ心線集合体10aをつくり、光ファイバケーブルを製造すれば、伝送特性を向上すべく、光ファイバ心線の波長分散スロープをケーブル化工程で低減することができるので、分散制限を緩和して伝送帯域の拡大が実現できる。
【0075】
以上に関して、光ファイバ心線5aとして石英系階段型分散シフト光ファイバの単心線を用いた場合であり、石英系でなくフッ化物系等の他の材料、また階段型でなくセグメント型等の他の導波構造の光ファイバを用いた場合には、上記の曲率半径10〜37.5[mm]等の数値は当然変わってくる。
【0076】
(方法例2)
本方法例を図12を参照して説明する。
図12は、本発明の一実施形態である光ファイバ心線集合体ユニットの製造方法の説明図である。また、方法例1と同様の部分の説明は、重複を避けるために省略する。
【0077】
本方法例と方法例1との違いの1つは、接着性樹脂を充填した接着室8b1,8b2,…の数を工程間で変えることにより、光ファイバ心線集合体10bの太さを変化させることである。
【0078】
図12の左側には、図1における、ボビン1a、中心体2a、集合機3a、ボビン4a群、光ファイバ心線5a群と同様のボビン、中心体、集合機、ボビン群、光ファイバ心線群があるが、省略されている。これに関して、外力の曲げ応力は、方法例1と同様にして付与してもよいものとするが、外力の軸引張荷重については、以下に説明する工程で付与することになる。
【0079】
よって、樹脂サプライ6bにより、接着性樹脂7b1,7b2,…を接着室8b1,8b2,…で多段接着し、硬化装置9bで接着性樹脂7b1,7b2,…を硬化させて、太さの異なる光ファイバ心線集合体10bをボビン11bで巻き取る。ボビン11bで巻きとった光ファイバ心線集合体10bは、光ファイバ心線集合体10aと異なり、軸引張荷重が付与されていないものである。
【0080】
ボビン12に巻かれている、耐圧層である金属材料13を金属材料装着装置14により、光ファイバ心線集合体10bに被覆して、金属材料密着固定装置15で一定の太さまで圧着により圧縮して金属材料13を密着する際に、光ファイバ心線集合体10bの太さに応じた軸引張荷重の伸び歪みを加えることになり、一定の径太さの光ファイバ心線集合体ユニット16として巻き取り機17で巻き取る。
【0081】
ここで、注意するのは、ボビン11bで光ファイバ心線集合体10bを巻き取るまでの工程と、ボビン11bで光ファイバ心線集合体10bを繰り出す工程とは、別である。
【0082】
なお、耐圧層である金属材料13を装着する金属材料装着装置14は、必要に応じて複数とする。具体例としては、光ファイバ心線集合体10bに三割鉄箇片を縱沿えし、抗張力鋼線を集合した周囲に銅テープを縦添えして金属材料装着装置14に相当する溶接機を通過後に、その外形を金属材料密着固定装置15で圧着して、光ファイバ心線集合体ユニット16を巻き取り機17で巻き取る。
【0083】
光ファイバ心線集合体ユニット16は、更に、給電用の金属、コーティング等を経て光ファイバケーブルに製造されるが、光ファイバ心線集合体ユニット16の後の工程には特に限定されない。
【0084】
ここで、軸引張荷重の伸び歪みは、光ファイバ心線集合体10bに垂直荷重が加わった時に、その方向と垂直な方向にも長さの変化を生じることにより、径方向の荷重から長手方向の軸引張荷重を付与することができる。このときの軸引張荷重の応力は、紫外線硬化樹脂等の接着性樹脂7b1,7b2,…のポアソン比によって決まり、一般的に全ての材料でポアソン比は0.5よりも小さくなることが知られている。例えば、紫外線硬化樹脂のポアソン比が0.5の場合には、光ファイバ心線集合体10bの太さを2[%]だけ圧縮すると、伸び歪み量は1[%]となる。
【0085】
また、接着性樹脂7b1,7b2,…を充填した接着室8b1,8b2,…の数を工程間で変えなくても、金属材料13の圧着工程における、金属材料装着装置14での金属材料13の接着、金属材料密着固定装置15での金属材料13の圧着、巻き取り機17での光ファイバ集合体ユニット16の巻き取り速度、を含む工程間速度を一定に維持しながら、ボビン11bにおける光ファイバ心線集合体10bの繰り出し速度を単調減少、連続的又は断続的に変化させることによっても外力の残留した光ファイバ心線集合体ユニット16を製造することが可能である。
【0086】
これは、前述したように光ファイバ心線集合体10bの巻き取りと、繰り出しは別工程であるので、ボビン11bの巻き取り速度に関係無く、繰り出し速度を調整することができることによる。
【0087】
よって、金属材料密着固定装置13の圧着による軸引張荷重の付与、光ファイバ心線集合体10bの繰り出し速度の変化による軸引張荷重の付与はともに、ケーブル例1で述べたような、単調増加、連続的、断続的に軸引張荷重を、光ファイバ心線集合体10b中の光ファイバ心線5bに付与することができる。
【0088】
方法例1、2ともに、従来技術では光ファイバの波長分散値を選択することによってのみ行われてきた伝送路構成を、光ファイバケーブルのケーブル化工程で行うことができるので、光ファイバ選択の工程が減ることにより、製造時間が短縮でき、かつ光ファイバを選ばないのでケーブルコストを下げることができる。
【0089】
(ケーブル例2)
本ケーブル例は方法例2により製造される光ファイバケーブル例であり、本ケーブル例を方法例2と同じく図12と、他に図13を参照して説明する。
【0090】
図13は、本ケーブル例における光ファイバ心線集合体ユニットの説明図であり、(a)は、金属材料圧着前の光ファイバ心線集合体の断面図であり、(b)は、金属材料圧着前の光ファイバ心線集合体の側面内部状態図であり、(c)は、金属材料圧着後の光ファイバ心線集合体ユニットの断面図であり、(d)は、金属材料圧着後の光ファイバ心線集合体ユニットの側面内部状態図である。
【0091】
本ケーブル例は、外力の軸引張荷重の付与の構造がケーブル例1と異なり、ケーブル例1と同様の部分の説明は重複を避けるために省略する。図13(a)、(b)を参照して、光ファイバ心線集合体10bは、光ファイバケーブルの中心である中心体2bと、中心体2bに沿って中心体2b外周の周囲に等間隔配置されて光信号の伝送媒体である光ファイバ心線5b群とを、光ファイバ心線5b群を埋蔵自在に当該外力を残留固定する接着性樹脂7b1により一体外包するとともに、接着性樹脂7b1の外側の接着性樹脂7b2を段有する構造である。
【0092】
光ファイバ心線集合体10bの太さは、接着性樹脂7b1の上からの接着性樹脂7b2の付与によって太い部分が構成される。
【0093】
なお、図13は、光ファイバ心線5b群は単心線4本で構成されてるが、この構造及び数に限られるものではなく、また、接着性樹脂7b1,7b2,…の種類、数も特に必要に応じて変えてもよく、例えば、複数の違う層を形成してもよい。
【0094】
図13(c)、(d)を参照して、光ファイバ心線集合体ユニット16は、ファイバ心線集合体10bと、光ファイバ心線集合体10bに被装・圧着された耐圧性の金属材料13とを有する。
【0095】
ファイバ心線集合体10bの接着性樹脂7b1,7b2の太い部分も、接着性樹脂7b1の細い部分も、圧着により一定の太さに構成されているものであり、光ファイバ心線集合体10bの各太さに応じた外力である軸引張荷重が光ファイバ心線5bに強制付与され、残留固定する構造となり、単調増加、連続的、断続的に軸引張荷重が付与され、波長分散値の変化が得られる。また、曲げ応力を付与した場合は、波長分散スロープの低減が得られる。
【0096】
また、方法例2で述べたように、光ファイバ心線集合体ユニット16は、更に、給電用の金属、コーティング等を経て光ファイバケーブルに製造される。光ファイバ心線集合体ユニット16をケーブル化した構造としては、例えば、これらのユニットにポリエチレン外被を施したり、金属材料13と外被とがずれるのを防ぐアルミニウムテープの薄膜を有するLAPシース(ラミネートアルミニウムプラスチックシース)を施す構造等が考えられる。また、海底光ケーブルの場合には鋼線と金属管を一体構造とした耐圧管中に収容する構造等が考えられる。
【0097】
なお、本ケーブル例は、金属材料13は、圧着をする外被構造のため、光ファイバケーブルの耐圧用の金属材料を用いるが、もちろんこの耐圧用の金属材料13に耐圧だけでなく導電の用途を兼ねるようにしてもよい。
【0098】
方法例1、2、ケーブル例1、2ともに、光ファイバケーブル構造及びその製造方法は大変簡単なものであり、従来の製造設備を流用して製造できるので、経済性が高く、実用性が極めて大きい。
【0099】
以上、本発明の実施の形態につき説明したが、本発明は、必ずしも上述した手段及び手法にのみ限定されるものではなく、本発明にいう目的を達成し、本発明にいう効果を有する範囲内において、適宜に変更実施することが可能なものである。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、従来技術では光ファイバの波長分散値を選択することによってのみ行われてきた伝送路構成を、光ファイバケーブルのケーブル化工程で行うことができ、光ファイバ選択の工程が減ることにより、製造時間が短縮でき、かつ光ファイバを選ばないのでケーブルコストを下げることができる。
【0101】
また、光ファイバ心線への外力の強制付与が、軸引張荷重の付与の場合は、波長分散値の変化を図ることができ、曲げ応力の付与の場合は、群遅延速度の平坦化による波長分散スロープの低減を図ることができ、伝送特性の変化を図ることができる。また、光ファイバケーブル構造及びその製造方法は大変簡単なものであり、従来の製造設備を流用して製造できるので、経済性が高く、実用性が極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である光ファイバ心線集合体の製造方法の説明図である。
【図2】同上により製作される螺旋捲回の説明図である。
【図3】本発明の一実施形態であるケーブル例による光ファイバ心線集合体の説明図であり、(a)は、光ファイバ心線集合体の断面図であり、(b)は、曲げ応力を付与した場合の光ファイバ心線1本における光ファイバ心線の側面内部状態図であり、(c)は、軸引張荷重を付与した場合の光ファイバ心線集合体の側面内部状態図である。
【図4】同上における、光ファイバ心線の光信号の伝搬速度と伸び歪み(軸引張荷重)の相関関係を示す図である。
【図5】同上の実験における波長と波長分散の相関関係を示した図である。
【図6】図4の実験における零分散波長と伸び歪み(軸引張荷重)の相関関係を示した図である。
【図7】光ファイバ心線に単調増加する軸引張荷重を付与する場合における、長手方向の光ファイバ心線長と、伸び歪み又は波長分散との相関関係を示した図である。
【図8】光ファイバ心線に連続的に変化する軸引張荷重を付与する場合における、長手方向の光ファイバ心線長と、伸び歪み又は波長分散との相関関係を示した図である。
【図9】光ファイバ心線に断続的に変化する軸引張荷重を付与する場合における、長手方向の光ファイバ心線長と、伸び歪み又は波長分散との相関関係を示した図である。
【図10】光ファイバ心線の曲率と群遅延時間と波長との相関関係を示す図である。
【図11】波長分散スロープが平坦化した場合の群遅延時間と波長の相関関係を示す図である。
【図12】本発明の他の実施形態である光ファイバ心線集合体ユニットの製造方法の説明図である。
【図13】本発明の他の実施形態であるケーブル例による光ファイバ心線集合体ユニットの説明図であり、(a)は、金属材料圧着前の光ファイバ心線集合体の断面図であり、(b)は、金属材料圧着前の光ファイバ心線集合体の側面内部状態図であり、(c)は、金属材料圧着後の光ファイバ心線集合体ユニットの断面図であり、(d)は、金属材料圧着後の光ファイバ心線集合体ユニットの側面内部状態図である。
【符号の説明】
1a,4a,11b,12…ボビン
2a…中心体
3a…集合機
5a,5b…光ファイバ心線
6a,6b…樹脂サプライ
7a,7b1,7b2…接着性樹脂
8a,8b1,8b2…接着室
9a,9b…硬化装置
10a,10b…光ファイバ心線集合体
11a,17…巻き取り機
13…金属材料
14…金属材料装着装置
15…金属材料密着固定装置
16…光ファイバ心線集合体ユニット

Claims (13)

  1. ケーブル化工程で光ファイバ心線に外力を付与残留させて、光ファイバケーブルを製造するに当り、
    まず、中心体を中心として、当該中心体の周囲に沿って配置される少なくとも1つの光ファイバ心線に外力を強制付与し、
    次いで、当該光ファイバ心線を前記中心体ともども埋蔵自在に一体に、接着力が強く硬化速度の速い少なくとも1つの接着性樹脂で外包硬化して前記外力を残留固定させた光ファイバ心線集合体を作成し、
    その後、当該光ファイバ心線集合体を用いて光ファイバケーブルを製造する光ファイバケーブル製造方法であって、
    前記光ファイバ心線への外力の強制付与は、
    外力の1つである曲げ応力の付与であり、
    前記光ファイバ集合体の作成は、
    前記中心体を巻きとったボビンを回転させて当該中心体を繰り出し、当該中心体周囲の前記光ファイバ心線を螺旋捲回するか、
    前記光ファイバ心線を巻きとったボビンが少なくとも1つ集まった集合機を回転させて前記光ファイバ心線を繰り出し、前記中心体周囲の前記光ファイバ心線を螺旋捲回するか、
    のうちの1つにより行い、
    前記光ファイバ心線は、
    石英系階段型分散シフト光ファイバであり、
    前記光ファイバ心線の螺旋捲回は、
    当該光ファイバ心線の曲率半径を約10[mm]〜37.5[mm]前後間中のいずれかの所要値に設定して、前記曲げ応力を付与しつつ行う、
    ことを特徴とする光ファイバケーブル製造方法。
  2. 前記光ファイバ心線への外力の付与は、
    外力の1つである軸引張荷重の付与であり、
    前記光ファイバ心線集合体の作成における、
    前記接着性樹脂の外包硬化及び前記光ファイバ心線集合体の巻き取り速度を含む工程間速度を一定にして、
    前記光ファイバ心線を巻きとったボビンからの当該光ファイバ心線の繰り出し速度を単調増加、連続的、断続的のうちの少なくとも1つに設定することにより行う、
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバケーブル製造方法。
  3. ケーブル化工程で光ファイバ心線に外力を付与残留させて、光ファイバケーブルを製造するに当り、
    まず、中心体を中心として、当該中心体の周囲に沿って配置される少なくとも1つの光ファイバ心線に外力を強制付与し、
    次いで、当該光ファイバ心線を前記中心体ともども埋蔵自在に一体に、接着力が強く硬化速度の速い少なくとも1つの接着性樹脂で外包硬化して、光ファイバ心線集合体を作成し、
    引続き、当該光ファイバ心線集合体に耐圧用の金属材料を被装圧着して、前記光ファイバ心線集合体に外力を強制付与し固定した光ファイバ心線集合体ユニットを作成し、
    その後、当該光ファイバ集合体ユニットを用いて光ファイバケーブルを製造する光ファイバケーブル製造方法であって、
    前記光ファイバ心線への外力の強制付与は、
    外力の1つである軸引張荷重の付与であり、
    前記接着性樹脂の外包は、
    前記接着性樹脂の外包量を単調増加、連続的、断続的のうちの少なくとも1つに設定して前記光ファイバ心線集合体の径を変化し、
    前記金属材料の被装圧着は、
    当該径の変化した光ファイバ心線集合体を一定の径となるよう、径方向に圧着することにより行う、
    ことを特徴とする光ファイバケーブル製造方法。
  4. ケーブル化工程で光ファイバ心線に外力を付与残留させて、光ファイバケーブルを製造するに当り、
    まず、中心体を中心として、当該中心体の周囲に沿って配置される少なくとも1つの光ファイバ心線に外力を強制付与し、
    次いで、当該光ファイバ心線を前記中心体ともども埋蔵自在に一体に、接着力が強く硬化速度の速い少なくとも1つの接着性樹脂で外包硬化して、光ファイバ心線集合体を作成し、
    引続き、当該光ファイバ心線集合体に耐圧用の金属材料を被装圧着して、前記光ファイバ心線集合体に外力を強制付与し固定した光ファイバ心線集合体ユニットを作成し、
    その後、当該光ファイバ集合体ユニットを用いて光ファイバケーブルを製造する光ファイバケーブル製造方法であって、
    前記光ファイバ心線への外力の強制付与は、
    外力の1つである曲げ応力の付与であり、
    前記光ファイバ集合体の作成は、
    前記中心体を巻きとったボビンを回転させて当該中心体を繰り出し、当該中心体周囲の前記光ファイバ心線を螺旋捲回するか、
    前記光ファイバ心線を巻きとったボビンが少なくとも1つ集まった集合機を回転させて前記光ファイバ心線を繰り出し、前記中心体周囲の前記光ファイバ心線を螺旋捲回するか、
    のうちの1つにより行い、
    前記光ファイバ心線は、
    石英系階段型分散シフト光ファイバであり、
    前記光ファイバ心線の螺旋捲回は、
    当該光ファイバ心線の曲率半径を約10[mm]〜37.5[mm]前後間中のいずれかの所要値に設定して、前記曲げ応力を付与しつつ行う、
    ことを特徴とする光ファイバケーブル製造方法。
  5. 前記光ファイバ心線集合体への外力の強制付与は、
    外力の1つである軸引張荷重の付与であり、
    前記光ファイバ心線集合体ユニットの作成に当り、
    前記金属材料の被装圧着及び前記光ファイバ心線集合体ユニットの巻き取り速度を含める工程間速度を一定にして、
    前記光ファイバ心線集合体を巻きとったボビンからの当該光ファイバ心線集合体の繰り出し速度を単調増加、連続的、断続的のうちの少なくとも1つに設定することにより行う、
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載の光ファイバケーブル製造方法。
  6. 前記光ファイバ心線集合体への外力の強制付与は、
    外力の1つである軸引張荷重の付与であり、
    前記光ファイバ心線集合体ユニットの作成は、
    前記金属材料の被装圧着及び前記光ファイバ心線集合体ユニットの巻き取り速度を含める工程間速度を一定にして、
    前記光ファイバ心線集合体を巻きとったボビンからの当該光ファイバ心線集合体の繰り出し速度を単調増加、連続的、断続的のうちの少なくとも1つに設定することにより行い、
    前記接着性樹脂の外包は、
    前記接着性樹脂の外包量を単調増加、連続的、断続的のうちの少なくとも1つに設定して前記光ファイバ心線集合体の径を変化し、
    前記金属材料の被装圧着は、
    当該径の変化した光ファイバ心線集合体を一定の径となるよう、径方向に圧着することにより行う、
    ことを特徴とする請求項4に記載の光ファイバケーブル製造方法。
  7. ケーブル化工程で光ファイバ心線に外力を付与残留させた、光ファイバケーブルであって、
    光ファイバケーブルの中心となる中心体と、
    外力が強制付与されるとともに当該中心体に沿って周囲に配置されかつ光信号の伝送媒体である少なくとも1つの光ファイバ心線と、
    当該光ファイバ心線を前記中心体ともども埋蔵自在な一体の外包硬化により前記付与外力を残留固定した接着力が強く硬化速度の速い少なくとも1つの接着性樹脂とで形成される光ファイバ心線集合体と、
    からなり、
    当該光ファイバ心線集合体は、
    前記中心体を中心とした螺旋状に捲回された前記光ファイバ心線により、外力の1つである曲げ応力が前記光ファイバ心線に付与残留されている構造であり、
    前記光ファイバ心線は、
    前記石英系階段型分散シフト光ファイバであり、
    前記螺旋状に捲回された前記光ファイバ心線の曲率半径は、
    約10[mm]〜37.5[mm]前後間中のいずれか所要値を呈する、
    ことを特徴とする光ファイバケーブル。
  8. 前記光ファイバ心線は、
    ケーブル化工程の前記光ファイバ心線の繰り出し速度の変化により、繰り出し長手方向に単調増加、連続的、断続的のうちの少なくとも1つの状態に、外力のうちの1つである軸引張荷重が前記光ファイバ心線に付与残留されている構造である、
    ことを特徴とする請求項7に記載の光ファイバケーブル。
  9. ケーブル化工程で光ファイバ心線に外力を強制付与残留させた、光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバケーブルの中心となる中心体と、外力が強制付与されるとともに当該中心体に沿って周囲に配置されかつ光信号の伝送媒体である少なくとも1つの光ファイバ心線と、当該光ファイバ心線を前記中心体ともども埋蔵自在な一体の外包硬化する接着力が強く硬化速度の速い少なくとも1つの接着性樹脂と、で形成される光ファイバ心線集合体と、
    当該光ファイバ心線集合体に沿って被装圧着された金属材料と、
    で構成する光ファイバ心線集合体ユニットと、
    からなり、
    当該光ファイバ心線集合体は、
    前記金属材料圧着前の前記接着性樹脂の外包量に応じて径の大きさが変化した、当該光ファイバ心線集合体への、径方向の圧着により、繰り出し長手方向に単調増加、連続的、断続的のうちの少なくとも1つの状態に、外力のうちの1つである軸引張荷重が前記光ファイバ心線に付与残留されて、一定の径を有する構造である、
    ことを特徴とする光ファイバケーブル。
  10. ケーブル化工程で光ファイバ心線に外力を強制付与残留させた、光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバケーブルの中心となる中心体と、外力が強制付与されるとともに当該中心体に沿って周囲に配置されかつ光信号の伝送媒体である少なくとも1つの光ファイバ心線と、当該光ファイバ心線を前記中心体ともども埋蔵自在な一体の外包硬化する接着力が強く硬化速度の速い少なくとも1つの接着性樹脂と、で形成される光ファイバ心線集合体と、
    当該光ファイバ心線集合体に沿って被装圧着された金属材料と、
    で構成する光ファイバ心線集合体ユニットと、
    からなり、
    当該光ファイバ心線集合体は、
    前記中心体を中心とした螺旋状に捲回された前記光ファイバ心線により、外力の1つである曲げ応力が前記光ファイバ心線に付与残留されている構造であり、
    前記光ファイバ心線は、
    前記石英系階段型分散シフト光ファイバであり、
    前記螺旋状に捲回された前記光ファイバ心線の曲率半径は、
    約10[mm]〜37.5[mm]前後間中のいずれか所要値を呈する、
    ことを特徴とする光ファイバケーブル。
  11. 前記光ファイバ心線は、
    ケーブル化工程の前記光ファイバ心線集合体の繰り出し速度の変化により、繰り出し長手方向に単調増加、連続的、断続的のうちの少なくとも1つの状態に、外力のうちの1つである軸引張荷重が前記光ファイバ心線に付与残留されている構造である、
    ことを特徴とする請求項9又は10に記載の光ファイバケーブル。
  12. 前記光ファイバ心線は、
    ケーブル化工程の前記光ファイバ心線集合体の繰り出し速度の変化により、繰り出し長手方向に単調増加、連続的、断続的のうちの少なくとも1つの状態に、外力のうちの1つである軸引張荷重が前記光ファイバ心線に付与残留されている構造であり、
    前記光ファイバ心線集合体は、
    前記金属材料圧着前の前記接着性樹脂の外包量に応じて径の大きさが変化した、前記光ファイバ心線集合体への、径方向の圧着により、繰り出し長手方向に単調増加、連続的、断続的のうちの少なくとも1つの状態に、外力のうちの1つである軸引張荷重が前記光ファイバ心線に付与残留されて、一定の径を有する構造である、
    ことを特徴とする請求項10に記載の光ファイバケーブル。
  13. 前記中心体は、
    前記光ファイバ心線に曲げ応力の付与を誘導する前記螺旋状の溝を有する、
    ことを特徴とする請求項7、8、9、10、11又は12に記載の光ファイバケーブル。
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