JP3570300B2 - 障害管理方式および方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信ネットワークのネットワーク管理に関し、特にネットワーク管理プロトコルであるSNMP(Simple Network management Protocol)を用いた障害管理方式および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の障害管理方式は、例えば、特開平9−101932号公報および特開平10−334011号公報に記載されているように、SNMPプロトコルを用いたネットワーク管理システムにおいて、エージェントの障害状態をマネージャに通知する場合、TRAPメッセージを用いて行っている。このとき、TRAPメッセージ抜けが生じた場合に、再度TRAPメッセージを送信するという手順を取っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の障害管理方式は、SNMPはUDP(User Datagram Protocol)を利用したコネクションレスのプロトコルのため、エージェントから通知されたTRAPメッセージが必ずしもマネージャに届くとは限らない。そのため、TRAPメッセージが抜けないように再度送信する手順をとっているので、ネットワークの負荷が高いときにTRAPメッセージを送信すると、ネットワーク上に過度の負荷をかけると共に、最悪の場合にはTRAPメッセージ抜けが発生するいう問題点がある。
【0004】
また、マネージャはTRAPメッセージが届かない場合を考慮して全監視項目の状態をGet RequestメッセージまたはGet Next Requestメッセージを利用して定期的にエージェントに対して獲得に行かなければ正しい状態を獲得できないという問題点がある。
【0005】
また、定期的に全監視項目の状態の獲得を行う場合、最初の獲得から次の獲得までのポーリング時間を長くすると障害を認識できない状態が常に長くなってしまい、逆にポーリング時間を短くすると障害状態はすぐ認識できるがネットワークの負荷があがってしまいTRAPメッセージ漏れの可能性が増大してしまうという問題点がある。
【0006】
本発明の目的は、上記問題点を鑑み、SNMPプロトコルを用いたネットワーク管理システムにおいて、エージェントの状態の監視する手段としてTRAPメッセージを用いないでGetRequestだけを用い、ネットワークに負荷をかけないようにしながらできるだけリアルタイムに監視状態を獲得する方式を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の障害管理方式は、ネットワークを構成するエージェントの内部に障害の状態を保存し、マネージャではSNMPプロトコルを用いて複数の前記エージェントの状態変化の確認を行い状態の変化があった場合に前記エージェント側から状態情報を取得することでネットワ−ク管理を行う障害管理方式において、前記マネージャが前記エージェントの状態変化の有無の確認要求を行う第1の要求手段と、前記マネージャが前記第1の要求手段で状態変化がない場合に一定時間たってから前記第1の要求手段を繰り返す繰り返し手段と、前記エージェントが状態変化を検出する毎にその状態変化の内容を履歴情報として記憶する記憶手段と、前記第1の要求手段による確認要求が前記エージェントにあると前記エージェントが前記記憶手段で記憶されている前記履歴情報を検索することにより状態変化の有無を前記マネージャに通知する第1の通知手段と、前記マネージャが前記第1の通知手段により前記状態変化を検出した場合に前記状態変化の内容の読出要求と新たな状態変化の確認要求とを前記エージェントに同時に行う第2の要求手段と、前記第2の要求手段による要求があると前記エージェントが前記記憶手段で記憶された履歴情報を検索することにより前記状態変化の内容と前記新たな状態変化の有無とを前記マネージャに通知する第2の通知手段とを有することを特徴としている。
【0011】
更に、上記の障害処理方式において、前記第1および第2の要求手段は、GetRequestメッセージを使用して要求を行うことを特徴としている。
【0012】
更に、上記の障害処理方式において、前記第1および第2の通知手段は、GetResponseメッセージを使用して通知することを特徴としている。
【0013】
更に、上記の障害処理方式において、前記記憶手段は、前記状態変化の起こったオブジェクトID(監視対象項目識別番号)とその状態変化の内容とを発生した順に記憶していくことを特徴としている。
【0014】
更に、上記の障害処理方式において、前記第1の通知手段は、前記記憶手段に記憶された一番古いオブジェクトIDを前記マネージャに通知することを特徴としている。
【0015】
更に、上記の障害処理方式において、前記第2の要求手段は、前記第1の通知手段で通知のあったオブジェクトIDの状態変化の内容の読出要求を行うことを特徴としている。
【0017】
また、本発明の障害処理方法は、ネットワークを構成するエージェントの内部に障害の状態を保存し、マネージャではSNMPプロトコルを用いて複数の前記エージェントの状態変化の確認を行い状態の変化があった場合に前記エージェント側から状態情報を取得することで障害のネットワ−ク管理を行う障害管理方法であって、前記エージェントはエージェント自身の状態変化を検出する毎に状態変化のあったオブジェクトID(監視対象項目識別番号)とその状態変化の内容とを検出順に格納エリアに格納し、前記マネージャは一定時間毎に前記エージェントの状態変化の有無の確認要求を行い、前記エージェントは前記マネージャから前記状態変化の有無の確認要求があった場合に前記格納エリアに格納されていれば状態変化の有を示す一番古い履歴のオブジェクトIDを,前記格納エリアに格納されていなければ状態変化のないことをそれぞれマネージャに通知し、前記マネージャは前記状態変化が有の場合に前記通知のあったオブジェクトIDの状態変化の内容の読出要求と新たな状態変化の有無の確認要求とを前記エージェントに行い、前記エージェントは前記マネージャから前記オブジェクトIDの状態変化の内容の読出要求と新たな状態変化の有無の確認要求とがあると前記オブジェクトIDの状態変化の内容と新たな状態変化の有無とを前記マネージャに通知することを特徴としている。
【0018】
更に、上記の障害処理方法において、前記エージェントは前記マネージャに前記オブジェクトIDの状態変化の内容を通知すると前記格納エリアから通知した状態情報を消すことを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1を参照すると、本発明の実施の形態は、LANまたはWANに接続されたネットワーク3と、ネットワーク3に接続されSNMPのマネージャ(ネットワークを管理する)である監視端末1と、ネットワーク3に接続されSNMPのエージェントである複数の被監視端末2とから構成される。
【0020】
監視端末1はSNMPのインターフェース部であるSNMPマネージャ制御部11と、SNMPを用いて獲得した状態を解析する監視解析部13と、解析した結果を表示する監視表示部12とから構成される。
【0021】
被監視端末2は、SNMPを用いてマネージャと通信するSNMPエージェント制御部21と、自装置における不具合等の監視を行っている監視処理部22と、監視処理部22で検出した監視状態を記憶している状態格納エリア23から構成される。なお、状態格納エリア23は図1に記載されていない被監視端末2内にある記憶部に割り付けられており、この状態格納エリア23には、監視状態が検出される度に順々に格納されていく(履歴が取られる)。
【0022】
被監視端末2の監視処理部22は、被監視端末2で必要な監視項目をすべて処理しており、障害が発生または復旧した場合はその都度状態格納エリア23に状態変化のあった項目のオブジェクトID[MIB(Management Information Base:管理情報ベース)のオブジェクトIDに対応]およびその状態を記憶する。
【0023】
また、被監視端末2の監視処理部22は、被監視端末2自身の状態を監視している。この状態の監視対象項目は、項目A、項目B、項目C、項目Dの4つあるとする。被監視端末2の監視処理部22が監視対象項目に対する状態の変化を検出すると、検出した順に、オブジェクトID(各項目に付けられたID名:監視対象項目識別番号)と、そのときの状態の値(コードで管理)を状態格納エリア内に格納していく。なお、このときの監視処理部22の状態変化の監視方法として、ポーリングで各項目を見に行く監視方法、および発生時の割込による監視方法があるが、どちらの場合も適用できる。
【0024】
監視端末1と複数の被監視端末2との間でSNMPを用いたプロトコルで情報のやりとりが行われる。なお、ネットワーク管理のオペレーションで使用されるSNMPメッセージには、GetRequestメッセージ、GetNextRequestメッセージ、SetRequestメッセージ、GetRequestメッセージ、GetResponsメッセージ、TRAPメッセージの5つがある。なお、以降の説明では、語尾のメッセージを略して使用する。
【0025】
図2は、本発明で使用されるGetRequestまたはGetResponse発行時におけるvariable−bindingsフィールド(SNMPメッセージのUDP形式で定義されたフィールドの一部で、オブジェクトIDとその値の対の配列として定義したフィールド)の内容を示した図である。
図2を参照すると、ID(オブジェクトID)と値とが対となり複数設定(例では、V1、V2、・・・)できるようなっている。ここで、GetRequestでは、マネージャがvariable−bindingsフィールドで指定したオブジェクトの値を、エージェントがGetResponseのvariable−bindingsフィールドのオブジェクトの値に設定して応答する。
すなわち、本発明では、図1の監視端末1のSNMPマネージャ制御部21および被監視端末2のSNMPエージェント制御部21は、受信したSNMPメッセージを解析する場合は、図2のフィールド内容を読み出してメッセージの意味を識別することになる。
【0026】
次に、図1〜図4を参照して本実施の形態の全体の動作について説明する。
今、図2で使用されるオブジェクトIDを説明の都合上、例えば、状態変化の確認を示す場合は「ST」、項目Aは「SA」、項目Bは「SB」、項目Cは「SC」、項目Dは「SD」とする。
【0027】
図3を参照すると、先ず、マネージャである監視端末1(以降、略してマネージャと呼ぶこともある)のSNMPマネージャ制御部11は、状態変化があるかどうかをエージェントに対して図2のV1のIDに「ST」を、値に「NULL」をそれぞれ設定してGetRequestを発行して確認する(図3のシーケンスG1)。
すると、エージェントである被監視端末2(以降、略してエージェントと呼ぶこともある)のSNMPエージェント制御部21は、シーケンスG1でGetRequestを受けたときに、GetRequestを解析(図2のフィールドを検索)する。このとき、SNMPエージェント制御部21は、状態格納エリア23には状態変化(履歴情報)が1つも格納されていないため、状態変化なしと認識し、状態確認の状態値として図2のV1のIDに「ST」を、値に「NULL」をそれぞれ設定してGetResponseでマネージャに返す(シーケンスR1)。
【0028】
次に監視端末1のSNMPマネージャ制御部11は、状態変化確認のGetResponseにてNULLが設定されている場合、状態変化がないと認識して、一定時間を置いてから再度状態変化を確認するため、図2のV1のIDに「ST」を、値に「NULL」をそれぞれ設定してGetRequestをエージェントに対して発行する(シーケンスG2)。このとき、状態変化確認のGetResponseを受けてから、状態変化確認のGetRequestを発行するまでの時間は任意の時間に変更可能とする。なお、監視端末1のSNMPマネージャ11は、GetRequest発行後、GetResponseが返ってくるまで他に処理を行わないため、この時間を0にしても問題ない。しかし、絶え間なくGetRequestまたはGetResponseが実行されてしまい、他のネットワークアプリケーションに影響を与える可能性があるため、時間の設定はネットワークの速度に応じて変更することが望ましい。
【0029】
一方、マネージャがシーケンスR1のGetResponseを受けてからシーケンスG2のGetRequestを発行するまでに、エージェントにて項目Aが障害になり、続いて項目Bが障害になったとする。すると、被監視端末2の監視処理部22は、項目Aおよび続いて発生した項目Bの障害を検出し、障害情報を状態格納エリア23に格納(1つ目の履歴として「SA」とその障害値、2つ目の履歴として「SB」とその障害値を格納)する。
【0030】
この後、被監視端末2のSNMPエージェント制御部21は、マネージャから状態変化確認のGetRequest(シーケンスG2)を受信した場合にこのメッセージを解析し、状態格納エリア23に状態変化が格納されているかを状態格納エリア23を読み出すことにより確認する。この場合、SNMPエージェント制御部21は、古い情報から検索していく。従って、被監視端末2のSNMPエージェント制御部21は、最初に発生した項目Aの状態変化があったことをマネージャに通知するために状態変化確認のレスポンスとして図2のV1のIDに「ST」を、値に状態の変化のあった項目を示す「SA」をそれぞれ設定してGetResponseを返す。(シーケンスR2)。
【0031】
次に、監視端末1のSNMPマネージャ制御部11は、シーケンスR2で受け取ったGetResponseを解析することにより、項目Aの状態変化があったことを認識できるので、項目Aの状態獲得および状態変化が他にもないか確認するために状態変化確認のGetRequestを発行する。すなわち、GetRequestには、図2のV1のIDに「SA」、値に「NULL」を、V2のIDに「ST」、値に「NULL」をそれぞれ設定されて発行される(シーケンスG3)。
すると、被監視端末2のSNMPエージェント制御部21は、シーケンスG3で受け取ったGetRequestを解析することにより、図2のV1およびV2の内容を検索することにより監視端末1から要求された処理を実行することになる。SNMPエージェント制御部21は、先ず最初に状態格納エリア23から最初に格納されている項目Aの状態を獲得してレスポンスの値に設定して、状態格納エリアの項目AのMIBのオブジェクトIDおよび状態をクリアする(1履歴分消去する)。更に、状態格納エリア23に他にも状態変化があるか確認する。この時点では、項目Bの障害の状態が格納されているので、状態変化確認のレスポンスには項目BのオブジェクトIDを設定してレスポンスを返す。すなわち、GetResponseには、図2のV1のIDに「SA」、値にその障害値を、V2のIDに「ST」、値に状態変化ありを示す値をそれぞれ設定されて発行される(シーケンスR3)。
【0032】
次に監視端末1のSNMPマネージャ制御部11は、シーケンスR3で受け取ったGetResponseを解析する。このとき、SNMPマネージャ制御部11は、図2のV1の内容(SAとその障害値)は、監視解析部13に渡す。すると、監視解析部13は、受け取った内容(項目Aの障害値)を解析して監視表示部12に表示する。
一方、SNMPマネージャ制御部11は、シーケンスR3で受信したGetResponseの解析内容(図2のV2の内容)から項目Bの状態変化があったことを認識できるので、項目Bの状態獲得および状態変化が他にもないか確認するために状態変化確認のGetRequestを発行する。すなわち、GetRequestには、図2のV1のIDに「SB」、値に「NULL」を、V2のIDに「ST」、値に「NULL」をそれぞれ設定されて発行される(シーケンスG4)。
すると、被監視端末2のSNMPエージェント制御部21は、シーケンスG4で受け取ったGetRequestを解析(図2のV1およびV2の内容を検索)することにより監視端末1から要求された処理を実行することになる。SNMPエージェント制御部21は、先ず最初に状態格納エリア23の最初に格納されている項目Bの状態を獲得してレスポンスの値に設定して、状態格納エリアの項目BのMIBのオブジェクトIDおよび状態をクリアする(1履歴分消去する)。この時点で状態格納エリア23には何も格納されていないので、状態変化確認のレスポンスにはNULLを設定してレスポンスを返す。すなわち、GetResponseには、図2のV1のIDに「SB」、値にその障害値を、V2のIDに「ST」、値に「NULL」をそれぞれ設定されて発行される(シーケンスR4)。
【0033】
次に、監視端末1のSNMPマネージャ制御部11は、シーケンスR4で受け取ったGetResponseを解析する。このとき、SNMPマネージャ制御部11は、図2のV1の内容(SBとその障害値)は、監視解析部13に渡す。すると、監視解析部13は、受け取った内容(項目Bの障害値)を解析して監視表示部12に表示する。
一方、SNMPマネージャ制御部11は、シーケンスR3で受信したGetResponseの解析内容(図2のV2の内容)から、状態変化確認のレスポンスにはNULLが入っているため、一定時間待ってから再度状態変化の確認のGetRequestを発行する。すなわち、GetRequestには、図2のV1のIDに「ST」を、値に「NULL」をそれぞれ設定されて発行される(シーケンスG5)。
【0034】
なお、上記説明において、状態変化の有無の確認を行う手段として、上記と違う方法がある。すなわち、図1の図示していない記憶部に状態変化の有無を示す状態語(初期値は「0」)を設け、SNMPエージェント制御部21が、状態変化を検出し、状態格納エリア23にその状態を格納する度に状態語を「+1」し、1履歴消去する度に「−1」するようにしておく。SNMPエージェント制御部21は、GetRequest(図2のフィールドに「ST」が設定されている場合)を受信した場合に、この状態語を読みにいくことで、即座に判別(SNMPエージェント制御部21が、状態語が「0」の場合は状態変化なし、状態語が「0」でなければ状態変化ありと判定する)できる。
【0035】
また、上記説明において、監視端末1および被監視端末2はそれぞれ1対1の構成で説明したが、被監視端末2が複数存在していても構わない。すなわち、監視端末1のSNMPマネージャ制御部11が複数の被監視装置2を監視する場合の一連のシーケンスをフローチャートにまとめたのが図4になる。
この場合、図1の監視端末1には、あらかじめ監視を行う複数の被監視端末2のネットワークアドレスを図1に記載されていないメモリの監視テーブルに設定しておく(SNMPプロトコルでは、それぞれの端末に設定されたネットワークアドレスを指定することによりSNMPメッセージの送受信ができる)。すなわち、被監視端末2が複数ある場合、監視端末1のSNMPマネージャ制御部11は、GetRequestにて状態変化の確認を行う場合(ステップF1)、ステップF1の処理を行うたびに順次確認する被監視端末2の対象を切り替えていくことで対応できる。例えば、被監視端末2が2台(A、B)があったする。すると、監視端末1の監視テーブルには、被監視端末2Aおよび被監視端末2Bのネットワークアドレスを監視順に設定されている。
【0036】
図4を参照すると、監視端末1のSNMPマネージャ制御部11は、システムが立ち上がると、監視テーブルに従って、送出先を決め、先ず被監視端末2Aの状態変化の確認をGetRequestで行う(ステップF1)。次に監視端末1のSNMPマネージャ制御部11は、GetResponseの内容から状態の変化がないと判断した場合は、一定時間待って次の被監視端末である被監視端末2BにGetRequest(状態変化の確認)を発行する(ステップF2,F5,F1)。監視端末1のSNMPマネージャ制御部11は、被監視端末2Aアクセス時、ステップF2で状態変化を検出した場合は、GetRequestで被監視端末2Aの状態の内容の獲得と状態の変化の確認を行う(ステップF3)。次に監視端末1のSNMPマネージャ制御部11は、GetResponseによる被監視装置2Aの状態の内容の獲得を行い、このとき新たな被監視端末2Aの状態の変化がない場合は、一定時間待った後、監視テーブルから次の端末である被監視端末2BにGetRequest(状態の変化の確認)を発行する(ステップF4,F5,F1)。ステップF4で被監視装置2Aの状態変化がある場合は、監視端末1のSNMPマネージャ制御部11は、状態変化がなくなるまで、ステップF3とステップF4を繰り返す。このように被監視端末2Bでも状態の変化があった場合は、監視端末1のSNMPマネージャ制御部11は、状態変化なしを検出するまで、被監視端末2BにもステップF1〜F4の動作を繰り返す。すなわち、被監視端末2が多数あっても、監視端末1のSNMPマネージャ制御部11は、図4のフローチャートによる同じ動作を実行することができる。
【0037】
なお、上記のステップF5の説明において、一定時間を待つという処理は、SNMPマネージャ制御部11が、図1に図示していないタイマにあらかじめ決められた値を設定して、タイマを起動し、タイムアウト割込によりステップF1の処理を実行するようにすればよい。
【0038】
このような処理を行うことによって、ネットワークに一定以上の負荷をかけないようにして複数の被監視端末の監視を行うことが可能となる。この場合、タイマ値を図1に図示していないコンソールから変更できるようにしておけば、ネットワ−クの規模により変更できるため、負荷をかけないという点で望ましい。
【0039】
以上説明したように、TRAPを用いていないので、TRAP漏れを考慮する必要がなくなる。TRAPによる状態変化の通知方式と比べると、エージェントから連続して状態変化が通知されネットワーク上の負荷が一時的に高くなることもなく、本発明によるマネージャは、GetResponseが返ってくるまで次のGetRequestを一定時間の間発行しないようにしているため、マネージャ自身の処理できる速度以上にネットワークの負荷があがることはない。
【0040】
また、常に全監視項目の状態の獲得を行うのではなく、状態変化のあったオブジェクトだけを獲得するので短い時間ですべての状態変化のあった項目の状態を獲得することができる。
【0041】
従って、ネットワークに負荷をかけないようにしながらできるだけリアルタイムに監視状態を獲得することが可能となる。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、SNMPを利用したネットワーク管理システムにおいて、SNMPはUDPを利用したコネクションレスのプロトコルであるため、TRAP漏れを考慮する必要があったが、本方式ではTRAPを全く使用しないのでTRAP漏れを考慮する必要がないという効果がある。
【0043】
更に、本発明は、GetRequestにより、状態変化の確認をしてから状態変化のあった項目だけ状態を獲得するようにしているため、常に全監視項目の状態獲得を行う必要がなく、監視項目分の状態をすべて獲得するまでの時間を短縮できるという効果がある、
更に、本発明は、TRAPを用いていないため、マネージャからGetRequestを発行してからエージェントからGetResponseを受けるまで他のSNMPの処理に対する割り込みが一切発生しないため、ネットワーク上の負荷を削減できるという効果がある。
【0044】
更に、本発明は、何も状態変化がない場合、次の状態変化の確認まで任意の時間を設定できるようにすることで最適なネットワークパフォーマンスを提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】SNMPメッセージのUDP形式で定義されたフィールドの一部である。
【図3】図1の監視端末と被監視端末との間の動作を示すシーケンス図である。
【図4】図1の監視端末が複数の被監視端末の監視の動作を行うフロ−チャートである。
【符号の説明】
1 監視端末
2 被監視端末
3 ネットワーク
11 SNMPマネージャ制御部
12 監視表示部
13 監視解析部
21 SNMPエージェント制御部
22 監視処理部
23 状態格納エリア
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信ネットワークのネットワーク管理に関し、特にネットワーク管理プロトコルであるSNMP(Simple Network management Protocol)を用いた障害管理方式および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の障害管理方式は、例えば、特開平9−101932号公報および特開平10−334011号公報に記載されているように、SNMPプロトコルを用いたネットワーク管理システムにおいて、エージェントの障害状態をマネージャに通知する場合、TRAPメッセージを用いて行っている。このとき、TRAPメッセージ抜けが生じた場合に、再度TRAPメッセージを送信するという手順を取っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の障害管理方式は、SNMPはUDP(User Datagram Protocol)を利用したコネクションレスのプロトコルのため、エージェントから通知されたTRAPメッセージが必ずしもマネージャに届くとは限らない。そのため、TRAPメッセージが抜けないように再度送信する手順をとっているので、ネットワークの負荷が高いときにTRAPメッセージを送信すると、ネットワーク上に過度の負荷をかけると共に、最悪の場合にはTRAPメッセージ抜けが発生するいう問題点がある。
【0004】
また、マネージャはTRAPメッセージが届かない場合を考慮して全監視項目の状態をGet RequestメッセージまたはGet Next Requestメッセージを利用して定期的にエージェントに対して獲得に行かなければ正しい状態を獲得できないという問題点がある。
【0005】
また、定期的に全監視項目の状態の獲得を行う場合、最初の獲得から次の獲得までのポーリング時間を長くすると障害を認識できない状態が常に長くなってしまい、逆にポーリング時間を短くすると障害状態はすぐ認識できるがネットワークの負荷があがってしまいTRAPメッセージ漏れの可能性が増大してしまうという問題点がある。
【0006】
本発明の目的は、上記問題点を鑑み、SNMPプロトコルを用いたネットワーク管理システムにおいて、エージェントの状態の監視する手段としてTRAPメッセージを用いないでGetRequestだけを用い、ネットワークに負荷をかけないようにしながらできるだけリアルタイムに監視状態を獲得する方式を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の障害管理方式は、ネットワークを構成するエージェントの内部に障害の状態を保存し、マネージャではSNMPプロトコルを用いて複数の前記エージェントの状態変化の確認を行い状態の変化があった場合に前記エージェント側から状態情報を取得することでネットワ−ク管理を行う障害管理方式において、前記マネージャが前記エージェントの状態変化の有無の確認要求を行う第1の要求手段と、前記マネージャが前記第1の要求手段で状態変化がない場合に一定時間たってから前記第1の要求手段を繰り返す繰り返し手段と、前記エージェントが状態変化を検出する毎にその状態変化の内容を履歴情報として記憶する記憶手段と、前記第1の要求手段による確認要求が前記エージェントにあると前記エージェントが前記記憶手段で記憶されている前記履歴情報を検索することにより状態変化の有無を前記マネージャに通知する第1の通知手段と、前記マネージャが前記第1の通知手段により前記状態変化を検出した場合に前記状態変化の内容の読出要求と新たな状態変化の確認要求とを前記エージェントに同時に行う第2の要求手段と、前記第2の要求手段による要求があると前記エージェントが前記記憶手段で記憶された履歴情報を検索することにより前記状態変化の内容と前記新たな状態変化の有無とを前記マネージャに通知する第2の通知手段とを有することを特徴としている。
【0011】
更に、上記の障害処理方式において、前記第1および第2の要求手段は、GetRequestメッセージを使用して要求を行うことを特徴としている。
【0012】
更に、上記の障害処理方式において、前記第1および第2の通知手段は、GetResponseメッセージを使用して通知することを特徴としている。
【0013】
更に、上記の障害処理方式において、前記記憶手段は、前記状態変化の起こったオブジェクトID(監視対象項目識別番号)とその状態変化の内容とを発生した順に記憶していくことを特徴としている。
【0014】
更に、上記の障害処理方式において、前記第1の通知手段は、前記記憶手段に記憶された一番古いオブジェクトIDを前記マネージャに通知することを特徴としている。
【0015】
更に、上記の障害処理方式において、前記第2の要求手段は、前記第1の通知手段で通知のあったオブジェクトIDの状態変化の内容の読出要求を行うことを特徴としている。
【0017】
また、本発明の障害処理方法は、ネットワークを構成するエージェントの内部に障害の状態を保存し、マネージャではSNMPプロトコルを用いて複数の前記エージェントの状態変化の確認を行い状態の変化があった場合に前記エージェント側から状態情報を取得することで障害のネットワ−ク管理を行う障害管理方法であって、前記エージェントはエージェント自身の状態変化を検出する毎に状態変化のあったオブジェクトID(監視対象項目識別番号)とその状態変化の内容とを検出順に格納エリアに格納し、前記マネージャは一定時間毎に前記エージェントの状態変化の有無の確認要求を行い、前記エージェントは前記マネージャから前記状態変化の有無の確認要求があった場合に前記格納エリアに格納されていれば状態変化の有を示す一番古い履歴のオブジェクトIDを,前記格納エリアに格納されていなければ状態変化のないことをそれぞれマネージャに通知し、前記マネージャは前記状態変化が有の場合に前記通知のあったオブジェクトIDの状態変化の内容の読出要求と新たな状態変化の有無の確認要求とを前記エージェントに行い、前記エージェントは前記マネージャから前記オブジェクトIDの状態変化の内容の読出要求と新たな状態変化の有無の確認要求とがあると前記オブジェクトIDの状態変化の内容と新たな状態変化の有無とを前記マネージャに通知することを特徴としている。
【0018】
更に、上記の障害処理方法において、前記エージェントは前記マネージャに前記オブジェクトIDの状態変化の内容を通知すると前記格納エリアから通知した状態情報を消すことを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1を参照すると、本発明の実施の形態は、LANまたはWANに接続されたネットワーク3と、ネットワーク3に接続されSNMPのマネージャ(ネットワークを管理する)である監視端末1と、ネットワーク3に接続されSNMPのエージェントである複数の被監視端末2とから構成される。
【0020】
監視端末1はSNMPのインターフェース部であるSNMPマネージャ制御部11と、SNMPを用いて獲得した状態を解析する監視解析部13と、解析した結果を表示する監視表示部12とから構成される。
【0021】
被監視端末2は、SNMPを用いてマネージャと通信するSNMPエージェント制御部21と、自装置における不具合等の監視を行っている監視処理部22と、監視処理部22で検出した監視状態を記憶している状態格納エリア23から構成される。なお、状態格納エリア23は図1に記載されていない被監視端末2内にある記憶部に割り付けられており、この状態格納エリア23には、監視状態が検出される度に順々に格納されていく(履歴が取られる)。
【0022】
被監視端末2の監視処理部22は、被監視端末2で必要な監視項目をすべて処理しており、障害が発生または復旧した場合はその都度状態格納エリア23に状態変化のあった項目のオブジェクトID[MIB(Management Information Base:管理情報ベース)のオブジェクトIDに対応]およびその状態を記憶する。
【0023】
また、被監視端末2の監視処理部22は、被監視端末2自身の状態を監視している。この状態の監視対象項目は、項目A、項目B、項目C、項目Dの4つあるとする。被監視端末2の監視処理部22が監視対象項目に対する状態の変化を検出すると、検出した順に、オブジェクトID(各項目に付けられたID名:監視対象項目識別番号)と、そのときの状態の値(コードで管理)を状態格納エリア内に格納していく。なお、このときの監視処理部22の状態変化の監視方法として、ポーリングで各項目を見に行く監視方法、および発生時の割込による監視方法があるが、どちらの場合も適用できる。
【0024】
監視端末1と複数の被監視端末2との間でSNMPを用いたプロトコルで情報のやりとりが行われる。なお、ネットワーク管理のオペレーションで使用されるSNMPメッセージには、GetRequestメッセージ、GetNextRequestメッセージ、SetRequestメッセージ、GetRequestメッセージ、GetResponsメッセージ、TRAPメッセージの5つがある。なお、以降の説明では、語尾のメッセージを略して使用する。
【0025】
図2は、本発明で使用されるGetRequestまたはGetResponse発行時におけるvariable−bindingsフィールド(SNMPメッセージのUDP形式で定義されたフィールドの一部で、オブジェクトIDとその値の対の配列として定義したフィールド)の内容を示した図である。
図2を参照すると、ID(オブジェクトID)と値とが対となり複数設定(例では、V1、V2、・・・)できるようなっている。ここで、GetRequestでは、マネージャがvariable−bindingsフィールドで指定したオブジェクトの値を、エージェントがGetResponseのvariable−bindingsフィールドのオブジェクトの値に設定して応答する。
すなわち、本発明では、図1の監視端末1のSNMPマネージャ制御部21および被監視端末2のSNMPエージェント制御部21は、受信したSNMPメッセージを解析する場合は、図2のフィールド内容を読み出してメッセージの意味を識別することになる。
【0026】
次に、図1〜図4を参照して本実施の形態の全体の動作について説明する。
今、図2で使用されるオブジェクトIDを説明の都合上、例えば、状態変化の確認を示す場合は「ST」、項目Aは「SA」、項目Bは「SB」、項目Cは「SC」、項目Dは「SD」とする。
【0027】
図3を参照すると、先ず、マネージャである監視端末1(以降、略してマネージャと呼ぶこともある)のSNMPマネージャ制御部11は、状態変化があるかどうかをエージェントに対して図2のV1のIDに「ST」を、値に「NULL」をそれぞれ設定してGetRequestを発行して確認する(図3のシーケンスG1)。
すると、エージェントである被監視端末2(以降、略してエージェントと呼ぶこともある)のSNMPエージェント制御部21は、シーケンスG1でGetRequestを受けたときに、GetRequestを解析(図2のフィールドを検索)する。このとき、SNMPエージェント制御部21は、状態格納エリア23には状態変化(履歴情報)が1つも格納されていないため、状態変化なしと認識し、状態確認の状態値として図2のV1のIDに「ST」を、値に「NULL」をそれぞれ設定してGetResponseでマネージャに返す(シーケンスR1)。
【0028】
次に監視端末1のSNMPマネージャ制御部11は、状態変化確認のGetResponseにてNULLが設定されている場合、状態変化がないと認識して、一定時間を置いてから再度状態変化を確認するため、図2のV1のIDに「ST」を、値に「NULL」をそれぞれ設定してGetRequestをエージェントに対して発行する(シーケンスG2)。このとき、状態変化確認のGetResponseを受けてから、状態変化確認のGetRequestを発行するまでの時間は任意の時間に変更可能とする。なお、監視端末1のSNMPマネージャ11は、GetRequest発行後、GetResponseが返ってくるまで他に処理を行わないため、この時間を0にしても問題ない。しかし、絶え間なくGetRequestまたはGetResponseが実行されてしまい、他のネットワークアプリケーションに影響を与える可能性があるため、時間の設定はネットワークの速度に応じて変更することが望ましい。
【0029】
一方、マネージャがシーケンスR1のGetResponseを受けてからシーケンスG2のGetRequestを発行するまでに、エージェントにて項目Aが障害になり、続いて項目Bが障害になったとする。すると、被監視端末2の監視処理部22は、項目Aおよび続いて発生した項目Bの障害を検出し、障害情報を状態格納エリア23に格納(1つ目の履歴として「SA」とその障害値、2つ目の履歴として「SB」とその障害値を格納)する。
【0030】
この後、被監視端末2のSNMPエージェント制御部21は、マネージャから状態変化確認のGetRequest(シーケンスG2)を受信した場合にこのメッセージを解析し、状態格納エリア23に状態変化が格納されているかを状態格納エリア23を読み出すことにより確認する。この場合、SNMPエージェント制御部21は、古い情報から検索していく。従って、被監視端末2のSNMPエージェント制御部21は、最初に発生した項目Aの状態変化があったことをマネージャに通知するために状態変化確認のレスポンスとして図2のV1のIDに「ST」を、値に状態の変化のあった項目を示す「SA」をそれぞれ設定してGetResponseを返す。(シーケンスR2)。
【0031】
次に、監視端末1のSNMPマネージャ制御部11は、シーケンスR2で受け取ったGetResponseを解析することにより、項目Aの状態変化があったことを認識できるので、項目Aの状態獲得および状態変化が他にもないか確認するために状態変化確認のGetRequestを発行する。すなわち、GetRequestには、図2のV1のIDに「SA」、値に「NULL」を、V2のIDに「ST」、値に「NULL」をそれぞれ設定されて発行される(シーケンスG3)。
すると、被監視端末2のSNMPエージェント制御部21は、シーケンスG3で受け取ったGetRequestを解析することにより、図2のV1およびV2の内容を検索することにより監視端末1から要求された処理を実行することになる。SNMPエージェント制御部21は、先ず最初に状態格納エリア23から最初に格納されている項目Aの状態を獲得してレスポンスの値に設定して、状態格納エリアの項目AのMIBのオブジェクトIDおよび状態をクリアする(1履歴分消去する)。更に、状態格納エリア23に他にも状態変化があるか確認する。この時点では、項目Bの障害の状態が格納されているので、状態変化確認のレスポンスには項目BのオブジェクトIDを設定してレスポンスを返す。すなわち、GetResponseには、図2のV1のIDに「SA」、値にその障害値を、V2のIDに「ST」、値に状態変化ありを示す値をそれぞれ設定されて発行される(シーケンスR3)。
【0032】
次に監視端末1のSNMPマネージャ制御部11は、シーケンスR3で受け取ったGetResponseを解析する。このとき、SNMPマネージャ制御部11は、図2のV1の内容(SAとその障害値)は、監視解析部13に渡す。すると、監視解析部13は、受け取った内容(項目Aの障害値)を解析して監視表示部12に表示する。
一方、SNMPマネージャ制御部11は、シーケンスR3で受信したGetResponseの解析内容(図2のV2の内容)から項目Bの状態変化があったことを認識できるので、項目Bの状態獲得および状態変化が他にもないか確認するために状態変化確認のGetRequestを発行する。すなわち、GetRequestには、図2のV1のIDに「SB」、値に「NULL」を、V2のIDに「ST」、値に「NULL」をそれぞれ設定されて発行される(シーケンスG4)。
すると、被監視端末2のSNMPエージェント制御部21は、シーケンスG4で受け取ったGetRequestを解析(図2のV1およびV2の内容を検索)することにより監視端末1から要求された処理を実行することになる。SNMPエージェント制御部21は、先ず最初に状態格納エリア23の最初に格納されている項目Bの状態を獲得してレスポンスの値に設定して、状態格納エリアの項目BのMIBのオブジェクトIDおよび状態をクリアする(1履歴分消去する)。この時点で状態格納エリア23には何も格納されていないので、状態変化確認のレスポンスにはNULLを設定してレスポンスを返す。すなわち、GetResponseには、図2のV1のIDに「SB」、値にその障害値を、V2のIDに「ST」、値に「NULL」をそれぞれ設定されて発行される(シーケンスR4)。
【0033】
次に、監視端末1のSNMPマネージャ制御部11は、シーケンスR4で受け取ったGetResponseを解析する。このとき、SNMPマネージャ制御部11は、図2のV1の内容(SBとその障害値)は、監視解析部13に渡す。すると、監視解析部13は、受け取った内容(項目Bの障害値)を解析して監視表示部12に表示する。
一方、SNMPマネージャ制御部11は、シーケンスR3で受信したGetResponseの解析内容(図2のV2の内容)から、状態変化確認のレスポンスにはNULLが入っているため、一定時間待ってから再度状態変化の確認のGetRequestを発行する。すなわち、GetRequestには、図2のV1のIDに「ST」を、値に「NULL」をそれぞれ設定されて発行される(シーケンスG5)。
【0034】
なお、上記説明において、状態変化の有無の確認を行う手段として、上記と違う方法がある。すなわち、図1の図示していない記憶部に状態変化の有無を示す状態語(初期値は「0」)を設け、SNMPエージェント制御部21が、状態変化を検出し、状態格納エリア23にその状態を格納する度に状態語を「+1」し、1履歴消去する度に「−1」するようにしておく。SNMPエージェント制御部21は、GetRequest(図2のフィールドに「ST」が設定されている場合)を受信した場合に、この状態語を読みにいくことで、即座に判別(SNMPエージェント制御部21が、状態語が「0」の場合は状態変化なし、状態語が「0」でなければ状態変化ありと判定する)できる。
【0035】
また、上記説明において、監視端末1および被監視端末2はそれぞれ1対1の構成で説明したが、被監視端末2が複数存在していても構わない。すなわち、監視端末1のSNMPマネージャ制御部11が複数の被監視装置2を監視する場合の一連のシーケンスをフローチャートにまとめたのが図4になる。
この場合、図1の監視端末1には、あらかじめ監視を行う複数の被監視端末2のネットワークアドレスを図1に記載されていないメモリの監視テーブルに設定しておく(SNMPプロトコルでは、それぞれの端末に設定されたネットワークアドレスを指定することによりSNMPメッセージの送受信ができる)。すなわち、被監視端末2が複数ある場合、監視端末1のSNMPマネージャ制御部11は、GetRequestにて状態変化の確認を行う場合(ステップF1)、ステップF1の処理を行うたびに順次確認する被監視端末2の対象を切り替えていくことで対応できる。例えば、被監視端末2が2台(A、B)があったする。すると、監視端末1の監視テーブルには、被監視端末2Aおよび被監視端末2Bのネットワークアドレスを監視順に設定されている。
【0036】
図4を参照すると、監視端末1のSNMPマネージャ制御部11は、システムが立ち上がると、監視テーブルに従って、送出先を決め、先ず被監視端末2Aの状態変化の確認をGetRequestで行う(ステップF1)。次に監視端末1のSNMPマネージャ制御部11は、GetResponseの内容から状態の変化がないと判断した場合は、一定時間待って次の被監視端末である被監視端末2BにGetRequest(状態変化の確認)を発行する(ステップF2,F5,F1)。監視端末1のSNMPマネージャ制御部11は、被監視端末2Aアクセス時、ステップF2で状態変化を検出した場合は、GetRequestで被監視端末2Aの状態の内容の獲得と状態の変化の確認を行う(ステップF3)。次に監視端末1のSNMPマネージャ制御部11は、GetResponseによる被監視装置2Aの状態の内容の獲得を行い、このとき新たな被監視端末2Aの状態の変化がない場合は、一定時間待った後、監視テーブルから次の端末である被監視端末2BにGetRequest(状態の変化の確認)を発行する(ステップF4,F5,F1)。ステップF4で被監視装置2Aの状態変化がある場合は、監視端末1のSNMPマネージャ制御部11は、状態変化がなくなるまで、ステップF3とステップF4を繰り返す。このように被監視端末2Bでも状態の変化があった場合は、監視端末1のSNMPマネージャ制御部11は、状態変化なしを検出するまで、被監視端末2BにもステップF1〜F4の動作を繰り返す。すなわち、被監視端末2が多数あっても、監視端末1のSNMPマネージャ制御部11は、図4のフローチャートによる同じ動作を実行することができる。
【0037】
なお、上記のステップF5の説明において、一定時間を待つという処理は、SNMPマネージャ制御部11が、図1に図示していないタイマにあらかじめ決められた値を設定して、タイマを起動し、タイムアウト割込によりステップF1の処理を実行するようにすればよい。
【0038】
このような処理を行うことによって、ネットワークに一定以上の負荷をかけないようにして複数の被監視端末の監視を行うことが可能となる。この場合、タイマ値を図1に図示していないコンソールから変更できるようにしておけば、ネットワ−クの規模により変更できるため、負荷をかけないという点で望ましい。
【0039】
以上説明したように、TRAPを用いていないので、TRAP漏れを考慮する必要がなくなる。TRAPによる状態変化の通知方式と比べると、エージェントから連続して状態変化が通知されネットワーク上の負荷が一時的に高くなることもなく、本発明によるマネージャは、GetResponseが返ってくるまで次のGetRequestを一定時間の間発行しないようにしているため、マネージャ自身の処理できる速度以上にネットワークの負荷があがることはない。
【0040】
また、常に全監視項目の状態の獲得を行うのではなく、状態変化のあったオブジェクトだけを獲得するので短い時間ですべての状態変化のあった項目の状態を獲得することができる。
【0041】
従って、ネットワークに負荷をかけないようにしながらできるだけリアルタイムに監視状態を獲得することが可能となる。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、SNMPを利用したネットワーク管理システムにおいて、SNMPはUDPを利用したコネクションレスのプロトコルであるため、TRAP漏れを考慮する必要があったが、本方式ではTRAPを全く使用しないのでTRAP漏れを考慮する必要がないという効果がある。
【0043】
更に、本発明は、GetRequestにより、状態変化の確認をしてから状態変化のあった項目だけ状態を獲得するようにしているため、常に全監視項目の状態獲得を行う必要がなく、監視項目分の状態をすべて獲得するまでの時間を短縮できるという効果がある、
更に、本発明は、TRAPを用いていないため、マネージャからGetRequestを発行してからエージェントからGetResponseを受けるまで他のSNMPの処理に対する割り込みが一切発生しないため、ネットワーク上の負荷を削減できるという効果がある。
【0044】
更に、本発明は、何も状態変化がない場合、次の状態変化の確認まで任意の時間を設定できるようにすることで最適なネットワークパフォーマンスを提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】SNMPメッセージのUDP形式で定義されたフィールドの一部である。
【図3】図1の監視端末と被監視端末との間の動作を示すシーケンス図である。
【図4】図1の監視端末が複数の被監視端末の監視の動作を行うフロ−チャートである。
【符号の説明】
1 監視端末
2 被監視端末
3 ネットワーク
11 SNMPマネージャ制御部
12 監視表示部
13 監視解析部
21 SNMPエージェント制御部
22 監視処理部
23 状態格納エリア
Claims (8)
- ネットワークを構成するエージェントの内部に障害の状態を保存し、マネージャではSNMPプロトコルを用いて複数の前記エージェントの状態変化の確認を行い状態の変化があった場合に前記エージェント側から状態情報を取得することでネットワ−ク管理を行う障害管理方式において、
前記マネージャが前記エージェントの状態変化の有無の確認要求を行う第1の要求手段と、
前記マネージャが前記第1の要求手段で状態変化がない場合に一定時間たってから前記第1の要求手段を繰り返す繰り返し手段と、
前記エージェントが状態変化を検出する毎にその状態変化の内容を履歴情報として記憶する記憶手段と、
前記第1の要求手段による確認要求が前記エージェントにあると前記エージェントが前記記憶手段で記憶されている前記履歴情報を検索することにより状態変化の有無を前記マネージャに通知する第1の通知手段と、
前記マネージャが前記第1の通知手段により前記状態変化を検出した場合に前記状態変化の内容の読出要求と新たな状態変化の確認要求とを前記エージェントに同時に行う第2の要求手段と、
前記第2の要求手段による要求があると前記エージェントが前記記憶手段で記憶された履歴情報を検索することにより前記状態変化の内容と前記新たな状態変化の有無とを前記マネージャに通知する第2の通知手段とを有することを特徴とする障害管理方式。 - 前記第1および第2の要求手段は、GetRequestメッセージを使用して要求を行うことを特徴とする請求項1記載の障害管理方式。
- 前記第1および第2の通知手段は、GetResponseメッセージを使用して通知することを特徴とする請求項1記載の障害管理方式。
- 前記記憶手段は、前記状態変化の起こったオブジェクトID(監視対象項目識別番号)とその状態変化の内容とを発生した順に記憶していくことを特徴とする請求項1記載の障害管理方式。
- 前記第1の通知手段は、前記記憶手段に記憶された一番古いオブジェクトIDを前記マネージャに通知することを特徴とする請求項1記載の障害管理方式。
- 前記第2の要求手段は、前記第1の通知手段で通知のあったオブジェクトIDの状態変化の内容の読出要求を行うことを特徴とする請求項1記載の障害管理方式。
- ネットワークを構成するエージェントの内部に障害の状態を保存し、マネージャではSNMPプロトコルを用いて複数の前記エージェントの状態変化の確認を行い状態の変化があった場合に前記エージェント側から状態情報を取得することで障害のネットワ−ク管理を行う障害管理方法であって、
前記エージェントはエージェント自身の状態変化を検出する毎に状態変化のあったオブジェクトID(監視対象項目識別番号)とその状態変化の内容とを検出順に格納エリアに格納し、
前記マネージャは一定時間毎に前記エージェントの状態変化の有無の確認要求を行い、
前記エージェントは前記マネージャから前記状態変化の有無の確認要求があった場合に前記格納エリアに格納されていれば状態変化の有を示す一番古い履歴のオブジェクトIDを,前記格納エリアに格納されていなければ状態変化のないことをそれぞれマネージャに通知し、
前記マネージャは前記状態変化が有の場合に前記通知のあったオブジェクトIDの状態変化の内容の読出要求と新たな状態変化の有無の確認要求とを前記エージェントに行い、
前記エージェントは前記マネージャから前記オブジェクトIDの状態変化の内容の読出要求と新たな状態変化の有無の確認要求とがあると前記オブジェクトIDの状態変化の内容と新たな状態変化の有無とを前記マネージャに通知することを特徴とする障害管理方法。 - 前記エージェントは前記マネージャに前記オブジェクトIDの状態変化の内容を通知すると前記格納エリアから通知した状態情報を消すことを特徴とする請求項7記載の障害管理方法。
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