JP3570228B2 - 燃焼装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バーナへの燃料供給手段や空気供給手段を備えた燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、バーナへの空気供給手段として、送風器と、該送風器からバーナへの送風通路の途中に通風度合いを制御するダンパを備えた燃焼装置が提供されている。この従来の燃焼装置では、能力小側における燃焼の余裕の拡大(赤熱防止等)を図るために、また耐風速性向上のために、前記ダンパを用いて、1〜2次比率及び空気通路抵抗(通風度合い)を2段階に切り換えている。即ち、燃焼熱量が小さい場合は、ダンパの通風度合いを小にした状態で、送風器による風量を制御することで、燃焼熱量に対応する空気量をバーナに供給し、また燃焼熱量が大の場合には、ダンパの通風度合いを大に切り換えた状態で、送風器による風量を制御することで、燃焼熱量に対応する空気量をバーナに供給している。このように、ダンパの通風度合いを大、小の2段に切り換えることで、燃焼能力小側から燃焼能力大側に至る広範な燃焼熱量に対して1つの送風器で必要な空気供給量を少量から多量に至るまで広範囲に渡って供給することを可能としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記ダンパの通風度合いを2段に切り換えるようにした従来の燃焼装置においては、ダンパの通風度合いが切り換えられる際には送風器による送風量も大きく変更する必要があることから、その切り換え時にバーナへの空気供給量が不安定になりやすく、燃焼が不安定な状態(例えばリフト現象を起こす等)になりやすい問題があった。
【0004】
そこで本発明は上記従来の燃焼装置の問題を解消し、燃焼運転の途中でダンパの通風度合いを切り換える必要が生じた場合においても、その切り換え時において、バーナへの空気供給量に極端な変化、或いは燃料供給量に対する空気供給量の極端な過不足等が生じることによって、燃焼状態が不安定になったり、好ましくない状態になるのを防止することができる燃焼装置の提供を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明の燃焼装置は、バーナと、該バーナへ燃料を供給する手段と、前記バーナへ空気を供給するための送風器と、該送風器からの送風途中に配置されて空気の通風度合いを制御するダンパとを少なくとも有し、燃焼運転中において、燃焼熱量が一定の切り換え基準値以上になると前記ダンパの通風度合いを大に切り換えると共に切り換え基準値未満になるとダンパの通風度合いを小に切り換え、且つ燃焼熱量とダンパの通風度合いの大、小に応じて前記送風器の風量を増減調整して、前記燃焼熱量に対応する必要空気量をバーナに供給するようにした燃焼装置であって、燃焼熱量が前記切り換え基準値以上に増加した場合には、少なくともダンパの通風度合いを元の小から一旦切り換え途中位置に切り換えて一定時間保持した後に更に大の位置に切り換えるように制御するコントローラを設けたことを第1の特徴としている。
また本発明の燃焼装置は、上記第1の特徴に加えて、燃焼熱量が切り換え基準値以上に増加した場合には、送風器の風量をダンパの通風度合いが大の場合における燃焼熱量に対応した風量になるように指令すると共にダンパの通風度合いを元の小から一旦切り換え途中位置に切り換え、更に一定時間経過後にダンパの通風度合いを大に切り換えるように制御するコントローラを設けたことを第2の特徴としている。
また本発明の燃焼装置は、上記第1の特徴に加えて、燃焼熱量が切り換え基準値以上に増加した場合には、送風器の風量を一旦ダンパの通風度合いが大の場合における前記切り換え基準値に対応した風量になるように指令すると共にダンパの通風度合いを元の小から一旦切り換え途中位置に切り換え、更に一定時間経過後に送風器の風量を通風度合いが大の場合における燃焼熱量に対応する風量になるように指令すると共にダンパの通風度合いを大に切り換えるように制御するコントローラを設けたことを第3の特徴としている。
また本発明の燃焼装置は、上記第1の特徴に加えて、燃焼熱量が切り換え基準値以上に増加した場合には、送風器の風量を一旦ダンパの通風度合いが大の場合における前記切り換え基準値に対応した風量になるように指令すると共にダンパの通風度合いを元の小から一旦切り換え途中位置に切り換え、更に前記送風器の風量が一定風量以下になった時点で送風器の風量を通風度合いが大の場合における燃焼熱量に対応する風量になるように指令すると共にダンパの通風度合いを大に切り換えるように制御するコントローラを設けたことを第4の特徴としている。
また本発明の燃焼装置は、燃焼熱量が切り換え基準値未満に低下した場合には、送風器の風量を一旦ダンパの通風度合いが大の場合における前記切り換え基準値に対応した風量になるように指令すると共にダンパの通風度合いを元の大から通風度合いが小の位置に切り換え、更に一定時間後に送風器の風量を通風度合いが小における燃焼熱量に対応する風量になるように指令するコントローラを設けたことを第5の特徴としている。
また本発明の燃焼装置は、上記第1〜5の何れかに記載の特徴に加えて、切り換え基準値は、燃焼熱量が増加する場合の切り換え基準値の方を燃焼熱量が低下する場合の切り換え基準値よりも大きくすることで、両切り換え基準値間にヒステリシスを設けていることを第6の特徴としている。
また本発明の燃焼装置は、上記第1〜6の何れかに記載の特徴に加えて、瞬間加熱式給湯装置における水加熱用に用いられることを第7の特徴としている。
【0006】
上記第1〜第7の特徴において、送風器は、送風ファンやその他、種々の形式の送風器を用いることができる。
また、バーナは、石油等の液体燃料用のバーナであっても、また燃料ガス用のバーナであってもよく、その種類を特に限定されない。
また、ダンパは、送風器から送られてくる風量の送風抵抗を大小に可変するものであり且つ一次空気と二次空気との配分比率を可変するものであれば、名称の如何を問わずダンパの範囲に入るものとする。
また、ダンパの通風度合いを切り換える基準となる切り換え基準値は、予め実験により、適当な燃焼熱量を切り換え基準値として設定しておくことになる。この切り換え基準値は、第7の特徴において開示したように、ダンパの通風度合いを小から大に切り換える場合と、ダンパの通風度合いを大から小に切り換える場合とでは、その切り換え基準値の値を異ならしめるようにするのがよいが、勿論、同じ値とすることも可能である。
また、ダンパの通風度合いを一旦切り換え途中位置に切り換える場合の、前記途中位置は、切り換え度合いの小と大との丁度中間の位置とすることができるが、丁度中間の位置でなくとも途中位置であればよい。
また、ダンパの通風度合いの切り換え途中位置に一定時間保持する場合の一定時間は、例えば一秒とする等、送風器の風量の実質的な変更に要する時間との関係において、予め実験によって適当な時間を定めておくことができる。
【0007】
また、上記第2、第3の特徴において、送風器の風量をダンパの通風度合いが大の場合における燃焼熱量に対応した風量になるように指令するとは、コントローラにより制御指令を出すということであって、送風器による実際の風量が指令した風量になるまでには多少の時間がかかるのである。この時間は通常において、ダンパの通風度合いが実際に小から大に切り換えられるのに必要な時間よりも長時間となる。このダンパの通風度合いの実際の切り換わりと送風器の風量の実際の変更に要する時間の差が、従来の装置における燃焼不良発生の1つの原因となっていた。
【0008】
また、上記第4の特徴において、ダンパの通風度合いを小から大に切り換える際に、送風器の風量を一旦通風度合いが大の場合の切り換え基準値に対応する低い風量になるように指令し、風量が一定風量以下になるまでダンパの通風度合いを切り換え途中位置に保持する理由は、風量がある程度まで下がった時点で、ダンパの通風度合いを大の状態に最終切り換えすることで、バーナに供給される空気の調整を急激な変化や不安定な変化を伴うことなく滑らかに行うことができる。ここで前記一定風量とは、ダンパの通度合いが大の場合における、切り換え基準値に近い比較的低い燃焼熱量に対応する風量を予め実験により設定しておく。
【0009】
また上記第5の特徴において、一旦ダンパの通風度合いが大の場合の切り換え基準値に対応する風量になるよう指令してから一定時間後に更に送風器の風量をダンパの通風度合いが小の場合の燃焼熱量に対応する風量になるように指令することで、ダンパの通風度合いを大から小に変更した際に、バーナに供給される空気の調整を急激な変化や不安定な変化を伴うことなく滑らかに行うことができる。ここで一定時間は、送風器の風量がダンパの通風度合いが大の場合の切り換え基準値に対応する風量に近い比較的低い風量となるのに必要な時間を、予め実験によって設定しておくことができる。
【0010】
また上記第6の特徴においては、両切り換え基準値間にヒステリシスを設けることで、ダンパがハンチング状態となって頻繁に切り換わったりするのを防止し、正確で安定した送風を可能とすることができる。
【0011】
また上記第7の特徴においては、瞬間加熱式給湯装置において、水を瞬間加熱するための燃焼装置が安定した送風量の切り換えにより低燃焼熱量から高燃焼熱量に至る広範囲において正確で安定した熱量を提供することが可能となり、広範囲の温度領域において正確で安定した給湯を行うことが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の燃焼装置の実施の形態を図1〜図5を参照して説明する。
図1は本発明の実施の形態例にかかる燃焼装置を備えた給湯装置の全体構成図、図2は燃焼装置の詳細図、図3は本発明の実施の形態例にかかる燃焼装置における燃焼号数とダンパの開閉と送風ファンの回転数との関係を示す図、図4は燃焼運転中におけるダンパの開閉制御と送風ファンの回転数制御を行う制御フロー図である。
【0013】
先ず、本発明の燃焼装置を含む給湯装置の全体構成を図1、図2により説明する。
燃焼装置Aは、熱交換缶体としての機能を兼備した形で構成されており、熱交換缶体10内の下部に気化器20とバーナ30とを備え、燃料供給手段40から送られてくる石油燃料を前記気化器20で気化して、バーナ30に送り、燃焼に供するようにしている。また送風器50とダンパ60とからなる空気供給手段によって、空気を前記気化器20及びバーナ30に送り、燃焼に供するようにしている。
【0014】
前記熱交換缶体10内の上部には給湯用回路70の熱交換管路72と風呂追い焚き用回路80の熱交換管路82とが貫通せられている。
【0015】
前記気化器20は、拡散羽根21、気化ヒータ22、気化器温度センサ23、気化壁面24等からなり、送られてきた石油燃料を拡散羽根21によって周囲に飛散させながら、周囲の気化壁面24等で気化させる。気化せられた石油燃料は混合室25を通ってバーナ30に導かれ、燃焼に供される。
尚、26は混合室25内を加温するための混合室ヒータ、27は前記拡散羽根21を回転させるモータ、28は気化器20やバーナ30に送られるために取り入れられる空気の温度を検出する給気温度センサである。
【0016】
前記バーナ30には、点火器31及び炎検出器32が付加されており、バーナ30を通って上昇する気化燃料が点火器31によって点火され、燃焼される。この燃焼熱によって、前記給湯用回路70の熱交換管路72を通る水が加熱され、また風呂追い焚き用回路80の熱交換管路82を通る浴槽水が加熱せられる。
【0017】
前記燃料供給手段40は、図示しない石油タンクからの石油が汲み上げポンプ41によって一旦石油サブタンク42に蓄えられ、その石油サブタンク42から定流量ポンプ43によって前記気化器20の拡散羽根21まで導くように構成されている。
【0018】
前記送風器50は、送風ファン51と駆動モータ52とからなり、送風の風量を検出するための回転数センサ53等を備えている。送風ファン51を所定の回転数で回転させることで、対応する風量を供給することができる。
一方、前記ダンパ60は前記送風器50からの送風途中に配置され、送風器50から送られてくる風量に対して、下流側への通風度合いを大、小の2段階に切り換える。実際には、ダンパ60にはダンパ60そのものの壁等に図示しない通気穴等の通気手段が設けられており、図示しない電動モータ等の駆動手段によって、ダンパ60が通風路を閉止した状態(図2において実線で示す)で、通風度合いが小の状態となるようにしている。またダンパ60から通風路が開放された状態(図2において破線で示す)で、通風度合いが大の状態となるようにしている。
ダンパ60を通過した空気は一次空気として気化器20側に送られ、更に気化器20から混合室25を通ってバーナ30に供給される。またダンパ60を通過した他の空気は二次空気としてバーナ30に直接的に供給される。また前記二次空気の一部は無効空気となって熱交換缶体10内に入る。
以上のようにして、バーナ30に供給される空気は、送風器50とダンパ60によって所定の空気が供給されるように後述するコントローラで制御される。
【0019】
前記給湯用回路70においては、入水管路71から入った水は既述した熱交換管路72を通って加熱され、出湯管路73に出湯される。また前記入水管路71から出湯管路73へ管路を短絡するバイパス管路74が設けられており、該バイパス管路74と前記出湯管路73との合流点から下流が給湯管路75となっている。給湯管路75は途中で一般給湯管路75aと風呂落とし込み給湯管路75bとに分岐せられている。
76は入水流量センサ、77は入水温度センサ、78は出湯温度センサ、79は給湯温度センサである。
前記燃焼装置Aによる燃焼運転は、前記入水流量センサ76が最低作動水量以上を検出することで開始されるようになされている。
【0020】
前記風呂追い焚き用回路80においては、図示しない浴槽からの浴槽水が風呂戻り管路81から熱交換管路82を通って加熱され、風呂往き管路83を通って浴槽に循環するように構成されている。前記風呂落とし込み給湯管路75bは前記風呂戻り管路81と風呂往き管路83とを短絡するバイパス管路84に接続されている。
85は循環ポンプ、86は水量センサである。燃焼装置Aによる燃焼運転は、前記水量センサ86が最低作動水量以上を検出することで開始されるようになされている。
【0021】
90はコントローラで、燃焼装置A及び該燃焼装置Aを備えた給湯装置全体の制御を行うものである。
コントローラ90によって行われる送風器50(送風ファン51)とダンパ60の制御は、図3に示すように、燃焼運転中において、燃焼熱量としての燃焼号数が12号未満から12号以上に増加した場合にはダンパ60を閉止から開放に切り換えるようにしている。これによってダンパ60による通風度合いが小から大に切り換えられ、そして前記12号はダンパ60の通風度合いを小から大へ切り換えるための第1の切り換え基準値となる。
一方、燃焼運転中において、燃焼熱量としての燃焼号数が10号以上から10号未満に低下した場合にはダンパ60を開放から閉止に切り換えるようにしている。これによってダンパ60による通風度合いが大から小に切り換えられ、そして前記10号はダンパ60の通風度合いを大から小へ切り換えるための第2の切り換え基準値となる。
前記ダンパ60による通風度合いを小から大に切り換え、或いは大から小に切り換えることによって、比較的能力の大きい送風器50を用いて、少量の空気量から多量の空気量に至るまでの広い範囲にわたって、比較的正確な空気量を供給することが可能となる。
ここにおいて、燃焼号数とは、1リットルの水を1分間に25℃昇温することができる燃焼熱量をいう。
また、上記においてダンパ60を閉止から開放にする場合には第1の切り換え基準値として12号を採用し、開放から閉止する場合には第2の切り換え基準値として10号を採用したが、このように切り換え基準値におけるヒステリシスを設けることで空気供給のより好ましい制御ができる。が、切り換え基準値については必ずしも前記2種類の切り換え基準値によるヒステリシスを設ける必要はない。また、前記第1の切り換え基準値12号及び第2の切り換え基準値10号についてもその具体的な個々の数値は限定されるものではない。燃焼装置の型、規模、送風器50の能力、ダンパ60の形状やその他の条件によって、適当な値が予め実験によって設定されることになる。
【0022】
次に、図4に沿って、コントローラ90による、燃焼運転中におけるダンパ60の開閉制御と送風器50の風量(送風ファン51の回転数)制御を具体的に説明する。
今、給湯装置のメイン運転スイッチがオンされること等により、燃焼装置Aのスイッチがオンされた状態、即ち燃焼装置Aがその燃焼運転を行うための準備ができた状態において、給湯用回路70の入水流量センサ76若しくは風呂追い焚き用回路80の水量センサ86が最低作動水量(MOQ)以上を検出する(ステップS1でイエス)と、コントローラ90によって燃焼装置Aによる燃焼が開始される(ステップS2)。
【0023】
そして燃焼運転中においては、コントローラ90は、燃焼装置Aによる燃焼熱量(燃焼号数)が第1の切り換え基準値(12号)未満から以上に増加したか否かを監視し(ステップS3)、増加した場合(ステップS3でイエスの場合)には、送風器50の風量(送風ファン51の回転数)をダンパ60の通風度合いが大の場合(ダンパ60が開放の場合)における前記第1の切り換え基準値(12号)に対応する風量(回転数)になるように指令すると共に、ダンパ60を切り換え途中位置としての半開放位置になるよう指令する(ステップS4)。
このステップS4の指令によって、送風器50の風量(送風ファン51の回転数)は、元の比較的大きい風量(回転数)(ダンパ60の開口度合いが小の場合は大の場合に比べて一般に送風器50の風量は大となる)から一旦減少傾向となる。一方、ダンパ60もまた前記指令により通風度合いが小(ダンパ60の閉止状態)から切り換え途中位置(半開放位置)に移動せられる。この場合において、ダンパ60の切り換えに要する時間は通常において送風器50、特に大型の送風ファン51の回転数が減少するのに要する時間よりも短いことから、ダンパ60が切り換え途中位置(半開位置)に達した時点では未だ前記送風器50の風量はそれほど減少していない状態となる。従って、ダンパ60が切り換え途中位置(半開位置)に達してた後も暫くその位置で保持されることで、その間に送風器50の風量を適当な風量まで減少させることができ、その後にダンパ60が通風度合いが大(開放)に切り換えられても、送風器50による風量の変化をある程度ダンパ60の通風度合いの切り換えに追従させることが可能となるのである。
【0024】
そして前記送風器50及びダンパ60に対する動作指令後、一定時間経過するのを待って(ステップS5でイエス)、コントローラ90はさらに送風器50の風量(送風ファン51の回転数)をダンパ60の通風度合いが大の場合(ダンパ60が開放の場合)におけるそのときの燃焼熱量に対応する風量(回転数)になるように指令すると共に、ダンパー60を前記途中位置から通風度合いが大(ダンパ60の開放位置)に切り換え指令する(ステップS6)。
このステップS6の指令によって、ダンパ60は通風度合いが大(開放)に切り換えられ、また送風器50は、前記ダンパ60の通風度合いが大の場合における、そのときの燃焼熱量に対応する新たな風量(回転数)に向けて風量が整えられて行く。
前記ステップS5における一定時間は、ステップS4における動作指令からの一定時間とするが、例えば1秒とすることができる。この一定時間は、少なくとも前記ダンパ60が切り換え途中位置(半開放位置)に達して後、適当な時間が保持されるような時間を、予め実験により定めておくことになる。
勿論、前記一定時間はステップS4における動作指令からの一定時間であるが、ダンパ60が切り換え途中位置(半開放位置)に達してからの一定時間として、設定することも可能である。
【0025】
尚、上記の例においては、上記第3の特徴に対応した実施態様として、ステップS3において、燃焼熱量が第1の切り換え基準値以上に増加した場合に、送風器の風量を一旦ダンパの通風度合いが大の場合における前記第1の切り換え基準値に対応する風量になるように指令するようにしたが、そのようにする代わりに、上記第2の特徴に対応した実施態様として、燃焼熱量が第1の切り換え基準値以上に増加した場合に、送風器の風量をダンパの通風度合いが大の場合における、燃焼熱量に対応する風量に直接的になるように指令するようにしてもよい。この場合においても、ダンパ60を一旦切り換え途中位置に保持することで、送風器50の風量が徐々に新しい風量に整えられて行くのに合わせた形でのダンパ60の通風度合いの切り換えを行うことが可能となって、ダンパ60の通風度合い切り換えの過渡期におけるバーナ30等への供給風量が一時的に急増する等、供給風量の急激にな変動や不安定化を防止することができる。
【0026】
また、上記図4のフローのステップS5においては、一定時間の経過を条件とする代わりに、上記第4の特徴に対応した実施態様として、送風器50の風量が一定風量以下になるのを条件としてもよい。
この場合には、送風器50の風量(送風ファン51の回転数)が一定風量以下に下がるまでは、ダンパ60が切り換え途中位置(半開放位置)に保持されるので、送風器50の風量が未だ大の状態から脱していない状態にあるときにダンパ60だけが先に通風度合いが大(開放状態)に切り換えられてしまうのを防止することができる。よってこの場合においても、ダンパ60の通風度合いが小から大に切り換えられる際に、バーナ等へ供給される空気量が一次的に急増したり、不安定になるのを防止することができる。
前記一定風量については、例えばダンパ60の通風度合いが大の場合における前記第1の切り換え基準値に対応する風量よりも多少大となる風量(例えば前記第1の切り換え基準値が12号の場合には、該号数よりも燃焼号数が多少大きい13号〜14号程度の風量とすることができる。一定風量については予め実験等に基づいて設定しておくことになる。
【0027】
上記図4のフローのステップS3において、燃焼熱量が第1の切り換え基準値以上に増加していない場合(ステップS3でノーの場合)には、ステップS7に進んで、燃焼装置Aによる燃焼熱量(燃焼号数)が第2の切り換え基準値(10号)以上から未満に低下したか否かを監視し(ステップS7)、未満に低下した場合(ステップS7でイエスの場合)には、送風器50の風量(送風ファン51の回転数)をダンパ60の通風度合いが大の場合(ダンパ60が開放の場合)における前記第2の切り換え基準値(10号)に対応する風量(回転数)になるように指令すると共に、ダンパ60を通風度合いを大(開放位置)から小(閉止位置)になるよう切り換え指令する(ステップS8)。
そして前記ステップS8での送風器50及びダンパ60に対する動作指令後、一定時間経過するのを待って(ステップS9でイエス)、コントローラ90はさらに送風器50の風量(送風ファン51の回転数)をダンパ60の通風度合いが小の場合(ダンパ60が閉止の場合)におけるそのときの燃焼熱量に対応する風量(回転数)になるように指令する(ステップS10)。
【0028】
前記ステップS8の指令によって、ダンパ60は通風度合いが小(閉止)に切り換えられ、また送風器50は、前記ダンパ60の通風度合いが大の場合における、第2の切り換え基準値に対応する風量に向けてその風量が減少していく傾向となる。
前記ステップS9における一定時間は、ステップS8における動作指令からの一定時間とするが、例えば0.5秒とすることができる。この一定時間は予め実験により定めておくことになる。送風器50の風量はその間(0.5秒)に一旦適当に減少、保持せられることができる。よって、ダンパ60の通風度合いを大から小へ切り換える際に、送風器50の風量も同時的にダンパ60の通風度合いが小の場合に対応する風量になるよう指令した場合においては、そのダンパ60の切り換え過渡期において、バーナ30等へ供給される空気量の減少の度合いに比べて燃焼熱量の減少の度合いが緩慢となって沸騰現象を生じせしめる問題が生じるが、上記ステップS9のようにして一旦送風器50の風量を減少する方向に導いて、保持することで、燃焼熱量の減少の度合いとバーナ30等への供給空気量の減少の度合いとの歩調を合わせることができ、沸騰現象等の問題が生じるのを防止することができる。
【0029】
尚、上記ステップS7〜ステップS10までの制御は、前記ステップS5における一定時間経過の条件を、送風器50の風量が一定風量以下になるという条件に換えて、上記第4の特徴に対応した実施態様とした場合にも、適用することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成され、請求項1に記載の燃焼装置によれば、バーナと、該バーナへ燃料を供給する手段と、前記バーナへ空気を供給するための送風器と、該送風器からの送風途中に配置されて空気の通風度合いを制御するダンパとを少なくとも有し、燃焼運転中において、燃焼熱量が一定の切り換え基準値以上になると前記ダンパの通風度合いを大に切り換えると共に切り換え基準値未満になるとダンパの通風度合いを小に切り換え、且つ燃焼熱量とダンパの通風度合いの大、小に応じて前記送風器の風量を増減調整して、前記燃焼熱量に対応する必要空気量をバーナに供給するようにした燃焼装置であって、燃焼熱量が前記切り換え基準値以上に増加した場合には、少なくともダンパの通風度合いを元の小から一旦切り換え途中位置に切り換えて一定時間保持した後に更に大の位置に切り換えるように制御するコントローラを設けたので、
燃焼装置における燃焼運転中にダンパの通風度合いを小から大に切り換える際に、ダンパの通風度合いが送風器の風量の変更に先行して切り換わってしまうことよるバーナ等への供給空気量の急激な変化及び供給空気量の過渡的な不安的化を防止することができ、ダンパの通風度合いを切り換えることで能力の小から大への広範な範囲での燃焼を可能とした燃焼装置において、前記ダンパの通風度合い切り換えの際における供給風量の急激な変化や不安定化を防止して、安定した燃焼を確保することができる。
また請求項2に記載の燃焼装置によれば、上記請求項1に記載の構成による効果に加えて、燃焼熱量が切り換え基準値以上に増加した場合には、送風器の風量をダンパの通風度合いが大の場合における燃焼熱量に対応した風量になるように指令すると共にダンパの通風度合いを元の小から一旦切り換え途中位置に切り換え、更に一定時間経過後にダンパの通風度合いを大に切り換えるように制御するコントローラを設けたので、
ダンパの通風度合いの切り換えと比べて風量の変更が素早く進行しない送風器を用いている場合であっても、ダンパの通風度合いを小から大に切り換える際、送風器における風量の変更の進行に合わせてダンパの通風度合いを切り換え途中位置に一旦保持することができ、よってダンパだけが先に通風度合いが大となることによる、バーナへの過渡期な供給空気量の急増や或いは不安定化を予防することができる。よってダンパの通風度合いを切り換えることで能力の小から大への広範な範囲での燃焼を可能とした燃焼装置において、前記ダンパの通風度合い切り換えの際における燃焼の不安定化を予防し、安定した燃焼を確保することができる。
また請求項3に記載の燃焼装置によれば、上記請求項1に記載の構成による効果に加えて、燃焼熱量が切り換え基準値以上に増加した場合には、送風器の風量を一旦ダンパの通風度合いが大の場合における前記切り換え基準値に対応した風量になるように指令すると共にダンパの通風度合いを元の小から一旦切り換え途中位置に切り換え、更に一定時間経過後に送風器の風量を通風度合いが大の場合における燃焼熱量に対応する風量になるように指令すると共にダンパの通風度合いを大に切り換えるように制御するコントローラを設けたので、
ダンパの通風度合いの切り換えと比べて風量の変更が素早く進行しない送風器を用いている場合であっても、ダンパの通風度合いを小から大に切り換える際、送風器の風量を一旦減少させる方向に導きながら、且つダンパの通風度合いも小から大への途中位置に暫く保持することができ、よって、ダンパの通風度合いを小から大に切り換える際に、その通風度合いの切り換えを一旦途中で保持することよるバーナ等への供給空気量の過渡的な急増加或いは過渡的な不安定化の防止効果に加えて、送風器からの風量を通風度合いの増加切り換えに伴って一旦減少させることによるバーナ等への供給空気量の過渡的な急増加や不安定化の防止効果をも発揮させることができる。よってダンパの通風度合いを切り換えることで能力の小から大への広範な範囲での燃焼を可能とした燃焼装置において、前記ダンパの通風度合いの切り換えの際における燃焼の不安定化を一層効果的に予防し、安定した燃焼を確保することができる。
また請求項4に記載の燃焼装置によれば、上記請求項1に記載の構成による効果に加えて、燃焼熱量が切り換え基準値以上に増加した場合には、送風器の風量を一旦ダンパの通風度合いが大の場合における前記切り換え基準値に対応した風量になるように指令すると共にダンパの通風度合いを元の小から一旦切り換え途中位置に切り換え、更に前記送風器の風量が一定風量以下になった時点で送風器の風量を通風度合いが大の場合における燃焼熱量に対応する風量になるように指令すると共にダンパの通風度合いを大に切り換えるように制御するコントローラを設けたので、
ダンパの通風度合いの切り換えと比べて風量の変更が素早く進行しない送風器を用いている場合であっても、ダンパの通風度合いを小から大に切り換える際、送風器の風量を一旦減少させる方向に導きながら、且つダンパの通風度合いも小から大への途中位置に暫く保持し、且つ前記送風器の風量が一定風量以下まで低下した時点で、ダンパの通度合いを途中位置から大に切り換えることができ、上記請求項3の構成による効果と同様の効果を一層確実に奏することができる。
また請求項5に記載の燃焼装置によれば、上記請求項1〜4の何れかに記載の構成による効果に加えて、燃焼熱量が切り換え基準値未満に低下した場合には、送風器の風量を一旦ダンパの通風度合いが大の場合における前記切り換え基準値に対応した風量になるように指令すると共にダンパの通風度合いを元の大から通風度合いが小の位置に切り換え、更に一定時間後に送風器の風量を通風度合いが小における燃焼熱量に対応する風量になるように指令するコントローラを設けたので、
ダンパの通風度合いを大から小へ切り換える際に、一旦送風器の風量を減少する方向に導いて一定時間保持することで、バーナにおける燃焼熱量の減少に対して供給空気量の減少の歩調を合わせることができ、よって、変更過渡期において燃焼熱量が要求熱量よりも大きくなって過渡的な沸騰現象等が生じるのを防止することができる。即ち、ダンパの切り換え過渡期における燃焼運転の不安定さを解消して燃焼装置の安定した燃焼運転を確保することができる。
また請求項6に記載の燃焼装置によれば、上記請求項1〜5の何れかに記載の構成による効果に加えて、切り換え基準値は、燃焼熱量が増加する場合の切り換え基準値の方を燃焼熱量が低下する場合の切り換え基準値よりも大きくすることで、両切り換え基準値間にヒステリシスを設けているので、
ダンパがハンチング状態となって頻繁に切り換わったりするのを防止することができ、結果として正確で安定した送風を可能とし、安定した燃焼運転を行うことができる。
また請求項7に記載の燃焼装置によれば、上記請求項1〜6の何れかに記載の構成による効果に加えて、瞬間加熱式給湯装置における水加熱用に用いられるので、
低燃焼熱量から高燃焼熱量に至る広範囲において正確で安定した熱量を提供して、正確で安定した温度の温水を瞬間供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例にかかる燃焼装置を備えた給湯装置の全体構成図である。
【図2】本発明の実施の形態例にかかる燃焼装置の詳細図である。
【図3】本発明の実施の形態例にかかる燃焼装置における燃焼号数とダンパの開閉と送風ファンの回転数との関係を示す図である。
【図4】燃焼運転中におけるダンパの開閉制御と送風ファンの回転数制御を行う制御フロー図である。
【符号の説明】
A 燃焼装置
10 熱交換缶体
20 気化器
30 バーナ
40 燃料供給手段
50 送風器
51 送風ファン
60 ダンパ
70 給湯用回路
80 風呂追い焚き用回路
90 コントローラ
【発明の属する技術分野】
本発明は、バーナへの燃料供給手段や空気供給手段を備えた燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、バーナへの空気供給手段として、送風器と、該送風器からバーナへの送風通路の途中に通風度合いを制御するダンパを備えた燃焼装置が提供されている。この従来の燃焼装置では、能力小側における燃焼の余裕の拡大(赤熱防止等)を図るために、また耐風速性向上のために、前記ダンパを用いて、1〜2次比率及び空気通路抵抗(通風度合い)を2段階に切り換えている。即ち、燃焼熱量が小さい場合は、ダンパの通風度合いを小にした状態で、送風器による風量を制御することで、燃焼熱量に対応する空気量をバーナに供給し、また燃焼熱量が大の場合には、ダンパの通風度合いを大に切り換えた状態で、送風器による風量を制御することで、燃焼熱量に対応する空気量をバーナに供給している。このように、ダンパの通風度合いを大、小の2段に切り換えることで、燃焼能力小側から燃焼能力大側に至る広範な燃焼熱量に対して1つの送風器で必要な空気供給量を少量から多量に至るまで広範囲に渡って供給することを可能としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記ダンパの通風度合いを2段に切り換えるようにした従来の燃焼装置においては、ダンパの通風度合いが切り換えられる際には送風器による送風量も大きく変更する必要があることから、その切り換え時にバーナへの空気供給量が不安定になりやすく、燃焼が不安定な状態(例えばリフト現象を起こす等)になりやすい問題があった。
【0004】
そこで本発明は上記従来の燃焼装置の問題を解消し、燃焼運転の途中でダンパの通風度合いを切り換える必要が生じた場合においても、その切り換え時において、バーナへの空気供給量に極端な変化、或いは燃料供給量に対する空気供給量の極端な過不足等が生じることによって、燃焼状態が不安定になったり、好ましくない状態になるのを防止することができる燃焼装置の提供を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明の燃焼装置は、バーナと、該バーナへ燃料を供給する手段と、前記バーナへ空気を供給するための送風器と、該送風器からの送風途中に配置されて空気の通風度合いを制御するダンパとを少なくとも有し、燃焼運転中において、燃焼熱量が一定の切り換え基準値以上になると前記ダンパの通風度合いを大に切り換えると共に切り換え基準値未満になるとダンパの通風度合いを小に切り換え、且つ燃焼熱量とダンパの通風度合いの大、小に応じて前記送風器の風量を増減調整して、前記燃焼熱量に対応する必要空気量をバーナに供給するようにした燃焼装置であって、燃焼熱量が前記切り換え基準値以上に増加した場合には、少なくともダンパの通風度合いを元の小から一旦切り換え途中位置に切り換えて一定時間保持した後に更に大の位置に切り換えるように制御するコントローラを設けたことを第1の特徴としている。
また本発明の燃焼装置は、上記第1の特徴に加えて、燃焼熱量が切り換え基準値以上に増加した場合には、送風器の風量をダンパの通風度合いが大の場合における燃焼熱量に対応した風量になるように指令すると共にダンパの通風度合いを元の小から一旦切り換え途中位置に切り換え、更に一定時間経過後にダンパの通風度合いを大に切り換えるように制御するコントローラを設けたことを第2の特徴としている。
また本発明の燃焼装置は、上記第1の特徴に加えて、燃焼熱量が切り換え基準値以上に増加した場合には、送風器の風量を一旦ダンパの通風度合いが大の場合における前記切り換え基準値に対応した風量になるように指令すると共にダンパの通風度合いを元の小から一旦切り換え途中位置に切り換え、更に一定時間経過後に送風器の風量を通風度合いが大の場合における燃焼熱量に対応する風量になるように指令すると共にダンパの通風度合いを大に切り換えるように制御するコントローラを設けたことを第3の特徴としている。
また本発明の燃焼装置は、上記第1の特徴に加えて、燃焼熱量が切り換え基準値以上に増加した場合には、送風器の風量を一旦ダンパの通風度合いが大の場合における前記切り換え基準値に対応した風量になるように指令すると共にダンパの通風度合いを元の小から一旦切り換え途中位置に切り換え、更に前記送風器の風量が一定風量以下になった時点で送風器の風量を通風度合いが大の場合における燃焼熱量に対応する風量になるように指令すると共にダンパの通風度合いを大に切り換えるように制御するコントローラを設けたことを第4の特徴としている。
また本発明の燃焼装置は、燃焼熱量が切り換え基準値未満に低下した場合には、送風器の風量を一旦ダンパの通風度合いが大の場合における前記切り換え基準値に対応した風量になるように指令すると共にダンパの通風度合いを元の大から通風度合いが小の位置に切り換え、更に一定時間後に送風器の風量を通風度合いが小における燃焼熱量に対応する風量になるように指令するコントローラを設けたことを第5の特徴としている。
また本発明の燃焼装置は、上記第1〜5の何れかに記載の特徴に加えて、切り換え基準値は、燃焼熱量が増加する場合の切り換え基準値の方を燃焼熱量が低下する場合の切り換え基準値よりも大きくすることで、両切り換え基準値間にヒステリシスを設けていることを第6の特徴としている。
また本発明の燃焼装置は、上記第1〜6の何れかに記載の特徴に加えて、瞬間加熱式給湯装置における水加熱用に用いられることを第7の特徴としている。
【0006】
上記第1〜第7の特徴において、送風器は、送風ファンやその他、種々の形式の送風器を用いることができる。
また、バーナは、石油等の液体燃料用のバーナであっても、また燃料ガス用のバーナであってもよく、その種類を特に限定されない。
また、ダンパは、送風器から送られてくる風量の送風抵抗を大小に可変するものであり且つ一次空気と二次空気との配分比率を可変するものであれば、名称の如何を問わずダンパの範囲に入るものとする。
また、ダンパの通風度合いを切り換える基準となる切り換え基準値は、予め実験により、適当な燃焼熱量を切り換え基準値として設定しておくことになる。この切り換え基準値は、第7の特徴において開示したように、ダンパの通風度合いを小から大に切り換える場合と、ダンパの通風度合いを大から小に切り換える場合とでは、その切り換え基準値の値を異ならしめるようにするのがよいが、勿論、同じ値とすることも可能である。
また、ダンパの通風度合いを一旦切り換え途中位置に切り換える場合の、前記途中位置は、切り換え度合いの小と大との丁度中間の位置とすることができるが、丁度中間の位置でなくとも途中位置であればよい。
また、ダンパの通風度合いの切り換え途中位置に一定時間保持する場合の一定時間は、例えば一秒とする等、送風器の風量の実質的な変更に要する時間との関係において、予め実験によって適当な時間を定めておくことができる。
【0007】
また、上記第2、第3の特徴において、送風器の風量をダンパの通風度合いが大の場合における燃焼熱量に対応した風量になるように指令するとは、コントローラにより制御指令を出すということであって、送風器による実際の風量が指令した風量になるまでには多少の時間がかかるのである。この時間は通常において、ダンパの通風度合いが実際に小から大に切り換えられるのに必要な時間よりも長時間となる。このダンパの通風度合いの実際の切り換わりと送風器の風量の実際の変更に要する時間の差が、従来の装置における燃焼不良発生の1つの原因となっていた。
【0008】
また、上記第4の特徴において、ダンパの通風度合いを小から大に切り換える際に、送風器の風量を一旦通風度合いが大の場合の切り換え基準値に対応する低い風量になるように指令し、風量が一定風量以下になるまでダンパの通風度合いを切り換え途中位置に保持する理由は、風量がある程度まで下がった時点で、ダンパの通風度合いを大の状態に最終切り換えすることで、バーナに供給される空気の調整を急激な変化や不安定な変化を伴うことなく滑らかに行うことができる。ここで前記一定風量とは、ダンパの通度合いが大の場合における、切り換え基準値に近い比較的低い燃焼熱量に対応する風量を予め実験により設定しておく。
【0009】
また上記第5の特徴において、一旦ダンパの通風度合いが大の場合の切り換え基準値に対応する風量になるよう指令してから一定時間後に更に送風器の風量をダンパの通風度合いが小の場合の燃焼熱量に対応する風量になるように指令することで、ダンパの通風度合いを大から小に変更した際に、バーナに供給される空気の調整を急激な変化や不安定な変化を伴うことなく滑らかに行うことができる。ここで一定時間は、送風器の風量がダンパの通風度合いが大の場合の切り換え基準値に対応する風量に近い比較的低い風量となるのに必要な時間を、予め実験によって設定しておくことができる。
【0010】
また上記第6の特徴においては、両切り換え基準値間にヒステリシスを設けることで、ダンパがハンチング状態となって頻繁に切り換わったりするのを防止し、正確で安定した送風を可能とすることができる。
【0011】
また上記第7の特徴においては、瞬間加熱式給湯装置において、水を瞬間加熱するための燃焼装置が安定した送風量の切り換えにより低燃焼熱量から高燃焼熱量に至る広範囲において正確で安定した熱量を提供することが可能となり、広範囲の温度領域において正確で安定した給湯を行うことが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の燃焼装置の実施の形態を図1〜図5を参照して説明する。
図1は本発明の実施の形態例にかかる燃焼装置を備えた給湯装置の全体構成図、図2は燃焼装置の詳細図、図3は本発明の実施の形態例にかかる燃焼装置における燃焼号数とダンパの開閉と送風ファンの回転数との関係を示す図、図4は燃焼運転中におけるダンパの開閉制御と送風ファンの回転数制御を行う制御フロー図である。
【0013】
先ず、本発明の燃焼装置を含む給湯装置の全体構成を図1、図2により説明する。
燃焼装置Aは、熱交換缶体としての機能を兼備した形で構成されており、熱交換缶体10内の下部に気化器20とバーナ30とを備え、燃料供給手段40から送られてくる石油燃料を前記気化器20で気化して、バーナ30に送り、燃焼に供するようにしている。また送風器50とダンパ60とからなる空気供給手段によって、空気を前記気化器20及びバーナ30に送り、燃焼に供するようにしている。
【0014】
前記熱交換缶体10内の上部には給湯用回路70の熱交換管路72と風呂追い焚き用回路80の熱交換管路82とが貫通せられている。
【0015】
前記気化器20は、拡散羽根21、気化ヒータ22、気化器温度センサ23、気化壁面24等からなり、送られてきた石油燃料を拡散羽根21によって周囲に飛散させながら、周囲の気化壁面24等で気化させる。気化せられた石油燃料は混合室25を通ってバーナ30に導かれ、燃焼に供される。
尚、26は混合室25内を加温するための混合室ヒータ、27は前記拡散羽根21を回転させるモータ、28は気化器20やバーナ30に送られるために取り入れられる空気の温度を検出する給気温度センサである。
【0016】
前記バーナ30には、点火器31及び炎検出器32が付加されており、バーナ30を通って上昇する気化燃料が点火器31によって点火され、燃焼される。この燃焼熱によって、前記給湯用回路70の熱交換管路72を通る水が加熱され、また風呂追い焚き用回路80の熱交換管路82を通る浴槽水が加熱せられる。
【0017】
前記燃料供給手段40は、図示しない石油タンクからの石油が汲み上げポンプ41によって一旦石油サブタンク42に蓄えられ、その石油サブタンク42から定流量ポンプ43によって前記気化器20の拡散羽根21まで導くように構成されている。
【0018】
前記送風器50は、送風ファン51と駆動モータ52とからなり、送風の風量を検出するための回転数センサ53等を備えている。送風ファン51を所定の回転数で回転させることで、対応する風量を供給することができる。
一方、前記ダンパ60は前記送風器50からの送風途中に配置され、送風器50から送られてくる風量に対して、下流側への通風度合いを大、小の2段階に切り換える。実際には、ダンパ60にはダンパ60そのものの壁等に図示しない通気穴等の通気手段が設けられており、図示しない電動モータ等の駆動手段によって、ダンパ60が通風路を閉止した状態(図2において実線で示す)で、通風度合いが小の状態となるようにしている。またダンパ60から通風路が開放された状態(図2において破線で示す)で、通風度合いが大の状態となるようにしている。
ダンパ60を通過した空気は一次空気として気化器20側に送られ、更に気化器20から混合室25を通ってバーナ30に供給される。またダンパ60を通過した他の空気は二次空気としてバーナ30に直接的に供給される。また前記二次空気の一部は無効空気となって熱交換缶体10内に入る。
以上のようにして、バーナ30に供給される空気は、送風器50とダンパ60によって所定の空気が供給されるように後述するコントローラで制御される。
【0019】
前記給湯用回路70においては、入水管路71から入った水は既述した熱交換管路72を通って加熱され、出湯管路73に出湯される。また前記入水管路71から出湯管路73へ管路を短絡するバイパス管路74が設けられており、該バイパス管路74と前記出湯管路73との合流点から下流が給湯管路75となっている。給湯管路75は途中で一般給湯管路75aと風呂落とし込み給湯管路75bとに分岐せられている。
76は入水流量センサ、77は入水温度センサ、78は出湯温度センサ、79は給湯温度センサである。
前記燃焼装置Aによる燃焼運転は、前記入水流量センサ76が最低作動水量以上を検出することで開始されるようになされている。
【0020】
前記風呂追い焚き用回路80においては、図示しない浴槽からの浴槽水が風呂戻り管路81から熱交換管路82を通って加熱され、風呂往き管路83を通って浴槽に循環するように構成されている。前記風呂落とし込み給湯管路75bは前記風呂戻り管路81と風呂往き管路83とを短絡するバイパス管路84に接続されている。
85は循環ポンプ、86は水量センサである。燃焼装置Aによる燃焼運転は、前記水量センサ86が最低作動水量以上を検出することで開始されるようになされている。
【0021】
90はコントローラで、燃焼装置A及び該燃焼装置Aを備えた給湯装置全体の制御を行うものである。
コントローラ90によって行われる送風器50(送風ファン51)とダンパ60の制御は、図3に示すように、燃焼運転中において、燃焼熱量としての燃焼号数が12号未満から12号以上に増加した場合にはダンパ60を閉止から開放に切り換えるようにしている。これによってダンパ60による通風度合いが小から大に切り換えられ、そして前記12号はダンパ60の通風度合いを小から大へ切り換えるための第1の切り換え基準値となる。
一方、燃焼運転中において、燃焼熱量としての燃焼号数が10号以上から10号未満に低下した場合にはダンパ60を開放から閉止に切り換えるようにしている。これによってダンパ60による通風度合いが大から小に切り換えられ、そして前記10号はダンパ60の通風度合いを大から小へ切り換えるための第2の切り換え基準値となる。
前記ダンパ60による通風度合いを小から大に切り換え、或いは大から小に切り換えることによって、比較的能力の大きい送風器50を用いて、少量の空気量から多量の空気量に至るまでの広い範囲にわたって、比較的正確な空気量を供給することが可能となる。
ここにおいて、燃焼号数とは、1リットルの水を1分間に25℃昇温することができる燃焼熱量をいう。
また、上記においてダンパ60を閉止から開放にする場合には第1の切り換え基準値として12号を採用し、開放から閉止する場合には第2の切り換え基準値として10号を採用したが、このように切り換え基準値におけるヒステリシスを設けることで空気供給のより好ましい制御ができる。が、切り換え基準値については必ずしも前記2種類の切り換え基準値によるヒステリシスを設ける必要はない。また、前記第1の切り換え基準値12号及び第2の切り換え基準値10号についてもその具体的な個々の数値は限定されるものではない。燃焼装置の型、規模、送風器50の能力、ダンパ60の形状やその他の条件によって、適当な値が予め実験によって設定されることになる。
【0022】
次に、図4に沿って、コントローラ90による、燃焼運転中におけるダンパ60の開閉制御と送風器50の風量(送風ファン51の回転数)制御を具体的に説明する。
今、給湯装置のメイン運転スイッチがオンされること等により、燃焼装置Aのスイッチがオンされた状態、即ち燃焼装置Aがその燃焼運転を行うための準備ができた状態において、給湯用回路70の入水流量センサ76若しくは風呂追い焚き用回路80の水量センサ86が最低作動水量(MOQ)以上を検出する(ステップS1でイエス)と、コントローラ90によって燃焼装置Aによる燃焼が開始される(ステップS2)。
【0023】
そして燃焼運転中においては、コントローラ90は、燃焼装置Aによる燃焼熱量(燃焼号数)が第1の切り換え基準値(12号)未満から以上に増加したか否かを監視し(ステップS3)、増加した場合(ステップS3でイエスの場合)には、送風器50の風量(送風ファン51の回転数)をダンパ60の通風度合いが大の場合(ダンパ60が開放の場合)における前記第1の切り換え基準値(12号)に対応する風量(回転数)になるように指令すると共に、ダンパ60を切り換え途中位置としての半開放位置になるよう指令する(ステップS4)。
このステップS4の指令によって、送風器50の風量(送風ファン51の回転数)は、元の比較的大きい風量(回転数)(ダンパ60の開口度合いが小の場合は大の場合に比べて一般に送風器50の風量は大となる)から一旦減少傾向となる。一方、ダンパ60もまた前記指令により通風度合いが小(ダンパ60の閉止状態)から切り換え途中位置(半開放位置)に移動せられる。この場合において、ダンパ60の切り換えに要する時間は通常において送風器50、特に大型の送風ファン51の回転数が減少するのに要する時間よりも短いことから、ダンパ60が切り換え途中位置(半開位置)に達した時点では未だ前記送風器50の風量はそれほど減少していない状態となる。従って、ダンパ60が切り換え途中位置(半開位置)に達してた後も暫くその位置で保持されることで、その間に送風器50の風量を適当な風量まで減少させることができ、その後にダンパ60が通風度合いが大(開放)に切り換えられても、送風器50による風量の変化をある程度ダンパ60の通風度合いの切り換えに追従させることが可能となるのである。
【0024】
そして前記送風器50及びダンパ60に対する動作指令後、一定時間経過するのを待って(ステップS5でイエス)、コントローラ90はさらに送風器50の風量(送風ファン51の回転数)をダンパ60の通風度合いが大の場合(ダンパ60が開放の場合)におけるそのときの燃焼熱量に対応する風量(回転数)になるように指令すると共に、ダンパー60を前記途中位置から通風度合いが大(ダンパ60の開放位置)に切り換え指令する(ステップS6)。
このステップS6の指令によって、ダンパ60は通風度合いが大(開放)に切り換えられ、また送風器50は、前記ダンパ60の通風度合いが大の場合における、そのときの燃焼熱量に対応する新たな風量(回転数)に向けて風量が整えられて行く。
前記ステップS5における一定時間は、ステップS4における動作指令からの一定時間とするが、例えば1秒とすることができる。この一定時間は、少なくとも前記ダンパ60が切り換え途中位置(半開放位置)に達して後、適当な時間が保持されるような時間を、予め実験により定めておくことになる。
勿論、前記一定時間はステップS4における動作指令からの一定時間であるが、ダンパ60が切り換え途中位置(半開放位置)に達してからの一定時間として、設定することも可能である。
【0025】
尚、上記の例においては、上記第3の特徴に対応した実施態様として、ステップS3において、燃焼熱量が第1の切り換え基準値以上に増加した場合に、送風器の風量を一旦ダンパの通風度合いが大の場合における前記第1の切り換え基準値に対応する風量になるように指令するようにしたが、そのようにする代わりに、上記第2の特徴に対応した実施態様として、燃焼熱量が第1の切り換え基準値以上に増加した場合に、送風器の風量をダンパの通風度合いが大の場合における、燃焼熱量に対応する風量に直接的になるように指令するようにしてもよい。この場合においても、ダンパ60を一旦切り換え途中位置に保持することで、送風器50の風量が徐々に新しい風量に整えられて行くのに合わせた形でのダンパ60の通風度合いの切り換えを行うことが可能となって、ダンパ60の通風度合い切り換えの過渡期におけるバーナ30等への供給風量が一時的に急増する等、供給風量の急激にな変動や不安定化を防止することができる。
【0026】
また、上記図4のフローのステップS5においては、一定時間の経過を条件とする代わりに、上記第4の特徴に対応した実施態様として、送風器50の風量が一定風量以下になるのを条件としてもよい。
この場合には、送風器50の風量(送風ファン51の回転数)が一定風量以下に下がるまでは、ダンパ60が切り換え途中位置(半開放位置)に保持されるので、送風器50の風量が未だ大の状態から脱していない状態にあるときにダンパ60だけが先に通風度合いが大(開放状態)に切り換えられてしまうのを防止することができる。よってこの場合においても、ダンパ60の通風度合いが小から大に切り換えられる際に、バーナ等へ供給される空気量が一次的に急増したり、不安定になるのを防止することができる。
前記一定風量については、例えばダンパ60の通風度合いが大の場合における前記第1の切り換え基準値に対応する風量よりも多少大となる風量(例えば前記第1の切り換え基準値が12号の場合には、該号数よりも燃焼号数が多少大きい13号〜14号程度の風量とすることができる。一定風量については予め実験等に基づいて設定しておくことになる。
【0027】
上記図4のフローのステップS3において、燃焼熱量が第1の切り換え基準値以上に増加していない場合(ステップS3でノーの場合)には、ステップS7に進んで、燃焼装置Aによる燃焼熱量(燃焼号数)が第2の切り換え基準値(10号)以上から未満に低下したか否かを監視し(ステップS7)、未満に低下した場合(ステップS7でイエスの場合)には、送風器50の風量(送風ファン51の回転数)をダンパ60の通風度合いが大の場合(ダンパ60が開放の場合)における前記第2の切り換え基準値(10号)に対応する風量(回転数)になるように指令すると共に、ダンパ60を通風度合いを大(開放位置)から小(閉止位置)になるよう切り換え指令する(ステップS8)。
そして前記ステップS8での送風器50及びダンパ60に対する動作指令後、一定時間経過するのを待って(ステップS9でイエス)、コントローラ90はさらに送風器50の風量(送風ファン51の回転数)をダンパ60の通風度合いが小の場合(ダンパ60が閉止の場合)におけるそのときの燃焼熱量に対応する風量(回転数)になるように指令する(ステップS10)。
【0028】
前記ステップS8の指令によって、ダンパ60は通風度合いが小(閉止)に切り換えられ、また送風器50は、前記ダンパ60の通風度合いが大の場合における、第2の切り換え基準値に対応する風量に向けてその風量が減少していく傾向となる。
前記ステップS9における一定時間は、ステップS8における動作指令からの一定時間とするが、例えば0.5秒とすることができる。この一定時間は予め実験により定めておくことになる。送風器50の風量はその間(0.5秒)に一旦適当に減少、保持せられることができる。よって、ダンパ60の通風度合いを大から小へ切り換える際に、送風器50の風量も同時的にダンパ60の通風度合いが小の場合に対応する風量になるよう指令した場合においては、そのダンパ60の切り換え過渡期において、バーナ30等へ供給される空気量の減少の度合いに比べて燃焼熱量の減少の度合いが緩慢となって沸騰現象を生じせしめる問題が生じるが、上記ステップS9のようにして一旦送風器50の風量を減少する方向に導いて、保持することで、燃焼熱量の減少の度合いとバーナ30等への供給空気量の減少の度合いとの歩調を合わせることができ、沸騰現象等の問題が生じるのを防止することができる。
【0029】
尚、上記ステップS7〜ステップS10までの制御は、前記ステップS5における一定時間経過の条件を、送風器50の風量が一定風量以下になるという条件に換えて、上記第4の特徴に対応した実施態様とした場合にも、適用することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成され、請求項1に記載の燃焼装置によれば、バーナと、該バーナへ燃料を供給する手段と、前記バーナへ空気を供給するための送風器と、該送風器からの送風途中に配置されて空気の通風度合いを制御するダンパとを少なくとも有し、燃焼運転中において、燃焼熱量が一定の切り換え基準値以上になると前記ダンパの通風度合いを大に切り換えると共に切り換え基準値未満になるとダンパの通風度合いを小に切り換え、且つ燃焼熱量とダンパの通風度合いの大、小に応じて前記送風器の風量を増減調整して、前記燃焼熱量に対応する必要空気量をバーナに供給するようにした燃焼装置であって、燃焼熱量が前記切り換え基準値以上に増加した場合には、少なくともダンパの通風度合いを元の小から一旦切り換え途中位置に切り換えて一定時間保持した後に更に大の位置に切り換えるように制御するコントローラを設けたので、
燃焼装置における燃焼運転中にダンパの通風度合いを小から大に切り換える際に、ダンパの通風度合いが送風器の風量の変更に先行して切り換わってしまうことよるバーナ等への供給空気量の急激な変化及び供給空気量の過渡的な不安的化を防止することができ、ダンパの通風度合いを切り換えることで能力の小から大への広範な範囲での燃焼を可能とした燃焼装置において、前記ダンパの通風度合い切り換えの際における供給風量の急激な変化や不安定化を防止して、安定した燃焼を確保することができる。
また請求項2に記載の燃焼装置によれば、上記請求項1に記載の構成による効果に加えて、燃焼熱量が切り換え基準値以上に増加した場合には、送風器の風量をダンパの通風度合いが大の場合における燃焼熱量に対応した風量になるように指令すると共にダンパの通風度合いを元の小から一旦切り換え途中位置に切り換え、更に一定時間経過後にダンパの通風度合いを大に切り換えるように制御するコントローラを設けたので、
ダンパの通風度合いの切り換えと比べて風量の変更が素早く進行しない送風器を用いている場合であっても、ダンパの通風度合いを小から大に切り換える際、送風器における風量の変更の進行に合わせてダンパの通風度合いを切り換え途中位置に一旦保持することができ、よってダンパだけが先に通風度合いが大となることによる、バーナへの過渡期な供給空気量の急増や或いは不安定化を予防することができる。よってダンパの通風度合いを切り換えることで能力の小から大への広範な範囲での燃焼を可能とした燃焼装置において、前記ダンパの通風度合い切り換えの際における燃焼の不安定化を予防し、安定した燃焼を確保することができる。
また請求項3に記載の燃焼装置によれば、上記請求項1に記載の構成による効果に加えて、燃焼熱量が切り換え基準値以上に増加した場合には、送風器の風量を一旦ダンパの通風度合いが大の場合における前記切り換え基準値に対応した風量になるように指令すると共にダンパの通風度合いを元の小から一旦切り換え途中位置に切り換え、更に一定時間経過後に送風器の風量を通風度合いが大の場合における燃焼熱量に対応する風量になるように指令すると共にダンパの通風度合いを大に切り換えるように制御するコントローラを設けたので、
ダンパの通風度合いの切り換えと比べて風量の変更が素早く進行しない送風器を用いている場合であっても、ダンパの通風度合いを小から大に切り換える際、送風器の風量を一旦減少させる方向に導きながら、且つダンパの通風度合いも小から大への途中位置に暫く保持することができ、よって、ダンパの通風度合いを小から大に切り換える際に、その通風度合いの切り換えを一旦途中で保持することよるバーナ等への供給空気量の過渡的な急増加或いは過渡的な不安定化の防止効果に加えて、送風器からの風量を通風度合いの増加切り換えに伴って一旦減少させることによるバーナ等への供給空気量の過渡的な急増加や不安定化の防止効果をも発揮させることができる。よってダンパの通風度合いを切り換えることで能力の小から大への広範な範囲での燃焼を可能とした燃焼装置において、前記ダンパの通風度合いの切り換えの際における燃焼の不安定化を一層効果的に予防し、安定した燃焼を確保することができる。
また請求項4に記載の燃焼装置によれば、上記請求項1に記載の構成による効果に加えて、燃焼熱量が切り換え基準値以上に増加した場合には、送風器の風量を一旦ダンパの通風度合いが大の場合における前記切り換え基準値に対応した風量になるように指令すると共にダンパの通風度合いを元の小から一旦切り換え途中位置に切り換え、更に前記送風器の風量が一定風量以下になった時点で送風器の風量を通風度合いが大の場合における燃焼熱量に対応する風量になるように指令すると共にダンパの通風度合いを大に切り換えるように制御するコントローラを設けたので、
ダンパの通風度合いの切り換えと比べて風量の変更が素早く進行しない送風器を用いている場合であっても、ダンパの通風度合いを小から大に切り換える際、送風器の風量を一旦減少させる方向に導きながら、且つダンパの通風度合いも小から大への途中位置に暫く保持し、且つ前記送風器の風量が一定風量以下まで低下した時点で、ダンパの通度合いを途中位置から大に切り換えることができ、上記請求項3の構成による効果と同様の効果を一層確実に奏することができる。
また請求項5に記載の燃焼装置によれば、上記請求項1〜4の何れかに記載の構成による効果に加えて、燃焼熱量が切り換え基準値未満に低下した場合には、送風器の風量を一旦ダンパの通風度合いが大の場合における前記切り換え基準値に対応した風量になるように指令すると共にダンパの通風度合いを元の大から通風度合いが小の位置に切り換え、更に一定時間後に送風器の風量を通風度合いが小における燃焼熱量に対応する風量になるように指令するコントローラを設けたので、
ダンパの通風度合いを大から小へ切り換える際に、一旦送風器の風量を減少する方向に導いて一定時間保持することで、バーナにおける燃焼熱量の減少に対して供給空気量の減少の歩調を合わせることができ、よって、変更過渡期において燃焼熱量が要求熱量よりも大きくなって過渡的な沸騰現象等が生じるのを防止することができる。即ち、ダンパの切り換え過渡期における燃焼運転の不安定さを解消して燃焼装置の安定した燃焼運転を確保することができる。
また請求項6に記載の燃焼装置によれば、上記請求項1〜5の何れかに記載の構成による効果に加えて、切り換え基準値は、燃焼熱量が増加する場合の切り換え基準値の方を燃焼熱量が低下する場合の切り換え基準値よりも大きくすることで、両切り換え基準値間にヒステリシスを設けているので、
ダンパがハンチング状態となって頻繁に切り換わったりするのを防止することができ、結果として正確で安定した送風を可能とし、安定した燃焼運転を行うことができる。
また請求項7に記載の燃焼装置によれば、上記請求項1〜6の何れかに記載の構成による効果に加えて、瞬間加熱式給湯装置における水加熱用に用いられるので、
低燃焼熱量から高燃焼熱量に至る広範囲において正確で安定した熱量を提供して、正確で安定した温度の温水を瞬間供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態例にかかる燃焼装置を備えた給湯装置の全体構成図である。
【図2】本発明の実施の形態例にかかる燃焼装置の詳細図である。
【図3】本発明の実施の形態例にかかる燃焼装置における燃焼号数とダンパの開閉と送風ファンの回転数との関係を示す図である。
【図4】燃焼運転中におけるダンパの開閉制御と送風ファンの回転数制御を行う制御フロー図である。
【符号の説明】
A 燃焼装置
10 熱交換缶体
20 気化器
30 バーナ
40 燃料供給手段
50 送風器
51 送風ファン
60 ダンパ
70 給湯用回路
80 風呂追い焚き用回路
90 コントローラ
Claims (7)
- バーナと、該バーナへ燃料を供給する手段と、前記バーナへ空気を供給するための送風器と、該送風器からの送風途中に配置されて空気の通風度合いを制御するダンパとを少なくとも有し、燃焼運転中において、燃焼熱量が一定の切り換え基準値以上になると前記ダンパの通風度合いを大に切り換えると共に切り換え基準値未満になるとダンパの通風度合いを小に切り換え、且つ燃焼熱量とダンパの通風度合いの大、小に応じて前記送風器の風量を増減調整して、前記燃焼熱量に対応する必要空気量をバーナに供給するようにした燃焼装置であって、
燃焼熱量が前記切り換え基準値以上に増加した場合には、少なくともダンパの通風度合いを元の小から一旦切り換え途中位置に切り換えて一定時間保持した後に更に大の位置に切り換えるように制御するコントローラを設けたことを特徴とする燃焼装置。 - 燃焼熱量が切り換え基準値以上に増加した場合には、送風器の風量をダンパの通風度合いが大の場合における燃焼熱量に対応した風量になるように指令すると共にダンパの通風度合いを元の小から一旦切り換え途中位置に切り換え、更に一定時間経過後にダンパの通風度合いを大に切り換えるように制御するコントローラを設けたことを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置。
- 燃焼熱量が切り換え基準値以上に増加した場合には、送風器の風量を一旦ダンパの通風度合いが大の場合における前記切り換え基準値に対応した風量になるように指令すると共にダンパの通風度合いを元の小から一旦切り換え途中位置に切り換え、更に一定時間経過後に送風器の風量を通風度合いが大の場合における燃焼熱量に対応する風量になるように指令すると共にダンパの通風度合いを大に切り換えるように制御するコントローラを設けたことを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置。
- 燃焼熱量が切り換え基準値以上に増加した場合には、送風器の風量を一旦ダンパの通風度合いが大の場合における前記切り換え基準値に対応した風量になるように指令すると共にダンパの通風度合いを元の小から一旦切り換え途中位置に切り換え、更に前記送風器の風量が一定風量以下になった時点で送風器の風量を通風度合いが大の場合における燃焼熱量に対応する風量になるように指令すると共にダンパの通風度合いを大に切り換えるように制御するコントローラを設けたことを特徴とする請求項1に記載の燃焼装置。
- 燃焼熱量が切り換え基準値未満に低下した場合には、送風器の風量を一旦ダンパの通風度合いが大の場合における前記切り換え基準値に対応した風量になるように指令すると共にダンパの通風度合いを元の大から通風度合いが小の位置に切り換え、更に一定時間後に送風器の風量を通風度合いが小における燃焼熱量に対応する風量になるように指令するコントローラを設けたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の燃焼装置。
- 切り換え基準値は、燃焼熱量が増加する場合の切り換え基準値の方を燃焼熱量が低下する場合の切り換え基準値よりも大きくすることで、両切り換え基準値間にヒステリシスを設けていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の燃焼装置。
- 瞬間加熱式給湯装置における水加熱用に用いられることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の燃焼装置。
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