JP3570012B2 - 化粧料 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、高比表面積で且つ粗大凝集粒を含まない微粒水酸化アルミニウムを配合した、透明性が有り、付着性等の使用感に優れ、時間が経過してもテカリが出ず、化粧くずれしにくい優れた化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、化粧料には白色顔料、着色顔料、体質顔料、真珠顔料、粘度鉱物、金属石鹸類等の各種粉体原料が使用されており使用感等を考慮して適宜配合されている。
【0003】
しかしながら従来の化粧料で消費者ニーズを満たしていない大きな問題に化粧後の時間経過に伴うテカリや化粧くずれがある。このテカリや化粧くずれには皮脂の分泌が関連しており、分泌された皮脂により化粧成分が希釈され、流動性を帯び、表面が平滑になり鏡面反射を起こしたり(本明細書中ではこれを“テカリ”と称する)、或いは、化粧面の皮脂を吸収するために用いたテッシュペーパーやコットン等に化粧料が被着しはがれる為に発生していると考えられている。それ故、この問題を解決するためにはこの過剰の皮脂に如何に対応するかが大きな課題であった。
かかる課題を解決すべく基材の粉体として、油分を弾く様な素材でコーティングした粉体を用いたり、皮脂吸収剤を配合して余分な皮脂を吸収する事が試みられてきた。
【0004】
例えば基材の粉体を油分を弾く様な素材でコーティングしたものとしては、金属石鹸による処理(特開昭57−40564号公報、特開昭60−181166号公報)、アルキルフォスフェート処理(特開昭60−163808号公報、特開昭61−180706号公報)、シリコーン処理(特公昭41−9890号公報、特公昭45−2915号公報、特公昭45−18999号公報、特開昭54−56083号公報、特開昭61−189211号公報)、フッ素化合物による表面処理(特開昭55−167209号公報、特開昭62−250074号公報、特開平1−180811号公報)等が報告されているが、このような基材の表面を油分を弾く素材でコーティングする方法に於いては、弾かれた皮脂は肌の上に残っているで“テカリ”や化粧くずれの問題が完全に解消したわけではなかった。
一方、皮脂吸収剤を配合して余分な皮脂を吸収するものとして高吸収性の高分子(特開昭60−81120号公報)、樹脂(特開平01−151506号公報)、多孔性粉体(特開昭63−159306号公報、特開平02−172902号公報)等を用いることが提案されているが皮脂吸収剤を配合すると、使用感や仕上がり感が損なわれると言う問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、透明感があり、化粧後時間が経過しても化粧くずれしにくい化粧料を提供するにある。
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を加えた結果、特定のBET比表面積と平均粒子径を有する水酸化アルミニウムを配合する場合には、上記課題を全て満足する化粧料が得られることを見いだし、本発明を完成するに到った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、BET比表面積が200m 2 /g以上、平均粒子径(累積50重量%径)が7μm以下、かつ非晶質である水酸化アルミニウムを配合してなる化粧料を提供するにある。
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては、化粧料にテカリ防止、化粧くずれの防止性能を付与するために、BET比表面積が少なくとも200m2/g以上、より好ましくは250m2/g以上で平均粒子径(累積50重量%径)が7μm以下、より好ましくは約0.5μm〜約6μmの水酸化アルミニウム、就中、非晶質または擬ベーマイト構造を有する水酸化アルミニウムを配合する。このような水酸化アルミニウムは平均粒子径が7μm以下と微粒なので肌に塗布した場合ざらつきを感ぜず、付着性にも優れる。またこれらの水酸化アルミニウムの屈折率は1.5から1.6であるので化粧品に配合する油分との屈折率差が少なく透明感のある化粧塗膜を与える。これに加えて非常に大きなBET比表面積を有しているので優れた皮脂吸収性能を有しておりこれが為にテカリ防止や化粧くずれの防止に有効である。
【0009】
微粒子の水酸化アルミニウムの配合量は化粧料全量に対して通常約1〜約90重量%、好ましくは約2〜約70重量%、より好ましくは約3〜約50重量%配合される。配合量が1重量%以下では、皮脂吸収性能や透明感が充分でないので所定の性能が発揮されない。
【0010】
この様な水酸化アルミニウムは、アルミニウムアルコキシドを高速剪断撹拌下で連続的に加水分解する事により製造することが出来る。
【0011】
本発明の化粧料には、上記必須成分に加え、必要に応じて通常の化粧料に使用される成分を配合してもよい。例えば、ワセリン、ラノリン、セレシン、マイクロクリスタインワックス、カルナバロウ、キャンデラロウ、高級脂肪酸、高級アルコール等の固形・半固形油分;スクワラン、流動パラフィン、エステル油、ジグリセライド、トリグリセライド、シリコンオイル等の流動性油分;水溶性及び油溶性ポリマー、界面活性剤、無機および有機顔料、有機染料等の色剤、色素、エタノール、防腐剤、酸化防止剤、増粘剤、PH調節剤、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤等が挙げられ、これらは本発明の目的、効果を損なわない範囲で配合可能である。
【0012】
本発明の化粧料は通常公知の方法に従って製造することが出来、ファーデーション、アイシャドー、頬紅等のメークアップ化粧料や乳液、クリーム等の基礎化粧品等に適用することが出来る。
【0013】
【発明の効果】
本発明で得られる化粧料は、配合された水酸化アルミニウムが微粒で非常に大きな比表面積を有しているので、使用感、付着性に優れ、加えて優れた皮脂吸収性能を有しており化粧後時間が経過してもテカリや化粧くずれが発生しにくくなる。加えて、油分に近似した屈折率を有していることに由来して優れた透明性のある化粧塗膜を与える。
【0014】
【実施例】
以下に本発明を実施例によって更に詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
尚、実施例中の配合量(%)は、全て重量%である。
【0015】
〔製造例〕
耐圧2kg/cm2 (使用圧0.2kg/cm2)、内容量35ccの反応器に高速回転剪断撹拌機クレアミックスCLM−L2.5S(エム・テクニック株式会社製(使用ローターの最長径29mm、最短径11mm、クリアランス0.3mm)を設置し、速度勾配は33400sec−1〜88000sec−1の条件で、アルミニウムイソプロポキシド濃度75%のイソプロピルアルコール溶液と水濃度が30重量%のイソプロピルアルコール溶液を、水/アルミニウムイソプロポキシドのモル比が2.0の一定条件で、撹拌帯域の滞留時間が15秒で連続的に供給し40〜70℃の温度で加水分解して水酸化アルミニウムを得た。得られた水酸化アルミニウムの結晶形はアモルファスであり、マイクロトラックMKII粒度分析計(SPA モデル7997−20 日機装株式会社製)で測定した粒子径D50は3.1μmであった。
また、上記方法に於いて、水/アルミニウムイソプロポキシドのモル比を3.0に変えた以外は同一条件を用い水酸化アルミニウムを製造した。得られた水酸化アルミニウムの結晶形は擬ベーマイトであり、D50は3.1μmであった。
【0016】
実施例1、2、参考例1
表1の粉体成分Aをヘンシェルミキサー中で混合し、更にパルベライザーで粉砕した後、再びヘンシェルミキサーに入れ、油剤成分Bを混合し、粉体成分Aを油剤成分Bでコーティングした。これを取り出した後、パルベライザーで仕上げ粉砕を行い、中皿にプレス成形して、プレストファンデーションを得た。
【0017】
【表1】
【0018】
比較例1〜3
表2の成分を用いて、実施例1と同様にして、プレストファンデーションを得た。
【0019】
【表2】
【0020】
本発明の化粧品の評価
以上のようにして得られたメークアップ化粧品について、肌に塗布する際の使用感と化粧後4時間経過したときの化粧くずれの程度を評価した。
30〜40代の女性10名のパネラーの顔面に、上記各実施例、参考例及び比較例のパウダーファンデーションを0.1g塗布し3名の美容専門家により、下記基準により官能評価した。結果を表3に示す。
【0021】
化粧くずれの評価基準
◎ : 化粧くずれはほとんど見られない
○ : 額と鼻筋の一部に化粧くずれが見られた
△ : 額と鼻筋の半分くらいに化粧くずれが見られた
× :額と鼻筋の全域に化粧くずれが見られた
【0022】
【表3】
Claims (2)
- BET比表面積が200m 2 /g以上、平均粒子径(累積50重量%径)が7μm以下、かつ非晶質である水酸化アルミニウムを配合してなる化粧料。
- 水酸化アルミニウムの配合量が1〜90重量%であることを特徴とする請求項1記載の化粧料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14732295A JP3570012B2 (ja) | 1995-06-14 | 1995-06-14 | 化粧料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14732295A JP3570012B2 (ja) | 1995-06-14 | 1995-06-14 | 化粧料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08337509A JPH08337509A (ja) | 1996-12-24 |
JP3570012B2 true JP3570012B2 (ja) | 2004-09-29 |
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ID=15427570
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP14732295A Expired - Fee Related JP3570012B2 (ja) | 1995-06-14 | 1995-06-14 | 化粧料 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3570012B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
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---|---|---|---|---|
KR102067756B1 (ko) * | 2018-12-04 | 2020-01-17 | 오상자이엘 주식회사 | 수산화알루미늄을 함유하는 비누의 제조방법 |
-
1995
- 1995-06-14 JP JP14732295A patent/JP3570012B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08337509A (ja) | 1996-12-24 |
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