JP3569750B2 - 半導体デバイスシミュレーション方法および装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、半導体デバイスの設計等に使用するのに好適な半導体デバイスシミュレーション方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの設計等では、模擬的に半導体デバイスの電気特性を求めるための半導体デバイスシミュレーション装置が用いられている。
半導体デバイスの電気特性を模擬的に求めるには、不純物分布および境界条件等に沿ってポアソン方程式を解いて電位を求め、この電位から導き出される電界に基づき、ボルツマン方程式を解き、これにより求められるキャリアの分布関数が集束するまで両演算が反復される。
この分布関数の集束により、キャリア分布関数を求めることができ、キャリア分布関数の値である分布関数値から、半導体デバイスの電気特性の基になるキャリア濃度分布を求めることができ、またこのキャリア濃度分布から、半導体デバイスの電圧−電流特性を始めとする、種々の電気特性を得ることができる。
【0003】
ところで、このような方程式による演算処理にはコンピュータが利用されており、従来のシミュレーション装置にはポアソン方程式を解く演算処理部およびボルツマン方程式を解く演算処理部が設けられている。
両方程式は偏微分方程式で表わされ、特にボルツマン方程式は、時間、位置ベクトルおよび波数ベクトルの合計7つの変数の偏微分方程式で表わされることから、このボルツマン方程式を比較的容易に解くために、流体モデル法およびモンテカルロ法を利用することが提案されている(「プロセス・デバイスシミュレーション技術」、p91〜133およびp197〜214、檀良 編著、産業図書株式会社発行、昭和63年)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、流体モデルによってボルツマン方程式を解く方法では、例えばキャリアの温度を仮定し、あるいはキャリアのエネルギー分布関数がマクスウェル−ボルツマンの分布関数である等、方程式の簡略化のために多数の仮定を導入する必要がある。そのため、この多数の仮定の導入により、現実の環境での結果と不一致を生じることがあり、常に導入した仮定についての妥当性が問題となる。
また、モンテカルロ法によってボルツマン方程式を解く方法では、方程式の簡略化およびそれに伴う多数の仮定の導入が行なわれることはないが、解法自体が乱数に基づくことから、確率の小さな現象の演算にも時間を要し、演算処理に多大の時間が掛かる。しかも、確率の小さな現象により、解そのものが引きずられ、このために現実には有り得ないような値を含む結果が求められることがあり、常に安定した結果を求めることが困難である。
【0005】
そこで、半導体デバイスの電気特性を模擬的に、比較的速く、しかも現実に即する安定した結果として得ることのできる半導体デバイスシミュレーション方法および装置の現出が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基本的には、ボルツマン方程式を解くにあたり、いわゆるセルオートマトン(cellular automaton, 自己増殖機械)法を利用する。
先ず、本発明の基本概念を述べる。
ボルツマン方程式では、分布関数が時間、位置ベクトルおよび波数ベクトルの関数として表わされる。
【0007】
これに対応して、本発明では、位置ベクトルに係わる位置空間および波数ベクトルに係わる運動量空間をそれぞれ生成する。
位置空間を小領域に区画し、各小領域にそれぞれの小領域におけるキャリアの存在確率を示すキャリアの分布関数値を代表する代表点を設ける。また、位置空間の各代表点毎にそれぞれ運動量空間を対応させ、各運動量空間を小領域に区画し、運動量空間の各小領域にそれぞれの小領域におけるキャリアの存在確率を示すキャリアの分布関数値を代表する代表点を設ける。
各位置空間の代表点に初期値を与え、この初期値に基づき対応する運動量空間に初期値を与える。また、この位置空間の初期値に対応してキャリアを各運動量空間の各小領域に配分する。
【0008】
各運動量空間でキャリアが散乱されるまでの時間Δtを求め、後述するボルツマン方程式の衝突までの走行に関する項についての解を求めるために、運動量空間の時間Δt後の運動量空間での運動量の変化量を求め、さらに、この運動量空間に対応する位置空間での位置の変化量を求める。
これら両変化量から、位置空間および運動量空間における各小領域でのキャリア存在確率すなわち各代表点における分布関数値が補正され、時間Δt後の各小領域でのキャリア存在確率が求められる。
【0009】
また、ボルツマン方程式の散乱に関する項についての解を求めるために、運動量空間においてキャリアの散乱後の運動量を求め、この運動量空間における散乱後の運動量の変化によるキャリア存在確率である分布関数値を求め、この運動量空間の分布関数値から対応する位置空間での分布関数値を求める。
さらに、この位置空間および運動量空間の各小領域でのキャリア存在確率を示す各分布関数値を初期値として、再び、散乱されるまでの時間Δtを求め、時間Δt後の走行に関する項についての解および散乱に関する項についての解を求めるステップが所定回数繰り返される。
以上がボルツマン方程式を解くにあたっての本発明の方法および装置についての基本概念である。
【0010】
本発明に係る半導体デバイスシミュレーション方法は、上記の基本概念に沿って半導体デバイスの電気的特性をコンピュータを用いて模擬的に求める半導体デバイスシミュレーション方法において、対象とする半導体デバイスの不純物濃度分布および境界条件についての条件を入力し、入力条件に沿って、電位とキャリア濃度との関係を示すポアソン方程式を解いて電界に関する情報を求め、ポアソン方程式を解くことにより求められた電界に基づき、ボルツマン方程式を解いてキャリアの分布関数を求め、ボルツマン方程式を解くことにより求められたキャリアの分布関数値から求められるキャリア濃度をポアソン方程式に代入して両方定式の演算を繰り返し、集束する分布関数に基づいて対象とする半導体デバイスの電気特性を求める。
【0011】
ボルツマン方程式の解として、以下のステップ
1.材料の形状に対応してメッシュ状に区画された多数の小領域からなる各位置空間を生成し、該各位置空間に代表点を設け、該各代表点のそれぞれにキャリア存在数を示す初期値を与え、該初期値を前記分布関数Fに代入して分布関数値(F)を算出し、
2.前記位置空間の各代表点毎にメッシュ状に区画された多数の小領域からなる運動量空間を生成し、該各運動量空間に代表点を設け、該代表点のそれぞれにキャリア存在数を示す初期値を与え、該初期値を前記分布関数値(F)に代入して分布関数値(f)を算出し、
3.前記運動量空間の分布関数値(f)に対応してキャリアを対応する運動量空間に配分し、
4.半導体材料の物理モデルに応じて該運動量空間に配分されたキャリアが散乱されるまでの時間Δtを求め、
5.ポアソン方程式の解から求められた電界及びエネルギーバンド構造に基づいて全運動量空間のキャリアの加速運動による時間Δt後の位置および運動量についての各変化量を求め、
6.キャリアの運動後の前記位置空間および前記運動量空間上の位置を基に、各空間の各小領域の前記代表点における分布関数値(F、f)を補正し、
7.前記運動量空間において、散乱の種類に応じたキャリア散乱後の運動量を求め、当該運動量空間上の位置を基に、該運動量空間の各小領域の前記各代表点における分布関数値(f)を補正し、
8.分布関数値(F、f)が補正された前記位置空間および前記運動量空間について、前記3.から前記7.のステップを所定回数繰り返し、分布関数値(F)から求められてポアソン方程式に代入されるキャリア濃度を逐次更新する、
の実行により求められることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る半導体デバイスシミュレーション装置は、対象とする半導体デバイスの不純物濃度分布および境界条件を含む条件が入力される入力装置と、該入力装置からの入力条件に基づいてキャリア分布関数についての演算を行うプロセッサと、該プロセッサから出力されるキャリア分布関数に関する情報を表示する出力装置とを含む。
【0013】
プロセッサは、入力装置からの条件に沿って電界に関するポアソン方程式を解く演算処理部と、ポアソン方程式を解くことにより求められた電界に基づき、キャリアの分布関数を求めるボルツマン方程式を解く演算処理部と、両演算処理部の反復演算処理により求められたキャリア分布関数が集束するか否かを判定する集束判定部とを備える。
【0014】
ボルツマン方程式を解く演算処理部は、メッシュ状に区画された小領域からなる位置空間を生成する位置空間生成部分と、位置空間の各小領域に対応する複数の運動量空間であってそれぞれがメッシュ状に区画された小領域からなる運動量空間を生成する運動量空間生成部分と、位置空間の各小領域に与えられたキャリアの分布関数値(F)に基づく分布関数値(f)が与えられた運動量空間に位置空間での分布関数値(F)に対応して配分されたキャリアが散乱されるまでの時間Δtを求めるモデル演算処理部分と、該演算処理部分により求められた時間Δt後のキャリアの位置空間および運動量空間における位置および運動量についての変化量を求め、該変化量に基づいて位置空間および運動空間の各小領域の分布関数値(F、f)を補正する走行項演算処理部分と、位置空間の各小領域の補正された分布関数値(F)に対応する運動量空間において、散乱の種類に応じたキャリア散乱後の運動量を求め、当該運動量空間上の位置を基に、該運動量空間の各小領域の分布関数値(f)を補正する散乱項演算処理部分とを有する。
【0015】
集束判定部は、走行項演算処理部分および散乱項演算処理部分により補正された位置空間および運動量空間における各小領域での分布関数値(F、f)をもとに、モデル演算処理部分、走行項演算処理部分および散乱項演算処理部分の所定回数の反復演算処理およびポアソン方程式を解く演算処理部への反復演算処理を経て得られる分布関数値(F)から求められるキャリアの分布関数が集束するか否かを判定する。
【0016】
【作用】
本発明の方法では、位置空間の各代表点に与えられる初期値は、従来の流体モデル法におけると同様に、仮定的に導入されるが、この流体モデル法におけるように仮定条件が固定的に取り扱われることはなく、ボルツマン方程式の反復演算およびポアソン方程式の演算をも含む反復演算によって、これら仮定的に導入される条件等は、適性値に向けて順次更新される。従って、従来のように特定の仮定についての妥当性が問題となることはない。
また、乱数に基づく演算処理ではないことから、演算処理にモンテカルロ法におけるような多大の演算処理時間を要することはなく、しかも、確率の小さな現象による解のばらつきが防止される。
【0017】
また、本発明の装置では、該装置を構成する各部をコンピュータにより構成することにより、本発明の方法を適切かつ有効に実施することができる。これにより、従来に比較して高い精度でしかも高速に適正な半導体デバイス特性のシミュレーション結果を得ることができる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明を図示の実施例に沿って詳細に説明する。
図1は、本発明に係るシミュレーション装置のブロック図である。
本発明に係る半導体デバイスシミュレーション装置10は、対象とする半導体デバイスの構造的、電気的諸条件および必要とされる初期条件等が入力される入力装置11と、該入力装置からの情報に基づいて半導体デバイスのキャリア分布関数についての演算を行うプロセッサ12と、該プロセッサから出力されるキャリア分布関数に関する情報を表示する出力装置13とを含み、プロセッサ12には、その演算処理のために必要な情報を格納するメモリ14が接続されている。
【0019】
入力装置11から入力される構造的あるいは電気的条件としては、対象とする半導体デバイスが例えばMOSトランジスタのような素子であるとき、ゲート長、ゲート幅、ゲート絶縁膜の厚さのような形状に関する条件、半導体基板にソースあるいはドレイン領域を形成するためにこの基板に導入される不純物の濃度分布、接合部における境界条件等の解析に必要な条件がある。また初期条件として、キャリア濃度(p−n:正孔と電子の差)が不純物濃度(ND −NA :ドナー濃度とアクセプタ濃度との差)に等しいと仮定する電荷中性条件のような初期値条件が入力される。
【0020】
プロセッサ12は、入力装置11からの条件に沿って、電位とキャリア濃度の関係を示すポアソン方程式(1式)を解く演算処理部15と、ポアソン方程式を解くことにより求められた電界に基づき、キャリアの分布関数を求めるボルツマン方程式(2式)を解く演算処理部16と、両演算処理部15、16の反復演算処理により求められたキャリア分布関数が集束するか否かを判定する集束判定部17とを備える。
【0021】
ポアソン方程式の演算処理部15は、例えば初期条件として入力された前記電荷中性条件に沿った電位を算出する。この電位は、引き続くボルツマン方程式の演算処理部16のために微分により、電界に変換される。
【0022】
この電界に基づいてキャリア分布関数を求める演算処理部16は、メッシュ状に区画された小領域からなる位置空間を生成する位置空間生成部分18と、位置空間の各小領域に対応する複数の運動量空間であってそれぞれがメッシュ状に区画された小領域からなる運動量空間を生成する運動量空間生成部分19と、運動量空間でキャリアが散乱されるまでの時間Δtを求めるモデル演算処理部分20と、ボルツマン方程式(2式)の左辺で示されるキャリア走行項についての演算処理を行う走行項演算処理部分21と、ボルツマン方程式(2式)の右辺で示されるキャリア散乱項についてキャリアの散乱後の運動量を求める散乱項演算処理部分22とを有する。
【0023】
ボルツマン方程式(2式)に示されるキャリア分布関数Fは、位置についての位置ベクトルおよび運動量についての波数ベクトルの関数であり、これに関連して、位置空間生成部分18および運動量空間生成部分19は、それぞれ位置空間および運動量空間をメモリ14に生成する。
【0024】
図2は位置空間を概念的に示す説明図であり、図3および図4はそれぞれ運動量空間を概念的に示す説明図である。
図示の例では、位置空間23および運動量空間24は、説明の簡略化のために、それぞれ直交するメッシュによって多数の小領域に区画された2次元メッシュで表現されている。これら空間23および24を3次元で表わすことができる。
また、位置空間23の実線は、キャリア分布関数を求めようとする材料の形状に対応している。
【0025】
位置空間23の各小領域は、キャリアの存在確率である分布関数値(F)をそれぞれ与えられ、各小領域の分布関数値(F)を代表する代表点が例えばメッシュの交点あるいは小領域の中央部等にそれぞれ設定される。図2には、図面の簡略化のために小領域23Aの分布関数値(F)を代表する1つのキャリアC1のみが示されている。
位置空間23の1つのキャリアC1に対して、例えば図3で示したような1つの運動量空間24が対応する。従って、位置空間23の小領域の数に対応した数の運動量空間24が生成される。
【0026】
各運動空間24の小領域には、該運動空間に対応する位置空間23のキャリアC1の分布関数値(F)に対応した分布関数値(f)が与えられる。例えば、キャリアC1の分布関数値(F)が1であったとすると、このキャリアC1に対応する運動量空間24の全小領域における分布関数値(f)の和すなわち対応する運動量空間24の全キャリアC2の分布関数値(f)の和が、対応するキャリアC1の分布関数値(F)である1に等しくなるように設定される。
【0027】
この運動量空間24のキャリアC2の数については、複数のキャリアC2にそれぞれ等価の重みを与えるか、あるいは単一のキャリアC2にこれに対応するキャリアC1の分布関数値(F)に応じた分布関数値(f)を与えることができる。
複数のキャリアC2に等価の重みを与える場合、例えばキャリアC1の分布関数値(F)が1であり、これに対応するキャリアC2が図3に示されているように2個であるとき、各キャリアC2には、それぞれ0.5の重みが与えられる。従って、0.5の重みが与えられたキャリアC2は、これに与えられた分布関数値(f)の半値の存在確率を持つことになる。
【0028】
図4には運動量空間24の単一のキャリアC2が示されており、この単一のキャリアC2には1.0の重みが与えられている。従って、この単一のキャリアC2は、対応するキャリアC1の分布関数値(F)に応じて与えられた分布関数値(f)を持つこととなる。
次に述べるキャリア走行項についての運動量空間24で各キャリアの運動を追う必要があることから、このように各運動量空間24毎に単一のキャリアC2を適用することが、精度の低下を招くことなく演算処理時間の短縮化を図る上で、有利である。
【0029】
ボルツマン方程式(2式)の左辺で示されるキャリア走行項は、キャリアが衝突すなわち散乱するまでの時間Δtの間におけるキャリアの走行運動を表わす項である。この時間Δtを求めるモデル演算処理部分20は、半導体材料に応じたキャリアの物理モデルに応じて、例えば格子散乱、不純物散乱等毎に散乱が生じるまでの時間Δtを算出する。
【0030】
また、ボルツマン方程式(2式)の右辺である散乱項を零におき、この式に、ポアソン方程式演算処理部15で求められた電界およびモデル演算処理部分20で求められた時間Δtを代入して演算処理することにより、散乱を生じるまでのキャリアの運動量空間24での運動を求めることができる。
走行項演算処理部分21は、キャリアに応じたエネルギバンドモデルを用いて、運動量空間24でのキャリアC2の運動量の変化量を求め、また、求めた運動量空間24での変化量をもとに位置空間23での対応するキャリアの位置についての変化量を求める。
このキャリアの位置の変化量は、エネルギーバンドモデルと電界とから求めることもできる。
【0031】
図4には、運動量空間24で黒丸位置から白丸位置に移動したキャリアC2が示されている。走行項演算処理部分21は、このキャリアC2の変化量を算出すると共に、この移動によって生じる運動量空間24の各小領域での分布関数値(f)を補正する。
【0032】
この補正については、図4を参照するに、キャリアC2の分布関数値(f)は、移動後のキャリアC2を取り巻く4つの代表点A、B、C、DおよびキャリアC2の移動後の点で区画される面積S1、S2、S3、S4に応じて、次式
A=S3/S
B=S4/S
C=S1/S
D=S2/S
(各式において、SはS1,S2,S3,S4の和である。)
で示される割合で、近接する各代表点A、B、C、Dに分け与えられる。
従って、走行項演算処理部分21は、各代表点をそれぞれの新たな分布関数値(f)に補正する。
なお、分布関数値(f)は、図4に沿って説明したこの補正に先立って、これと同様の方法により、キャリアの位置空間での移動に応じて、走行項演算処理部分21により予め補正されている。
【0033】
位置空間23あるいは運動量空間24が1次元で表わされている場合、分布関数値(F、f)の補正は、先に述べた面積比におけると同様に、近接する代表点間での距離比に応じて補正され、また位置空間23あるいは運動量空間24が3次元で表わされている場合、分布関数値(F、f)の補正は、体積比に応じて同様に補正される。
また、図3に示したように、複数の等価のキャリアC2が適用されている場合、走行項演算処理部分21は、各キャリアC2が移動先で取り囲まれた、それぞれ斜線で示す小領域の代表点に、分布関数値(f)をキャリアの重みで等分した値を与える。
【0034】
ボルツマン方程式(2式)の右辺で示されるキャリア散乱項についてキャリアの散乱後の運動量を求める散乱項演算処理部分22は、運動量空間24で生じる各種の散乱についてその散乱後のキャリアの運動量を求め、この運動量空間24での運動量に基づいて、走行項演算処理部分21におけると同様に、運動量空間24の各小領域での代表点の分布関数値(f)を補正する。
キャリアの散乱後の運動量を求めるについて、散乱の種類を確率分布に基づく乱数に応じて選択することができる。
しかしながら、より迅速かつ高精度の演算処理を求める上で、各散乱モデルについての確率を求め、この確率に基づいてキャリア運動量を算出することが望ましい。
【0035】
図5は、運動量空間24におけるキャリアC2の散乱での運動量変化による分布関数値(f)の補正についての説明図である。
黒丸で示されるキャリアC2が確率P1で生じる散乱により白丸の位置(C2−1)に移動し、また確率P2で生じる他の散乱により2重の白丸の位置(C2−2)に移動したとする。このとき、キャリアC2−1には、キャリアC2が有していた分布関数値(f)に確率P1の重みを掛けた値が与えられ、またキャリアC2−2には、キャリアC2が有していた分布関数値(f)に確率P2の重みを掛けた値が与えられる。
【0036】
このキャリアの散乱による補正は、図4について説明したと同様に、キャリアC2−1については、キャリアC2の分布関数値(f)に確率P1を掛けた値が、キャリアC2−1を取り巻く4つの代表点A、B、E、Fにそれぞれ区画面積S1、S2、S3、S4に応じて、次式
A=S4/S
B=S3/S
E=S2/S
F=S1/S
(各式において、SはS1,S2,S3,S4の和である。)
で示される割合で、近接する各代表点A、B、E、Fに分け与えられる。
【0037】
また、キャリアC2−2についても、キャリアC2の分布関数値(f)に確率P2を掛けた値が、キャリアC2−2を取り巻く4つの代表点B、C、D、Eに同様な区画面積比(S1,S2,S3,S4)に応じて分け与えられる。
これらの分布関数値(f)の配分により、運動量空間24の分布関数値(f)の散乱による補正がなされ、この運動量空間24における各代表点の分布関数値の補正により、ボルツマン方程式の基本的な1サイクルの演算処理が終る。
【0038】
この1サイクルの演算処理後、走行項演算処理部分21により求められた位置空間23における各分布関数値および散乱項演算処理部分22により求められた運動量空間24における各分布関数値を、それぞれ両空間23および24の初期値として、モデル演算処理部分20、走行項演算処理部分21および散乱項演算処理部分22での前記したと同様な演算処理サイクルが所定回数繰り返される。
【0039】
モデル演算処理部分20、走行項演算処理部分21および散乱項演算処理部分22の反復演算が所定回数に達すると、集束判定部17が走行項演算処理部分21により求められた位置空間23における各分布関数値(F)から求められるキャリアの分布関数Fが集束したか否か、すなわち分布関数Fがほぼ誤差内で集束したか否かを判定する。
集束していなければ、その分布関数値(F)で求められるキャリア濃度を演算処理部15におけるキャリア濃度として、再度、各演算処理部15、16での演算処理が繰り返される。
【0040】
出力装置13は、この集束するキャリア分布関数Fを解として表示する。この出力装置13に、キャリア分布関数Fから求められる種々の電気特性に関する情報を必要に応じて表示させることができる。
【0041】
図6および図7は、本発明のシミュレーション方法の手順を示すフローチャートである。
半導体デバイスシミュレーション装置10の作動の概略を図6に沿って説明する。
【0042】
先ず、入力装置11に、対象とする半導体デバイスの不純物濃度分布、境界条件あるいは電荷中性条件等の初期条件が設定値設定として入力される(ステップS61)。
これらの入力条件に沿って、ポアソン方程式を解く演算処理部15が演算処理を行い、電界に関する情報を求める(ステップS62)。
続いて、ポアソン方程式を解く演算処理部15により求められた電界に基づき、ボルツマン方程式を解く演算処理部16がセルオートマトン法に沿って、キャリア分布関数Fを求める(ステップS63)。
演算処理部16により求められたキャリア分布関数Fが、集束するか否かを集束判定部17により、判定される(ステップS64)。
【0043】
キャリア分布関数Fが集束していない場合、このキャリア分布関数Fから求められるキャリア濃度が演算処理部15のキャリア濃度として、再度ステップS62以下の演算処理が繰り返される。
また、キャリア分布関数Fが集束する場合、出力装置13により、キャリア分布関数Fに関する情報が出力される。
【0044】
先に述べたボルツマン方程式を解く演算処理(ステップS63)では、図7に示されているように、位置空間生成部分18および運動量空間生成部分19によって位置空間および運動空間がそれぞれ生成されかつそれぞれがメッシュ状に区画され、各空間の小領域について代表点が決められ、位置空間の個々の代表点についての分布関数値(F)が初期値として設定され、これに基づいて運動量空間の各初期値が決まる(ステップS71)。
【0045】
この位置空間の初期値に、マクスウェル−ボルツマン分布関数を適用することができ、また、従来の前記した流体モデル法によって得られた分布関数を適用することができる。この流体モデル法によって得られた分布関数は、適正な分布関数に近似する関数であることから、これに基づき各代表点の初期値を設定することにより、すなわち、セルオートマトン法の初期解に流体モデル法を用いることにより、演算処理時間の短縮化を図ることができる。
【0046】
ステップS71に示される初期設定は、図7に示されたサブルーチンを実行する際の最初に実行されるのみであり、集束ステップS64からの繰り返しによっる二回目以降のループではこのステップS71が繰り返されることはない。
【0047】
また、運動量空間生成部分19は、運動量空間の分布関数値(f)に対応して、キャリアを対応する運動量空間24に配分する(ステップS72)。
運動量空間24に配分されたキャリアが散乱するまでの時間Δtがモデル演算処理部分20により求められ(ステップS73)、この時間Δt後のキャリアの位置空間23および運動量空間24での変化量が走行項演算処理部分21により求められ(ステップS74)、その結果に基づいて位置空間23および運動量空間24での分布関数値(F、f)が補正される(ステップS75)。
【0048】
続いて、散乱項演算処理部分22が運動量空間24でのキャリア散乱後の運動量を求め、この運動量に基づいて、運動量空間24の分布関数値(f)を補正する(ステップS76)。
この補正された位置空間23および運動量空間24での分布関数値(F、f)に基づいて、ステップS72〜ステップS76が所定回数反復され(ステップS77)、その後、図6に示した集束判断ステップS64に移る。
【0049】
本発明の半導体デバイスシミュレーション装置10によれば、位置空間の各代表点に与えられる初期値を決める仮定条件は、固定的に取り扱われることはなく、ボルツマン方程式の反復演算およびポアソン方程式の演算をも含む反復演算によって、適性値に向けて順次更新される。従って、従来のように特定の仮定についての妥当性が問題となることはない。
また、乱数に基づく演算処理ではないことから、演算処理にモンテカルロ法におけるような多大の演算処理時間を要することはなく、しかも、確率の小さな現象による解のばらつきが防止される。
従って、迅速に、しかも高い精度で適正なシミュレーション結果を得ることができる。
【0050】
図8は、半導体デバイスシミュレーション装置10によって得られたキャリア濃度分布特性曲線を示すグラフである。
この例では、基板25としてP型シリコンを用いたMOSFET26について、ゲート電極27の両側にソース/ドレイン領域28を形成するために、例えばAs+のようなイオンが注入され、ある外部電圧が電極に印加されたときのキャリア濃度の分布特性曲線がMOSFET26の縦断面図上に求められた。
それぞれ1018〜1020/cm3 の等濃度を示す曲線が滑らかな特性曲線で表わされているように、モンテカルロ法におけるような統計的揺らぎによる特異な点が出現することなく、より正確なキャリア濃度分布特性曲線が迅速に得られた。
【0051】
図9は、運動量空間24の他の例を示す説明図である。
運動量空間24を、図3〜図5に示したように方形に区画することに代えて、図9に示すように、円形メッシュを適用することができる。図では説明の簡略化のために2次元で示されているが、デカルト座標では球形メッシュが適用される。
【0052】
図9で、キャリアが散乱前の運動量を示す位置C3からある散乱によってC3−1に示した位置へ移動したとすると、この移動による分布関数値(f)の補正は次のようになされる。
移動後の位置C3−1を取り囲む代表点A、B、C、Dに分布関数値(f)が配分されるが、先ずX軸およびY軸上への配分比が運動ベクトルのX軸成分およびY軸成分比であるcosθ、sinθに沿って配分される。
【0053】
次にX軸上に配分された分布関数値(f)×cosθの値が、X軸上の代表点C、D上に、図4に沿って説明したと同様な距離比に応じて、
C=n/(n+m)
D=m/(n+m)
の割合で配分される。
同様に、Y軸上に配分された分布関数値(f)×sinθの値が、Y軸上の代表点A、B上に、その距離比に応じて代表点C、Dにおけると同様に配分される。
このX軸、Y軸上の代表点の分布関数値(f)の配分により、運動量空間24の分布関数値(f)の散乱による補正がなされる。
【0054】
このように、円形メッシュあるいは球状メッシュを使用することにより、代表点を軸(X、Y、またはZ)上に集約することができ、演算の簡素化およびそれによる高速化を図ることができる。
【0055】
また、以上に説明したところでは、各位置空間および運動量空間のメッシュで区画された各小領域はその領域内では均等な分布関数値すなわち存在確率を示すと考えたが、このような仮定で、演算時間の短縮化を図るためにメッシュを粗く設定すると、疑似拡散と呼ばれる現象が生じ、誤差が大きくなる。
これを防止するために、各小領域の存在確率を示す分布関数値を補間関数により修正することにより、メッシュを粗く設定しても疑似拡散を防止し、精度の高い演算をより短時間で行うことが可能になる。
【0056】
図10は、この補間関数の原理の説明図である。
横軸には、各小領域を区画するメッシュのX軸が示され、縦軸には各小領域の代表点が表わす存在確率が示されている。
各小領域の代表点がそれぞれ黒点で示されているが、これら各小領域が均等な存在確率を示すと仮定すると、分布関数は、図中破線で示すような折れ線で示されることとなる。しなしながら、このような仮定は非現実的であり、真の分布関数の近似に過ぎない。
そこで、各代表点を通る関数曲線を補間関数Hとして採用し、キャリアの分布関数値(F、f)を隣接する各代表点に配分する際、この補間関数Hにより配分比を修正することにより、メッシュを比較的細かくすることなく疑似拡散現象を防止することができることから、より短時間での高精度の演算処置が可能になる。
【0057】
本発明は以上の実施例に限定されない。位置空間および運動量空間の各X軸およびY軸をそれぞれ等間隔の等値で区画した例を示したが、各軸の間隔を不等とすることができる。この場合、円形メッシュは長円メッシュになる。
また、磁場を考慮することができ、この磁場についての演算処理過程をポアソン方程式の演算処理と、ボルツマン方程式の演算処理との間に、挿入することができる。また、磁場を考慮した場合には、走行項演算処理部分21での演算に磁場の効果を考慮する必要がある。
【0058】
【発明の効果】
以上説明した本発明の方法では、ボルツマン方程式を解くに際し、位置空間の各代表点に与えられる初期値等は仮定的に導入されるが、ボルツマン方程式の反復演算およびポアソン方程式の演算をも含む反復演算によって、これら仮定的に導入される諸条件は、固定的に取り扱われることはなく適性値に向けて順次更新される。そのため、従来のような特定の仮定についての妥当性が問題となることはない。また、多大の演算処理時間を要することはなく、確率の小さな現象による解のばらつきが防止される。
【0059】
従って、本発明の方法によれば、現実に即する安定した適正なシミュレーション結果が迅速に得られる。
また、本発明の装置よれば、該装置を構成する各部をコンピュータにより構成することにより、本発明の方法を適切かつ有効に実施することができることから、適正なシミュレーション結果を、高い精度で、しかも迅速に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシミュレーション装置のブロック図である。
【図2】本発明に係る位置空間の説明図である。
【図3】本発明に係る運動量空間の説明図(その1)である。
【図4】本発明に係る運動量空間の説明図(その2)である。
【図5】本発明に係る運動量空間の説明図(その3)である。
【図6】本発明に係るシミュレーション方法の手順を示すフローチャート(その1)である。
【図7】本発明に係るシミュレーション方法の手順を示すフローチャート(その2)である。
【図8】本発明の装置によるシミュレーション結果を示すキャリア濃度分布特性曲線図である。
【図9】本発明に係る運動量空間の説明図(その4)である。
【図10】本発明に係る補間関数の説明図である。
【符号の説明】
10 半導体デバイスシミュレーション装置
11 入力装置
12 プロセッサ
13 出力装置
15 ポアソン方程式演算処理部
16 ボルツマン方程式演算処理部
17 集束判定部
18 位置空間生成部分
19 運動量空間生成部分
20 モデル演算処理部分
21 走行項演算処理部分
22 散乱項演算処理部分
23 位置空間
24 運動量空間
Claims (5)
- 半導体デバイスの電気的特性をコンピュータを用いて模擬的に求める半導体デバイスシミュレーション方法において、
対象とする半導体デバイスの不純物濃度分布、及び電荷中性条件を含む条件を入力し、
入力条件から電位とキャリア濃度との関係を示すポアソン方程式を解いて電界を演算し、
ポアソン方程式を解くことにより求められた電界Eに基づき、ボルツマン方程式を解いてキャリアの分布関数を求め、
ボルツマン方程式を解くことにより求められたキャリアの分布関数値(F)から求められるキャリア濃度を前記ポアソン方程式に代入して両方程式の演算を繰り返し、集束する分布関数に基づいて対象とする前記半導体デバイスの電気特性を求める方法であって、
前記ボルツマン方程式の解として以下のステップ
1.材料の形状に対応してメッシュ状に区画された多数の小領域からなる各位置空間を生成し、該各位置空間に代表点を設け、該各代表点のそれぞれにキャリア存在数を示す初期値を与え、該初期値を前記分布関数Fに代入して分布関数値(F)を算出し、
2.前記位置空間の各代表点毎にメッシュ状に区画された多数の小領域からなる運動量空間を生成し、該各運動量空間に代表点を設け、該代表点のそれぞれにキャリア存在数を示す初期値を与え、該初期値を前記分布関数値(F)に代入して分布関数値(f)を算出し、
3.前記運動量空間の分布関数値(f)に対応してキャリアを対応する運動量空間に配分し、
4.半導体材料の物理モデルに応じて該運動量空間に配分されたキャリアが散乱されるまでの時間Δtを求め、
5.ポアソン方程式の解から求められた電界及びエネルギーバンド構造に基づいて全運動量空間のキャリアの加速運動による時間Δt後の位置および運動量についての各変化量を求め、
6.キャリアの運動後の前記位置空間および前記運動量空間上の位置を基に、各空間の各小領域の前記代表点における分布関数値(F、f)を補正し、
7.前記運動量空間において、散乱の種類に応じたキャリア散乱後の運動量を求め、当該運動量空間上の位置を基に、該運動量空間の各小領域の前記各代表点における分布関数値(f)を補正し、
8.分布関数値(F、f)が補正された前記位置空間および前記運動量空間について、前記3.から前記7.のステップを所定回数繰り返し、分布関数値(F)から求められてポアソン方程式に代入されるキャリア濃度を逐次更新する、
の実行により求めることを特徴とする、半導体デバイスシミュレーション方法。 - 前記運動量空間を区画するメッシュは、円形メッシュもしくは球形メッシュである請求項1記載の半導体デバイスシミュレーション方法。
- 前記運動量空間の分布関数値(f)に対応して前記運動量空間に配分される前記キャリアは、各運動量空間に1つが配分され、各キャリアにはそれぞれの小領域の分布関数値(F)に対応する重みが与えられることを特徴とする請求項1記載の半導体デバイスシミュレーション方法。
- 散乱の種類に応じたキャリア散乱後の運動量をそれぞれ求め、散乱の種類に応じたそれぞれの運動量に基づいて、該運動量空間の各小領域の前記各代表点における分布関数値(f)を補正することを特徴とする請求項1記載の半導体デバイスシミュレーション方法。
- 半導体デバイスの電気的特性をコンピュータを用いて模擬的に求める半導体デバイスシミュレーション装置であって、
対象とする半導体デバイスの不純物濃度分布および境界条件を含む条件が入力される入力装置と、
該入力装置からの入力条件に基づいてキャリア分布関数についての演算を行うプロセッサと、
該プロセッサから出力されるキャリア分布関数に関する情報を表示する出力装置とを含み、
前記プロセッサは、
前記入力装置からの条件に沿って電位とキャリア濃度に関するポアソン方程式を解く演算処理部と、
ポアソン方程式を解くことにより求められた電界に基づき、キャリアの分布関数を求めるボルツマン方程式を解く演算処理部と、
両演算処理部の反復演算処理によりキャリア分布関数が集束するか否かを判定する集束判定部とを備え、
前記ボルツマン方程式を解く演算処理部は、
メッシュ状に区画された小領域からなる位置空間を生成する位置空間生成部分と、
前記位置空間の各小領域に対応する複数の運動量空間であってそれぞれがメッシュ状に区画された小領域からなる運動量空間を生成する運動量空間生成部分と、
前記位置空間の各小領域に与えられたキャリアの分布関数値(F)に基づく分布関数値(f)が与えられた前記運動量空間において配分されたキャリアが散乱されるまでの時間Δtを求めるモデル演算処理部分と、
該演算処理部分により求められた時間Δt後のキャリアの前記位置空間および前記運動量空間における位置および運動量についての変化量を求め、該変化量に基づいて前記位置空間および前記運動空間の各小領域の分布関数値(F、f)を補正する走行項演算処理部分と、
前記運動量空間の各小領域の補正された分布関数値(f)に対応する前記運動量空間において、散乱の種類に応じたキャリア散乱後の運動量を求め、当該運動量空間上の位置を基に、該運動量空間の各小領域の分布関数値(f)を補正する散乱項演算処理部分とを有し、
前記判定部が、前記走行項演算処理部分および前記散乱項演算処理部分により補正された前記位置空間および前記運動量空間における各小領域での分布関数値(F、f)をもとに、前記モデル演算処理部分、前記走行項演算処理部分および前記散乱項演算処理部分の所定回数の反復演算処理および前記ポアソン方程式を解く演算処理部への反復演算処理を経て得られる分布関数値(F)から求められるキャリアの分布関数が集束するか否かを判定することを特徴とする半導体デバイスシミュレーション装置。
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