JP3569092B2 - 浴槽水のゴミ捕獲装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴槽水を洗濯や便器洗浄等に中水として利用するための浴槽水のゴミ捕獲装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
水資源節約への関心が高まりつつある現在、浴槽で使用した浴槽水を洗濯や便器洗浄等に有効利用しようという考えが普及しつつある。ところが、入浴後の浴槽水中には毛髪や垢などのゴミが含まれているため、浴槽水を中水として利用するためには、浴槽水中のゴミを捕獲除去する作業が必要になる。
従来、浴槽水中の毛髪を捕獲除去するものとしては、例えば、特開平6−336752号公報に記載されているように、循環装置付の浴槽において、浴槽水の循環路の途中に取り付けられるヘアーキャッチャーが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなヘアーキャッチャーにあっては、循環装置を所定時間作動させておかなければ浴槽水中の毛髪を捕獲除去できないため、入浴直後の浴槽水を中水として利用する場合には、別の手段でゴミを捕獲除去する必要があるという問題があった。また、上記ヘアーキャッチャーは、循環装置の循環路の途中に取り付けるものなので、循環装置が設けられていない浴槽には適用できないという問題もあった。
【0004】
そこで、本発明は、上記のような問題に着目し、循環装置を備えていない浴槽にも適用することができ、入浴直後であっても短時間に浴槽水中のゴミを捕獲除去することができる浴槽水のゴミ捕獲装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、浴槽底が洗い場床よりも低い位置に配置され、前記浴槽底に排水栓で開閉可能な浴槽排水口が設けられ、前記洗い場床に洗い場排水口が設けられている浴槽装置に適用される浴槽水のゴミ捕獲装置であって、上端が前記洗い場排水口に接続されていると共に下端が下水管に接続されている排水本管と、この排水本管の前記浴槽底よりも低い位置から分岐していて前記浴槽排水口に先端が接続されている第1排水枝管と、前記排水本管の前記第1排水枝管への分岐口よりも高い位置から分岐していて貯水タンクに先端が接続されている第2排水枝管と、前記排水本管に出し入れ可能に形成されているゴミ捕獲部材と、を備え、前記ゴミ捕獲部材が、前記排水本管の第1排水枝管への分岐口よりも下に配置されていて排水本管を閉塞している底部と、その底部に立設されていて前記排水本管の第2排水枝管への分岐口の前方に設けられている網状部材と、を備えている構成とした。
また、請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記ゴミ捕獲部材の網状部材が横断面略C字形に形成されていて、前記網状部材の両側部間の開口部が前記第1排水枝管側を向くように排水本管内に挿入されている構成とした。
更に、請求項3記載の発明では、請求項1または2記載の発明において、前記ゴミ捕獲部材に、洗い場排水口を閉塞可能な蓋部が設けられている構成とした。
また、請求項4記載の発明では、請求項1ないし3記載の発明において、前記第2排水枝管の管底が、前記浴槽底よりも僅かに高い位置に配置されている構成とした。
【0006】
【作用】
請求項1記載の発明では、浴槽水を中水として使用する場合、排水栓を抜き取って浴槽排水口を開ける。そうすると、浴槽水は第1排水枝管に流れ込み、第1排水枝管からゴミ捕獲部材の網状部材を通って第2排水枝管に流れ込み、貯水タンクに溜る。つまり、浴槽水は網状部材で濾過されてから貯水タンクに流れ込むので、貯水タンクには、毛髪や垢などのゴミが捕獲除去された浴槽水が流れ込む。従って、貯水タンクに溜った浴槽水をそのまま洗濯水や便器洗浄水等の中水として使用することができる。
【0007】
請求項2記載の発明では、ゴミ捕獲部材の網状部材が横断面略C字形に形成されていて、前記網状部材の両側部間の開口部が前記第1排水枝管側を向くように排水本管内に挿入されているので、一旦捕獲したゴミが網状部材の外に逃げないようにすることができる。つまり、網状部材と排水本管の内壁面との間の隙間から第2排水枝管にゴミが浸入しないようにすることができると共に、ゴミが排水本管の内壁面に付着しないようにすることもできる。
【0008】
請求項3記載の発明では、ゴミ捕獲部材に、洗い場排水口を閉塞可能な蓋部が設けられているので、ゴミ捕獲部材が排水本管に挿入されている時は、洗い場床の水が排水本管に流れ込まないようにすることができる。
【0009】
請求項4記載の発明では、浴槽水の水位が第2排水枝管の管底の高さまで下がると、浴槽水が第2排水枝管に流れ込まなくなるので、浴槽水が排水されなくなったら、ゴミ捕獲部材を洗い場排水口から抜き取る。そうすると、残りの浴槽水は第1排水枝管から排水本管を通って下水管に流れ込み、浴槽水は全て排水される。ゴミ捕獲部材を洗い場排水口から抜き取る前の残された浴槽水には、水面に浮いている毛髪や垢などのゴミが特に多く含まれているので、この浴槽水を貯水タンクに流さずに下水管に流すようにすることで、水面に浮いているゴミによって貯水タンクに溜る浴槽水が汚れないようにすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図4に基づいて、実施の形態の浴槽水のゴミ捕獲装置について詳述する。図1は実施の形態の浴槽水のゴミ捕獲装置の排水停止状態を示す説明図、図2は実施の形態の浴槽水のゴミ捕獲装置のゴミ除去部材を示す斜視図、図3は実施の形態の浴槽水のゴミ捕獲装置の貯水タンクへの排水状態を示す説明図、図4は実施の形態の浴槽水のゴミ捕獲装置の下水管への排水状態を示す説明図で、図中1は浴槽、2は洗い場床、3は排水本管、4は第1排水排水枝管、5は第2排水排水枝管、6はゴミ捕獲部材である。
【0011】
前記浴槽1は、洗い場床2よりも底10が低くなる位置に設置されており、その底10には、排水栓7で開閉可能な浴槽排水口11が設けられている。また、前記洗い場床2にも、洗い場排水口21が設けられている。
【0012】
前記排水本管3は、ほぼ垂直に配管されていて、上端部が前記洗い場排水口21と接続され、下端部が下水管(図示省略)と接続されている。
【0013】
前記第1排水枝管4は、前記排水本管3の浴槽底10よりも低い位置から分岐していて、前記浴槽排水口11に先端が接続されている。
【0014】
前記第2排水枝管5は、前記排水本管3の浴槽底10よりも高い位置から分岐していて、管底が浴槽底10よりも僅かに高い位置に配置されており、貯水タンク8に先端が接続されている。
【0015】
前記ゴミ捕獲部材6は、前記洗い場排水口21から排水本管3内に出し入れ可能に形成されており、図2に示すように、円形の底部61と、その底部61に立設されている網状部材62と、その網状部材62の上端部に固定されている円形の蓋部63と、その蓋部63に取り付けられている把手64と、で構成されている。また、このゴミ捕獲部材6は、前記排水本管3の第1排水枝管4への分岐口よりも下に底部61が配置されていて、この底部61で前記排水本管3を閉塞している。また、蓋部63で洗い場排水口21を閉塞している。更に、前記網状部材62は、横断面C字形に形成されており、両側部間の開口部が前記第1排水枝管4側を向くように前記排水本管3内に挿入されている。つまり、このゴミ捕獲部材6が排水本管3に挿入されている時は、洗い場床2の水が排水本管3に流れ込まないようになっていると共に、浴槽水が排水本管3から下水管に流れ落ちないようになっている。
【0016】
以下、図3ならびに図4に基づいて、浴槽水を中水として使用する場合について説明する。
浴槽水を中水として使用する場合には、排水栓7を抜き取って浴槽排水口11を開ける。そうすると、浴槽水は第1排水枝管4に流れ込み、第1排水枝管4からゴミ捕獲部材6の網状部材62を通って第2排水枝管5に流れ込み、貯水タンク8に溜る。つまり、浴槽水は網状部材62で濾過されてから貯水タンク8に流れ込むので、貯水タンク8には、毛髪や垢などのゴミが捕獲除去された浴槽水が流れ込む。従って、貯水タンク8に溜った浴槽水をそのまま洗濯水や便器洗浄水等の中水として使用することができる。
【0017】
次に、図3に示すように、浴槽水の水位が第2排水枝管5の管底の高さまで下がると、浴槽水が第2排水枝管5に流れ込まなくなるので、浴槽水が排水されなくなったら、ゴミ捕獲部材6を洗い場排水口21から抜き取る。そうすると、残りの浴槽水は第1排水枝管4から排水本管3を通って下水管に流れ込む。そして図4に示すように、浴槽水は全て排水される。ゴミ捕獲部材6を洗い場排水口21から抜き取る前の残された浴槽水には、水面に浮いている毛髪や垢などのゴミが特に多く含まれているので、この浴槽水を貯水タンク8に流さずに下水管に流すようにすることで、貯水タンク8に溜る浴槽水が汚れないようにすることができる。洗い場排水口21から抜き取ったゴミ捕獲部材6は、ゴミを取り除いて再び洗い場排水口21から排水本管3に挿入して使用する。
【0018】
つまり、本実施の形態のゴミ捕獲装置にあっては、排水栓7を抜き取って浴槽排水口11を開けるだけの操作で、浴槽水を中水として利用できるような状態にしてから貯水タンク8に溜めることができる。しかも、このゴミ捕獲装置は、循環装置とは別個の排水管路系に設けられるので、循環装置を備えている浴槽だけでなく循環装置を備えていない浴槽への適用も可能である。また、浴槽水を浴槽1から貯水タンク8に移す途中で浴槽水中のゴミを捕獲除去することができるので、入浴直後の浴槽水であっても短時間でゴミを捕獲除去することができる。
【0019】
更に、網状部材62が横断面C字形に形成されていることで、一旦捕獲したゴミが網状部材62の外に逃げないようにすることができるので、網状部材62と排水本管3の内壁面との間の隙間から第2排水枝管5にゴミが浸入しないようにすることができると共に、ゴミが排水本管3の内壁面に付着しないようにすることもできる。
【0020】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、実施の形態では、第2排水枝管の管底が浴槽底よりも僅かに高い位置に配置されている例を説明したが、第2排水枝管は、排水本管の第1排水枝管への分岐口よりも高い位置から分岐していれば、底面が浴槽底と同一高さあるいは浴室底面よりも低い位置に配置されていてもよい。また、実施の形態では、ゴミ捕獲部材の網状部材が、横断面C字形に形成されている例を示したが、網状部材の横断面形状は、L字形等、C字形以外の形状であってもよい。更に、実施の形態では、ゴミ捕獲部材の網状部材に、洗い場排水口を閉塞可能な蓋部が設けられている例を示したが、洗い場排水口は、ゴミ捕獲部材とは別個の部材で閉塞できるようにしてもよい。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明にあっては、循環装置とは別個の排水管路系に設けられるので、循環装置を備えている浴槽だけでなく循環装置を備えていない浴槽への適用も可能である。また、浴槽水を浴槽から貯水タンクに移す途中で浴槽水中のゴミを捕獲除去することができるので、入浴直後の浴槽水であっても短時間でゴミを捕獲除去することができるという効果が得られる。
【0022】
請求項2記載の発明にあっては、網状部材と排水本管の内壁面との間の隙間から第2排水枝管にゴミが浸入しないようにすることができると共に、ゴミが排水本管の内壁面に付着しないようにすることもできるという効果が得られる。
【0023】
請求項3記載の発明にあっては、洗い場床の水が排水本管に流れ込まないようにすることができるので、貯水タンクの容量を浴槽の大きさに合わせて設定することができるという効果が得られる。
【0024】
請求項4記載の発明にあっては、水面に浮いている毛髪や垢などのゴミが特に多く含まれている終盤の浴槽水は貯水タンクに流さずに下水管に流すことができるので、水面に浮いているゴミによって貯水タンクに溜る浴槽水が汚れないようにすることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の浴槽水のゴミ捕獲装置の排水停止状態を示す説明図である。
【図2】実施の形態の浴槽水のゴミ捕獲装置のゴミ除去部材を示す斜視図である。
【図3】実施の形態の浴槽水のゴミ捕獲装置の貯水タンクへの排水状態を示す説明図である。
【図4】実施の形態の浴槽水のゴミ捕獲装置の下水管への排水状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 浴槽
10 浴槽底
11 浴槽排水口
2 洗い場床
21 洗い場排水口
3 排水本管
4 第1排水枝管
5 第2排水枝管
6 ゴミ捕獲部材
61 底部
62 網状部材
63 蓋部
8 貯水タンク
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴槽水を洗濯や便器洗浄等に中水として利用するための浴槽水のゴミ捕獲装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
水資源節約への関心が高まりつつある現在、浴槽で使用した浴槽水を洗濯や便器洗浄等に有効利用しようという考えが普及しつつある。ところが、入浴後の浴槽水中には毛髪や垢などのゴミが含まれているため、浴槽水を中水として利用するためには、浴槽水中のゴミを捕獲除去する作業が必要になる。
従来、浴槽水中の毛髪を捕獲除去するものとしては、例えば、特開平6−336752号公報に記載されているように、循環装置付の浴槽において、浴槽水の循環路の途中に取り付けられるヘアーキャッチャーが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなヘアーキャッチャーにあっては、循環装置を所定時間作動させておかなければ浴槽水中の毛髪を捕獲除去できないため、入浴直後の浴槽水を中水として利用する場合には、別の手段でゴミを捕獲除去する必要があるという問題があった。また、上記ヘアーキャッチャーは、循環装置の循環路の途中に取り付けるものなので、循環装置が設けられていない浴槽には適用できないという問題もあった。
【0004】
そこで、本発明は、上記のような問題に着目し、循環装置を備えていない浴槽にも適用することができ、入浴直後であっても短時間に浴槽水中のゴミを捕獲除去することができる浴槽水のゴミ捕獲装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、浴槽底が洗い場床よりも低い位置に配置され、前記浴槽底に排水栓で開閉可能な浴槽排水口が設けられ、前記洗い場床に洗い場排水口が設けられている浴槽装置に適用される浴槽水のゴミ捕獲装置であって、上端が前記洗い場排水口に接続されていると共に下端が下水管に接続されている排水本管と、この排水本管の前記浴槽底よりも低い位置から分岐していて前記浴槽排水口に先端が接続されている第1排水枝管と、前記排水本管の前記第1排水枝管への分岐口よりも高い位置から分岐していて貯水タンクに先端が接続されている第2排水枝管と、前記排水本管に出し入れ可能に形成されているゴミ捕獲部材と、を備え、前記ゴミ捕獲部材が、前記排水本管の第1排水枝管への分岐口よりも下に配置されていて排水本管を閉塞している底部と、その底部に立設されていて前記排水本管の第2排水枝管への分岐口の前方に設けられている網状部材と、を備えている構成とした。
また、請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、前記ゴミ捕獲部材の網状部材が横断面略C字形に形成されていて、前記網状部材の両側部間の開口部が前記第1排水枝管側を向くように排水本管内に挿入されている構成とした。
更に、請求項3記載の発明では、請求項1または2記載の発明において、前記ゴミ捕獲部材に、洗い場排水口を閉塞可能な蓋部が設けられている構成とした。
また、請求項4記載の発明では、請求項1ないし3記載の発明において、前記第2排水枝管の管底が、前記浴槽底よりも僅かに高い位置に配置されている構成とした。
【0006】
【作用】
請求項1記載の発明では、浴槽水を中水として使用する場合、排水栓を抜き取って浴槽排水口を開ける。そうすると、浴槽水は第1排水枝管に流れ込み、第1排水枝管からゴミ捕獲部材の網状部材を通って第2排水枝管に流れ込み、貯水タンクに溜る。つまり、浴槽水は網状部材で濾過されてから貯水タンクに流れ込むので、貯水タンクには、毛髪や垢などのゴミが捕獲除去された浴槽水が流れ込む。従って、貯水タンクに溜った浴槽水をそのまま洗濯水や便器洗浄水等の中水として使用することができる。
【0007】
請求項2記載の発明では、ゴミ捕獲部材の網状部材が横断面略C字形に形成されていて、前記網状部材の両側部間の開口部が前記第1排水枝管側を向くように排水本管内に挿入されているので、一旦捕獲したゴミが網状部材の外に逃げないようにすることができる。つまり、網状部材と排水本管の内壁面との間の隙間から第2排水枝管にゴミが浸入しないようにすることができると共に、ゴミが排水本管の内壁面に付着しないようにすることもできる。
【0008】
請求項3記載の発明では、ゴミ捕獲部材に、洗い場排水口を閉塞可能な蓋部が設けられているので、ゴミ捕獲部材が排水本管に挿入されている時は、洗い場床の水が排水本管に流れ込まないようにすることができる。
【0009】
請求項4記載の発明では、浴槽水の水位が第2排水枝管の管底の高さまで下がると、浴槽水が第2排水枝管に流れ込まなくなるので、浴槽水が排水されなくなったら、ゴミ捕獲部材を洗い場排水口から抜き取る。そうすると、残りの浴槽水は第1排水枝管から排水本管を通って下水管に流れ込み、浴槽水は全て排水される。ゴミ捕獲部材を洗い場排水口から抜き取る前の残された浴槽水には、水面に浮いている毛髪や垢などのゴミが特に多く含まれているので、この浴槽水を貯水タンクに流さずに下水管に流すようにすることで、水面に浮いているゴミによって貯水タンクに溜る浴槽水が汚れないようにすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図4に基づいて、実施の形態の浴槽水のゴミ捕獲装置について詳述する。図1は実施の形態の浴槽水のゴミ捕獲装置の排水停止状態を示す説明図、図2は実施の形態の浴槽水のゴミ捕獲装置のゴミ除去部材を示す斜視図、図3は実施の形態の浴槽水のゴミ捕獲装置の貯水タンクへの排水状態を示す説明図、図4は実施の形態の浴槽水のゴミ捕獲装置の下水管への排水状態を示す説明図で、図中1は浴槽、2は洗い場床、3は排水本管、4は第1排水排水枝管、5は第2排水排水枝管、6はゴミ捕獲部材である。
【0011】
前記浴槽1は、洗い場床2よりも底10が低くなる位置に設置されており、その底10には、排水栓7で開閉可能な浴槽排水口11が設けられている。また、前記洗い場床2にも、洗い場排水口21が設けられている。
【0012】
前記排水本管3は、ほぼ垂直に配管されていて、上端部が前記洗い場排水口21と接続され、下端部が下水管(図示省略)と接続されている。
【0013】
前記第1排水枝管4は、前記排水本管3の浴槽底10よりも低い位置から分岐していて、前記浴槽排水口11に先端が接続されている。
【0014】
前記第2排水枝管5は、前記排水本管3の浴槽底10よりも高い位置から分岐していて、管底が浴槽底10よりも僅かに高い位置に配置されており、貯水タンク8に先端が接続されている。
【0015】
前記ゴミ捕獲部材6は、前記洗い場排水口21から排水本管3内に出し入れ可能に形成されており、図2に示すように、円形の底部61と、その底部61に立設されている網状部材62と、その網状部材62の上端部に固定されている円形の蓋部63と、その蓋部63に取り付けられている把手64と、で構成されている。また、このゴミ捕獲部材6は、前記排水本管3の第1排水枝管4への分岐口よりも下に底部61が配置されていて、この底部61で前記排水本管3を閉塞している。また、蓋部63で洗い場排水口21を閉塞している。更に、前記網状部材62は、横断面C字形に形成されており、両側部間の開口部が前記第1排水枝管4側を向くように前記排水本管3内に挿入されている。つまり、このゴミ捕獲部材6が排水本管3に挿入されている時は、洗い場床2の水が排水本管3に流れ込まないようになっていると共に、浴槽水が排水本管3から下水管に流れ落ちないようになっている。
【0016】
以下、図3ならびに図4に基づいて、浴槽水を中水として使用する場合について説明する。
浴槽水を中水として使用する場合には、排水栓7を抜き取って浴槽排水口11を開ける。そうすると、浴槽水は第1排水枝管4に流れ込み、第1排水枝管4からゴミ捕獲部材6の網状部材62を通って第2排水枝管5に流れ込み、貯水タンク8に溜る。つまり、浴槽水は網状部材62で濾過されてから貯水タンク8に流れ込むので、貯水タンク8には、毛髪や垢などのゴミが捕獲除去された浴槽水が流れ込む。従って、貯水タンク8に溜った浴槽水をそのまま洗濯水や便器洗浄水等の中水として使用することができる。
【0017】
次に、図3に示すように、浴槽水の水位が第2排水枝管5の管底の高さまで下がると、浴槽水が第2排水枝管5に流れ込まなくなるので、浴槽水が排水されなくなったら、ゴミ捕獲部材6を洗い場排水口21から抜き取る。そうすると、残りの浴槽水は第1排水枝管4から排水本管3を通って下水管に流れ込む。そして図4に示すように、浴槽水は全て排水される。ゴミ捕獲部材6を洗い場排水口21から抜き取る前の残された浴槽水には、水面に浮いている毛髪や垢などのゴミが特に多く含まれているので、この浴槽水を貯水タンク8に流さずに下水管に流すようにすることで、貯水タンク8に溜る浴槽水が汚れないようにすることができる。洗い場排水口21から抜き取ったゴミ捕獲部材6は、ゴミを取り除いて再び洗い場排水口21から排水本管3に挿入して使用する。
【0018】
つまり、本実施の形態のゴミ捕獲装置にあっては、排水栓7を抜き取って浴槽排水口11を開けるだけの操作で、浴槽水を中水として利用できるような状態にしてから貯水タンク8に溜めることができる。しかも、このゴミ捕獲装置は、循環装置とは別個の排水管路系に設けられるので、循環装置を備えている浴槽だけでなく循環装置を備えていない浴槽への適用も可能である。また、浴槽水を浴槽1から貯水タンク8に移す途中で浴槽水中のゴミを捕獲除去することができるので、入浴直後の浴槽水であっても短時間でゴミを捕獲除去することができる。
【0019】
更に、網状部材62が横断面C字形に形成されていることで、一旦捕獲したゴミが網状部材62の外に逃げないようにすることができるので、網状部材62と排水本管3の内壁面との間の隙間から第2排水枝管5にゴミが浸入しないようにすることができると共に、ゴミが排水本管3の内壁面に付着しないようにすることもできる。
【0020】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、実施の形態では、第2排水枝管の管底が浴槽底よりも僅かに高い位置に配置されている例を説明したが、第2排水枝管は、排水本管の第1排水枝管への分岐口よりも高い位置から分岐していれば、底面が浴槽底と同一高さあるいは浴室底面よりも低い位置に配置されていてもよい。また、実施の形態では、ゴミ捕獲部材の網状部材が、横断面C字形に形成されている例を示したが、網状部材の横断面形状は、L字形等、C字形以外の形状であってもよい。更に、実施の形態では、ゴミ捕獲部材の網状部材に、洗い場排水口を閉塞可能な蓋部が設けられている例を示したが、洗い場排水口は、ゴミ捕獲部材とは別個の部材で閉塞できるようにしてもよい。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明にあっては、循環装置とは別個の排水管路系に設けられるので、循環装置を備えている浴槽だけでなく循環装置を備えていない浴槽への適用も可能である。また、浴槽水を浴槽から貯水タンクに移す途中で浴槽水中のゴミを捕獲除去することができるので、入浴直後の浴槽水であっても短時間でゴミを捕獲除去することができるという効果が得られる。
【0022】
請求項2記載の発明にあっては、網状部材と排水本管の内壁面との間の隙間から第2排水枝管にゴミが浸入しないようにすることができると共に、ゴミが排水本管の内壁面に付着しないようにすることもできるという効果が得られる。
【0023】
請求項3記載の発明にあっては、洗い場床の水が排水本管に流れ込まないようにすることができるので、貯水タンクの容量を浴槽の大きさに合わせて設定することができるという効果が得られる。
【0024】
請求項4記載の発明にあっては、水面に浮いている毛髪や垢などのゴミが特に多く含まれている終盤の浴槽水は貯水タンクに流さずに下水管に流すことができるので、水面に浮いているゴミによって貯水タンクに溜る浴槽水が汚れないようにすることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の浴槽水のゴミ捕獲装置の排水停止状態を示す説明図である。
【図2】実施の形態の浴槽水のゴミ捕獲装置のゴミ除去部材を示す斜視図である。
【図3】実施の形態の浴槽水のゴミ捕獲装置の貯水タンクへの排水状態を示す説明図である。
【図4】実施の形態の浴槽水のゴミ捕獲装置の下水管への排水状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 浴槽
10 浴槽底
11 浴槽排水口
2 洗い場床
21 洗い場排水口
3 排水本管
4 第1排水枝管
5 第2排水枝管
6 ゴミ捕獲部材
61 底部
62 網状部材
63 蓋部
8 貯水タンク
Claims (4)
- 浴槽底が洗い場床よりも低い位置に配置され、前記浴槽底に排水栓で開閉可能な浴槽排水口が設けられ、前記洗い場床に洗い場排水口が設けられている浴槽装置に適用される浴槽水のゴミ捕獲装置であって、
上端が前記洗い場排水口に接続されていると共に下端が下水管に接続されている排水本管と、この排水本管の前記浴槽底よりも低い位置から分岐していて前記浴槽排水口に先端が接続されている第1排水枝管と、前記排水本管の前記第1排水枝管への分岐口よりも高い位置から分岐していて貯水タンクに先端が接続されている第2排水枝管と、前記排水本管に出し入れ可能に形成されているゴミ捕獲部材と、を備え、
前記ゴミ捕獲部材が、前記排水本管の第1排水枝管への分岐口よりも下に配置されていて排水本管を閉塞している底部と、その底部に立設されていて前記排水本管の第2排水枝管への分岐口の前方に設けられている網状部材と、を備えていることを特徴とする浴槽水のゴミ捕獲装置。 - 前記ゴミ捕獲部材の網状部材が横断面略C字形に形成されていて、前記網状部材の両側部間の開口部が前記第1排水枝管側を向くように排水本管内に挿入されている請求項1記載の浴槽水のゴミ捕獲装置。
- 前記ゴミ捕獲部材に、洗い場排水口を閉塞可能な蓋部が設けられている請求項1または2記載の浴槽水のゴミ捕獲装置。
- 前記第2排水枝管の管底が、前記浴槽底よりも僅かに高い位置に配置されている請求項1ないし3記載の浴槽水のゴミ捕獲装置。
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