JP3569038B2 - X線ct装置のスキャナー構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、X線により患者などの被検体の断層映像を得る医療用のX線CT装置に関し、特に、かかるX線CT装置のスキャナー機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、医療用X線CT装置では、特に、かかるX線CT装置のスキャナー機構においては、X線発生器から照射されるX線ビームは、上記X線発生器のX線照射口のすぐ近くに配置され、X線ビームのスライス幅方向を遮蔽するいわゆるコリメータにより規制され、これにより、スライス幅方向にビーム幅の狭いコリメートされたX線が形成される構造となっている。この様にして発生器から照射され、そして、スライス方向に形成されたX線は、被検体を通過した後、対向する位置に配置された検出器に照射され、そこで電気的な信号に変換される。また、このコリメータによるX線ビームのスライス幅方向での規制は、その目的に応じてコリメータの開口幅を変更し、これにより、いわゆるスライス幅可変計測が行なわれてていた。
【0003】
さらに、従来のX線CT装置では、そのX線検出器内でのスライス幅方向での感度のばらつき(いわゆる、感度ムラ)が大きい事に起因して、実際にX線を検出するX線検出体への入射面の直前において、この入射するX線入射幅を規制するための、例えば金属体などをスライス幅方向の両側に配置して、X線ビームを遮る構造を用いたり、あるいは、検出器ケースの壁厚をX線入射口以外は厚くしてX線ビーム幅を規制するなどの工夫により、X線検出器内でのスライス幅方向のコリメータ機能を実現することがなされている。
【0004】
また、X線管球の焦点サイズが大きい場合には、薄い幅のX線ビームをX線発生器側に設けたコリメータだけで得ることは物理的にも困難である。そのため、狭いスライス計測を行なう目的で、図12(a)に示すように、X線ビームを制限するコリメータ(ポストコリメータ)を、さらに、検出器側にも配置する方法が取られている。このように、これら従来技術になる既存のポストコリメータは、計測すべきX線ビーム幅を積極的に制限する方法で使用されてはいるが、本来、このようなポストコリメータは、単純に、薄いスライス計測を実現する目的で用いられているものであり、例えば一番スライス幅の厚い計測や、あるいは、一番薄いスライス幅での計測用に、それぞれ、専用にその幅が固定されて用いられるのが一般的であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そのため、これはX線撮影装置の全てについても言える事だが、被検体にX線が当たる事で被検体内部から散乱X線が発生し、この被検体内部での散乱X線が計測中の画像のコントラストの低下や各種アーチファクトを発生させる。そのため、かかる散乱X線による悪影響を解消するため、種々の散乱線除去や補正方法が考案されているが、しかしながら、X線CT装置のハード面での計測においては、最初に説明したように、被検体で発生してスライス幅方向から混入する散乱線に対しての除去機能に関しては、何等の考慮もされていない。
【0006】
特に、一般的なCT装置では被写体言計測中心位置でのスライス幅が10mmになる計測系を構成することが基本となっていることから、計測スライス幅が狭い場合でも検出器側の開口幅は一定になっているため、図12(b)に示すように、中間的なスライス計測ではスライス方向からの散乱線の混入割合が多くなり、最終画像の一様性の悪化やダークバンドアーチファクトが発生しやすい構造であった。
【0007】
そこで、本発明は、上記の従来技術に鑑み、X線CT装置でのスライス幅方向からの散乱線を低減し、検出器の計測データに混入する散乱X線を少なくし、もって画像の一様性や各極アーチファクトの低減とコトラスト分解能を向上することの可能なX線CT装置のスキャナー構造を提供することを目的とすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、開口部を通過する被検体にファンビームX線を照射して被検体の断層画像を得るX線CT装置のスキャナー構造であって、X線を発生するX線発生装置と、前記X線発生装置から発生されるX線をスライス幅方向の所定のビーム幅に規制してファンビームX線を得るコリメータと、前記X線CT装置の前記開口部を介して前記X線発生装置とコリメータとに対向する位置に配置され、前記被検体を通過したファンビームX線を検出する多チャンネルX線検出器とを備えたものにおいて、
さらに、前記被検体と前記検出器との間の任意の位置にポストコリメータを配置すると共に、このポストコリメータは、前記コリメータによってスライス幅が規制されたファンビームX線のスライス幅方向においてこのスライス幅の両側端部から所定の距離だけ外側に離れて互いに平行に配置可能な2つの金属部材と、設定スライス幅に対応しそれよりも外側に離れた幅の平行間隔となるように、上記2つの金属部材相互をファンビームX線のスライス幅方向に移動させる手段とを具え、もって、前記部材間の幅をファンビームX線のスライス幅に応じて可変にしたことを特徴とするX線CT装置のスキャナー構造を開示する。
【0009】
更に本発明は、開口部を通過する被検体にファンビームX線を照射して被検体の断層画像を得るX線CT装置のスキャナー構造であって、X線を発生するX線発生装置と、前記X線発生装置から発生されるX線をスライス幅方向の所定のビーム幅に規制して、ファンビームX線を得るコリメータと、前記X線CT装置の前記開口部を介して前記X線発生装置とコリメータとに対向する位置に配置され、前記被検体を通過したX線を検出する多チャンネルX線検出器と、前記被検体と前記検出器との間の任意の位置に、配置したポストコリメータとを備えると共に、ポストコリメータは、
ポストコリメータ配置位置でのファンビームX線のファンビーム幅に沿う長さを有し、且つファンビームX線のスライス方向に任意の平行間隔が設定可能な、互いに平行配置される第1、第2の金属部材と、
この第1、第2の金属部材の長さ方向の両端である第1、第2の端部を支持して、第1、第2の端部を第1、第2の金属部材の長さ方向と直角な方向である平行間隔方向への移動可能な移動機構と、
複数のスライス幅に対応すると共に、その各幅よりも広い間隔の幅の複数段差部を長手方向に沿って順に有する第1、第2のスリットと、
上記第1、第2の端部のそれぞれの第1、第2の金属部材の間に上記第1、第2のスリットを挿入して、移動機構に沿って動く金属部材間の平行間隔が設定スライス幅に対応して選んだ第1、第2のスリットの段差部の幅となるように、当該段差部を第1、第2の金属部材間に当接させて位置決めを行う第1、第2の駆動機構と、
を備えることを特徴とするX線CT装置のスキャナー構造を開示する。
【0010】
【作用】
上述のように、本発明により提案されるX線CT装置のスキャナー構造によれば、前記X線発生装置により発生されて前記コリメータによりスライス幅方向の幅が規制されたファンビームX線は、X線CT装置の開口部を通過する被検体を通り、対向して配置された検出器により検出される。同時に、被検体やその他の計測装置自体に照射されたX線ビームにより散乱X線が発生されるが、この散乱X線は、前記ポストコリメータを構成する2つの金属部材により遮蔽あるいは吸収され、前記検出器へのスライス幅方向からの混入を低減し、もって、X線CT装置により得られる画像の一様性や各種アーチファクトの低減とコトラスト分解能を向上することが可能になる。すなわち、X線ビームに接しないある距離をおいてX線ビームのスライス幅方向の両端部に金属部材を配置することで、前記検出器の検出面から見た被検体の見込角度が狭められることから、スライス幅方向からの被検体やその他の計測装置自身から発生される散乱線を除去して、計測データに混入する散乱線の割合を低減することが出来る。そして、このポストコリメータを構成する金属部材は、コリメータによってスライス幅が規制されたX線ビームのスライス幅方向において両側端部から所定の距離だけ離れて互いに平行に配置されていることから、本来計測されるべきデータを有効に計測でき、X線利用効率を下げる事がない。
【0011】
さらに、前記ポストコリメータにおいて、ポストコリメータを構成する平行な2つの金属部材を、前記X線ビームのスライス幅方向に移動させる手段を含むことにより、これを適宜調整可能とすることにより、それぞれの測定に最適の幅の調整を行って、常に、画像の一様性を確保し、各種アーチファクトの少ない、かつ、コトラストや分解能の向上を計った優れた断層画像を得ることが可能になる。また、以下の実施例のように、特に、X線発生装置側に配したX級ビーム幅を規制するコリメータの設定開口幅に連動して検出器側コリメータの開口幅を可変にすることにより、さらに、中間的なスライス幅での計測でも、最適な検出器側コリメータ開口幅が設定されるため、スライス方向からの散乱線混入割合が効率良く低減され、もって、高画質の画像を堤供する事が出来る。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の実施例の詳細について、添付の図面を参照しながら説明を行う。
図2は本発明の一実施例になるX線CT装置の構造を示す。まず、図2(a)は、X線CT装置のX線計測系を正面から見た図を示し、図2(b)は、X線CT装置の側面図である。図において、X線管球またはX線発生装置2からはX線が照射され、照射されたX線は、まず、X線管球側に設けられたコリメータ3によりスライス方向の幅が規制される。このスライス方向の幅が規制されたX線は、上記のX線発生装置2及びコリメータ3に対向した位置に配置された湾曲形状のX線検出器5に入射し、これにより、検出器5では入射したX線の強度が電気信号に変換され、もって、電気的な信号が出力される。
【0013】
上述のようなX線の計測系は、図3に示すようなCTスキャナー10(本図ではスキャナー装置外見のカバーをさす)に内蔵されており、患者などの被検体は寝台テーブル20上に寝て、この寝台テーブル20をスキャナーガントリ開口11の中に順次移動することにより、患者である被検者のX線による計測がなされる。
【0014】
そして、本発明によれば、ポストコリメータ1(より詳細には、符号1Aあるいは1Bで示される)は、上記スキャナー10のスキャナーガントリ開口11から検出器5までの間の空間の任意の位置に設定される。具体的には、図1中に実線で示したポストコリメータ1Aは、上記検出器5と同じように、X線装置の焦点を起点とした(すなわち、上記X線発生装置2を中心とした)円弧上に、あるいは、図中に破線で示すように、ポストコリメータ1Bは上記ガントリ開口11に沿って円弧形状に設けられてもよい。
【0015】
このような構成のX線CT装置では、図2(b)に示すように、X線装置2から発生されたX線ビームは、上記のコリメータ3でスライス幅の方向に制限を受け、これにより、薄いX線ビーム4になる。なお、このX線ビームを薄いX線ビームにする方法としては、コリメータ3内に装着された最低限2枚のX線遮蔽物により達成されるが、この遮蔽物の形状としては、例えば板状のものや複数のスリット幅が異なるサンドイッチ状の板構造体が、さらには、複数のスリットを有した回転筒状等、種々の方法が考案されている。また、ポストコリメータ1も、上記のコリメータ3と同様、最低限2枚のX線遮蔽物により構成されたものである。
【0016】
基本的には、このコリメータ3は機械的に可動な構造となっており、また、上記ポストコリメータ1も同様な構造を備えている。すなわち、上記のコリメータ3を構成するX線遮蔽物は、コリメータ駆動装置6により動かされる。このように、コリメータの開口幅が可変されることによって、X線装置2からのX線は、そのビーム幅を変化することが可能になっている。同様に、上記のポストコリメータ1は、ポストコリメータ駆動装置7により、その開口幅が可変されるようになっている。また、図中の符号8は、上記コリメータ駆動装置6及びポストコリメータ駆動装置7を制御するスキャナー制御装置を示している。
【0017】
上述のように、それぞれ、その開口幅が可変である上記両者のコリメータ、すなわち、コリメータ3及びポストコリメータ1の開口幅の制御について、以下にその操作方法を説明する。
(1)ここでは図示していないが、X線CT装置の操作卓等によって、装置の操作者は、計測する目的に応じて撮影条件を設定するが、この撮影条件の設定の際に、このスライス幅(代表例として10、7、5、3、2、1mmスライス計測)を設定する。
(2)X線装置2は、計測開始前にこれら操作者の設定条件を読み取り、CT装置の各部に対して、これら設定に必要な制御信号を伝送する。
(3)スキャナー制御装置8は、この制御信号を受け取って、各種スキャナー駆動装置の準備をすると共に、先程のコリメータ駆動装置6に制御信号を出し、計測を行う前に各種スライス計測に対応したコリメータ開口幅に調整し、さらに、ポストコリメータ駆動装置7にも制御信号を出し、ポストコリメータ1のX線遮蔽物をスライス幅方向に移動してポストコリメータ1の開口幅を変更する。なお、この実施例では、ポストコリメータ1は、上記コリメータ3と同様に、X線ビーム遮蔽構造をもっており、すなわち、この図の実施例では、簡単な2枚ブレード方式のものを示している。
(4)最後に、全ての装置で計測準備が完了した後に、計測を開始する。
【0018】
ここで重要なのは、本発明になるポストコリメータ1は、計測用のX線ビーム4を制限する目的ではないため、図2(b)や図1に示すように、ポストコリメータ1をX線ビーム4の両端から少し空間をおいた位置に設定されていることである。つまり、このポストコリメータ1は、本来、検出器5の検出面から見た被検体方向の見込角度は180度であるが、本発明になるポストコリメータ1を構成するX線遮蔽板のために、その見込角度θが制限され、もって、被験者内部で発生してスライス幅方向から検出器5へ混入する散乱線のみを低減するように設定されている。また、この実施例では、このポストコリメータ1も、上記のコリメータ3と同様、可変構造となっており、各スライス計測毎にポストコりメータの開口幅が変化あるいは調整されるのが特徴となってる。
【0019】
次に、上述のようなポストコリメータとその駆動装置のより詳細な構造及び機構の実施例について、さらに、添付の図4及び図5を参照しながら以下に説明する。
まず、この駆動装置は、これらの図からも明らかなように、図中に100番台の符号で示される各構造体の組合わせにより構成されており、これら構造体は計測用X線ビーム4を遮ることのないように、ポストコリメータ1の両サイド側に配置されている。また、この図において、符号100はポストコリメータフレームであり、符号110はスリット駆動系の機構を示している。なお、ポストコリメータ1は、検出器5のX線入射面側に配置されており、これはX線遮蔽効果の高い銅や真鍮等の金属材で作られており、また、コリメータ3は、X線発生装置2からのX線を散乱させて上記コリメータ3へ導くための、いわゆる補償物3’を備えている。
【0020】
図5は、このようなポストコリメータ構造を真上から見たときの構造を示している。この例では、ポストコリメータ1とX線ビーム通過位置が空洞になっているポストコリメータフレーム100の両者は、スライス幅方向に直線移動可能な直線軸受け構造体101により結合されており、ポストコリメータフレーム100側が、図示していないスキャナー回転板(計測系が搭載される)または検出器5のケース面に固定され、ポストコリメータ1がスライス幅方向に自由に移動可能な構造になっている。また、ここでは、上記の直線軸受け構造だけではなく、単に、ポストコリメータ側面部に開けた穴に円柱状のガイド棒が挿入され、これによりポストコリメータ1がスライス幅方向に自由に動く構造でも良い。
【0021】
なお、このポストコリメータ構造では、これらポストコリメータ1はコイルまたは板バネ等の押し当て構造体102によりスライス幅方向(軸方向)に押し当てられるようになっており、これによりポストコリメータ1の移動ガタをなくし、通常は、この2枚の金属板からなるポストコリメータ1は閉じられるような構造になっている。そして、計測スライスX線ビーム幅に対応した複数の開口幅を持ったスリット板111がこのポストコリメータ板間に挿入されており、このスリット板111はパルスモータ等の回転量制御が容易な駆動系等により構成されたスリット駆動系110により、図の矢印方向に可動することにより、このポストコリメータ1の開口幅を可変できるようになっている。
【0022】
次に、図6により、上記にその駆動原理を説明したポストコリメータ構造について、そのより具体的な駆動機構の本発明の実施例になる構成について示す。図13は図6(b)の拡大図である。
図6(a)は、かかるポストコリメータ1の外観構造が示されており、この図からも明らかなように、湾曲した2枚の金属板を含むポストコリメータのフレーム201の両端には、それぞれ、駆動機構部202、202が設けられている。
【0023】
図6(b)には、上記の一方の駆動機構部202の拡大図が示されており、一対のポストコリメータの遮蔽板203、203が互いに対向して配置され、かつ、直線ガイド204により図中に矢印A、Aで示す方向にスライド可能に取り付けられている。すなわち、これにより、上記の一対のポストコリメータ遮蔽板203、203が図の矢印A、Aの方向にスライドすることにより、ポストコリメータ1のスライス幅の間隔は広がる。
【0024】
また、上記の一対のポストコリメータ遮蔽板203、203にはローラ205が固定されており、このローラはカム206(上記図5のスリット板111に相当する)を両側から挟むようにされている。このカム206を両側から挟む力は、バネ210の復元力を利用している。また、上記のカム206には、いわゆるラック207が固定されており、さらに、このラック207には、モータ209の出力シャフトの先端に固定されたピニオン208が噛み合っている。
【0025】
上記のようなポストコリメータ構造において、上記のモータ209が回転すると、モータ209の出力シャフト先端のピニオン208と噛み合っているラック207が図中の矢印Bの方向へ移動し、同時に、カム206も矢印Bの方向へ移動する。一方、上記のカム206はローラ205で支持されているので、カム206が矢印Bの方向へ移動すると、ローラ205は矢印A方向へスライドすることとなる。また、図中の符号211はインタラプタであり、符号212は、例えばフォトセンサなどを利用して構成された上記インタラプタ211の位置を検知するための複数のセンサ(この実施例では、5個のセンサ)を示している。
【0026】
上記のカム206は、また、複数の幅サイズを持ち、それは各スライス厚さに対応しており、上記複数のセンサの消灯により、4種類のスライス厚さに相当している。一例として、いま、3個のセンサ212−1、212−2、212−3の消灯のスライス厚さが3mmスライスとする。そこで、装置の操作者がスライス幅としてこの「3mmスライス」を選択すると、上記モータ209がピニオン208を回転し、ラック207が矢印Bの方向へ移動する。これにより、ローラ205がカム206により押し広げられ、これに伴って上記の一対のコリメータ203、203の間の間隔も広がる。そして、インタラプタ211の位置がセンサ212により判断されて所望の位置で停止する。この例では、インタラプタ211の位置が複数のセンサ212−1〜212−3を消灯する位置で停止することとなる。
【0027】
さらに、添付の図7には、上記とは異なるポストコリメータ開口幅決定方法を採用したポストコリメータ構造を示す。ここで、上記の図5と同一の番号が付与された構成部分は上述と同様の機能を有しており、説明簡略のためその説明を省略する。すなわち、このポストコリメータ構造でも、やはり上記図5と同様な構造でポストコリメータ1が移動可能なようになっているが、少なくとも、一端の移動用ガイド棒がボールネジ103になっており、このボールネジ103はスリット駆動系110の回転運動がギヤまたは駆動ベルト等の伝達機構105により伝達され、これによってボールネジ103を回転することでポストコリメータ3が移動可能な構造となっている。
【0028】
次に、本発明になるポストコリメータを、X線CT装置のスキャナー10のスキャナーガントリ開口11の円周部に配置した例を、図8を参照しながら示す。この他の実施例でも、2枚のX線遮蔽効果の高い金属板から構成されたポストコリメータ1’は、動作的には上記の図2のそれと全く同じであるが、その大きな違いは、単に、ポストコリメータ1’の形状が円環形になり、このポストコリメータ1’の位置は計測中心位置を起点にしている点である。ただし、その制御方法は図2に示した実施例と同じであり、そのためその説明は省略する。
【0029】
上記の他の実施例になるポストコリメータ構造を図9に示す。上述のように、ポストコリメータ1’は円環状になっており、これら2つの円環がスライス方向に同一位置に配置されている。これらの2つの円環は、図9(a)に示すように、X線ビームを遮蔽しない位置に、すなわち、X線管球側の両端部の位置にポストコリメータフレーム300が図示されないスキャナー回転フレームに固定されている。すなわち、直線軸受け機構301によりポストコリメータ1’とポストコリメータフレームが結合されているため、ポストコリメータ1’はスライス方向に自由に移動可能な構造となっている。ただし、この移動機構は、基本的には図4の例と同じであるため省略する。
【0030】
さらに、図10には、本発明の更に他の実施例として、上記図8及び図9の実施例のようなポストコリメータ1’を各スライス計測毎に可変とするものとは異なり、このポストコリメータ1”を固定する構造のものが示されている。この更に他の実施例の特徴は、スキャナーガントリ開口11のX線ビーム通過位置のカバーを利用してシート状のX線遮蔽材を取り付けたことである。例えば、X線ビーム4が通過するカバー部の両側に、直接、カバーの表面または裏面にこのシート状のX線遮蔽材1”を取り付けたり、あるいは、図10(a)に示すように、X線ビーム4の通過部分だけ別の低X線吸収素材12(例としてアクリルの円環)からなる円環素材を取り付け、その表面のX線通過部の両側にX線遮蔽材1”を張り付けたる(円環素材の表面あるいは裏面のどちらでもよい)。さらに、X線通過部分がスペースとなり、あるいは、図10(b)に示すように、このスペース部分に低X線吸収シート12等が差し込まれる場合はこのシート12の両側面に、あらかじめ、X線通過部分の両側にシート状のX線遮蔽材1”を張り付けておいても良い。
【0031】
このように、上記の他の実施例及び更に他の実施例において、本発明になるポストコリメータ1”を構成する円環状のX線遮蔽材は、符号3で示すような通常のコリメータの用途とは異なる。すなわち、このポストコリメータ1”の円環状のX線遮蔽材は、直接X線ビーム4を絞り込む用途ではなく、図11に示すように、照射X線により患者など被検体の内部で発生する透過性の弱いX線の散乱線を削除することが目的である。そのため、このポストコリメータ1”を構成する円環状のX線遮蔽材としては、鉛材はおろか鉄や真鍮、銅、ステンレス板等の円環材やシート状の薄い材質でも良く、さらには、他の多くの金属体やX線遮蔽効果の高い板硝子や鉛含有アクリル材等種々の素材を利用することも可能である。また、特に、上記図10に示した実施例では、上述のようなシート状のX線遮蔽材を張り付けるものにおいては、これに代えて、X線遮蔽効果の高い重金属粒子や鉛粒子を多く含んだX線遮蔽塗料を塗っても良い。
【0032】
【発明の効果】
以上の詳細な説明からも明らかなように、本発明になるX線CT装置のスキャナー構造によれば、X線CT装置でのスライス幅方向からの散乱X線の検出器への混入、すなわち、検出器の計測データに混入する散乱X線の悪影響を低減し、もって、画像の一様性や各種のアーチファクトの低減、さらには、コトラストや分解能を向上することの可能で高品質の断層映像を得ることが可能なX線CT装置を提供することが可能となる。また、上記の本発明になるX線CT装置によれば、全ての幅のスライス計測に最適なポストコリメータ幅の設定が可能となり、かつ、各スライス計測でのスライス幅方向からの散乱X線の混入を最低限に抑制することが出来ることから、得られる画像の一様性や各種アーチファクトの低減とコントラスト分解能を向上することの可能なX線CT装置を堤供できるという、技術的にも優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例になるX線CT装置のスキャナー構造のポストコリメータの配置とその働きを説明する側面図である。
【図2】上記本発明の一実施例になるスキャナー構造の全体構成を示す正面及び側面図である。
【図3】上記本発明の一実施例になるスキャナー構造えお備えたX線CT装置の全体構造を示す斜視図である。
【図4】上記X線CT装置のスキャナー構造のより詳細な構造及び機構を説明するための正面図である。
【図5】上記図5のX線CT装置のスキャナー構造におけるポストコリメータの原理構造を示す上面図である。
【図6】上記図5に示したX線CT装置のスキャナー構造におけるポストコリメータの具体的な駆動機構を含めて示した全体斜視図及びその一部拡大図である。
【図7】上記図5のX線CT装置のスキャナー構造におけるポストコリメータの変形例を示した上面図である。
【図8】本発明の他の実施例になるX線CT装置のスキャナー構造の全体構成を示す正面及び側面図である。
【図9】上記図8に示す他の実施例のスキャナー構造の駆動機構を説明する全体正面図及び一部拡大側面図である。
【図10】本発明の更に他の実施例になる2つのスキャナー構造を示す一部拡大断面図である。
【図11】上記の他の実施例及び更に他の実施例における計測時の散乱X線低減の原理的説明のための正面図及び側面図である。
【図12】従来技術におけるX線CT装置におけるスキャナー構造の例を示す図である。
【図13】図6(b)の拡大図である。
【符号の説明】
1、1’、1” ポストコリメータ(X線遮蔽物)
2 X線管球またはX線発生装置
3 X線管球側のコリメータ
3’ コリメータの補償物
4 X線ビーム
5 X線検出器
6 コリメータ駆動装置
7 ポストコリメータ駆動装置
8 スキャナー制御装置
10 CTスキャナー
12 低X線吸収素材
20 寝台
11 スキャナーガントリ開口
100 ポストコリメータフレーム
101 直線軸受け構造体
102 押し当て構造体(板バネ)
103 ボールネジ
201 ポストコリメータフレーム
202 駆動機構部
203 ポストコリメータの遮蔽板
204 直線ガイド
205 ローラ
206 カム
207 ラック
208 ピニオン
209 モータ
210 バネ
211 インタラプタ
212 センサ
300 ポストコリメータフレーム
301 直線軸受け機構

Claims (2)

  1. 開口部を通過する被検体にファンビームX線を照射して被検体の断層画像を得るX線CT装置のスキャナー構造であって、X線を発生するX線発生装置と、前記X線発生装置から発生されるX線をスライス幅方向の所定のビーム幅に規制してファンビームX線を得るコリメータと、前記X線CT装置の前記開口部を介して前記X線発生装置とコリメータとに対向する位置に配置され、前記被検体を通過したファンビームX線を検出する多チャンネルX線検出器とを備えたものにおいて、
    さらに、前記被検体と前記検出器との間の任意の位置にポストコリメータを配置すると共に、このポストコリメータは、前記コリメータによってスライス幅が規制されたファンビームX線のスライス幅方向においてこのスライス幅の両側端部から所定の距離だけ外側に離れて互いに平行に配置可能な2つの金属部材と、設定スライス幅に対応しそれよりも外側に離れた幅の平行間隔となるように、上記2つの金属部材相互をファンビームX線のスライス幅方向に移動させる手段とを具え、もって、前記部材間の幅をファンビームX線のスライス幅に応じて可変にしたことを特徴とするX線CT装置のスキャナー構造。
  2. 開口部を通過する被検体にファンビームX線を照射して被検体の断層画像を得るX線CT装置のスキャナー構造であって、X線を発生するX線発生装置と、前記X線発生装置から発生されるX線をスライス幅方向の所定のビーム幅に規制して、ファンビームX線を得るコリメータと、前記X線CT装置の前記開口部を介して前記X線発生装置とコリメータとに対向する位置に配置され、前記被検体を通過したX線を検出する多チャンネルX線検出器と、前記被検体と前記検出器との間の任意の位置に、配置したポストコリメータとを備えると共に、ポストコリメータは、
    ポストコリメータ配置位置でのファンビームX線のファンビーム幅に沿う長さを有し、且つファンビームX線のスライス方向に任意の平行間隔が設定可能な、互いに平行配置される第1、第2の金属部材と、
    この第1、第2の金属部材の長さ方向の両端である第1、第2の端部を支持して、第1、第2の端部を第1、第2の金属部材の長さ方向と直角な方向である平行間隔方向への移動可能な移動機構と、
    複数のスライス幅に対応すると共に、その各幅よりも広い間隔の幅の複数段差部を長手方向に沿って順に有する第1、第2のスリットと、
    上記第1、第2の端部のそれぞれの第1、第2の金属部材の間に上記第1、第2のスリットを挿入して、移動機構に沿って動く金属部材間の平行間隔が設定スライス幅に対応して選んだ第1、第2のスリットの段差部の幅となるように、当該段差部を第1、第2の金属部材間に当接させて位置決めを行う第1、第2の駆動機構と、
    を備えることを特徴とするX線CT装置のスキャナー構造。
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