JP3568612B2 - 分岐弁 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、主流路から液体を分岐流出させる分岐弁に関し、特には、電子工業、医薬品製造、食品製造などの分野において使用される超純水、無菌水、培養液など一定の厳格な品質が求められる液体の分岐流出に用いられる分岐弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、液体を主流路から分岐流出させるためには、例えば、図3ないし図5に示すものがある。
この分岐弁は、直管状の主流管101と、この主流管101の一側に固定された弁箱102と、この弁箱102に一体的に組み付けられたアクチュエータ103とを備える。
【0003】
上記主流管101の周壁104の両端には、必要に応じてフランジ105が形成され、また、その周壁104の内周面の軸心方向の中央部には分岐孔106が形成される。
この分岐孔106は単純に周壁104に孔を開けることにより形成してもよいが、弁箱102の組み付けを簡単にするため、分岐孔106の周縁部を曲げ起こすことにより周壁104の外側に延出された接続口107を形成している。
【0004】
また、分岐孔106の口縁部での乱流の発生を少なくするため、この接続口107の内周面と周壁104の内周面とが円滑に連続するようにしている。
上記弁箱102は、その内部に弁室108と、弁室108を分岐孔106に連通させる弁孔109と、弁室108の弁孔109に対向する面を区画するダイヤフラム110とを備える。
【0005】
上記弁室108内には、上記ダイヤフラム110から突設され、上記弁孔109に接離して弁孔109を開閉する弁子111と、この弁子111に対向して弁孔109を取り囲む円環状の弁座112とが設けられ、上記弁子111およびダイヤフラム110が上記アクチュエータ103によって弁孔109および弁座112に向かって進退駆動されるようにしている。また、弁箱102には、弁孔109の周囲に主流管101の接続口107が内嵌される嵌合穴113が形成されるとともに、弁室108を外部に連通させる分岐ポート114が形成され、この分岐ポート114の導出先端部には、必要に応じてフランジ115が形成される。
【0006】
上記アクチュエータ103の駆動源としては、電気、油圧、空気圧など任意の駆動源を用いることができるが、ここでは空気圧を駆動源として用いている。
すなわち、このアクチュエータ103は単動型エアシリンダで構成され、弁箱102のダイヤフラム110を覆う弁箱蓋116と、この弁箱蓋116内に形成されたシリンダ室117と、このシリンダ室117に摺動自在に内嵌されたピストン118と、シリンダ室117内でピストン118により区画された受圧室119と、上記弁箱蓋116内に形成され、上記受圧室119を圧縮空気源に接続するパイロット供給口120と、弁箱蓋116の反弁箱側に組み付けられたバネケース121と、バネケース121内に収納され、上記ピストン118を受圧室119側に付勢するバネ122とを備えている。
【0007】
上記ピストン118は、弁箱蓋116を貫通して弁箱102内に突入するピストンロッド123を介して、ダイヤフラム110の中央部に連結され、このピストンロッド123には、バネケース121の端壁124にその外側に出没可能に挿通されるインジケータ125が連設される。
この分岐弁の受圧室119に圧縮空気源から所定の圧力の圧縮空気が供給されると、図5に示すように、バネ122が圧縮され、ピストン118、ピストンロッド123、ダイヤフラム110および弁子111が開弁方向に駆動され、これにより弁子111が弁座112から離れて分岐弁が開弁され、主流管101から液体が分岐孔106、弁孔109、弁室108および分岐ポート114を介して外部に分岐流出する。
【0008】
また、この時、インジケータ125はバネケース121の外側に突出して、分岐弁が開弁されていることを表示する。したがって、開弁させる操作をしたにも係わらず、インジケータ125が閉弁状態を示している場合には、分岐弁、あるいはその制御装置が故障していることが認識でき、故障の発見が容易になる。
受圧室119への圧縮空気の供給を停止し、受圧室119の内圧を大気へ排気させると、図3および図4に示すように、バネ122が伸長し、ピストン118、ピストンロッド123、ダイヤフラム110および弁子111が閉弁方向に駆動され、これにより弁子111が弁座112に閉止当接して分岐弁が閉弁される。
【0009】
この時、インジケータ125はバネケース122内に没入して分岐弁が閉弁していることを表示する。したがって、分岐弁を閉弁させる操作をしたにも係わらずインジケータ125が開弁状態を示している場合には、液が分岐流出していることが認識でき、分岐弁、あるいはその制御装置が故障していることを認識できるので、故障の発見が容易になる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような分岐弁において、分岐ポートおよび弁室を洗浄または殺菌のための洗浄液または蒸気を有効に流し込む流路を設けたものは見当たらない。上記の分岐弁の分岐ポートの出口側から洗浄液または蒸気を流し込むと、弁室内は閉ざされた室になっているため、洗浄液または蒸気が弁室内にまわりにくく、洗浄、殺菌に時間がかかったり、洗浄、殺菌が不十分になる場合がある。
【0011】
また、主流管より洗浄液または蒸気を流し、分岐ポートより排出することによる洗浄を行うと、粘性の高い流体(例・牛乳)では弁室の流れのにぶい部分に流体が残り、それが腐食し分岐弁の開閉の際に主流管に混入し不測の事故を起こすこともあった。
【0012】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は、上記の事情に鑑み、分岐弁において、洗浄、殺菌に時間がかからず、洗浄、殺菌が十分になるようにすべく、主流管と、主流管の一側に固定される弁箱と、上記主流管は、分岐孔を有し、上記弁箱はその内部に液溜りのない構成とした弁室と、弁室を分岐孔に連通させる弁孔と、上記弁孔に接離して弁孔を開閉する弁子と、弁室を外部に連通させる分岐ポートとを備える分岐弁において、弁室の分岐ポートと反対側に浄化流路を連通させた分岐弁とした。
【0013】
【作用】
本発明は、弁室の分岐ポートと反対側に浄化流路を連通させたので、洗浄、殺菌の時間を短くし、洗浄、殺菌を完全に成す。
【0014】
【実施例】
本発明の一実施例に係る分岐弁を図1ないし図2に基づいて具体的に説明すれば、以下の通りである。
この分岐弁は直管状の主流管1と、この主流管1の一側に固定された弁箱2と、この弁箱2に一体的に組み付けられたアクチュエータ3とを備える。
【0015】
上記主流管1の周壁4の両端には、必要に応じてフランジ5が形成され、また、その周壁4の内周面の軸心方向の中央部には分岐孔6が形成される。
この分岐孔6は単純に周壁4に孔を開けることにより形成してもよいが、弁箱2の組み付けを簡単にするため、分岐孔6の周縁部を曲げ起こすことにより周壁4の外側に延出された接続口7を形成している。
【0016】
また、分岐孔6の口縁部での乱流の発生を少なくするため、この接続口7の内周面と周壁4の内周面とが円滑に連続するようにしている。
上記弁箱2は、その内部に弁室8と、弁室8を分岐孔6に連通させる弁孔9と、弁室8の弁孔9に対向する面を区画するダイヤフラム10とを備える。
上記弁室8内には、上記ダイヤフラム10から突設され、上記弁孔9に接離して弁孔9を開閉する弁子11と、この弁子11に対向して弁孔9を取り囲む円環状の弁座12とが設けられ、上記弁子11およびダイヤフラム10が上記アクチュエータ3によって弁孔9および弁座12に向かって進退駆動されるようにしている。また、弁箱2には、弁孔9の周囲に主流管1の接続口7が内嵌される嵌合穴13が形成されるとともに、弁室8を外部に連通させる分岐ポート14が形成され、この分岐ポート14の導出先端部には、必要に応じてフランジ15が形成される。
【0017】
上記アクチュエータ3の駆動源としては、電気、油圧、空気など任意の駆動源を用いることができるが、ここでは空気圧を駆動源として用いている。
すなわち、この実施例のアクチュエータ3は単動型エアシリンダで構成され、弁箱2のダイヤフラム10を覆う弁箱蓋16と、この弁箱蓋16内に形成されたシリンダ室17と、このシリンダ室17に摺動自在に内嵌されたピストン18と、シリンダ室17内でピストン18により区画された受圧室19と、上記弁箱蓋16内に形成され、上記受圧室19を圧縮空気源に接続するパイロット供給口20と、弁箱蓋16の反弁箱側に組み付けられたバネケース21と、バネケース21内に収納され、上記ピストン18を受圧室19側に付勢するバネ22とを備えている。
【0018】
上記ピストン18は、弁箱蓋16を貫通して弁箱2内に突入するピストンロッド23を介して、ダイヤフラム10の中央部に連結され、このピストンロッド23には、バネケース21の端壁24にその外側に出没可能に挿通されるインジケータ25が連設される。
この分岐弁の受圧室19に圧縮空気源から所定の圧力の圧縮空気が供給されると、図3に示すように、バネ22が圧縮され、ピストン18、ピストンロッド23、ダイヤフラム10および弁子11が開弁方向に駆動され、これにより、弁子11が弁座12から離れて分岐弁が開弁され、主流管1から液体が分岐孔6、弁孔9、弁室8および分岐ポート14を介して外部に分岐流出する。
【0019】
また、この時、インジケータ25はバネケース22の外側に突出して、分岐弁が開弁されていることを表示する。したがって、開弁させる操作をしたにも係わらずインジケータ25が閉弁状態を示している場合には、分岐弁、あるいはその制御装置が故障していることが認識でき、故障の発見が容易になる。
受圧室19への圧縮空気の供給を停止し、受圧室19の内圧を大気圧まで減圧させると、図1および図2に示すように、バネ22が伸長し、ピストン18、ピストンロッド23、ダイヤフラム10および弁子11が閉弁方向に駆動され、これにより弁子11が弁座12に閉止当接して分岐弁が閉弁される。
【0020】
この時、インジケータ25はバネケース22内に没入して分岐弁が閉弁していることを表示する。したがって、分岐弁を閉弁させる操作をしたにも係わらずインジケータ25が開弁状態を示している場合には、液が分岐流出していることが認識でき、分岐弁、あるいは、その制御装置が故障していることを認識できるので、故障の発見が容易になる。
【0021】
上記の分岐弁において、図1および図2に示すように、弁室8に、分岐ポート14と反対側に浄化流路31を設ける。この浄化流路31の導出端部には、必要に応じてフランジ32が形成される。この浄化流路31は分岐ポート14と反対側に設けるが、好ましくは洗浄液や上記が弁室8内をできるだけ速く流出できるように、分岐ポート14と弁室8に対して対称に設けるのがよい。浄化流路31を分岐ポート14の対称側に設けず、直角または鋭角方向に浄化流路31を設けたのでは、曲げの部分に浄化液などの流れが鈍い部分が生じ、本発明の目的にはそぐはない。
【0022】
本発明は、洗浄液は図1に示すように弁子11を勢いよく流れ、液溜りのない構成とした弁室8 (隅、角部分が無く滑らかな構成) を完全に洗浄できる。
洗浄液または蒸気を分岐ポート14の出口側から流し込むと、弁室8、浄化流路31に弁室8が閉ざされてないので素早く流れ込み、弁室8、弁箱2、分岐ポート14の洗浄、殺菌の時間を短くし、洗浄、殺菌を完全に成す。
【0023】
なお、図1において下方側を分岐ポート14、上方側を浄化流路31として説明したが、この逆の場合でも全く同じであり、洗浄、殺菌以外の分岐弁として使用する時は、浄化流路31は塞いで使用する。
また、浄化流路31は管状体のものに限らず、ブロック体内に流路を設けたものでもよい。
【0024】
【発明の効果】
本発明は、上述のように、主流管と、主流管の一側に固定される弁箱と、上記主流管は、分岐孔を有し、上記弁箱はその内部に液溜りのない構成とした弁室と、弁室を分岐孔に連通させる弁孔と、上記弁孔に接離して弁孔を開閉する弁子と、弁室を外部に連通させる分岐ポートとを備える分岐弁において、弁室の分岐ポートと反対側に浄化流路を連通させた分岐弁であるので、弁室が閉ざされてないので素早く流れ込み、洗浄液は、図1に示すように、弁子を勢いよく流れ、液溜りのない構成とした弁室 (隅、角部分が無く滑らかな構成) を完全に洗浄できる。
【0025】
また、本発明は、弁室、弁箱、分岐ポートの洗浄、殺菌の時間を短くし、洗浄、殺菌を完全に成す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の閉弁時の主流管軸心に直交する面に沿う断面図である。
【図2】図1の右側面図である。
【図3】従来の分岐弁の閉弁時の主流管軸心に直交する面に沿う断面図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】従来の分岐弁の開弁時の図3に相当する断面図である。
【符号の説明】
1…主流管
2…弁箱
3…アクチュエータ
4…周壁
6…分岐孔
7…接続口
8…弁室
9…弁孔
10…ダイヤフラム
11…弁子
13…嵌合穴
14…分岐ポート
25…インジケータ
31…浄化流路
Claims (1)
- 主流管と、主流管の一側に固定される弁箱と、上記主流管は、分岐孔を有し、上記弁箱はその内部に液溜りのない構成とした弁室と、弁室を分岐孔に連通させる弁孔と、上記弁孔に接離して弁孔を開閉する弁子と、弁室を外部に連通させる分岐ポートとを備える分岐弁において、弁室の分岐ポートと反対側に浄化流路を連通させたことを特徴とする分岐弁。
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JP03672195A JP3568612B2 (ja) | 1995-02-24 | 1995-02-24 | 分岐弁 |
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