JP3568211B2 - カメラ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ポートレートモード機能を有するズームレンズ付き小型カメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、人物の顔を主とした人物写真(ポートレート)を撮影するためのモード機能を有するカメラがある。このポートレートは、主被写体(人物)にピントが合い、背景がぼけている写真で、比較的、大口径のテーキングレンズを備えるカメラに好適する撮影モードである。
【0003】
一般的には、前記大口径テーキングレンズは、ズームレンズ付き小型カメラには、スペースの関係で搭載されていない。前記ズームレンズ付き小型がカメラポートレートモード機能を有する場合には、撮影レンズを開放側にして、撮影を行っている。
【0004】
また、特開昭59−146029号公報に記載されるようなマルチオートフォーカス機能を有するカメラを用いて、人物にピントを合わせ、ポートレートとして撮影することもできる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述したポートレートモード機能を有するズームレンズ付き小型カメラにより、撮影した場合には、レンズを開放させても、レンズの口径が小さいため、十分な明るさを確保することができない。そのため、背景がぼけない場合がある。
【0006】
また、特開昭59−146029号公報に記載されるカメラは、マルチオートフォーカスにより、合焦する被写体を選択するものであり、ポ―トレ―トのために背景が惚けるように機能する技術ではない。
【0007】
そこで本発明は、レンズ口径が小さくとも背景をぼけさせて、ポートレートを撮影できるズームレンズ付きの小型なカメラを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、撮影レンズと、露出時の上記撮影レンズのFナンバーを決定する決定手段と、撮影する構図内の複数ポイントの距離を測定する測距手段と、上記測距手段の測距結果から、最至近距離に関する第1の測距情報、上記最至近距離及び無限遠以外の距離の平均値に関する第2の測距情報を選択する選択手段と、上記第1の測距情報、上記第2の測距情報、上記Fナンバーの情報、及び上記撮影レンズの焦点距離情報に基づいて、主要被写体以外の像のぼけ程度を演算する演算手段と、上記演算手段により得られるぼけ程度が許容レベルである場合にはその旨を表示し、許容レベルを超える場合には警告表示を行う表示手段とを備えるカメラを提供する。
また、撮影レンズと、露出時の上記撮影レンズのFナンバーを決定する決定手段と、撮影する構図内の複数ポイントの距離を測定する測距手段と、上記測距手段の測距結果から、最至近距離に関する第1の測距情報、上記最至近距離及び無限遠以外の距離の平均値に関する第2の測距情報を選択する選択手段と、上記第1の測距情報、上記第2の測距情報、上記Fナンバーの情報及び、上記撮影レンズの焦点距離情報とに基づいて、主要被写体以外の像のぼけ程度値を演算する演算手段と、上記演算手段により得られたぼけ程度値を所定値と比較する比較手段と、上記比較手段の比較結果に基づき上記ぼけ程度値が上記所定値よりも大きい場合には許容ぼけレベルである旨の表示を行い、上記ぼけ程度値が上記所定値よりも小さい場合には警告表示を行う表示手段とを備えるカメラを提供する。
【0009】
さらに、撮影する構図内の複数ポイントの距離を測定する測距手段と、撮影用ズームレンズと、撮影者が期待する構図のイメージを表示する表示手段と、上記測距手段の出力結果に従って、主要被写体距離と背景距離を演算する演算手段と、上記測距手段の出力結果に基づいて、主要被写体距離と背景距離を演算する演算手段と、上記撮影者が期待する構図に関する情報、上記主要被写体距離及び上記背景距離に基づいて、背景の被写体の像のぼけ程度が所定レベルとなるように、上記撮影用ズームレンズのズーム位置を演算、決定する演算制御手段と、上記演算制御手段の演算結果に基づいて、上記撮影用ズームレンズを駆動する駆動手段とを備えるカメラを提供する。
【0010】
【作用】
以上のような構成のカメラは、測距手段による測距結果から、最至近距離に関する第1の測距情報と、上記最至近距離及び無限遠以外の距離の平均値に関する第2の測距情報とが選択され、これらの第1の測距情報、上記第2の測距情報、上記Fナンバーの情報、及び上記撮影レンズの焦点距離情報に基づいて、主要被写体以外の像のぼけ程度が演算される。得られたぼけ程度が許容レベルである場合にはその旨を表示し、許容レベルを超える場合には警告表示される。
【0011】
また、FNoをAEによって決めるのではなく、自動ズーミング動作による開放FNoによって決定され、被写体の明るさによって制御しきれない時には、警告される。
【0012】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【0013】
図1には、本発明による第1実施例としてのカメラの概念的な構成を示し、説明する。
【0014】
このカメラにおいて、測距ユニット(AF)部1は、中央処理部(CPU)2の制御により被写体までの距離を測距する。このCPU2は、シャッタ―ボタン(図示せず)の操作に従って、ピント合せ、露出等のシーケンスを制御するものであり、ズームボタン(図示せず)の操作に従って、ズームレンズ3のズーミング動作を制御する。
【0015】
前記ズ―ムレンズ3には、ズ―ム位置に従って、そのパターンを変えるパターン状電極と、電極上を摺動するスイッチ等からなるズーム位置エンコーダ(図示せず)からなるズーム情報部4が設けられ、CPU2に対し撮影レンズの焦点距離情報を出力する。そして表示部5は、撮影に先立って撮影者に警告等の表示を行うものであり、例えばファインダ内に配置される。また、ポートレート写真を撮影するためのポートレートモードに設定するスイッチ6が設けられている。
【0016】
さらに被写体輝度と、使用フィルムの感度の情報を出力するAE部7が設けられ、前記CPU2は、この情報に従って、撮影レンズの撮影絞りと、シャッタスピードを決定する。
【0017】
そして、図2に示すように、ズームレンズ3のついたカメラ8が被写体9に対して構えられており、背景として、立木10が立っているとする。被写体までの距離Lは前記AF部1によって測定可能である。また、立木10と、主たる被写体9の間の距離を“b”とする。
【0018】
このような状況で、被写体距離Lに対してピント合せをした時、立木10の像のぼけの程度を錯乱円径εにより示すことができ、これは前記距離L,b及び前記CPU2が決定した撮影レンズ3の絞りFナンバー(FNo)と撮影レンズ3の焦点距離fにより近似計算される。
【0019】
【数1】
本実施例では、前記CPU2が(1)式の演算を行ない、また、この結果εを、フィルムを現像しプリントした時に、美しいボケとして見えるレベルε0 とも比較する。前記ε0 とεが異なる時には、前記表示部5によって、撮影者に対して警告が行なわれるように構成されている。ここで、前記CPU2は、距離bを固定値とし、5m程度と想定して(1)式を演算すればよい。
【0020】
次に図3には、第2実施例として前記(1)式を用いたカメラの構成例を示し説明する。ここで、第2実施例の構成部材で図1と同等の部材には、同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
【0021】
この第2実施例においては、撮影者の意図する写真を予めセレクトスイッチ13によって、カメラに入力し、前記CPU2が(1)式により、自動的に適正なεが求められ、ズーム位置を決定するものである。
【0022】
まず、ポートレートモード設定スイッチ6を操作するとイメージ表示部12に図4に示すように画面内に占める人物の大きさのイメージが液晶等で表示される。この表示は、撮影者のセレクトスイッチ13の操作に従って、図4の(a)又は(b)に切りかわる。このように最初に画面と、画面内に占める人物の大きさとの比率rを決めてしまうと、被写体距離Lと、焦点距離fとの間には
L=A・f …(2)
の関係が成立する。このAは比例定数であり前記比率rにより決定される。(1),(2)式より
FNo=b/ε(1/A)2 …(3)
となる。
【0023】
図1に示した第1実施例では、距離bを固定値としたが、図3に示す第2実施例では、オートフォーカス部としてマルチオートフォーカス対応ユニット(マルチAF部)11を採用している。このマルチオートフォーカス技術は、図5に示すように、ファインダ14内の15,16,17の3ポイントを測距可能としたものである。この技術の採用により、カメラから主要被写体までの距離Lの他、背景の被写体までの距離L+bも測定可能となる。従ってbは
b=(L十b)−L
を、CPU2にて演算することにより求めることができる。小型に設計されたズームレンズでは、一般に焦点距離fが長くなる程、開放FNoが暗くなり、fが短くなる程、開放FNoが明るくなる。この関係を、
f=f(FNo) …(4)
という関数であらわすと、(3)式より
【0024】
【数2】
として、ズーミング位置が決定される。
【0025】
つまり本発明による実施例では、FNoをAEによって決めるのではなく、自動ズーミング動作による開放FNoによって決定する。露出はシャッタースピードで制御すればよいが、被写体の明るさによって制御しきれない時には、表示部5によって警告を行なえばよい。
【0026】
よって、撮影者は自動ズーミングされたズーム位置で被写体を狙い、図4に示したように撮影者がイメージした構図になるように、被写体までの距離を選べばよい。
【0027】
次に図6には、第3実施例として、前述した図1と、図3に示した実施例を共に達成することができるカメラの具体的な構成を示し説明する。ここで、第3実施例の構成部材で図1および図3に示した構成部材と同等の部材には、同じ参照符号を付して、その説明を省略する。
【0028】
まず、イメージ表示部12おいては、電極パターン32,33を切り換えることにより、図4(a)と(b)のイメージ表示切換が可能となる。さらに、表示部5は、発光ダイオード39,40を利用し、ドライバ37を介して撮影者がのぞくファインダの中で点滅することにより撮影者に警告を行なえるように構成してある。
【0029】
また、AE情報部7は、公知のフィルム上のDXコードのパターンに従って閉成するスイッチ34a,34b,34cにより、フィルムの感度をCPU2に入力することができる。また、フォトダイオード36は、被写体の輝度に対応した光電流を出力する。測光回路35は、前記輝度光電流をA/D変換し、CPUに対して入力する。
【0030】
そして、ズームレンズ部3は、前記CPU2によりモータドライバ30を介して、ズーミングモータ31を駆動することにより、ズームレンズ群29を長焦点側、又は短焦点側に所定の位置関係で移動させることができるようになっている。ズームレンズがどの焦点距離に設定されているかを、前述したズームエンコーダ4によって、CPU2に入力される。また、ポートレートモード設定用スイッチ6と、イメージ切換用13が設けられている。
【0031】
また、スイッチ37はレリーズボタンの押しこみの途中で閉成する、いわゆる1stレリーズスイッチであり、このスイッチのオンのタイミングで、測距、測光等が行なわれる。
【0032】
さらにスイッチ38は、レリーズボタンの押しこみによって閉成する2ndレリーズスイッチであり、このスイッチのオンのタイミングで、CPU2はピント位置制御、露出等のシーケンス制御を開始する。
【0033】
次にマルチAF部11について説明する。
【0034】
各々赤外発光ダイオード(IRED)22a,22b,22cは、ドライバ24により駆動電流が供給され、AF用のシーケンスコントローラ28により決定されたタイミングで発光が行われる。
【0035】
前記CPU2によって、これらのIREDは順次、独立して発光され、投光用レンズ20によって集光し、被写体に向けて投射されて、測距用光となる。中心にあるIRED22bは、投光用レンズの光軸上に配置され、IRED22a,22cは各々、その左右に配置されているため、ファインダとのパララックスを無視すれば測距用光が投射されるファインダ内の位置は、図5に示したようになる。
【0036】
前述した測距用光は、被写体から反射して受光レンズ21に入射し、公知の光位置検出素子(PSD)23a,23b,23c上に結像する。投受光レンズ20,21は、光軸間距離(基線長)Sだけ離して配置されているが、前記PSD23a,23b,23cは、この基線長の向きに長さ方向をとっているため、三角測距の原理によって、被写体距離に従って測距用光の入射位置がPSD23a,23b,23c上で変化する。
【0037】
この入射信号光はPSD23a,23b,23cによって光電流に変換されるが、その入射位置によって2つの電極から出力する光電流比を変える。従って、この2つの電流の比を演算することによって、被写体までの距離を測定することができる。
【0038】
そしてプリアンプ25,26は、前記PSD23a,23b,23cの出力電流を増幅する。増幅された信号電流は、演算回路27に入力されるが、この演算回路27は、公知の圧縮ダイオードと差動回路から構成されており、出力として前記2つの信号電流の比の演算結果が、前記CPU2に出力される。
【0039】
前記CPU2は、この結果をA/D変換して入力することにより、被写体までの距離Lを演算することが可能となる。
【0040】
前記IRED22a,22b,22cに対応するように、PSD23a,23b,23cがもうけられているので、各IREDを発光させると、その反射信号光は、前記各PSDに入射する。各IREDと各PSDの位置関係は相対的に同じ位置に各々配置されているので、3つのPSDの出力信号は同一の処理回路にて演算が可能である。
【0041】
前述したようにCPU2は、IRED23a,23b,23cを順次発光することにより、自分割で図4に示した画面内のポイントの距離を演算することができる。
【0042】
次に、図7のフローチャート及び図6のカメラ構成を参照して、第1実施例のカメラによる撮影動作を具体的に説明する。
【0043】
このフローチャートは、図6に示したCPU2がシーケンス制御する。この実施例では図1に対応して図6に示したAF部11内のIRED22a,22cと、PSD23a,23cを必要とせず、画面内中央に存在する主要被写体だけを測距できればよいので、原価を安くすることが可能である。
【0044】
まず、撮影者が撮影を行なうにあたってレリーズボタンを半分押しこんだ時に閉成する1stレリーズスイッチがオンしているかどうかを判定する(ステップS1)。この判定で、1stレリーズスイッチがオンされていれば(YES)、露出を決定するためにDXスイッチ34a,34b,34cの設定状態からフィルム感度情報SvをCPU2が入力する(ステップS2)。
【0045】
そして測光用受光素子36の出力を、測光回路35がA/D変換してCPU2に入力するため、CPU2はこの結果より被写体輝度情報Bvが求められ、入力される(ステップS3)。
【0046】
これら情報Svと情報Bvとより、所定の露出演算を行なって撮影時のレンズのFNoとシャッタスピードTvを決定する(ステップS4)。
【0047】
次に、AF部11の測距系により、被写体距離Lを測定し、CPU2に入力する(ステップS5)。
【0048】
次に、撮影者がポートレートのモード設定スイッチ6が操作されているか判定し(ステップS6)、ポートレートモードでなければ(NO)、レリーズボタンの押しこみによって閉成するスイッチである2ndレリーズスイッチ38の押されるタイミングを待ち、2ndスイッチが押されたか否か判定する(ステップS12)。
【0049】
一方、ステップS6の判定で撮影者がポートレートモード選択スイッチを操作した時は(YES)、前述したズームエンコーダ4によって、撮影レンズの焦点距離fが入力される(ステップS7)。さらに露出演算によって“FNo”、ステップS7によって“f”、測距情報から“L”が求められ、主要被写体から背景までの距離bの決定により、背景のぼけを示す錯乱円径εが演算される(ステップS8)。ここで、一般的には、ポートレートモード写真でぼかしたい背景は、主要被写体である人物から3m程度後ろに存在するため、本実施例では、距離bを3mと設定する。
【0050】
次に求められたεと、背景のぼけ具合が適当な錯乱円径ε0 と比較する(ステップS9)。前記錯乱円径ε0 としては、500μm程度が適当と考えられるので、例えば、f=50mm、L=2m、FNo=5.6であれば、εが335μmになり、錯乱円径ε0 が前記εの値より大きくなり(NO)、“NG”の表示により警告を行う(ステップS10)。
【0051】
また、f=50mm、L=1.5m、FNo5.6では、ε=595μmとなり、前記εの値が錯乱円径ε0 より大きくなり(YES)、“OK”表示を行う(ステップS11)。これらの表示は、LED39,40によって行なう。
【0052】
以上説明したように、同じ焦点距離、同じFNoでも距離を変えれば、ポートレートとして適当な、背景のぼけを得ることができる。
【0053】
しかし、一般的なテーキングレンズと別の光学系で被写体をフレーミングするレンズシャッターカメラ等では、ユーザは気づかずに撮影を行なってしまい、思い通りの写真がとれないことが多かった。
【0054】
従って、本実施例のように特別な警告表示を行い、或いはもっと被写体に接近するように指示する表示をもうけることによって、所望する写真に撮影することが容易にできる。
【0055】
さらに前述した被写体に接近するように指示する表示例として、図11に示すように点滅表示してもよい。
【0056】
ファインダ内の画面41a、41bをあらわしており、接近を促す表示39や“OK”の表示40を、撮影者にわかりやすいようにファインダ画面のすぐ下でLED等により行なう。図11(a)は被写体の距離が遠くて、接近が必要な場合、同図(b)は背景が十分ぼけることを示す表示の例を示している。
【0057】
次に被写体距離Lにピントを合せ(ステップS13)、前述した露出演算結果の“FNo”とシャッタースピード“Tv”に従い、露光動作を行なう(ステップS14)。
【0058】
次に、図8のフローチャート及び図6のカメラ構成を参照して、第2実施例のカメラによる撮影動作を具体的に説明する。
【0059】
まず、1stレリーズスイッチがオンされたか否かを判定する(ステップS21)、この判定でオンを検出すると(YES)、第1実施例と同様に露出のためにCPU2はSv情報、Bv情報を入力する(ステップS22,S23)。
【0060】
次にAF部11を用いて画面内の複数のポイントの距離を測定するマルチAF動作を行なう(ステップS24)。これは、IRED22a,22b,22cを順次発光させ、それに同期してPSD23a,23b,23cの出力を切りかえて増幅演算することによって行なう。この実施例では画面内の3つのポイントの距離を測定することができる構成をとっている。つまり図12に示すように、各IREDから投射された3つの測距用光は画面中央に存在する主要被写体である人物9の他、背景の立木10aや山10bなどの距離を測定する。
【0061】
そして、測距された距離の中から最至近距離の被写体を主要被写体として、その距離をピント合せ距離Lとする(ステップS25)。
【0062】
次にポートレートモードが選択されているか否かを判定する(ステップS26)。この判定で、スイッチ6の操作により、ポートレートモードに設定されている時は(YES)、背景までの距離(L+b)を演算するが、各測距ポイントのデータを有効に利用して、主要被写体距離L以外の各点の平均値を背景距離とする(ステップS27)。ただし、図2に示すように、はるか遠方の山ような被写体に対しては、カメラの測距装置では無限遠という結果を出力する。これを加味すると平均は常に無限遠となってしまうため、この実施例においては、無限遠のデータは無視することにした。
【0063】
次に、求められた背景距離(L+b)と主要被写体距離Lの差を求め、第(3)式におけるbとして設定する(ステップS29)。一方、ポートレートモードに設定されていなければ(NO)、露出演算を行い、FNo,Tvを算出し、後述するステップS41に移行する。
【0064】
次に、第(2)式のAを演算する(ステップS30)。ここでAの演算について、図13を参照して説明する。図4(a)又は(b)で説明したように、被写体の画面内における大きさが決定されている時、例えば図13(b)のように画面横幅Wと人物の肩幅Wxが所定の関係rにある時、図13により明らかなように、
【0065】
【数3】
この時、WF はフィムの撮影される範囲の横幅でfはテーキングレンズの焦点距離である。従って
L=Wx /r・WF f …(7)
となる。Wx を略一定、r・WF は決まっているので(3)式のAは
A=Wx /r・WF …(8)
となる。本実施例では、図4に示すように、r=1/2とr=1/3が撮影者が選択できるようにされているため、rは未定であり、Wx は前述したように、ほぼ一定の40cmとし、W F もカメラによって決まっているため、CPU2はAを演算することができる。
【0066】
次に、求められた結果Aにより、第(3)式に従ってFNoを求める(ステップS31)。ここで、εは第1の実施例で述べたように500μmを考えている。
【0067】
一般に小型化を重視して設計されたコンパクトカメラ等に搭載されたズームレンズでは開放FNoがズーミングに応じて変化する。そこで、ステップS31で求められたFNoと同じ開放FNoを持つズーミング位置にズームレンズを移動させる(ステップS32,S33)。
【0068】
このズーミング位置で、撮影者が主要被写体に対し最初に想定した構図になる距離をとれば、背景が美しくぼけて、人物がうかび上がった写真(ポートレート写真)が簡単に撮影できる。ただし、開放FNoで撮影を行なうと、適正露出が行なわれない可能性があるので、すでに求めたBv,Sv及び開放FNoに従ってシャッタースピードTvを求め(ステップS34)、そのTvが実際にとれる位置かどうかを判定する(ステップS35)。
【0069】
この判定で、被写体が明るすぎてカメラのシャッタスピード限界を超えるような時には(YES)、警告を行なう(ステップS37)。そのシャッタスピード限界内であれば、撮影タイミングで押しこまれる2ndレリーズスイッチのオン/オフを判定する(ステップS36)。この判定で、2ndレリーズスイッチが入らなずオフ状態の場合には(NO)、1stレリーズスイッチのオン/オフの確認を行う(ステップS39)。前記1stレリーズスイッチがオン状態、つまりシャッター半押し状態であれば(YES)、前記開放FNoのズーミング位置で停止している。前記1stレリーズスイッチがオフ状態であれば(NO)、すなわち1stスイッチもはなれていると、ステップS21に戻る。
【0070】
しかし、ステップS36の判定で、レリーズボタンが押しこまれると2ndレリーズスイッチがオンし(YES)、再度、マルチAFを行い(ステップS38)、最至近選択を行い(ステップS40)、最至近選択結果に従い、ピント合せを行なう(ステップS41)。ここで、再測距を行なうのは、ステップS33で行なったズーミング状態で、撮影者が構図を選んで被写体までの距離を変えているからである。ただし、被写体と背景の距離は変化していないはずなので、1stレリーズを押しなおさない限り、ズームの再演算は行なわない。
【0071】
次にピント合せを行なった後、露光する(ステップS42)。
【0072】
次に図9のフローチャートを参照して、本発明による第3実施例としてのカメラの動作を示し説明する。ここで第4実施例としてのカメラの動作で、図8のフローチャートと同等の動作については、同じステップ番号を付し、その説明を省略する。
【0073】
この実施例は、背景により大きなぼけを持たせるために、主要被写体のピントを少々前ピンとするものである。但し、このピント位置をシフトしすぎると主被写体そのものがぼけてしまうため、シフト量aは、ステップS51に示す式により求める。そして、被写体距離Lにピントを合せるのではなく、被写体距離Lから前記シフト量aを引いたポイントにピントを合せる(ステップS52)。
【0074】
図9のフローチャートは、図8のステップS40とステップS41の間に前ピンのステップを挿入すればよく、またステップS51のFNo,Lやfの値は撮影時点のものである。
【0075】
この実施例では、εx はぼけが大きくなりすぎないように、20μm程度にとればよい。この実施例によって、背景をぼかす効果はいっそう顕著となる。
【0076】
次に図10には、本発明による第4実施例として、図8のFNoオートズームによる実施例と、図1,図7で説明した背景ピントのプレビュー確認機能を組み合わせたカメラの動作を説明する。この実施例は、図6の構成部材と同等の構成からなり、ポートレートモードが3つのモードからなるものとする。
【0077】
第1のモードとしては、図6に示したポートレートモード設定スイッチ6のみを操作した状態での背景ピントのプレビュー確認機能である。この時、液晶表示12には、パターン32,33のような表示はない。
【0078】
第2,第3のモードとしては、スイッチ13を操作しての図4で説明したような、2つのイメージ入力モードである。これらモードでは表示12のパターン32又33が表示されるものとする。
【0079】
この第4実施例の動作は、図8のフローチャートのステップS29とステップS30の間に図10のフローチャートが挿入されたものである。
【0080】
つまり、図8のステップS29の距離bを求めた後、スイッチ13を操作して撮影する構図のイメージを設定の有無を判定する(ステップS53)。すなわち、撮影する構図イメージが設定していれば(YES)、図8のステップS30に移行する。しかし、構図イメージが設定されていなければ(NO)、図7のステップS7〜S11に到る動作と同様に、撮影レンズの焦点距離fを入力し(ステップS54)、その状態での背景のぼけぐあいを演算判定し(ステップS55,S56)、OK表示(ステップS57)若しくは、警告(ステップS58)を行なえばよい。本実施例は、マルチAFの機能を持つので、ここでの距離bは、図7の固定値と違って、図8のステップS29の式で求められた結果を用いるものとする。
【0081】
以上説明したように本実施例によれば、同じ焦点距離、同じFNoでも距離を変えれば、ポートレートとして適当な、背景のぼけを得ることができる。
【0082】
さらに前述したように、一般的なテーキングレンズと別の光学系で被写体をフレーミングするレンズシャッターカメラ等の直接的に、背景のぼけ具合を確認できない構造のカメラにおいても、本実施例のように特別な警告表示を行い、或いはもっと被写体に接近するように指示する表示を行い、背景のぼけ具合を撮影前に確認でき、失敗のないポートレート写真を撮影できるカメラが簡単な構成で提供できる。
【0083】
また本発明は、前述した実施例に限定されるものではなく、他にも発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形や応用が可能であることは勿論である。
【0084】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、レンズ口径が小さくとも背景をぼけさせて、ポートレートを撮影できるズームレンズ付きの小型なカメラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による第1実施例としてのカメラの概念的な構成を示す図である。
【図2】図2は、撮影の被写体位置とカメラの位置関係を示す図である。
【図3】図3は、本発明による第2実施例としてのカメラの構成例を示す図である。
【図4】図4は、図3に示したイメージ表部の画面に写しだされる人物の大きさのイメージを示す図である。
【図5】図5は、マルチオートフォーカス技術によるファインダ内の測距ポイントを示す図である。
【図6】図6は、本発明による第3実施例としてのカメラの具体的な構成を示す図である。
【図7】図7は、第1実施例のカメラによる撮影動作を示すフローチャートである。
【図8】図8は、第2実施例のカメラによる撮影動作を示すフローチャートである。
【図9】図9は、第3実施例のカメラによる撮影動作を示すフローチャートである。
【図10】図10は、第4実施例のカメラによる撮影動作を示すフローチャートである。
【図11】図11は、撮影者に行う警告表示の一例を示す図である。
【図12】図12は、測距を行うときのカメラと被写体との位置関係を示す図である。
【図13】図13は、ファインダの画面横幅と人物の肩幅の位置関係を示す図である。
【符号の説明】
1…測距ユニット部(AF部)、2…中央処理部(CPU)、3…ズームレンズ、4…ズーム情報部、5…表示部、6…ポートレートモード設定スイッチ、7…AE部、8…カメラ、9…被写体、10…立木、11…マルチオートフォーカス対応ユニット(マルチAF部)、12…イメージ表部、13…セレクトスイッチ。
Claims (4)
- 撮影レンズと、
露出時の上記撮影レンズのFナンバーを決定する決定手段と、
撮影する構図内の複数ポイントの距離を測定する測距手段と、
上記測距手段の測距結果から、最至近距離に関する第1の測距情報、上記最至近距離及び無限遠以外の距離の平均値に関する第2の測距情報を選択する選択手段と、
上記第1の測距情報、上記第2の測距情報、上記Fナンバーの情報、及び上記撮影レンズの焦点距離情報に基づいて、主要被写体以外の像のぼけ程度を演算する演算手段と、
上記演算手段により得られるぼけ程度が許容レベルである場合にはその旨を表示し、許容レベルを超える場合には警告表示を行う表示手段と、
を具備することを特徴とするカメラ。 - 撮影レンズと、
露出時の上記撮影レンズのFナンバーを決定する決定手段と、
撮影する構図内の複数ポイントの距離を測定する測距手段と、
上記測距手段の測距結果から、最至近距離に関する第1の測距情報、上記最至近距離及び無限遠以外の距離の平均値に関する第2の測距情報を選択する選択手段と、
上記第1の測距情報、上記第2の測距情報、上記Fナンバーの情報及び、上記撮影レンズの焦点距離情報とに基づいて、主要被写体以外の像のぼけ程度値を演算する演算手段と、
上記演算手段により得られたぼけ程度値を所定値と比較する比較手段と、
上記比較手段の比較結果に基づき上記ぼけ程度値が上記所定値よりも大きい場合には許容ぼけレベルである旨の表示を行い、上記ぼけ程度値が上記所定値よりも小さい場合には警告表示を行う表示手段と、
を具備することを特徴とするカメラ。 - 撮影する構図内の複数ポイントの距離を測定する測距手段と、
撮影用ズームレンズと、
撮影者が期待する構図のイメージを表示する表示手段と、
上記測距手段の出力結果に基づいて、主要被写体距離と背景距離を演算する演算手段と、
上記撮影者が期待する構図に関する情報、上記主要被写体距離及び上記背景距離に基づいて、背景の被写体の像のぼけ程度が所定レベルとなるように、上記撮影用ズームレンズのズーム位置を演算、決定する演算制御手段と、
上記演算制御手段の演算結果に基づいて、上記撮影用ズームレンズを駆動する駆動手段と、
を具備することを特徴とするカメラ。 - さらに、ポートレートモードを選択する選択手段を具備し、上記表示手段は、上記選択手段の操作に従って構図のイメージを表示することを特徴とする請求項3に記載のカメラ。
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