JP3567033B2 - プロンプター装置用ハーフミラーアタッチメント - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に放送用、業務用のテレビカメラ等に適用されるプロンプター装置に用いられるハーフミラーアタッチメントの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
プロンプター装置は、ニュースキャスター、司会者、出演者等に必要な原稿(ニュース原稿、台詞、注意書き等の各種の原稿)を、これらの被撮影者へ見せるための装置であり、この装置として、例えば図12に示されるものがある。図12において、テレビカメラ1のレンズ部2の前方にハーフミラー3が配置され、このハーフミラー3の下側に、透過型液晶表示板4が設けられており、この液晶表示板4には、ビデオカメラ5で撮影した原稿6の画像が表示されるようになっている。従って、液晶表示板4に表示された画像はハーフミラー3に映し出される。
【0003】
このようなプロンプター装置によれば、ニュースキャスター7等はレンズ部2の手前にあるハーフミラー3上に映し出された原稿を読むことが可能となり、これによってニュース解説等が行われる。同時に、ニュースキャスター7等はハーフミラー3を介してレンズ部2で撮影されており、これによってニュースキャスター7の視線が常にレンズ部2の正面を向いた状態となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のプロンプター装置では、原稿を撮影してハーフミラー3へ映し出すために、ハーフミラー3、液晶表示板4、ビデオカメラ5等を用いており、テレビカメラ1を野外等に移動させて撮影を行う場合には、これらの部材を含めた装置類の持運び(搬出入)が容易にできず、スタジオ以外の場所での撮影では不便となるという問題があった。
【0005】
そこで、本出願人は画像メモリを備えた表示器をレンズ部2の外周近傍(上側又は下側等)に配置できるようにし、このレンズ部2で捉えた原稿の画像情報を上記メモリに記憶させ、必要に応じて原稿を表示器へ画像表示するものを提案している(後述の図8)。これによれば、上記のハーフミラー3、ビデオカメラ5等が不要となり、持運びが容易となり、テレビカメラ1を肩に担いだ状態でプロンプター装置を用いることも可能となる。
【0006】
しかしながら、このプロンプター装置を用いて、ニュース報道等のためにスタジオ撮影をする場合は、図12で示したように、レンズ部2の前方にハーフミラー3を配置する構成を採用した方がよい場合がある。即ち、このハーフミラー3を用いたときは、レンズ部2の光軸に被撮影者の視線を完全に一致させることができるという利点があり、このような構成での撮影が要請されることも多い。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、画像メモリ付きの表示器に、レンズ部の光軸に被撮影者の視線を一致させるためのハーフミラーが取付け可能となり、しかもこの取付け及び取扱いが容易となるプロンプター装置用ハーフミラーアタッチメントを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るプロンプター装置用ハーフミラーアタッチメントは、原稿を画像表示する表示器に、カメラレンズ部の前方において上記表示器の画像を被撮影者側へ反射させるハーフミラーを取り付けるためのアタッチメントであって、上記ハーフミラーを回動可能な状態で保持する支持板と、上記ハーフミラーを回動させて所定位置で固定するための回動操作部材と、上記支持板に折畳み自在となる状態で取り付けられ、上記ハーフミラー及びカメラレンズ部の先端側の周囲を遮光する遮光体と、からなることを特徴とする。
【0009】
作用
上記の構成によれば、原稿表示器は、例えばカメラレンズ部の前方の上側において下向きで配置され、この表示器の下側に、半蝶番部材や磁石体等によって上記支持板がワンタッチで取り付けられる。また、この支持板に取り付けられている遮光体は、合成皮革等からなり、この遮光体が袋状に広げられた状態でその後側にレンズ部の先端がセットされる。そして、上記回動操作部材を操作し、ハーフミラーを45度程度傾けて固定することにより、ハーフミラーがレンズ部の光軸上にセットされる。一方、撮影が終了した後には、支持板を表示器から外すと共に、ハーフミラーを支持板と平行となる位置まで戻せば、遮光体を折り畳むことができ、アタッチメントを小さく収納することが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1〜図4には、実施形態の第1例に係るプロンプター装置用ハーフミラーアタッチメントの構成が示され、図5〜図7にはテレビカメラにハーフミラーアタッチメントを装着した状態が示され、図8にはハーフミラーアタッチメントを用いない使用状態が示されている。まず、図5及び図8によりテレビカメラの全体構成を説明する。図5において、カメラ本体10はレンズ部12を有し、下側には凹部形状の肩当て部13が設けられており、現地中継等ではこの肩当て部13を利用してカメラ本体10を担ぐことができる。しかし、当該例はスタジオ等で用いる場合を想定しており、カメラ本体10は支持台14に固定される。また、カメラ本体10の上部にはグリップ部15が設けられている。
【0011】
上記グリップ部15には、支持アーム16が取付け用ネジ17で固定されており、この支持アーム16は図示のように、回動可能なアーム16A,16Bとスライド可能なアーム16Cから構成され、アーム16B,16Cには案内溝18が設けられ、各アーム16A,16B,16Cの連結部分には固定用ネジ19A,19B,19Cが配置される。そして、上記アーム16Cの先端部にコ字状の保持枠20が取付け用ネジ21で固定されており、この保持枠20に表示器22が保持される。即ち、この保持枠20は、図7にも示されるように、表示器22の両側面の軸23を回転自在に支持しており、この軸23に取り付けられた固定用ネジ24で、表示器22は任意位置で固定される。
【0012】
この表示器22は、図8(A)に示されるように、原稿の画像を表示するために、液晶表示板等からなる表示部26を有し、この表示部26の上側にはリモート操作部からの赤外線を受光する赤外線センサ27が設けられる。また、図5に示されるように、同様の赤外線センサ28が表示器22の上面に設けられており、この赤外線センサ28はハーフミラーアタッチメントの使用時にリモート操作部からの赤外線受光を補助するために配置される。これらの赤外線センサ27,28の出力は、内部のCPU等へ入力され、これによってリモート操作による原稿の頁めくり等が行われる。
【0013】
更に、表示器22の裏側にはハーフミラー使用時に画像をミラー画像へ変換させるための切換えスイッチ30が設けられる。即ち、表示器22内には、画像メモリやCPU等が設けられ、この画像メモリ内に、カメラ本体10で撮影した原稿の映像情報を記憶することによって、この原稿の画像が上記表示部26へ画像表示される。しかし、ハーフミラーを用いる場合は、この原稿の画像をミラー画像に反転させて、表示部26へ表示する必要がある。従って、実施形態例では上記切替えスイッチ30の動作に基づいて、上下が反転するミラー画像を画像メモリから読み出すように制御している。
【0014】
そして、図5〜図7に示されるように、上記表示器22の表示面側にハーフミラーアタッチメント32が取り付けられる。このハーフミラーアタッチメント32は、図1及び図2に示されるように、末広がり形状の金属板に、上記表示器22の表示部26の大きさに対応した開口33を形成した支持板34を有し、この支持板34にハーフミラー35が回動自在に取り付けられる。そして、このハーフミラー35は2個の操作ツマミ36,37によって回動操作される。
【0015】
即ち、このハーフミラー35は2個の操作ツマミ36,37の軸部に軸支されており、周知の各種機構によってハーフミラー35を回動し、かつ所定位置で固定することができる。例えば、一方の操作ツマミ36を固定用ネジ部材とし、他方の操作ツマミ37をハーフミラー35と一体に回動するように構成し、また軸部にはハーフミラー35が支持板34と平行になる収納位置と45度の傾斜位置で停止するストッパ機構を設ける。これによれば、操作ツマミ37によりハーフミラー35を所定位置まで回動させた後、操作ツマミ36によりその回動位置でハーフミラー35を固定することができる。
【0016】
また、ラチェット機構を用いることもでき、例えば上記操作ツマミ36,37の軸部(一方のみでもよい)と支持板34側の軸部との間に、フェースラチェットの噛み合い部を形成してもよい。これによれば、操作ツマミ36,37を外側へ引っ張ることによりラチェットの噛み合いを外し、その操作ツマミ36,37を動かしながら、ハーフミラー35を所定位置まで回動させることができ、この位置で操作ツマミ36,37を内側へ押し込めば、ラチェットを噛み合わせてハーフミラー35を固定することができる。上記において、ハーフミラー35の収納位置と45度の傾斜位置では、バネで付勢されたボールやピンが係止溝に係止するようなストッパ機構を採用することもでき、ハーフミラー35の回動及び固定の機構としては各種の機構が適用できる。
【0017】
また、上記支持板34には、前面のみを開けてハーフミラー35全体を覆う遮光体38が設けられる。この遮光体38は、合成皮革からなり、支持板34の上面にネジ等で取り付けられ、その側面部には図示のような折り目Eが付けられており、この折り目Eによって支持板34側に簡単に折り畳めるようになる。そして、図2に示されるように、遮光体38の後側には、上述したレンズ部12の先端側を挿入するための孔部39が設けられ、この孔部39はゴム等を用いて伸縮自在に形成され、かつその外周はベッチン等で作られる。
【0018】
更に、この第1例では上記支持板34の上面に、このアタッチメント32の取付け部材として、半蝶番41と小さな金属板42が2個ずつ配置される。一方、図8(A)に示されるように、表示器22の上面内側には上記半蝶番41と結合する半蝶番43が2個配置され、側面下側にマグネット44が2個配置される。即ち、図3(A)に示されるように、上記半蝶番41には軸45が設けられ、この軸45を嵌合させる軸受け46が半蝶番43に配置される。これによれば、図3(B)に示されるように、軸45が軸受け46に嵌合することにより両半蝶番41と43が結合し、このときマグネット44には金属板42が接着することになり、これによってハーフミラーアタッチメント32が表示器22に取り付けられる。
【0019】
第1例は以上の構成からなり、以下にその作用を説明する。まず、ハーフミラーアタッチメント32を装着しない場合は、図8に示される状態となり、ここでは、レンズ部12の先端にレンズフード48が配置され、表示器22の前面にもフード49が取り付けられる。この場合は、レンズ部12の撮影レンズ50の真上に表示器22が配置され、その表示部26に表示された原稿を読むことが可能となる。このような装置は、現地における中継、あるいは野外での撮影等に有効に用いられる。
【0020】
一方、ハーフミラーアタッチメント32を装着する場合は、図5〜図7に示されるように、まず上記レンズフード48及びフード49が取り外され、表示器22の表示面(26)が下側を向くように表示器22が90度回転させられる。また、支持アーム16のアーム16Bと16Cを伸ばすことによって、表示器22がレンズ部12よりも前側へ動かされる。そして、上述した支持板34上の2個の半蝶板41を表示器22側の半蝶板43に結合させ、その後、金属板42をマグネット44に接着させることにより、ハーフミラーアタッチメント32が図示される状態で表示器22に取り付けられる。このとき、遮光体38は下側に袋状に広げられ、後側の孔部39内にレンズ部12の先端を挿入することにより、遮光体38がセットされる。また、上記操作ツマミ36,37の操作により、ハーフミラー35を回動させ、45度程度傾けて固定すれば、ハーフミラー35のセットが完了する。
【0021】
図7には、上記表示器22及びハーフミラーアタッチメント32を正面から見た図が示されており、この場合は、レンズ部12の撮影レンズ50に重なるハーフミラー35の上に表示部26の投影像100が表示されることになり、この投影像100に表示された原稿を読むことが可能となる。即ち、表示器22の切換えスイッチ30の切換え動作に基づいて、原稿のミラー画像(上下の反転画像)が画像メモリから読み出され、表示部26上に表示される。そうすると、この表示部26の表示像は、ハーフミラー37で反転表示され、これによって被撮影者には正常な原稿が認識されることになる。このような構成のプロンプター装置は、スタジオ等においてカメラ本体10を支持台14に配置する場合等に有効に用いられる。
【0022】
そして、図4に示されるように、撮影が終了した後は、ハーフミラーアタッチメント32を表示器22から取り外し、ハーフミラー35を支持板34と平行となる収納位置まで動かし、遮光体38を折り畳むことによって、小さく収納することが可能となる。このようなハーフミラーアタッチメント32によれば、収納・保管に便利であると共に、持ち運びも容易となる利点がある。
【0023】
なお、上記ハーフミラーアタッチメント32の取付けでは、上記の半蝶板41,43等の取付け部材以外に、爪状部材を係止ピン等に引っ掻けるような固定具を追加して(又は独立で)用いることも可能であり、ワンタッチ装着が可能なその他の取付け部材を採用することができる。
【0024】
図9〜図11には、第2例の構成が示されており、この第2例はアタッチメントをアーム側に着脱自在としたものである。即ち、上記第1例の半蝶板41及び金属板42の代りに、図9に示されるように、ハーフミラーアタッチメント52では支持板34の開口33の両端に2個の取付け具53を配置しており、その他の構成は、上記第1例の構成と同様とされる。そして、この取付け具53は、先端がフック形状とされ、このフック形状の先端部を表示器22の保持のための軸23に取り付けるようになっている。なお、この取付け具53は支持板34側に折畳める構造としてもよい。
【0025】
図10及び図11には、第2例のハーフミラーアタッチメント52を取り付けた状態が示されている。図11に示されるように、上記の取付け具53の先端フック部を表示器22に配置された軸23に、保持枠20と共に配置し、固定用ネジ24で締め付けることにより、アタッチメント52を装着することができる。
【0026】
なお、上述したハーフミラーアタッチメント(32,52)は、アーム16A,16B,16Cに直接接続したり、またレンズ部12やカメラ本体10等に直接接続することも可能であり、この場合は該当部への取付け部材をアタッチメントに設ければよいことになる。
【0027】
上記実施形態例では、遮光体38を合成皮革で形成したが、この遮光体38としては、折畳み可能なものであれば、例えば布状のもの、アクリル板等の硬質材料を組立てたもの等を用いることができる。また、上記例では表示器22をレンズ部12の上側に配置した例を示したが、この表示器22はレンズ部12の下側や左右側へ配置する構成としてもよく、この場合は遮光体38の骨部を適宜追加することにより、同様に上記ハーフミラーアタッチメント32を表示器22の所定位置に配置することができる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、原稿表示器にハーフミラーを取り付けるためのアタッチメントで、上記ハーフミラーを回動可能な状態で保持する支持板と、上記ハーフミラーを回動させて所定位置で固定するための回動操作部材と、上記支持板に折畳み自在となる状態で取り付けられ、上記ハーフミラー及びカメラレンズ部の先端側の周囲を遮光する遮光体と、から構成するようにしたので、現地撮影等が容易となる画像メモリ付きの表示器に、レンズ部の光軸に被撮影者の視線を一致させるためのハーフミラーが取付け可能となる。しかも、この取付けがワンタッチで行えると共に、折り畳んで小さく収納されるので、収納・保管に便利であると共に、持ち運びも容易となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の第1例に係るプロンプター装置用ハーフミラーアタッチメントの構成を正面側から示した斜視図である。
【図2】第1例のハーフミラーアタッチメントを後側から示した斜視図である。
【図3】第1例のハーフミラーアタッチメントの取付け部材を示す図で、図(A)は結合前の図、図(B)は結合後の図である。
【図4】第1例のハーフミラーアタッチメントを折り畳んで収納した状態を示す図である。
【図5】第1例のハーフミラーアタッチメントをテレビカメラに取り付けた状態を示す側面図である。
【図6】図5のハーフミラーアタッチメント(ハーフミラーは収納位置にある)の上面図である。
【図7】図5のハーフミラーアタッチメント近傍の正面図である。
【図8】実施形態例においてハーフミラーアタッチメントを取り外した状態のレンズ部及び表示器を示す図で、図(A)は正面図、図(B)は側面図である
【図9】実施形態の第2例のハーフミラーアタッチメントの構成を示す斜視図である。
【図10】第2例のハーフミラーアタッチメントをテレビカメラに取り付けた状態を示す側面図である。
【図11】図10のハーフミラーアタッチメント近傍の正面図である。
【図12】従来のプロンプター装置の使用状態を示す図である。
【符号の説明】
1,10 … カメラ本体、
2,12 … レンズ部、
22 … 表示器、
26 … 表示部、
30 … 切換えスイッチ、
32,52 … ハーフミラーアタッチメント、
34 … 支持板、
35 … ハーフミラー、
36,37 … 操作ツマミ、
38 … 遮光体、
41,43 … 半蝶番、
44 … マグネット、
53 … 取付け具。
Claims (1)
- 原稿を画像表示する表示器に、カメラレンズ部の前方において上記表示器の画像を被撮影者側へ反射させるハーフミラーを取り付けるためのアタッチメントであって、上記ハーフミラーを回動可能な状態で保持する支持板と、上記ハーフミラーを回動させて所定位置で固定するための回動操作部材と、上記支持板に折畳み自在となる状態で取り付けられ、上記ハーフミラー及びカメラレンズ部の先端側の周囲を遮光する遮光体と、からなるプロンプター装置用ハーフミラーアタッチメント。
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JP29178195A JP3567033B2 (ja) | 1994-11-08 | 1995-10-13 | プロンプター装置用ハーフミラーアタッチメント |
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JPH08237522A JPH08237522A (ja) | 1996-09-13 |
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