JP3567017B2 - 使用済み核燃料の再処理に使用された分解有機溶媒の再生法 - Google Patents

使用済み核燃料の再処理に使用された分解有機溶媒の再生法 Download PDF

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Description

【産業上の利用分野】
【0001】
本発明は使用済み核燃料の再処理に使用された、一方では金属イオンを、他方では酸性の有機分子を含有する分解した有機溶媒の再生方法に関する。
【0002】
使用済み核燃料の工業的再処理は、現在、液−液抽出を基礎とする化学的方法で行われている。一般的に使用された溶媒は抽出剤たるトリブチルホスフェート(TBP)の不活性有機希釈剤中溶液である。TBPの場合に、使用中の、主として加水分解と放射線分解による溶媒の分解はモノブチル燐酸とジブチル燐酸を生成させる。その有機溶媒は、これらの分解生成物が存在することに起因して、抽出設備に直接再循環させることができない。これらの生成物がウランとプルトニウムの抽出プロセスを妨害するからである。従って、その有機溶媒を再処理設備に再循環させる前にその初期物理化学的特性を回復させるためには、その溶媒を精製することが必要である。
【0003】
この精製を実施する現在用いられている処理は、有機溶媒をこの溶媒と混和する塩基性の水溶液で洗浄し、続いて蒸留することから成る。2種の異なる塩基性溶液が用いられて成功を収めているが、ここで第一の溶液は炭酸ナトリウム溶液であり、第二は水酸化ナトリウム溶液である。これら2つの処理で生成する流出液は溶媒から抽出されなかった不純物と本質的に放射性の汚染物質、及び溶媒の酸性分解生成物を含有しており、次に一緒にまとめられる。これら流出液が放射線毒性を持ち、しかもそれらの原因となる放射性同位元素、例えばウラン、プルトニウム及びルテニウムの単離が非常に困難である結果、現在の制御法はそれらをガラス化するために核分裂生成物と混合することから成るが、これは欠点をなすものである。
【0004】
しかして、ガラス化するためにこのようにして導入されるナトリウム残分の量は、長期間貯蔵される放射性のガラスの容積を相当増加させ、従って再処理のコストには不利となる。更に、廃棄物の容積も大き過ぎると考えられる。最後に、プラントの再処理容量について計画された増加は現存するガラス化設備を不十分なものにしている。
【0005】
また、有機溶媒の再生処理から出る流出液の放射線毒性の原因となる放射性同位元素を除去することを目的として、ナトリウム含有試薬以外の試薬を使用することを試みるために研究が行われた。
【0006】
しかして、フランス特許出願−A−第2 523 156号明細書では、Pu及びUのような放射線を出すある種特定の金属を初めに除去するために、まず溶媒の洗浄をしゅう酸溶液により行うことが試みられている。しかし、この洗浄法は、その有機溶媒の脱汚染を保証するために必要なしゅう酸濃度(0.8M)においては、しゅう酸が相当の割合でその溶媒に抽出されるので、満足できるものではない。従って、この酸を有機溶媒の再生処理の後続段階において、放射性廃棄物の容積を減ずる目的とは相入れない量の塩基を用いて除去することが必要である。加えて、この方法の開発は、今までのところは、まだ行われていない。
【0007】
ロフニィー(Rovnyi)らは、ソビエト・レディオケミストリー(S──iet Radiochemistry)、第34巻、第2号、1992年、第221−226頁において、使用済み核燃料の再処理から出る有機溶媒からプルトニウムを除去するのに、くえん酸及び乳酸等の有機の金属イオン封鎖剤を使用することの可能性について言及している。
【0008】
しかし、しゅう酸の場合のように、このような酸の使用も、それら酸が有機溶媒中に相当の割合で抽出されるために、有機溶媒の再生処理の後続段階に対して問題を引き起こす。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記した諸方法の欠点を取り除くもので、使用済み核燃料の再処理に使用された分解した有機溶媒の再生法に関する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による、使用済み核燃料の再処理に使用された、一方では金属イオンを、他方では酸性の有機分子を含有する分解した有機溶媒の再生法は、
【0011】
−再生しようとする有機溶媒を、その中に存在する金属イオンを第一の水溶液中に抽出するためのその第一水溶液と接触させる第一段階
【0012】
を含み、ここで、上記第一水溶液は、水溶性のα−ヒドロキシカルボン酸及びα−ケトカルボン酸から選ばれる、再生しようとする有機溶媒と第一水溶液との間の分配係数Dが0.1未満である有機の金属イオン封鎖剤を含み、かつ再生しようとする有機溶媒に含まれる酸性の有機分子を抽出しないものである;そして
【0013】
−有機溶媒を、金属イオンを抽出した上記第一水溶液から分離する
【0014】
ことから成る。
【0015】
この方法は、一般に、第一水溶液から分離された溶媒から酸性の有機分子を除去するためにその溶媒を塩基性試薬を含む第二の水溶液と接触させ、続いてその酸性有機分子を抽出するために使用された第二水溶液からその有機溶媒を分離する第二の段階も含む。
【0016】
本発明の方法は、従って、正に別個の機能を有する2つの連続した段階、即ち有機溶媒中に存在する金属イオンを除去する第一の段階と溶媒の分解の結果生成する酸性の有機分子を除去する第二の段階を含む。
【0017】
この処理方法により、異なる特性を有する2つのタイプの流出液、即ち第一の接触により得られる、金属イオンを含有する、即ち放射能を有する第一の流出液と第二段階から来る、実際上放射能を含まない第二の流出液を採集することが可能になる。
【0018】
かくして、この方法は分解した有機溶媒中に含まれる妨害種を別個に採集するのを可能にする。しかして、抽出サイクルの使用後において、これら妨害種は次の3つのタイプのものとなる:
【0019】
−放射線放射物;本質的には、錯体の形をした金属化学種、
【0020】
−抽出剤の分解生成物;その最も妨害性のものは酸、例えば燐酸、モノブチル燐酸及びジブチル燐酸である、及び
【0021】
−稀釈液の分解生成物;その大部分は化学的に中性である。
【0022】
本発明の方法によれば、前記したタイプの有機の金属イオン封鎖剤と錯体の形を取った、完全に分解し得る化学的試薬である放射線放射物を含有する、第一の水性流出液が得られ、これにより危険な放射線放射物の再処理サイクルへの再循環を行うことが可能となる。
【0023】
しかして、第一水性溶液中で使用された有機の金属イオン封鎖剤は、例えば硝酸を使用する酸化により容易に分解することができ、気体及び水蒸気に変換される。従って、第一接触の後に生成した流出液は、適切な酸化処理の後、再処理設備に再循環させることができ、これによって貯蔵すべき更なる廃棄物の生成が避けられる。
【0024】
酸性の有機分子により構成される、抽出剤の分解生成物は第二の接触段階の後に生成した第二の水性流出液中に回収される。かくして、この流出液は活性が小さいので、それをガラス化により処理することは最早必要でない。
【0025】
大部分が化学的に中性である希釈剤の分解生成物は、次に、通常そうであるが、常法、例えば蒸留で除去することができる。
【0026】
本発明による方法の第一接触段階で使用される金属イオン封鎖剤の選択は有機溶媒中に存在する金属イオンを、その有機溶媒からその分解の結果生成する酸性の有機分子を抽出することなく、かつその有機溶媒を金属イオン封鎖剤により汚染することなく、確実に除去するように行われる。
【0027】
この金属イオン封鎖剤は、従って、次の基準を満足しなければならない:
【0028】
−それは、第一水溶液に可溶で、かつ再生しようとする有機溶媒に不溶でなければならない;
【0029】
−それは、容易に除去することができる副生成物に分解することができなければならない;
【0030】
−それは、有機溶媒から除去しようとする本質的に金属の放射性化学種を強固に封鎖しなければならない;及び
【0031】
−それは、酸性の分解生成物を有機溶媒から抽出しないようなことは起こさないように、酸でなければならない。
【0032】
放射性の金属化学種を強固に封鎖するためには、金属イオン封鎖剤はカルボン酸官能基のα−位に水和されたケトン官能基又はアルコール官能基を有し、例えばウラニルイオンUO22+ と次のタイプ:
【化1】
Figure 0003567017
【0033】
(式中、Rは水素原子又は炭化水素基を表す。)
【0034】
の錯体を形成することができることが必要である。
【0035】
この金属イオン封鎖剤は、明らかに、幾つかのカルボン酸官能基、例えばn個のCOOH官能基を有することができるが、これらカルボン酸官能基は、その金属イオン封鎖剤が、ケトン官能基又はアルコール官能基の各々がある1個のカルボン酸官能基に対してα−位にあるn個の水和されたケトン官能基及び/又はアルコール官能基を有するならば、それだけで金属イオンを封鎖するのに有効である。
【0036】
この錯化剤は炭化水素鎖を有するもので、有機溶媒の希釈剤が分枝した炭化水素であるときは直鎖である方が好ましい。しかし、この炭化水素鎖は、有機溶媒の希釈剤が直鎖の炭化水素であるときは、分枝している方が好ましい。炭化水素鎖は、好ましくは、飽和の炭化水素鎖であって、好ましい方法では短鎖の、例えば2〜6個の炭素原子を含有する金属イオン封鎖剤である。
【0037】
他の基準、即ち分解した有機溶媒に不溶性であると言う基準を満足し、その溶媒の酸性分解生成物を保持することなく金属イオンを封鎖する金属イオン封鎖剤を選択するには、例えば有機溶媒中の化学種の濃度と水性相中の同じ化学種の濃度との比に相当する分配係数Dを求めることによって、使用し得る種々の金属イオン封鎖剤の性質を調べることが可能である。有機溶媒中に金属イオン封鎖剤の不溶性状態を実現するためには、有機溶媒と第一水溶液との間の金属イオン封鎖剤の分配係数Dができるだけ小さいこと、特に0.1未満であることが必要である。
【0038】
金属イオンを封鎖する性質を調べるには、放射性化学種の有機溶媒と被試験金属イオン封鎖剤を含有する第一水溶液との間の分配係数を求めることが可能である。この分配係数は、良好な抽出を保証するために、できるだけ小さくなければならない。
【0039】
溶媒の分解の結果生成する酸性の有機分子に対する金属イオン封鎖剤の性質を調べるには、溶媒の酸性分解生成物、即ちこの方法により生成した酸類の分配係数を同じようにして求めることが可能である。これらの分配係数はできるだけ大きくなければならない。
【0040】
これらの要件を満足する金属イオン封鎖剤の例として、メソしゅう酸、即ち水和したケトマロン酸としても知られる2,2−ジヒドロキシプロパン二酸、2,3−ジヒドロキシブタン二酸、即ち酒石酸、並びにα−ヒドロキシエタン酸、即ちグリコール酸を挙げることができる。
【0041】
水和したケトマロン酸の場合、もし十分なUO 2+ が存在するならば、酸官能基とアルコール官能基の2つの官能基が次のように:
【化2】
Figure 0003567017
【0042】
UO 2+ イオンとの錯体形成反応に関与することができる。
【0043】
第一水溶液の金属イオン封鎖剤濃度は使用される金属イオン封鎖剤と達成しようとする脱汚染係数の関数として選ばれる。一般的に言えば、この濃度は低い方が、例えば0.01〜0.2モル/Lの範囲にあるのが好ましい。
【0044】
本発明による方法の第二接触段階では、再生しようとする有機溶媒に抽出されない高度に塩基性の試薬が使用される。
【0045】
この塩基性試薬は放射性汚染物質の除去後に使用されると言う事実に徴して、塩基性試薬として、ソーダのような、現在使用されているナトリウム含有試薬を使用することが可能である。しかして、得られるナトリウム含有流出液は、それが不活性であると言う特質によって制御し易くなり、そのためそのガラス化を回避することができる。
【0046】
しかし、塩基性流出液の容量を少なくするためには、好ましい塩基性試薬は分解性の有機塩基である。使用し得る有機強塩基は、再生しようとする有機溶媒中に抽出されない水酸化物と4級アンモニウム塩、例えば式RNOH(式中、Rは炭化水素基、例えばアルキル基である)を有する水酸化テトラアルキルアンモニウムである。4級アンモニウム塩は、例えば炭酸塩又はしゅう酸塩であることができる。使用可能な有機塩基の例として、水酸化テトラメチルアンモニウムを挙げることができる。
【0047】
第二溶液の塩基性試薬濃度も、使用される試薬及び除去しようとする酸の有機化学種のレベルの関数として選ばれる。一般的に言えば、この濃度は0.1〜1モル/Lである。
【0048】
本発明による方法の1つの好ましい態様によれば、第一水溶液から分離された有機溶媒を第二水溶液との接触前に水洗する補足的な段階が存在する。
【0049】
この水洗により、多分第一接触段階中に抽出される痕跡量の金属イオン封鎖剤を溶媒から除去することが可能となる。この洗浄水は第一接触段階の遂行のために再循環させることができ、それは第一水溶液に加えられる。
【0050】
本発明の方法は連続的に、又は不連続的に実施することができる。この方法の段階の各々を実施するために、混合−沈降装置、交換カラム、律動カラム等の常用の装置を使用することが可能であり、また外囲温度またはそれより高い温度、例えば20〜70℃の温度で実施することが可能である。
【0051】
2つの接触段階に関し、また洗浄に関し、有機溶媒と水溶液の接触量又は流量が抽出しようとする化学種の分配係数、金属イオン封鎖剤の有機溶媒中溶解度及び達成しようとする脱汚染係数の関数として選ばれる。
【0052】
一般に、再生しようとする有機溶媒及び接触せしめられる水溶液又は水の量は、有機溶媒の水溶液に対する容量比が5〜100となるそのような量である。
【0053】
本発明による方法で再生することができる有機溶媒は、酸性又は中性の有機抽出剤の不活性な希釈剤中の溶液によって構成することができる。抽出剤は、例えばエーテル類、有機燐化合物又は有機窒素化合物であることができる。希釈剤は炭化水素、中性又は酸性の有機化合物であることができる。本発明の方法は、更に詳しくは、テトラプロピレン水素(商品名:TPH)のような不活性な有機希釈剤中のトリブチルホスフェートによって構成される有機溶媒の処理に適用可能である。
【0054】
本発明の他の特徴及び利点は、限定として与えられるものではないが、次の説明を読み、また本発明による方法の実施方法を流れ図として例示、説明している添付図面を参照することにより知ることができる。
【0055】
図1は本発明による方法の3段階A、B及びCを流れ図として例示、説明するもので、第一段階Aは溶媒と第一水溶液との第一接触段階を表し、段階Bは中間の洗浄段階であり、そして段階Cは溶媒と第二水溶液との第二接触段階に相当する。
【0056】
図1において、連続の線は再生しようとする有機溶媒の循環流れ図を説明するものであり、これに対して鎖線は水溶液と洗浄水の循環流れ図に関する。
【0057】
かくして、第一段階Aにおいては、パイプ1により導入される有機溶媒とパイプ3により導入される第一水溶液との向流接触が行われる。第一接触段階を出ると、金属イオンを含まない有機溶媒の回収がパイプ5において、また抽出された金属イオンを含有する第一水溶液の回収がパイプ7において行われる。
【0058】
洗浄段階Bにおいては、有機溶媒は、所望によってパイプ9により導入された洗浄水によって抽出された金属イオン封鎖剤を含まず、従ってこの洗浄段階を出ると、有機溶媒の回収がパイプ11において、金属イオン封鎖剤含有洗浄水の回収がパイプ13において行われる。この洗浄水は段階Aに再循環させることができるもので、それはパイプ3の第一水溶液に加えられる。
【0059】
この洗浄段階の実施に続いて、有機溶媒は、パイプ15により導入された第二水溶液との向流接触のために、パイプ11で段階Cに導入される。かくして、この段階が行われた後、再生された有機溶媒はパイプ17で回収され、分解生成物がその溶媒から抽出された第二水溶液がパイプ19で回収される。
【0060】
パイプ7により段階Aから出る第一水溶液は次に金属イオン封鎖剤を分解し、かくして金属不純物を含有する水溶液を得るためにDにおいて酸化処理することができる。この酸化処理された第一水溶液は使用済み核燃料の再処理設備に再循環することができる。
【0061】
酸化処理は、金属イオン封鎖剤を水と二酸化炭素ガスへの分解を引き起こす、硝酸を使用しての化学的酸化反応より成ることができる。
【0062】
パイプ17を通って出て行く有機溶媒は次に分解生成物を希釈剤から除去するために蒸留処理を受けることができ、その後に再処理設備に再循環される。
【0063】
この方法を行うためには、まずどの金属イオン封鎖剤が第一接触段階Aで使用することができるかを調べることが適切である。
【0064】
この目的のために、再生しようとする有機溶媒と、0.1モル/Lの金属イオン封鎖剤を含有する水溶液との間の金属イオン封鎖剤の分配係数の測定を行う。再生しようとする有機溶媒はTPH中30容量%のトリブチルホスフェートにより構成され、そしてこれらの分配係数は1容量の溶媒を1容量の水溶液と撹拌下、23℃において5分間接触させることによって求められる。沈降させた後、溶媒の金属イオン封鎖剤含量と水溶液の金属イオン封鎖剤の含量についてそれらの測定を行う。このとき、分配係数は次式:
【数1】
Figure 0003567017
【0065】
で与えられる。ただし、Corg は溶媒中の濃度を表し、そしてCaqは水溶液中の濃度を表す。
【0066】
これらの条件下で色々な金属イオン封鎖剤により得られた分配係数を表1に示す。表1は、また、0.1モル/Lの硝酸も含有する水溶液により得られた結果も示す。
【0067】
この表に基づいて調べると、しゅう酸、クエン酸及び乳酸は再生しようとする有機溶媒に過度に抽出されるために適当ではないことが直ちに明らかになる。しかし、メソしゅう酸、酒石酸及びグリコール酸は本発明による方法において使用することができる。
【0068】
次に、ウラン(VI)、プルトニウム(IV)、並びに106 Ru、137 Cs及び154 Euの抽出に関するそれら有機溶媒の性質の測定を行い、前記と同じように操作して再生しようとする有機溶媒と、被試験金属イオン封鎖剤を0.1モル/Lの濃度で含有する水溶液との間のそれら放射性化学種の23℃における分配係数を求める。
【0069】
メソしゅう酸又は酒石酸を金属イオン封鎖剤として使用したときに得られた結果を表1に示す。
【0070】
この結果、放射性化学種の分配係数は非常に小さく、本発明による方法を実施するのに適していることは明白である。
【0071】
次に、有機溶媒の分解によるか、又は本発明の方法によって生成した酸に由来するかのどちらかである、分解有機溶媒中に存在する酸性の化学種に対する金属イオン封鎖剤の抽出力の測定を行う。かくして、再生しようとする有機溶媒と、0.1モル/Lのメソしゅう酸を含有する水溶液との間のヒドラゾ酸・HNとジブチル燐酸の23℃における分配係数の測定を前記の操作を用いて行う。結果を表1に示す。
【0072】
これら化学種の分配係数は非常に大きいことが分かる。従って、それらはメソしゅう酸を含有する第一水溶液中には再抽出されない。
【0073】
第二水溶液に関し、使用される塩基性試薬は、分解した溶媒中に存在する酸性化学種に対するその試薬の抽出容量の関数として選ばれる。これは0.1モル/Lの塩基性試薬を含む1容量の水溶液と1容量の有機溶媒との間のそれら化学種の23℃における分配係数を測定することによって、前記のように評価することができる。
【0074】
水酸化テトラメチルアンモニウムによれば、次の結果が得られる:
【0075】
−D(ジブチル燐酸) :<1.5・10−2
−D(酪酸) :<1.5・10−2
−D(ヒドラゾ酸・HN):≦2.5・10−2
−D(ニトロブタン) :<0.1
【0076】
また、RNOタイプの硝酸塩化合物のような特性が中性である分子は第二水溶液によって抽出されないことが分かる。
【0077】
熟成され、放射性汚染物質がドープされた、再処理プラントからのテトラプロピレン水素(TPH)中30容量%のトリブチルホスフェートの、第一水溶液としてメソしゅう酸の0.1モル/L水溶液を、洗浄溶液として純水を、そして第二水溶液として水酸化テトラメチルアンモニウムの0.1モル/L溶液を用いて行う処理に対して、本発明の方法を実施したときに得られた結果を以後説明する。接触は段階Aでは3層を、洗浄段階Bでは2層を、そして第二接触段階Cでは3層をそれぞれ有する混合−沈降装置で行う。
【0078】
これら混合−沈降装置を50℃の温度に保ち、そして有機溶媒を溶媒/水溶液の流量比として10の値を用いて上記水溶液又は洗浄水と向流で接触させる。
【0079】
再生しようとする有機溶媒の組成は次の通りである:
【0080】
−トリブチルホスフェート:TPH中30容量%、
−ジブチル燐酸 :603mg/L、
−酪酸 :0.0035モル/L、
−HNO :5・10−44 モル/L、
−ウラン :9.2mg/L、
−プルトニウム :0.75mg/L。
【0081】
かくして、第一段階後のプルトニウムの脱汚染係数は150以上であり、またウランの脱汚染係数は2500である。
【0082】
段階Cでは、ジブチル燐酸の脱汚染係数は17であり、また酪酸の脱汚染係数は20以上である。また、使用された金属イオン封鎖剤は、洗浄段階Bが行われた後の有機相には存在しないことが分かる。
【0083】
表2は有機溶媒から得られる、段階Aを出た第一水溶液、段階Bを出た洗浄溶液、段階Cを出た第二水溶液及び段階Cを出た有機溶媒の中にそれぞれ採集することができる出発生成物の百分率を示すものである。表2の結果は本発明による方法の有効さを例証している。
【0084】
【表1】
Figure 0003567017
【0085】
【表2】
Figure 0003567017

【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、使用済み核燃料の再処理で使用された、分解した有機溶媒から金属イオンと分解生成物を除去し、溶媒を再生する、3段階より成る本発明の方法の流れ図である。
【符号の説明】
A 溶媒と第一水溶液との第一接触段階
B 溶媒の洗浄段階
C 溶媒と第二水溶液との第二接触段階
D 酸化処理段階
1、3、5、7、9、11、13、15、17、19 パイプ

Claims (10)

  1. 使用済み核燃料の再処理に使用された、一方では金属イオンを、他方では酸性の有機分子を含有する分解した有機溶媒の再生方法にして、
    −再生しようとする有機溶媒を、その中に存在する金属イオンを第一の水溶液中に抽出するための該第一水溶液と接触させる第一段階
    を含み、ここで、該第一水溶液は、水溶性のα−ヒドロキシカルボン酸及びα−ケトカルボン酸から選ばれる、再生しようとする該有機溶媒と該第一水溶液との間の分配係数Dが0.1未満である有機の金属イオン封鎖剤を含み、かつ再生しようとする該有機溶媒に含まれる酸性の有機分子を抽出しないものである;そして
    −該有機溶媒を、金属イオンを抽出した該第一水溶液から分離し;そして
    −第一水溶液から分離された有機溶媒から酸性の有機分子を除去するために、該有機溶媒を、塩基性試薬を含む第二の水溶液と接触させ、続いて該有機溶媒を該酸性有機分子が抽出された該第二水溶液から分離する第二の段階:
    も含む、前記再生方法。
  2. 有機金属イオン封鎖剤がn個の酸官能基とn個のアルコール及び/又はケトン官能基を有し、ここで該アルコール又はケトン官能基の各々はある酸官能基に対してα−位に存在している、請求項1に記載の方法。
  3. 有機金属イオン封鎖剤がメソしゅう酸である、請求項1に記載の方法。
  4. 有機金属イオン封鎖剤が酒石酸又はグリコール酸である、請求項1に記載の方法。
  5. 第一水溶液の有機金属イオン封鎖剤の濃度が0.01〜0.2モル/Lである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 塩基性試薬が4級水酸化アンモニウム及び4級アンモニウム塩から選ばれる、有機溶媒中に抽出することができない有機塩基である、請求項に記載の方法。
  7. 有機塩基が水酸化テトラメチルアンモニウムである、請求項に記載の方法。
  8. 第一水溶液から分離された有機溶媒に対する水洗段階も含み、この段階の後で該有機溶媒と第二水溶液との第二接触段階を実施する、請求項1〜項のいずれか1項に記載の方法。
  9. 接触せしめられる有機溶媒と水溶液又は洗浄水の量が、該有機溶媒の該水溶液又は洗浄水に対する容量比が5〜100となるそのような量である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 有機溶媒がトリブチルホスフェートを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
JP13691295A 1994-06-03 1995-06-02 使用済み核燃料の再処理に使用された分解有機溶媒の再生法 Expired - Fee Related JP3567017B2 (ja)

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FR9406813 1994-06-03

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