JP3566815B2 - 官能基を含有するパーフルオロアルキレンオキシドコポリマーの組成物および製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、室温で硬化可能なシーラントおよび塗料配合物の成分として有用である多官能価パーフルオロポリマーに関する。特に、本発明は、ヘキサフルオロプロレンオキシド(HFPO)とパーフルオロアルキレンオキシドの官能化されたコポリマーに関する。
【0002】
【従来の技術】
末端のCOF、COOCH3 、CONH2 、およびCN基を含有する3,000から6,000の分子量を有する二官能価HFPOポリマーは、例えば、米国特許第3,660,315 号に開示されている組成物として知られている。このようなポリマーはHFPOの重合により生成することができ、続いて初めに形成された重合アルコキシド末端基は酸フッ化物、エステル、アミド、またはニトリル部分に転化される。すなわち、最初の工程において、式
【0003】
【化3】
【0004】
の二官能価のセシウムジアルコキシド開始剤の存在下で、テトラグリムのようなエチレングリコールエーテルを含有する溶媒において、好ましくは−30℃から−60℃の温度で、HFPOは重合される。初めに形成されたポリマーは、約105℃〜155℃においてそのポリマーを加熱することにより酸フッ化物に転化される−CF2 O− Cs+ 末端基を含有する。ついで酸フッ化物基は適当な試薬を使用して種々の誘導体に転化することができる。具体的には、ニトリル末端のポリ−HFPOは、メタノールでポリ−HFPO酸フッ化物を処理することにより調製することができ、つづいてそのように形成されたエステルはアンモニアでアミド化され、そしてP2 O5 でアミド基が脱水されて、脱水されたアミド基はニトリルに転化する。ついでニトリル末端のポリ−HFPOは、末端のシアノ基の反応により硬化することができ、結果としてトリアジン環が形成される。しかしながら、不十分な数の官能基の存在ゆえに、エラストマー状の物質は得られない。
【0005】
HFPOと、一般式
【0006】
【化4】
【0007】
であり、X=F、Cl;
n=0〜10;および
Mn =3800〜4100である
パーフルオロビニル基を含有する過ハロゲン化エポキシオレフィンのコポリマーが米国特許第3,366,610 号に開示されている。一例では、共重合は、1:1のモル比でテトラグリムで活性化されたCsFの存在下で、ガラスアンプルにおいて行われている。反応は−27℃から−45℃の範囲で60時間より長い時間にわたって行われる。ついで得られた液体ポリマーは、0.05〜4.5mmHgの残留圧および255℃の温度で減圧下で蒸留される。ポリマーの収率は65%以下である。紫外線に曝されると、その液体ポリマーは室温で最小の強度を有する非常に粘性の物質に変換される。このようなポリマーはシーラントまたは塗料として有用ではない。
【0008】
一般式
【0009】
【化5】
【0010】
であり、Mn は9,000〜45,000;
であるHFPOとパーフルオログリシジルエーテルとのポリマーも知られている。米国特許第4,384,128 号において開示されているように、これらのコポリマーは、−32℃から−35℃の温度で、42から76時間にわたって、溶媒としてのヘキサフルオロプロピレン、およびフッ化セシウムとHFPOテトラマーとテトラグリムとの反応生成物から成る開始剤の存在下で、HFPOと式
【0011】
【化6】
【0012】
であるパーフルオログリシジルエーテルとの共重合により得ることもできる。重合が完了すると、反応混合物は100℃にて減圧下で脱気され、そして生成物は回収される。ついで酸フッ化物およびスルホニルフロライド基を有する生成物は、公知の方法により、−COOCH3 、−COOH、−CONH2 、−COCl、−SO2 OK、および−SO2 OH基を含有する官能化されたポリマーに転化することもできる。この合成方法は本発明に最も近い類似物である。しかしながら、室温で硬化するパーフルオロアルキレンオキシドコポリマーを調製することはできない。得られたポリマーの加硫は、官能基の存在に応じて種々の方法により(180℃またはより高い)高められた温度で行われる。特に、金型において180℃で2時間にわたって加熱することにより、酸化マグネシウムの存在下で、ヘキサメチレンジアミンカルバメートとの反応により、スルホニルフロライド基を含有するオリゴマーは硬化されてゴム状物質を形成する。パーフルオロフェノキシ基を含有するオリゴマーは、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6エーテルの存在下で、3日間にわたり窒素流において、ビスフェノールAの二カリウム塩で硬化され、続いて300℃で1日の間、後硬化を行い、−58℃のガラス転移温度(Tg )を有するゴム状物質が形成される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、無溶剤のシーラントおよび保護塗料において使用することができる物性を有するエラストマー組成物を生成する室温で硬化可能なパーフルオロアルキレンオキシドコポリマーを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、ヘキサフルオロプロピレンオキシドと官能基を含有する他のパーフルオロアルキレンオキシドとの共重合された単位を有する一般式
【0015】
【化7】
【0016】
のコポリマーであり、X=COF、COOR、CONH2 、CONR1 R2 ,CN,COOH、またはCH2 OHR、R1 、およびR2 =C1 〜C8 アルキルまたはC1 〜C8 フルオロアルキル;
Rf =C 1 パーフルオロアルキル;
m:n=2:1から50:1;およびMn =7,000から14,000であることを特徴とする。
【0017】
請求項2の発明は、パーフルオロアルキレンオキシドコポリマーの製造方法であって、
A)不活性溶媒中のa)ヘキサフルオロプロピレンオキシドオリゴマーのセシウムアルコキシドとb)ポリ(エチレングリコール)ジメチルエーテルとの錯体である開始剤組成物の溶液を供給し;
B)重合反応ゾーンにおいてヘキサフルオロプロピレンオキシドと1,2−エポキシペンタフルオロプロパン−3−フルオロスルフェートを2:1から50:1の割合で前記開始剤組成物とともに混合し、セシウムアルコキシド部分を有するパーフルオロアルキレンオキシドコポリマーを形成し;および
C)前記セシウムアルコキシド部分を有するパーフルオロアルキレンオキシドコポリマーを加熱して、酸フッ化物末端基を発生させ、それによって式
【0018】
【化8】
【0019】
であり、m:n=2:1から50:1;およびRf =C 1 パーフルオロアルキルを有するパーフルオロアルキレンオキシドコポリマーを形成する工程を備えたことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明のコポリマーは、ヘキサフルオロプロピレンオキシド(HFPO)およびフッ素化されたエポキシ化合物から誘導された共重合単位を含有する組成物である。そのコポリマーは、一般式
【0021】
【化9】
【0022】
であり、7,000から14,000の数平均分子量Mn を有し、m:nが2:1から50:1である組成物である。これらは、第1工程として、ヘキサフルオロプロピレンオキシド(HFPO)および1,2−エポキシペンタフルオロプロパン−3−フルオロスルフェートの共重合を含むプロセスを経て合成することができ、これは式
【0023】
【化10】
【0024】
の化合物である。1,2−エポキシペンタフルオロプロパン−3−フルオロスルフェートは、日本国特開平1−163173号において記載されているようにパーフルオロアルキルフルオロスルフェートの酸化により調製されることもできる。
【0025】
HFPOの1,2−エポキシペンタフルオロプロパン−3−フルオロスルフェートに対するモル比は、2:1から50:1であり、好ましくは4.5:1から11:1である。さらに、HFPOのモル数に基づいて少なくとも0.01モルパーセントの開始剤の存在下で反応を行う。好ましくは、HFPOのモル数に基づいて1.3〜1.7モルパーセントの開始剤が使用される。
【0026】
開始剤はHFPOオリゴマーのセシウムパーフルオロアルコキシドおよびポリ(エチレングリコール)ジメチルエーテルの錯体である。一般式
【0027】
【化11】
CF3 CF2 CF2 [OCF(CF3 )CF2 ]x OCs
であり、xが1から5であるヘキサフルオロプロピレンオリゴマーのセシウムアルコキシドは、開始剤の形成における使用に適当であり、そしてxが1であるアルコキシドが好ましい。開始剤は、これらのセシウムアルコキシドと少なくとも1種のポリ(エチレングリコール)ジメチルエーテルとの安定な錯体である。適当なポリ(エチレングリコール)ジメチルエーテルは、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグリム)、およびテトラエチレングリコールジメチルエーテル(テトラグリム)を含む。これらの中、テトラグリムが好ましい。通常、エーテルは無水であるほうがよい。セシウムパーフルオロアルコキシドとエーテルとのモル比は、セシウムHFPOオリゴマーテトラグリム錯体において1:1.2である。
【0028】
好ましくは、反応は、反応物に不活性な溶媒、例えば、パーフルオロトルエンまたはパーフルオロキシレンのような過フッ化芳香族化合物の存在下で行われる。通常、約1から99重量部の溶媒が開始剤の1部当たり利用される。好ましくは、使用される溶媒の量は開始剤の1部当たり1〜10重量部である。最も好ましくは、使用される溶媒の量は開始剤の1部当たり1.5から3.0重量部である。
【0029】
過フッ化芳香族化合物が溶媒として利用される場合には、アセトンが使用されるならば、共重合は促進される。通常、アセトンは開始剤の15〜25重量パーセントの量で存在する。
【0030】
重合反応はセシウムアルコキシド部分を有するポリマーを生成する。加熱されると、これらの組成物はフッ化スルフリルを遊離し、本発明のコポリマーを形成する。例えば、供給される全量の20パーセントより少ない量の1,2−エポキシペンタフルオロプロパン−3−フルオロスルフェートは、ポリ(エチレングリコール)ジメチルエーテル中の開始剤の溶液を含んでいる撹拌された反応容器に添加される。ついで、HFPOおよび1,2−エポキシペンタフルオロプロパン−3−フルオロスルフェートは、すべての1,2−エポキシペンタフルオロプロパン−3−フルオロスルフェートが添加されているときに、約7〜10パーセントのHFPOは添加されないで残っているような割合で同時に添加される。反応混合物は、通常約1時間にわたって撹拌され、ついで残っているHFPOが添加され、そして混合物は追加の時間、通常約2時間にわたって撹拌される。反応物質は少なくとも室温まで加熱され、フッ化スルフリルを遊離し、そしてコポリマー溶液は消費された開始剤からデカントされる。この時点で、溶液の赤外スペクトルは酸フッ化物基がポリマー中に存在することを示す。
【0031】
共重合酸フッ化物の単離はポリマー溶液の揮発分除去により、通常、0.5〜1mmHgの圧力および約300℃の温度での減圧下で行うことができる。この方法により、一般式
【0032】
【化12】
【0033】
であり、7,000から14,000の数平均分子量Mn を有するコポリマーを生成する。収率は通常少なくとも90%である。共重合酸フッ化物は、約−45℃から−70℃までのガラス転移温度Tg を有することにより特徴づけられる。
コポリマーは連続式またはバッチ式重合により調製することができる。
【0034】
本発明のHFPOコポリマーは、ペンダント酸フッ化物基、すなわち−COF基の適当な試薬との反応により他の有用な誘導体に変換することができる。例えば、カルボン酸基を含有するコポリマーは−COF−含有コポリマーと水との反応により調製することができ;エステル基を含有するコポリマーはCOF−含有コポリマーとアルコールとの反応により調製することができ;アミド基を含有するコポリマーはCOF−含有コポリマーまたはそれらのエステル誘導体とアンモニアまたはアミンとの反応により調製することができ;およびニトリル基を含有するコポリマーはアミド含有コポリマー誘導体の脱水により調製することができる。
【0035】
本発明のコポリマーは、室温で硬化性であるシーラントおよび塗料配合物の成分として有用である。
【0036】
【実施例】
本発明の特定の実施の形態の以下の実施例において、特に明記されていなければ部およびパーセントは重量に基づき、および全ての温度は摂氏度である。
【0037】
(実施例1)
26.6gのHFPOのダイマーに(250℃にて8時間にわたって真空内で乾燥された)10gのCsFをアルゴンの下で強力に撹拌しながら添加することにより、式
【0038】
【化13】
【0039】
のHFPOダイマーのセシウムアルコキシドとテトラグリムとの錯体から成る開始剤を調製した。1〜2時間以内に、17.5gの純粋の(すなわち、水およびアルコールの無い)テトラグリムを添加し、そしてその反応混合物を30〜40℃においてさらに4〜5時間にわたって撹拌した。ついで超過のダイマーを真空内で除去した。
【0040】
開始剤のサンプル10gを遮蔽モーター付きミキサーを備えた反応器に装填した。開始剤を15gのパーフルオロトルエンに溶解し、そして反応器の内容物を−30℃から−33℃まで冷却した。1,2−エポキシペンタフルオロプロパン−3−フルオロスルフェートのサンプル1.6g(0.0065モル)を0.5時間にわたって撹拌しながら添加した。これらの条件下で2時間にわたって反応物質を撹拌した後、135g(0.81モル)のHFPOおよび18.3g(0.074モル)の1,2−エポキシペンタフルオロプロパン−3−フルオロスルフェートを−32℃から−35℃の温度において8時間にわたって同時に添加した。その反応混合物を−30℃から−33℃においてさらに2時間にわたって撹拌し、そして15g(0.09モル)のHFPOを−32℃から−35℃の温度で2時間にわたって添加した。HFPOの添加の完了後、得られた混合物をこの温度でさらに3時間撹拌した。反応混合物を徐々に室温に持って行き、そして生成されたフッ化スルフリルを除去した。反応物質を安定させ、そしてポリマー溶液(すなわち、下の方の有機フッ素層)を沈殿した廃活性開始剤からデカントした。上の有機層を生成物から分離し、そして生成物を300℃の温度で0.5〜1mmHgにおいて減圧下で揮発分を除去し、収率90%で12gの低分子量フラクションおよび生成物を含有している148gの残留物を得た。揮発分除去に先立つ溶液の赤外スペクトルは1870cm−1で酸フッ化物基の存在を示した。生成物の数平均分子量は約7000であり、およびTg は−65℃であった。元素分析は、計算値:C:21.93、F:67.51; 実測値:C:22.3、F:68.1であった。生成物の赤外スペクトルは1870cm−1で吸収を示した。19F NMRデータはそのポリマーが
【0041】
【化14】
【0042】
から成る構造単位を含有していることを示し、F′に対応するピークは143ppmであり、F″に対応するピークは130ppmであり、およびF′とF″の強度の比は11:1であった。
【0043】
コポリマー生成物のサンプル20gを室温にて1.2gのm−キシリレンジアミンとp−キシリレンジアミンの(3:1)混合物を用いて硬化した。硬化したポリマーを室温で3日間熟成させた。硬化した生成物は1.4MPaの引張強さ、180%の破断時伸び、および10%の圧縮永久歪みを有した。引張強さおよび破断時伸びをASTM D−412に準じて測定し、圧縮永久歪みをUSSR標準 GOST 9.029−74に準じて測定した。
【0044】
(実施例2)
実施例1の開始剤のサンプル10g(0.013モル)を遮蔽モーター付きミキサーを備えた反応器に装填した。開始剤を20gのパーフルオロトルエンに溶解し、そして反応器の内容物を−32℃から−35℃まで冷却した。HFPOのサンプル150g(0.90モル)と1,2−エポキシペンタフルオロプロパン−3−フルオロスルフェートのサンプル21.6g(0.088モル)をそれぞれ18.8g/時および2.7g/時の速度で8時間にわたって撹拌しながら添加した。コモノマー添加の完了後、反応混合物を−32℃から−35℃の温度でさらに3時間にわたって撹拌した。反応混合物を徐々に室温に持って行き、そして生成されたフッ化スルフリルを除去した。実施例1に記載されている方法に従って残留物を単離した。得られた生成物を20mlのメタノールと反応させ、続いて150℃の温度で減圧下でポリマーの揮発分除去を行い、メタノールと発生したフッ化水素を除去した。約81500の数平均分子量および−63℃のTg を有する重合エステル生成物150gを収率91%で得た。元素分析は、計算値:C:22.47、H:0.17、F:65.91; 実測値:C:22.9、H:0.20、F:65.8であった。生成物の赤外スペクトルは1780cm−1で吸収を示し、メチルエステル部分の存在を示した。
【0045】
19F NMRデータはそのポリマーが
【0046】
【化15】
【0047】
から成る構造単位を含有していることを示し、F′に対応するピークは143ppmであり、F″に対応するピークは130ppmであり、およびF′とF″の強度の比は10:1であった。
【0048】
生成物の硬化を実施例1に記載されているように行った。硬化した生成物は4.0MPaの引張強さ、120%の破断時伸び、および5%の圧縮永久歪みを有していた。引張強さおよび破断時伸びをASTM D−412に準じて測定し、圧縮永久歪みをUSSR標準 GOST 9.029−74に準じて測定した。
【0049】
(実施例3)
166g(1.0モル)のHFPOと26.7g(0.11モル)の1,2−エポキシペンタフルオロプロパン−3−フルオロスルフェートの共重合を、2.0gのアセトンを添加した30gのパーフルオロトルエンの溶液において10g(0.013モル)の開始剤の存在下で、実施例1に記載されているように行った。重合の始まりに2.7gの1,2−エポキシペンタフルオロプロパン−3−フルオロスルフェートを添加し、そして反応物質を1時間にわたって撹拌し、同時にHFPOの添加速度31g/時および1,2−エポキシペンタフルオロプロパン−3−フルオロスルフェートの添加速度4.8g/時で5時間にわたってコモノマーの同時添加を達成した。コモノマー添加の完了後、1時間にわたって反応物質を撹拌した。ついで、HFPOのサンプル11gを1/2時間にわたって添加し、そしてHFPO添加の完了後、反応物質をさらに2時間撹拌した。有機フッ素層を実施例1において記載されているように単離し、そして10gのメタノールを用いてメタノリシスを行った。ポリマーを20mlバッチ中でエタノールで3回洗浄した。エタノールを100℃での蒸発により除去し、そして圧縮空気をわたしながら反応物質の温度を6時間にわたって徐々に260℃まで上げた。生成物は、収率93%で10gの低分子量フラクションと約8900の数平均分子量および−62℃のTg を有する170gの無色透明な最終生成物から成った。元素分析は、計算値:C:22.55、H:0.18、F:85.64; 実測値:C:22.1、H:0.22、F:65.8であった。IRおよびNMRデータはそのコポリマー生成物が
【0050】
【化16】
【0051】
から成る構造単位を含有し、強度比が9:1であることを示した。
【0052】
エステルコポリマーの硬化を実施例1の方法に従って行った。硬化した生成物は4.5MPaの引張強さ、12%の破断時伸び、および5%の圧縮永久歪みを有していた。引張強さおよび破断時伸びをASTM D−412に準じて測定し、圧縮永久歪みをUSSR標準 GOST 9.029−74に準じて測定した。
【0053】
(実施例4)
145g(0.87モル)のHFPOと26.6g(0.11モル)の1,2−エポキシペンタフルオロプロパン−3−フルオロスルフェートの共重合を、2.5gのアセトンを添加した25gのパーフルオロトルエンの溶液において10g(0.013モル)の開始剤の存在下で、実施例1に記載されているように行った。重合の始まりに3.2gの1,2−エポキシペンタフルオロプロパン−3−フルオロスルフェートを添加した。HFPOの添加速度33g/時および1,2−エポキシペンタフルオロプロパン−3−フルオロスルフェートの添加速度5.8g/時で4時間にわたってコモノマーの同時添加を達成した。共重合の完了時に、HFPOのサンプル13gを添加した。全重合は9時間で完了した。有機フッ素層を実施例1において記載されているように単離し、そして実施例3において記載されているように実質的にメタノリシスを行った。生成物は、収率93%で9.5gの低分子量フラクションと約11,300の数平均分子量および−62.5℃のTg を有する152gの無色透明な最終生成物から成った。元素分析は、計算値:C:22.66、H:0.20、F:65.28; 実測値:C:23.2、H:0.18、F:65.8であった。IRおよびNMRデータはそのコポリマー生成物が
【0054】
【化17】
【0055】
から成る構造単位を含有し、強度比が7.9:1であることを示した。
【0056】
エステルコポリマーの硬化を実施例1の方法に従って行った。硬化した生成物は7.0MPaの引張強さ、100%の破断時伸び、および0%の圧縮永久歪みを有していた。引張強さおよび破断時伸びをASTM D−412に準じて測定し、圧縮永久歪みをUSSR標準 GOST 9.029−74に準じて測定した。
【0057】
(実施例5)
130g(0.78モル)のHFPOと28.5g(0.12モル)の1,2−エポキシペンタフルオロプロパン−3−フルオロスルフェートの共重合を、1.5gのアセトンを添加した22gのパーフルオロトルエンの溶液において10g(0.013モル)の開始剤の存在下で、実施例1に記載されているように行った。重合の始まりに2.5gの1,2−エポキシペンタフルオロプロパン−3−フルオロスルフェートを添加した。HFPOの添加速度21.5g/時および1,2−エポキシペンタフルオロプロパン−3−フルオロスルフェートの添加速度4.7g/時で5.5時間にわたってコモノマーの同時添加を達成した。共重合の終わりに、HFPOのサンプル12gを添加した。重合プロセスは10時間にわたって行われた。有機フッ素層を実施例1において記載されているように単離し、そして実施例3において記載されているように実質的にメタノリシスを行った。生成物は、収率93%で7gの低分子量フラクションと約10,800の数平均分子量および−60.5℃のTg を有する138gの無色透明な最終生成物から成った。元素分析は、計算値:C:22.83、H:0.24、F:64.62; 実測値:C:22.4、H:0.25、F:64.9であった。IRおよびNMRデータはそのコポリマー生成物が
【0058】
【化18】
【0059】
から成る構造単位を含有し、強度比が6.5:1であることを示した。
【0060】
エステルコポリマーの硬化を実施例1の方法に従って行った。硬化した生成物は10.0MPaの引張強さ、70%の破断時伸び、および0%の圧縮永久歪みを有していた。引張強さおよび破断時伸びをASTM D−412に準じて測定し、圧縮永久歪みをUSSR標準 GOST 9.029−74に準じて測定した。
【0061】
(実施例6)
140g(0.84モル)のHFPOと35.0g(0.14モル)の1,2−エポキシペンタフルオロプロパン−3−フルオロスルフェートの共重合を、2.4gのアセトンを添加した22gのパーフルオロトルエンの溶液において10.0g(0.013モル)の開始剤の存在下で、実施例1に記載されているように行った。重合の始まりに3.5gの1,2−エポキシペンタフルオロプロパン−3−フルオロスルフェートを添加した。HFPOの添加速度25.2g/時および1,2−エポキシペンタフルオロプロパン−3−フルオロスルフェートの添加速度6.3g/時で5時間にわたってコモノマーの同時添加を達成した。共重合の終わりに、HFPOのサンプル14gを添加した。重合プロセスは10時間にわたって行われた。有機フッ素層を実施例1において記載されているように分離し、そして実施例3において記載されているように実質的にメタノリシスを行った。生成物は、収率94%で6.5gの低分子量フラクションと約10,900の数平均分子量および−60℃のTg を有する157gの無色透明な最終生成物から成った。元素分析は、計算値:C:22.92、H:0.26、F:64.32; 実測値:C:22.5、H:0.30、F:69.1であった。IRおよびNMRデータはそのコポリマー生成物が
【0062】
【化19】
【0063】
から成る構造単位を含有し、強度比が6:1であることを示した。
【0064】
エステルコポリマーの硬化を実施例1の方法に従って行った。硬化した生成物は14.0MPaの引張強さ、50%の破断時伸び、および5%の圧縮永久歪みを有していた。引張強さおよび破断時伸びをASTM D−412に準じて測定し、圧縮永久歪みをUSSR標準 GOST 9.029−74に準じて測定した。
【0065】
(実施例7)
135g(0.81モル)のHFPOと45.0g(0.18モル)の1,2−エポキシペンタフルオロプロパン−3−フルオロスルフェートの共重合を、1.6gのアセトンを添加した25gのパーフルオロトルエンの溶液において10g(0.013モル)の開始剤の存在下で、実施例1に記載されているように行った。重合の始まりに4.5gの1,2−エポキシペンタフルオロプロパ−ン3−フルオロスルフェートを添加した。HFPOの添加速度20.3g/時および1,2−エポキシペンタフルオロプロパン−3−フルオロスルフェートの添加速度6.7g/時で6時間にわたってコモノマーの同時添加を達成した。共重合の完了時に、HFPOのサンプル13gを添加した。重合プロセスは11時間にわたって行われた。有機フッ素層を実施例1において記載されているように単離し、そして実施例3において記載されているように実質的にメタノリシスを行った。生成物は、収率95%で5.5gの低分子量フラクションと約12,100の数平均分子量および−54℃のTg を有する156gの無色透明な最終生成物から成った。元素分析は、計算値:C:23.26、H:0.33、F:63.12; 実測値:C:23.0、H:0.38、F:63.3であった。IRおよびNMRデータはそのコポリマー生成物が
【0066】
【化20】
【0067】
から成る構造単位を含有し、強度比が4.5:1であることを示した。
【0068】
エステルコポリマーの硬化を実施例1の方法に従って行った。硬化した生成物は15.5MPaの引張強さ、50%の破断時伸び、および5%の圧縮永久歪みを有していた。引張強さおよび破断時伸びをASTM D−412に準じて測定し、圧縮永久歪みをUSSR標準 GOST 9.029−74に準じて測定した。
【0069】
(実施例8)
135g(0.81モル)のHFPOと56.5g(0.23モル)の1,2−エポキシペンタフルオロプロパン−3−フルオロスルフェートの共重合を、1.6gのアセトンを添加した25gのパーフルオロトルエンの溶液において10g(0.013モル)の開始剤の存在下で、実施例1に記載されているように行った。重合の始まりに5.6gの1,2−エポキシペンタフルオロプロパン−3−フルオロスルフェートを添加した。HFPOの添加速度15.2g/時および1,2−エポキシペンタフルオロプロパン−3−フルオロスルフェートの添加速度6.4g/時で8時間にわたってコモノマーの同時添加を達成した。共重合の完了時に、HFPOのサンプル13gを添加した。重合プロセスは13時間にわたって行われた。有機フッ素層を実施例1において記載されているように単離し、そして実施例3において記載されているように実質的にメタノリシスを行った。生成物は、収率95%で5.0gの低分子量フラクションと約14,000の数平均分子量および−49℃のTg を有する167gの無色透明な最終生成物から成った。元素分析は、計算値:C:23.61、H:0.41、F:61.87; 実測値:C:23.7、H:0.45、F:61.2であった。IRおよびNMRデータはそのコポリマー生成物が
【0070】
【化21】
【0071】
から成る構造単位を含有し、強度比が3.5:1であることを示した。
【0072】
エステルコポリマーの硬化を実施例1の方法に従って行った。硬化した生成物は18.0MPaの引張強さ、50%の破断時伸び、および5%の圧縮永久歪みを有していた。引張強さおよび破断時伸びをASTM D−412に準じて測定し、圧縮永久歪みをUSSR標準 GOST 9.029−74に準じて測定した。
【0073】
(実施例9)
166g(1.0モル)のHFPOと7.0g(0.028モル)の1,2−エポキシペンタフルオロプロパン−3−フルオロスルフェートの共重合を、2.5gのアセトンを添加した30gのパーフルオロトルエンの溶液において10g(0.013モル)の開始剤の存在下で、実施例1に記載されているように行った。重合の始まりに0.6gの1,2−エポキシペンタフルオロプロパン−3−フルオロスルフェートを添加した。HFPOの添加速度37.5g/時および1,2−エポキシペンタフルオロプロパン−3−フルオロスルフェートの添加速度1.6g/時で4時間にわたってコモノマーの同時添加を達成した。共重合の完了時に、HFPOのサンプル16gを添加した。重合プロセスは9時間にわたって行われた。有機フッ素層を実施例1において記載されているように単離し、そして実施例3において記載されているように実質的にメタノリシスを行った。生成物は、収率91%で15gの低分子量フラクションと約8900の数平均分子量および−70℃のTg を有する155gの無色透明な最終生成物から成った。元素分析は、計算値:C:21.92、H:0.06、F:67.83; 実測値:C:21.5、H:0.03、F:68.3であった。IRおよびNMRデータはそのコポリマー生成物が
【0074】
【化22】
【0075】
から成る構造単位を含有し、強度比が35:1であることを示した。
【0076】
エステルコポリマーの硬化を実施例1の方法に従って行った。硬化した生成物は0.7MPaの引張強さ、240%の破断時伸び、および10%の圧縮永久歪みを有していた。引張強さおよび破断時伸びをASTM D−412に準じて測定し、圧縮永久歪みをUSSR標準 GOST 9.029−74に準じて測定した。
Claims (2)
- パーフルオロアルキレンオキシドコポリマーの製造方法であって、A)不活性溶媒中のa)ヘキサフルオロプロピレンオキシドオリゴマーのセシウムアルコキシドとb)ポリ(エチレングリコール)ジメチルエーテルとの錯体である開始剤組成物の溶液を供給し;
B)重合反応ゾーンにおいてヘキサフルオロプロピレンオキシドと1,2−エポキシペンタフルオロプロパン−3−フルオロスルフェートを2:1から50:1の割合で前記開始剤組成物とともに混合し、セシウムアルコキシド部分を有するパーフルオロアルキレンオキシドコポリマーを形成し;およびC)前記セシウムアルコキシド部分を有するパーフルオロアルキレンオキシドコポリマーを加熱して、酸フッ化物末端基を発生させ、それによって式
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