JP3565079B2 - 導電性ボールの搭載装置および搭載方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウェハに形成された複数の電子部品(半導体素子)の電極に導電性ボールを搭載する導電性ボールの搭載装置および搭載方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子部品に突出電極であるバンプを形成する工程においては、半田ボールなどの導電性ボールが電子部品の電極上に搭載される。近年この導電性ボールの搭載形態として、電子部品が個片に切り出される前のウェハの状態、すなわち電子部品である半導体素子が格子状の配列で多数形成された状態で導電性ボールを搭載する方法が用いられるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、ウェハに直接導電性ボールを搭載する場合、従来は以下に述べるような問題点があった。ウェハは円形状であり、この円形状のウェハから矩形状の個片電子部品を切り出すことから、切り出し線とウェハの外周とは一致しない。このためウェハの外周近傍では切り出し線は不規則な階段状となる。この結果ウェハの各電子部品に導電性ボールを搭載する際に、複数の電子部品をまとまりの良い矩形状のブロックとして括ることができず、個片単位で搭載するか、またはウェハ全体を一括して搭載するかのいずれかを選択するしかなかった。このため個片で搭載する場合には多数回の搭載を行う必要があって生産性が低下し、また全体を一括して搭載する場合には正常な搭載を確保する信頼性に難点があるなど、従来はウェハへ直接導電性ボールを搭載する場合には、効率良く安定した搭載が困難であった。
【0004】
そこで本発明は、ウェハに形成された複数の電子部品の電極に効率良く安定した導電性ボールの搭載を行うことができる導電性ボールの搭載装置および搭載方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の導電性ボールの搭載装置は、ウェハに形成された複数の電子部品の電極にピックアップヘッドに着脱・交換自在に装着される吸着ツールによって導電性ボールを搭載する導電性ボールの搭載装置であって、前記ウェハ上の導電性ボール搭載エリアを複数の区画に分割した各分割区画に個別に対応した吸着ツールと、これらの吸着ツールの吸着面に前記電子部品の配列に対応して形成され前記電極に対応する位置に導電性ボールを真空吸着する吸着孔が設けられた吸着部と、これらの吸着ツールが載置されピックアップヘッドが吸着ツールの着脱交換を行う吸着ツール載置部とを備えた。
請求項2は、請求項1記載の導電性ボールの搭載装置であって、前記複数の区画は点対
称の4つの分割区画であり、これらの各分割区画に応じて、前記個別の4個の吸着ツールを備えている。
【0006】
請求項3記載の導電性ボールの搭載方法は、請求項1または2記載の導電性ボールの搭載装置を用いる導電性ボールの搭載方法であって、前記吸着ツール載置部の吸着ツールを交換しながら、前記各分割区画に対応した吸着ツールによって各分割区画ごとに導電性ボールを一括して搭載する動作を反復することにより、前記ウェハの全電子部品の各電極に対して導電性ボールを搭載するようにした。
【0007】
本発明によれば、ウェハの導電性ボールの搭載エリアを複数の区画に分割した分割区画に個別に対応した吸着ツールによって各分割区画ごとに導電性ボールを一括して搭載することにより、ウェハに効率良く安定して導電性ボールを搭載することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の導電性ボールの搭載装置の斜視図、図2(a)は同導電性ボールの搭載装置のピックアップヘッドの断面図、図2(b)は同導電性ボールの搭載装置のピックアップヘッド下面の平面図、図3(a),(c)は同ウェハの平面図、図3(b)は同ウェハの部分平面図、図4は同導電性ボールの搭載装置の吸着ツール載置部の平面図、図5(a),(b),(c),(d),(e)は同導電性ボールの搭載方法の工程説明図である。
【0009】
まず図1を参照して導電性ボールの搭載装置の構造を説明する。図1において、基台1の中央には搬送路2が設けられている。搬送路2はウェハ4を保持したプレート3を搬送し位置決めする。このウェハ4は略円形状の基板であり、後述するように複数の半導体素子が格子状に多数形成されている。基台1の上面の両端部には2台のY軸テーブル5が配設されている。2台のY軸テーブル5にはX軸テーブル6が架設されており、X軸テーブル6には搭載ヘッド7が装着されている。
【0010】
搭載ヘッド7の下部はピックアップヘッド8を備えている。X軸テーブル6およびY軸テーブル5を駆動することにより搭載ヘッド7は水平移動する。搬送路2の前方にはボール供給部9が配設されており、ボール供給部9には導電性ボール10が多数貯溜されている。搭載ヘッド7をボール供給部9の上方に位置させてピックアップヘッド8を上下動させることにより、ピックアップヘッド8は導電性ボール10をピックアップする。そして搭載ヘッド7を位置決めされたウェハ4上に位置させてピックアップヘッド8を再度上下動させることにより、ピックアップヘッド8に保持された導電性ボール10をウェハ4上に搭載する。
【0011】
ボール供給部9の側方には、ピックアップヘッド8に装着される吸着ツール12を載置する吸着ツール載置部11が配設されている。吸着ツール載置部11に対してピックアップヘッド8を上下動させることにより、ピックアップヘッド8に吸着ツール12を着脱・交換することができる。
【0012】
ここで、ウェハ4について図3を参照して説明する。図3(a)に示すようにウェハ4は略円形状の基板であり、ウェハ4には矩形の電子部品である半導体素子4aが格子状に多数形成されている。図3(a)において、太線内はウェハ4のボール搭載エリアを示しており、その外形は階段状となっている。図3(b)で示すように、各半導体素子4aには導電性ボール10が搭載される電極4bが所定の電極配列パターンで多数形成されており、これらの電極4bは電極群4cを形成している。
【0013】
次に図2を参照して搭載ヘッド7に備えられたピックアップヘッド8およびピックアップヘッド8の下面に着脱自在に装着される吸着ツール12について説明する。図2(a)に示すようにピックアップヘッド8の下面には吸着ツール12が装着されている。吸着ツール12は、位置決めピン13によってピックアップヘッド8に対して位置決めされ、吸引孔8bから真空吸引することにより保持される。吸着ツール12の下面には多数の吸着孔12aが設けられており、吸引孔8aから真空吸引することにより、吸着孔12aには導電性ボール10が吸着保持される。
【0014】
吸着ツール12は、ウェハ4を複数の4区画に分割した分割区画(ハッチング部にて示す)をカバーする矩形状の吸着面(寸法WX,WYの矩形区画)を有している(図3(a)参照)。図2(b)に示すように、吸着ツール12の吸着面には導電性ボール10を吸着して保持する複数の吸着孔12aの集合である吸着部14が形成されている。各吸着部14内における複数の吸着孔12aの配列は、1個の半導体素子4aの電極4bの配列と一致している。吸着部14の配列はウェハ4における半導体素子4aの配列に対応したものとなっており、所定範囲A(ハッチング部分)のみに半導体素子4aの配列ピッチと同様の配列ピッチで格子状に形成されている。吸着部14は半導体素子4aの電極群4cの電極配列パターンに対応した位置に導電性ボール10を吸着する。
【0015】
図3(c)に示すように、ウェハ4上の導電性ボール10のボール搭載エリアは中心に対して点対称の4つの分割区画[1],[2],[3],[4]に分割されており各分割区画[1],[2],[3],[4]に応じて個別の吸着ツール12を備えている。すなわち、分割区画[1]に導電性ボールを搭載する際に用いられる吸着ツール12Aは、図2(b)に示すような吸着部14の配置となっており、ウェハ4の分割区画[1]に属する半導体素子4aを対象とする所定範囲Aに限定して導電性ボール10を吸着するようになっている。分割区画[2],[3],[4]に導電性ボール10を搭載する場合に用いられる吸着ツール12B,12C,12Dについても同様に、それぞれの分割区画に属する半導体素子4aを対象とする所定範囲に限定して導電性ボール10を吸着する。
【0016】
これらの4種類の吸着ツール12A,12B,12C,12Dは、図4に示すように吸着ツール載置部11上に載置され、吸着ツール載置部11に対してピックアップヘッド8を上下動させることにより、既装着の吸着ツール12の吸着を解除して吸着ツール載置部11上に載置し、他の任意の吸着ツール12の新たな装着を行うことが出来る。
【0017】
この導電性ボールの搭載装置は上記の様に構成されており、以下導電性ボールの搭載方法について図5を参照して説明する。図5(a)において、ピックアップヘッド8には吸着ツール12Aが装着されており、このピックアップヘッド8をボール供給部9内の導電性ボール10に対して下降させ、吸着ツール12Aによって導電性ボール10を真空吸着する。
【0018】
このとき、吸着ツール12Aにはウェハ4の分割区画[1]に対応した所定範囲にのみ吸着部14が設けられているため、当該範囲のみに導電性ボール10が吸着される。次いでピックアップヘッド8を上昇させてウェハ4上に移動させ、ウェハ4の所定部位に対して位置合わせしてピックアップヘッド8を下降させ、図5(b),(c)に示すようにウェハ4の分割区画[1]に属する各半導体素子4aの各電極4b(図3参照)に導電性ボール10を搭載する。
【0019】
この後ピックアップヘッド8を上昇させ、次いで吸着ツール載置部11上へ移動させる。そしてピックアップヘッド8を下降させ、図5(d)に示すように吸着ツール12Aの吸着保持を解除して吸着ツール12Aを所定位置に載置する。次いでピックアップヘッド8を次回使用の吸着ツール12B上に移動させて下降させることにより、ピックアップヘッド8の下面には吸着ツール12Bが新たに装着される。
【0020】
次にピックアップヘッド8を再度ボール供給部9上に移動させ、ここで上下動作を行わせることにより、吸着ツール12Bの下面の所定範囲にはウェハ4の分割区画[2]に対応した範囲に導電性ボール10が吸着される。そして同様にウェハ4の分割区画[2]に属する半導体素子4aの各電極に導電性ボール10が搭載される。上記動作を吸着ツール12を交換しながら4回反復することにより、ウェハ4の全半導体素子4aの各電極に対して導電性ボール10を搭載することができる。
【0021】
上記搭載動作において搭載ヘッド7の往復回数は4回のみでよく、従来の個片ごとに搭載を行う方法と比較すれば往復回数は格段に少なくてすみ、したがって導電性ボールの搭載効率を向上させることができる。また分割区画の大きさは従来実績からみて過大とならない妥当な範囲で設定されるため、搭載不良の少ない安定した導電性ボールの搭載が確保される。すなわち、従来方法では実現が困難であった、良好な搭載効率と安定した搭載品質とを両立させることが可能となる。
【0022】
また、導電性ボールが搭載される基板の例として、本実施の形態では半導体素子が形成されたウェハを示しているがこれに限定されるものではなく、例えば複数の電子部品が格子状に作り込まれた基板であってもよい。この場合には、電子部品の電極に導電性ボールが搭載される。さらに本実施の形態では、分割区画[1],[2],[3],[4]を点対称形状に設定する例を示しているが、各分割区画はそれぞれ異る形状であってもよい。この場合には、各分割区画に応じて異なった形状の吸着ツールが用いられる。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、ウェハの導電性ボールの搭載エリアを複数の区画に分割した分割区画に個別に対応した吸着ツールによって各分割区画ごとに導電性ボールを一括して搭載するようにしたので、ウェハに効率良く安定して導電性ボールを搭載することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の導電性ボールの搭載装置の斜視図
【図2】(a)本発明の一実施の形態の導電性ボールの搭載装置のピックアップヘッドの断面図
(b)本発明の一実施の形態の導電性ボールの搭載装置のピックアップヘッド下面の平面図
【図3】(a)本発明の一実施の形態のウェハの平面図
(b)本発明の一実施の形態のウェハの部分平面図
(c)本発明の一実施の形態のウェハの平面図
【図4】本発明の一実施の形態の導電性ボールの搭載装置の吸着ツール載置部の平面図
【図5】(a)本発明の一実施の形態の導電性ボールの搭載方法の工程説明図
(b)本発明の一実施の形態の導電性ボールの搭載方法の工程説明図
(c)本発明の一実施の形態の導電性ボールの搭載方法の工程説明図
(d)本発明の一実施の形態の導電性ボールの搭載方法の工程説明図
(e)本発明の一実施の形態の導電性ボールの搭載方法の工程説明図
【符号の説明】
4 ウェハ
4a 半導体素子
4b 電極
8 ピックアップヘッド
10 導電性ボール
12,12A,12B,12C,12D 吸着ツール
12a 吸着孔
Claims (3)
- ウェハに形成された複数の電子部品の電極にピックアップヘッドに着脱・交換自在に装着される吸着ツールによって導電性ボールを搭載する導電性ボールの搭載装置であって、前記ウェハ上の導電性ボール搭載エリアを複数の区画に分割した各分割区画に個別に対応した吸着ツールと、これらの吸着ツールの吸着面に前記電子部品の配列に対応して形成され前記電極に対応する位置に導電性ボールを真空吸着する吸着孔が設けられた吸着部と、これらの吸着ツールが載置されピックアップヘッドが吸着ツールの着脱交換を行う吸着ツール載置部とを備えたことを特徴とする導電性ボールの搭載装置。
- 前記複数の区画は点対称の4つの分割区画であり、これらの各分割区画に応じて、前記個別の4個の吸着ツールを備えていることを特徴とする請求項1記載の導電性ボールの搭載装置。
- 請求項1または2記載の導電性ボールの搭載装置を用いる導電性ボールの搭載方法であって、前記吸着ツール載置部の吸着ツールを交換しながら、前記各分割区画に対応した吸着ツールによって各分割区画ごとに導電性ボールを一括して搭載する動作を反復することにより、前記ウェハの全電子部品の各電極に対して導電性ボールを搭載することを特徴とする導電性ボールの搭載方法。
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