JP3564950B2 - 半導体集積回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基準電圧発生回路を内蔵する半導体集積回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、基準電圧発生回路を内蔵する半導体集積回路では、基準電圧端子に外付けで大容量コンデンサの接続を行い、ノイズの影響の低減化を図っている。
【0003】
以下、従来の基準電圧発生回路を内蔵する半導体集積回路について、図3を用いて説明する。図3において、31は基準電圧発生回路を内蔵する半導体集積回路、32は外付けのコンデンサ、33は基準電圧発生回路、34は基準電圧端子である。外付けのコンデンサ32は、半導体集積回路31を動作させた時のノイズによる影響を抑制するために接続している。
【0004】
以上のように構成された従来の半導体集積回路の動作について、以下に説明する。
【0005】
半導体集積回路31の電源を投入すると、基準電圧発生回路33が基準電圧を発生させ、まず基準電圧端子34に外付けで接続されているコンデンサ32の充電を行う。そして、外付けのコンデンサ32の充電が完了すると基準電圧端子34に正常な基準電圧が現れ、半導体集積回路31は通常動作が可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の回路構成では、基準電圧発生回路33から供給される電流のみでコンデンサ32の充電が行われるため、充電完了までの時間、すなわち、電源投入から通常動作が可能になるまでの待ち時間は、基準電圧発生回路33の電流能力によって決まる。
【0007】
従って、基準電圧発生回路33の電流能力を大きくした場合には、コンデンサ32の充電完了までの待ち時間は短くなるが、消費電力が増加してしまう。一方、基準電圧発生回路33の電流能力を小さくした場合には、消費電力は低減されるが、コンデンサ32の充電完了までの待ち時間が長くなるという課題が発生する。
【0008】
上記のような従来の半導体集積回路では、消費電力の低減を優先して基準電圧発生回路33の電流能力を下げて使用することが多く、そのためコンデンサ32の充電に時間がかかり、電源投入から通常動作までの待ち時間が長いという問題がある。
【0009】
本発明は、このような従来の問題点を解決するもので、外付けのコンデンサの充電時間の短縮、すなわち、電源投入から通常動作までの待ち時間の短縮ができ、且つ、通常動作時の低消費電力化が図れる半導体集積回路を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明に係る第1の半導体集積回路は、基準電圧端子に外付けでコンデンサを接続する半導体集積回路において、少なくとも前記基準電圧端子に接続された基準電圧発生回路と、前記コンデンサの充電時にのみ前記基準電圧端子に接続される充電回路とを備えていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明に係る第2の半導体集積回路は、基準電圧端子に外付けでコンデンサを接続する半導体集積回路において、前記基準電圧端子に接続された基準電圧発生回路と、前記基準電圧端子にスイッチ回路を介して接続される充電回路と、前記スイッチ回路および前記充電回路を制御する制御回路とを備え、前記コンデンサの充電時には、前記制御回路から前記スイッチ回路を導通にし、且つ、前記充電回路を作動させる第1の制御信号が出力され、前記コンデンサの充電が完了すると、前記制御回路から前記スイッチ回路を非導通にし、且つ、前記充電回路の動作を停止させる第2の制御信号が出力されることを特徴とするものである。
【0012】
本発明に係る第3の半導体集積回路は、上記第2の半導体集積回路において、前記制御回路が、比較機能を有し、前記比較機能によって前記基準電圧発生回路の演算増幅器の入力側電圧と出力側電圧の比較を行い、該比較値が前記コンデンサの充電完了を示す所定値に達していないと前記第1の制御信号を出力し、前記所定値に達すると前記第2の制御信号を出力することを特徴とするものである。
【0013】
本発明に係る第4の半導体集積回路は、上記第2の半導体集積回路において、前記制御回路が、タイマー機能を有し、前記タイマー機能によって電源投入からの時間の計測を行い、該計測時間が前記コンデンサの充電に必要な所定の時間に達していないと前記第1の制御信号を出力し、前記所定の時間に達すると前記第2の制御信号が出力されることを特徴とするものである。
【0014】
上記構成より本発明では、電源投入後の外付けのコンデンサの充電は、基準電圧発生回路と充電回路の両方で行うため、充電時間すなわち通常動作までの待ち時間を短縮することができる。また、外付けのコンデンサの充電が完了すると充電回路は切り離され、消費電力は基準電圧発生回路の電流能力だけで決まるため、基準電圧発生回路の電流能力を低くしておけば低消費電力化を図ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1の半導体集積回路について説明する。
【0017】
図1は、本実施の形態1の半導体集積回路の構成を示すブロック図である。図1において、1は基準電圧発生回路を内蔵する半導体集積回路、2は外付けのコンデンサ、3は基準電圧発生回路、4は基準電圧端子、5は充電回路、6はスイッチ回路、7は制御回路である。なお、本実施の形態では、負帰還型オペアンプ(演算増幅器)8及び抵抗R1、R2で構成された基準電圧発生回路3、負帰還型オペアンプ9で構成された充電回路5、コンパレータ10で構成された制御回路7を用いて説明する。
【0018】
以上のように構成された実施の形態1の半導体集積回路について、その一動作例を以下に説明する。
【0019】
半導体集積回路1の電源を投入すると、基準電圧発生回路3が基準電圧を発生させ、まず基準電圧端子4に外付けで接続されているコンデンサ2の充電を開始する。
【0020】
このとき同時に、制御回路7のコンパレータ10では、基準電圧発生回路3の負帰還型オペアンプ8の入力側電圧V1と出力側電圧V2を入力として、電圧V1と電圧V2の電圧比較が行われる。この比較値が、コンデンサの充電完了を示す設定値に達していない場合には、制御回路7からスイッチ回路6を導通させるとともに充電回路5を作動させる第1の制御信号が出力され、比較値が設定値以上になると制御回路7の出力が反転して、スイッチ回路6を非導通にさせるとともに充電回路5の動作を停止させる第2の制御信号が出力される。
【0021】
従って、半導体集積回路1の電源が投入された当初は、外付けのコンデンサ2が充電されていないため、負帰還型オペアンプ8の入力側電圧V1に比べ出力側電圧V2は当然低い電圧となる。その結果、コンパレータ10における比較値が、コンデンサ2の充電完了を示す設定値に達しないため、スイッチ回路6を導通させるとともに充電回路5を作動させる第1の制御信号が出力される。
【0022】
この第1の制御信号がコンパレータ10から出力されると、スイッチ回路6が導通し、且つ、充電回路5が作動するため、基準電圧発生回路3の負帰還型オペアンプ8と充電回路5の負帰還型オペアンプ9が並列に接続された状態となり、負帰還型オペアンプ8および負帰還型オペアンプ9の両方からコンデンサ2に対して電流供給がなされ短時間で充電が行われる。
【0023】
コンデンサ2が充電されていくと、出力側電圧V2が入力側電圧V1に近づき、コンパレータ10での比較値が設定値以上になると、制御回路7の出力が反転し、スイッチ回路6を非導通にさせるとともに充電回路5の動作を停止させる第2の制御信号が出力される。この結果、並列に接続されていた負帰還型オペアンプ9が切り離され、負帰還型オペアンプ8のみが基準電圧端子4に接続された状態となる。すなわち、並列に接続されていた負帰還型オペアンプ9が切り離された後であれば従来と同様な構成となり、半導体集積回路1は消費電力を抑えたまま通常動作を行うことができる。
【0024】
なお、充電回路5の電流能力は大きい方がコンデンサ2の充電を急速に行うことができ、待ち時間の短縮に有効であることは言うまでもない。また、本実施の形態では制御回路7としてコンパレータ10を用いたが、2点間の電圧値を比較できる回路であれば同様に用いることができる。
【0025】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の半導体集積回路について説明する。
【0026】
図2は、本実施の形態2の半導体集積回路の構成を示すブロック図である。図2において、11は半導体集積回路、12はコンデンサ、13は基準電圧発生回路、14は基準電圧端子、15は充電回路、16はスイッチ回路、17は制御回路である。制御回路17は、半導体集積回路11の動作クロックを用いて所定の時間を計測するタイマー機能を有している。
【0027】
以上のように構成された実施の形態2の半導体集積回路について、その一動作例を以下に説明する。
【0028】
半導体集積回路11の電源を投入すると、基準電圧発生回路13が基準電圧を発生させ、まず基準電圧端子14に外付けで接続されているコンデンサ12の充電を開始する。
【0029】
このとき同時に、制御回路17では、半導体集積回路11の動作クロックを用いたタイマー機能によって、時間の計測を開始する。制御回路17のタイマー機能には、所定の時間が設定されており、計測時間が所定の時間に達するまでは制御回路17からスイッチ回路16を導通させるとともに充電回路15を作動させる第1の制御信号が出力され、計測時間が所定の時間に達すると制御回路17からスイッチ回路16を非導通にさせるとともに充電回路15の動作を停止させる第2の制御信号が出力される。
【0030】
従って、半導体集積回路11の電源が投入されると、制御回路17のタイマー機能の計測時間が所定の時間に達するまでは、制御回路17からスイッチ回路16を導通させるとともに充電回路15を作動させる第1の制御信号が出力される。この第1の制御信号により、スイッチ回路16が導通し、且つ、充電回路15が作動するため、基準電圧発生回路13および充電回路15の両方からコンデンサ12に対して電流供給がなされ短時間で充電が行われる。
【0031】
そして、制御回路17のタイマー機能の計測時間が所定の時間に達すると、制御回路17からスイッチ回路16を非道通にするとともに充電回路15の動作を停止させる第2の制御信号が出力される。この結果、並列に接続されていた充電回路15が切り離され、基準電圧発生回路13のみが基準電圧端子14に接続された状態となる。すなわち、並列に接続されていた充電回路15が切り離された後であれば従来と同様な構成となり、半導体集積回路11は消費電力を抑えたまま通常動作を行うことができる。ここで、制御回路17のタイマー機能に設定されている所定の時間は、充電回路15の電流能力に応じてコンデンサ12が充電され一定電位に達するまでの時間とすることは言うまでもない。
【0032】
なお、上記実施の形態1および実施の形態2において、基準電圧発生回路の電流能力を小さくし、充電回路の電流能力を大きくすれば、コンデンサの充電時間は充電回路の電流能力が大きいことにより短縮され、通常動作では基準電圧発生回路の電流能力が小さいことにより低消費電力化が図れる。
【0033】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、充電回路及びそれを制御する制御回路を設けることにより、電源投入後、外付けのコンデンサが充電されるまでは基準電圧発生回路および充電回路の両方から電流供給がなされるため短時間で充電することが可能となり、また、コンデンサの充電が完了すると充電回路が切り離されるため通常動作では低消費電力化が可能な優れた半導体集積回路を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る半導体集積回路の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態2に係る半導体集積回路の構成を示すブロック図
【図3】従来の半導体集積回路の構成を示すブロック図
【符号の説明】
1、11 半導体集積回路
2、12 コンデンサ
3、13 基準電圧発生回路
4、14 基準電圧端子
5、15 充電回路
6、16 スイッチ回路
7 比較機能を有する制御回路
8、9 負帰還型オペアンプ
10 コンパレータ
17 タイマー機能を有する制御回路
V1 入力側電圧
V2 出力側電圧
Claims (3)
- 基準電圧端子に外付けでコンデンサを接続する半導体集積回路において、前記基準電圧端子に接続された基準電圧発生回路と、前記基準電圧端子にスイッチ回路を介して接続される充電回路と、前記スイッチ回路および前記充電回路を制御する制御回路とを備え、
前記コンデンサの充電時には、前記制御回路から前記スイッチ回路を導通にし、且つ、前記充電回路を作動させる第1の制御信号が出力され、前記コンデンサの充電が完了すると、前記制御回路から前記スイッチ回路を非導通にし、且つ、前記充電回路の動作を停止させる第2の制御信号が出力されることを特徴とし、
前記制御回路が、比較機能を有し、前記比較機能によって前記基準電圧発生回路の演算増幅器の入力側電圧と出力側電圧の比較を行い、該比較値が前記コンデンサの充電完了を示す所定値に達していないと前記第1の制御信号を出力し、前記所定値に達すると前記第2の制御信号を出力することを特徴とする半導体集積回路。 - 基準電圧端子に外付けでコンデンサを接続する半導体集積回路において、
基準電圧発生回路と制御回路と充電回路とを備えており、
前記基準電圧発生回路は、増幅回路を備え、前記増幅回路の入力信号は、前記制御回路及び充電回路に対する入力信号と共通の信号であり、
前記制御回路は、前記増幅回路の入力信号および出力信号が入力され、前記充電回路に対して制御信号を出力することで、基準電圧発生回路のみによって前記コンデンサの充電を行うのか、前記基準電圧発生回路と前記充電回路によって前記コンデンサの充電を行うのか、を切り替えることを特徴とする半導体集積回路。 - 前記基準電圧発生器は、基準電位を決定する抵抗分圧回路を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体集積回路。
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