JP3564270B2 - エンジン - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複数種類の推薬流体を夫々噴射して衝突させて燃焼させるロケット用エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のロケット用エンジンとして図4に示す構成のものがある。すなわち、図中1は本体、2は本体1に形成された燃料供給路、3は本体1に形成された酸化剤供給路、4は本体1の先端部の外周に形成された環状の燃料噴射室、5は本体1の先端部の中央に形成された燃料噴射室、6は本体1の先端部において環状の燃料噴射室4と中央の燃料噴射室5との間に形成された環状の酸化剤噴射室、7は本体1に形成され燃料供給路2と環状の燃料噴射室4とを連絡する連絡通路、8は本体1に形成され燃料供給路2と中央の燃料噴射室5とを連絡する連絡通路、9は本体1に形成され酸化剤供給路3と酸化剤噴射室6とを接続する連絡通路、10は環状の燃料噴射室4の開放部に取り付けられ噴射口11が形成された環状の噴射面板、12は中央の燃料噴射室5の開放部に取り付けられ噴射口13が形成された円板状の噴射面板、14は酸化剤噴射室6の開放部に取り付けられ噴射口15a、15bが形成された環状の噴射面板である。なお、本体1の先端部には前方に延びるノズルスカート(図示せず)が設けられている。
【0003】
ここで、各連絡通路7〜9は夫々直線をなして形成されている。本体1の先端部の端面は軸線Oに対して直角な平坦面をなしており、この端面において各噴射室7〜9が開放されている。噴射面板10、12、14はこれら噴射室7〜9と同じ形状をなし、噴射室7〜9の開放部を閉塞して本体1に取り付けられている。すなわち、噴射面板10、12、14は本体1の軸線Oに対して直角な同一平面上に位置している。
【0004】
各噴射面板10、12、14に形成された噴射口11、13、15a、15bは、互いに隣り合う噴射室に取り付けた噴射面板の噴射口から本体1外方へ噴射される燃料と酸化剤とが衝突するように本体1の軸線Oに対して傾斜して形成されている。すなわち、噴射面板10の噴射口11と噴射面板14の噴射口15aとは夫々が噴射する燃料と酸化剤が衝突点Aで衝突するように向きを設定されており、噴射面板14の噴射口15bと噴射面板12の噴射口13とは夫々が噴射する燃料と酸化剤が衝突点Bで衝突するように向きを設定されている。
【0005】
そして、燃料流体は燃料供給路2から連絡通路7、8を通って燃料噴射室4、5に供給され、噴射面板10、12の噴射口11、13から本体1の先端外方の衝突点へ向けて噴射される。また、酸化剤流体は酸化剤供給路3から連絡通路9を通って酸化剤噴射室5へ供給され、噴射面板14の噴射口15a,15bから本体1の先端外方の燃焼点へ向けてへ噴射されてる。噴射された燃料と酸化剤とはスカートで囲まれた本体1の先端外方に燃焼室におけける衝突点で衝突して混合、燃焼され、スカート内で膨張して外方へ噴出されてロケットとしての推力を得ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように構成された従来のロケット用のエンジンには、次に述べる問題がある。
すなわち、本体1の燃料供給路2、酸化剤供給路3からスカートの先端間での距離は、特にエンジンがロケットにおけるサイドスラスタや姿勢制御に使用される場合には極力短くすることが要求される。この場合、ノズルスカートや燃焼室の長さを短くすると効率が低下してしまうために、燃料供給路2、酸化剤供給路3と衝突点や噴射面板との間の距離を短くできれば効率の低下を伴わずに小型化を図ることができる。
【0007】
従来のエンジンでは、燃料供給路2と燃料噴射室4、5とを結ぶ連絡通路7、8および酸化剤供給路3と酸化剤噴射室5とを連絡する連絡通路9が直線をなしている。そこで、燃料供給路2、酸化剤供給路3と衝突点との間の距離L1を短くするためには、連絡通路7、8を本体1の軸線Oに対して傾斜させることになる。ところが、連絡通路の位置によっては、例えば本体1の外周部に位置する連絡通路7をあまり傾斜させると、連絡通路7を加工工具により形成する際に加工工具が本体1の外周部の壁部を突き破って本体1を損傷させることがある。このため、加工工具が本体1の外周部の壁部を突き破らないようにするには連絡通路7をあまり傾倒して加工することができない。従って、このような連絡通路の加工上の制約から連絡通路7をあまり傾倒させて燃料供給路2、酸化剤供給路3と衝突点A,Bとの間の距離を短くすることができず、この結果燃料供給路2、酸化剤供給路3と衝突点との間の距離が長くなっていた。
【0008】
また、従来のエンジンでは、噴射室7、8、9の開放部を閉塞する噴射面板10、12、14は本体1の軸線Oに対して直角な同一面上に位置している。そして、噴射面板10、12、14では、互いに隣り合う噴射室に取り付けた噴射面板の噴射口から噴射される燃料と酸化剤とが衝突するように、各噴射口を本体1の軸線Oに対して傾斜して形成している。このため、噴射された燃料と酸化剤とが衝突する衝突点を確保するために噴射室の数を多く設定している。例えば衝突点A,Bを確保するために3個の噴射室7、8、9を設けている。従って、本体1では多くの噴射室を形成するために軸線Oに対して直角な方向の長さが大きくなっていた。
【0009】
このように従来は本体1が大きくエンジン全体が大型であるという問題点があった。
本発明は前記事情に基づいてなされたものので、小型なロケット用エンジンを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明のエンジンは、複数種類の推薬流体を夫々噴射して衝突させて燃焼させるエンジンにおいて、本体と、この本体に設けられ夫々異なった推薬流体を流す複数の供給路と、前記本体に前記複数の供給路に個別に対応して設けられ且つ夫々が推薬流体を外部へ噴射して衝突させる噴射口を形成した噴射面部を有する複数の噴射室と、前記本体に設けられ前記複数の供給路とこれに対応する前記複数の噴射室とを接続する複数の連絡通路とを具備し、この複数の連絡通路のうち少なくとも一部のものが湾曲していることを特徴とする。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のエンジンにおいて、異なった種類の推薬流体を噴射する前記各噴射室の噴射面は、噴射口から噴射された推薬流体が互いに衝突する向きに傾斜して対向していることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態について図1および図2を参照して説明する。
図1はエンジンを示す一部切欠斜視図、図2(a)はエンジンの本体を示す断面図、図2(b)はエンジンの本体を先端から見た端面図である。
【0013】
図において21は例えば円柱形をなす本体、22は本体21の先端部には前方に延びるスカート22が設けられており、スカート22の基端部は本体21の先端前方に位置する燃焼室23が形成されている。本体21の一側部には燃料供給路24が形成されており、この燃料供給路24は図示しない燃料供給源に接続された燃料供給管25が接続されている。本体21の他側部には酸化剤供給路26が形成されており、この酸化剤供給路26には図示しない酸化剤供給源に接続された酸化剤供給管27が接続されている。
【0014】
本体21の一端部の中央部には本体21の軸線Oに沿う円柱形の中央突起部28が形成されており、本体21の一端部の外周部には中央突起部28を中心として描かれる円形をなし且つ所定高さで本体21の軸線Oに沿う周縁環部29が円周方向全体にわたり形成されており、これら中央突起部28周縁環部29とは本体21の軸方向に沿う長さが同じ大きさである。また、本体21の一端部には、周縁環部29と中央突起部28との間の中間に位置して中央突起部28を中心として周縁環部29と同心円を描く低仕切り環部30が形成されている。この低仕切り環部30は中央突起部28と周縁環部29に比較して本体21の軸線Oに沿う高さが小さくなっている。
【0015】
これにより本体21の一端部では、周縁環部29と低仕切り環部30とに挟まれた部分に中央突起部28を中心として描かれる円形をなすとともに本体21の一端面側で開放する環状凹部が形成され、この環状凹部によって燃料噴射室31が形成される。また、本体21の一端部では、中央突起部28と低仕切り環部30とに挟まれた部分に中央突起部28を中心として描かれる円形をなすとともに本体21の一端面側で開放する環状凹部が形成され、この環状凹部によって酸化剤噴射室32が形成される。つまり、2個の噴射室21、32が構成される。
【0016】
本体21の内部には燃料供給路24と燃料噴射室31とを連絡する連絡通路33が形成されている。この連絡通路33は燃料供給路24と燃料噴射室31とを結ぶ部分が湾曲状をなすものである。すなわち、連絡通路33は例えば中央突起部28の先端を中心として燃料噴射室31と直交する方向に沿って描かれる円の一部をなす湾曲で形成されている。連絡通路33は燃料噴射室31の位置の関係上本体21の外周部に位置している。ここで、連絡通路33を湾曲状に形成するのは、燃料供給路24と燃料噴射室31とを連絡しながら、燃料供給路24と燃料噴射室31との間(燃料供給路24と衝突点A、Bとの間)の距離L2を短くするためである。連絡通路33の湾曲は、燃料供給路24と燃料噴射室31との間の距離を短くすることと、連絡通路33の加工が容易で且つ加工時に本体21の外周部を突き破ることがないように局率半径の大きさを設定する。なお、この湾曲した連絡通路33は例えば円弧状の電極を揺動させながら行う放電加工により容易に形成することができる。すなわち、湾曲した連絡通路33は本体21の外周部にあっても、加工時に連絡通路が直線の場合のように加工工具が本体21の外周部壁部を破ることなく形成することができる。本体21の内部には酸化剤供給路26と酸化剤噴射室32とを結ぶ連絡通路34が形成されている。この連絡通路34は例えば直線をなすものである。
【0017】
円環状をなす燃料噴射室31の開放部は、周縁環部29と低仕切り環部30との高さの相違により、低仕切り環部30(内周側)から周縁環部29(外周側)にかけて本体先端前方に向くように本体21の軸線Oに対して傾斜している。円環状をなす燃料噴射室31の開放部には円環状をなす噴射面板35が配置され、例えば溶接により固定されて開放部を閉塞している。噴射面板35は燃料噴射室31の開放部と対応する外径および内径を有するとともに燃料噴射室31の開放部と同じ傾斜した断面をなしている。噴射面板35の外周部には複数の噴射口36aが円周方向に並べて形成されており、内周部には複数の噴射口36bが円周方向に並べて形成されている。噴射口36aは本体21先端前方における燃料と酸化剤との衝突点Aに向けて燃料を噴射するものであり、噴射口36bは本体先端前方における燃料と酸化剤との衝突点Bに向けて燃料を噴射するものである。なお、噴射口36aと噴射口36bは本体半径方向において千鳥状に配置されている。
【0018】
円環状をなす酸化剤噴射室32の開放部は、中央突起部28と低仕切り環部30との高さの相違により、低仕切り環部30(外周側)から中央突起部28(内周側)にかけて本体先端前方に向くように本体21の軸線Oに対して傾斜している。円環状をなす酸化剤噴射室32の開放部には円環状をなす噴射面板37が配置され、例えば溶接により固定されて開放部を閉塞している。噴射面板37は酸化剤噴射室32の開放部と対応した外径および内径を有するとともに酸化剤噴射室32の開放部と同じ傾斜した断面をなしている。噴射面板37の外周部には複数の噴射口38aが円周方向に並べて形成されており、内周部には複数の噴射口38bが円周方向に並べて形成されている。噴射口38aは本体先端前方における燃料と酸化剤との衝突点Aに向けて燃料を噴射するものであり、噴射口38bは本体先端前方における燃料と酸化剤との衝突点Bに向けて燃料を噴射するものである。噴射口38aと噴射口38bは本体半径方向において千鳥状に配置されている。
【0019】
このようにして酸化剤噴射室32の噴射面板35と酸化剤噴射室32の噴射面板37は互いに隣接する部分が低くなるように傾斜して互いに向き合っている。そして、噴射面板35と噴射面板37に夫々2個づつ噴射口36a、36b、38a、38bを形成することにより、噴射面板35と噴射面板37に対向する本体前方空間の燃焼室23に2個の燃料と酸化剤との衝突点A、Bを形成することができる。
【0020】
そして、この構成のエンジンでは、燃料流体(推薬流体)は燃料供給管25および燃料供給路24から連絡通路33を通って燃料噴射室31に供給され、噴射面板35の噴射口36a、36bから本体21の先端前方の燃焼室23における燃焼点A、Bへ向けて噴射される。また、酸化剤流体(推薬流体)は酸化剤供給管27および酸化剤供給路26から連絡通路34を通って酸化剤噴射室32へ供給され、噴射面板37の噴射口38a、38bから本体21の先端前方における衝突点A、Bへ向けてへ噴射される。噴射された燃料と酸化剤とはスカート22で囲まれた本体21の先端前方の燃焼室23におけける衝突点で衝突して混合、燃焼され、スカート22内で膨張して噴出される。
【0021】
この構成のエンジンでは、本体1において燃料供給路24と燃料噴射室31とを結ぶ連絡通路33を湾曲に形成して連絡通路33を傾倒することにより、燃料供給路24と燃料噴射室31との間の距離、すなわち燃料供給路24と衝突点A、Bとの間の距離L2を短くすることができる。そして、連絡通路33を湾曲にすることにより本体1において連絡通路33を形成する加工を行う場合に、加工工具で本体21の外周部の壁部を突き破ることがない。このため、連絡通路33を(本体21の壁部を突き破ることがないようにするという)加工上の制約を受けずに傾倒させることができ、燃料供給路24と衝突点A、Bとの間の距離L2を短くすることができる。
【0022】
この実施の形態では、本体1の外周部に位置する連絡通路33を湾曲形状にしたが、これに限定されずに酸化剤供給路26と酸化剤噴射室32とを結ぶ連絡通路34を湾曲にしても同様な効果を得ることができる。
【0023】
また、この構成のエンジンでは、燃料噴射室31および酸化剤噴射室32における噴射面板35、37を互いに傾斜して向き合うように設けているために、燃焼室として燃料噴射室31および酸化剤噴射室32を夫々1個づつ設けるだけで2組の衝突点A、Bを形成することができる。このため、噴射された燃料と酸化剤とが衝突する衝突点を確保するため噴射室の数が少なく、本体21における軸線Oに対して直角な方向の長さを短くすることができる。そして、衝突点の分布を狭めることがない。このような構成とすることにより噴射面板35、37と2組の衝突点A、Bとの間の距離、噴射面板35、37の直径の大型化を阻止できる。
【0024】
なお、この実施の形態では噴射面板を用いて噴射室の噴射面部を形成しているが、これに限定されず本体に直接噴射面を形成して噴射面部としても良い。
特にこの実施の形態では、連絡通路を湾曲にすることと、噴射室の噴射面を傾斜して向き合わせることを組合せて本体21を小型にする上で大きな効果を得ている。
【0025】
本発明の第2実施の形態について図3を参照して説明する。
この実施の形態は燃料供給路24と燃料噴射室31とを結ぶ連絡通路33を湾曲に形成したものである。図3(a)はエンジンの本体を示す断面図、図3(b)はエンジンの本体を先端から見た端面図である。図3において図2と同じ部分は同じ符号を付して示している。
【0026】
図3において51は本体21の先端部の外周に形成された環状の燃料噴射室、52は本体21の先端部の中央に形成された燃料噴射室、53は本体21の先端部において環状の燃料噴射室51と中央の燃料噴射室52との間に形成された環状の酸化剤噴射室、54は本体21に形成され燃料供給路24と環状の燃料噴射室51とを連絡する連絡通路、55は本体21に形成され燃料供給路24と中央の燃料噴射室52とを連絡する連絡通路、56は本体21に形成され酸化剤供給路25と酸化剤噴射室53とを接続する連絡通路である。ここで、連絡通路54は湾曲をなしている。連絡通路55、56は直線をなしている。
【0027】
57は環状の燃料噴射室51の開放部に取り付けられ噴射口58が形成された噴射面板、59は中央の燃料噴射室52の開放部に取り付けられ噴射口60が形成された噴射面板、61は酸化剤噴射室53の開放部に取り付けられ噴射口62a、62bが形成された噴射面板である。
【0028】
本体21の先端部の端面は軸線Oに対して直角な平坦面をなしており、噴射面板57、59、61はこれら噴射室51〜53と同じ形状をなし、噴射室の開放部を閉塞して本体1に取り付けられ、本体21の軸線Oに対して直角な同一面上に位置している。噴射面板57の噴射口58と噴射面板61の噴射口62aは夫々が噴射する燃料と酸化剤が衝突点Aで衝突するように向きを設定されており、噴射面板61の噴射口62bと噴射面板59の噴射口60は夫々が噴射する燃料と酸化剤が衝突点Bで衝突するように向きを設定されている。
【0029】
この構成のエンジンでは、本体1において燃料供給路24と燃料噴射室51とを結ぶ連絡通路54を湾曲に形成して連絡通路を傾倒することにより、燃料供給路24と衝突点A、Bとの間の距離L3を短くすることができる。そして、連絡通路54を湾曲にすることにより本体21において連絡通路54を形成する加工を行う場合に、加工工具で本体21の外周部の壁部を突き破ることがない。このため、連絡通路54を加工上の制約を受けずに傾倒させることができ、燃料供給路24と衝突点A、Bとの間の距離L3を短くすることができる。
なお、本発明は前述したように本発明は前述した実施の形態に限定されずに、種々変形して実施することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、供給路と噴射室とを結ぶ連絡通路を湾曲に形成して連絡通路を傾倒することにより、供給路と衝突点との間の距離を短くすることができ、且つ連絡通路を形成する加工を行う場合に加工工具で本体の壁部を突き破ることがないので、連絡通路を加工上の制約を受けずに傾倒させて供給路と衝突点との間の距離を短くすることができる。
【0031】
また、燃料噴射室の噴射面と酸化剤噴射室の噴射面を互いに傾斜して向き合せているために、噴射された燃料と酸化剤とが衝突する衝突点を確保するための噴射室の数が少なく、本体における軸線に対して直角な方向の長さを短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるエンジンを示す一部切欠斜視図。
【図2】同実施の形態のエンジンにおける本体を示す図。
【図3】第2の実施の形態のエンジンにおける本体を示す図。
【図4】従来の形態のエンジンにおける本体を示す図。
【符号の説明】
21…本体、
22…スカート、
24…燃焼供給路、
26…酸化剤供給路、
31…燃料噴射室、
32…酸化剤噴射室、
33…連絡通路、
34…連絡通路、
35…噴射面板、
36a…噴射口、
36b…噴射口、
37…噴射面板、
38a…噴射口、
38b…噴射口。
【発明の属する技術分野】
本発明は複数種類の推薬流体を夫々噴射して衝突させて燃焼させるロケット用エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のロケット用エンジンとして図4に示す構成のものがある。すなわち、図中1は本体、2は本体1に形成された燃料供給路、3は本体1に形成された酸化剤供給路、4は本体1の先端部の外周に形成された環状の燃料噴射室、5は本体1の先端部の中央に形成された燃料噴射室、6は本体1の先端部において環状の燃料噴射室4と中央の燃料噴射室5との間に形成された環状の酸化剤噴射室、7は本体1に形成され燃料供給路2と環状の燃料噴射室4とを連絡する連絡通路、8は本体1に形成され燃料供給路2と中央の燃料噴射室5とを連絡する連絡通路、9は本体1に形成され酸化剤供給路3と酸化剤噴射室6とを接続する連絡通路、10は環状の燃料噴射室4の開放部に取り付けられ噴射口11が形成された環状の噴射面板、12は中央の燃料噴射室5の開放部に取り付けられ噴射口13が形成された円板状の噴射面板、14は酸化剤噴射室6の開放部に取り付けられ噴射口15a、15bが形成された環状の噴射面板である。なお、本体1の先端部には前方に延びるノズルスカート(図示せず)が設けられている。
【0003】
ここで、各連絡通路7〜9は夫々直線をなして形成されている。本体1の先端部の端面は軸線Oに対して直角な平坦面をなしており、この端面において各噴射室7〜9が開放されている。噴射面板10、12、14はこれら噴射室7〜9と同じ形状をなし、噴射室7〜9の開放部を閉塞して本体1に取り付けられている。すなわち、噴射面板10、12、14は本体1の軸線Oに対して直角な同一平面上に位置している。
【0004】
各噴射面板10、12、14に形成された噴射口11、13、15a、15bは、互いに隣り合う噴射室に取り付けた噴射面板の噴射口から本体1外方へ噴射される燃料と酸化剤とが衝突するように本体1の軸線Oに対して傾斜して形成されている。すなわち、噴射面板10の噴射口11と噴射面板14の噴射口15aとは夫々が噴射する燃料と酸化剤が衝突点Aで衝突するように向きを設定されており、噴射面板14の噴射口15bと噴射面板12の噴射口13とは夫々が噴射する燃料と酸化剤が衝突点Bで衝突するように向きを設定されている。
【0005】
そして、燃料流体は燃料供給路2から連絡通路7、8を通って燃料噴射室4、5に供給され、噴射面板10、12の噴射口11、13から本体1の先端外方の衝突点へ向けて噴射される。また、酸化剤流体は酸化剤供給路3から連絡通路9を通って酸化剤噴射室5へ供給され、噴射面板14の噴射口15a,15bから本体1の先端外方の燃焼点へ向けてへ噴射されてる。噴射された燃料と酸化剤とはスカートで囲まれた本体1の先端外方に燃焼室におけける衝突点で衝突して混合、燃焼され、スカート内で膨張して外方へ噴出されてロケットとしての推力を得ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように構成された従来のロケット用のエンジンには、次に述べる問題がある。
すなわち、本体1の燃料供給路2、酸化剤供給路3からスカートの先端間での距離は、特にエンジンがロケットにおけるサイドスラスタや姿勢制御に使用される場合には極力短くすることが要求される。この場合、ノズルスカートや燃焼室の長さを短くすると効率が低下してしまうために、燃料供給路2、酸化剤供給路3と衝突点や噴射面板との間の距離を短くできれば効率の低下を伴わずに小型化を図ることができる。
【0007】
従来のエンジンでは、燃料供給路2と燃料噴射室4、5とを結ぶ連絡通路7、8および酸化剤供給路3と酸化剤噴射室5とを連絡する連絡通路9が直線をなしている。そこで、燃料供給路2、酸化剤供給路3と衝突点との間の距離L1を短くするためには、連絡通路7、8を本体1の軸線Oに対して傾斜させることになる。ところが、連絡通路の位置によっては、例えば本体1の外周部に位置する連絡通路7をあまり傾斜させると、連絡通路7を加工工具により形成する際に加工工具が本体1の外周部の壁部を突き破って本体1を損傷させることがある。このため、加工工具が本体1の外周部の壁部を突き破らないようにするには連絡通路7をあまり傾倒して加工することができない。従って、このような連絡通路の加工上の制約から連絡通路7をあまり傾倒させて燃料供給路2、酸化剤供給路3と衝突点A,Bとの間の距離を短くすることができず、この結果燃料供給路2、酸化剤供給路3と衝突点との間の距離が長くなっていた。
【0008】
また、従来のエンジンでは、噴射室7、8、9の開放部を閉塞する噴射面板10、12、14は本体1の軸線Oに対して直角な同一面上に位置している。そして、噴射面板10、12、14では、互いに隣り合う噴射室に取り付けた噴射面板の噴射口から噴射される燃料と酸化剤とが衝突するように、各噴射口を本体1の軸線Oに対して傾斜して形成している。このため、噴射された燃料と酸化剤とが衝突する衝突点を確保するために噴射室の数を多く設定している。例えば衝突点A,Bを確保するために3個の噴射室7、8、9を設けている。従って、本体1では多くの噴射室を形成するために軸線Oに対して直角な方向の長さが大きくなっていた。
【0009】
このように従来は本体1が大きくエンジン全体が大型であるという問題点があった。
本発明は前記事情に基づいてなされたものので、小型なロケット用エンジンを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明のエンジンは、複数種類の推薬流体を夫々噴射して衝突させて燃焼させるエンジンにおいて、本体と、この本体に設けられ夫々異なった推薬流体を流す複数の供給路と、前記本体に前記複数の供給路に個別に対応して設けられ且つ夫々が推薬流体を外部へ噴射して衝突させる噴射口を形成した噴射面部を有する複数の噴射室と、前記本体に設けられ前記複数の供給路とこれに対応する前記複数の噴射室とを接続する複数の連絡通路とを具備し、この複数の連絡通路のうち少なくとも一部のものが湾曲していることを特徴とする。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のエンジンにおいて、異なった種類の推薬流体を噴射する前記各噴射室の噴射面は、噴射口から噴射された推薬流体が互いに衝突する向きに傾斜して対向していることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の実施の形態について図1および図2を参照して説明する。
図1はエンジンを示す一部切欠斜視図、図2(a)はエンジンの本体を示す断面図、図2(b)はエンジンの本体を先端から見た端面図である。
【0013】
図において21は例えば円柱形をなす本体、22は本体21の先端部には前方に延びるスカート22が設けられており、スカート22の基端部は本体21の先端前方に位置する燃焼室23が形成されている。本体21の一側部には燃料供給路24が形成されており、この燃料供給路24は図示しない燃料供給源に接続された燃料供給管25が接続されている。本体21の他側部には酸化剤供給路26が形成されており、この酸化剤供給路26には図示しない酸化剤供給源に接続された酸化剤供給管27が接続されている。
【0014】
本体21の一端部の中央部には本体21の軸線Oに沿う円柱形の中央突起部28が形成されており、本体21の一端部の外周部には中央突起部28を中心として描かれる円形をなし且つ所定高さで本体21の軸線Oに沿う周縁環部29が円周方向全体にわたり形成されており、これら中央突起部28周縁環部29とは本体21の軸方向に沿う長さが同じ大きさである。また、本体21の一端部には、周縁環部29と中央突起部28との間の中間に位置して中央突起部28を中心として周縁環部29と同心円を描く低仕切り環部30が形成されている。この低仕切り環部30は中央突起部28と周縁環部29に比較して本体21の軸線Oに沿う高さが小さくなっている。
【0015】
これにより本体21の一端部では、周縁環部29と低仕切り環部30とに挟まれた部分に中央突起部28を中心として描かれる円形をなすとともに本体21の一端面側で開放する環状凹部が形成され、この環状凹部によって燃料噴射室31が形成される。また、本体21の一端部では、中央突起部28と低仕切り環部30とに挟まれた部分に中央突起部28を中心として描かれる円形をなすとともに本体21の一端面側で開放する環状凹部が形成され、この環状凹部によって酸化剤噴射室32が形成される。つまり、2個の噴射室21、32が構成される。
【0016】
本体21の内部には燃料供給路24と燃料噴射室31とを連絡する連絡通路33が形成されている。この連絡通路33は燃料供給路24と燃料噴射室31とを結ぶ部分が湾曲状をなすものである。すなわち、連絡通路33は例えば中央突起部28の先端を中心として燃料噴射室31と直交する方向に沿って描かれる円の一部をなす湾曲で形成されている。連絡通路33は燃料噴射室31の位置の関係上本体21の外周部に位置している。ここで、連絡通路33を湾曲状に形成するのは、燃料供給路24と燃料噴射室31とを連絡しながら、燃料供給路24と燃料噴射室31との間(燃料供給路24と衝突点A、Bとの間)の距離L2を短くするためである。連絡通路33の湾曲は、燃料供給路24と燃料噴射室31との間の距離を短くすることと、連絡通路33の加工が容易で且つ加工時に本体21の外周部を突き破ることがないように局率半径の大きさを設定する。なお、この湾曲した連絡通路33は例えば円弧状の電極を揺動させながら行う放電加工により容易に形成することができる。すなわち、湾曲した連絡通路33は本体21の外周部にあっても、加工時に連絡通路が直線の場合のように加工工具が本体21の外周部壁部を破ることなく形成することができる。本体21の内部には酸化剤供給路26と酸化剤噴射室32とを結ぶ連絡通路34が形成されている。この連絡通路34は例えば直線をなすものである。
【0017】
円環状をなす燃料噴射室31の開放部は、周縁環部29と低仕切り環部30との高さの相違により、低仕切り環部30(内周側)から周縁環部29(外周側)にかけて本体先端前方に向くように本体21の軸線Oに対して傾斜している。円環状をなす燃料噴射室31の開放部には円環状をなす噴射面板35が配置され、例えば溶接により固定されて開放部を閉塞している。噴射面板35は燃料噴射室31の開放部と対応する外径および内径を有するとともに燃料噴射室31の開放部と同じ傾斜した断面をなしている。噴射面板35の外周部には複数の噴射口36aが円周方向に並べて形成されており、内周部には複数の噴射口36bが円周方向に並べて形成されている。噴射口36aは本体21先端前方における燃料と酸化剤との衝突点Aに向けて燃料を噴射するものであり、噴射口36bは本体先端前方における燃料と酸化剤との衝突点Bに向けて燃料を噴射するものである。なお、噴射口36aと噴射口36bは本体半径方向において千鳥状に配置されている。
【0018】
円環状をなす酸化剤噴射室32の開放部は、中央突起部28と低仕切り環部30との高さの相違により、低仕切り環部30(外周側)から中央突起部28(内周側)にかけて本体先端前方に向くように本体21の軸線Oに対して傾斜している。円環状をなす酸化剤噴射室32の開放部には円環状をなす噴射面板37が配置され、例えば溶接により固定されて開放部を閉塞している。噴射面板37は酸化剤噴射室32の開放部と対応した外径および内径を有するとともに酸化剤噴射室32の開放部と同じ傾斜した断面をなしている。噴射面板37の外周部には複数の噴射口38aが円周方向に並べて形成されており、内周部には複数の噴射口38bが円周方向に並べて形成されている。噴射口38aは本体先端前方における燃料と酸化剤との衝突点Aに向けて燃料を噴射するものであり、噴射口38bは本体先端前方における燃料と酸化剤との衝突点Bに向けて燃料を噴射するものである。噴射口38aと噴射口38bは本体半径方向において千鳥状に配置されている。
【0019】
このようにして酸化剤噴射室32の噴射面板35と酸化剤噴射室32の噴射面板37は互いに隣接する部分が低くなるように傾斜して互いに向き合っている。そして、噴射面板35と噴射面板37に夫々2個づつ噴射口36a、36b、38a、38bを形成することにより、噴射面板35と噴射面板37に対向する本体前方空間の燃焼室23に2個の燃料と酸化剤との衝突点A、Bを形成することができる。
【0020】
そして、この構成のエンジンでは、燃料流体(推薬流体)は燃料供給管25および燃料供給路24から連絡通路33を通って燃料噴射室31に供給され、噴射面板35の噴射口36a、36bから本体21の先端前方の燃焼室23における燃焼点A、Bへ向けて噴射される。また、酸化剤流体(推薬流体)は酸化剤供給管27および酸化剤供給路26から連絡通路34を通って酸化剤噴射室32へ供給され、噴射面板37の噴射口38a、38bから本体21の先端前方における衝突点A、Bへ向けてへ噴射される。噴射された燃料と酸化剤とはスカート22で囲まれた本体21の先端前方の燃焼室23におけける衝突点で衝突して混合、燃焼され、スカート22内で膨張して噴出される。
【0021】
この構成のエンジンでは、本体1において燃料供給路24と燃料噴射室31とを結ぶ連絡通路33を湾曲に形成して連絡通路33を傾倒することにより、燃料供給路24と燃料噴射室31との間の距離、すなわち燃料供給路24と衝突点A、Bとの間の距離L2を短くすることができる。そして、連絡通路33を湾曲にすることにより本体1において連絡通路33を形成する加工を行う場合に、加工工具で本体21の外周部の壁部を突き破ることがない。このため、連絡通路33を(本体21の壁部を突き破ることがないようにするという)加工上の制約を受けずに傾倒させることができ、燃料供給路24と衝突点A、Bとの間の距離L2を短くすることができる。
【0022】
この実施の形態では、本体1の外周部に位置する連絡通路33を湾曲形状にしたが、これに限定されずに酸化剤供給路26と酸化剤噴射室32とを結ぶ連絡通路34を湾曲にしても同様な効果を得ることができる。
【0023】
また、この構成のエンジンでは、燃料噴射室31および酸化剤噴射室32における噴射面板35、37を互いに傾斜して向き合うように設けているために、燃焼室として燃料噴射室31および酸化剤噴射室32を夫々1個づつ設けるだけで2組の衝突点A、Bを形成することができる。このため、噴射された燃料と酸化剤とが衝突する衝突点を確保するため噴射室の数が少なく、本体21における軸線Oに対して直角な方向の長さを短くすることができる。そして、衝突点の分布を狭めることがない。このような構成とすることにより噴射面板35、37と2組の衝突点A、Bとの間の距離、噴射面板35、37の直径の大型化を阻止できる。
【0024】
なお、この実施の形態では噴射面板を用いて噴射室の噴射面部を形成しているが、これに限定されず本体に直接噴射面を形成して噴射面部としても良い。
特にこの実施の形態では、連絡通路を湾曲にすることと、噴射室の噴射面を傾斜して向き合わせることを組合せて本体21を小型にする上で大きな効果を得ている。
【0025】
本発明の第2実施の形態について図3を参照して説明する。
この実施の形態は燃料供給路24と燃料噴射室31とを結ぶ連絡通路33を湾曲に形成したものである。図3(a)はエンジンの本体を示す断面図、図3(b)はエンジンの本体を先端から見た端面図である。図3において図2と同じ部分は同じ符号を付して示している。
【0026】
図3において51は本体21の先端部の外周に形成された環状の燃料噴射室、52は本体21の先端部の中央に形成された燃料噴射室、53は本体21の先端部において環状の燃料噴射室51と中央の燃料噴射室52との間に形成された環状の酸化剤噴射室、54は本体21に形成され燃料供給路24と環状の燃料噴射室51とを連絡する連絡通路、55は本体21に形成され燃料供給路24と中央の燃料噴射室52とを連絡する連絡通路、56は本体21に形成され酸化剤供給路25と酸化剤噴射室53とを接続する連絡通路である。ここで、連絡通路54は湾曲をなしている。連絡通路55、56は直線をなしている。
【0027】
57は環状の燃料噴射室51の開放部に取り付けられ噴射口58が形成された噴射面板、59は中央の燃料噴射室52の開放部に取り付けられ噴射口60が形成された噴射面板、61は酸化剤噴射室53の開放部に取り付けられ噴射口62a、62bが形成された噴射面板である。
【0028】
本体21の先端部の端面は軸線Oに対して直角な平坦面をなしており、噴射面板57、59、61はこれら噴射室51〜53と同じ形状をなし、噴射室の開放部を閉塞して本体1に取り付けられ、本体21の軸線Oに対して直角な同一面上に位置している。噴射面板57の噴射口58と噴射面板61の噴射口62aは夫々が噴射する燃料と酸化剤が衝突点Aで衝突するように向きを設定されており、噴射面板61の噴射口62bと噴射面板59の噴射口60は夫々が噴射する燃料と酸化剤が衝突点Bで衝突するように向きを設定されている。
【0029】
この構成のエンジンでは、本体1において燃料供給路24と燃料噴射室51とを結ぶ連絡通路54を湾曲に形成して連絡通路を傾倒することにより、燃料供給路24と衝突点A、Bとの間の距離L3を短くすることができる。そして、連絡通路54を湾曲にすることにより本体21において連絡通路54を形成する加工を行う場合に、加工工具で本体21の外周部の壁部を突き破ることがない。このため、連絡通路54を加工上の制約を受けずに傾倒させることができ、燃料供給路24と衝突点A、Bとの間の距離L3を短くすることができる。
なお、本発明は前述したように本発明は前述した実施の形態に限定されずに、種々変形して実施することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、供給路と噴射室とを結ぶ連絡通路を湾曲に形成して連絡通路を傾倒することにより、供給路と衝突点との間の距離を短くすることができ、且つ連絡通路を形成する加工を行う場合に加工工具で本体の壁部を突き破ることがないので、連絡通路を加工上の制約を受けずに傾倒させて供給路と衝突点との間の距離を短くすることができる。
【0031】
また、燃料噴射室の噴射面と酸化剤噴射室の噴射面を互いに傾斜して向き合せているために、噴射された燃料と酸化剤とが衝突する衝突点を確保するための噴射室の数が少なく、本体における軸線に対して直角な方向の長さを短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるエンジンを示す一部切欠斜視図。
【図2】同実施の形態のエンジンにおける本体を示す図。
【図3】第2の実施の形態のエンジンにおける本体を示す図。
【図4】従来の形態のエンジンにおける本体を示す図。
【符号の説明】
21…本体、
22…スカート、
24…燃焼供給路、
26…酸化剤供給路、
31…燃料噴射室、
32…酸化剤噴射室、
33…連絡通路、
34…連絡通路、
35…噴射面板、
36a…噴射口、
36b…噴射口、
37…噴射面板、
38a…噴射口、
38b…噴射口。
Claims (2)
- 複数種類の推薬流体を夫々噴射して衝突させて燃焼させるエンジンにおいて、本体と、この本体に設けられ夫々異なった推薬流体を流す複数の供給路と、前記本体に前記複数の供給路に個別に対応して設けられ且つ夫々が推薬流体を外部へ噴射して衝突させる噴射口を形成した噴射面部を有する複数の噴射室と、前記本体に設けられ前記複数の供給路とこれに対応する前記複数の噴射室とを接続する複数の連絡通路とを具備し、この複数の連絡通路のうち少なくとも一部のものが湾曲していることを特徴とするエンジン。
- 異なった種類の推薬流体を噴射する前記各噴射室の噴射面は、噴射口から噴射された推薬流体が互いに衝突する向きに傾斜して対向していることを特徴とする請求項1に記載のエンジン。
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