JP3564180B2 - 固体高分子型燃料電池電源温度調整システム - Google Patents

固体高分子型燃料電池電源温度調整システム Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、固体高分子型燃料電池より排出される電池冷却水を循環利用する際の固体高分子型燃料電池の電源温度調整システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子型燃料電池電源システムの一例を図2に示す。
図2中、符号01は燃料電池本体、02は水素ボンベ、03は水素加湿器、04は酸素ボンベ、05は酸素加湿器、06は酸素圧力調節弁、07は水素圧力調節弁、08は減温装置、09は水素側加湿水量調整弁、010は酸素側加湿水量調整弁、011は純水タンク、012は純水ポンプを各々図示する。
同図に示すように、燃料となる水素(H)は水素ボンベ02から供給され、水素圧力調節弁07で調圧後、水素加湿器03に導入されている。
【0003】
ここで、燃料電池本体01より温水となって排出された冷却水の一部を用いて水素加湿器03で水素は加湿され、その後加湿水素は、燃料電池本体01に導入されるようになっている。
【0004】
酸素も水素と同様、酸素ボンベ04より供給され、酸素圧力調節弁06で調圧後、酸素加湿器05に導入されている。
ここで、燃料電池本体01より温水となって排出された冷却水の一部を用いて酸素加湿器05で、酸素は加湿され、その後加湿酸素は、燃料電池本体01に導入されるようになっている。
【0005】
電池冷却水となる純水は純水タンク011に蓄えられており、純水ポンプ012を利用して燃料電池本体01に供給し、循環するようになっている。
この時、電池廃熱回収し温度上昇した純水は、減温装置08でもとの温度に減温されるようになっている。
通常、陸上で使用する際には、該減温装置08を通じて大気にその熱を放散させることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した図2に示す従来の固体高分子燃料電池電源システムを、例えば自立型無人潜水機及び有人基地等の動力源・動力システムとして水中で用いる場合、以下のような問題がある。
燃料電池本体外に排出される電池冷却水は、電池の発電電力にほぼ等しい熱量を保有しており、陸上で使用する場合、例えばラジエータ等の減温装置08で自由に大気にその熱を放散させることが可能であるが、水中量独立電源、或いは水中移動体の電源装置として水中で利用しようとする場合、このままの本システムを容器等に収納し、そのまま水中に沈めては、収納された容器内の系に熱が蓄積され、系の温度上昇を招き発電運転不能に陥ることとなるという問題がある。
【0007】
また、電池冷却水は循環利用されるため、燃料電池本体に導入する前に熱を放散処理し、所定の入口温度となるように温度調整する手段が必要となる。
【0008】
本発明は上記問題に鑑み、効率良くシステム系外に電池廃熱を放散させることができ、システム全体の温度上昇を防ぎ、安定して連続発電運転が持続できるようにした固体高分子型燃料電池電源温度調整システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成する本発明に係る固体高分子型燃料電池電源システムは、固体高分子型燃料電池電源システムを水中において使用するに際し、電池発電反応により温水となって排出された電池冷却水の一部を、システムを収納する密閉容器外に導き、該電池冷却水の保有する電池排熱を系周囲の水を冷却媒体として電池排熱を放出させ、再び系内に戻して系外に導かれなかった電池冷却水と混合させ、電池本体に再循環導入される電池冷却水温度を調整することを特徴とする。
【0010】
【作用】
本システムを水中用独立電源、或いは水中移動体の電源装置として水中で利用しようとする場合、燃焼電池本体外に温水となって排出された電池冷却水の一部を、システムを収納した系(例えば密閉容器等)の外部水中に導き、その電池冷却水の保有する電池排熱を系周囲の水に放散させることにより、膨大な電池排熱を効率よくシステム系外に排出することができると共に、系外に導かれなかった電池冷却水と混合させることで、燃料電池本体に再循環される電池冷却水の温度調整を容易とし、システム全体の温度を安定化させ、燃料電池本体、システム全体の温度の上昇を防ぎ、安定して連続運転を持続出来るようにした。
【0011】
【実施例】
以下、本発明の好適な一実施例を説明する。
【0012】
図1は本実施例に係る固体高分子電解質燃料電池の温度制御・加湿システムの系統図を示す。同図中、符号11は燃料電池本体、12は水素ボンベ、13は水素加湿器、14は酸素ボンベ、15は酸素加湿器、16は酸素圧力調節弁、17は水素圧力調節弁、19は水素側加湿水量調整弁、20は酸素側加湿水量調整弁、21は純水タンク、22は純水ポンプ、23は放熱器、24は密閉容器、25は流量調圧弁、26は電池冷却水バイパスライン、27は温度検知器及び28は制御装置を各々図示する。
同図に示すように、本実施例では、固体高分子型燃料電池電源システムを水中において使用するに際し、燃料電池本体11での電池発電反応により温水となって排出された電池冷却水の一部をシステムを収納する密閉容器24外に導き、該電池冷却水の保有する電池排熱を系周囲の水を冷却媒体として放熱器23を介して該電池排熱を放散させた後、再び系内に戻し、さらに系外に導かれずに電池冷却水バイパスライン26を通過した電池冷却水と燃料電池11の所望入口側温度となるように制御装置28を介して制御しつつ混合させ、電池本体11に再循環導入される電池冷却水温度を調整するようにしている。
【0013】
ここで、本実施例では水素ボンベ12、酸素ボンベ13及び放熱器23以外はすべて耐圧性の密閉容器24内に収納されており、水中には水素ボンベ12、酸素ボンベ13及び該密閉容器24が各々沈められている。
【0014】
燃料となる水素は水中に独立に沈められた密閉容器24外の水素ボンベ12より配管を通じて密閉容器24内に供給され、さらにその中で水素圧力調整弁17で調圧後、水素加湿器13に導入される。
ここで、燃料電池本体11より温水となって排出された電池冷却水の一部を用いて、水素を加湿後、加湿水素は燃料電池本体11に導入される。
【0015】
酸化剤となる酸素も水素と同様、水中に独立に沈められた密閉容器24外の酸素ボンベ14より配管を通じて圧力容器24内に供給され、さらにその中で酸素圧力調整弁14で調圧後、酸素加湿器15に導入される。
ここで、燃料電池本体11より温水となって排出された電池冷却水の一部を用いて、酸素を用いて、酸素を加湿後、加湿酸素は燃料電池本体11に導入される。
【0016】
電池冷却水となる純水は、純水タンク21に蓄えられており、純水ポンプ22を利用して燃料電池本体11に供給、循環させ燃料電池本体11を冷却するようになっている。
この際、電池排熱を回収して温度上昇した純水は、配管を通じてその一部は、システムを収納した密閉容器24外の水中に導かれ、外部の水を冷却媒体として放熱器13により電池排熱を水に放散し、減温されるようにしている。
また、残りの電池冷却水は電池冷却水バイパスライン26を通って純水タンク21に戻るようになっている。
このとき、放熱器23側を通って減温される電池冷却水の電池冷却水流量と、電池冷却水バイパスライン26を通る電池冷却流量とは、純水タンク21への電池冷却水戻り配管途中に介装された温度検知器27にて検出された温度が燃料電池本体11の入口側温度となるよう制御装置28を通じて電池冷却水バイパスライン26上に設けられた流量調整弁25にてコントロールされている。
【0017】
【発明の効果】
以上述べたように本発明のシステムを水中用独立電源、或いは水中移動体の電源装置として水中で利用とする場合、システムを収納した系(例えば、密閉容器等)の外部に、燃料電池本体外に温水となって排出された電池冷却水の一部を導き、その電池冷却水の保有する電池排熱を系周囲の水を冷却媒体として電池排熱を放出させ、再び系内に戻して系外に導かれなかった電池冷却水と混合させて電池本体へ再循環導入される電池冷却水の温度調整を行うようにするので、電池の発電電力にほぼ等しい膨大な熱量を、システムを収納した系内に蓄積させることなく、効率よくシステム系外に電池排熱を放散させることができる。
この結果、再循環導入される電池冷却水の温度調整が流量調整弁で容易に行えることからシステム全体の温度を安定させることが可能となり、安定した連続発電運転が持続できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る水中での固体高分子型燃料電池電源温度調整システム系統図である。
【図2】従来例に係る陸上での固体高分子型燃料電池電源システム系統図である。
【符号の説明】
11 燃料電池本体
12 水素ボンベ
13 水素加湿器
14 酸素ボンベ
15 酸素加湿器
16 酸素圧力調節弁
17 水素圧力調節弁
19 水素側加湿水量調整弁
20 酸素側加湿水量調整弁
21 純水タンク
22 純水ポンプ
23 放熱器
24 密閉容器アノード加湿部
25 流量調圧弁
26 電池冷却水バイパスライン
27 温度検知器
28 制御装置

Claims (1)

  1. 固体高分子型燃料電池電源システムを水中において使用するに際し、電池発電反応により温水となって排出された電池冷却水の一部をシステムを収納する密閉容器外に導き、該電池冷却水の保有する電池排熱を系周囲の水を冷却媒体として電池排熱を放出させ、再び系内に戻して系外に導かれなかった電池冷却水と混合させ、電池本体に再循環導入される電池冷却水温度を調整することを特徴とする固体高分子型燃料電池電源温度調整システム。
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