JP3563631B2 - 自己免疫性肝炎の診断薬及び治療薬 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、免疫反応を用いてSLA/LP自己抗体を検出する自己免疫性肝炎診断薬及び治療薬に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自己免疫性肝炎(autoimmune hepatitis,AIH)は、放っておくと肝硬変に進行する慢性肝炎であるが、治療をすれば予後は非常によいことが知られている。従って、AIHの治療には、早期診断が重要である。西洋諸国において、全慢性肝炎患者の5パーセントがAIHと診断されている。しかし、AIHを特異的に検出するための診断方法は未だ確立されていない。現在AIHの診断は、ウイルス性肝炎ではないことの確認、患者血液が高い免疫グロブリン含有量を有していることの確認、主要組織適合抗原[HLA(ヒト白血球抗原)タイプ]の同定、及び自己抗体の検出等のいくつかの基準に基づいて行われる。自己抗体は、AIH患者の約90パーセントで検出されるが、しかし、殆どの検出可能な自己抗体が、例え微量であってもAIH以外の肝炎患者においても検出される。特に、抗核抗体(anti−nuclear antibody,ANA)、抗平滑筋抗体(smooth muscle antibody、SMA)、及び非常にまれではあるが、シトクロムP−450に対する抗体[肝臓と腎臓のミクロソーム(liver−kidney−microsome,LKM)に対する抗体]等が検出される。
【0003】
一般的にSLA[soluble liver antigen](可溶性肝臓抗原)自己抗体について1987年に報告されている(Manns M.etal.,Lancet 1987,1:292−4)。この抗体は、これまでの研究によってAIH患者の約25〜30パーセントに検出されることがわかっているが、しかし、現在知られている限り、AIH以外の患者には検出されていない(又は、殆ど検出されていない)し、その他の自己免疫性疾患の患者においては検出されていない(Lohse A.W.et al.,Z.Gastroenterol.1995,33:527−33)。その後の研究により、SLA抗原はいわゆるLP(肝臓−膵臓)抗体によっても認識されることが明らかとなった(Stechmesser et al,Hepatology 1993,18:1−8)。SLA抗体を含む血清とLP抗体を含む血清は、いずれもSLA抗原に対して同じような反応を示すことから、SLA抗体とLP抗体の両抗体系は同一である。それ故、以下、上記SLA抗原をSLA/LP抗原と呼ぶ。上記の説明から明らかなように、SLA/LP自己抗体を検出することは、AIHを検出する上で大きな価値がある。
【0004】
患者の血清中でSLA/LP抗体を検出するための特異的免疫検定法を開発するには、初めにSLA/LP抗原を特定する必要がある。しかし、今までこれには成功していない。既に1990年に肝細胞のケラチン8と18がSLA/LP自己抗体の標的抗原であるとの報告(Journal of Hepatology,1990,11:232〜239)がなされているが、その後この研究結果は確認されておらず、反駁さえされている(Wies I.et al.,Z.Gastroenterol.,1998,36:93)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、自己免疫性肝炎の診断及び治療に有効なSLA/LP抗原を提供することが望まれていた。本発明の課題は、SLA/LP抗原とそれをコードするDNA、及びそれらを用いた診断薬や治療薬を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべき鋭意研究を行った結果、配列表配列番号2及び配列番号4に記載のアミノ酸配列の全長又一部を有する、SLA/LP自己抗体により認識されるタンパク質を知見した。そして、このタンパク質は、患者の血清中に存在するSLA/LP抗体を検出することができる。又、SLA/LP自己抗体をコードするDNAも知見した。本発明は、これらの知見に基づいて完成したものである。
【0007】
従って、本発明の主たる1つの目的は配列番号2又は配列番号4のアミノ酸配列の全長又はその一部を有し且つSLA/LP自己抗体により認識されるポリペプチドであることを特徴とする、AIHの診断薬に用いられる抗原またはその部分ペプチド、あるいは該抗原の天然又は人工の変異体が提供することにある。
【0008】
本発明の他の1つの目的は、SLA/LP自己抗体により認識される、上記の抗原をコードする配列番号1又は配列番号3の塩基配列の全長又は一部を有するDNA、あるいは該抗原の天然又は人工の変異体をコードするDNAを提供することにある。
【0009】
本発明の他の1つの目的は、SLA/LP抗原を用いた自己免疫性肝炎の診断薬及び治療薬を提供することにある。
【0010】
本発明の上記及び他の諸目的、諸特徴並びに諸利益は、添付の配列表を参照しながら述べる次の詳細な説明及び請求の範囲の記載から明らかになる。
【0011】
配列表のフリーテキスト
配列番号1の1186番〜1188番目の塩基はaga又はaaaである。
【0012】
配列番号2の396番目のアミノ酸はaga又はaaaでコードされるアミノ酸である。
【0013】
配列番号3の100番〜102番の塩基はgca又はgctであり、
103番目の塩基は不明であり、
1342番〜1344番目の塩基はaga又はaaaである。
【0014】
配列番号4の35番目のアミノ酸はgca又はgctでコードされるアミノ酸であり、
36番目のアミノ酸は不明であり、
448番目のアミノ酸はaga又はaaaでコードされるアミノ酸である。
【0015】
本発明の1つの態様によれば、配列番号2又は配列番号4に相当するアミノ酸配列の全長又はその一部を有し且つSLA/LP自己抗体により認識される抗原に対する、患者の血清中に存在する抗体を検出することができることを特徴とする自己免疫性肝炎の診断薬が提供される。
【0016】
次に本発明の理解を容易にするために、まず本発明の基本的特徴及び好ましい態様を列挙する。
【0017】
(1)配列番号2又は配列番号4に相当するアミノ酸配列の全長又はその一部を有し且つSLA/LP自己抗体により認識される抗原に対する、患者の血清中に存在する抗体を検出することができることを特徴とする自己免疫性肝炎の診断薬。
【0018】
(2)配列番号2又は配列番号4に相当するアミノ酸配列の全長又は一部を有し且つSLA/LP自己抗体により認識されるタンパク質であることを特徴とする抗原、または該抗原の天然又は人工の変異体。
【0019】
(3)前項2に記載の抗原をコードする配列番号1又は配列番号3の塩基配列を有し且つSLA/LP自己抗体により認識されるタンパク質をコードするDNA、あるいは該抗原の天然又は人工の変異体をコードするDNA。
【0020】
(4)SLA/LP抗原をマトリックスに結合し、結合されたSLA/LP抗原を、SLA/LP自己抗体の有無を試験するための患者の血清及び目的に適合したトレーサーと共にインキュベートし、次いで未結合のトレーサーを除去した後、該SLA/LP抗体に結合したトレーサーの量を定量することを特徴とする、前項2に記載のSLA/LP抗原を用いるSLA/LP自己抗体の検出方法。
【0021】
(5)前項4に記載の検出方法を実施するための免疫検定法。
【0022】
(6)前項2に記載の抗原、あるいは該抗原の天然又は人工の変異体を含有することを特徴とする、自己免疫性肝炎の治療薬。
【0023】
(7)前項2に記載の抗原、あるいは該抗原の天然又は人工の変異体を含有することを特徴とする体外免疫吸着材。
【0024】
以下、本発明について具体的に説明する。
【0025】
配列番号2及び配列番号4に記載のアミノ酸配列の全長又一部を有し且つSLA/LP自己抗体により認識される2つのタンパク質に対する抗体を患者の血清中で検出することが可能な自己免疫性肝炎診断薬が初めて発見された。これらのタンパク質をSLA/LP抗原−1及びSLA/LP抗原−2と呼ぶ。また、配列表に挙げられたアミノ酸配列の一部分であり且つSLA/LP自己抗体により(全長SLA/LP抗原が認識されるのと同様に)認識される部分ペプチド、あるいはそれの天然または人工の変異体も、本発明により提供される。
【0026】
更に、本発明により、配列番号1及び配列番号3に記載の塩基配列からなる、SLA/LP抗原のcDNAも発見された。これらのcDNAには2つのスプライシングによる変異体があり、長い方のDNA(即ち、配列番号3のDNA)は、配列番号1の塩基配列よりも156塩基長い配列を有している。2種類のスプライシング産物の存在により、SLA/LP抗体陽性の血清のウエスタンブロッティングにおいて2本のバンドが現れる理由が説明できる。2本のバンドは、SLA/LP抗原(SLA/LP抗原−1及び−2)の分子量である50kDaの位置に検出されるバンドであるが、このバンドは、SLA/LP陽性の血清を本発明の抗原を含む融合タンパク質(タグ等のタンパク質と本発明の抗原とが融合している組み替えタンパク質)とインキュベートして、ウエスタンブロッティングを行った際には検出されない。これは、インキュベートしている間にSLA/LP陽性の血清に含まれるSLA/LP抗体とが本発明の抗原と結合するためである。一方、SLA/LP陽性の血清と、同一のベクターを用いて得られた他の融合タンパク質とをインキュベートしてウエスタンブロッティングを行うと、(上記のように、他の融合タンパク質が同一のベクターを用いて得られたものであっても)上記の他の融合タンパク質は2本のバンドに影響を与えない。従って、配列番号1又は配列番号3に対応する塩基配列の少なくとも1部を有し、SLA/LP自己抗体により認識されるタンパク質をコードするDNAであれば、SLA/LP抗原の部分配列及び天然又は人工の変異体をコードするDNAも本発明により提供される。
【0027】
本発明のDNAを用いれば、SLA/LP抗原を遺伝子組換え技術または合成によって多量に製造することが可能であり、得られた抗原は、抗原に対して特異的なSLA/LP自己抗体を用いる公知の方法によって同定される。
【0028】
SLA/LP抗原を用いることにより、SLA/LP自己抗体検出のための確実で特異的な免疫検定法を開発することが初めて可能になった。ラジオイノアッセイ(RIA)、化学発光免疫検定法(CIA)、イムノブロッティングおよび酵素免疫検定法(EIA)は、いずれも同じように、SLA/LP自己抗体の検出に適している。いずれの方法を用いる場合も、本発明のSLA/LP抗原の1つを、マトリックス、例えばマイクロプレートやブロッティング膜に結合しておき、そこに被検体となる患者の血清をピペットで加える。インキュベートした後、被検体である血清を除去し、トレーサーでラベルした二次抗体(抗ヒト免疫グロブリン又は抗免疫グロブリンサブクラスに属する抗体)を用いて、テストされるSLA/LP自己抗体による特異的な結合を検出する。トレーサーとして用いる物質としては、ペルオキシダーゼやアルカリ性ホスファターゼのような酵素化合物、あるいは放射性又は化学発光性物質等を使用することができる。SLA/LP自己抗体が被検体である血清中に多く存在するほど、抗原との結合が強くなる。スタンダードとしては、健康な献血者から得られた正常血清(負のコントロール)や、SLA/LP抗体を有する患者の血清をさまざまな希釈段階で用いられる。また、被検体である血清中にSLA/LP自己抗体が存在することが明らかな場合には、上記の方法の代わりに、トレーサーを付したSLA/LP自己抗体を含む患者の特定の血清と本発明の抗原とを結合させることにより、他の抗原と血清中の抗体との結合を抑制する、本発明のSLA/LP抗原を用いた抑制免疫検定法(inhibition immunoassay)を行うこともできる。
【0029】
SLA/LP抗原は、自己免疫性肝炎の患者においてのみ免疫学的に認識されるため、この抗原はこの疾病(自己免疫性肝炎)の病因解明に重要な意味を持つ。そのため、SLA/LP抗原を(AIHに対して特異的に作用する)特異的な免疫治療薬として利用することが可能である。本発明は上記の抗原を含有する自己免疫性肝炎治療薬にも関する。この治療薬は、AIHにとって特異的な免疫療法、例えば、抗原の経口又は経鼻接種による免疫寛容の誘導、T細胞ワクチン又は体外免疫吸着法などに用いることができる。本発明のSLA/LP抗原の同定及び単離により、この抗原を用いた自己免疫性肝炎にとって特異的な免疫治療薬の製造が可能となった。
【0030】
【実施例】
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1
組換えSLA/LP抗原(配列番号2)を用いたELISAによるSLA/LP抗体の検出
【0031】
組換えSLA/LP抗原をHisタグを用いて精製した。得られたSLA/LP抗原50μgを50μlのPBSの入ったマイクロプレートに加えて一晩静置した。この溶液をピペットで取出した後、マイクロプレートを洗浄し、続いて1%BSA/PBS溶液を用いて室温で1時間マイクロプレートの前処理を行った。その後、50μlの100倍に希釈した正常血清、SLA/LP抗体を含む血清、又はコントロール血清(AIH以外の肝臓病患者の血清)のいずれかをマイクロプレートに加え、30分インキュベートした。マイクロプレートを洗浄した後、ペルオキシダーゼでラベルした抗ヒト免疫グロブリンの8,000倍希釈溶液を二次抗体としてマイクロプレートに添加してインキュベートした。抗体と結合しない過剰な二次抗体をマイクロプレートから洗浄した後、ABTS溶液[55mgの2,2’−アジドジ−3−エチル−べンズチアジン−6−スルホン酸(ドイツ国、Serva社製)と50μlのH2O2を含む5mlの0.01M K2HPO4溶液(pH 6.0)をPBSで300倍に希釈したもの]を添加し、吸光度を測定した。測定結果を以下の表に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
タイターテック マルチスキャンMC(Titertec Multiscan MC)(ドイツ国、Flow Laboratories社製)による測定結果から、SLA/LP抗原を含む患者の血清の全てが、正常血清及びAIH以外の肝臓疾患の患者の血清と比較して、著しく高い吸光度を示した。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、配列番号2又は配列番号4のアミノ酸配列の全長又はその一部を有するSLA/LP抗原とそれをコードするDNAが提供される。本発明の抗原を用いることにより、自己免疫性肝炎の診断薬及び治療薬を作成することができる。
【配列表】
Claims (7)
- 配列番号2又は配列番号4に相当するアミノ酸配列の全長又はその一部を有し且つSLA/LP自己抗体により認識される抗原に対する、患者の血清中に存在する抗体を検出することができることを特徴とする自己免疫性肝炎の診断薬。
- 配列番号2又は配列番号4に相当するアミノ酸配列の全長又は一部を有し且つSLA/LP自己抗体により認識されるタンパク質であることを特徴とする抗原、または該抗原の天然又は人工の変異体。
- 請求項2に記載の抗原をコードする配列番号1又は配列番号3の塩基配列を有し且つSLA/LP自己抗体により認識されるタンパク質をコードするDNA、あるいは該抗原の天然又は人工の変異体をコードするDNA。
- SLA/LP抗原をマトリックスに結合し、結合されたSLA/LP抗原を、SLA/LP自己抗体の有無を試験するための患者の血清及び目的に適合したトレーサーと共にインキュベートし、次いで未結合のトレーサーを除去した後、該SLA/LP抗体に結合したトレーサーの量を定量することを特徴とする、請求項2に記載のSLA/LP抗原を用いるSLA/LP自己抗体の検出方法。
- 請求項4に記載の検出方法を実施するための免疫検定法。
- 請求項2に記載の抗原、あるいは該抗原の天然又は人工の変異体を含有することを特徴とする、自己免疫性肝炎の治療薬。
- 請求項2に記載の抗原、あるいは該抗原の天然又は人工の変異体を含有することを特徴とする体外免疫吸着材。
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