JP3563500B2 - 粉末はんだ付きシート及びはんだ回路の形成方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は電子機器類(本発明においては、電子部品であってもあるいは電子機器であっても、はんだを用いて電子部品を搭載、接合する物を意味する。)の配線回路部金属表面に、厚みが部分的に変化したはんだ回路や、高精細なはんだ回路(例えば、プリント回路板に電子部品を取りつけるため、金属回路のパッド面にあらかじめはんだ薄層を形成したもの)を形成するための▲1▼粉末はんだ付きシート(本発明においてはフィルムあるいはテープ状のものも含めシートという。)及び該はんだ粉末を▲2▼電子機器類に定着する方法並びに▲3▼部分的に厚みを変えたはんだ回路を効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年電子機器類、例えばプラスチック基板(フィルムもある。)、セラミック基板、あるいはプラスチック等で被覆絶縁した金属基板等の絶縁基板上に、各種の方法により電子回路を形成したプリント配線板(プリント基板あるいは印刷配線板とも言う。)が開発され、その配線面上にIC素子、半導体チップ、抵抗、コンデンサー等の電子部品をはんだ付けして電子機器を構成させる手段が広く採用されている。
【0003】
ところでこのような実装回路機器の製造において、電子部品のリード端子を所定のパッドにはんだ付けするためには、前記パッド面にあらかじめフラックスを含むいわゆるクリームはんだを印刷しておき、所要の電子部品を位置決め配置した後、クリームはんだをリフローさせてはんだ付けを行うのが普通である。一方電子部品の実装密度の向上並びに生産性向上のため及びクリームはんだの印刷法でははんだブリッジを始めとする実装不良を招き易いため、印刷法によらずにあらかじめパッド面にはんだ回路(はんだ薄層)を形成させ電子部品を搭載したいとの要求が出てきた。
【0004】
これに対し、電子機器等のパッド面にはんだ回路(はんだ薄層)を形成するために、メッキ法、はんだ浴ディップ法(浸漬法)などが行われてきたが、実装密度の向上に伴い、要求されるはんだ回路のパターンはますます微細となり、作業効率、オンスペック率の向上と共に回路パターンの縮小の要求のためこれらの方法では対応が困難になりつつある。
【0005】
これら従来のはんだ回路形成法の中で高精細なパターンのはんだ回路に適用可能な方法としてメッキ法があるが、電子部品類のはんだ回路部となる対象部分が見掛け上独立したパターンとして存在する場合が多く、電解メッキの適用は電気導通の点で困難を伴う。一方、無電解メッキは上記電解メッキにおける電気導通の問題点は解決されるが、その実装に要求されるはんだ層の所望の厚さを得ることが困難であるという技術上の問題がある。
【0006】
また表面をフラックスでコーティングしたはんだ粉末を静電塗装法により回路部分に塗布する方法(特開平3−50853号)、回路部分にフラックスを印刷、塗布し、その上にはんだ粉末を付着させた後、はんだの融点以上に加熱して溶融させ、このはんだ溶融面上に気体を吹きつけてレベリングを行い、はんだ回路を形成する方法(特開平4−10694号)等、数多くの提案があるが、高精細なパターンを含むはんだ回路形成を効率良く行うには問題がある。
【0007】
本発明者らはこれらの問題を解決するために、金属露出部のみを粘着性とすることによりはんだ粉末を正確にその部分にのみ付着させることを基礎とする予備はんだ技術に成功した。この方法によれば、目的とした高精細なパターンのはんだ回路の形成が容易に製造することが可能となった。しかし最近になって、回路基板の一部分にのみはんだ回路を形成することが機能上から必要となり、更に電子機器上に搭載する電子部品の重量、大きさが各種異なるため、それに対応して必要とするはんだ回路のはんだ層の厚みを変化させたい要望が高まってきた。
従来技術のメッキ法では、マスクの使用有無により金属露出面の部分または全面に対してはんだ回路を形成することはできるが、例えば同一基板内で異なった厚みを形成する要求に対しては対応ができない。また、上記の金属露出部のみを粘着性とする方法においても、はんだ層の厚みは金属露出部全面を均一にすることは可能であっても、同一基板内で部分的に厚みを変えた高精細なパターンを有するはんだ回路を製造することはできなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、電子機器類にあらかじめはんだ回路を形成し、ついで各種電子部品をはんだ付けして搭載する場合に、電子機器類の金属露出部を粘着性付与化合物の少なくとも一種を含む組成物で処理して該部分に粘着性を付与し、該粘着性付与部分の所望の部分のみにはんだ粉末を付着させ、パッド面上に搭載する電子部品が必要とする厚みの確保されたはんだ回路とすることを目的とする。本発明はこの目的のために開発され、はんだ層の厚みは極めて均一であって、かつ部分的に厚みを変えた極めて微細なパターンを有するはんだ回路を形成するための粉末はんだ付きシート及びはんだ回路の形成方法の開発に成功した。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
[1] 電子機器類の金属回路露出部に、粘着性付与化合物の少なくとも一種を含む組成物で処理することにより粘着性を付与し、該粘着性付与部の少なくとも一部を粉末はんだ付きシートで被覆し、加熱定着して所定部分にはんだ粉末を付着させ、シートを剥離した後フラックスを塗布してリフローすることを特徴とするはんだ回路の形成方法、
[2] 電子機器類の金属回路露出部に、粘着性付与化合物の少なくとも一種を含む組成物で処理することにより粘着性を付与し、該粘着性付与部の少なくとも一部を少なくとも一種の粉末はんだ付きシートで被覆し、残部を粒度の異なる少なくとも一種の粉末はんだ付きシートあるいは直接はんだ粉末を付着させて所定の部分にはんだ粉末を付着させた後、加熱定着し、シートを剥離してフラックス処理した後リフローすることを特徴とするはんだ回路の形成方法、及び
[3] 電子機器類の金属回路露出部に、粘着性付与化合物の少なくとも一種を含む組成物で処理することにより粘着性を付与し、粘着力増強剤を塗布した後、該粘着性付与部の少なくとも一部を少なくとも一種の粉末はんだ付きシートで被覆し、加熱定着し、シートを剥離してフラックス処理した後リフローすることにより同一電子機器類内で、異なった厚さのはんだ回路を形成することが実用上可能となった。
【0010】
本発明の対象とする電子機器類としては、例えばプリント配線板、各種実装用基板類があり、プリント配線板の例としては、プラスチック基板、プラスチックフィルム基板、ガラス布基板、紙基材エポキシ樹脂基板等の片面プリント配線板、両面プリント配線板、多層プリント配線板あるいはフレキシブルプリント配線板に適用できる。更に、セラミックス基板に金属回路を形成した基板あるいは金属基板にプラスチックあるいはセラミックス等の絶縁体で被覆し、適当な方法により回路を形成した基板にも適用できる。また各種実装用部品類としては、例えばIC素子類(ベアチップ、各種パッケージ類)、抵抗、コンデンサー等をあげることができる。
【0011】
電子部品類の回路を形成する金属としてはほとんどの場合銅が主として用いられており、本発明の粘着性付与化合物に対して最も好ましい金属材料であるが、他の金属であっても良い。他の金属にあっては該粘着性が銅に比して弱い傾向がある。
【0012】
本発明で使用する粘着性付与化合物としては、特開平7−7244号、特開平7−30243号等で開示された化合物等、金属と作用して粘着性を発現する化合物であれば特に限定はないが、例えば一般式(1)で表されるベンゾトリアゾール系誘導体、
【0013】
【化1】
一般式(2)で表されるナフトトリアゾール系誘導体、
【化2】
一般式(3)で表されるイミダゾール系誘導体、
【化3】
一般式(4)で表されるベンゾイミダゾール系誘導体、
【化4】
一般式(5)で表されるメルカプトベンゾチアゾール系誘導体、
【化5】
一般式(6)で表されるベンゾチアゾールチオ脂肪酸系誘導体など、N,S,O,Pなどの元素を有する有機化合物が特に好ましい。
【化6】
【0014】
電子機器類の金属露出部をこれら粘着性付与化合物で処理する方法として、水溶液の形で浸漬またはスプレー法などを適用する場合、該粘着性付与化合物の少なくとも一つを水に溶解するために、酸性、好ましくはpH3〜5程度の微酸性に調整した組成物を用いる。塗布法を適用する場合においては、浸漬またはスプレー法で用いる組成物にカルボキシメチルセルローズ誘導体の如き増粘剤を添加し、インキ状にして用いると使い易い。この際溶液の濃度は、好ましくは全体として0.05重量%乃至20重量%くらいのものが使用し易い。
【0015】
処理温度は室温よりは若干加温したほうが粘着性膜の生成速度、生成量もよく、粘着性付与化合物濃度、金属の種類になどにより変わり限定的でないが、一般的には30℃乃至60℃くらいの範囲が好適である。浸漬時間は限定的でないが、作業効率から5秒乃至5分間位の範囲になるように他の条件を調整することが好ましい。
【0016】
なおこの場合、はんだ回路形成用組成物中に銅イオンとして100〜1000ppmを共存させるときは粘着性膜の生成速度、生成量などの生成効率が高まるので好ましい。
粒径の比較的大きなはんだ粉末を付着させる必要があるときは、粘着力を高めるために各種ロジンの使用が有効である。ロジンとしては一般に使用される水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、ガムロジン、マレイン化ロジン等が使用できる。また、ポリエチレングリコール(PEG)も粘着力増強剤として有効である。前記薬品で粘着性付与処理を施した後ロジン等を散布し、その上に粉末はんだ付きシートを重ねた後、加熱定着させ、はんだ粉末は電子機器類に転写される。その後にフラックスを塗布し、リフローすることではんだ回路を形成できる。
【0017】
処理すべき電子機器類ははんだ回路を必要としない金属回路部分はレジストまたは樹脂等で覆われ、はんだ回路を必要とする部分は金属回路のみが露出した状態にしておき、粘着性付与用組成物で処理する。
【0018】
ここで使用する前述の粘着性付与化合物を含む組成物中に浸漬、スプレーまたは塗布し、これを適宜溶媒による洗浄、乾燥を経て金属露出面のみに粘着性を付与する。次に、粘着性を付与された電子機器類に粉末はんだを付着させるための次工程に移る。
本発明に使用する粉末はんだ付きシートは、接着剤(粉末はんだをシートに固定できれば良く、接着剤または粘着剤のいずれであっても良く、本発明においてはこれらを含め接着剤という。)の形成された合成樹脂等のシート、テープ等上に粉末はんだを固定し、該粉末はんだ面を粘着性を付与された部分上に被覆し、加熱定着し、粉末はんだを電子機器類上に転写する。この場合に使用するシートとしては、加熱処理温度において熱収縮を起こさない材質が望ましい。加熱処理温度により適する材質は異なるが、例えば低温(50〜150℃位)の時はポリエチレンテレフタレート等、加熱処理温度が高温(150〜250℃)の時はポリイミドなどを使用する。
【0019】
本技術の応用例としては、該はんだ粉末の定着処理後、他の電子部品類を該はんだ粉末パターンに対応して位置合せ後配置し、フラックスの塗布は該他の電子部品類の配置前または後で行い、これをリフローすることにより効率よく精密に他の電子部品類を搭載することもできる。この際に使用するはんだの材質としては共晶、銀入り、ビスマス入り等用途により任意に選択できる。
【0020】
本発明で特に重要なことは、同一電子機器類内の各種パッド面上に搭載する電子部品類が必要とするはんだの厚みに応じて粉末はんだの粒度を変えることにより行うことである。はんだ層の厚みを厚くしたい時は粒度の大きい粉末を、はんだ層の厚みを薄くしたい時は粒度の細かい粉末はんだを固定したシートを使用することにより達成できる。はんだ層の厚みと粉末はんだの粒度の関係は予め実験の上容易に求められ、その電子部品等に最も好ましい粒度を簡単に選択できる。またこの場合、粉末はんだの粒度を変えた2種以上の粉末はんだ付きシートを用いて加熱処理することも可能であるし、1種または2種以上の粉末はんだ付きシートを使用して粘着性付与の必要な部分を被覆した後、残りの粘着性付与部分は従来のように粉末はんだを種々方法により、付着させ余分の粉末はんだを除いた後に加熱定着する等の方法を行うこともできる。
【0021】
はんだ粉末を定着するための加熱処理温度は、既に提案している加熱処理と同様で良く、好ましくは50〜250℃に設定されるが、加熱定着温度が低いときは、時間を長く設定し、加熱定着温度が高いときは短く設定するが、はんだ粉末が溶融し流出しない条件を選ぶことが必要である。粉末はんだ付きシートははんだ粉末が電子機器の粘着性付与部分に転写した後はシートも剥離するが、剥離する時期ははんだの加熱定着前または後、いずれでも良いが定着後が好ましい。粉末はんだを定着した後フラックスを塗布する。使用するフラックスは使用するはんだ粉末に適合したフラックスであれば良いが、腐食性のないことが望まれるから塩素を含まない低残渣フラックスが好ましい。
【0022】
フラックスを塗布した後、リフロー炉等を用いてはんだ粉末を溶融し、電子機器類の金属露出面に高精細かつはんだ層の厚みが均一であってかつ部分的に厚みを変えたはんだ層を有するはんだ回路を形成させることができる。このような場合にあってもはんだブリッジなどのおそれなく、パッド上に搭載する電子部品類が必要とする夫々の厚みの確保されたはんだ回路が得られ、高密度実装で求められる各種電子部品類を搭載することができる。
【0023】
【作用】
本発明は、電子機器類にあらかじめはんだ回路を形成する方法において、電子機器類の金属露出部のみに粘着性を付与してはんだ粉末を付着させ、パッド面上に搭載する電子部品類が必要とする厚みの確保されたはんだ回路を形成することは既に提案した。更にはんだ層の厚みは均一であって、かつ部分的に厚みを変えたはんだ回路を形成するために、接着剤を介してシートに粉末はんだを固定させた粉末はんだ付きシートを開発するとともに電子機器類の金属回路露出部に、粘着性付与化合物の少なくとも一種を含む組成物で処理することにより粘着性を付与し、次に該粘着性付与部の少なくとも一部を少なくとも一種の粒度のはんだ粉末が付着して粉末はんだ付きシートで被覆し、残部を粒度の異なる少なくとも一種の粉末はんだ付きシートでの被覆あるいははんだ粉末を種々方法により付着した後加熱し、定着し、該粉末はんだをリフローすることによりはんだ厚さが部分により異なったはんだ回路を有する電子機器類を容易に製造することができた。
【0024】
本発明において、はんだ回路におけるはんだ厚みを変えるため、粉末はんだ付きシートに固定させる粉末はんだの粒度を変えることにより容易にできること及びその固定方法として接着性シートに粉末はんだを物理的付着させるという簡単な方法により達成したことである。
なお粉末の粒度を変えた粉末はんだ付きシートを何種類か準備しておけば、同一電子機器類面に搭載する電子部品にとって適切な何種類もの厚さが異なり、かつ均一な厚みのはんだ回路を有する電子機器類が簡単に製造可能となった。このことは従来の面全体が均一な厚みのはんだ回路の場合と比較した時、本発明により形成されたはんだ量で全て電子部品接合が直ちに行うことができると共に実装品質が向上する等、その効果は大きなものである。
【0025】
【実施例】
(実施例1)
一般式(3)の置換基「R4 」が「C11H23」、「R5 」が水素原子であるイミダゾール系化合物の2重量%水溶液を酢酸によりpHを約4.5に調製した。0.25mmピッチのTCP(Tape Carrier Package)搭載用銅箔貼り両面プリント基板を酸洗いした後、45℃に加温された該イミダゾール系化合物水溶液に3分間浸漬し、銅箔露出部に粘着性物質を生成させ、次いで該プリント基板を水洗し、乾燥した。
一方、搭載するTCPの専有面積とほぼ同じ幅(20mm)の難燃性のポリイミド接着テープ[寺岡(株)製]の粘着面に平均粒径約30μmの共晶粉末はんだを付着させ、このテープを上記粘着性物質を生成した両面プリント基板のTCP搭載部に粉末はんだ面が被覆するようにその粘着性を利用して貼りつけた。
次いで、粉末はんだ付きシートで被覆されていない両面プリント基板上に生成した他の粘着性物質上に粉末はんだを付着するため、平均粒径約120μmの粉末はんだを流動させたはんだ粉末槽中に該プリント基板を浸漬し、テープの被覆されていない粘着性付与部に平均粒度の大きい共晶はんだ粉末を付着させた。
【0026】
平均粒径の異なる粉末はんだを付着させた両面プリント基板を190℃で約2秒間加熱定着した後、ポリイミドテープを剥離した。この結果につきパッド面を詳細に観察したところ、粉末はんだテープに固定されていた粉末はんだは正確に粘着性付与部に転写されており、パターン間(レジスト表面)には粉末はんだの存在は認められなかった。この粉末はんだを定着したプリント基板に水溶性フラックスを全面にわたり均一に塗布した後、コンベアー速度1.5m/min.プレヒート約110℃、リフロー温度約210℃(基板温度195℃)、滞留時間1分間の条件のリフロー炉ではんだ粉末を溶融させた。
リフロー後、水洗し、表面粗さ計[(株)小坂技研製]で0.25mmピッチTCP搭載部分を測定し、また深度計[(株)ユニオン光学製:ハイソメット]を用い、はんだ粉末槽中で粉末はんだを付着させた部分[0.4mmピッチQFP(Quad Flat Package)搭載部分:20mm×20mm]のコート厚さを各20点測定した。その結果を表1に示した。また実体顕微鏡により表面観察を行った結果、ブリッジ、こぶ、銅面の露出は観察できなかった。
【0027】
【表1】
上記の方法により得られたはんだ回路を形成した両面プリント基板に、0.25mmピッチTCP部品部以外の部分はRMAタイプフラックス(低残渣フラックス)を塗布後各種部品をマウントし、再びリフローした。更にTCP部品はホットバーにより後付け接合した。この電子機器を実体顕微鏡で実装状況を観察したところ不良な部分はまったく観察されなかった。
【0028】
(実施例2)
0.25mmピッチのTCP部のみにはんだ回路を形成するために、プリント基板を実施例1と同様の処理を経て、平均粒度30μmの粉末はんだ付きテープをTCP部に貼りつけ、190℃で約2秒間加熱定着後、テープを剥離し、粉末はんだをTCP搭載部のみに転写した。この状態での顕微鏡観察においてはパターン間にはまったく粉末はんだは存在しなかった。
この粉末はんだを定着したプリント基板に水溶性フラックス溶液を均一に塗布した後、、コンベア速度1.5m/min.、プレヒート110℃、リフロー温度210℃(基板温度197℃)の条件でリフローを行い、はんだ回路を作成した。リフロー後、水洗し、乾燥した。得られたTCP部のはんだコート部分の厚さを測定したところ、平均厚さが24μm、バラツキを示す標準偏差は1.0であった。
【0029】
(実施例3)
一般式(3)の置換基「R4 」が「C11H23」、「R5 」が水素原子であるイミダゾール系化合物の2重量%水溶液を酢酸によりpHを約4.5に調製した。TCP部以外の回路をレジスト処理をした0.25mmピッチのTCP搭載用プリント基板の銅露出回路部に、無電解処理によりニッケルを厚さ約3μmの下地メッキをした後、厚さ約0.5μmの金メッキをした基板を、45℃に加熱された上記水溶液に10分間浸漬し、金メッキ表面部に極めて微弱な粘着性物質を生成させ、次いで水洗し、乾燥した。次いで粘着力を高めるためこれに平均粒度10μmに粉砕された水添ロジンを粘着力増強剤として散布し、粘着部にロジン付着させた後、エアブローをして余分な部分に付着しているロジンを除去した。顕微鏡検査したところTCPパッド部分の粘着力付与部分に付着しており、パターン間のものは吹き飛ばされていた。
一方、搭載するTCPの専有面積とほぼ同じ寸法(20mm)のポリイミド接着テープの粘着面に平均粒径約30μmの共晶粉末はんだを付着させ、このテープを上記粘着性物質を生成したプリント基板のTCP搭載部に粉末はんだが被覆するようにその粘着性を利用して貼りつけた。加熱定着後テープを剥離し、粉末はんだの転写状態を観察したところ、パターン間のところには粉末はんだは見つけられなかった。この粉末はんだを定着したプリント基板に水溶性フラックスを塗布し、実施例1と同条件でリフロー炉によりはんだ粉末を溶融させた。
【0030】
リフロー後水洗してはんだコート厚さおよび外観検査を行った。はんだコート厚は平均厚さとして22μmであり、ブリッジ、こぶ、銅(金)露出部は認められなかった。
比較のため、粉末はんだ付きテープによらず従来の粉末はんだ流動槽を使用し、190℃、2秒間の定着させた方法によりテストしたところ、銅箔回路の時には問題なかったが、金メッキしたプリント基板では粘着力が微弱なため、付着が極めてまばらであった。このため水溶性フラックスを塗布し、リフロー炉において同条件でリフローをし、水洗したが、全体に均一にはんだがコートされなかった。そのコートされた部分のはんだ膜厚は極端に薄く1μm以下の結果となった。
【0031】
(実施例4)
粉末はんだ付きシートの材質及び接着剤の材質についてテストを行った。テストに使用したプリント基板は0.25mmピッチTCPのみを搭載する実施例2に使用したと同じものを準備し、同じ粘着性付与化合物及び同じ条件で処理して銅回路部に粘着性物質を生成した。シート基材としては、ポリイミド、紙、セロファン、接着剤としてシリコーン系ゴム、合成ゴム系粘着剤を用い、平均粒度30μmの粉末はんだを付着させたテープを粘着剤処理したプリント基板に貼りつけた後、160℃及び190℃で約2秒間加熱し、テープを剥離して粉末の転写性をテストした。その結果表2に示すようにテープ基材及び粘着剤は耐熱性の高いものほど良い結果が得られた。
【0032】
【表2】
【0033】
(実施例5)
粘着力増強剤の適性をテストするために、実施例3と同じ条件で作成した粘着性処理プリント基板に、表3に示す10μm以下に粉砕した粘着力増強剤粉末を塗布した後、実施例3で使用した粉末はんだ付きテープで被覆し、160℃(15秒間)、190℃(2秒間)の定着を行い、テープを剥離した後、テープを実体顕微鏡でその表面を観察し、転写性を検査した。剥離したテープに転写されず10%以上粉末はんだが残っていたときは転写不良とした(表中△印で示す)。転写されない粉末が1〜10%の場合は○印、1%未満の場合は転写性良好で◎印で示した。
また実施例1の方法で粉末はんだを定着したプリント基板状にフラックスを塗布後、リフロー炉において粉末はんだを溶融した後に顕微鏡観察し、はんだの広がり具合を測定し、総合的に判断した。フラックス塗布後の工程でフラックスが溶解し、粉末の移動が生じるためにはんだの濡れが悪かったり、はんだコート厚が薄かったりしたときは不良とし、△印で示した。はんだのひろがりが良好な場合は◎印で示した。○印はその中間とした。
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】
本発明は多種類の電子部品類を搭載する電子機器類において、全体を均一な厚みのはんだ回路形成に適用できることはもちろん、それぞれの電子部品類接合に適した異なった厚みのはんだ回路を形成させるはんだ回路の形成方法を完成したものである。
本発明によれば、はんだ回路は搭載する電子部品に対応し、必要な厚さの確保された均一かつ部分的に異なった厚みのはんだ回路を形成できるため、近年益々微細パターンとなる電子機器類においてはその実装品質及び実装効率の向上に寄与する。
Claims (3)
- 電子機器類の金属回路露出部に、粘着性付与化合物の少なくとも一種を含む組成物で処理することにより粘着性を付与し、該粘着性付与部の少なくとも一部を粉末はんだ付きシートで被覆し、加熱定着して所定部分にはんだ粉末を付着させ、シートを剥離した後フラックスを塗布してリフローすることを特徴とするはんだ回路の形成方法。
- 電子機器類の金属回路露出部に、粘着性付与化合物の少なくとも一種を含む組成物で処理することにより粘着性を付与し、該粘着性付与部の少なくとも一部を少なくとも一種の粉末はんだ付きシートで被覆し、残部を粒度の異なる少なくとも一種の粉末はんだ付きシートあるいは直接はんだ粉末を付着させて所定の部分にはんだ粉末を付着させた後、加熱定着し、シートを剥離してフラックス処理した後リフローすることを特徴とするはんだ回路の形成方法。
- 電子機器類の金属回路露出部に、粘着性付与化合物の少なくとも一種を含む組成物で処理することにより粘着性を付与し、粘着力増強剤を塗布した後、該粘着性付与部の少なくとも一部を少なくとも一種の粉末はんだ付きシートで被覆し、加熱定着し、シートを剥離してフラックス処理した後リフローする請求項1または2に記載のはんだ回路の形成方法。
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