JP3562610B2 - 光周波数アッド・ドロップ回路およびそれを用いた光周波数多重ネットワーク - Google Patents
光周波数アッド・ドロップ回路およびそれを用いた光周波数多重ネットワーク Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光周波数アッド・ドロップ回路およびそれを用いた光周波数多重ネットワークに係わり、複数のチャネルが一本の光ファイバに高密度(チャネル間隔がGHzオーダー)に光周波数多重された伝送路に接続された通信ノードにおいて、任意のチャネルを選択して光ファイバより分離(ドロップ)あるいは光ファイバに新規のチャネルを多重して付加(アッド)し、それ以外のチャネルについては当該ノードを通過させるために用いられる光周波数アッド・ドロップ回路であって、各種の構成原理の中で光フィルタの透過と反射を同時に利用した技術に関する。特に、双方向光ファイバ伝送に適した光周波数アッド・ドロップ回路及びそれを用いた光周波数多重ネットワークに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光フィルタの透過と反射を同時に利用した従来の光周波数アッド・ドロップ回路は、ほとんどが単方向光ファイバ伝送用に設計されている。以下では、このタイプの従来の2つの代表的な構成例と動作を説明し、双方向光ファイバ伝送への適用可能性とその問題点を明らかにする。
【0003】
図1は、従来の光周波数アッド回路・ドロップ回路の第一の構成例を示すブロック図である。この図において、符号100は、周波数が異なる複数の光信号(入力信号)が多重されて入力される入力光ファイバ、101,104は三端子の光サーキュレータ、102は入力光ファイバ100に入力された入力信号のうち、ドロップ信号が出力されるドロップ出力ポート、103はある特定の周波数の光信号を反射し、その他の光信号を透過させる光フィルタ(グレーティングファイバ)、105は新たに挿入されるアッド信号の入力ポート、106はドロップ信号を除く入力信号とアッド信号が出力される出力光ファイバである。
【0004】
このように構成された回路において、入力光ファイバ100から入力された入力信号は、光サーキュレータ101の作用により全て光フィルタ103にルーチングされる。光フィルタ103は、特定の光周波数の光信号のみを反射し、残りの光信号は透過させる。そして、この反射された光信号は光フィルタ103から光サーキュレータ101に再度入力され、該光サーキュレータ101の作用によりドロップ出力ポート102にルーチングされる。
【0005】
すなわち、入力信号の中で光フィルタ103の中心周波数に合致する光信号(チャネル)はドロップ出力ポート102に出力され、光信号のドロップ動作が実現できる。一方、光フィルタ103を透過した光信号(その他のチャネル)は、光サーキュレータ104に入力されて、出力光ファイバ106から出力される。
【0006】
次に、入力ポート105から入力されたアッド信号は、光サーキュレータ104の作用により光フィルタ103にルーチングされる。このアッド信号の周波数は、光フィルタ103の中心周波数に一致するように設定されており、光フィルタ103で反射されて光サーキュレータ104に戻り、該光サーキュレータ104の作用によって出力光ファイバ106にルーチングされる。この結果、出力光ファイバ106からは、入力光ファイバ100に入力された入力信号のうちドロップ出力ポート102でドロップされたドロップ信号を除く光信号と、入力ポート105から入力されたアッド信号とが出力されることになる。
【0007】
このような光周波数アッド・ドロップ回路は、光サーキュレータ101,104の非相反性のために、上記入力方向とは反対に出力光ファイバ106を入力とし、入力光ファイバ100を出力とする使い方が原理的に不可能である。なぜならば、出力光ファイバ106から入力した光信号は全て入力ポート105に出力されるため、アッド・ドロップ回路として動作しないことは明らかである。
【0008】
そこで、上記光周波数アッド・ドロップ回路を双方向伝送に適用するためには、図2に示す回路構成を採用する必要がある。この図において、符号200,213は、双方向の信号が多重伝送される光ファイバ、201,206は3端子の光サーキュレータ、207,208はグレーティング型光フィルタ、209〜212は光アンプ(このうち210,212はプリアンプ、209,211はポストアンプ)、214,215は上記図1で示した光周波数アッド・ドロップ回路である。
【0009】
このような回路の場合、光ファイバ200,213を双方向に伝搬する光信号は、光サーキュレータ201,206の作用によって2つの単方向の光信号に分離され、それぞれについて単一方向の光周波数アッド・ドロップ回路214,215に入力されることになる。しかし、この構成は光サーキュレータと光アンプの数が増えるためコストが高くなるという欠点がある。なお、この構成において、光ファイバ200,213に双方向の光アンプを適用し、光アンプの個数を2個に減らすことが可能であるが、この場合以下に説明するような欠点がある。
【0010】
図3は、上記光ファイバ200,213に双方向の光アンプを適用した光周波数アッド・ドロップ回路を光ファイバ伝送路を介して接続したネットワークの一部を示す構成例である。この図において、符号300〜302は、双方向の光信号が伝搬する光ファイバ、303〜305は図2に示した双方向アッド・ドロップ回路、306〜310は双方向アッド・ドロップ回路303〜305の両側に設置される双方向光アンプである。
【0011】
ここで、双方向アッド・ドロップ回路503と双方向アッド・ドロップ回路504との間の距離は小さく、例えば光ファイバ301の損失(伝搬損失)が5dBであると仮定する。一方、双方向アッド・ドロップ回路304と双方向アッド・ドロップ回路305との距離は大きく、光ファイバ302の損失が20dBであると仮定する。また、各双方向アッド・ドロップ回路303〜305における損失は全て同じであり、さらに各双方向光アンプ306〜310の最大出力レベルは0dBmであると仮定する。
【0012】
この場合、上記ネットワークにおいて、双方向アッド・ドロップ回路305から光ファイバ302を伝搬して双方向光アンプ309に入力する信号は、20dBの損失を受けるため、そのレベルは−20dBmとなる。これを0dBmまで増幅するためには、双方向光アンプ309のゲインを20dBとする必要がある。一方、双方向アッド・ドロップ回路303から光ファイバ301を伝搬した信号は、光ファイバ301における損失が小さいために十分高いレベルに保たれたまま双方向アッド・ドロップ回路304に入力され、さらに双方向光アンプ309に入力される。
【0013】
しかしここで、双方向光アンプ309は、ゲインが20dBに設定されており、そのまま入力した場合に上記最大出力レベル(0dBm)を超過することがある。これを防止するためには、信号レベルを小さく設定する必要がある。すなわち、ノードによっては許容最大出力レベル(この例では0dBm)以下の信号レベルとする必要がある。このように双方向光アンプを双方向光ファイバ伝送路と直結する構成では、信号レベルを大きく設定することができないため、光信号の伝送品質を大きく劣化させるという欠点がある(ただし、図2のように各々の伝搬方向に光アンプを設置する構成にはこのような欠点はない)。
【0014】
次に、図4は、光フィルタの透過と反射を同時に利用した光周波数アッド・ドロップ回路の第2の従来例を示す図である。この図において、符号400は周波数が異なる複数の光信号が多重されて入力される入力用の光ファイバ、401は光信号を閉じ込めて伝搬させる媒体(光伝搬媒体)、402,405は特定の光周波数の光信号を透過し、その他の光信号を反射する光フィルタ(例えば多層膜フィルタ等)、403は光フィルタ402を透過した光信号(ドロップ信号)が出力されるドロップ信号出カボート、404は光フィルタ402で反射された光信号、406はアッド信号が入力されるアッド信号入力ポート、407は光フィルタ405で反射した光信号404にアッド信号が付加された光信号、また408は出力用の光ファイバである。
【0015】
光フィルタ402,405は、その中心周波数に一致する光信号を透過し、それ以外の光周波数の光信号を反射する性質を有し、上記光フィルタ(グレーティングファイバ)103とは透過と反射が反対の関係にある。入力用の光ファイバ400から入力された光信号のうち、光フィルタ402の中心周波数に一致する光信号がドロップ信号出カボート403からドロップ信号として出力され、それ以外の光信号は光ファイバ408に出力される。一方、アッド信号入力ポート406から入力されたアッド信号は、光フィルタ405の中心周波数にチューニングされているため、該光フィルタ405を透過して光ファイバ408に出力される。
【0016】
この従来構成は、上述した図1の従来構成と異なり、その構成要素として非相反性を有するサーキュレータを含まないため、双方向伝送が可能である。すなわち、光ファイバ408から光信号を入力すると、該光信号は光信号407から光信号404の経路を逆方向に通って媒体401中を伝搬する。この場合、アッド信号入力ポート406がドロップ信号の出力ポートとなり、ドロップ信号出カボート203がアッド信号の入力ポートとなる。なお、媒体401では、光の可逆性よりドロップ信号出カボート403からの光入力は光信号404の方向へは伝搬せず、光ファイバ400の方向へ出力される(反射光のみが光信号404の方向へ伝搬する)点が、上記光サーキュレータの作用とは大きく違っていることを付記しておく。
【0017】
上記図4の従来の単一方向の光周波数アッド・ドロップ回路を、図2の光周波数アッド・ドロップ回路214,215に適用することによって、双方向の光周波数アッド・ドロップ回路を実現することができる。この場合、サーキュレータの個数は2個に減少するものの、光アンプの個数は変わらないため、コストが高くなるという欠点がある。
【0018】
続いて、図5は、上記図4の従来の単一方向の光周波数アッド・ドロップ回路を用いた双方向の光周波数アッド・ドロップ回路の構成例を示す図である。なお、図4に示した構成要素と同一の構成要素については同一符号を付して、その説明を省略する。この図において、符号500,501は上り/下りのアッド・ドロップ信号を分離する光サーキュレータ、502,505は入力2から出力2への光信号の伝搬におけるアッド信号の入力ポート並びにドロップ信号の出力ポート、504,503は入力1から出力1への光信号の伝搬におけるアッド信号の入力ポート並びにドロップ信号の出力ポートである。
【0019】
このように、当該双方向の光周波数アッド・ドロップ回路は、光ファイバ400,408内を双方向に光信号が伝搬する点、及び光サーキュレータ500,501が付加される点が上記図4の構成と異なっている。光ファイバ400を入力とし、光ファイバ408を出力とする光信号に対しては、ドロップ信号出カボート403がドロップ信号の出力ポートとなり、光サーキュレータ500の作用によって出力ポート503にルーチングされる。一方、アッド信号は、入力ポート504から光サーキュレータ501に入力されて、アッド信号入力ポート406にルーチングされる。
【0020】
反対に、光ファイバ408を入力とし、光ファイバ400を出力とする光信号に対しては、アッド信号入力ポート406はドロップ信号の出力ポートとなり、光サーキュレータ501の作用によって出力ポート505にルーチングされる。一方、入力ポート502に入力されたアッド信号は、光サーキュレータ500の作用によってドロップ信号出カボート403にルーチングされる。
【0021】
ここで、一般に、光フィルタ402,405は、上記光フィルタ(グレーティングファイバ)103とは異なり、反射減衰量が小さい(透過すべき光信号の一部が反射信号の中に混入する)という欠点がある。このようにドロップすべき信号の一部が残ると、その後で付加された同じ周波数の光信号のクロストーク雑音となる(光フィルタ402,405のチューニング周波数が異なる場合)。この欠点をカバーするため、光フィルタ402,405のフィルタの中心周波数を一致させる、つまりドロップ信号とアッド信号の周波数を一致させる場合がある。
【0022】
この場合、ドロップ信号出カボート403にドロップされずに光信号404の経路方向に反射した光信号は、光フィルタ405で再度ドロップされるため、トータルとして反射減衰量が大きくなる。このようにアッド信号とドロップ信号の周波数を同一とした状態で図5の双方向伝送に適用した場合に、上りと下りのアッド信号とドロップ信号の全てが同じ周波数となる。この結果、例えば、アッド信号入力ポート405では、光フィルタ402においてドロップした上り信号の反射分と下り信号の中で光フィルタ402で最初にドロップされた信号がともに出力ポート505に出力されるため、クロストーク雑音が発生する。
【0023】
なお、上記図1に示した構成の引用先は以下の文献である。
C.R.Giles and V.Mizrahi ”Low−Loss ADD/DROP Multiplexer for WDM Lightwave Networks” Tenth International Conference on Integrated Optic and Optical Fiber Communication Technical Digest, pp.66−67(June 26−30, 1995, Hong Kong)
また、第4図に示した構成の引用先は以下の文献である。
G.Bendelli, S.Donati, and R.Lano ”A New Structure for Tuneable OpticalAdd−Drop Multiplexer” 22nd European Conference on Ootical Communication(September 15−19, 1996, Oslo Norway)
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記図4の構成は原理的に双方向伝送に適用可能であるが、アッド用とドロップ用の2つの光フィルタ402,405を異なる周波数に設定した場合においても、また同じ周波数に設定した場合においてもフィルタ特性の不完全性によりクロストーク雑音が発生する。両者とも光周波数が同じクロストーク雑音を発生し、これは同一パワーの異なる周波数のクロストーク雑音よりSN比を大きく劣化させることが知られており、伝送品質の劣化が大きい。
【0025】
また、図4の構成のように、媒体401に対して斜め方向からの入力信号を透過信号と反射信号を分離するタイプの光フィルタは、その通過帯域幅を小さくすると損失が増えると同時に反射減衰特性が劣化するため、チャネル間隔を広くしなければならず、高密度な多重方式には適用できない。また、図5の構成は図2のように伝搬方向毎に独立して光アンプを適用することができず、双方向光アンプが必須となる。この場合、図3の構成の欠点が原理的に避けられなく、またそれに加えて図5の構成では上り方向/下り方向で独立に信号の損失を与えられないので、ノード間で伝送損失のばらつき(すなわち伝送距離のばらつき)がある場合はネットワークが構成できないという致命的な欠点がある。
【0026】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、以下の点を目的とするものである。
(1)原理的に双方向伝送に適用可能な光周波数アッド・ドロップ回路及びそれを用いた光周波数多重ネットワークを提供する。
(2)回路規模が小さい光周波数アッド・ドロップ回路及びそれを用いた光周波数多重ネットワークを提供する。
(3)ネットワークを構成する場合に伝送損失のばらつきがあっても伝送品質の劣化を最小限に抑えることが可能な光周波数アッド・ドロップ回路及びそれを用いた光周波数多重ネットワークを提供する。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では以下のような手段が採用される。
まず、光周波数アッド・ドロップ回路に係わる第1の手段として、第1の光ポート(入力ポート)に入力された光信号を第2の光ポートヘ出力し、該第2の光ポートに入力された光信号を第3の光ポートヘ出力し、該第3の光ポートに入力された光信号を第4の光ポート(出力ポート)ヘ出力する光入出力手段と、前記第2の光ポートに入力された光信号のうち第1の光周波数の光信号を第5の光ポートに向けて通過させると共にその他の光信号を反射し、かつ、第5の光ポートに入力された光信号を第2の光ポートに通過させる第1の光フィルタと、前記第3の光ポートに入力された光信号のうち第2の光周波数の光信号を第6の光ポートに向けて通過させると共にその他の光信号を反射し、かつ、第6の光ポートに入力された光信号を第3の光ポートに通過させる第2の光フィルタとを具備する手段が採用される。この第1の手段は、本願発明で最も基本となる構成であり、入力ポートから出力ポートに、すなわち片方向に光信号(チャネル)が伝送される光周波数多重ネットワークに適用可能なものである。
【0028】
この場合、上記光入出力手段としては、第1の光ポートに入力された光信号を第2の光ポートに出力し、該第2の光ポートに入力された光信号を第2の光サーキュレータヘ出力する第1の光サーキュレータと、該第1の光サーキュレータから入力された光信号を第3の光ポートへ出力し、該第3の光ポートに入力された光信号を第4の光ポートへ出力する第2の光サーキュレータからなる構成、つまり2つの3端子光サーキュレータからなる構成が採用される。また、この光入出力手段として、1つの4端子光サーキュレータを用いても良い。
【0029】
また、この第1の手段に、第1の光周波数及び第2の光周波数の少なくとも一方を可変可能とする、さらに第1の光フィルタあるいは第2の光フィルタの少なくとも一方に補助光フィルタを縦続接続し、該補助光フィルタは通過させる光信号の光周波数を前記第1の光フィルタあるいは第2の光フィルタに対して独立して設定するという手段を付加しても良い。さらに、このように各種手段が施された各光周波数アッド・ドロップ回路を、出力ポートと入力ポートとを相互に接続することにより任意の組み合わせで複数縦続接続し、1つの光周波数アッド・ドロップ回路を構成するという手段を採用することが考えられる。
【0030】
次に、光周波数アッド・ドロップ回路に係わる第2の手段として、第1の光ポートに入力された光信号を第2の光ポートヘ出力し、該第2の光ポートに入力された光信号を第3の光ポートへ出力し、該第3の光ポートに入力された光信号を第4の光ポートへ出力し、該第4の光ポートから入力された光信号を第5の光ポートへ出力し、前記第5の光ポートに入力された光信号を第6の光ポートへ出力し、該第6の光ポートに入力された光信号を第1の光ポートへ出力する光入出力手段と、前記第2の光ポートに入力された光信号のうち第1の光周波数の光信号を第7の光ポートに向けて通過させると共にその他の光信号を反射させる第1の光フィルタと、前記第3の光ポートに入力された光信号のうち第2の光周波数の光信号を第8の光ポートに向けて通過させると共にその他の光信号を反射し、かつ、第8の光ポートに入力された前記第2の光周波数の光信号を第3の光ポートに通過させる第2の光フィルタと、前記第5の光ポートに入力された光信号のうち第3の光周波数の光信号を第9の光ポートに向けて通過させると共にその他の光信号を反射させる第3の光フィルタと、前記第6の光ポートに入力された光信号のうち第4の光周波数の光信号を第10の光ポートに向けて通過させると共にその他の光信号を反射し、かつ、第10の光ポートに入力された前記第4の光周波数の光信号を第6の光ポートに通過させる第4の光フィルタとを具備する手段が採用される。この第2の手段は、第1の光ポートと第4の光力ポートとの間で双方向に光信号(チャネル)を伝送することが可能であり、双方向の光周波数多重ネットワークに適用可能である。
【0031】
この場合、光入出力手段としては、第1の光ポートに入力された光信号を第2の光ポートに出力し、該第2の光ポートに入力された光信号を第3の光ポートに出力し、該第3の光ポートに入力された光信号を第2の光サーキュレータに出力し、該第2の光サーキュレータから入力された光信号を第1の光ポートに出力する第1の光サーキュレータと、該第1の光サーキュレータから入力された光信号を第4の光ポートへ出力し、該第4の光ポートに入力された光信号を第5の光ポートへ出力し、該第5の光ポートに入力された光信号を第6の光ポートへ出力し、該第6の光ポートに入力された光信号を前記第1の光サーキュレータへ出力する前記第2の光サーキュレータとからなる構成、つまり2つの4端子光サーキュレータからなる構成が採用される。
【0032】
一方、光入出力手段として、第1の光ポートに入力された光信号を第2の光ポートヘ出力し、該第2の光ポートに人力された光信号を第4の光サーキュレータヘ出力し、該第4の光サーキュレータから入力された光信号を第6の光ポートヘ出力し、該第6の光ポートに入力された光信号を第1の光ポートヘ出力する第3の光サーキュレータと、該第3の光サーキュレータから入力された光信号を第3の光ポートヘ出力し、該第3の光ポートに入力された光信号を第4の光ポートへ出力し、該第4の光ポートに入力された光信号を第5の光ポートへ出力し、該第5の光ポートに入力された光信号を前記第3の光サーキュレータへ出力する前記第4の光サーキュレータとからなる構成を採用することが考えられる。なお、光入出力手段としては、1つの6端子光サーキュレータを用いても良い。
【0033】
また、この第2の手段において、第1あるいは第3の光フィルタの少なくとも一方に双方向に光信号を入出力すると共に該光信号を増幅する双方向光アンプを縦続接続し、各々の双方向光アンプのゲインを独立して設定する、さらに光入出力手段を上記第1の光サーキュレータと第2の光サーキュレータとによって構成する場合、これらの間に双方向に光信号を入出力すると共に該光信号を増幅する双方向光アンプを置するという手段を付加しても良い。
【0034】
光周波数アッド・ドロップ回路に係わる第3の手段として、第1の光伝送路から入力された光信号を第1の光ポートヘ出力し、該第1の光ポートに入力された光信号を第2の光ポートへ出力し、該第2の光ポートに入力された光信号を第3の光ポートへ出力し、該第3の光ポートから入力された光信号を第2の光伝送路へ出力し、該第2の光伝送路から入力された光信号を第4の光ポートへ出力し、該第4の光ポートに入力された光信号を第5の光ポートへ出力し、該第5の光ポートに入力された光信号を第6の光ポートへ出力し、該第6の光ポートに入力された光信号を前記第1の光伝送路へ出力する光入出力手段と、前記第1の光ポートに入力された光信号のうち第1の光周波数の光信号を第7の光ポートに通過させると共にその他の光信号を反射させる第1の光フィルタと、前記第2の光ポートに入力された光信号のうち第2の光周波数の光信号を第8の光ポートに通過させると共にその他の光信号を反射させる第2の光フィルタと、前記第3の光ポートに入力された光信号のうち第3の光周波数の光信号を第9の光ポートに通過させると共にその他の光信号を反射し、かつ、第9の光ポートに入力された前記第3の光周波数の光信号を第3の光ポートに通過させる第3の光フィルタと、前記第4の光ポートに入力された光信号のうち前記第3の光周波数の光信号を第10の光ポートに通過させると共にその他の光信号を反射させる第4の光フィルタと、前記第5の光ポートに入力された光信号のうち第4の光周波数の光信号を第11の光ポートに通過させると共にその他の光信号を反射させる第5の光フィルタと、前記第6の光ポートに入力された光信号のうち前記第1の光周波数の光信号を第12の光ポートに通過させると共にその他の光信号を反射し、かつ、第12の光ポートに入力された前記第1の光周波数の光信号を第6の光ポートに通過させる第6の光フィルタとを具備する手段が採用される。この第3の手段は、第1、第2の光伝送路において生じる光信号の反射信号を、第7あるいは第10の光ポートに出力させて除去するものである。
【0035】
この場合、光入出力手段には、第1の光伝送路から入力された光信号を第1の光ポートヘ出力し、該第1の光ポートに入力された光信号を第2の光サーキュレータへ出力し、該第2の光サーキュレータから入力された光信号を第6の光ポートへ出力し、第6の光ポートに入力された光信号を前記第1の光伝送路ヘ出力する第1の光サーキュレータと、該第1の光サーキュレータから入力された光信号を第2の光ポートへ出力し、該第2の光ポートに入力された光信号を第3の光サーキュレータへ出力し、該第3の光サーキュレータから入力された光信号を第5の光ポートへ出力し、該第5の光ポートに入力された光信号を前記第1の光サーキュレータへ出力する前記第2の光サーキュレータと、該第2の光サーキュレータから入力された光信号を第3の光ポートへ出力し、該第3の光ポートに入力された光信号を第2の光伝送路へ出力し、該第2の光伝送路から入力された光信号を第4の光ポートへ出力し、該第4の光ポートに入力された光信号を前記第2の光サーキュレータへ出力する前記第3の光サーキュレータからなる構成、つまり3つの4端子光サーキュレータからなる構成が採用される。なお、光入出力手段に1つの8端子光サーキュレータを採用しても良い。
【0036】
さらに、光周波数アッド・ドロップ回路に係わる第4の手段として、第1の光伝送路から入力された光信号を第1の光ポートヘ出力し、該第1の光ポートに入力された光信号を第2の光ポートへ出力し、該第2の光ポートに入力された光信号を第3の光ポートへ出力し、該第3の光ポートから入力された光信号を第2の光伝送路へ出力し、該第2の光伝送路から入力された光信号を第4の光ポートへ出力し、該第4の光ポートに入力された光信号を第5の光ポートへ出力し、該第5の光ポートに入力された光信号を第6の光ポートへ出力し、該第6の光ポートに入力された光信号を前記第1の光伝送路へ出力する光入出力手段と、前記第1の光ポートに入力された光信号のうち第1の光周波数の光信号を第7の光ポートに向けて通過させると共にその他の光信号を反射させる第1の光フィルタと、前記第2の光ポートに入力された光信号のうち第2の光周波数の光信号を第8の光ポートに向けて通過させると共にその他の光信号を反射し、かつ、第8の光ポートに入力された前記第2の光周波数の光信号を第2の光ポートに向けて通過させる第2の光フィルタと、前記第3の光ポートに入力された光信号のうち第3の光周波数の光信号を第1の光終端手段に向けて通過させると共にその他の光信号を反射させる第3の光フィルタと、前記第4の光ポートに入力された光信号のうち第4の光周波数の光信号を第9の光ポートに向けて通過させると共にその他の光信号を反射させる第4の光フィルタと、前記第5の光ポートに入力された光信号のうち前記第3の光周波数の光信号を第10の光ポートに向けて通過させると共にその他の光信号を反射し、かつ、第10の光ポートに入力された前記第3の光周波数の光信号を第5の光ポートに向けて通過させる第5の光フィルタと、前記第6の光ポートに入力された光信号のうち前記第2の光周波数の光信号を第2の光終端手段に向けて通過させると共にその他の光信号を反射させる第6の光フィルタとを具備する手段が採用される。この第4の手段は、上記反射信号を第1あるいは第2の光終端手段に吸収させるものである。
【0037】
この場合、光入出力手段としては、第1の光伝送路から入力された光信号を第1の光ポートヘ出力し、該第1の光ポートに入力された光信号を第2の光ポートへ出力し、該第2の光ポートに入力された光信号を第2の光サーキュレータへ出力し、該第2の光サーキュレータから入力された光信号を前記第1の光ポートヘ出力する第1の光サーキュレータと、該第1の光サーキュレータから入力された光信号を第3の光ポートへ出力し、該第3の光ポートに入力された光信号を第3の光サーキュレータへ出力し、該第3の光サーキュレータから入力された光信号を第6の光ポートへ出力し、該第6の光ポートに入力された光信号を前記第1の光サーキュレータへ出力する前記第2の光サーキュレータと、該第2の光サーキュレータから入力された光信号を第2の光伝送路へ出力し、該第2の光伝送路から入力された光信号を第4の光ポートへ出力し、該第4の光ポートに入力された光信号を第5の光ポートへ出力し、該第5の光ポートに入力された光信号を前記第2の光サーキュレータへ出力する前記第3の光サーキュレータとからなる構成、つまり3つの4端子光サーキュレータからなる構成が採用される。なお、光入出力手段として、1つの8端子光サーキュレータを採用しても良い。
【0038】
次に、上述した各種の光周波数アッド・ドロップ回路を、光周波数多重ネットワークのノードに適用することにより各種の光周波数多重ネットワークを構成する手段について説明する。
【0039】
まず、該光周波数多重ネットワークに係わる第1の手段として、上記第1の手段として示した各種の光周波数アッド・ドロップ回路を入力ポートと出力ポートとを光伝送路によって相互に接続することにより、複数任意の組み合わせでループ状に接続するという手段が採用される。このような構成を採用することにより、光信号(チャネル)が各光周波数アッド・ドロップ回路の入力ポートから出力ポートに片方向に伝送される光周波数多重ネットワークが形成される。
【0040】
また、光周波数多重ネットワークに係わる第2の手段として、上記第2から第4の手段として示した光周波数アッド・ドロップ回路を、第1の光伝送路と第2の光伝送路とを相互に接続することによって、任意の組み合わせでループ状に複数接続するという手段が採用される。この場合、光信号(チャネル)が各光周波数アッド・ドロップ回路の第1の光伝送路と第2の光伝送路との間で双方向に伝送される光周波数多重ネットワークが形成される。
【0041】
この場合、各光周波数アッド・ドロップ回路の間に双方向に光信号を入出力すると共に該光信号を増幅する双方向光アンプを配置するという手段を付加してもよい。また、このような各種手段が講じられた光周波数多重ネットワークに係わる第2の手段において、各光周波数アッド・ドロップ回路の間に光信号に周波数遷移を与える周波数シフタを配置するという手段を付加しても良い。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、図6〜図22を参照して、本発明に係わる光周波数アッド・ドロップ回路及びそれを用いた光周波数多重ネットワークの実施形態について説明する。
【0043】
〔光周波数アッド・ドロップ回路の第1実施形態〕
まず、図6を参照して、光周波数アッド・ドロップ回路の第1実施形態について説明する。この光周波数アッド・ドロップ回路aは、光信号の単方向伝送に適用されるものであり、本発明において最も基本となるものである。
【0044】
図6は、この実施形態の構成を示すブロック図である。この図において、符号600は各々にチャネルを形成する複数の光信号(入力信号)が光周波数多重されて入力される入力ポート、601は同様に入力信号が出力される出力ポート、602は上記入力ポート600と出力ポート601、及び入力ポート603と出力ポート604が接続される4端子の光サーキュレータ、605は出力ポート604に接続される光バンドパスフィルタ、608は出力ポート603に接続される光バンドパスフィルタ、606は上記光バンドパスフィルタ605に接続される光アイソレータ、609は光バンドパスフィルタ608に接続される光アイソレータ、607は上記光アイソレータ606に接続されるドロップ信号出力ポート,610は上記光アイソレータ609に接続されるアッド信号入力ポートである。
【0045】
上記光バンドパスフィルタ605,608は、チューニング周波数の光信号のみを透過させ、残りの周波数成分の光信号を反射する性質を有するものであり、チューニング周波数を可変可能なものあるいは固定のものを適用することができる。
【0046】
入力ポート600から人力された入力信号は、光サーキュレータ602の作用により出力ポート604にルーチングされて光バンドパスフィルタ605に入力される。光バンドパスフィルタ605は、特定の光周波数(特定のチャネル)の光信号のみを透過させ、かつ残りの光周波数(残りのチャネル)の光信号を反射する。この結果、前記特定のチャネルの光信号は、ドロップ信号出力ポート607へ出力され、残りのチャネルの光信号は光サーキュレータ602の方向に反射される。
【0047】
光バンドパスフィルタ605を透過した透過信号は、光アイソレータ606をを透過してドロップ信号出力ポート607からドロップ信号として出力される。光アイソレータ606は、上記ドロップ信号がその先に接続されているコネクタ(図示略)などによって反射されることを防ぐためのものであり、反射が少ないケースでは省略することができる。
【0048】
一方、光バンドパスフィルタ605から光サーキュレータ602に反射されたチャネルの光信号は、該光サーキュレータ602の作用より入力ポート603にルーチングされる。そして、入力ポート603から光バンドパスフィルタ608に入力された光信号のうち、該光バンドパスフィルタ608のチューニング周波数に一致しない光信号は、再び光サーキュレータ602に反射され、該光サーキュレータ602の作用より出力ポート601から出力される。
【0049】
さらに、アッド信号入力ポート610には光バンドパスフィルタ608のチューニング周波数に一致したアッド信号が入力され、該アッド信号は、光アイソレータ609及び光バンドパスフィルタ608を透過して入力ポート603に出力され、光サーキュレータ602の作用によって出力ポート601にルーチングされ、上記光バンドパスフィルタ605によって反射された光信号とともに出力ポート601から出力される。
【0050】
なお、上述した光サーキュレータ602から出力ポート603に入力されて光バンドパスフィルタ608を透過した光信号は、光アイソレータ609によって吸収される。しかし、光アイソレータ609が設けられない場合、アッド信号入力ポート610にドロップ信号として出力されることになる。すなわち、ドロップ信号出力ポート607とアッド信号入力ポート610とは、光アイソレータ606、609を設けないことにより、原理的に光信号の付加(アッド)及び光信号の分離(ドロップ)のどちらにも用いることが可能である。
【0051】
なお、上記光バンドパスフィルタ605,608の通過帯域は、用途により固定でよい場合もあり、必要に応じて可変とすることが考えられる。通過帯域を固定する場合は通過帯域を可変するための駆動回路が不要であるが、アッド信号のチャネルやドロップ信号のチャネルをダイナミックに切り替える用途では、例えば直流電圧で駆動されるファイバファブリペローフィルタや圧電素子で駆動される誘電体フィルタ等が光バンドパスフィルタ605,608として用いられる。この場合、これら駆動回路の消費電力は僅かなものである。
【0052】
次に、図7に示す実験結果を参照して、上記光周波数アッド・ドロップ回路aの作動を説明する。なお、この図7は、図7(a)に示す回路(上記光周波数アッド・ドロップ回路aの一部分)において、入力ポート600に入力された入力信号に対して、入力ポート603に出力される出力信号とドロップ信号出力ポート607に出力されるドロップ信号の特性を示すものである。
【0053】
この場合、入力信号としては、図7(b)に示すように、所定の周波数間隔を隔てた4つの光信号703〜706が周波数多重されて入力ポート600に入力される。図7(c)は、光バンドパスフィルタ605を光信号703にチューニングした場合におけるドロップ信号のスペクトルを示す特性図である。
【0054】
この特性図に示すように、入力ポート600に入力された光信号703は僅かにレベルが減衰するものの、特性707に示すように十分なレベルでドロップ信号出力ポート607に出力され、入力信号のうち他のチャネルの光信号704〜706は、光バンドパスフィルタ605によって反射されるため、非常に僅かなレベルでドロップ信号出力ポート607に出力される。すなわち、ドロップ信号出力ポート607には、光バンドパスフィルタ605によってチューニングされた光信号703のみが選択的に出力される。
【0055】
一方、入力ポート603に出力される出力信号のスペクトル特性は、図7(d)のようになる。このスペクトル特性に示されるように、光信号703は、ドロップ信号出力ポート607において分離されるため、出力信号としは特性708に示すように僅かなレベルとなる。この出力信号のうち、ドロップ信号出力ポート607において分離された光信号703を除く残りの光信号704〜706は、特性709〜711に示すように、入力信号とほぼ同等のレベルで入力ポート603に出力されている。なお、この出力信号に現れるドロップ信号の漏れは、実験で使用した部品の不完全性や接続点での反射に起因するものであり、原理的には発生しないものである。
【0056】
〔光周波数アッド・ドロップ回路の第2実施形態〕
続いて、図8を参照して、光周波数アッド・ドロップ回路の第2実施形態について説明する。上記光周波数アッド・ドロップ回路aでは1個の4端子の光サーキュレータを用いたが、この実施形態はその変形例であり、図示するように、上記4端子の光サーキュレータ602を2つの3端子光サーキュレータ800,801で置き換えた構成となっている。なお、動作は図6の回路構成と同様であり、詳細については省略する。
【0057】
〔光周波数アッド・ドロップ回路の第3実施形態〕
次に、図9を参照して、光周波数アッド・ドロップ回路の第3実施形態について説明する。なお、この図において、(a)は回路構成を示す図であり、(b)はその動作を説明する図である。
【0058】
本実施形態の回路構成は、上記光周波数アッド・ドロップ回路aにおいて、光バンドパスフィルタ605に直列に光バンドパスフィルタ900を、また光バンドパスフィルタ608に直列に光バンドパスフィルタ901をそれぞれ追加したものである。各光バンドパスフィルタ900,901は、上記光バンドパスフィルタ605,608と同等のものであり、定常状態では光バンドパスフィルタ605,608と同じ周波数にチューニング(同調)されている。したがって、この回路の動作は、上記光周波数アッド・ドロップ回路aと全く同様である。
【0059】
ここで、新たに付加された上記光バンドパスフィルタ900,901の役割について、図9(b)を参照して説明する。この図において、符号903〜907は、入力信号を形成する各チャネルの光信号(厳密にはその周波数)を示し、また908は光信号903を分離する光バンドパスフィルタ605,900の通過帯域を示す。
【0060】
まず、光バンドパスフィルタ900が設けられていない状態を仮定する。この状態にいて、ドロップ信号として分離される光信号を光信号903から光信号906に変更するためには、光バンドパスフィルタ605の通過帯域908を通過帯域909にシフトさせる必要がある。
【0061】
しかし、そのシフトの途中には、図示するように分離対象となっていないチャネルの光信号904,905が存在し、単純に光バンドパスフィルタ605のチュー二シグ周波数を光信号908の周波数から光信号909の周波数にシフトさせた場合、過渡的に光信号904と光信号905がドロップ信号出力ポート607に出力されてしまう。すなわち、光信号904,905のチャネルから見れば、一時的に回線障害が発生した状態となり、一般にこのような状態は許容されない。
【0062】
そこで、このような事態を防ぐために、光バンドパスフィルタ900が挿入される。光信号903の選択中において、光バンドパスフィルタ605,900のチューニング周波数は、各々通過帯域908と通過帯域910に示すように、光信号903の周波数に設定される。そして、この状態から新たに光信号906を分離しようとする場合、最初に光バンドパスフィルタ900の通過帯域を通過帯域910から通過帯域911に設定し直すことになる。この結果、光信号903は光バンドパスフィルタ900によって反射され、ドロップ信号出力ポート607に出力されなくなる。
【0063】
さらに、この状態で光バンドパスフィルタ605の通過帯域を通過帯域908から通過帯域909に設定し直す。このとき、光信号904と光信号905は、光バンドパスフィルタ605によって過渡的に選択されるが、光バンドパスフィルタ900によって反射されるため、ドロップ信号出力ポート607に出力されることはない。このように、光バンドパスフィルタ605が光信号906にチューニングされると、光バンドパスフィルタ900が既に光信号906にチューニングされているので、光信号906はドロップ信号出力ポート607に出力される。
【0064】
すなわち、ドロップ信号出力ポート607に出力されるチャネルを変更する場合、2つの光バンドパスフィルタ605,900を交互にチューニングすることにより、他のチャネルを誤って分離する事態(誤動作状態)を避けることができる。このような誤動作を避けるための動作原理は、チャネル(光信号)を付加する場合にも、また分離する場合にも同様に成立するので、光バンドパスフィルタ608にも光バンドパスフィルタ901が従属接続される。なお、このような手段は、上記図8の回路構成にもそのまま適用可能である。
【0065】
このように、本実施形態の光周波数アッド・ドロップ回路は、付加/分離(アッド/ドロップ)するチャネルの変更を光バンドパスフィルタのチューニング周波数を変えることにより、他のチャネルに影響を与えることなく容易に実現できるという特徴がある。
【0066】
〔光周波数アッド・ドロップ回路の第4実施形態〕
ところで、上記各種構成の光周波数アッド・ドロップ回路は、1つのチャネルをアッド(付加)及びドロップ(分離)するものであった。これらの光周波数アッド・ドロップ回路を光周波数多重ネットワークのノードに適用する場合には、1つのノードで複数のチャネルのアッド・ドロップが要求される場合がある。次に説明する光周波数アッド・ドロップ回路は、このような用途に対応可能な光周波数アッド・ドロップ回路の回路構成に係わるものである。
【0067】
以下、図10を参照して、光周波数アッド・ドロップ回路の第4実施形態の構成を説明する。なお、本実施形態は、上記光周波数アッド・ドロップ回路aを2つ縦続接続したものであり、上記図6の構成要素と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。また、以下の符号600〜610によって示される光周波数アッド・ドロップ回路aは、600’〜610’によって示される光周波数アッド・ドロップ回路a’と全く同等のものである。すなわち、光周波数アッド・ドロップ回路aと光周波数アッド・ドロップ回路a’とは、出力ポート601と出力ポート600’とが接続されて縦続接続されている。
【0068】
上記各光周波数アッド・ドロップ回路a,a’は、各々独立にIチャネルの光信号をアッド・ドロップできるから、全体として2チャネルのアッド・ドロップが可能となる。すなわち、必要に応じて光周波数アッド・ドロップ回路aを複数縦続接続することにより、任意のチャネル数の光信号のアッド・ドロップに対応することが可能である。
【0069】
複数のチャネルのアッド・ドロップに対応した第2の手段としては、全体の構成を変えずに、使用する光バンドパスフィルタを既知のトランスバーサル型のフィルタのようにマルチチャネル通過型とすることが考えられる。このような手段は、光バンドパスフィルタの構成が複雑化するが、任意のチャネルのアッド・ドロップが可能である。
【0070】
また、第3の手段としては、光バンドパスフィルタの通過帯域を広げることである。しかし、この場合は、アッド・ドロップされるチャネルが連続している必要がある。この場合、アッド・ドロップされるチャネルの信号レベルを均等にするため、光バンドパスフィルタの通過帯域は、多チャネルにわたって平坦であることが必要である。
【0071】
さらに、上記第3の手段に類似した第4の手段として、光バンドパスフィルタの周期性(PSR)を利用し、1つの光バンドパスフィルタで一定間隔の複数のチャネルを同時に選択することができる。この手段は、光バンドパスフィルタの通過帯域を上記第3の手段のように広げる必要がない反面、光バンドパスフィルタの周期性の誤差を小さくする必要がある。
【0072】
このような第3と第4の手段を適用する場合には、何れもアッド・ドロップ用のポートに周波数多重回路及び分離回路が新たに必要となる。以上のように、アッド・ドロップするチャネル数に比例して同一種類の回路を増設するか、あるいは光バンドパスフィルタの通過特性を多チャネル用に変更することによって実現可能である。
【0073】
〔光周波数多重ネットワークの第1実施形態〕
以上に、単一方向に光信号を伝送する光周波数アッド・ドロップ回路の種々の回路構成について説明してきたが、続いて、これら光周波数アッド・ドロップ回路を用いて双方向に光信号を伝送する光周波数多重ネットワークの実施形態について説明する。なお、この光周波数多重ネットワークは、上記図6に示した基本的な光周波数アッド・ドロップ回路aを組み合わせたものである。
【0074】
図11は、当該光周波数多重ネットワークの構成を示すブロック図である。この図に示すように、この光周波数多重ネットワークは、例えば同一構成の4つのノードA〜Dから構成されており、これら各ノードA〜Dは光周波数多重された光信号の入カ・出力を行う上記光周波数アッド・ドロップ回路aから構成されている。
【0075】
例えば、ノードBを例にとって説明すると、ノードBは、光サーキュレータ1112、光信号の分離(ドロップ)用の光バンドパスフィルタ1113、ドロップ信号の反射防止のための光アイソレータ1114、光信号の付加(アッド)用の光バンドパスフィルタ1115、アッド信号の反射防止のための光アイソレータ1116からなる光周波数アッド・ドロップ回路aとして構成されている。また、他の各ノードA,C,Dも上記ノードBと全く同様に光周波数アッド・ドロップ回路aと同様に構成されている。
【0076】
これら各ノードA〜Dにおいて、符号1117〜1120はドロップ信号出力ポート、1121〜1124はアッド信号入力ポートである。また、1104〜1109はノード間を接続する光ファイバ、1110,1111は光アンプである。ノードAとノードBとは各々の光サーキュレータを介して光ファイバ1108によって接続され、ノードCとノードDとは各々の光サーキュレータを介して光ファイバ1105によって接続され、またノードBとノードCとは各々の光サーキュレータが光ファイバ1104,1109と光アンプ1110とを介して接続され、ノードCとノードDとは各々の光サーキュレータが光ファイバ1106,1107と光アンプ1111とを介してそれぞれ接続される。
【0077】
すなわち、各ノードA〜Dは、1つのループを構成するように光ファイバ1104〜1109と光アンプ1110,1111とによって相互に接続されている。このようにループ状に接続されたノードA〜D間では、光信号がノードAからノードBに、ノードBからはノードCに、ノードCからはノードDに、そしてノードDからはノードAに一定方向に伝搬される。そして、光アンプ1110はノードBからノードCに伝搬される光信号を増幅し、光アンプ1111はノードDからノードAに伝搬される光信号を増幅する。
【0078】
このように構成された光周波数多重ネットワークにおいて、例えば、ノードDとノードBとの間で双方向のチャネルを設定しようとする場合、最初にループ上で使われていない周波数fbdが選定される。そして、ノードDとノードBの各光バンドパスフィルタが上記周波数fbdにチューニングされる。この状態で、ノードDのアッド信号入力ポート1123から周波数fbdの搬送光信号を変調した光信号がアッド信号として入力される。
【0079】
このアッド信号は、ノードDの光サーキュレータの作用によって光ファイバ1106に伝搬され、光アンプ1111によって増幅された後、さらに光ファイバ1107を伝搬してノードAの光サーキュレータに入力される。そして、当該ノードAの光サーキュレータのルーティング作用と光バンドパスフィルタの反射作用とによって光ファイバ1108に導かれてノードBに入力され、光サーキュレータ1112の作用によって光バンドパスフィルタ1113に入力され、上述の如く当該アッド信号の周波数fbdにチューニングされた光バンドパスフィルタ1113を透過してドロップ信号出力ポート1117から出力される。
【0080】
逆に、ノードBのアッド信号入力ポート1121から周波数fbdの搬送光信号を変調した光信号をアッド信号として入力すると、該アッド信号は、ノードAの光サーキュレータ1112の作用によって光ファイバ1109に伝搬され、光アンプ1110によって増幅された後、光ファイバ1104を伝搬してノードCの光サーキュレータに入力される。そして、当該ノードCの光サーキュレータのルーティング作用と光バンドパスフィルタの反射作用とによって光ファイバ1105に導かれてノードDに入力され、光サーキュレータの作用によって光バンドパスフィルタに入力され、該アッド信号の周波数fbdにチューニングされた光バンドパスフィルタを透過してドロップ信号出力ポート1119から出力される。
【0081】
ここで、ノードBとノードD間の上チャネルと下チャネルとの割り当てる周波数(上記周波数fbd)は、一般的に同一周波数でなくても良い。この場合、ノードB,Dにおけるアッド用の光バンドパスフィルタとドロップ用の光バンドパスフィルタの各々のチューニング周波数は異なることになる。
【0082】
以上のように、このループ状の周波数多重ネットワークにおいては、送信された周波数チャネルを受信側の光バンドパスフィルタで抜き取るという動作であり、受信側の光バンドパスフィルタの故障や同調周波数の誤設定があった場合に、送信された周波数チャネルはループを周回することになる。ただし、ループを一周して送信ノードに戻ってくると、送信の光バンドパスフィルタで必ずドロップされるため、多周回による発振や飽和現象は発生しない。
【0083】
この実施形態では、2つのノード間に設定される上チャネルと下チャネルは、ループに沿って一周することとなり、上チャネルと下チャネルとで経路が異なるという特徴がある。なお、上チャネルと下チャネルで同じ周波数を割り当てた場合にループに沿って光信号が一周することになるため、他の区間ではこの周波数が使えない。
【0084】
一方、上チャネルと下チャネルとで異なる周波数を割り当てた場合、他の区間で当該周波数と同じ周波数を再利用可能であり、同じ多重数でも設定可能な最大チャネル数が増加して周波数の利用効率が向上する。また、周波数を再利用する場合も受信ノードでのフィルタの故障による多周回による発振や飽和現象は発生しない。なぜなら、他の区間の同じ周波数のアッド回路のバンドパスフィルタによって終端されるためである。
【0085】
上記の光周波数多重ネットワークにおける上チャネルと下チャネルの経路の不一致は、従来のネットワークの運用上の制約から許容されない場合がある。そのような場合は、光信号の伝搬方向の異なるもう一つのループ状ネットワークを設置し、2つのネットワークをそれぞれ上チャネルと下チャネルの各経路に割り当てる方法がある。ただし、この場合の伝送路長は2倍となる欠点がある。
【0086】
〔光周波数アッド・ドロップ回路の第5実施形態〕
次に、図12を参照して、上記欠点を解決するため、双方向に光信号を伝送させることが可能な光周波数アッド・ドロップ回路(双方向光周波数アッド・ドロップ回路b)の実施形態について説明する。
【0087】
なお、この双方向光周波数アッド・ドロップ回路bは、上記図8に示した光周波数アッド・ドロップ回路の各光サーキュレータ800,801を4端子の光サーキュレータに変更し、該各4端子の光サーキュレータの空いている端子にドロップ信号用の回路素子とアッド信号用の回路素子を図示するように付加することによって、上チャネルと下チャネルとの両方向の光信号に対してアッド・ドロップを可能としたものである。したがって、基本的なアッド・ドロップ動作も図8に示した光周波数アッド・ドロップ回路と同様である。
【0088】
この図において、符号1200,1201は上チャネルと下チャネルの各光信号が双方向に伝搬される伝送路(例えば光ファイバ)であり、このうち伝送路1200は4端子の光サーキュレータ1203の1つの光ポートに接続され、伝送路1201は4端子の光サーキュレータ1202の1つの光ポートに接続される。光サーキュレータ1202と光サーキュレータ1203とは、1つの光ポートによって相互に接続されている。
【0089】
符号1204は上チャネルのドロップ信号用の光バンドパスフィルタであり、、光サーキュレータ1202の1つの光ポートに接続され、その他端には上チャネルのドロップ信号の反射防止のための光アイソレータ1206が接続され、該光アイソレータ1206の他端には上チャネルのドロップ信号を取り出すための出力ポート1208が接続される。また、1205は上チャネルのアッド信号用の光バンドパスフィルタであり、光サーキュレータ1203の1つの光ポートに接続され、その他端には上チャネルのアッド信号の反射防止のための光アイソレータ1207が接続され、該光アイソレータ1207の他端には上チャネルのアッド信号を入力するための入力ポート1209が接続される。
【0090】
一方、符号1210は下チャネルのアッド信号用の光バンドパスフィルタであり、その他端には下チャネルのアッド信号の反射防止のための光アイソレータ1212が接続され、該光アイソレータ1212の他端には下チャネルのアッド信号を入力するための入力ポート1214が接続される。また、1211は下チャネルのドロップ信号用の光バンドパスフィルタであり、その他端には下チャネルのドロップ信号の反射防止のための光アイソレータ1213が接続され、該光アイソレータ1213の他端には下チャネルのドロップ信号を取り出すための出力ポート1215が接続されている。
【0091】
このように構成された双方向光周波数アッド・ドロップ回路bによれば、上チャネルと下チャネルの両方向の光信号に対して、特定の光信号のアッド・ドロップ動作を実現することが可能である。
【0092】
〔光周波数アッド・ドロップ回路の第6実施形態〕
なお、この構成において、4端子の光サーキュレータ1102,1203を、図13に示すように、1つの6端子光サーキュレータ1300で置き換えることによって素子点数を減らすことが可能である。また、上記図9に示したように光バンドパスフィルタを2段構成とすることにより、選択するチャネルの変更時に、他の無関係なチャネルの誤選択を避けることも可能である。
【0093】
〔光周波数アッド・ドロップ回路の第7実施形態〕
次に、図14を参照して、光周波数アッド・ドロップ回路の第7実施形態について説明する。なお、本実施形態は、上記図12に示した双方向光周波数アッド・ドロップ回路bの変形例であり、図12に示した構成要素と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0094】
図14において、符号1400,1401は、4端子のサーキュレータであり、光ファイバ1802によって相互に接続されている。この回路構成において、光ファイバ1802の左側が下チャネルの光信号に対する光周波数アッド・ドロップ回路を形成し、右側が上チャネルの光信号に対する光周波数アッド・ドロップ回路を形成している。
【0095】
ここで、上記双方向の光周波数アッド・ドロップ回路bを基本的な機能ブロックとすると、上記図13の回路構成はそれらを1つに集約した構成に相当し、さらにおこの実施形態の回路構成は上チャネルと下チャネル毎に機能を集約した構成に相当する。原理的には図12あるいは図13に示した構成と全く同一であるが、図1本実施形態の構成は、後述するように双方向光アンプを適用する場合に、非常に効率的な構成が可能になる点で極めて重要である。
【0096】
〔光周波数多重ネットワークの第2実施形態〕
次に、図15を参照して、上記双方向の光周波数アッド・ドロップ回路bを用いた光周波数多重ネットワークの第2実施形態について説明する。なお、この実施形態は、双方向の光周波数アッド・ドロップ回路bと該光周波数アッド・ドロップ回路bと全く同一構成の双方向光周波数アッド・ドロップ回路b’を双方向性の光アンプを用いてループ状に接続した回路構成になっている。なお、上記図12において説明した構成要素と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0097】
図15において、符号1500,1501は右回りの光周波数多重された光信号が双方向に伝搬される光ファイバ、1502,1503は左回りの光周波数多重された光信号が双方向に伝搬される光ファイバ、1404,1405は双方向の光ファイバアンプ、1506は上記双方向光周波数アッド・ドロップ回路bによって構成されたノード、1507は上記双方向光周波数アッド・ドロップ回路b’によって構成されたノードである。このように、ノード1506とノード1507とは、光ファイバ1500,1501及び光ファイバアンプ1504によって相互に接続されると共に、光ファイバ1502,1503及び光ファイバアンプ1505によっても相互に接続され、全体としてループ状に接続される。
【0098】
ノード1506において、1208は左回りの光信号から分離されたドロップ信号が出力される入力ポート、1209は左回りの光信号に付加するアッド信号が入力される入力ポート、また1214は右回りの光信号に付加するアッド信号が入力される入力ポート、1215は右回りの光信号から分離されたドロップ信号が出力される入力ポートである。同様に、ノード1507において、1214’は左回りの光信号から分離されたドロップ信号が出力される入力ポート、1215’は左回りの光信号に付加するアッド信号が入力される入力ポート、また1208’は右回りの光信号から分離されたドロップ信号が出力される入力ポート、1209’は右回りの光信号に付加するアッド信号が入力される入力ポートである。
【0099】
光周波数多重ネットワークをこのように構成することにより、各ノード1506,1507においては、アッド信号を入力する入力ポートを選択することによって光信号の伝送方向を右回りあるいは左回りに設定することができる。また、ドロップ信号においても、出力ポートを選択することによって右回りあるいは左回りの光信号からドロップ信号を分離して取り出すことができる。
【0100】
このような光周波数多重ネットワークにおいて、ノード1506とノード1507との間で双方向のチャネルを設定する場合、最初にノード1506の入力ポート1209からアッド信号を入力し、該アッド信号を左回りで伝送してノード1507の出力ポート1215’にドロップし、次に入力ポート1209’からアッド信号を入力して右回りに伝送して出力ポート1215でドロップする。
【0101】
すなわち、上チャネルと下チャネルを同一経路に設定することができる。同様にして、入力ポート1214’と出力ポート1208の間、及び入力ポート1210と出力ポート1208’の間においても双方向のチャネル(上チャネルと下チャネル)を設定することができる。
【0102】
なお、これらの2つの経路の双方向チャネルを、1つの設定チャネルに対して割り当て、一方を故障時の予備ルート(バックアップ)として用いることも可能である。一般に、従来の単一方向のループ状の光周波数多重ネットワークにおいて、このような予備ルートを設定する場合には、2重の光ファイバ伝送路が必要であったが、本発明の双方向の光周波数多重ネットワークでは、単一のループ状光ファイバ伝送路によって実現できるため、経済的に予備ルートを設定することができる。
【0103】
また、上記図11に示したような片方向のループ状の光周波数多重ネットワークの場合、上チャネルと下チャネルとに同じ周波数を割り当てると、その周波数は他の区間で再利用できないという制約があった。しかし、本実施形態の光周波数多重ネットワークの場合には、上チャネルと下チャネルとで同一周波数を割り当てても、他の区間で同じ周波数の再利用が可能となり、設定可能な最大チャネル数を増大させることが可能である。また、図11の構成と同様に、受信ノードの光バンドパスフィルタの故障に起因する光信号の多周回の現象は、前述の理由によって防止することができる。
【0104】
以上のように、上記双方向光周波数アッド・ドロップ回路bを用いることにより、ノードを経済的に構成することができるとともに、片方向の光周波数多重ネットワークに比較して光ファイバ伝送路を半減することが可能であり、また周波数の再利用により設定可能なチャネル数が増大させることができるので、光周波数多重ネットワークを全体として極めて経済的に実現することができる。また、受信ノードの故障に対してフォールトトレラントな動作が可能である。
【0105】
続いて、図16を参照して、上記光ファイバアンプ1504,1505の内部構成の一例を説明する。なお、光ファイバアンプ1504,1505は全く同一の構成を有しているので、光ファイバアンプ1505を例に取って以下に説明する。この図において、符号1600は当該光ファイバアンプ1505の自然放出光のピーク成分を除去するための高域通過フィルタ、1601はエルビウム(Er)添加光ファイバ、1602は信号光と励起用の光信号を合成するためのビームスプリッタ、1603はエルビウム添加光ファイバ1601の側面より放射される自然放出光を受信するフォトダイオード、1604は当該光ファイバアンプ1505のゲインを外部より設定するための基準信号(一般には直流電圧レベル)、1605はフォトダイオード1603の平均レベルと基準信号1604のレベルの差分を出力する比較回路、1606は該比較回路1605の出力を増幅して励起用光源1607を駆動する駆動回路、また、励起用光源1607はエルビウム添加光ファイバ1601を励起するための励起用の光信号を発生するものである。
【0106】
当該光ファイバアンプ1505のゲインは、エルビウム添加光ファイバ1601で発生する自然放出光のパワーに比例するため、フォトダイオード1603でそれを検出して設定ゲインに対応した基準信号1604と比較し、その誤差分をエルビウム添加光ファイバ1601にフィードバックすることによりゲインを設定することができる。なお、この構成は既知の光ファイバアンプの構成であり、その動作は一般によく知られているためこれ以上の詳細な説明は省略する。
【0107】
光ファイバアンプ1504も上記光ファイバアンプ1505と全く同様に構成されているが、光ファイバアンプ1504と光ファイバアンプ1505とは、ノード1506を挟んで鏡像対称に配置されている。ノード間で送受信される光信号が通過する高域通過フィルタ1600、エルビウム添加光ファイバ1601、及びビームスプリッタ1602は、全て双方向伝送可能なようにパッシブな光デバイス(受動素子)で構成されているので、各光信号は双方向に伝搬可能であり、エルビウム添加光ファイバ1601を通過する際に増幅される。
【0108】
ただし、励起用光源1607から出射される励起用の光信号の伝搬方向とノード間で送受信される光信号とは、ノード間で送受信される光信号の伝搬方向に応じて同一方向と反対方向とになる場合があり、それぞれ従来から前方励起方式あるいは後方励起方式と呼ばれる状態が存在する。光ファイバアンプの増幅特性は、この方向性によって僅かに異なることが知られており、ある一区間だけに注目すればノード間で送受信される光信号のゲインや雑音は伝搬方向に応じて僅かに相違することになる。
【0109】
しかし、あるノード(例えば図16のノード1506)の両側に設置される光ファイバアンプ1504,1505は、図示するように、ノード1506を中心にして対称配置されているので、ノード間で送受信される光信号の伝搬方向による上記相違は互いにキャンセルされる。
【0110】
以上のように、上記双方向光周波数アッド・ドロップ回路bを用いることにより、光ファイバと光アンプの個数は片方向伝送の光周波数多重ネットワークの場合に比較して半分でよい。よって、全体として、光周波数多重ネットワークを経済的に構成することができる。また、図15と同じく周波数の再利用と受信ノードのフォルトトレラントな性質は保存される。
【0111】
なお、図16に示したように、双方向光周波数アッド・ドロップ回路bの両側の光ファイバに双方向光アンプを適用する方式は、従来技術の問題点として指摘したように、上チャネルと下チャネルのゲインを独立に設定できないため、伝送品質の過剰な劣化を招く欠点がある。しかし、本光周波数多重ネットワークでは、以下に説明するように双方向光アンプの配置を最適に選ぶことによりこの問題を解決することができる。
【0112】
〔光周波数アッド・ドロップ回路の第8実施形態〕
次に、図17を参照して、双方向光アンプを適用した光周波数アッド・ドロップ回路の第8実施形態について説明する。なお、この回路構成は、図14に示した双方向の光周波数アッド・ドロップ回路の変形であり、図14の構成要素とと同一構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0113】
この光周波数アッド・ドロップ回路は、図示するように、光サーキュレータ1203と光バンドパスフィルタ1211との間に双方向光アンプ1700を配置し、また光サーキュレータ1202と光バンドパスフィルタ1204との間にも双方向光アンプ1701を配置した構成である。ここで、上チャネルの光信号に対する動作と下チャネルの光信号に対する動作とは同一であり、以下では上チャネルの光信号に対する動作についてのみ説明する。
【0114】
この図において、符号1703は上チャネルの光信号の通過経路、1704は上チャネルの光信号に係わるドロップ信号の経路、また1705は上チャネルのアッド信号の経路である。双方向光アンプ1701は上記ドロップ信号に対するプリアンプとして動作すると同時に、通過信号に対しては中継アンプ(プリ+ポスト)として動作する。ここで、当該双方向光周波数アッド・ドロップ回路の出力点Pにおける信号レベルが一定となるように双方向光アンプ1701のゲインを設定しようとする場合、出力ポート1208に出力されるドロップ信号の出力は、出力点Pを通過する上チャネルの光信号のI/2のレベルとなる。
【0115】
しかし、本実施形態の光周波数アッド・ドロップ回路によれば、双方向光アンプ1700,1701のゲインは独立に設定可能であり、光ファイバ1200,1201の光ファイバ長に応じたゲイン設定が可能となるので、上記図3に示した従来の回路構成の問題点を解決することができる。
【0116】
〔光周波数アッド・ドロップ回路の第9実施形態〕
続いて、図18を参照して、上記双方向光アンプを適用した光周波数アッド・ドロップ回路の第9実施形態について説明する。なお、この実施形態は、上記図14に図17の構成を組み合わせた回路構成の変形であり、該図14並びに図17と同一構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0117】
図18において、右半分が下チャネル用の光周波数アッド・ドロップ回路に相当し、左半分が下チャネル用の光周波数アッド・ドロップ回路に相当する。光サーキュレータ1400と光バンドパスフィルタ1211との間には双方向光アンプ1700が配置され、光サーキュレータ1401と光バンドパスフィルタ1204との間には双方向光アンプ1701が配置される。双方向光アンプ1700,1701の作用は上記図17の構成と同様である。すなわち、双方向光アンプ1700の作用は下チャネルの光信号及び下チャネルのドロップ信号の増幅であり、双方向光アンプ1701の作用は上チャネルの光信号及び上チャネルのドロップ信号の増幅である。
【0118】
ここで、上記図17の光周波数アッド・ドロップ回路はアッド信号を増幅するものではなかった。しかし、この実施形態では、新たに双方向光アンプ1800が光サーキュレータ1400と光サーキュレータ1401との間に設置される。したがって、双方向光アンプ1800は、下チャネル用の入力ポート1212から入力されたアッド信号に対して、また上チャネル用の入力ポート1209から入力されたアッド信号に対して、1台で両方向のポストアンプとして作用する。
【0119】
この双方向光アンプ1800に入力される光信号のレベルは、双方向光アンプ1700あるいは双方向光アンプ1701によって光ファイバ1200あるいは光ファイバ1201の長さに応じた損失分が個別に補償され一定のレベルになっているので、双方向光アンプ1800は上チャネルの光信号及び下チャネルの光信号に対して同一ゲインでよい。もし、双方向光アンプ1700,1701が配置されず、双方向光アンプ1900のみが配置された場合、上チャネルの光信号と下チャネルの光信号のレベルの差は補正されず、上記図3の回路構成で説明した過剰損失の発生とそれに起因する品質劣化が避けられなくなる。
【0120】
以上のように、この実施形態の双方向の光周波数アッド・ドロップ回路によれば、上チャネルの光信号と下チャネルの光信号との伝送損失にばらつきがあっても、これを個別に補償することが可能であり、かつ共通のポストアンプで送出レベルを増幅することができる。この場合、要するに光サーキュレータ及び光アンプの個数はそれぞれ2個と3個であり、構成要素の点数が少ないので、上記図2の従来構成よりも回路規模を小さくすることが可能である。
【0121】
また、上チャネルの光信号と下チャネルの光信号とを光サーキュレータによってほぼ完全に分離できるので、図5の従来構成のように上チャネルの光信号と下チャネルの光信号との問でクロストークが発生しないという特徴がある。さらに、図4の従来例と同じくアッド信号用とドロップ信号用とにそれぞれ光バンドパスフィルタを配置しているので、ドロップ信号の反射分をアッド信号用の光バンドパスフィルタで除去することが可能であり、ドロップ信号の反射に起因するクロストークを最小限に抑えることが可能である。また、この光周波数アッド・ドロップ回路は、これまで説明してきた実施形態と同様に、光アンプを除いてパッシブ素子で構成されているので、また特殊な回路素子を使用することなく市販の部品で構成できるため、低消費電力かつ低コストが実現できる。
【0122】
〔光周波数アッド・ドロップ回路の第10実施形態〕
ところで、上記図12に示した双方向光周波数アッド・ドロップ回路bにおいて、光ファイバ1200,1201が断線した場合や該光ファイバ1200,1201の光コネクタにおける反射が大きくなった場合等、光信号の伝搬方向とは逆方向に反射信号が伝搬することになる。この反射信号は、本来のチャネルを形成する光信号へのクロストークとなる。以下に、このクロストークを抑圧する光周波数アッド・ドロップ回路の構成について、図19を参照して説明する。なお、この図において、図12に示した構成要素と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0123】
図19において、符号1900a〜1900cは4端子の光サーキュレータであり、光サーキュレータ1900bを中心にして3つが縦続接続されている。光サーキュレータ1900aの1つの光ポートには上記光ファイバ1201が接続され、他の2つの光ポートには上記光バンドパスフィルタ1210と光バンドパスフィルタ1901が各々接続され、該光バンドパスフィルタ1901の他端には光アイソレータ1902が接続され、該光アイソレータ1902の他端には出力ポート1903が接続されている。
【0124】
光サーキュレータ1900cの1つの光ポートには上記光ファイバ1200が接続され、他の2つの光ポートには上記光バンドパスフィルタ1205と光バンドパスフィルタ1904が各々接続され、該光バンドパスフィルタ1904の他端には光アイソレータ1905が接続され、該光アイソレータ1905の他端には出力ポート1906が接続されている。また、光サーキュレータ1900cの残りの2つの光ポートには、上記光バンドパスフィルタ1204と光バンドパスフィルタ1211とが各々接続されている。
【0125】
光バンドパスフィルタ1901は光バンドパスフィルタ1210と連動してチューニング周波数が同一周波数に設定される光フィルタであり、出力ポート1903は入力ポート1214から入力されたアッド信号の反射信号が出力される光ポートである。光バンドパスフィルタ1901のチューニング周波数は光バンドパスフィルタ1210と同一周波数に設定されるので、入力ポート1214から入力されたアッド信号が光ファイバ1201に送出されて発生する反射信号は出力ポート1901にドロップされる。
【0126】
同様に、光バンドパスフィルタ1904は、光バンドパスフィルタ1205と連動してチューニング周波数が同一周波数に設定される光フィルタであり、出力ポート1906は入力ポート1209から入力されたアッド信号の反射信号が出力されるである。光バンドパスフィルタ1904は、チューニング周波数は光バンドパスフィルタ1205と同一周波数に設定されるので、入力ポート1209から入力されたアッド信号が光ファイバ1200に送出されて発生する反射信号は出力ポート1906にドロップされる。
【0127】
このように本実施形態の双方向光周波数アッド・ドロップ回路によれば、アッド信号の反射信号を容易に除去することができる。また、上記3つの4端子サーキュレータ1900a〜1900cを1つの8端子光サーキュレータに置き換えることにより、素子点数を削減することができる。
【0128】
〔光周波数アッド・ドロップ回路の第11実施形態〕
次に、図20を参照して、光周波数アッド・ドロップ回路の第11実施形態について説明する。本実施形態は、上記図14の回路構成を応用することによりアッド信号の反射信号を除去するものである。なお、この図において、図14と同一構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
【0129】
図20において、符号2000は4端子の光サーキュレータ、2001,200は上記反射信号をドロップさせる光バンドパスフィルタ、2003,2004はドロップした反射信号を吸収するための終端回路(第1,第2の光終端手段)である。この図に示すように、本実施形態の回路構成は、光サーキュレータ1400と光サーキュレータ1401との間に4端子の光サーキュレータ2000を配置し、該光サーキュレータ2000の余った2つの端子に、光バンドパスフィルタ2001と終端回路2003の直列回路と光バンドパスフィルタ2002と終端回路2004の直列回路とをそれぞれ接続したものである。
【0130】
ここで、入力ポート1209ら入力されたアッド信号の反射信号を吸収するのが光バンドパスフィルタ2001であり、入力ポート1214から入力されたアッド信号の反射信号を吸収するのが光バンドパスフィルタ2002である。これら2組の光バンドパスフィルタ1205,2001と光バンドパスフィルタ1210,2002は、各々連動してチューニング周波数が設定できるように構成されており、各チューニング周波数がそれぞれ同一周波数に設定されるようになっている。
【0131】
例えば、入力ポート1214から入力されたアッド信号は、光バンドパスフィルタ1210から光サーキュレータ1400、さらに光サーキュレータ2000から光サーキュレータ1401を経由して光ファイバ1201に出力される。一方、該アッド信号が光ファイバ1201で反射されて発生する反射信号は、光ファイバ1201から光サーキュレータ1401、さらに光サーキュレータ2000を経由して光バンドパスフィルタ2002に入力され、該光バンドパスフィルタ2002が上記光バンドパスフィルタ1210と同一のチューニング周波数に設定されているので、光バンドパスフィルタ2002を通過して終端回路2004によって吸収される。
【0132】
なお、これ以外の反射信号は入力されたノードまで伝送されて、そこに設置された反射吸収用のフィルタで除去されることになる。なお、このような反射信号の吸収作用を実現するためには、上チャネルと下チャネルとで同一光周波数(波長)の信号を重複して使用できないという制限が必要である。
【0133】
〔光周波数多重ネットワークの第3実施形態〕
次に、光周波数多重ネットワークの第3実施形について説明する。以上の説明では、光周波数アッド・ドロップ回路を構成する各種光デバイスは、反射を除いて理想的な特性を有するものであると仮定している。しかし、現実の光デバイスは、製造誤差などの要因によりドロップ信号の一部がアッド信号に混入してクロストークが発生する場合がある。
【0134】
特に、アッド信号とドロップ信号に同じ周波数を割り当てた場合や、同じ周波数を光周波数多重ネットワークの中で繰り返して使用する場合は、光信号の周波数と同じ周波数成分のクロストーク(コヒーレント・クロストーク)が発生する。このクロストークは、光バンドパスフィルタにより阻止されることなく、光信号と同じ経路にルーチングされ、かつ周波数の異なるクロストークより著しい品質劣化(符号誤り等)を引き起こすことが知られている。
【0135】
ここで、このようなクロストークについて、図21を参照して説明する。まず、図21(a)に示す光周波数多重ネットワークを参照して、クロストークの発生について説明する。この図において、符号2100〜2103は、本実施形態の双方向の光周波数アッド・ドロップ回路からなるノードであり、2103〜2107は光ファイバ伝送路である。2108はノード2100に、また2111はノード2102にそれぞれ設けられたアッド信号用の入力ポートであり、2112はノード2100に、また2110はノード2102にそれぞれ設けられたドロップ信号用の出力ポートである。
【0136】
また、符号2109はノード2100の入力ポート2108から入力され、ノード2102の出力ポート2110に出力されるチャネルの伝送経路を示し、同様に2113はノード2102の入力ポート2111から入力され、ノード2100の出力ポート2112に出力されるチャネルの伝送経路を示す。
【0137】
いま、これら2つのチャネルの光周波数が同一に設定されていると仮定すると、入力ポート2111で入力されたアッド信号は、出力ポート2112でドロップ信号として出力されるが、その一部は上記伝送経路2109と同様な波線経路2114を通って出力ポート2110からドロップ信号に対するクロストーク信号2115として出力されることになる。
【0138】
入力ポート2108から出力ポート2112に直接、あるいは入力ポート2111から出力ポート2110に直接のように、同一ノード内において入力ポート側から出力ポート側へのクロストーク経路も考えられるが、一般に光アイソレータのアイソレーションは十分大きいため、通常この種のクロストークは無視できる。クロストーク信号2115は、出力ポート2110に出力されるドロップ信号と同一周波数であるため、出力ポート2110用の光バンドパスフィルタを通過してしまう。
【0139】
続いて、図21(b)は、上記図21(a)の光周波数多重ネットワークにおいて光ファイバ伝送路の途中(あるいはノード内でもよい)に周波数シフタ2120,2121を挿入したものである。この周波数シフタ2120,2121は、通過する光信号に微小な周波数(∂f)の周波数偏移を与えるものであり、例えば上記図4に示した光フィルタ402,405(AOフィルタ)を用いて光信号にドップラーシフトを与えることで実現される。一般に、この微小な周波数∂fは、伝送される光信号のビットレートと同等以上(光バンドパスフィルタの通過帯域以上)かつチャネルの周波数間隔以下に設定される。
【0140】
この結果、上チャネルと下チャネルの両チャネルの光信号に対して周波数∂fの周波数偏移が同様に与えられ、よって出力ポート2110,2112の各々のドロップ信号の中心周波数は周波数∂fだけ周波数偏移する。一方、出力ポート2122におけるクロストーク成分(波線経路2122で示される信号成分)は、周波数シフタ22120での周波数∂fの周波数偏移に加えて、さらに周波数シフタ2121で周波数∂fの周波数偏移(合計して周波数2∂fの周波数偏移)を受ける。
【0141】
したがって、出力ポート2110から出力されるクロストーク信号2123は、さらに周波数∂fの周波数偏移を受けるので、上チャネルと下チャネルのチャネル周波数が同じ場合にクロストーク信号2123はノード2102内の光バンドパスフィルタによって減衰されることになる。このように周波数シフタ2120,2121をループ内に設置することにより、同一周波数のクロストークの影響を軽減することができる。なお、一般に周波数シフタは双方向に光信号を通過させるので、上記図15に示した双方向の光周波数多重ネットワークにも適用することができる。
【0142】
〔光周波数多重ネットワークの第4実施形態〕
最後に、図22を参照して、上記図15の双方向の光周波数多重ネットワークにクロストーク抑圧用の上記周波数シフタを適用した構成例について説明する。なお、図22において、図15に示した構成要素と同一の構成要素については同一符号を付して、その説明を省略する。
【0143】
図22において、符号2200は上記光ファイバアンプ1504に代えて光ファイバ1500と光ファイバ1501との間に、また2201は上記光ファイバアンプ1505に代えて光ファイバ1502と光ファイバ1503との間にそれぞれ配置される周波数シフタである。2202はノード1507からノード1506に光信号が伝送される上チャネル、2203はノード1506からノード1507に光信号が伝送される下チャネル、2204は出力ポート1511から出力されるドロップ信号に起因して発生するクロストーク信号、2205は出力ポート1513から出力されるドロップ信号に起因して発生するクロストーク信号である。
【0144】
これらのクロストーク信号2204,2205は、周波数シフタ2200,2201が存在しない場合に、図示するようにお互いに他の出力ポート1511,1513のドロップ信号に混入する。しかし、このようなループ状の光周波数多重ネットワークの途中に、周波数シフタ2200,2201を配置することにより、まず各チャネルの光信号は周波数シフタ2200の作用によって上チャネル2202と下チャネル2203共に周波数∂fの周波数偏移を受ける。
【0145】
そして、クロストーク信号2204,2205は、周波数シフタ2201の作用によって、さらに周波数∂fの周波数偏移を受ける。この結果、各出力ポート1511,1513には、周波数∂fの周波数偏移を受けたドロップ信号と周波数2∂fの周波数偏移を受けたクロストーク信号とが出力される。すなわち、各出力ポート1511,1513において、ドロップ信号の周波数とクロストーク信号2204,2205の周波数との差は周波数∂fとなり、クロストーク信号2204,2205は各ノード1506,1507のドロップ信号用の光バンドパスフィルタによって減衰されることになる。
【0146】
以上のように、双方向伝送の場合にも、周波数シフタを光周波数多重ネットワークのループ内に配置することにより、同一周波数のクロストーク信号の影響を軽減することができる。
【0147】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係わる光周波数アッド・ドロップ回路およびそれを用いた光周波数多重ネットワークによれば、以下のような効果を奏する。
(1)まず、回路構成が簡単であり、よって回路規模を小さくすることができる。特に、光入出力手段として1つの多端子光サーキュレータを適用することにより、回路を構成する素子の素子点数をさらに削減することが可能である。
【0148】
(2)一般的なパッシブ・光デバイスのみで構成することが可能であり、低コスト、小型、低消費電力を実現することができる。また、光フィルタの通過周波数を可変とすることにより、任意の光周波数の光信号(チャネル)を選択的に分離あるいは付加することができるので、チャネル選択のため新たに回路を付加する必要がなく、よって回路規模を小型化することが可能である。
【0149】
(3)アッド・ドロップの対象となるチャネルの光信号のみが光フィルタを通過し、それ以外の光信号は光フィルタで反射されるため、平坦な周波数伝達特性を有する。このため、任意の周波数配置の光周波数多重ネットワークにも共通的に適用できる。また、多段の光周波数アッド・ドロップ回路を通過しても光信号の通過帯域が狭くならないため、信号レベルの低下や波形歪が生じない。
【0150】
(4)複数段縦続接続することによって付加あるいは分離するチャネル数を増やすことができるので、拡張性に優れている。
(5)光信号を双方向に伝送する光周波数多重ネットワークを構成することが可能であり、よって片方向に光信号を伝送する光周波数多重ネットワークに比較して光ファイバ(光ファイバケーブル)の数を削減することができる。
【0151】
(6)双方向に光信号を入出力すると共に該光信号を増幅する双方向光アンプを適用することにより、光伝送路に伝送損失のばらつきがあっても、各方向の光信号の伝送レベルを一定に保つことができる。したがって、光周波数多重ネットワークの伝送品質の劣化を最小限に抑えることが可能である。
【0152】
(7)光周波数アッド・ドロップ回路をループ状に接続して光周波数多重ネットワークを構成した場合、受信側の光フィルタの故障に対してフォルトトレランス性を有する。
(8)双方向に光信号を伝送する光周波数多重ネットワークにおいて、通過周波数が独立に設定される専用の光フィルタを介して各方向の光信号が分離されるので、各方向の光信号のクロストークが小さい。また、周波数シフタを使用することによってもクロストークの影響を低減することができる。
【0153】
(9)光信号の付加側及び分離側の各光フィルタを同じ通過周波数にチューニングすることにより、クロストークの抑圧特性を改善することが可能である。
(10)上記双方向光アンプを各方向の光信号が伝送される光伝送路に挿入することにより、両方向の光信号を増幅することができるので、容易に伝送レベルの低下を補償することができると共に、光ファイバの数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】透過と反射を用いた従来の光周波数アッド・ドロップ回路の第1構成例を示すブロック図である。
【図2】上記第1構成例をベースとした双方向の光周波数アッド・ドロップ回路の構成例を示すブロック図である。
【図3】双方向アンプを用いた従来の光周波数アッド・ドロップ回路の構成例を示すブロック図である。
【図4】透過と反射を用いた従来の光周波数アッド・ドロップ回路の第2構成例を示すブロック図である。
【図5】上記第2構成例をベースとした双方向の光周波数アッド・ドロップ回路の構成例を示すブロック図である。
【図6】本発明に係わる光周波数アッド・ドロップ回路およびそれを用いた光周波数多重ネットワークにおいて、光周波数アッド・ドロップ回路の第1実施形態の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明に係わる光周波数アッド・ドロップ回路およびそれを用いた光周波数多重ネットワークにおいて、光周波数アッド・ドロップ回路の第1実施形態の動作を説明する説明図である。
【図8】本発明に係わる光周波数アッド・ドロップ回路およびそれを用いた光周波数多重ネットワークにおいて、光周波数アッド・ドロップ回路の第2実施形態の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明に係わる光周波数アッド・ドロップ回路およびそれを用いた光周波数多重ネットワークにおいて、光周波数アッド・ドロップ回路の第3実施形態の構成を示すブロック図及びその動作を説明する説明図である。
【図10】本発明に係わる光周波数アッド・ドロップ回路およびそれを用いた光周波数多重ネットワークにおいて、光周波数アッド・ドロップ回路の第4実施形態の構成を示すブロック図である。
【図11】本発明に係わる光周波数アッド・ドロップ回路およびそれを用いた光周波数多重ネットワークにおいて、光周波数多重ネットワークの第1実施形態の構成を示すブロック図である。
【図12】本発明に係わる光周波数アッド・ドロップ回路およびそれを用いた光周波数多重ネットワークにおいて、光周波数アッド・ドロップ回路の第5実施形態の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明に係わる光周波数アッド・ドロップ回路およびそれを用いた光周波数多重ネットワークにおいて、光周波数アッド・ドロップ回路の第6実施形態の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明に係わる光周波数アッド・ドロップ回路およびそれを用いた光周波数多重ネットワークにおいて、光周波数アッド・ドロップ回路の第7実施形態の構成を示すブロック図である。
【図15】本発明に係わる光周波数アッド・ドロップ回路およびそれを用いた光周波数多重ネットワークにおいて、光周波数多重ネットワークの第2実施形態の構成を示すブロック図である。
【図16】本発明に係わる光周波数アッド・ドロップ回路およびそれを用いた光周波数多重ネットワークにおいて、光ファイバアンプの内部構成の一例を示すブロック図である。
【図17】本発明に係わる光周波数アッド・ドロップ回路およびそれを用いた光周波数多重ネットワークにおいて、光周波数アッド・ドロップ回路の第8実施形態の構成を示すブロック図である。
【図18】本発明に係わる光周波数アッド・ドロップ回路およびそれを用いた光周波数多重ネットワークにおいて、光周波数アッド・ドロップ回路の第9実施形態の構成を示すブロック図である。
【図19】本発明に係わる光周波数アッド・ドロップ回路およびそれを用いた光周波数多重ネットワークにおいて、光周波数アッド・ドロップ回路の第10実施形態の構成を示すブロック図である。
【図20】本発明に係わる光周波数アッド・ドロップ回路およびそれを用いた光周波数多重ネットワークにおいて、光周波数アッド・ドロップ回路の第11実施形態の構成を示すブロック図である。
【図21】本発明に係わる光周波数アッド・ドロップ回路およびそれを用いた光周波数多重ネットワークにおいて、光周波数多重ネットワークにおいて発生するクロストークにに対する説明図及び光周波数多重ネットワークの第3実施形態の構成を示すブロック図である。
【図22】本発明に係わる光周波数アッド・ドロップ回路およびそれを用いた光周波数多重ネットワークにおいて、光周波数多重ネットワークの第4実施形態の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
a,a’,b……光周波数アッド・ドロップ回路
600,603,600’,603’……入力ポート
601,604,601’,604’1903,1906……出力ポート
602,800,801,602’1202,1203,1300,1400,1401,1900a〜1900c,1902,1905,2000……光サーキュレータ(光入出力手段)
605,608,1204,1205,1210,1211,1901,1904,2001,2002……光バンドパスフィルタ(光フィルタ)
900,901……光バンドパスフィルタ(補助光フィルタ)
606,609,606’,609’,1206,1207,1212,1213……光アイソレータ
607,607’,1117〜1120……ドロップ信号出力ポート
610,610’,1121〜1124……アッド信号入力ポート
1105〜1109,1200,1201,1500〜1503…… 光ファイバ 1110,1111……光アンプ
1504、1505……光ファイバアンプ
1700,1701,1800……双方向光アンプ
2003,2004……終端回路(光終端手段)
2121,2122,2200、2201……周波数シフタ
Claims (21)
- 第1の光ポート(入力ポート:600)に入力された光信号を第2の光ポート(604)ヘ出力し、該第2の光ポートに入力された光信号を第3の光ポート(603)ヘ出力し、該第3の光ポートに入力された光信号を第4の光ポート(出力ポート:601)ヘ出力する光入出力手段(602)と、
前記第2の光ポートに入力された光信号のうち第1の光周波数の光信号を第5の光ポートに向けて通過させると共にその他の光信号を反射し、かつ、第5の光ポートに入力された光信号を第2の光ポートに通過させる第1の光フィルタ(605)と、
前記第3の光ポートに入力された光信号のうち第2の光周波数の光信号を第6の光ポートに向けて通過させると共にその他の光信号を反射し、かつ、第6の光ポートに入力された光信号を第3の光ポートに通過させる第2の光フィルタ(608)と、
第1の光フィルタあるいは第2の光フィルタの少なくとも一方に縦続接続される補助光フィルタ(900,901)を備え、
該補助光フィルタは通過させる光信号の光周波数が前記第1の光フィルタあるいは第2の光フィルタに対して独立して設定可能である
ことを特徴とする光周波数アッド・ドロップ回路。 - 請求項1記載の光周波数アッド・ドロップ回路において、光入出力手段が光サーキュレータであることを特徴とする光周波数アッド・ドロップ回路。
- 請求項1記載の光周波数アッド・ドロップ回路において、光入出力手段は、第1の光ポートに入力された光信号を第2の光ポートに出力し、該第2の光ポートに入力された光信号を第2の光サーキュレータ(801)ヘ出力する第1の光サーキュレータ(800)と、該第1の光サーキュレータから入力された光信号を第3の光ポートへ出力し、該第3の光ポートに入力された光信号を第4の光ポートへ出力する前記第2の光サーキュレータとからなることを特徴とする光周波数アッド・ドロップ回路。
- 請求項1ないし3いずれかに記載の光周波数アッド・ドロップ回路において、第1の光周波数及び第2の光周波数の少なくとも一方が可変可能であることを特徴とする光周波数アッド・ドロップ回路。
- 請求項1ないし4いずれかに記載の光周波数アッド・ドロップ回路において、出力ポートと入力ポートとを相互に接続することにより、任意の組み合わせで複数縦続接続してなることを特徴とする光周波数アッド・ドロップ回路。
- 第1の光ポートに入力された光信号を第2の光ポートヘ出力し、該第2の光ポートに入力された光信号を第3の光ポートへ出力し、該第3の光ポートに入力された光信号を第4の光ポートへ出力し、該第4の光ポートから入力された光信号を第5の光ポートへ出力し、前記第5の光ポートに入力された光信号を第6の光ポートへ出力し、該第6の光ポートに入力された光信号を第1の光ポートへ出力する光入出力手段(1300)と、
前記第2の光ポートに入力された光信号のうち第1の光周波数の光信号を第7の光ポート(1215)に向けて通過させると共にその他の光信号を反射させる第1の光フィルタ(1211)と、
前記第3の光ポートに入力された光信号のうち第2の光周波数の光信号を第8の光ポート(1212)に向けて通過させると共にその他の光信号を反射し、かつ、第8の光ポートに入力された前記第2の光周波数の光信号を第3の光ポートに通過させる第2の光フィルタ(1210)と、
前記第5の光ポートに入力された光信号のうち第3の光周波数の光信号を第9の光ポート(1208)に向けて通過させると共にその他の光信号を反射させる第3の光フィルタ(1204)と、
前記第6の光ポートに入力された光信号のうち第4の光周波数の光信号を第10の光ポート(1209)に向けて通過させると共にその他の光信号を反射し、かつ、第10の光ポートに入力された前記第4の光周波数の光信号を第6の光ポートに通過させる第4の光フィルタ(1205)とを具備することを特徴とする光周波数アッド・ドロップ回路。 - 請求項6記載の光周波数アッド・ドロップ回路において、光入出力手段が光サーキュレータであることを特徴とする光周波数アッド・ドロップ回路。
- 請求項6記載の光周波数アッド・ドロップ回路において、光入出力手段は、第1の光ポートに入力された光信号を第2の光ポートに出力し、該第2の光ポートに入力された光信号を第3の光ポートに出力し、該第3の光ポートに入力された光信号を第2の光サーキュレータ(1202)に出力し、該第2の光サーキュレータから入力された光信号を第1の光ポートに出力する第1の光サーキュレータ(1203)と、
該第1の光サーキュレータから入力された光信号を第4の光ポートへ出力し、該第4の光ポートに入力された光信号を第5の光ポートへ出力し、該第5の光ポートに入力された光信号を第6の光ポートへ出力し、該第6の光ポートに入力された光信号を前記第1の光サーキュレータへ出力する前記第2の光サーキュレータとからなることを特徴とする光周波数アッド・ドロップ回路。 - 請求項6記載の光周波数アッド・ドロップ回路において、光入出力手段は、第1の光ポートに入力された光信号を第2の光ポートヘ出力し、該第2の光ポートに人力された光信号を第4の光サーキュレータ(1401)ヘ出力し、該第4の光サーキュレータから入力された光信号を第6の光ポートヘ出力し、該第6の光ポートに入力された光信号を第1の光ポートヘ出力する第3の光サーキュレータ(1400)と、
該第3の光サーキュレータから入力された光信号を第3の光ポートヘ出力し、該第3の光ポートに入力された光信号を第4の光ポートへ出力し、該第4の光ポートに入力された光信号を第5の光ポートへ出力し、該第5の光ポートに入力された光信号を前記第3の光サーキュレータへ出力する前記第4の光サーキュレータとからなることを特徴とする光周波数アッド・ドロップ回路。 - 第1の光伝送路(1200)から入力された光信号を第1の光ポートヘ出力し、該第1の光ポートに入力された光信号を第2の光ポートへ出力し、該第2の光ポートに入力された光信号を第3の光ポートへ出力し、該第3の光ポートから入力された光信号を第2の光伝送路(1201)へ出力し、該第2の光伝送路から入力された光信号を第4の光ポートへ出力し、該第4の光ポートに入力された光信号を第5の光ポートへ出力し、該第5の光ポートに入力された光信号を第6の光ポートへ出力し、該第6の光ポートに入力された光信号を前記第1の光伝送路へ出力する光入出力手段(1900a〜1900c)と、
前記第1の光ポートに入力された光信号のうち第1の光周波数の光信号を第7の光ポート(1906)に通過させると共にその他の光信号を反射させる第1の光フィルタ(1904)と、
前記第2の光ポートに入力された光信号のうち第2の光周波数の光信号を第8の光ポート(1215)に通過させると共にその他の光信号を反射させる第2の光フィルタ(1211)と、
前記第3の光ポートに入力された光信号のうち第3の光周波数の光信号を第9の光ポート(1214)に通過させると共にその他の光信号を反射し、かつ、第9の光ポートに入力された前記第3の光周波数の光信号を第3の光ポートに通過させる第3の光フィルタ(1210)と、
前記第4の光ポートに入力された光信号のうち前記第3の光周波数の光信号を第10の光ポート(1903)に通過させると共にその他の光信号を反射させる第4の光フィルタ(1901)と、
前記第5の光ポートに入力された光信号のうち第4の光周波数の光信号を第11の光ポート(1208)に通過させると共にその他の光信号を反射させる第5の光フィルタ(1204)と、
前記第6の光ポートに入力された光信号のうち前記第1の光周波数の光信号を第12の光ポート(1207)に通過させると共にその他の光信号を反射し、かつ、第12の光ポートに入力された前記第1の光周波数の光信号を第6の光ポートに通過させる第6の光フィルタ(1205)とを具備することを特徴とする光周波数アッド・ドロップ回路。 - 請求項10記載の光周波数アッド・ドロップ回路において、光入出力手段が光サーキュレータであることを特徴とする光周波数アッド・ドロップ回路。
- 請求項10記載の光周波数アッド・ドロップ回路において、光入出力手段は、第1の光伝送路から入力された光信号を第1の光ポートヘ出力し、該第1の光ポートに入力された光信号を第2の光サーキュレータへ出力し、該第2の光サーキュレータから入力された光信号を第6の光ポートへ出力し、第6の光ポートに入力された光信号を前記第1の光伝送路ヘ出力する第1の光サーキュレータ(1900c)と、
該第1の光サーキュレータから入力された光信号を第2の光ポートへ出力し、該第2の光ポートに入力された光信号を第3の光サーキュレータへ出力し、該第3の光サーキュレータから入力された光信号を第5の光ポートへ出力し、該第5の光ポートに入力された光信号を前記第1の光サーキュレータへ出力する前記第2の光サーキュレータ(1900b)と、
該第2の光サーキュレータから入力された光信号を第3の光ポートへ出力し、該第3の光ポートに入力された光信号を第2の光伝送路へ出力し、該第2の光伝送路から入力された光信号を第4の光ポートへ出力し、該第4の光ポートに入力された光信号を前記第2の光サーキュレータへ出力する前記第3の光サーキュレータ(1900c)とからなる、ことを特徴とする光周波数アッド・ドロップ回路。 - 第1の光伝送路(1200)から入力された光信号を第1の光ポートヘ出力し、該第1の光ポートに入力された光信号を第2の光ポートへ出力し、該第2の光ポートに入力された光信号を第3の光ポートへ出力し、該第3の光ポートから入力された光信号を第2の光伝送路(1201)へ出力し、該第2の光伝送路から入力された光信号を第4の光ポートへ出力し、該第4の光ポートに入力された光信号を第5の光ポートへ出力し、該第5の光ポートに入力された光信号を第6の光ポートへ出力し、該第6の光ポートに入力された光信号を前記第1の光伝送路へ出力する光入出力手段(1400,2000,1401)と、
前記第1の光ポートに入力された光信号のうち第1の光周波数の光信号を第7の光ポート(1215)に向けて通過させると共にその他の光信号を反射させる第1の光フィルタ(1211)と、
前記第2の光ポートに入力された光信号のうち第2の光周波数の光信号を第8の光ポート(1214)に向けて通過させると共にその他の光信号を反射し、かつ、第8の光ポートに入力された前記第2の光周波数の光信号を第2の光ポートに向けて通過させる第2の光フィルタ(1210)と、
前記第3の光ポートに入力された光信号のうち第3の光周波数の光信号を第1の光終端手段(2003)に向けて通過させると共にその他の光信号を反射させる第3の光フィルタ(2001)と、
前記第4の光ポートに入力された光信号のうち第4の光周波数の光信号を第9の光ポート(1208)に向けて通過させると共にその他の光信号を反射させる第4の光フィルタ(1204)と、
前記第5の光ポートに入力された光信号のうち前記第3の光周波数の光信号を第10の光ポートに向けて通過させると共にその他の光信号を反射し、かつ、第10の光ポート(1209)に入力された前記第3の光周波数の光信号を第5の光ポートに向けて通過させる第5の光フィルタ(1205)と、
前記第6の光ポートに入力された光信号のうち前記第2の光周波数の光信号を第2の光終端手段(2004)に向けて通過させると共にその他の光信号を反射させる第6の光フィルタ(2002)と、を具備することを特徴とする光周波数アッド・ドロップ回路。 - 請求項13記載の光周波数アッド・ドロップ回路において、光入出力手段が光サーキュレータであることを特徴とする光周波数アッド・ドロップ回路。
- 請求項13記載の光周波数アッド・ドロップ回路において、光入出力手段は、第1の光伝送路から入力された光信号を第1の光ポートヘ出力し、該第1の光ポートに入力された光信号を第2の光ポートへ出力し、該第2の光ポートに入力された光信 号を第2の光サーキュレータへ出力し、該第2の光サーキュレータから入力された光信号を前記第1の光ポートヘ出力する第1の光サーキュレータ(1400)と、
該第1の光サーキュレータから入力された光信号を第3の光ポートへ出力し、該第3の光ポートに入力された光信号を第3の光サーキュレータへ出力し、該第3の光サーキュレータから入力された光信号を第6の光ポートへ出力し、該第6の光ポートに入力された光信号を前記第1の光サーキュレータへ出力する前記第2の光サーキュレータ(2000)と、
該第2の光サーキュレータから入力された光信号を第2の光伝送路へ出力し、該第2の光伝送路から入力された光信号を第4の光ポートへ出力し、該第4の光ポートに入力された光信号を第5の光ポートへ出力し、該第5の光ポートに入力された光信号を前記第2の光サーキュレータへ出力する前記第3の光サーキュレータ(1401)とからなることを特徴とする光周波数アッド・ドロップ回路。 - 請求項6ないし9いずれかに記載の光周波数アッド・ドロップ回路において、第1あるいは第3の光フィルタの少なくとも一方には、双方向に光信号を入出力すると共に該光信号を増幅する双方向光アンプ(1700,1701)が縦続接続され、各々の双方向光アンプはゲインが独立して設定されることを特徴とする光周波数アッド・ドロップ回路。
- 請求項8または16記載の光周波数アッド・ドロップ回路において、第1の光サーキュレータと第2の光サーキュレータとの間には、双方向に光信号を入出力すると共に該光信号を増幅する双方向光アンプ(1800)が配置されることを特徴とする光周波数アッド・ドロップ回路。
- 複数の請求項1ないし5に記載の光周波数アッド・ドロップ回路(ノードA〜D)を、入力ポートと出力ポートとを光伝送路(1104〜1109)によって相互に接続することにより、任意の組み合わせでループ状に接続して構成されることを特徴とする光周波数多重ネットワーク。
- 複数の請求項6ないし13記載の光周波数アッド・ドロップ回路(1506,1507)を、第1の光伝送路と第2の光伝送路とを相互に接続することによって、任意の組み合わせでループ状に複数接続して構成されることを特徴とする光周波数多重ネットワーク。
- 請求項19記載の光周波数多重ネットワークにおいて、各光周波数アッド・ドロップ回路の間に双方向に光信号を入出力すると共に該光信号を増幅する双方向光アンプ(1504,1507)が配置されることを特徴とする光周波数多重ネットワーク。
- 請求項19または20記載の光周波数多重ネットワークにおいて、各光周波数アッド・ドロップ回路の間に光信号に周波数遷移を与える周波数シフタ(2200,2201)が配置されることを特徴とする光周波数多重ネットワーク。
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1996
- 1996-12-18 JP JP33875096A patent/JP3562610B2/ja not_active Expired - Fee Related
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