JP3561773B2 - 汚泥脱水ケーキの脱臭処理方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、汚泥脱水ケーキの処理方法に関し、さらに詳しくは、脱水ケーキに少量の添加剤を配合した後、乾燥処理することにより、脱水ケーキを脱臭・無臭化して、作業環境を悪化させることなく、大量の脱水ケーキを処理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、下水道の普及に伴って下水処理量は、年々増加しており、それとともに発生する汚泥量も、対応して増加してきている。この様な状況下において、大量に発生する汚泥脱水ケーキの処理/処分は、処分についての制約が大きい大都市においてのみならず、近年下水処理を開始した中小都市においても、大きな課題になってきている。従来汚泥脱水ケーキの処分方法としては、全国的に陸上埋め立てが広く行われてきたが、土地利用の高度化、快適な生活環境への要求の高まり、他の産業廃棄物の増加などにより、埋め立て処分場の確保は、ますます困難になってきている。脱水ケーキの一部は、コンポスト化され、主に緑農地などで有効利用されている。しかしながら、発生固形物量ベースでは、その有効利用率は、全体の数%分にすぎず、そのほとんどが埋め立て処理されているのが実状である。
【0003】
一方、脱水ケーキの減量化(減容化)を目的として、焼却処理或いは溶融処理が実用化されており、特に焼却処理は、広く実施されている。しかしながら、これらの処理には、莫大なコストがかかるので、中小都市においては特に適用が難しく、脱水ケーキの新たな有効利用方法の開発が求められている。
【0004】
最近、下水汚泥と生石灰類とを混合し、脱水した後、セメント原料などとして利用する方法(特開平3−98700号公報)、下水汚泥などの含水汚泥を乾式キルンの窯尻または仮焼炉に直接投入して、処理する方法(特開平8−276199号公報)などが提案されており、一部はすでに実施されている。
【0005】
生石灰を混合する場合には、反応熱を利用して下水汚泥を脱水できる利点があるものの、反応によっては汚泥中の水分を取り込んだ消石灰が生成されるので、処理物の重量・容積が大きくなる;汚泥中に含まれる窒素分が、生石灰のアルカリにより分解して、アンモニアガスが発生し易くなるので、処理物の出し入れ、移送などの際に、或いはセメント原料として炉に投入する際に、アンモニアガスの漏出が避けられず、作業環境が悪化するおそれがある;などの問題点がある。アンモニアガスの処理対策として、脱臭剤を添加する場合には、処理物量は、さらに増大する。また、生石灰は、禁水物質であるため、取り扱い、運搬、保管などを慎重に行う必要がある。
【0006】
含水汚泥を乾式キルンにおいて直接利用する場合には、前処理を必要としないことは大きな利点であるが、脱水により予め減量されていないため、運搬コストがかかり、また大容量の貯蔵タンクが必要となる。さらに、キルン休転などに際して、含水汚泥の長期保管時に腐敗進行による著しい悪臭と作業環境の悪化が発生するおそれがあり、その対策が必要である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、汚泥脱水ケーキを乾燥し、減容化するに際し、作業環境の悪化を防止するための新たな技術を提供することを主な目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の様な技術の現状に留意しつつ、研究を重ねた結果、汚泥の脱水ケーキに少量の特定の添加剤を加え、所定の含水率まで乾燥処理させて処理物を減容化しつつ、実質的に無臭化することに成功した。すなわち、本発明は、作業環境の悪化を起こすことなく、大量の汚泥脱水ケーキを処理し得る、下記の方法を提供する。
【0009】
1.汚泥を脱水して得られた脱水ケーキにセメントおよび/またはゼオライトを添加し、乾燥処理をすることにより、乾燥処理物の含水率を10重量%以下とすることを特徴とする汚泥脱水ケーキの脱臭処理方法。
【0010】
2.脱水ケーキに対するセメント添加量が、0.5〜30重量%である上記項1に記載の汚泥脱水ケーキの脱臭処理方法。
【0011】
3.脱水ケーキに対するゼオライト添加量が、0.5〜30重量%である上記項1に記載の汚泥脱水ケーキの脱臭処理方法。
【0012】
4.脱水ケーキに対するセメントとゼオライトとの合計添加量が、0.5〜30重量%である上記項1に記載の汚泥脱水ケーキの脱臭処理方法。
【0013】
5.ゼオライトの3%水中懸濁時のpHが、6〜8である上記項1に記載の汚泥脱水ケーキの脱臭処理方法。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明においては、汚泥脱水ケーキに対し、脱水ケーキ重量を基準として、セメント0.5〜30%(より好ましくは、1〜10%)および/またはゼオライト0.5〜30%(より好ましくは、1〜10%)を添加することを必須とする。さらに、含水率10%以下(より好ましくは5%以下)という状態にまで乾燥することにより、実質的に完全に無臭化された処理物を得ることができる。
【0015】
本発明が処理対象とする汚泥脱水ケーキは、主に下水処理場で発生する汚泥に由来する脱水ケーキであるが、他にし尿処理、家庭用雑排水処理、産業用排水処理などによって発生した各種の汚泥に由来する脱水ケーキをも含む。これらの汚泥脱水ケーキは、一般に処理場で含水率60〜90重量%程度まで脱水処理されている。
【0016】
汚泥脱水ケーキに添加するセメントの種類は、特に限定されず、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメントなどの公知のポルトランドセメント;これらのポルトランドセメントに対して、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフュームなどのセメント用混和材の1種類または2種類以上を添加混合して得られる混合セメントなどが例示される。
【0017】
脱水ケーキに添加するゼオライトは、合成ゼオライト、天然ゼオライトのいずれであっても良い。ゼオライトは、3%水中懸濁時のpH値が、6〜8の範囲にあるものがより好ましい。このpH値が、8を超えるゼオライトを使用する場合には、アンモニアガスの発生を促進して、脱臭効果がかえって損なわれることがある。ゼオライトの比表面積は、10〜150m2/g程度である。また、ゼオライトの形態は、特に制限されないが、結晶水を有しない無水物の方が、アンモニアガスの吸着性に優れているので、より好ましい。
【0018】
脱水ケーキに対するセメントおよび/またはゼオライトの添加量が、30重量%を上回る場合には、処理コストが増加し、かつ処理物量が増大する。また、特に高含水率の脱水ケーキに30重量%を超える量のセメントを配合する場合には、アンモニアガスを発生させることがあるので、不適切である。一方、脱水ケーキに対するセメントおよび/またはゼオライトの添加量が、0.5重量%未満である場合には、添加による効果が十分に発揮されない。
【0019】
脱水ケーキに対しては、セメントとゼオライトとを併せて添加することがより好ましい。セメントとゼオライトの混合割合は、臭気の発生が少ない場合には、ゼオライトの配合割合を減らし、逆に脱臭効果を高めたい場合には、ゼオライトの配合割合を増加させることが好ましい。セメントとゼオライトとの混合割合は、広い範囲で変化しうるが、合計を100重量部として、通常前者:後者=80〜30:20〜70程度の範囲にあり、より好ましくは前者:後者=60〜40:40〜60程度の範囲にあり、特に好ましくは前者:後者=1:1程度である。ただし、セメントとゼオライトの添加に関しては、汚泥の臭気発生状況に応じて、単独で添加するか或いは両者を併用するか、さらには両者をどの様な割合で併用するかを適宜決定すれば、良い。
【0020】
セメントおよび/またはゼオライトを添加した脱水ケーキの乾燥処理は、常法に従って行うことができる。乾燥機としては、例えば、回転ドラム式乾燥機、パドル式乾燥機、流動層式乾燥機、気流乾燥機、遠心薄膜式乾燥機などの下水処理場で現在使用している乾燥機をそのまま使用することができる。乾燥温度は、90〜300℃程度が好ましい。乾燥処理は、乾燥処理物の含水率が10重量%以下となるまで行うことが好ましく、5重量%以下となるまで行うことが特に好ましい。なお、ここで、含水率とは、「下水試験方法第5章第7節蒸発残留物及び含水率」に準拠した値をいう。
【0021】
セメントおよび/またはゼオライトを添加しない状態で、脱水ケーキの乾燥処理を行う場合は、乾燥処理物の含水率を10重量%以下としても、臭気が関知され、含水率5重量%においても、アンモニアガスが発生し、悪臭を発する。セメントおよび/またはゼオライトを添加しない状態で、乾燥処理物の臭気を認知閾値未満とするためには、その含水率をほぼ0%とする必要がある。
【0022】
これに対し、脱水ケーキにセメントおよび/またはゼオライトを添加した後、乾燥処理を行う本発明によれば、乾燥処理物の含水率を10〜5重量%程度とすることにより、その臭気を認知閾値未満とすることができるので、乾燥処理時間が短縮され、加熱燃料費が大幅に低下する。なお、セメントおよび/またはゼオライトを添加する場合においても、乾燥処理物の含水率が10重量%を超えた状態では、乾燥処理物の腐敗が進行して、アンモニアガス、トリメチルアミン、メチルメルカプタンなどを含んだ臭気が発生する危険性がある。
【0023】
汚泥脱水ケーキに対し、セメントおよびゼオライトを添加する場合には、セメントのみを先に添加し、乾燥処理した後、ゼオライトを添加しても良い。
【0024】
以上の処理により得られた乾燥処理物は、含水率が低く、且つ添加剤量も少量であるため、貯蔵容積も小さくて済み、しかも長期間保存後にも臭気を発生しないため、作業環境の悪化を引き起こすことない。その結果、本発明によれば、汚泥脱水ケーキの大量処理が可能となる。
【0025】
また、添加剤の量も少なくて済むので、低含水率で、3000〜3500kcal/kg程度の熱量を有する乾燥処理物を各種ボイラーの補助燃料として利用し、汚泥の有機分の燃焼熱を熱回収することも、可能である。さらに、この様な乾燥処理物をセメント製造時の原料および/または燃料の一部として利用することも可能である。
【0026】
さらにまた、本発明方法により得られた乾燥処理物は、土壌改質用材料、タイル−レンガ製造用原料、園芸用土壌、農業肥料用原料などとしても有用である。
【0027】
【発明の効果】
本発明において、汚泥脱水ケーキに対する添加剤としてセメントを使用する場合には、水和反応により消石灰が生成され、乾燥時にアンモニアの発生が促進されるので、乾燥後には悪臭物質の発生が低減されるとともに、セメント固化による脱臭効果も発揮される。また、乾燥処理物は、高pHとなるため、腐敗が防止され、安定化する。さらに、水和物による重量増加も、非常に少ない。
【0028】
また、添加剤としてゼオライトを使用する場合には、乾燥処理後に残留するアンモニアガスを含んだ悪臭成分は、ゼオライトに吸着されるので、脱水ケーキを実質的に完全無臭化することが可能となる。ゼオライトは、水の吸着能が高いので、高含水率の乾燥処理物に添加する場合には、脱臭効果が低いが、含水率を10重量%以下とすることにより、臭気成分の吸着効果が最大限に発揮される。
【0029】
さらに、脱水ケーキに対する添加剤としてセメントとゼオライトとを併用する場合には、両者の相乗的作用により、より顕著な防臭効果と減容効果とが達成される。例えば、ゼオライトは、臭気成分の吸着効果以外にも、そのイオン交換作用により、細孔内に存在する溶液中のアルカリイオンを吸着して、溶液のpHを低下させるので、アンモニアガスを含む悪臭成分の発生を効果的に抑制するという効果をも発揮するものと推測される。
【0030】
その結果、本発明によれば、汚泥脱水ケーキを大幅に減容化および無臭化することができるので、作業環境の悪化を起こすことなく、低コストで脱水ケーキを大量に処理することができる。
【0031】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
【0032】
実施例1〜5
表1に示す物性を有する下水汚泥脱水ケーキ10gを100ml耐熱瓶に秤量し、(1)普通ポルトランドセメント(以下「NPC」という)0.3g+合成ゼオライト無水物0.3g(実施例1〜3)、(2)NPC0.3g(実施例4)および(3)合成ゼオライト0.3g(実施例5)をそれぞれ添加した後、練りサジで20秒間混練した。これらを110℃の乾燥機に所定時間保持し、0〜約20重量%の含水率になるように乾燥した後,放冷し、キャップをして、20℃にて所定時間保存した。
【0033】
各サンプルの臭気については、乾燥処理1日後および7日目後にかぎ窓式無臭室で、表2に基準を示す6段階臭気強度表示法による評価を行った。結果を表3に示す。
【0034】
なお、現在「悪臭防止法」によれば、事業場敷地境界における規制基準の上限は、臭気強度2.5〜3.5となっているが、本願実施例および比較例においては、認知閾値を下回る「臭気強度=1.5以下」をほぼ無臭で、臭気抑制効果が十分に発揮されていると評価した。
【0035】
また、乾燥処理7日目後のサンプルについては、ガス検知管(光明理化学工業(株)製、アンモニア用北川式ガス検知管105SD、測定範囲0.2〜20ppm)によるアンモニアガス濃度の測定をも併せて行った。結果を表3に併せて示す。
【0036】
比較例1〜4
実施例1で処理したと同様の下水汚泥脱水ケーキをそのまま乾燥して、種々の含水率を有する乾燥物を得た。それぞれの臭気強度およびアンモニア濃度を表3に併せて示す。
【0037】
比較例5
乾燥処理物の含水率が10重量%を上回る時点(17.1重量%)で乾燥を終了した以外は実施例1と同様にして、下水汚泥脱水ケーキの乾燥処理物を得た。得られた乾燥処理物の臭気強度およびアンモニア濃度を表3に併せて示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
表3に示す結果から明らかな様に、NPC或いはゼオライトを加えることなく、脱水ケーキを単に乾燥処理した場合には、乾燥処理物の含水率が5重量%以下であっても、かなりの臭気が感知されている(比較例1、2)。
【0042】
これに対し、NPCとゼオライトとを併用し、且つ含水率が5重量%以下となるまで乾燥処理する本発明方法によれば、処理後1日目においてすでにほぼ無臭(検知閾値=臭気強度1.0以下)となっていることがわかる(実施例1、2)。また、認知閾値未満(臭気強度1.5以下)とする為には、乾燥処理物の含水率を10重量%以下とすれば良いことも、明らかである(実施例3)。
【0043】
また、NPCおよびゼオライトを単独で使用する場合にも、認知閾値以下にはなるが、これら両者を併用する場合に比して、防臭効果が若干劣ることがわかる(実施例4、5)。
【0044】
実施例6〜12
脱水ケーキに対するNPCとゼオライトの添加量を0.5〜30重量%の範囲で変化させるとともに、脱水ケーキを含水率5%まで乾燥処理した。
【0045】
乾燥処理物の含水率、臭気強度およびアンモニア濃度を表4に示す。
【0046】
比較例6〜9
脱水ケーキに対するNPCおよび/またはゼオライトの添加量を変化させるとともに、脱水ケーキを含水率12重量%前後まで乾燥処理した。その結果を併せて表4に示す,
【0047】
【表4】
【0048】
表4に示す結果から明らかな様に、本発明実施例による含水率5%以下の乾燥処理物は、脱水ケーキに対する添加剤の種類と添加量の多少とに関係なく、無臭となった。
【0049】
これに対し、含水率が10%を超える比較例による乾燥処理物においては、臭気強度が大きくなり、認知閾値を超えている。
【0050】
実施例13〜14および比較例10
表5に示す物性を有する3種の合成ゼオライトを使用して、脱水ケーキの処理を行った。なお、「3%水懸濁液pH値」は、ビーカー中の合成ゼオライト1.5gに純水を加えて液量を50mlとした後、2分間撹拌し、得られた懸濁液のpHを測定することにより得られた値である。比表面積は、BET比表面積測定法により測定した。
【0051】
【表5】
【0052】
脱水ケーキの処理は、実施例1と同様にして脱水ケーキにNPC3重量%とゼオライト3重量%とを添加し、撹拌した後、脱水ケーキを含水率約5%まで乾燥処理した。その結果を表6に示す。
【0053】
【表6】
【0054】
表6に示す結果から明らかな様に、「3%水懸濁液のpH値」が8を上回るゼオライトを使用する場合(比較例10)には、乾燥処理物の含水率が5重量%以下であっても、「3%水懸濁液のpH値」が8以下であるゼオライトを使用する場合(実施例13および14)に比して、臭気強度が高くなり、且つアンモニア濃度も高い値を示している。これは、ゼオライト中のNa2O含有量の多寡によるものと推測される。
【0055】
比較例11〜15
下水汚泥脱水ケーキ10gに生石灰10gを添加混合した後、含水率が5重量%以下となるまで乾燥処理した(比較例11)。
【0056】
また、上記と同様にして得られた乾燥処理物に対し、さらに種々の添加剤を添加し、所定期間経過後の臭気強度、アンモニア濃度および処理物重量(乾燥処理物+添加剤の重量)を測定した(比較例12〜15)。結果を表7に示す。なお、表7には、比較のために、上記実施例2で得られた結果を併せて示す。
【0057】
【表7】
【0058】
表7に示す結果から明らかな様に、生石灰を添加し、含水率約5重量%の乾燥処理物を得る場合には、これからアンモニアなどによる著しい悪臭が発生している(比較例11)。
【0059】
比較例12〜15に示す様に、乾燥処理物に対し、アンモニアなどの発生を抑制するために、さらにゼオライト或いは硫酸バンドを添加することにより、臭気を認知閾値(臭気強度2.0)まで抑制することができることも可能であるが(比較例12、13)、その結果として処理物重量が、処理前重量の約1.5倍に増大している。
【0060】
また、フライアッシュ或いは珪藻土を添加する場合には、臭気抑制の効果も殆ど認められず、処理物重量も増大している(比較例14、15)。このことから、フライアッシュおよび珪藻土を用いて臭気抑制を行う場合には、その大量使用による処理物量の増加は避けられないので、実用性に著しく欠けることが明らかである。
【0061】
これに対し、NPCとゼオライトとを添加する本発明方法においては、臭気の抑制、アンモニア濃度の低下および処理物重量の著しい減少(約70重量%の減少)という顕著な効果が達成されている(実施例2)。
【0062】
実施例15
実施例1と同様の脱水ケーキに同様の添加剤(NPC3重量%+ゼオライト3重量%)を添加混合し、含水率約5重量%或いは含水率約10重量%となるまで乾燥した後、それぞれ20℃および35℃で養生した。その結果を表8に示す。
【0063】
比較例16
添加剤を混合することなく、実施例1と同様の脱水ケーキを含水率約5重量%或いは含水率約10重量%となるまで乾燥した後、それぞれ20℃および35℃で養生した。その結果を表8に併せて示す。
【0064】
【表8】
【0065】
表8に示す結果から、NPCとゼオライトとを添加する本発明方法による場合には、養生温度の影響は認められず、また、乾燥処理物の含水率約10重量%においても、臭気強度は、認知閾値以下であった。
【0066】
これに対し、添加剤を使用しない場合には、養生温度が20℃から35℃になると、臭気強度の上昇傾向が認められ、特に含水率10重量%の乾燥処理物においては、35℃で7日間養生後に、臭気強度は5.0にも達した。
【0067】
以上の結果から、本発明によれば、脱水ケーキの乾燥処理物を夏季に長時間保管した場合においても、その腐敗が効果的に防止され、臭気発生が抑制されることが明らかである。
Claims (5)
- 汚泥を脱水して得られた脱水ケーキにセメントおよびゼオライトを添加し、90〜300℃で乾燥処理することにより、乾燥処理物の含水率を4.3〜10重量%とすることを特徴とする汚泥脱水ケーキの脱臭処理方法。
- 脱水ケーキに対するセメント添加量が、0.5〜30重量%である請求項1に記載の汚泥の脱臭処理方法。
- 脱水ケーキに対するゼオライト添加量が、0.5〜30重量%である請求項1に記載の汚泥脱水ケーキの脱臭処理方法。
- 脱水ケーキに対するセメントとゼオライトとの合計添加量が、0.5〜30重量%である請求項1に記載の汚泥脱水ケーキの脱臭処理方法。
- ゼオライトの3%水中懸濁時のpHが、6〜8である請求項1に記載の汚泥脱水ケーキの脱臭処理方法。
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