JP3560071B2 - 移動体の走行制御装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、移動体の走行制御装置に関し、特に、所定区間を略一定時間で荷物を搬送する自走式の無人移動体の走行を制御する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、荷物を搬送する種々の自走式無人搬送車が実用化されており、この種の自走式無人搬送車を誘導するため、所定の搬送区間に亙って導電線や磁気テープや鋼製ガイド部材等のガイド手段を設け、無人搬送車にガイド手段を検知するセンサ等のガイド検知手段を設けるのが、一般的である。ところで、自動車製造工場等において、部品供給ステーションから、所定のタクトタイムで加工や組付けが実行されている生産ラインに、種々の部品を供給するのに、前記自走式無人搬送車が適用されることが多い。そして、部品供給ステーションにおいても、自動機等により、自走式無人搬送車への部品の移載が、自動的に実行されることが少なくない。この場合、生産ラインに部品を確実に供給する為に、無人搬送車は、部品供給ステーションから生産ラインの所定場所までの所定区間を、略一定時間で部品をタクト搬送することが必要となる。
【0003】
例えば、特開昭63−167612号公報には、走行経路側に適当間隔おきに番地設定部材を設置しておき、各番地設定部材間の距離データに応じて移動装置の速度を制御することにより、停止位置の変更や増減を簡単に行えるように構成した移動装置の走行制御装置が提案されている。
【0004】
また、特開昭64−69203号公報には、移動体の移動量を計測するパルスエンコーダで求めた移動量に基いて、一定距離走行する間の走行モータの負荷電流値から走行抵抗を求め、その走行抵抗値に応じて加減速度を変更することにより、移動体の逸走を防止するように構成した移動体の走行制御方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記のように、無人搬送車により、所定区間を略一定時間で物品をタクト搬送する場合、物品の重量が変化したときには、走行抵抗が変化するため、所定区間を搬送する搬送時間が変化し、所定区間を略一定時間で搬送できなくなり、後工程に支承を来すという問題がある。また、前記後者の公報に記載の技術では、パルスエンコーダ及び負荷電流を検出する電流検出手段等を設ける必要があるため、走行制御装置の構成が複雑化し、その製作コストも高価になる。
【0006】
そこで、前記所定区間を走行する速度パターン(加速走行と定速走行と減速走行のパターンを予め設定しておき、その速度パターンとなるように移動体の走行速度を制御することも考えられるが、物品の重量が変化すると、減速してから停止する時の停止精度が低下し、停止後に物品を移動体から移載しにくくなるという問題がある。
本発明の目的は、簡単な構成により略一定時間のタクト搬送を実現できる移動体の走行制御装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の移動体の走行制御装置は、第1地点から第2地点までの所定区間を略一定時間で荷物を搬送する自走式の無人移動体であって、前記第1地点から走行開始後の走行初期に、予め設定された設定距離を、移動体の駆動輪を駆動する駆動手段の駆動力を設定値に維持して走行する走行時間を検出する時間検出手段と、前記時間検出手段で検出された検出走行時間に基づいて、その検出時間が大きくなる程、前記所定区間のうちの残りの区間を走行するときの最高速度を大きく設定する速度制御手段と、前記時間検出手段で検出された検出走行時間に基づいて、その検出走行時間が大きくなる程、前記残りの区間を走行するときの加減速率を低く設定する加減速率設定手段とを備えたものである。
【0008】
請求項2の移動体の走行制御装置は、第1地点から第2地点までの所定区間を略一定時間で荷物を搬送する自走式の無人移動体であって、前記移動体を第1地点から第2地点まで案内するガイド手段と、前記移動体に設けられ前記ガイド手段を検知するガイド検知手段と前記第1地点から走行開始後の走行初期に、予め設定された設定距離を、移動体の駆動輪を駆動する駆動手段の駆動力を設定値に維持して走行する走行時間を検出する時間検出手段と、前記時間検出手段で検出された検出走行時間に基づいて、その検出時間が大きくなる程、前記所定区間のうちの残りの区間を走行するときの最高速度を大きく設定する速度制御手段と、前記時間検出手段で検出された検出走行時間に基づいて、その検出走行時間が大きくなる程、前記残りの区間を走行するときの加減速率を低く設定する加減速率設定手段とを備え、前記ガイド手段に、前記設定距離の開始点と終了点とを指示する指示部を設け、この指示部を前記ガイド検知手段により検知することを特徴とするものである。
【0009】
ここで、前記移動体を第1地点から第2地点まで案内するガイド手段と、前記移動体に設けられ前記ガイド手段を検知するガイド検知手段とを備えてもよい(請求項1に従属の請求項3)。
また、前記ガイド手段に、前記設定距離の開始点と終了点を指示する指示部を設けてもよい(請求項3に従属の請求項4)。
【0010】
また、前記ガイド手段は、移動体の走行軌跡を規定する走行軌跡規定用の第1ガイド手段と、前記所定区間に設けられる複数の番地を規定する番地指定用の第2ガイド手段とを備え、前記ガイド検知手段は、第1ガイド手段を検知する第1検知手段と、前記第2ガイド手段を検知する第2検知手段とを備えた構成にしてもよい(請求項2に従属の請求項5)。また、前記第2ガイド手段に、前記設定距離の開始点と終了点を指示する指示部を設けてもよい(請求項5に従属の請求項6)。
【0011】
【0012】
【0013】
【発明の作用及び効果】
請求項1の移動体の走行制御装置においては、自走式の無人移動体により、第1地点から第2地点までの所定区間を略一定時間で荷物を搬送する際に、時間検知手段により、第1地点から走行開始後の走行初期に、予め設定された設定距離を移動体の駆動輪を駆動する駆動手段の駆動力を設定値に維持して走行する走行時間が検出されると、速度制御手段は、前記検出走行時間に基づいて、その検出時間が大きくなる程、所定区間のうちの残りの区間を走行するとき最高速度を大きく設定する。
この場合、時間検出手段は、駆動手段の駆動力を設定値に維持した状態で、走行時間を検出するので、走行抵抗に比例する走行時間を確実に検出することができるが、荷物の重量が大きい場合には、走行抵抗の増加に起因して検出走行時間が長くなり、また、荷物の重量が小さい場合には、走行抵抗の減少に起因して検出走行時間が短くなることから、検出走行時間は走行抵抗に比例する。
それ故、検出走行時間に基づいて、所定区間を搬送する搬送時間が略一定となるように、その検出時間が大きくなる程、所定区間のうちの残りの区間を走行するとき最高速度を大きく設定する。それ故、荷物の重量が大きく、走行抵抗が大きいとき程、最高速度を大きく設定して所定区間を略所定時間で走行できる。しかも、加減速率設定手段は、時間検出手段で検出された検出走行時間に基づいて、その検出走行時間が大きくなる程、前記残りの区間を走行するときの加減速率を低く設定する。つまり、荷物の重量が大きくなる程、前記残りの区間を走行するときの加減速率を低く設定することで、移動体が第2地点で停止するときの停止精度が低下するのを確実に防止することができる。このように、時間検出手段と速度制御手段と加減速率設定手段を主体とする簡単な構成でもって、種々の重量の荷物を、所定区間を略一定時間でタクト搬送することができる。
【0014】
請求項2の移動体の走行制御装置においては、自走式の無人移動体により、第1地点から第2地点までの所定区間を略一定時間で荷物を搬送する際に、移動体に設けられたガイド検知手段によりガイド手段を検知しつつ、ガイド手段に沿って第1地点から第2地点まで移動体が案内される。時間検出手段は、第1地点から走行開始後の走行初期に、予め設定された設定距離を、移動体の駆動輪を駆動する駆動手段の駆動力を設定値に維持して走行する走行時間を検出し、速度制御手段は、前記検出走行時間に基づいて、その検出時間が大きくなる程、前記所定区間のうちの残りの区間を走行するときの最高速度を大きく設定する。
従って、請求項1と同様に、荷物の重量が大きく、走行抵抗が大きいとき程、最高速度を大きく設定して所定区間を略所定時間で走行できる。しかも、加減速率設定手段は、時間検出手段で検出された検出走行時間に基づいて、その検出走行時間が大きくなる程、前記残りの区間を走行するときの加減速率を低く設定する。つまり、荷物の重量が大きくなる程、前記残りの区間を走行するときの加減速率を低く設定することで、移動体が第2地点で停止するときの停止精度が低下するのを確実に防止することができる。前記時間検出手段は、駆動手段の駆動力を設定値に維持した状態で、走行時間を検出するので、走行抵抗に比例する走行時間を確実に検出することができる。
そして、前記ガイド手段に、設定距離の開始点と終了点を指示する指示部を設けたので、非常に簡単な構成により設定距離を検出可能になるから、装置の製作コストを低減することができる。
【0015】
請求項3の移動体の走行制御装置においては、移動体に設けられたガイド検知手段によりガイド手段を検知しつつ、ガイド手段に沿って第1地点から第2地点まで移動体が案内される。
請求項4の移動体の走行制御装置においては、前記ガイド手段に、設定距離の開始点と終了点を指示する指示部を設けたので、非常に簡単な構成により設定距離を検出可能になるから、装置の製作コストを低減することができる。
【0016】
請求項5の移動体の走行制御装置においては、前記ガイド手段は、移動体の走行軌跡を規定する走行軌跡規定用の第1ガイド手段と、記所定区間に設けられる複数の番地を規定する番地指定用の第2ガイド手段とを備え、前記ガイド検知手段は、第1ガイド手段を検知する第1検知手段と、第2ガイド手段を検知する第2検知手段とを備えており、第1検知手段により第1ガイド手段を検知しつつ、移動体が所定の走行軌跡に沿って案内され、また、第2検知手段により第2ガイド手段を検知することで、複数の番地が検知される。尚、前記番地を検知することで、走行中の位置を検出でき、その情報を旋回制御、停止制御等に活用することができる。
【0017】
請求項6の移動体の走行制御装置においては、前記第2ガイド手段に、前記設定距離の開始点と終了点を指示する指示部を設けるため、請求項4と同様に、非常に簡単な構成により設定距離を検出可能になるから、装置の製作コストを低減することができる。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、自走式の無人搬送車である自走式の無人移動体1(以下、単に移動体という)は、第1地点から、この第1地点に対して所定距離離れた第2地点までの所定区間を略一定時間で荷物をタクト搬送する為のものであり、この移動体1において、台車本体10は、金属部材で平面視矩形状の構造体に構成され、その上端面には、台板11により荷物を載置する為の平面状の載置面が形成されている。
この台車本体10の下部には、台板11の下面側に位置する4つのタイヤ輪からなる従動輪12a〜12dが設けられ、各従動輪12a〜12dは、軸受けを有する枢支部材13に回転自在に枢支されている。
【0022】
更に、台車本体10の下部の中央部には、台板11の下面側に位置する左右1対のタイヤ輪からなる駆動輪14a,14bが設けられ、これらの駆動輪14a,14bは、台車本体10に固定的に支持された直流モータからなる駆動モータ15a,15bの出力軸に夫々直結され、駆動モータ15a,15bにより独立に回転駆動される。
前記台車本体10の後部の下部には、台板11の下面側に位置するバッテリ16と、制御ユニット17とが設けられ、前記駆動モータ15a,15bは、制御ユニット17で駆動制御される。
【0023】
更に、台車本体10の下部の幅方向中央部には、16個のホール素子からなる第1センサ18が、左右方向向きに且つ床面に近接状に付設されている。この第1センサ18は、後述の走行軌跡規定用の第1ガイド手段に相当する磁気テープ20を検出する為のものである。
【0024】
また、台車本体10の下部の幅方向中央部のやや右側部には、10個のホール素子からなる第2センサ19が、前後方向向きに且つ床面に近接状に付設されている。この第2センサ19は、後述の番地指定用の第2ガイド手段に相当する番地板30を検出する為のものである。前記制御ユニット17は、マイクロコンピュータを含む制御部と、入出力インターフェイスと、制御部からの制御信号を受けて、PWM方式にて駆動モータ15a,15bの駆動電流を制御する1対の駆動部とを有し、第1センサ18及び第2センサ19の検出信号は、入出力インターフェイスを経由して制御部に入力され、各駆動モータ15a,15bは、駆動部に接続されている。
【0025】
図2に示すように、第1地点P1は、移動体1に荷物を積み込む地点であり、第1地点P1から所定距離離れた第2地点P2は、移動体1から荷物を降ろす地点であり、第1地点P1から第2地点P2まで移動体1を誘導する為に、移動体1の走行ルートに沿って連続的に延びる磁気テープ20(幅5cm) が床面に貼り付けられ、その磁気テープ20の表面は、保護テープで保護されている。尚、磁気テープ20は所定方向に磁化されており、磁気テープ20からは、磁力線が例えば上方向きに放射されている。
【0026】
更に、複数の番地を指示する番地板30として、第1地点P1から第2地点P2までの所定区間における走行開始点を指示する第1地点指示用番地板31、負荷検出の為の設定区間の開始点を指示する負荷検出開始番地板32及び設定区間の終了点を指示する負荷検出終了番地板33、旋回走行の開始点と終了点を指示する番地板34〜37、第1地点P1から第2地点P2までの所定区間における終点を指示する第2地点指示用番地板38等の複数の番地板30が、磁気テープ20の近傍位置に夫々設けられている。
【0027】
前記第1センサ18は、図3に示すように、16個のホール素子18aを10mmピッチで配置した構成のもので、磁気テープ20の上側に位置するホール素子18aから「H」レベルの検出信号が出力されることから、16個のホール素子18aの検出信号から、第1センサ18の磁気テープ20に対する相対位置が求められる。前記制御ユニット17は、16個のホール素子18aの検出信号に基づいて、移動体1の磁気テープ20に対する幅方向相対位置を求め、移動体1の中心線が磁気テープ20の中心線に極力一致するように、左右の駆動モータ15a,15bの回転数を独立に制御して、移動体1が磁気テープ20に沿って走行するように駆動モータ15a,15bを制御する。
【0028】
前記第2センサ19は、図4に示すように、10個のホール素子19aを10mmピッチで配置した構成のものであり、前後両端のホール素子19aは、読み取りタイミングを検出する検出信号を得る為のもので、前後両端以外の8個のホール素子19aは、各番地板30に特有のコード化された磁気パターンを8ビットデータとして検出する為のものである。前記番地板30は、図5に示すように、前記磁気テープ20と同様のものを約10mm長さに分割した複数の磁気テープ片30aを、各番地特有の磁気パターンにて配置して床面に貼り付け、その表面を保護テープで保護した構成のものである。ここで、前後両端のホール素子19aに対応する区画には磁気テープ片30aが付設されており、前後両端のホール素子19aの検出信号が「H」レベルとなった瞬間に、前後両端以外の8個のホール素子19aからの検出信号を読み込むことで、磁気パターンに対応する検出信号を制御ユニット17に入力し、制御ユニット17は、その8ビットの検出信号に基づいて番地を検知する。
【0029】
尚、第1センサ18からの検出信号を用いて、移動体1を確実に誘導(ガイド)することができることから、番地板34〜37は、省略可能であるが、これらの番地板34〜37を介して第2センサ19で検出した検出信号に基づいて、旋回走行の制御性を高めることができるし、また、磁気テープ20が、図2に鎖線で図示のように分岐する場合における番地の特定と走行方向指定等に活用することができる。
【0030】
次に、移動体1により、第1地点P1から第2地点P2までの所定区間を略一定時間で荷物を搬送する際に、移動体1の走行速度を制御する走行制御について説明する。尚、この走行制御についての説明は、走行制御方法の説明を含むものである。
最初に、この走行制御の概要について説明すると、予め設定された標準的な重量の荷物の場合の標準的な速度パターンが、図6に実線で図示のように設定してあり、この速度パターンにおける加減速率の絶対値はA0であり、この加減速率A0と最高速度V0は、駆動モータ15a,15bを定格出力の例えば60%で駆動した場合のものである。
【0031】
ここで、移動体1に第1地点P1において荷物を積み込んで、駆動モータ15a,15bを定格出力の60%で駆動すると、荷物の重量が標準的な重量よりも重い場合には、時刻0〜t2の間は、1点鎖線で示すような速度特性になるが、速度Vcは、荷物の重量の増大に応じて最高速度V0よりも小さくなる。そこで、番地板32と番地板33との間の設定距離Lの設定区間を走行するのに要する時間Δtから、負荷率Kwを求め、その負荷率Kwに基づいて、時刻t2以降に、所定区間のうちの残りの区間を走行する速度パターンを、所定時刻t8に第2地点P2に到着するように、1点鎖線で示すように設定する。 ただし、この場合、荷物の重量増大に応じて、加減速率を低く設定して、第2地点P2で停止する際の停止精度の低下を防止する。
【0032】
次に、前記制御ユニット17により実行される走行制御のルーチンの一例について、図7、図8のフローチャートを参照しつつ説明する。尚、図中符号Si(i=1,2,3・・・)は各ステップを示す。第1地点P1において荷物を積込んで走行開始する(S1)が、この走行開始時には、駆動モータ15a,15bを定格出力の60%で駆動し、この走行開始と同時にタイマT(その計時時間をTとする)をスタートさせ(S2)、第1センサ18及び第2センサ19によるセンシングを並行的に実行し、第2センサ19で番地板30が検出されたか否か判定し(S3)、番地板30が検出されると、負荷検出開始番地板32か否か判定し(S4)、その判定がYes のときには、タイマTc(その計時時間をTcとする)をスタートさせる(S5)。
【0033】
次に、第2センサ19で番地板30が検出されたか否か判定し(S6)、番地板30が検出されると、負荷検出終了番地板33か否か判定し(S7)、その判定がYes のときには、タイマTcを停止させるとともに、設定区間を走行するのに要した時間ΔtがΔt=Tcに設定され、且つ時刻t2にタイマTの計時時間Tが付与される(S8)。
次に、負荷測定区間、つまり、番地板32と番地板33間の設定区間の走行速度Vcが、Vc=設定区間の設定距離L/Δtとして演算され(S9)、次に負荷率Kwが、Kw=V0/Vcとして演算される(S10)。尚、V0は、図6に示した標準速度パターンにおける最高速度である。
【0034】
次に、加減速度補正値A,−Aの絶対値|A|が、|A|=A0/Kwとして演算される。尚、A0は、図6に示した標準速度パターンにおける加減速度である。次に、図6に示す時刻t3,t4,最高速度Vを未知数とする次の3元連立1次方程式を解く演算が実行される(S12)。
Vc+A(t3−t2)=V ・・・・(1)
V−A(t6−t4)=Vs ・・・・(2)
(1/2)(Vc+V)×(t3−t2)+V(t4−t3)
+(1/2)(V+Vs)×(t6−t4)+Vs(t7−t6)
+(1/2) Vs(t8−t7)=番地板33以降の残距離(Lr) ・・・(3)
【0035】
次に、加減速度補正値A(−A)にて、加速(又は減速)が開始されるが、本実施例の場合、荷物の重量が標準的重量よりも重いことから、最高速度を高める為に、加減速度補正値Aとする加速が開始される(S13)。次に、タイマTで計時しているカウント値Tが、時刻t3になったか否か判定し(S14)、その判定がYes になると、加速(又は、減速)が終了されて、走行速度Vの定速走行が開始される(S15)。
次に、前記定速走行を実行しつつ、タイマTで計時しているカウント値Tが、時刻t4になったか否か判定し(S16)、その判定がYes になると、加減速度補正値(−A)にて減速が開始され(S17)、その減速を実行しつつ、タイマTで計時しているカウント値Tが、所定の時刻t6になったか否か判定し(S18)、その判定がYes になると、所定の走行速度Vsにて定速走行が開始される(S19)。
【0036】
次に、その定速走行を実行しつつ、タイマTで計時しているカウント値Tが、時刻t7になったか否か判定する(S20)。但し、前記時刻t7は、Vs−A×(t8−t7)=0により決定される時刻であり、時刻t8は、荷物をタクト搬送するタクト時間に相当する一定値である。次に、S20の判定がYes になると、加減速度補正値(−A)にて減速が開始され(S21)、その減速走行を実行しつつ、終点番地板38(第2地点指示用番地板)が検出されたか否か判定し(S22)、その判定がYes になると、第2地点P2に到着したので、走行が停止される。以上のようにして、第1地点P1から第2地点P2まで荷物を略一定時間でタクト搬送する走行制御が可能になる。
【0037】
次に、以上説明した移動体1の走行を制御する走行制御の作用について説明する。移動体1に積載した荷物の重量に応じて変動する移動体1の走行負荷を検出するのに、駆動モータ15a,15bの駆動力を設定値に維持して、設定区間を走行する走行時間Δtを検出し、その走行時間Δtから走行負荷のパラメータである負荷率Kwを求めるように構成し、特に、第2センサ19により、設定区間を指示する番地板32,33を検出することで、設定区間を特定するようにし、走行時間ΔtをタイマTcで検出するように構成したので、負荷率Kwを求める為の機器の構成が著しく簡単化した。
【0038】
そして、前記のように求めた負荷率Kwを用いて、図6に1点鎖線で示すように、所定区間のうちの残りの区間を走行する速度パターンを設定し、その速度パターンとなるように駆動モータ15a,15bを制御することで、一定時間t8でタクト搬送するように構成したので、重量が種々変化する荷物を、第1地点 から第2地点P2まで、略一定時間でタクト搬送することができる。また、荷物の重量が標準的な重量よりも重くなるのに応じて、加減率を低く設定し、また、最高速度を高く設定するため、第2地点P2における停止時の停止精度の低下を防止しつつも、略一定時間でのタクト搬送が達成される。
【0039】
ここで、前記実施例を部分的に変更する種々の変更態様について説明する。
1〕図9に示すように、前記磁気テープ20は、必ずしも連続的に設ける必要はなく、間欠的に設けてもよい。
2〕図10に示すように、前記磁気テープ20を連続的に設ける場合において、設定区間の開始点を指示する開始点分断部21と、設定区間の終了点を指示する終了点分断部22とを、磁気テープ20の途中部に夫々形成し、第1センサ18により、これらの分断部21,22を検出することにより、設定区間の開始点と終了点を検出するように構成してもよい。
【0040】
3〕図11に示すように、前記磁気テープ20を連続的又は間欠的に設ける場合において、設定区間には、幅が大きな磁気テープ20wを設け、第1センサ18により、幅が大きな磁気テープ20wを検出することで、設定区間の開始点と終了点を検出するように構成してもよい。
4〕前記実施例では、前記磁気テープ20の代わりに、アルミ箔テープを設け、第1センサ18のホール素子18aの代わりに、発光部と受光部とを含む光学センサを設ける。このことは、番地板30と第2センサ19についても同様である。或いは、前記磁気テープ20の代わりに、磁性体製の条材を設け、第1センサ18のホール素子18aの代わりに、磁力発生部と磁力検知部とを含む磁気式センサを設ける。
5〕前記移動体1の4つの従動輪12a〜12dのうちの左右1対の従動輪12a,12b又は12c,12dを駆動モータ15a,15bで夫々駆動される駆動輪に構成してもよい。尚、この場合、駆動輪14a,14bは省略される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る移動体の平面図である。
【図2】移動体を所定区間に亙って誘導する磁気テープと番地板の平面図である。
【図3】移動体の第1センサの拡大平面図である。
【図4】移動体の第2センサの拡大平面図である。
【図5】番地板の構成を示す平面図である。
【図6】移動体の走行制御における速度パターンの線図である。
【図7】移動体の制御ユニットで実行される走行制御のフローチャートの一部である。
【図8】前記走行制御のフローチャートの残部である。
【図9】変更態様における磁気テープの要部の平面図である。
【図10】変更態様における磁気テープの要部の平面図である。
【図11】変更態様における磁気テープの要部の平面図である。
【符号の説明】
1 移動体
P1 第1地点
P2 第2地点
10 台車本体
14a,14b 駆動輪
15a,15b 駆動モータ
17 制御ユニット
18 第1センサ
19 第2センサ
20,20w 磁気テープ
21,22 分断部
30 番地板
32 設定区間の開始点指示用番地板
33 設定区間の終了点指示用番地板
Claims (6)
- 第1地点から第2地点までの所定区間を略一定時間で荷物を搬送する自走式の無人移動体であって、
前記第1地点から走行開始後の走行初期に、予め設定された設定距離を、移動体の駆動輪を駆動する駆動手段の駆動力を設定値に維持して走行する走行時間を検出する時間検出手段と、
前記時間検出手段で検出された検出走行時間に基づいて、その検出時間が大きくなる程、前記所定区間のうちの残りの区間を走行するときの最高速度を大きく設定する速度制御手段と、
前記時間検出手段で検出された検出走行時間に基づいて、その検出走行時間が大きくなる程、前記残りの区間を走行するときの加減速率を低く設定する加減速率設定手段と、
を備えたことを特徴とする移動体の走行制御装置。 - 第1地点から第2地点までの所定区間を略一定時間で荷物を搬送する自走式の無人移動体であって、
前記移動体を第1地点から第2地点まで案内するガイド手段と、
前記移動体に設けられ前記ガイド手段を検知するガイド検知手段と
前記第1地点から走行開始後の走行初期に、予め設定された設定距離を、移動体の駆動輪を駆動する駆動手段の駆動力を設定値に維持して走行する走行時間を検出する時間検出手段と、
前記時間検出手段で検出された検出走行時間に基づいて、その検出時間が大きくなる程、前記所定区間のうちの残りの区間を走行するときの最高速度を大きく設定する速度制御手段と、
前記時間検出手段で検出された検出走行時間に基づいて、その検出走行時間が大きくなる程、前記残りの区間を走行するときの加減速率を低く設定する加減速率設定手段とを備え、
前記ガイド手段に、前記設定距離の開始点と終了点とを指示する指示部を設け、この指示部を前記ガイド検知手段により検知することを特徴とする移動体の走行制御装置。 - 前記移動体を第1地点から第2地点まで案内するガイド手段と、前記移動体に設けられ前記ガイド手段を検知するガイド検知手段とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の移動体の走行制御装置。
- 前記ガイド手段に、前記設定距離の開始点と終了点を指示する指示部を設けたことを特徴とする請求項3に記載の移動体の走行制御装置。
- 前記ガイド手段は、移動体の走行軌跡を規定する走行軌跡規定用の第1ガイド手段と、前記所定区間に設けられる複数の番地を規定する番地指定用の第2ガイド手段とを備え、前記ガイド検知手段は、第1ガイド手段を検知する第1検知手段と、前記第2ガイド手段を検知する第2検知手段とを備えたことを特徴とする請求項2に記載の移動体の走行制御装置。
- 前記第2ガイド手段に、前記設定距離の開始点と終了点を指示する指示部を設けたことを特徴とする請求項5に記載の移動体の走行制御装置。
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