JP3559511B2 - 流体製品の無菌注出入バルブおよびそれを用いた流体製品の無菌注入または無菌注出方法 - Google Patents

流体製品の無菌注出入バルブおよびそれを用いた流体製品の無菌注入または無菌注出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、流体製品の無菌注出入バルブおよびそれを用いた流体製品の無菌注入または無菌注出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、果汁、果肉、各種飲料、ソース、油脂加工品等の流体飲食品や、流体医薬品のような、大気中の細菌により変質劣化する流体製品を収容する気密性容器として、シールフィルムにより封止された口部を有するものがある。
【0003】
この容器内への流体製品の注入は、前記容器の口部に、前記シールフィルムを切り開く手段を備えた無菌注入バルブを接続し、無菌状態で前記シールフィルムを切り開いて行なわれている。
【0004】
前記無菌注入バルブとしては、従来、特公昭63−23048号公報に記載されているような構成のものが知られている。
【0005】
この無菌注入バルブは、容器接続口と配管接続口とが設けられたバルブボディ内に、前記容器接続口と配管接続口とを連通するボディ内流路の途中に形成された弁座に接離する弁部材を設け、さらに、前記ボディに、前記ボディ内流路の容器接続口と弁座との間の領域に連通させて、殺菌洗浄流体の流入口と流出口とを設けるとともに、前記弁部材を中空部材とし、この弁部材内に、常時は弁部材内に引き込まれて前記弁部材のボディ内開口部を閉鎖し、前記容器の口部のシールフィルムを切り開く際に前記弁部材内から押し出されるカッタ部材を設けた構成となっている。
【0006】
この無菌注入バルブによる前記容器内への流体製品の無菌注入は、前記配管接続口に流体製品の流送用配管を接続し、前記殺菌洗浄流体の流入口と流出口とにそれぞれ殺菌洗浄流体の供給系と排出系とを接続するとともに、前記容器接続口に上記容器の口部を接続した状態で、次のようにして行なわれている。
【0007】
まず、前記バルブの弁部材を前記弁座に当接させてバルブを閉じた状態で、殺菌洗浄流体を供給し、前記ボディ内流路の容器接続口と弁座との間の領域と、前記容器の口部のシールフィルム面とを殺菌洗浄する。
【0008】
次に、前記弁部材内のカッタ部材を押し出して、その先端を前記容器接続口を通してその外側に突出させ、このカッタ部材により前記容器の口部のシールフィルムを切り開いて、前記容器内と前記容器接続口内とを連通させる。
【0009】
次に、前記カッタ部材を後退させ、その後に、前記バルブの弁機構の弁部材を後退させてバルブを開き、前記容器接続口を配管接続口に連通させて、前記配管接続口に接続された配管内を流送されてくる流体製品を、前記バルブを介して前記容器内に注入する。
【0010】
なお、前記無菌注入バルブは、流体製品が充填された容器内の流体製品の無菌注出にも利用できるものであり、その場合は、上記無菌注入と同様な手順で前記容器接続口と前記弁座との間のボディ内流路内と前記容器の口部のシールフィルム面とを殺菌洗浄した後、前記カッタ部材を押し出して前記容器の口部のシールフィルムを切り開き、前記カッタ部材を後退させた後に前記バルブを開き、前記容器内の流体製品を、前記バルブを介して前記配管接続口に接続された配管に注入すればよい。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の無菌注入バルブは、殺菌洗浄流体の流入口と流出口を、ボディ内流路の容器接続口と弁座との間の領域に連通させて設け、弁部材を前記弁座に当接させたバルブ閉状態で殺菌洗浄を行なうようにしたものであるため、前記ボディ流路のうちの容器接続口と弁座との間の領域と、前記容器の口部のシールフィルム面は、殺菌洗浄することができるが、前記ボディ流路の前記弁座から配管接続口側の領域と、前記配管接続口に接続された配管内は殺菌洗浄することができなかった。
【0012】
この発明は、シールフィルムにより封止された口部を有する気密性容器の前記口部に接続され、無菌状態で前記シールフィルムを切り開いて前記容器内の流体製品の注入または前記容器内への流体製品の注出を行なう無菌注出入バルブとして、バルブボディ内と配管接続口内および容器接続口内と、容器の口部のシールフィルム面と、前記配管接続口に接続された配管内とを同時に殺菌洗浄することができるものを提供するとともに、その無菌注出入バルブを用いた流体製品の無菌注入または無菌注出方法を提供することを目的としたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明の無菌注出入バルブは、一端に筒状の容器接続口が設けられ、他の複数箇所に殺菌洗浄流体の流出入口と流体製品の流出入口とを兼ねる複数の配管接続口が設けられたバルブボディと、前記ボディ内に設けられ、前記容器接続口のボディ内開口部に設けられた弁座に当接して前記容器接続口を閉鎖するバルブ閉状態と前記ボディ内方向に後退して前記容器接続口を開放するバルブ開状態とに移動される弁部材と、弁部材と、前記弁部材を前記弁座に対して接離させるバルブ開閉操作部と、前記弁部材のバルブ閉方向への移動により前記容器接続口からその外側に押し出されて前記容器の口部のシールフィルムを切り開くカッタ部材とを備え、前記容器接続口は前記バルブボディに着脱可能に連結されており、この容器接続口内に、前記カッタ部材が前記弁部材に対してフリーに嵌装され、前記カッタ部材に、前記弁部材により押される弁当接部が設けられるとともに、前記容器接続口内に、その外側への前記カッタ部材の抜け落ちを防ぐためのストッパが設けられていることを特徴とするものである。
また、この発明の無菌注出入バルブは、前記構成からなり、前記バルブ開閉操作部に、前記ロッドをバルブ閉状態にロックするためのロック機構を備えさせたことを特徴とするものである。
【0014】
この無菌注出入バルブは、殺菌洗浄流体の流出入口と流体製品の流出入口とを兼ねる複数の配管接続口を有しているため、このバルブの複数の配管接続口にそれぞれ配管を接続し、前記容器接続口に容器の口部を接続し、前記弁部材をボディ内方向に後退させたバルブ開状態で、前記複数の配管接続口にそれぞれ接続された全ての配管に前記バルブを介して殺菌洗浄流体を流すことにより、前記バルブのボディ内と複数の配管接続口内および容器接続口内と、前記容器の口部のシールフィルム面と、前記配管接続口に接続された全ての配管内とを同時に殺菌洗浄することができ、したがって、その後に前記容器の口部のシールフィルムをカッタ部材により切り開くことにより、無菌状態で前記容器内への流体製品の注入または前記容器内の流体製品の注出を行なうことができる。
【0015】
また、この発明の流体製品の無菌注入方法は、シールフィルムにより封止された注入用と注出用の両方を兼ねる口部を有する気密性容器内に、流体製品を、前記バルブ開閉操作部に前記ロッドをバルブ閉状態にロックするためのロック機構を備えさせた前記発明の無菌注出入バルブを用いて無菌状態で注入するものであり、前記バルブの複数の配管接続口にそれぞれ配管を接続し、容器接続口に前記容器の口部を連結バンドにより接続した後、前記バルブの弁部材をボディ内方向に後退させたバルブ開状態で、前記複数の配管接続口にそれぞれ接続された全ての配管に前記バルブを介して殺菌洗浄流体を流すことにより、前記バルブのボディ内と全ての配管接続口内および容器接続口内と、前記容器の口部のシールフィルム面と、前記全ての配管内とを殺菌洗浄し、その後、前記弁部材をバルブ閉方向に移動させて前記バルブを閉じるとともに、前記バルブの容器接続口からカッタ部材を押し出して前記容器の口部のシールフィルムを切り開き、その後に、前記バルブの複数の配管接続口にそれぞれ接続された配管のうちの少なくとも1本の配管への流体製品の供給を開始し、次いで前記バルブを再び開き、前記配管に供給された前記流体製品を、前記バルブを介して前記容器内に注入し、前記容器内への流体製品の注入後に、前記バルブを閉じ、その状態で前記バルブの複数の配管接続口にそれぞれ接続された全ての配管に前記バルブを介して殺菌洗浄流体を流すことにより、前記バルブのボディ内と全ての配管接続口内および前記全ての配管内を殺菌洗浄し、その後、前記バルブを前記ロック機構により閉状態にロックし、前記バルブを前記全ての配管から切り離して、前記バルブを、前記容器の口部に接続した状態のまま前記容器と一緒に搬出することを特徴とするものである。
【0016】
この注入方法によれば、前記バルブのボディ内と全ての配管接続口内および容器接続口内と、前記容器の口部のシールフィルム面と、前記配管接続口に接続された全ての配管内とを同時に殺菌洗浄し、無菌状態で前記容器内に流体製品を注入することができる。
【0017】
また、この発明の流体製品の無菌注出方法は、シールフィルムにより封止された口部を有する気密性容器内に充填された流体製品を、前記バルブ開閉操作部に前記ロッドをバルブ閉状態にロックするためのロック機構を備えさせた前記発明の無菌注出入バルブを用いて無菌状態で注出するものであり、前記バルブの複数の配管接続口にそれぞれ配管を接続し、容器接続口に前記容器の口部を連結バンドにより接続した後、前記バルブの弁部材をボディ内方向に後退させたバルブ開状態で、前記複数の配管接続口にそれぞれ接続された全ての配管に前記バルブを介して殺菌洗浄流体を流すことにより、前記バルブのボディ内と全ての配管接続口内および容器接続口内と、前記容器の口部のシールフィルム面と、前記全ての配管内とを殺菌洗浄し、その後、前記バルブの容器接続口からカッタ部材を押し出して前記容器の口部のシールフィルムを切り開き、前記容器内の流体製品を、前記バルブを介して前記配管に必要量注出した後に、前記弁部材を弁座に当接させて前記バルブを閉じ、前記容器内の流体製品の注出を停止するとともに、前記注出停止から注出再開までの時間が長いときは、前記バルブを前記ロック機構により閉状態にロックし、前記バルブを前記全ての配管から切り離して、前記バルブを、前記容器の口部に接続した状態のまま前記容器と一緒に保管し、前記容器内の流体製品の注出を再開するときに、前記バルブの容器接続口を前記配管に接続し、バルブ閉状態で前記バルブのボディ内と全ての配管接続口内および全ての配管内を殺菌洗浄した後、前記バルブを開いて前記容器内の流体製品を注出することを特徴とするものである。
【0018】
この注出方法によれば、前記バルブのボディ内と全ての配管接続口内および容器接続口内と、前記容器の口部のシールフィルム面と、前記配管接続口に接続された全ての配管内とを同時に殺菌洗浄し、無菌状態で前記容器内の流体製品を注出することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
上記この発明の無菌注出入バルブにおいて、前記カッタ部材は、筒体からなり、その容器接続口の外側に押し出される部分が、一側が切り欠かれた断面ほぼC形状に形成され、バルブボディ内に入り込む部分に、前記カッタ部材内と前記ボディ内とを連通させる流体流通空間が設けられたものが好ましい。
【0024】
【実施例】
図1〜図4はこの発明の無菌注出入バルブの一実施例を示しており、図1はバルブの断面図、図2および図3は図1のII−II線およびIII−III線に沿う断面図、図4は前記バルブに設けられたカッタ部材の斜視図である。
【0025】
図5〜図7は、シールフィルムにより封止された口部を有する気密性容器の一例を示しており、図5は前記容器の流体製品を充填した状態の一部切開側面図、図6は前記容器の注入用口部の拡大断面図、図7は前記容器の注出用口部の拡大断面図である。
【0026】
まず、前記気密性容器について説明すると、この容器1は、気密性を有する可撓性バッグからなっており、その一端側に注入用口部2が設けられ、他端側に注出用口部6が設けられている。
【0027】
この容器1は、一対の樹脂シート2a,2bを、その周縁部全周にわたって溶着したものであり、前記注入用口部3と注出用口部6は、一方の樹脂シート2aに設けられている。
【0028】
なお、図では前記樹脂シート2a,2bを単体シートとして示しているが、これらの樹脂シート2a,2bは、2枚の樹脂シートをその間に断熱空間を設けて重ねた二重シートであり、その外側シートは、ポリエチレンフィルムの外面にナイロンフィルムを貼り合わせ、さらにその外面に蒸着ポリエチレンフィルムを貼り合わせた三層フィルムからなっており、内側シートは、1枚のポリエチレンフィルムからなっている。
【0029】
前記容器1の注入用口部3は、図6に示したように、基端および先端の外周にそれぞれフランジ部3a,3bが形成された円形筒体からなっており、その先端の開口面が、外周部全周を前記口部3の先端のフランジ部3bに溶着された第1のシールフィルム4により封止され、基端に、外周部を周方向に間隔をおいて前記口部3の基端のフランジ部3aに仮溶着(スポット溶着)された第2のシールフィルム5が設けられている。図6において、5aは、前記第1のシールフィルム4の仮溶着部を示している。
【0030】
また、前記注出用口部6はそれぞれ、図7に示したように、前記注入用口部3と同じ形状および大きさの円形筒体からなっており、その先端の開口面が、外周部全周を前記口部6の先端のフランジ部6bに溶着されたシールフィルム7により封止されている。
【0031】
なお、前記注入用口部3と注出用口部6は、ポリエチレン成形品からなっている。また、図では前記注入用口部3の第1および第2のシールフィルム4,5と、前記注出用口部6のシールフィルム7とを単体フィルムとして示しているが、これらのシールフィルム4,5,7は、ポリエチレンフィルムとポリエステルフィルムとを貼り合わせた二層フィルムからなっており、そのポリエチレンフィルム面において、ポリエチレン成形品からなる前記口部3,6の基端のフランジ部3a,6aに溶着されている。
【0032】
次に、図1〜図4に示した無菌注出入バルブ10について説明すると、この無菌注出入バルブ10は、前記容器1の注入用口部3または注出用口部6に接続され、無菌状態で前記口部4,6の先端のシールフィルム4,7を切り開いて前記容器1内への流体製品の注入または前記容器1内の流体製品の注出を行なうものである。
【0033】
この無菌注出入バルブ10は、一端(図1において下端)に筒状の容器接続口12が設けられ、他の複数箇所に殺菌洗浄流体の流出入口と流体製品の流出入口とを兼ねる複数の配管接続口13が設けられたステンレス製のバルブボディ11と、前記ボディ11内に設けられ、前記容器接続口12のボディ内開口部に設けられた弁座14に当接して前記容器接続口12を閉鎖するバルブ閉状態と前記ボディ内方向に後退して前記容器接続口12を開放するバルブ開状態とに移動される弁部材15と、前記容器接続口12からその外側に押し出されて前記容器1の注入用口部3または注出用口部6の先端のシールフィルム4,7を切り開くカッタ部材26とを備えている。
【0034】
なお、この実施例の無菌注出入バルブ10は、バルブボディ11に2つの配管接続口13を設けたものであり、この2つの配管接続口13は、前記ボディ11と一体に形成されている。
【0035】
この2つの配管接続口13は、前記ボディ11の周側部に、ボディの中心をはさんで互いに対向するように設けられており、ボディ11内を介して常に連通している。また、図では省略しているが、前記配管接続口13の端面には、この配管接続口13に接続される配管との接続部を気密状態にシールするためのパッキンリングが設けられている。
【0036】
一方、前記容器接続口12は、前記ボディ11とは別体の円形筒体からなっており、その基端を、前記ボディ11に設けられた円形開口部に、連結バンド16により着脱可能に連結されている。なお、図では省略しているが、前記ボディ11と前記容器接続口12との連結部には、その連結部を気密状態にシールするためのパッキンリングが設けられている。
【0037】
この容器接続口12は、前記容器1の注入用口部3および注出用口部6の内径とほぼ同じ内径を有しており、その先端の外周に、前記注入用口部3および注出用口部6の先端のフランジ部3b、6bとほぼ同じ外形のフランジ部12aが形成されている。なお、図では省略しているが、前記フランジ部12aの端面には、前記注入用口部3または注出用口部6との接続部を気密状態にシールするためのパッキンリングが設けられている。
【0038】
また、前記ボディ11の容器接続口12とは反対側の端部(図1において上端)には、前記弁部材15を、前記容器接続口12のボディ内開口部に設けられた弁座14に対して接離させるバルブ開閉操作部16が設けられている。
【0039】
このバルブ開閉操作部16は、基端の外周にフランジ部17aを有し、先端側の外周面に外ネジが形成された円筒状の固定部材17と、内周面に内ネジが形成され、その内ネジを前記固定部材17の外ネジに係合させて前記固定部材17の外側に嵌装された円筒状の回転部材18と、この回転部材18を回転させるためのバルブ開閉操作ハンドル19と、前記固定部材17内に気密状態でスライド可能に挿通され、前記固定部材17の先端から前記回転部材18内に突出する一端側の端部を前記回転部材18に連結されたロッド20とからなっており、前記ロッド20の前記ボディ内に突出する他端側の端部に、前記弁部材15が設けられている。
【0040】
そして、このバルブ開閉操作部16は、前記固定部材17のフランジ部17aを、前記ボディ11の容器接続口12とは反対側の端部に設けられた開口部に気密状態で連結することにより、前記ボディ11に取り付けられている。
【0041】
前記バルブ開閉操作部16は、前記バルブ開閉操作ハンドル19を手動で回転操作することにより、前記弁部材15を前記弁座14に対して接離させるものであり、前記回転部材18は前記固定部材17とネジ係合しているため、前記ハンドル19の回転操作により前記回転部材18を回転させると、この回転部材18がネジ送り作用により前記固定部材17に対して軸方向に移動し、この回転部材18とともに前記ロッド20が移動して、このロッド20の端部に設けられた前記弁部材15を前記弁座14に接離させる。
【0042】
なお、図では省略しているが、前記弁部材15の弁座14に対する当接面には、前記弁座14との間を気密状態にシールするためのパッキンリングが設けられている。
【0043】
また、前記バルブ開閉操作部16は、前記ロッド20を、バルブ閉状態(弁部材15を弁座14に当接させて容器接続口12を閉鎖した状態)と、任意の開度のバルブ開状態(弁部材15をボディ内方向に後退させて容器接続口12を開放した状態)とにロックするためのロック機構21を備えている。
【0044】
このロック機構21は、前記ロッド20の回転部材18内に突出する一端側に回り止め嵌合されたロック用ギヤ22と、ロックレバー23の操作により前記ロック用ギヤ22に係脱されるロックピン24とからなっている。
【0045】
なお、前記ロックピン24は、前記回転部材18の側部に形成されたピン収容部18a内に移動可能に挿入されており、このロックピン24の前記ピン収容部18aの端面から外側に突出する部分に前記ロックレバー23が取り付けられている。
【0046】
また、前記ピン収容部18a内には、前記ロックピン24を回転部材18内方向に押圧するコイルバネ25が設けられており、前記ロックレバー23は、前記コイルバネ25のバネ力により前記ピン収容部18aの端面に当接している。
【0047】
さらに、前記ピン収容部18aの端面の一部(図1においてロックピン24の下側の部分)には、前記端面の他の部分に対して凹入するレバー落とし込み部18bが設けられており、前記ロックピン24は、前記ロックレバー23を図1に二点鎖線で示したように前記レバー落とし込み部18bに回動させることにより、コイルバネ25のバネ力でロック用ギヤ22に係合されてロッド20をロックし、前記ロックレバー23を図1に実線で示したように前記レバー落とし込み部18bの反対側に回動させることにより、前記バネ力に抗して後退され、ロック用ギヤ22から離脱されてロッド20のロックを解除する。
【0048】
また、前記カッタ部材26は、前記弁部材15のバルブ閉方向への移動により前記容器接続口12の外側に押し出されるものであり、このカッタ部材26は、バルブボディ11に対して着脱可能に連結された前記容器接続口12内に、前記弁部材15に対してフリーに嵌装されている。
【0049】
このカッタ部材26は、図4に示したように、前記容器接続口12の内径より極く僅かに小さい径を有するステンレス薄板製の円形筒体からなっており、その容器接続口12の外側に押し出される部分が、一側が切り欠かれた断面ほぼC形状に形成され、このC状筒部26aの先端縁に、ナイフエッジ状の刃部が形成されている。
【0050】
また、このカッタ部材26のバルブボディ11内に入り込む部分は、前記弁部材15により押される複数の弁当接部27を等間隔に残して他の部分を切り欠き、その複数の切り欠き部をそれぞれカッタ部材26内(筒体内)と前記ボディ11内とを連通させる流体流通空間28とした形状に形成されている。
【0051】
一方、前記容器接続口12の先端部の内周面には、図1および図3に示したように、前記カッタ部材26のC状筒部26aの切り欠き部内に入り込み、前記カッタ部材26を回り止めするとともに、前記C状筒部26aの切り欠き部の基端縁29を受止めて前記カッタ部材26の容器接続口12の外側への抜け落ちを防ぐためのストッパ30が突設されている。
【0052】
すなわち、前記カッタ部材26は、バルブボディ11に対して着脱可能に連結された容器接続口12内に、前記弁当接部27の先端が弁部材15に当接する位置と、前記C状筒部26aの切り欠き部の基端縁29が前記容器接続口12の内周面に突設されたストッパ30により受け止められる位置との間で自由に移動するように設けられており、前記弁部材15のバルブ閉方向への移動により、前記弁当接部27の先端を前記弁部材15で押されて前記容器接続口12の外側に押し出される。
【0053】
なお、このカッタ部材26の弁当接部27の先端からC状筒部26aの切り欠き部の基端縁29までの距離は、弁座14から前記ストッパ30までの距離よりも僅かに小さく設定されており、したがって、前記カッタ部材26があっても、前記弁部材15をカッタ部材26に弁座14に確実に当接させて、前記容器接続口12を閉鎖することができる。
【0054】
この無菌注出入バルブ10は、殺菌洗浄流体の流出入口と流体製品の流出入口とを兼ねる2つの配管接続口13を有しているため、このバルブ10の2つの配管接続口13にそれぞれ配管を接続し、前記容器接続口12に図5に示した容器1の注入用口部3または注出用口部6を接続し、前記弁部材15をボディ内方向に後退させたバルブ開状態で、前記2つの配管接続口13にそれぞれ接続された全ての配管に前記バルブ10を介して殺菌洗浄流体を流すことにより、前記バルブ10のボディ11内と2つの配管接続口13内および容器接続口12内と、前記容器1の注入用口部3または注出用口部6の先端のシールフィルム4,7面と、前記配管接続口13に接続された全ての配管内とを同時に殺菌洗浄することができ、したがって、その後に前記容器1の注入用口部3または注出用口部6の先端のシールフィルム4,7をカッタ部材26により切り開くことにより、無菌状態で前記容器1内への流体製品の注入または前記容器1内の流体製品の注出を行なうことができる。
【0055】
しかも、上記実施例の無菌注出入バルブ10は、前記カッタ部材26を、弁部材15のバルブ閉方向への移動により前記容器接続口12の外側に押し出すようにしたものであるため、特公昭63−23048号公報に記載されている従来の無菌注入バルブに比べて構造が簡単である。
【0056】
すなわち、特公昭63−23048号公報に記載されている従来の無菌注入バルブは、弁部材内に、容器の口部のシールフィルムを切り開くためのカッタ部材を押し出し可能に設けたものであるため、構造が複雑であり、また、前記弁部材の弁座に対する接離移動と、前記カッタ部材の押し出しとを、別の操作により行なわなければならない。
【0057】
これに対して、上記実施例の無菌注出入バルブ10は、カッタ部材26を、弁部材15のバルブ閉方向への移動により前記容器接続口12の外側に押し出すものであるため、前記カッタ部材26を前記弁部材15内に移動可能に設ける必要はなく、したがって構造を簡単にし、しかも、1つのバルブ開閉操作ハンドル19の回転操作により、前記弁部材15の弁座14に対する接離移動と、前記カッタ部材26の押し出しとを行なうことができる。
【0058】
さらに、上記実施例の無菌注出入バルブ10は、前記容器接続口12をバルブボディ11に着脱可能に連結し、この容器接続口12内に、前記カッタ部材26を弁部材15に対してフリーに嵌装するとともに、このカッタ部材26に、前記弁部材15により押される弁当接部27を設け、前記容器接続口12内に、その外側への前記カッタ部材26の抜け落ちを防ぐためのストッパ30を設けたものであるため、その組立てを、容器接続口12内にカッタ部材26を嵌装し、この容器接続口12をバルブボディ11に連結することにより容易に行なうことができる。
【0059】
図8〜図13は、前記無菌注出入バルブ10を用いて行なう前記容器1内への流体製品の無菌注入方法を示しており、前記容器1内への流体製品の無菌注入は、次のようにして行なう。
【0060】
この無菌注入方法では、前記無菌注出入バルブ10を、その2つの配管接続口13にそれぞれ配管31を連結バンド32により接続して設置し、まず、図8のように、前記バルブ10の弁部材15をボディ内方向に後退させたバルブ開状態で、このバルブ10の容器接続口12に、前記容器1の注入用口部3を連結バンド33により接続する。
【0061】
この例では、前記バルブ10を容器接続口12を下に向けた状態で設置しており、したがって、前記容器接続口12に容器1の注入用口部3を接続する前は、図1のように、容器接続口12内のカッタ部材26が、その自重により、C状筒部26aの切り欠き部の基端縁29が前記容器接続口12の内周面に突設されたストッパ30により受け止められる位置まで下降した状態、つまり、前記C状筒部26aが前記容器接続口12の外側に突出した状態にあるが、前記容器接続口12に前記容器1の注入用口部3を接続すると、図8のように、前記カッタ部材26が前記注入用口部3の先端を封止している第1のシールフィルム4により容器接続口12内に押し上げられ、前記第1のシールフィルム4の上に載った状態になる。
【0062】
なお、図示しないが、前記2つの配管接続口13にそれぞれ接続される2本の配管31の一方または両方は、前記容器1内に充填する流体製品(果汁、果肉、各種飲料、ソース、油脂加工品等の流体飲食品や、流体医薬品など)を供給する流体製品供給装置に接続されており、さらに、前記2本の配管31の一方には、殺菌洗浄流体の供給装置が図示しない流路切換バルブを介して接続され、他方の配管31には、前記殺菌洗浄流体の排出装置が図示しない流路切換バルブを介して接続されている。
【0063】
また、前記容器1は、流体製品の充填前は偏平に潰れた状態にあり、この容器1は、容器1内および容器1内に連通する注出用口部6内と、注入用口部3内の第1と第2のシールフィルム4,5間の空間とを、ガンマ線照射等の手段により殺菌処理した後に前記バルブ10の容器接続口12に接続される。
【0064】
次に、前記バルブ開状態で、前記一方の配管31に殺菌洗浄流体を図示しない供給装置から供給し、その殺菌洗浄流体を、他方の配管31に接続された図示しない排出装置により排出することにより、前記バルブ10の2つの配管接続口13にそれぞれ接続された全ての配管31に前記バルブ10を介して殺菌洗浄流体を図9に矢線で示したように流し、前記バルブ10のボディ11内と全ての配管接続口13内および容器接続口12内と、前記容器1の注入用口部3の第1のシールフィルム4面と、前記全ての配管31内とを殺菌洗浄する。
【0065】
この殺菌洗浄は、例えば、まず塩素水等を流して殺菌し、次いで無菌熱水を流して洗浄した後、無菌スチームまたは無菌エアーを流して乾燥することにより行なう。
【0066】
このとき、前記バルブ10の容器接続口12内に設けられたカッタ部材26は、上述したように筒体からなっているが、このカッタ部材26のバルブボディ11内に入り込む部分に、前記カッタ部材26内と前記ボディ11内とを連通させる流体流通空間28が設けられているため、前記ボディ11内に流入した殺菌洗浄流体を、前記カッタ部材26で妨げられることなく流すことができる。
【0067】
次に、図10のように、前記バルブ10の弁部材15をバルブ閉方向に移動させて前記バルブ10を閉じるとともに、前記弁部材15のバルブ閉方向への移動により、前記バルブ10の容器接続口12からカッタ部材26を押し出して、前記容器1の注入用口部3の先端を封止している第1のシールフィルム4を前記カッタ部材26により切り開く。
【0068】
この場合、前記カッタ部材26は、筒体からなっており、その容器接続口12の外側に押し出される部分が、一側が切り欠かれた断面ほぼC形状に形成されているため、前記シールフィルム4をほぼC形状に切ることができ、したがって、前記注入用口部3を大きく開放させることができるとともに、前記シールフィルム4を、その一側が注入用口部3につながった状態で残し、前記シールフィルム4が容器1内に注入される流体製品中に異物として紛れ込むのを防ぐことができる。
【0069】
なお、前記容器接続口12からのカッタ部材26を最大押し出し長さは、前記注入用口部3の先端の第1のシールフィルム4と基端の第2のシールフィルム5との間隔よりも小さく設定されており、したがって、第1のシールフィルム4をカッタ部材26により切り開く際に、前記第2のシールフィルム5が一緒に切り開かれることはない。
【0070】
次に、前記バルブ10を閉じた状態で、前記バルブ10の2つの配管接続口13にそれぞれ接続された配管31のうちの少なくとも1本の配管31に、図示しない流体製品供給装置から流体製品の供給を開始し、次いで図11のように、前記バルブ10の弁部材15をボディ内方向に後退させて前記バルブ10を再び開き、前記配管31に供給された流体製品Aを、前記バルブ10を介して前記注入用口部3から前記容器1内に注入する。
【0071】
この場合、前記カッタ部材26は、筒体からなっているが、このカッタ部材26のバルブボディ11内に入り込む部分に、前記カッタ部材26内と前記ボディ11内とを連通させる流体流通空間28が設けられているため、前記ボディ11内に流入した流体製品Aを、前記カッタ部材26で妨げられることなく流すことができる。
【0072】
なお、前記注入用口部3の基端には第2のシールフィルム5が設けられているが、この第2のシールフィルム5は、上述したように、前記注入用口部3の基端に、外周部を周方向に間隔をおいて仮溶着されているため、前記バルブ10を介して前記注入用口部3に流入した流体製品Aを、図11のように、前記第2のシールフィルム5の複数の仮溶着部5aの間の隙間から前記容器1内に流入させることができる。
【0073】
この容器1内への流体製品Aの注入において、前記配管31への流体製品Aの供給を開始した後に前記バルブ10を開くタイミングは、前記配管31に供給された流体製品Aが前記バルブボディ11内に充満した時期(配管31内やバルブボディ11内の残留空気をほとんど無くなった時期)が好ましく、このようなタイミングで前記バルブ10を開くことにより、前記容器1内に、流体製品Aだけを注入することができる。
【0074】
前記容器1内に注入する流体製品Aは、前記バルブ10の2つの配管接続口13にそれぞれ接続された配管31のうちのいずれか1本の配管31だけから供給しても、2本の配管31の両方から供給してもよく、1本の配管31だけから流体製品Aを供給する場合は、他の配管31の任意の箇所に開閉弁(図示)を設けておき、上述した殺菌洗浄を行なった後に、前記開閉弁を閉じて、前記容器1内への流体製品Aの注入を開始すればよい。
【0075】
また、2本の配管31の両方から流体製品Aを供給する場合は、前記2本の配管31の両方から同じ流体製品を供給しても、異なる流体製品を供給してもよく、一方の配管31から供給する流体製品と他方の配管31から供給する流体製品とを異ならせることにより、2種の流体製品の混合製品を容器1内に注入することができる。
【0076】
そして、前記容器1内に所定量の流体製品Aを充填した後は、前記容器1の注入用口部3の第2のシールフィルム5の全周を注入用口部3に溶着することにより、この第2のシールフィルム5によって前記注入用口部3を封止する。
【0077】
前記第2のシールフィルム5の注入用口部3への溶着は、図示しないが、容器1の注入用口部3に対応する部分を、前記容器1の反対面側から溶着治具により押し潰して前記第2のシールフィルム5を注入用口部3の基端に押し付け、その状態で前記溶着治具により第2のシールフィルム5の全周を前記注入用口部3の基端に溶着することにより行なう。
【0078】
前記容器1の注入用口部3を前記第2のシールフィルム5により封止した後は、バルブ開状態で、前記バルブ10の2つの配管接続口13にそれぞれ接続された全ての配管31に前記バルブ10を介して図12に矢線で示すように殺菌洗浄流体を流すことにより、前記バルブ10のボディ11内と全ての配管接続口13内および容器接続口12内と、前記容器1の注入用口部3内および前記第2のシールフィルム5面と、前記全ての配管31内とを殺菌洗浄し、その後に、図13のように、前記バルブ10の容器接続口12と前記容器1の注入用口部3とを接続している連結バンド33を取り外し、前記容器1を前記バルブ10から切り離して搬出する。なお、前記容器1の切り離しは、図13のようにバルブ閉状態で行なっても、バルブ開状態で行なってもよい。
【0079】
このように、上記無菌注入方法は、前記無菌注出入バルブ10の2つの配管接続口13にそれぞれ配管31を接続し、容器接続口12に容器1の注入用口部3を接続した後、前記バルブ10の弁部材15をボディ内方向に後退させたバルブ開状態で、前記2つの配管接続口13にそれぞれ接続された全ての配管31に前記バルブ10を介して殺菌洗浄流体を流すことにより、前記バルブ10のボディ11内と全ての配管接続口13内および容器接続口12内と、前記容器1の注入用口部の先端のシールフィルム4面と、前記全ての配管31内とを殺菌洗浄し、その後、前記弁部材15をバルブ閉方向に移動させて前記バルブ10を閉じるとともに、前記バルブ10の容器接続口12からカッタ部材26を押し出して前記容器1の注入用口部3の先端のシールフィルム4を切り開き、その後に、前記バルブ10の2つの配管接続口13にそれぞれ接続された配管31のうちの少なくとも1本の配管31への流体製品Aの供給を開始し、次いで前記バルブ10を再び開き、前記配管31に供給された前記流体製品Aを、前記バルブ10を介して前記容器1内に注入するものである。
【0080】
この注入方法によれば、前記バルブ10のボディ11内と全ての配管接続口13内および容器接続口12内と、前記容器1の注入用口部3の先端のシールフィルム4面と、前記配管接続口13に接続された全ての配管31内とを同時に殺菌洗浄し、無菌状態で前記容器1内に流体製品Aを注入することができる。
【0081】
また、上記注入方法は、前記容器1内への流体製品Aの注入を、前記容器1の注入用口部3の先端を封止している第1のシールフィルム4を切り開き、配管31からバルブ10を介して前記注入用口部3に流入した流体製品Aを、前記注入用口部3の基端に、外周部を周方向に間隔をおいて仮溶着された第2のシールフィルム5の複数の仮溶着部5aの間の隙間から前記容器1内に流入させて行ない、前記容器1内への流体製品Aの注入後に、前記第2のシールフィルム5の全周を前記注入用口部3に溶着することにより、この第2のシールフィルム5によって前記注入用口部3を封止するものであるため、流体製品Aが充填された容器1を、その注入用口部3を封止した状態で前記バルブから切り離すことができる。
【0082】
次に、流体製品Aが充填された容器1内の前記流体製品Aの無菌注出について説明する。図14〜図19は、前記無菌注出入バルブ10を用いて行なう前記容器1内の流体製品の無菌注出方法を示しており、前記容器1内の流体製品の無菌注出は、次のようにして行なう。
【0083】
この無菌注出方法では、前記無菌注出入バルブ10を、その2つの配管接続口13にそれぞれ配管34を連結バンド32により接続して設置し、まず、図14のように、前記バルブ10の弁部材15をボディ内方向に後退させたバルブ開状態で、このバルブ10の容器接続口12に、前記容器1の注出用口部6を連結バンド33により接続する。
【0084】
この例では、前記バルブ10を容器接続口12を上に向けた状態で設置しており、したがって、前記カッタ部材26は、その自重によりバルブボディ11内方向に後退して前記弁部材15により受け止められた状態にある。
【0085】
なお、図示しないが、前記2つの配管接続口13にそれぞれ接続される2本の配管34の一方または両方は、前記容器1内から注出された流体製品Aと他の製品とを混合するミキシング機、前記流体製品Aを使用する調理機、前記流体製品Aのパック詰め機等の流体製品受給装置に接続されており、さらに、前記2本の配管34の一方には、殺菌洗浄流体の供給装置が図示しない流路切換バルブを介して接続され、他方の配管34には、前記殺菌洗浄流体の排出装置が図示しない流路切換バルブを介して接続されている。
【0086】
次に、前記バルブ開状態で、前記一方の配管34に殺菌洗浄流体を図示しない供給装置から供給し、その殺菌洗浄流体を、他方の配管34に接続された図示しない排出装置により排出することにより、前記バルブ10の2つの配管接続口13にそれぞれ接続された全ての配管34に前記バルブ10を介して殺菌洗浄流体を図15に矢線で示したように流し、前記バルブ10のボディ11内と2つの配管接続口13内および容器接続口12内と、前記容器1の注出用口部6のシールフィルム7面と、前記全ての配管34内とを殺菌洗浄する。
【0087】
この殺菌洗浄は、上述した容器1内への流体製品Aの無菌注入における殺菌洗浄と同様に、例えば、まず塩素水等を流して殺菌し、次いで無菌熱水を流して洗浄した後、無菌スチームまたは無菌エアーを流して乾燥することにより行なう。
【0088】
このとき、前記バルブ10の容器接続口12内に設けられたカッタ部材26は、筒体からなっており、このカッタ部材26のバルブボディ11内に入り込む部分に、前記カッタ部材26内と前記ボディ11内とを連通させる流体流通空間28が設けられているため、上述した容器1内への流体製品Aの無菌注入における殺菌洗浄と同様に、前記殺菌洗浄流体を、前記カッタ部材26で妨げられることなく流すことができる。
【0089】
次に、図16のように、前記バルブ10の弁部材15をバルブ閉方向に移動させて前記バルブ10を閉じるとともに、前記弁部材15のバルブ閉方向への移動により、前記バルブ10の容器接続口12からカッタ部材26を押し出して、前記容器1の注出用口部6の先端を封止しているシールフィルム7を前記カッタ部材26により切り開く。
【0090】
この場合、前記カッタ部材26は、筒体からなっており、その容器接続口12の外側に押し出される部分が、一側が切り欠かれた断面ほぼC形状に形成されているため、前記シールフィルム7をほぼC形状に切ることができ、したがって、前記注出用口部6を大きく開放させることができるとともに、前記シールフィルム7を、その一側が注出用口部6につながった状態で残し、前記シールフィルム7が容器1内から注出される流体製品中に異物として紛れ込むのを防ぐことができる。
【0091】
次に、図17のように、前記バルブ10の弁部材15をボディ内方向に後退させて前記バルブ10を再び開き、前記容器1内の流体製品Aを、前記注出用口部6から前記バルブ10を介して前記配管34に供給する。
【0092】
なお、前記バルブ10の弁部材15をボディ内方向に後退させて前記バルブ10を開くと、図17のように、前記カッタ部材26がその自重によりバルブボディ11内方向に後退して前記弁部材15により受け止められ、また、切り開かれた前記シールフィルム7が、容器1の注出用口部6から流出する流体製品Aの流れに従って前記カッタ部材26内に入り込む。
【0093】
また、前記カッタ部材26は、筒体からなっており、このカッタ部材26のバルブボディ11内に入り込む部分に、前記カッタ部材26内と前記ボディ11内とを連通させる流体流通空間28が設けられているため、容器1の注出用口部6から流出する流体製品Aを、前記カッタ部材26で妨げられることなく前記ボディ11内に流入させ、前記配管34に供給することができる。
【0094】
前記容器1内から注出された流体製品Aは、図17のように前記バルブ10の2つの配管接続口13にそれぞれ接続された2本の配管31の両方に供給しても、前記2本の配管31のうちの1本の配管31だけに供給してもよく、1本の配管31だけに流体製品Aを供給する場合は、他の配管31の任意の箇所に開閉弁(図示)を設けておき、上述した殺菌洗浄を行なった後に、前記開閉弁を閉じて、前記容器1内の流体製品Aの注出を開始すればよい。
【0095】
前記容器1内の流体製品Aの注出は、前記配管34に接続された図示しない流体製品受給装置への流体製品Aの供給量に応じて行ない、必要量の流体製品Aを注出した後に、図18のように弁部材15を弁座14に当接させてバルブ10を閉じ、容器1内の流体製品Aの注出を停止する。
【0096】
また、前記容器1内の流体製品Aの注出を再開するときは、バルブ閉状態でバルブボディ11内と全ての配管接続口13内および全ての配管34内を殺菌洗浄し、その後に前記バルブ10を開いて、容器1内の流体製品Aを注出する。
【0097】
この注出再開時のバルブボディ11内および配管接続口13内と配管34内の殺菌洗浄は、必要に応じて行なえばよく、例えば注出停止から注出再開までの時間が短く、しかも、その間に前記配管34内が大気中への開放等により汚染される心配が無いときは、前記殺菌洗浄を省略してもよい。
【0098】
ただし、注出停止から注出再開までの時間が長いときは、前記容器1を注出ラインから取り外して冷蔵庫等に保管するのが望ましい。
【0099】
その場合は、バルブ10をロック機構21により閉状態にロックし、前記バルブ10の配管接続口13と配管34とを接続している連結バンド32を取り外して前記バルブ10を全ての配管34から切り離すことにより、前記バルブ10を、容器1の注出用口部6に接続した状態のまま前記容器1と一緒に注出ラインから取り外せばよく、このようにすることにより、前記容器1を、その注出用口部6を前記バルブ10で密閉した状態で保管することができる。
【0100】
また、前記バルブ10と一緒に取り外した容器1を再び注出ラインに接続してその容器1内の流体製品Aの注出を再開するときは、前記バルブ10の容器接続口12を配管34に接続し、バルブ閉状態で前記バルブ10のボディ11内と全ての配管接続口13内および全ての配管34内を殺菌洗浄した後、前記バルブ10を開いて容器1内の流体製品Aを注出すればよい。
【0101】
そして、前記容器1の流体製品Aを完全に注出した後は、図19のように、前記バルブ10の容器接続口12と前記容器1の注出用口部6とを接続している連結バンド33を取り外し、注出済み容器1を前記バルブ10から切り離して搬出する。なお、前記注出済み容器1の切り離しは、図19のようにバルブ閉状態で行なっても、バルブ開状態で行なってもよい。
【0102】
このように、上記無菌注出方法は、前記バルブ10の2つの配管接続口13にそれぞれ配管34を接続し、容器接続口12に容器1の注出用口部6を接続した後、前記バルブ10の弁部材15をボディ内方向に後退させたバルブ開状態で、前記2つの配管接続口13にそれぞれ接続された全ての配管34に前記バルブ10を介して殺菌洗浄流体を流すことにより、前記バルブ10のボディ11内と全ての配管接続口13内および容器接続口12内と、前記容器1の注出用口部6のシールフィルム7面と、前記全ての配管34内とを殺菌洗浄し、その後、前記バルブ10の容器接続口12からカッタ部材26を押し出して前記容器1の注出用口部6のシールフィルム7を切り開き、前記容器1内の流体製品Aを、前記バルブ10を介して前記配管34に供給するものである。
【0103】
この注出方法によれば、前記バルブ10のボディ11内と全ての配管接続口13内および容器接続口12内と、前記容器1の注出用口部6のシールフィルム7面と、前記配管接続口13に接続された全ての配管34内とを同時に殺菌洗浄し、無菌状態で前記容器1内の流体製品Aを注出することができる。
【0104】
なお、上述した実施例の無菌注入方法および無菌注出方法は、注入用口部3と注出用口部6との2つの口部を有する容器1を対象にしたものであるが、前記無菌注出入バルブ10は、注入用と注出用の両方を兼ねる1つの口部を備えた容器内への流体製品の無菌注入または前記容器内の流体製品の無菌注出にも使用することができる。
【0105】
図20〜図22は、注入用と注出用の両方を兼ねる1つの口部(以下、注出入用口部という)8を備えた容器1′内への前記無菌注出入バルブ10による流体製品の無菌注入方法を示している。
【0106】
前記容器1′の注出入兼用口部8は、図5に示した容器1の注出用口部6(図7参照)と同じ構造のものであり、その先端の開口面が、外周部全周を前記口部8の先端のフランジ部に溶着されたシールフィルム9により封止されている。なお、図20〜図22は、前記注出入用口部8のシールフィルム9を切り開いた後の状態を示している。
【0107】
前記容器1′への前記無菌注出入バルブ10による流体製品の無菌注入は、前記無菌注出入バルブ10を、その2つの配管接続口13にそれぞれ配管31を連結バンド32により接続して設置し、前記バルブ10の弁部材15をボディ内方向に後退させたバルブ開状態で、このバルブ10の容器接続口12に、前記容器1′の注出入用口部8を連結バンド33により接続した後、次のようにして行なう。
【0108】
まず、上述した実施例の無菌注出方法と同様に、バルブ開状態で、前記バルブ10の2つの配管接続口13にそれぞれ接続された全ての配管31に前記バルブ10を介して殺菌洗浄流体を流すことにより、前記バルブ10のボディ11内と全ての配管接続口13内および容器接続口12内と、前記容器1′の注出入用口部8のシールフィルム9面と、前記全ての配管31内とを殺菌洗浄し、その後、前記弁部材15をバルブ閉方向に移動させて前記バルブ10を閉じるとともに、前記バルブ10の容器接続口12からカッタ部材26を押し出して前記容器1′の注出入用口部8のシールフィルム9を切り開く。
【0109】
次に、前記バルブ10の2つの配管接続口13にそれぞれ接続された配管31のうちの少なくとも1本の配管31への流体製品Aの供給を開始し、次いで図20のように前記バルブ10を再び開き、前記配管31に供給された流体製品Aを、前記バルブ10を介して前記容器1′内に注入する。
【0110】
そして、前記容器1′内に所定量の流体製品Aを充填した後は、弁部材15をバルブ閉方向に移動させて前記バルブ10を閉じ、このバルブ開状態で、前記バルブ10の2つの配管接続口13にそれぞれ接続された全ての配管31に前記バルブ10を介して図21に矢線で示すように殺菌洗浄流体を流すことにより、前記バルブ10のボディ11内と全ての配管接続口13内および前記全ての配管31内を殺菌洗浄する。
【0111】
次に、前記バルブ10をロック機構21により閉状態にロックし、このバルブ閉状態で、前記バルブ10の配管接続口13と配管31とを接続している連結バンド32を取り外して前記バルブ10を全ての配管31から切り離し、図22のように、前記バルブ10を、前記容器1′の注出入用口部8に接続した状態のまま前記容器1′と一緒に搬出する。
【0112】
すなわち、この注入方法は、前記無菌注出入バルブ10を用いて前記容器1′内に流体製品Aを注入し、バルブ閉状態で前記バルブ10のボディ11内と全ての配管接続口13内および前記配管接続口13に接続された全ての配管31内を殺菌洗浄した後、前記バルブ10を前記配管31から切り離して注入ラインから取り外し、このバルブ10を、前記容器1′の注出入用口部8に接続した状態のまま前記容器1′と一緒に搬出するものであり、この注入方法によれば、流体製品Aを充填した前記容器1′の注出入用口部8を前記バルブ10により密閉しておくことができる。
【0113】
そして、この注入方法により流体製品Aを充填された容器1′は、その注出入用口部8に前記バルブ10が接続されているため、容器1′の流体製品Aの注出を、前記バルブ10の2つの配管接続口13にそれぞれ配管を接続した後、前記バルブ10のボディ11内と全ての配管接続口13内および前記配管接続口13に接続された全ての配管内とを殺菌洗浄し、その後に、前記バルブ10を開くことにより行なうことができる。
【0114】
なお、図5に示した容器1の注出用口部6(図7参照)と、図21〜図22に示した容器1′の注出入用口部8は、いずれも、1枚のシールフィルム7,9を備えたものであるが、前記注出用口部6または注出入用口部8は、その先端の開口部を前記シールフィルム7,9により封止するとともに、基端の開口部を他のシールフィルムにより封止した構造でもよく、その場合は、前記無菌注出入バルブ10のカッタ部材26の長さと、弁部材15の移動ストロークを大きくし、前記カッタ部材26により前記先端のシールフィルム7,9と基端のシールフィルムの両方を切り開いて、前記容器1内の流体製品Aを注出または前記容器1′内への流体製品Aの注入を行なうようにすればよい。
【0115】
また、上記実施例の無菌注出入バルブ10は、2つの配管接続口13を有するものであるが、前記無菌注出入バルブ10の配管接続口13の数は、複数であれば、例えば3つ以上でもよく、その場合も、複数の配管接続口13にそれぞれ配管を接続し、容器接続口12に容器の口部を接続し、弁部材15をボディ内方向に後退させたバルブ開状態で、前記複数の配管接続口13にそれぞれ接続された全ての配管に前記バルブ10を介して殺菌洗浄流体を流すことにより、前記バルブ10のボディ11内と複数の配管接続口13内および容器接続口12内と、前記容器の口部のシールフィルム面と、前記配管接続口13に接続された全ての配管内とを同時に殺菌洗浄することができ、したがって、その後に前記容器の口部のシールフィルムをカッタ部材26により切り開くことにより、無菌状態で前記容器内への流体製品の注入または前記容器内の流体製品の注出を行なうことができる。
【0116】
なお、前記無菌注出入バルブ10の配管接続口13の数は、前記バルブ10に接続する配管の本数よりも多くてもよく、その場合は、配管を接続しない配管接続口を、盲栓により密閉しておけばよい。
【0117】
また、上記実施例の無菌注出入バルブ10は、その開閉を、バルブ開閉操作ハンドル19の回転操作により手動で行なうものであるが、前記バルブ10の開閉は、弁部材15を設けたロッド20をシリンダ等により移動させて自動的に行なうようにしてもよい。
【0118】
さらに、上記無菌注出入バルブ10では、カッタ部材26を、容器接続口12内に弁部材15に対してフリーに嵌装しているが、前記カッタ部材26は、前記弁部材15に固定して設けてもよく、また、カッタ部材26は、前記弁部材16を移動させるバルブ開閉手段とは別の操作手段により容器接続口12から押し出すようにしてもよい。
【0119】
【発明の効果】
この発明の無菌注出入バルブは、一端に筒状の容器接続口が設けられ、他の複数箇所に殺菌洗浄流体の流出入口と流体製品の流出入口とを兼ねる複数の配管接続口が設けられたバルブボディと、前記ボディ内に設けられ、前記容器接続口のボディ内開口部に設けられた弁座に当接して前記容器接続口を閉鎖するバルブ閉状態と前記ボディ内方向に後退して前記容器接続口を開放するバルブ開状態とに移動される弁部材と、前記弁部材を前記弁座に対して接離させるバルブ開閉操作部と、前記弁部材のバルブ閉方向への移動により前記容器接続口からその外側に押し出されて前記容器の口部のシールフィルムを切り開くカッタ部材とを備え、前記容器接続口は前記バルブボディに着脱可能に連結されており、この容器接続口内に、前記カッタ部材が前記弁部材に対してフリーに嵌装され、前記カッタ部材に、前記弁部材により押される弁当接部が設けられるとともに、前記容器接続口内に、その外側への前記カッタ部材の抜け落ちを防ぐためのストッパが設けられていることを特徴とするものであり、この無菌注出入バルブは、殺菌洗浄流体の流出入口と流体製品の流出入口とを兼ねる複数の配管接続口を有しているため、このバルブの複数の配管接続口にそれぞれ配管を接続し、前記容器接続口に容器の口部を接続し、前記弁部材をボディ内方向に後退させたバルブ開状態で、前記複数の配管接続口にそれぞれ接続された全ての配管に前記バルブを介して殺菌洗浄流体を流すことにより、前記バルブのボディ内と複数の配管接続口内および容器接続口内と、前記容器の口部のシールフィルム面と、前記配管接続口に接続された全ての配管内とを同時に殺菌洗浄することができ、したがって、その後に前記容器の口部のシールフィルムをカッタ部材により切り開くことにより、無菌状態で前記容器内への流体製品の注入または前記容器内の流体製品の注出を行なうことができる。
【0120】
しかも、この無菌注出入バルブは、前記カッタ部材を、前記弁部材のバルブ閉方向への移動により前記容器接続口の外側に押し出すようにしているため、バルブの構造を簡単し、しかも、前記弁部材の弁座に対する接離移動と、前記カッタ部材の押し出しとを、同じ操作手段で行なうことができる。
【0121】
さらに、この無菌注出入バルブは、前記容器接続口をバルブボディに着脱可能に連結し、この容器接続口内に、前記カッタ部材を弁部材に対してフリーに嵌装するとともに、このカッタ部材に、前記弁部材により押される弁当接部を設け、前記容器接続口内に、その外側への前記カッタ部材の抜け落ちを防ぐためのストッパを設けているため、バルブの組立てを、前記容器接続口内に前記カッタ部材を嵌装し、この容器接続口をバルブボディに連結することにより容易に行なうことができる。
前記無菌注出入バルブにおいては、前記バルブ開閉操作部に、前記ロッドをバルブ閉状態にロックするためのロック機構を備えさせるのが好ましく、このようにすることにより、容器内への流体製品の注入後、あるいは容器内の流体製品を必要量注出した後に前記容器を冷蔵庫等に保管する際に、前記容器の口部を前記バルブにより密閉しておくことができる。
【0122】
また、前記カッタ部材は、筒体からなり、その容器接続口の外側に押し出される部分が、一側が切り欠かれた断面ほぼC形状に形成されているものが好ましく、このようなカッタ部材を用いることにより、容器の口部を封止しているシールフィルムをほぼC形状に切り、前記口部を大きく開放させることができるとともに、前記シールフィルムを、その一側が前記口部につながった状態で残し、前記シールフィルムが流体製品中に異物として紛れ込むのを防ぐことができる。
【0123】
その場合は、前記カッタ部材のバルブボディ内に入り込む部分に、前記カッタ部材内と前記ボディ内とを連通させる流体流通空間を設けるのが好ましく、このようにすることにより、殺菌洗浄流体および流体製品を、前記カッタ部材で妨げられることなく流すことができる。
【0124】
また、この発明の流体製品の無菌注入方法は、シールフィルムにより封止された注入用と注出用の両方を兼ねる口部を有する気密性容器内に、流体製品を、前記バルブ開閉操作部に前記ロッドをバルブ閉状態にロックするためのロック機構を備えさせた前記発明の無菌注出入バルブを用いて無菌状態で注入するものであり、前記バルブの複数の配管接続口にそれぞれ配管を接続し、容器接続口に前記容器の口部を連結バンドにより接続した後、前記バルブの弁部材をボディ内方向に後退させたバルブ開状態で、前記複数の配管接続口にそれぞれ接続された全ての配管に前記バルブを介して殺菌洗浄流体を流すことにより、前記バルブのボディ内と全ての配管接続口内および容器接続口内と、前記容器の口部のシールフィルム面と、前記全ての配管内とを殺菌洗浄し、その後、前記弁部材をバルブ閉方向に移動させて前記バルブを閉じるとともに、前記バルブの容器接続口からカッタ部材を押し出して前記容器の口部のシールフィルムを切り開き、その後に、前記バルブの複数の配管接続口にそれぞれ接続された配管のうちの少なくとも1本の配管への流体製品の供給を開始し、次いで前記バルブを再び開き、前記配管に供給された前記流体製品を、前記バルブを介して前記容器内に注入し、前記容器内への流体製品の注入後に、前記バルブを閉じ、その状態で前記バルブの複数の配管接続口にそれぞれ接続された全ての配管に前記バルブを介して殺菌洗浄流体を流すことにより、前記バルブのボディ内と全ての配管接続口内および前記全ての配管内を殺菌洗浄し、その後、前記バルブを前記ロック機構により閉状態にロックし、前記バルブを前記全ての配管から切り離して、前記バルブを、前記容器の口部に接続した状態のまま前記容器と一緒に搬出することを特徴とするものであり、この注入方法によれば、前記バルブのボディ内と全ての配管接続口内および容器接続口内と、前記容器の口部のシールフィルム面と、前記配管接続口に接続された全ての配管内とを同時に殺菌洗浄し、無菌状態で前記容器内に流体製品を注入することができるとともに、流体製品を充填した容器の口部を前記バルブにより密閉しておくことができる。
【0127】
また、この発明の流体製品の無菌注出方法は、シールフィルムにより封止された口部を有する気密性容器内に充填された流体製品を、前記バルブ開閉操作部に前記ロッドをバルブ閉状態にロックするためのロック機構を備えさせた前記発明の無菌注出入バルブを用いて無菌状態で注出するものであり、前記バルブの複数の配管接続口にそれぞれ配管を接続し、容器接続口に前記容器の口部を連結バンドにより接続した後、前記バルブの弁部材をボディ内方向に後退させたバルブ開状態で、前記複数の配管接続口にそれぞれ接続された全ての配管に前記バルブを介して殺菌洗浄流体を流すことにより、前記バルブのボディ内と全ての配管接続口内および容器接続口内と、前記容器の口部のシールフィルム面と、前記全ての配管内とを殺菌洗浄し、その後、前記バルブの容器接続口からカッタ部材を押し出して前記容器の口部のシールフィルムを切り開き、前記容器内の流体製品を、前記バルブを介して前記配管に必要量注出した後に、前記弁部材を弁座に当接させて前記バルブを閉じ、前記容器内の流体製品の注出を停止するとともに、前記注出停止から注出再開までの時間が長いときは、前記バルブを前記ロック機構により閉状態にロックし、前記バルブを前記全ての配管から切り離して、前記バルブを、前記容器の口部に接続した状態のまま前記容器と一緒に保管し、前記容器内の流体製品の注出を再開するときに、前記バルブの容器接続口を前記配管に接続し、バルブ閉状態で前記バルブのボディ内と全ての配管接続口内および全ての配管内を殺菌洗浄した後、前記バルブを開いて前記容器内の流体製品を注出することを特徴とするものであり、この注出方法によれば、前記バルブのボディ内と全ての配管接続口内および容器接続口内と、前記容器の口部のシールフィルム面と、前記配管接続口に接続された全ての配管内とを同時に殺菌洗浄し、無菌状態で前記容器内の流体製品を注出することができるとともに、前記容器内の流体製品を必要量注出した後に前記容器を冷蔵庫等に保管する際に、前記容器の口部を前記バルブにより密閉しておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す無菌注出入バルブの断面図。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図。
【図3】図1のIII−III線に沿う断面図。
【図4】前記バルブに設けられたカッタ部材の斜視図。
【図5】シールフィルムにより封止された注入用および注出用口部を有する気密性容器の流体製品充填状態の一部切開側面図。
【図6】前記容器の注入用口部の拡大断面図。
【図7】前記容器の注出用口部の拡大断面図。
【図8】前記バルブを用いた前記容器内への流体製品の無菌注入方法を示す、前記バルブに配管および容器を接続した状態の断面図。
【図9】同じく、殺菌洗浄状態の断面図。
【図10】同じく、前記容器の注入用口部の第1のシールフィルムを切り開いた状態の断面図。
【図11】同じく、流体製品注入状態の断面図。
【図12】同じく、前記容器の注入用口部を第2のシールフィルムにより封止した後の殺菌洗浄状態の断面図。
【図13】同じく、前記容器を前記バルブから切り離した状態の断面図。
【図14】前記バルブを用いた前記容器内の流体製品の無菌注出方法を示す、前記バルブに配管および容器を接続した状態の断面図。
【図15】同じく、殺菌洗浄状態の断面図。
【図16】同じく、前記容器の注出用口部のシールフィルムを切り開いた状態の断面図。
【図17】同じく、流体製品注出状態の断面図。
【図18】同じく、注出停止状態の断面図。
【図19】同じく、注出済み容器を前記バルブから切り離した状態の断面図。
【図20】注入用と注出用の両方を兼ねる1つの口部を備えた容器内への前記無菌注出入バルブによる流体製品の無菌注入方法を示す、流体製品注入状態の断面図。
【図21】同じく、注入終了状態の断面図。
【図22】同じく、前記バルブを配管から切り離して容器と一緒に注入ラインから取り外した状態の断面図。
【符号の説明】
1,1′…容器
3…注入用口部
4…第1のシールフィルム
5…第2のシールフィルム
6…注入用口部
7…シールフィルム
3…注入用口部
4…第1のシールフィルム
5…第2のシールフィルム
8…注出入用口部
9…シールフィルム
19…無菌注出入バルブ
11…バルブボディ
12…容器接続口
13…配管接続口
14…弁座
15…弁部材
26…カッタ部材
26a…C状筒部
27…弁当接部
28…流体流通空間
30…ストッパ
31,34…配管

Claims (5)

  1. シールフィルムにより封止された口部を有する気密性容器の前記口部に接続され、無菌状態で前記シールフィルムを切り開いて前記容器内への流体製品の注入または前記容器内の流体製品の注出を行なうバルブにおいて、
    一端に筒状の容器接続口が設けられ、他の複数箇所に殺菌洗浄流体の流出入口と流体製品の流出入口とを兼ねる複数の配管接続口が設けられたバルブボディと、前記ボディ内に設けられ、前記容器接続口のボディ内開口部に設けられた弁座に当接して前記容器接続口を閉鎖するバルブ閉状態と前記ボディ内方向に後退して前記容器接続口を開放するバルブ開状態とに移動される弁部材と、前記弁部材を前記弁座に対して接離させるバルブ開閉操作部と、前記弁部材のバルブ閉方向への移動により前記容器接続口からその外側に押し出されて前記容器の口部のシールフィルムを切り開くカッタ部材とを備え、前記容器接続口は前記バルブボディに着脱可能に連結されており、この容器接続口内に、前記カッタ部材が前記弁部材に対してフリーに嵌装され、前記カッタ部材に、前記弁部材により押される弁当接部が設けられるとともに、前記容器接続口内に、その外側への前記カッタ部材の抜け落ちを防ぐためのストッパが設けられていることを特徴とする流体製品の無菌注出入バルブ。
  2. バルブ開閉操作部は、前記ロッドをバルブ閉状態にロックするためのロック機構を備えていることを特徴とする請求項1に記載の流体製品の無菌注出入バルブ。
  3. カッタ部材は筒体からなっており、その容器接続口の外側に押し出される部分が、一側が切り欠かれた断面ほぼC形状に形成され、バルブボディ内に入り込む部分に、前記カッタ部材内と前記ボディ内とを連通させる流体流通空間が設けられていることを特徴とする請求項に記載の流体製品の無菌注出入バルブ。
  4. シールフィルムにより封止された注入用と注出用の両方を兼ねる口部を有する気密性容器内に流体製品を無菌状態で注入する方法において、
    請求項に記載の無菌注出入バルブを用い、その複数の配管接続口にそれぞれ配管を接続し、容器接続口に前記容器の口部を連結バンドにより接続した後、前記バルブの弁部材をボディ内方向に後退させたバルブ開状態で、前記複数の配管接続口にそれぞれ接続された全ての配管に前記バルブを介して殺菌洗浄流体を流すことにより、前記バルブのボディ内と全ての配管接続口内および容器接続口内と、前記容器の口部のシールフィルム面と、前記全ての配管内とを殺菌洗浄し、その後、前記弁部材をバルブ閉方向に移動させて前記バルブを閉じるとともに、前記バルブの容器接続口からカッタ部材を押し出して前記容器の口部のシールフィルムを切り開き、その後に、前記バルブの複数の配管接続口にそれぞれ接続された配管のうちの少なくとも1本の配管への流体製品の供給を開始し、次いで前記バルブを再び開き、前記配管に供給された前記流体製品を、前記バルブを介して前記容器内に注入し、前記容器内への流体製品の注入後に、前記バルブを閉じ、その状態で前記バルブの複数の配管接続口にそれぞれ接続された全ての配管に前記バルブを介して殺菌洗浄流体を流すことにより、前記バルブのボディ内と全ての配管接続口内および前記全ての配管内を殺菌洗浄し、その後、前記バルブをロック機構により閉状態にロックし、前記バルブを前記全ての配管から切り離して、前記バルブを、前記容器の口部に接続した状態のまま前記容器と一緒に搬出することを特徴とする流体製品の無菌注入方法。
  5. シールフィルムにより封止された口部を有する気密性容器内に充填された流体製品を無菌状態で注出する方法において、
    請求項に記載の無菌注出入バルブを用い、その複数の配管接続口にそれぞれ配管を接続し、容器接続口に前記容器の口部を連結バンドにより接続した後、前記バルブの弁部材をボディ内方向に後退させたバルブ開状態で、前記複数の配管接続口にそれぞれ接続された全ての配管に前記バルブを介して殺菌洗浄流体を流すことにより、前記バルブのボディ内と全ての配管接続口内および容器接続口内と、前記容器の口部のシールフィルム面と、前記全ての配管内とを殺菌洗浄し、その後、前記バルブの容器接続口からカッタ部材を押し出して前記容器の口部のシールフィルムを切り開き、前記容器内の流体製品を、前記バルブを介して前記配管に必要量注出した後に、前記弁部材を弁座に当接させて前記バルブを閉じ、前記容器内の流体製品の注出を停止するとともに、前記注出停止から注出再開までの時間が長いときは、前記バルブをロック機構により閉状態にロックし、前記バルブを前記全ての配管から切り離して、前記バルブを、前記容器の口部に接続した状態のまま前記容器と一緒に保管し、前記容器内の流体製品の注出を再開するときに、前記バルブの容器接続口を前記配管に接続し、バルブ閉状態で前記バルブのボディ内と全ての配管接続口内および全ての配管内を殺菌洗浄した後、前記バルブを開いて前記容器内の流体製品を注出することを特徴とする流体製品の無菌注出方法。
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