JP3559262B2 - 磁界調整用装置、磁界調整方法および記録媒体 - Google Patents

磁界調整用装置、磁界調整方法および記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は磁界調整用装置、磁界調整方法および記録媒体に関し、より特定的には、MRI装置等に用いられる磁界発生装置の磁界調整用装置、磁界調整方法および磁界調整用プログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
MRI装置に用いられる磁気回路には非常に厳しい磁界均一度(たとえば30ppm)が要求される。工場出荷時には磁界を調整して磁界均一度を確保するものの、輸送中における振動、設置環境の変化等によって磁界均一度が悪化する(たとえば50ppm程度に)ことが多い。したがって、MRI装置が設置する現場に到着した時点で可動ヨークや調整ボルトによって磁界均一度が再調整される。磁界均一度は(磁界強度の最大値−磁界強度の最小値)×10/(中心磁界強度あるいは平均磁界強度)で求められ、その値が小さいほど磁界均一性が高いことを意味する。
【0003】
この調整で磁界均一度が所定範囲に収まらない場合には、たとえば直方体状の小さな磁石からなる磁界調整片を磁極板の珪素鋼板上に貼り付けて最終調整する必要がある。
その場合において、磁極板上に貼り付ける磁界調整片の位置と個数とを線形計画法等によって算出する技術が、特開平9−56692号に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、その具体的なプロセスについては開示されておらず、磁界調整が容易ではない。
それゆえに、この発明の主たる目的は、容易に精度よく磁界調整できる、磁界調整用装置、磁界調整方法および記録媒体を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の磁界調整用装置は、対向配置される一対の板状継鉄および一対の板状継鉄のそれぞれの対向面側に設けられる永久磁石を含む磁界発生装置の空隙の磁界を調整するための磁界調整用装置であって、空隙の所定箇所の磁界強度を測定する手段、磁界調整片を磁界発生装置の所定位置に配置したときの磁界変化量を記憶する手段、磁界均一度の目標値を入力する手段、磁界強度と磁界変化量と目標値とに基づいて磁界調整片の位置および個数を算出する手段、磁界調整片の位置および個数に基づいて磁界均一度の予想値を算出する手段磁界均一度の予想値が所定値以下のとき磁界調整片の位置および個数を出力する手段、磁界均一度の予想値が所定値より大きければ、磁界調整片をさらに磁界発生装置の所定位置に配置したときの磁界均一度の予想値を磁界調整片の位置ごとに算出する手段、ならびに磁界均一度の予想値が最小となる磁界調整片の位置および個数を出力する手段を備える。
【0007】
請求項2に記載の磁界調整用装置は、対向配置される一対の板状継鉄および一対の板状継鉄のそれぞれの対向面側に設けられる永久磁石を含む磁界発生装置の空隙の磁界を調整するための磁界調整用装置であって、空隙の所定箇所の磁界強度を測定する手段、磁界調整片を磁界発生装置の所定位置に配置したときの磁界変化量を記憶する手段、磁界強度と磁界変化量とに基づいて、磁界調整片を磁界発生装置の所定位置に配置したときの磁界均一度の予想値を磁界調整片の位置ごとに算出する手段、ならびに磁界均一度の予想値が最小となる磁界調整片の位置および個数を出力する手段を備える。
【0008】
請求項3に記載の磁界調整方法は、対向配置される一対の板状継鉄および一対の板状継鉄のそれぞれの対向面側に設けられる永久磁石を含む磁界発生装置の空隙の磁界を調整するための磁界調整方法であって、空隙の所定箇所の磁界強度を測定するステップ(a)、磁界調整片を磁界発生装置の所定位置に配置したときの磁界変化量を記憶するステップ(b)、磁界均一度の目標値を入力するステップ(c)、磁界強度と磁界変化量と目標値とに基づいて磁界調整片の位置および個数を算出するステップ(d)、磁界調整片の位置および個数に基づいて磁界均一度の予想値を算出するステップ(e)、磁界均一度の予想値が所定値以下のとき磁界調整片の位置および個数を出力するステップ(f)、磁界均一度の予想値が所定値より大きければ、磁界調整片をさらに磁界発生装置の所定位置に配置したときの磁界均一度の予想値を磁界調整片の位置ごとに算出するステップ(g)、磁界均一度の予想値が最小となる磁界調整片の位置および個数を出力するステップ(h)、ならびに出力された磁界調整片の位置および個数に基づいて磁界発生装置に磁界調整片を配置するステップ(i)を備える。
【0009】
請求項4に記載の磁界調整方法は、請求項3に記載の磁界調整方法において、ステップ(d)で算出された磁界調整片の個数が上限値以下であるか否かを判断するステップをさらに含み、ステップ(f)では、磁界調整片の個数が上限値以下である場合の磁界均一度の予想値が所定値と比較されることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の磁界調整方法は、対向配置される一対の板状継鉄および一対の板状継鉄のそれぞれの対向面側に設けられる永久磁石を含む磁界発生装置の空隙の磁界を調整するための磁界調整方法であって、空隙の所定箇所の磁界強度を測定するステップ(a)、磁界調整片を磁界発生装置の所定位置に配置したときの磁界変化量を記憶するステップ(b)、磁界強度と磁界変化量とに基づいて、磁界調整片を磁界発生装置の所定位置に配置したときの磁界均一度の予想値を磁界調整片の位置ごとに算出するステップ(c)、磁界均一度の予想値が最小となる磁界調整片の位置および個数を出力するステップ(d)、ならびに出力された磁界調整片の位置および個数に基づいて磁界発生装置に磁界調整片を配置するステップ(e)を備える。
【0011】
請求項6に記載の磁界調整方法は、請求項5に記載の磁界調整方法において、ステップ(c)において磁界発生装置に配置された磁界調整片の個数が上限値以下であるか否かを判断するステップをさらに含み、ステップ(d)では、磁界調整片の個数が上限値以下である場合において、磁界均一度の予想値が最小となる磁界調整片の位置および個数を出力することを特徴とする。
請求項7に記載の磁界調整方法は、請求項3または5に記載の磁界調整方法において、永久磁石上に珪素鋼板が設けられ、磁界調整片は珪素鋼板上に配置されることを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載の磁界調整方法は、請求項3または5に記載の磁界調整方法において、磁界調整片は磁石であることを特徴とする。
請求項9に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、対向配置される一対の板状継鉄および一対の板状継鉄のそれぞれの対向面側に設けられる永久磁石を含む磁界発生装置の空隙の磁界を調整するためのプログラムを記録した記録媒体であって、空隙の所定箇所の磁界強度を入力するステップ、磁界調整片を磁界発生装置の所定位置に配置したときの磁界変化量を記憶するステップ、磁界均一度の目標値を入力するステップ、磁界強度と磁界変化量と目標値とに基づいて磁界調整片の位置および個数を算出するステップ、磁界調整片の位置および個数に基づいて磁界均一度の予想値を算出するステップ磁界均一度の予想値が所定値以下のとき磁界調整片の位置および個数を出力するステップ、磁界均一度の予想値が所定値より大きければ、磁界調整片をさらに磁界発生装置の所定位置に配置したときの磁界均一度の予想値を磁界調整片の位置ごとに算出するステップ、ならびに磁界均一度の予想値が最小となる磁界調整片の位置および個数を出力するステップを、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したことを特徴とする。
【0014】
請求項10に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、対向配置される一対の板状継鉄および一対の板状継鉄のそれぞれの対向面側に設けられる永久磁石を含む磁界発生装置の空隙の磁界を調整するためのプログラムを記録した記録媒体であって、空隙の所定箇所の磁界強度を入力するステップ、磁界調整片を磁界発生装置の所定位置に配置したときの磁界変化量を記憶するステップ、磁界強度と磁界変化量とに基づいて、磁界調整片を磁界発生装置の所定位置に配置したときの磁界均一度の予想値を磁界調整片の位置ごとに算出するステップ、ならびに磁界均一度の予想値が最小となる磁界調整片の位置および個数を出力するステップを、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したことを特徴とする。
【0015】
請求項1に記載の磁界調整用装置では、磁界発生装置の空隙の磁界強度と、磁界調整片を磁界発生装置の所定位置に配置したときの磁界変化量と、磁界均一度の目標値とに基づいて、たとえば線形計画法によって磁界調整片を配置する位置および個数が算出される。磁界調整片の位置および個数に基づいて、磁界均一度の予想値が算出される。その磁界均一度の予想値が所定値以下のときの磁界調整片の位置および個数が出力される。作業者は、その出力に基づいて磁界調整片を配置すればよいので、入力された目標値に応じて少ない磁界調整片で容易に精度よく磁界調整できる。
一方、磁界均一度の予想値が所定値より大きければ、さらにたとえば直接探索法によって磁界均一度の予想値が算出され、磁界均一度の予想値が最小となる磁界調整片の位置および個数が選択され、出力される。したがって、作業者が、その出力に基づいて磁界発生装置に磁界調整片を配置することによって、より精度よく磁界調整できる。
請求項3に記載の磁界調整方法、請求項9に記載の記録媒体を用いた場合についても同様である。
【0016】
請求項4に記載の磁界調整方法では、磁界調整片の個数が上限値以下である場合の磁界均一度の予想値が所定値と比較され、その予想値が所定値以下のとき対応する磁界調整片の位置および個数が出力される。このように配置される磁界調整片の個数に上限を設けることによって、より少ない磁界調整片で磁界調整でき、環状突起の内側に配置される傾斜磁界コイルを邪魔しない。
【0018】
請求項2に記載の磁界調整用装置では、磁界発生装置の空隙の磁界強度と、磁界調整片を磁界発生装置の所定位置に配置したときの磁界変化量とに基づいて、たとえば直接探索法によって磁界均一度の予想値が磁界調整片の位置ごとに算出される。そして、磁界均一度の予想値が最小となる磁界調整片の位置および個数が選択され、出力される。作業者は、その出力に基づいて磁界発生装置に磁界調整片を配置すればよいので、容易に精度よく磁界調整できる。請求項5に記載の磁界調整方法、請求項10に記載の記録媒体を用いた場合についても同様である。
【0019】
請求項6に記載の磁界調整方法では、磁界発生装置に配置される磁界調整片の個数に上限を設けることによって、より少ない磁界調整片で磁界調整でき、傾斜磁界コイルを邪魔しない。
請求項7に記載の磁界調整方法では、磁界調整片は珪素鋼板上に配置されるので、磁界調整片1個当たりの磁界変化量を小さくでき、磁界の微調整が容易になる。
請求項8に記載の磁界調整方法では、磁界調整片は磁石であるので、磁界を正負両方向に調整でき、より柔軟に磁界調整できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1を参照して、この発明の一実施形態の磁界調整用装置10は、たとえばMRI用磁界発生装置100の空隙102の磁界を調整するために用いられる。
磁界発生装置100は、空隙102を形成して対向配置される一対の板状継鉄104aおよび104bを含む。
【0021】
板状継鉄104aおよび104bのそれぞれの対向面側には、永久磁石群106aおよび106bが配置され、永久磁石群106aおよび106bのそれぞれの対向面側には、磁極板108aおよび108bが固着される。
永久磁石群106aおよび106bはそれぞれ、たとえばR−Fe−B系焼結磁石からなりたとえば一辺50mmの立方体状の磁石単体等を3段に重ねて形成される。R−Fe−B系焼結磁石は米国特許第4,770,723号に記載されている。
【0022】
磁極板108aは、永久磁石群106aの主面に配置されたとえば鉄からなる円板状のベースプレート110を含む。ベースプレート110の主面には、うず電流の発生を防止するための珪素鋼板112が形成される。珪素鋼板112は、ベースプレート110上に接着剤で固定される。ベースプレート110の周縁部には、たとえば鉄からなり周縁部の磁界強度を上げるための環状突起114が形成される。磁極板108bについても同様である。この環状突起114によって形成される内側の凹部に傾斜磁界コイル(図示せず)が配置される。
【0023】
また、板状継鉄104aおよび104bの中央にはそれぞれ磁界調整用の可動ヨーク116aおよび116bが配置される。ボルト118によって可動ヨーク116aの上下方向の位置が調整され、延長棒120の操作によって可動ヨーク116bの上下方向の位置が調整される。また、板状継鉄104aおよび104bの対向面側でありかつ永久磁石群106aおよび106bの外側にはそれぞれ、調整用ボルト122aおよび122bが取り付けられ、さらに、磁石カバー124aおよび124bが設けられる。板状継鉄104aおよび104b間は、支持継鉄126によって磁気的に結合され、板状継鉄104aの上面から螺入されるギャップ調整ボルト127によって板状継鉄104aと支持継鉄126との間のギャップが調整される。可動ヨーク116aおよび116b、調整用ボルト122aおよび122b、ギャップ調整ボルト127による機械シミングによって、磁界が粗調整される。
また、板状継鉄104bの下面には脚部128が取り付けられる。
【0024】
このような磁界発生装置100の空隙102の磁界を調整するための磁界調整用装置10はたとえばパソコンなどのコンピュータ12を含む。コンピュータ12は、コンピュータ12ひいては磁界調整用装置10の動作を制御するためのCPU14、ハードディスクドライブ16、フロッピィディスクドライブ18、CD−ROMドライブ19、変更不要なプログラムやデータ等が記憶されるROM20、演算データ等を一時的に記憶するためのRAM22、キーボードやマウス等からなる入力部24、およびディスプレイ等からなる表示部26を含む。ハードディスクドライブ16によって駆動されるハードディスクには、コンピュータ12が図3〜図5の動作を実行するためのプログラム等が記憶される。
【0025】
また、磁界調整用装置10は、磁界発生装置100の均一空間Fに設置されるプローブ(NMR素子)28を含む。ここで「均一空間」とは、磁界の均一度合いが100PPM以下に収まる磁界空間をいう。プローブ28は磁極板108b上に配置される位置決め装置30によって、均一空間Fの所望の位置にコントロールされ、プローブ28からの測定データに基づいて磁力計32によって磁界強度が計測され、その値がCPU14に与えられる。磁界強度はNMR素子のほかホール素子によっても測定することができる。
【0026】
さらに、CPU14には温度制御装置34が接続され、コンピュータ12によって温度制御装置34は常にモニタされる。温度制御装置34は、磁界発生装置100内に配置された温度センサ36からのデータに基づいて、ヒータ38を制御する。磁界発生装置100の温度が低下すると永久磁石群106aおよび106b等の磁石から発生される磁束が多くなり、磁界が不安定となって正確に磁界調整できなくなるため、磁界発生装置100内に設けられたヒータ38を温度制御装置34で制御し、磁界発生装置100の温度を一定に保つ。
【0027】
このような磁界調整用装置10を用いた演算結果に基づいて珪素鋼板112上に、磁石からなる磁界調整片(以下「調整片」という)40が貼り付けられて、パッシブシミングされ、磁界が微調整される。
貼り付け位置は、図2に示すように環状突起114に囲まれる珪素鋼板112上の領域を30°毎に分割する放射状の線と、中心から外側に向かって引いた同心円との交点に設定される。具体的には、上側の磁極板108aおよび下側の磁極板108bのそれぞれの珪素鋼板112主面において、それぞれ図2(a)および(b)に示すように、径方向7箇所(磁極板108aではU1〜U7、磁極板108bではL1〜L7)×円周方向12箇所(0°〜330°)=84箇所が、貼り付け位置となる。それ以外の場所には工場出荷時に調整片が貼り付けられて、磁界強度が事前に調整されている。調整片を貼り付ける場合には、設置場所で所望の大きさのものを加工できるわけではなく、あらかじめ加工したいくつかの大きさの調整片が使用される。使用される調整片40の寸法は貼り付け位置ごとに決められており、コンピュータ12に記憶されている。調整片40としては、具体的には、径U1、U2、L1、L2の位置には直径4mm、径U3、U4、L3、L4の位置には直径7mm、径U5〜U7およびL5〜L7の位置には直径11mmで、それぞれ厚さ1mmの異方性を有する円板状ネオジム焼結磁石が使用される。
【0028】
ついで、この明細書でいう線形計画法の原理について説明する。
線形計画法は、与えられた条件下で目的関数を最大または最小にする手法であり、最適化手法の一つである。調整片40の位置および個数を特定する方法の設定は以下のような式で表現できる。
【0029】
制約条件式は数1のようになる。
【数1】
Figure 0003559262
【0030】
数1をマトリックス形式で表現すると数2のようになる。
【数2】
Figure 0003559262
【0031】
この制約条件式下で、数3に示す目的関数を定め、zを最小化する[X](xは絶対値)を求めることが本最適手法である。
【数3】
Figure 0003559262
【0032】
換言すれば、磁界分布[B]に調整片40を付加し、最終的に磁界均一度の目標値[E]が得られる最小の[X]を求める方法である。なお、[A]については事前に計算、測定等によりマトリックスを保存しておき、計算の実行時にeを与える必要がある。
【0033】
この線形計画法では、数2からも明らかなように、磁界均一度の目標値eの与え方によって調整片40の個数[X]が異なる。たとえば、非常に高い磁界均一度を得ようとしてeに小さな値を選択すると、調整片40の個数が非常に大きくなることがある。そこで、計算された調整片40の個数を見ながら、eの値を適宜選択するというのが通常である。
線形計画法では、調整片40の個数について小数の解が発生するものの、他の手法と比べて原理的に調整片40の数が少なくてすむという利点がある。
【0034】
つぎに、この明細書でいう直接探索法の原理について説明する。
通常調整片40を置く位置は予め定められており、その各々の位置について1個ずつ調整片40を置くと仮定して、[A][X]+[B]=[B’]によって、調整片40を置いた後の磁界分布[B’]を推定し、磁界分布が最良となる調整片40のみ選択する。つぎに、[B’]について同様の手順を繰り返し、[A][X]+[B’]が最良となる、最適な調整片40を1個定めその調整片40を選択する。このような手順を次々に繰り返すことによって、均一性の高い磁界が得られることになる。どの位置の調整片40も磁界均一性の向上に効果がないと判断した時点で、計算を終了する。
【0035】
直接探索法では、原理的に小数の解が発生しないので、四捨五入で丸めた後の調整片数に基づく磁界均一度と目標値とを比較するという数理計画法に必要な面倒な処理を要せず、容易に磁界均一度を向上できる。
さらに、線形計画法と直接探索法とを組み合わせると、少ない調整片40で非常によい磁界均一度が得られる。
【0036】
図3〜図5を参照して、磁界調整用装置10を用いた磁界調整動作について説明する。
磁界発生装置10がたとえば病院等の設置場所に到着すると、作業者(フィールドエンジニア)によって、磁気の影響を受けないような場所にコンピュータ12が設置され、温度制御装置34によって磁界発生装置100の温度が一定に保たれ、中心磁界強度を安定させる。
【0037】
そして、中心磁界強度が安定したか否かをみるために、以下の動作が行われる。
まず、所定時間(たとえば10分)経過したか否かが判断される(ステップS1)。所定時間経過するまで待機し、所定時間経過すると、中心磁界強度がRAM22に読み込まれる(ステップS3)。ついで、前回と今回の中心磁界強度が比較されその差が所定値(たとえば20ppm)内か否かが判断される(ステップS5)。磁界強度差が所定値を超えていればステップS1に戻り、所定値内に収まるまで上述の処理が繰り返される。
【0038】
磁界強度差が所定値内に収まると、中心磁界強度が安定したと判断され、シミング用磁界強度が測定される。すなわち、プローブ28を回転・移動させて、均一空間Fの球体表面および内部における130〜180箇所の測定点の磁界強度が磁力計32で測定され、その測定値に基づいて磁界均一度Zが計算される(ステップS7)。磁界強度の測定値および磁界均一度Zはコンピュータ12のRAM22に読み込まれる(ステップS9)。
【0039】
そして、計算条件ファイルがハードディスクドライブ16やフロッピィディスクドライブ18からRAM22に読み込まれる(ステップS11)。計算条件ファイルには調整片40に関するデータベースが含まれる。たとえば磁極板108aおよび108b表面における貼り付け位置ごとの磁界変化量、すなわち、各貼り付け位置に調整片40を配置したときの、均一空間F表面の各測定点における磁界変化量が読み込まれる。また、磁界均一度の仕様Appm、線形計画法を実行するか否かを判断するための閾値Bppm、磁界均一度の目標値e(I)等が読み込まれる。目標値e(I)としては、e(1)>e(2)>・・・>e(N)を満たすN個の値が入力され、Iは、1≦I≦Nを満たす整数であり、目標値e(I)<仕様A<閾値Bとされる。なお、一般に、磁界均一度の目標値e(I)を小さくするほど補正が厳しくなり多くの調整片40を要し作業が煩雑になるので、磁界均一度の精度と補正作業の手間とを比較考慮した上で磁界均一度の目標値e(I)を設定すべきである。さらに、貼り付け可能な全調整片40の上限値(最大数)Mおよび貼り付け可能な1箇所当たりの調整片40の上限値(最大数)Pが読み込まれる。
【0040】
そして、目標値e(I)の最大値と最小値との差すなわち幅Δdが求められ(ステップS13)、初回のパッシブシミングか否かすなわち以前に調整片40による磁界補正がなされたか否か判断される(ステップS15)。すでに調整片40を貼り付けている場合にはその位置および数量を考慮する必要があるためである。初回のパッシブシミングでなければすでに貼り付けられている調整片40の位置、個数等がRAM22に読み込まれ(ステップS17)、図4に示すステップS19に進む。初回のパッシブシミングであれば直接、ステップS19に進む。
【0041】
ステップS19では、その時点での磁界均一度Zが仕様A、閾値Bと比較される。
Z≧Bであれば、Target=e(I)として予め入力されたN個の目標値e(I)が設定され(ステップS21)、大きい目標値e(1)から順に上述した線形計画法によって調整片40の位置およびその個数が計算される(ステップS23)。このとき、調整片40の個数が小数値であれば四捨五入によって端数処理され整数化される。そして、四捨五入後の調整片40の位置および個数に基づいて、Target=e(I)による磁界均一度の予想値が計算される(ステップS25)。
【0042】
計算の結果、全調整片数がM個以下でありかつ1箇所当たりの調整片数がP個以下であるか否かが判断される(ステップS27)。たとえば、M=50、P=10に設定される。
全調整片数がM個より多いか1箇所当たりの調整片数がP個より多ければ、I=1か否かが判断される(ステップS29)。I=1であれば、その時点で設定されているN個の目標値e(I)を1つも満足させることができないとして、e(I)=e(I)+Δdとして目標値を大きくし(ステップS31)、ステップS21に戻る。I>1であれば、ステップS33に進む。
一方、ステップS27において、全調整片数がM個以下でありかつ1箇所当たりの調整片数がP個以下であれば、その目標値e(I)のときの調整片40の位置、個数および磁界均一度の予想値が保存される(ステップS35)。
【0043】
そして、I=Nか否かが判断される(ステップS37)。I=Nでなければ、I=I+1としてIがインクリメントされ(ステップS39)、ステップS21に戻る。
I=Nであれば、その時点で設定されているN個の全目標値e(I)について計算を終え、各目標値e(I)ごとの調整片40の位置、個数および磁界均一度の予想値が保存されたことになる。したがって、この場合、I=1とした後(ステップS41)、e(I)=e(I)−Δdとして目標値を小さくし(ステップS43)、ステップS21に戻る。
【0044】
このような処理の後、ステップS33において、(調整片数)+(磁界均一度の予想値)が最小となるe(I)すなわちe(opt)が選択され、Target=e(opt)が設定される。このように目標値e(I)に対する解の中から、少ない調整片40で磁界均一度が改善されるように最適な解が選択され、調整精度を向上させる。
選択されたTarget=e(opt)のときの調整片40の位置、個数および磁界均一度の予想値が決定され、このときの均一空間F表面の各測定点の磁界強度の予想値がRAM22に読み込まれる(ステップS45)。
【0045】
その磁界均一度の予想値が仕様A以下か否かが判断される(ステップS47)。磁界均一度の予想値が仕様A以下であれば、その結果がコンピュータ12の表示部26に表示され(ステップS51)、終了する。一方、磁界均一度の予想値が仕様Aより大きければ、図5に示す直接探索法が実行され(ステップS49)、その結果がコンピュータ12の表示部26に表示され(ステップS51)、終了する。このとき、表示部26には、たとえば図6〜図8に示すような調整データが表示される。作業者は、その表示に基づいて珪素鋼板112上に調整片40を配置すればよいので、容易に精度よく磁界調整できる。
ステップS19において、磁界均一度Zが仕様Aより大きくかつ閾値B未満であれば、線形計画法による計算は実行されず直接、ステップS49に進む。磁界均一度Zが仕様A以下であれば、そのまま終了する。
【0046】
図5を参照して、直接探索法の実行について説明する。
まず、或る位置(たとえば径L1、角度0°の位置)に調整片40が1個配置されたとして(ステップS101)、データベースを参照して、そのときの均一空間Fの各測定点での磁界変化量が計算される(ステップS103)。
ついで、すでに読み込まれた各測定点での磁界強度に、ステップS103で計算された磁界変化量が加算される(ステップS105)。ここで磁界変化量は、線形計画法による演算が実行されていないときにはステップS9で読み込まれた磁界強度に加算され、線形計画法による演算が実行されたときにはステップS45で読み込まれた磁界強度の予想値に加算される。
【0047】
そして、ステップS105での計算結果に基づいて磁界均一度の予想値が計算され、調整片40の位置、個数とともにRAM22内に記憶される(ステップS107)。
図2に示すすべての貼り付け位置に調整片40を配置してみたか、すなわち各位置毎に補正後のデータを演算し終えたか否かが判断される(ステップS109)。すべての貼り付け位置(径L1、角度0°〜径U7、角度330°の位置)について補正後のデータを演算し終えていなければ、演算を実行していない位置に調整片40を配置したとして同様の演算が実行される。すべての貼り付け位置について補正後のデータが演算されれば、全調整片数がM個以下でありかつ1箇所当たりの調整片数がP個以下であるか否かが判断される(ステップS111)。
【0048】
全調整片数がM個以下でありかつ1箇所当たりの調整片数がP個以下である限り、ステップS101に戻り、或る位置に調整片40がさらに1個配置された後上述の直接探索法による計算が繰り返される。
全調整片数がM個を超えるか1箇所当たりの調整片数がP個を超えれば、調整片数がその時点から1個少ないときまでの計算値の中で、磁界均一度の予想値が最小となる調整片40の位置および個数が選択され(ステップS113)、その場合の磁界均一度の予想値が決定される(ステップS115)。そして、図4のステップS51に進み、調整片40の位置および個数等を含む調整データが表示部26に表示され、終了する。
【0049】
このように、1以上の調整片40を配置することによる空隙102中の磁界に与える影響を調べ、最も磁界均一性向上に寄与する調整片40の位置および個数を選択する。この手法によって、測定反復回数が少なくなり、短時間で磁界均一性を向上できる。
また、配置される調整片40の個数に上限を設けることによって、より少ない調整片40で磁界調整できる。
さらに、調整片40は珪素鋼板112上に配置されるので、調整片1個当たりの磁界変化量を小さくでき、磁界の微調整が容易になる。
また、調整片40は磁石であるので、磁界を正負両方向に調整でき、より柔軟に磁界調整できる。
【0050】
ついで、表示部26に表示される調整データ(演算結果)の一例を図6〜図8に示す。
図6に線形計画法(LP)、図7に直接探索法(DS)、図8に線形計画法と直接探索法とを組み合わせた場合(LP+DS)の調整データを示す。
図6〜図8の(a)では、Measured homogeneity in PPMは補正前の現状の磁界均一度(ここでは、45.1ppm)、Calculated PPM (LP Unrounded)は四捨五入前の線形計画法による磁界均一度の予想値、Calculated PPM (LP Rounded)は四捨五入後の線形計画法による磁界均一度の予想値 、Calculated PPM (DS added)は直接探索法による磁界均一度の予想値を示す。磁界均一度は(磁界強度の最大値−磁界強度の最小値)×10/(中心磁界強度あるいは平均磁界強度)で求められ、その値が小さいほど磁界均一性が高いことを意味する。
【0051】
図6〜図8の(b)のテーブルには、調整片40(「Shim」と表示)の大きさ、調整片40の貼り付け位置、各位置に貼る調整片40の個数(Delta)と過去に貼った調整片40の個数(current)との合計(Total)等が表示される。なお、調整片40の個数が小数値であれば四捨五入されて整数となり、整数化された値が(b)のテーブルに表示される。
図6〜図8の(c)のテーブルには、上部の磁極板108aの貼り付け位置ごとに調整片40の四捨五入前の個数が表示される。図6〜図8の(d)のテーブルには、下部の磁極板108bの貼り付け位置ごとに調整片40の四捨五入前の個数が表示される。ここでマイナスの値は、磁界発生装置10に発生する磁束とは磁力の方向が逆になるように(反発する方向に)調整片40を貼り付けることを意味する。
【0052】
図6からわかるように、予め目標値を設定し線形計画法を用いて演算することによって、少ない調整片40の貼り付けで磁界の調整が可能となり磁界均一度の予想値を35.8ppmまで小さくできる。
図7からわかるように、直接探索法を用いて演算することによって、磁界均一度の予想値を41.4ppmまで小さくできる。
図8からわかるように、線形計画法と直接探索法との組み合わせによれば、直接探索法単独の場合よりも少ない調整片数でより効果的に磁界調整でき、磁界均一度の予想値を26.1ppmまで小さくできる。
このように数種類の大きさの調整片40を用いて精度よく磁界調整できる。
【0053】
この発明は特に、磁界発生装置10のような輸送中に磁界均一度が不安定になりやすい開放型装置に有効となる。ここで、開放型装置とは、連続して150度以上の開放部を有する磁界発生装置をいう。
図6〜図8の(c)および(d)では説明の便宜上、調整片数を小数で表示しているが、さらに作業者にわかりやすくするために、「N」や「S」の極性表示または色分けによって判別表示することもできる。計算結果はプリンタによって出力されてもよく、また、任意の手段によって出力されてもよい。
【0054】
なお、線形計画法、直接探索法、線形計画法+直接探索法のいずれを用いて磁界調整するかを、作業者に選択させてもよい。
また、上述の実施形態における動作では、磁極板108a、108b上に貼る調整片40による磁界調整を対象としたが、より大きな磁界調整、たとえば、可動ヨーク116a、116b、調整用ボルト122a、122b、ギャップ調整ボルト127による磁界調整を対象に含めることもできる。
【0055】
さらに上述の実施形態では、珪素鋼板112上に直接調整片40を貼り付ける場合を前提として説明したが、この発明は、珪素鋼板112とは別に現場での調整専用の磁界調整板(パッシブボ−ド)(米国特許第6,275,128 B1号に開示)を設け、その磁界調整板に調整片40を貼り付ける場合にも適用できる。
また、図3〜図5に示す動作を実行するためのプログラムは、フロッピィディスクやCD−ROMに格納されてもよく、この場合、それぞれフロッピィディスクドライブ18やCD−ROMドライブ19を介してコンピュータ12で利用でき、さらには、インターネット等を通じてダウンロードすることによってコンピュータ12で利用できる。
【0056】
【発明の効果】
この発明によれば、貼り付けるべき磁界調整片の位置および個数が出力されるので、作業者はその出力に基づいて磁界調整片を貼り付ければよく、容易に精度よく磁界調整できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態を示す図解図である。
【図2】磁界調整片の貼り付け位置を示す図解図である。
【図3】この発明の動作の一例を示すフロー図である。
【図4】図3の動作の続きを示すフロー図である。
【図5】直接探索法による動作の一例を示すフロー図である。
【図6】線形計画法による演算のときの表示例を示す図解図である。
【図7】直接探索法による演算のときの表示例を示す図解図である。
【図8】線形計画法と直接探索法とを組み合わせた演算のときの表示例を示す図解図である。
【符号の説明】
10 磁界調整用装置
12 コンピュータ
28 プローブ
30 位置決め装置
32 磁力計
40 磁界調整片
100 磁界発生装置
102 空隙
104a、104b 板状継鉄
106a、106b 永久磁石群
108a、108b 磁極板
112 珪素鋼板
126 支持継鉄
F 均一空間

Claims (10)

  1. 対向配置される一対の板状継鉄および前記一対の板状継鉄のそれぞれの対向面側に設けられる永久磁石を含む磁界発生装置の空隙に発生される磁界を調整するための磁界調整用装置であって、
    前記空隙の所定箇所の磁界強度を測定する手段、
    磁界調整片を前記磁界発生装置の所定位置に配置したときの磁界変化量を記憶する手段、
    磁界均一度の目標値を入力する手段、
    前記磁界強度と前記磁界変化量と前記目標値とに基づいて前記磁界調整片の位置および個数を算出する手段、
    前記磁界調整片の位置および個数に基づいて磁界均一度の予想値を算出する手段
    記磁界均一度の予想値が所定値以下のとき前記磁界調整片の位置および個数を出力する手段
    前記磁界均一度の予想値が前記所定値より大きければ、前記磁界調整片をさらに前記磁界発生装置の所定位置に配置したときの磁界均一度の予想値を前記磁界調整片の位置ごとに算出する手段、ならびに
    前記磁界均一度の予想値が最小となる前記磁界調整片の位置および個数を出力する手段を備える、磁界調整用装置。
  2. 対向配置される一対の板状継鉄および前記一対の板状継鉄のそれぞれの対向面側に設けられる永久磁石を含む磁界発生装置の空隙に発生される磁界を調整するための磁界調整用装置であって、
    前記空隙の所定箇所の磁界強度を測定する手段、
    磁界調整片を前記磁界発生装置の所定位置に配置したときの磁界変化量を記憶する手段、
    前記磁界強度と前記磁界変化量とに基づいて、前記磁界調整片を前記磁界発生装置の所定位置に配置したときの磁界均一度の予想値を前記磁界調整片の位置ごとに算出する手段、ならびに
    前記磁界均一度の予想値が最小となる前記磁界調整片の位置および個数を出力する手段を備える、磁界調整用装置。
  3. 対向配置される一対の板状継鉄および前記一対の板状継鉄のそれぞれの対向面側に設けられる永久磁石を含む磁界発生装置の空隙に発生される磁界を調整するための磁界調整方法であって、
    前記空隙の所定箇所の磁界強度を測定するステップ(a)、
    磁界調整片を前記磁界発生装置の所定位置に配置したときの磁界変化量を記憶するステップ(b)、
    磁界均一度の目標値を入力するステップ(c)、
    前記磁界強度と前記磁界変化量と前記目標値とに基づいて前記磁界調整片の位置および個数を算出するステップ(d)、
    前記磁界調整片の位置および個数に基づいて磁界均一度の予想値を算出するステップ(e)、
    前記磁界均一度の予想値が所定値以下のとき前記磁界調整片の位置および個数を出力するステップ(f)
    前記磁界均一度の予想値が前記所定値より大きければ、前記磁界調整片をさらに前記磁界発生装置の所定位置に配置したときの磁界均一度の予想値を前記磁界調整片の位置ごとに算出するステップ(g)、
    前記磁界均一度の予想値が最小となる前記磁界調整片の位置および個数を出力するステップ(h)、ならびに
    前記出力された磁界調整片の位置および個数に基づいて前記磁界発生装置に前記磁界調整片を配置するステップ(i)を備える、磁界調整方法。
  4. 前記ステップ(d)で算出された前記磁界調整片の個数が上限値以下であるか否かを判断するステップをさらに含み、
    前記ステップ(f)では、前記磁界調整片の個数が前記上限値以下である場合の前記磁界均一度の予想値が前記所定値と比較される、請求項3に記載の磁界調整方法。
  5. 対向配置される一対の板状継鉄および前記一対の板状継鉄のそれぞれの対向面側に設けられる永久磁石を含む磁界発生装置の空隙に発生される磁界を調整するための磁界調整方法であって、
    前記空隙の所定箇所の磁界強度を測定するステップ(a)、
    磁界調整片を前記磁界発生装置の所定位置に配置したときの磁界変化量を記憶するステップ(b)、
    前記磁界強度と前記磁界変化量とに基づいて、前記磁界調整片を前記磁界発生装置の所定位置に配置したときの磁界均一度の予想値を前記磁界調整片の位置ごとに算出するステップ(c)、
    前記磁界均一度の予想値が最小となる前記磁界調整片の位置および個数を出力するステップ(d)、ならびに
    前記出力された磁界調整片の位置および個数に基づいて前記磁界発生装置に前記磁界調整片を配置するステップ(e)を備える、磁界調整方法。
  6. 前記ステップ(c)において前記磁界発生装置に配置された前記磁界調整片の個数が上限値以下であるか否かを判断するステップをさらに含み、
    前記ステップ(d)では、前記磁界調整片の個数が前記上限値以下である場合において、前記磁界均一度の予想値が最小となる前記磁界調整片の位置および個数を出力する、請求項5に記載の磁界調整方法。
  7. 前記永久磁石上に珪素鋼板が設けられ、前記磁界調整片は前記珪素鋼板上に配置される、請求項3または5に記載の磁界調整方法。
  8. 前記磁界調整片は磁石である、請求項3または5に記載の磁界調整方法。
  9. 対向配置される一対の板状継鉄および前記一対の板状継鉄のそれぞれの対向面側に設けられる永久磁石を含む磁界発生装置の空隙に発生される磁界を調整するためのプログラムを記録した記録媒体であって、
    前記空隙の所定箇所の磁界強度を入力するステップ、
    磁界調整片を前記磁界発生装置の所定位置に配置したときの磁界変化量を記憶するステップ、
    磁界均一度の目標値を入力するステップ、
    前記磁界強度と前記磁界変化量と前記目標値とに基づいて前記磁界調整片の位置および個数を算出するステップ、
    前記磁界調整片の位置および個数に基づいて磁界均一度の予想値を算出するステップ
    前記磁界均一度の予想値が所定値以下のとき前記磁界調整片の位置および個数を出力するステップ
    前記磁界均一度の予想値が前記所定値より大きければ、前記磁界調整片をさらに前記磁界発生装置の所定位置に配置したときの磁界均一度の予想値を前記磁界調整片の位置ごとに算出するステップ、ならびに
    前記磁界均一度の予想値が最小となる前記磁界調整片の位置および個数を出力するステップを、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  10. 対向配置される一対の板状継鉄および前記一対の板状継鉄のそれぞれの対向面側に設けられる永久磁石を含む磁界発生装置の空隙に発生される磁界を調整するためのプログラムを記録した記録媒体であって、
    前記空隙の所定箇所の磁界強度を入力するステップ、
    磁界調整片を前記磁界発生装置の所定位置に配置したときの磁界変化量を記憶するステップ、
    前記磁界強度と前記磁界変化量とに基づいて、前記磁界調整片を前記磁界発生装置の所定位置に配置したときの磁界均一度の予想値を前記磁界調整片の位置ごとに算出するステップ、ならびに
    前記磁界均一度の予想値が最小となる前記磁界調整片の位置および個数を出力するステップを、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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