JP3558431B2 - 脈波伝播速度測定機能付き自動血圧測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体の一部に巻回されたカフの圧迫圧力を変化させる過程で、生体から発生する心拍同期信号に基づいて、生体の血圧値を決定する形式の脈波伝播速度測定機能付き自動血圧測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
生体の血圧値を測定する装置として、例えば、生体の一部に巻回されるカフの圧迫圧力を所定速度で緩やかに降圧させ、この徐速降圧過程において発生するコロトコフ音の発生および消滅時のカフ圧に基づいて血圧値を決定するコロトコフ音方式の自動血圧測定装置や、その徐速降圧過程において発生する脈拍同期波の振幅の変化に基づいてよく知られたオシロメトリック方式により血圧値を決定する自動血圧測定装置などが知られている。オシロメトリック方式の自動血圧測定装置としては、たとえば、特開平6−292660号公報に記載された自動血圧測定装置などが挙げられる。
【0003】
ところで、上記のような自動血圧測定装置に対して、例えば、前記カフから突き出された被測定者の右腕を支持し、且つ先端部に心電誘導波形検出用の心電電極が設けられた第1アームレストがカフの背面方向に上向きに傾斜して設けられ、また、被測定者の左腕を支持し、且つ先端部に心電誘導波形検出用の心電電極が設けられた第2アームレストが本体左側に水平状に設けられることにより、血圧測定と同時に被測定者の右腕の手首と左腕の手首とから検出される心電誘導波形の周期毎に発生する所定の部位から、前記脈拍同期波の周期毎に発生する立ち上がり部位までの時間差を算出し、その時間差に基づいて生体の動脈内を伝播する脈波の伝播速度も測定することが可能な脈波伝播速度測定機能付き自動血圧測定装置が考えられている。
【0004】
このような脈波伝播速度測定機能付き自動血圧測定装置によれば、血圧測定と同時に脈波伝播速度も測定されるので、脈波伝播速度と被測定者の動脈硬化度とは密接な関係を有しているという既知の事実に基づき、日常的に血圧降下剤を服用している慢性的な高血圧患者に対しても、例えば、食事療法などにより症状が改善した程度を継続的に評価することが可能になる。
【0005】
【発明が解決すべき課題】
ところが、このような脈波伝播速度測定機能付き自動血圧測定装置により測定される脈波伝播速度は、カフの圧迫圧力が被測定者の平均血圧値と略同等の圧力値以上にある期間においては、カフの圧迫圧力が低下する程増大させられるので、カフの圧迫圧力の変化を考慮せずに適当な時点に検出された心電誘導波形と脈拍同期波から脈波伝播速度を測定すると、著しく測定精度の信頼性に欠けてしまうのである。
【0006】
本発明は以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、生体の一部に巻回されたカフの圧迫圧力を変化させる過程で、生体から発生する心拍同期信号に基づいて、生体の血圧値を決定する形式の脈波伝播速度測定機能付き自動血圧測定装置において、脈波伝播速度の測定精度を可及的に向上させることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の要旨とするところは、生体の一部に巻回されたカフの圧迫圧力を変化させる過程で、生体から発生する心拍同期信号に基づいて、生体の血圧値を決定する形式の脈波伝播速度測定機能付き自動血圧測定装置において、(a)前記生体に接触される電極を通して該生体の心電誘導波形を検出する心電誘導装置と、(b)前記カフの圧迫圧力を変化させる過程で、カフに発生する脈波を検出する脈波センサと、(c)前記心電誘導装置により検出される心電誘導波形の周期毎に発生する所定の部位から、前記脈波センサにより検出される脈波の周期毎に発生する立ち上がり部位までの時間差を算出する時間差算出手段と、(d)時間差算出手段により算出される時間差に基づいて脈波の伝播速度を算出する伝播速度算出手段と、(e)伝播速度算出手段により算出される脈波の伝播速度の前記カフ圧に対する変化が所定値以下になったか否かを判定する変化値判定手段と、(f)変化値判定手段により脈波の伝播速度の前記カフ圧に対する変化が所定値以下であると判定される複数個の伝播速度のうちの少なくとも一つに基づいて、前記生体の動脈内を伝播する脈波の伝播速度を決定する伝播速度決定手段とを、含むことにある。
【0008】
【発明の効果】
このようにすれば、生体に接触される電極を通して心電誘導装置により生体の心電誘導波形が検出され、カフの圧迫圧力を変化させる過程において、脈波センサにより生体の脈波が検出されると、時間差算出手段により心電誘導波形の周期毎に発生する所定の部位から、脈波の周期毎に発生する立ち上がり部位までの時間差が算出され、伝播速度算出手段によりその時間差に基づいてその脈波の伝播速度が算出される。そして、この伝播速度の前記カフ圧に対する変化が所定値以下であると変化値判定手段により判定された複数個の脈波の伝播速度のうちの少なくとも一つに基づいて、伝播速度決定手段により生体の動脈内を伝播する脈波の伝播速度が決定される。したがって、カフの圧迫圧力の変化に関わらず、逐次算出される脈波伝播速度が常に略一定値を示すような領域内の脈波伝播速度が最終的に脈波伝播速度として決定されるので、脈波伝播速度の測定精度が向上させられる。
【0009】
【発明の他の態様】
さらに好適には、前記伝播速度決定手段は、前記変化値判定手段により脈波の伝播速度の前記カフ圧に対する変化が所定値以下であると判定される複数個の伝播速度に基づいて算出される平均値から、前記生体の動脈内を伝播する脈波の伝播速度を決定するものであることを特徴とする。このようにすれば、伝播速度の前記カフ圧に対する変化が所定値以下であると判定される複数個の伝播速度のうちの適当な一つの伝播速度が最終的な伝播速度として決定される場合と比べて、より脈波伝播速度の測定精度が向上させられる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、脈波伝播速度測定機能付き自動血圧測定装置8を示す斜視図である。
【0011】
図1において、箱体10には、被測定者の右腕12を差し込むための貫通穴14が設けられており、その貫通穴14内には、袋状の可撓性布およびゴム袋から成るカフ15を内周面に備えて円筒状に保持されたベルト16が配設されている。また、貫通穴14の背面方向には、貫通穴14から突き出した被測定者の右腕12を支持するための第1アームレスト17が上向きに傾斜して設けられており、その第1アームレスト17の先端部には、被測定者の心臓の活動に伴って発生する心電誘導波形を検出するために、電極18が被測定者の右腕12の手首に良好に接触するように配設されている。なお、この第1アームレスト17は、被測定者の手首から常に正確な心電誘導波形を検出できるように、被測定者の右腕12の肘から手首に至るまでの筋肉が絶えず弛緩した状態に保たれるように肘から手首に至る間を全体的に支持する最適な支持面形状を備えている。また、箱体10の左側には、被測定者の左腕13を支持するための第2アームレスト19が設けられており、第2アームレスト19の先端部には、同じく被測定者の心電誘導波を検出するために、電極18が被測定者の左腕13の手首に接触するように配設されている。なお、この第2アームレスト19も、第1アームレスト17と同様に被測定者の左腕13の肘から手首に至るまでの筋肉が絶えず弛緩した状態を保つことができるように肘から手首に至る間を全体的に支持する最適な支持面形状を備えている。箱体10の操作パネル20には、起動スイッチ22、停止スイッチ24、プリンタ26、カード挿入口28などが配設され、表示パネル30には、最高血圧表示器32、最低血圧表示器34、脈拍数表示器36、時刻表示器38がそれぞれ配設されている。
【0012】
図2は、上記自動血圧測定装置8の回路構成を説明するブロック線図である。図において、カフ15は、圧力センサ40、切換弁42、および空気ポンプ44と配管46を介して接続されており、この切換弁42は、カフ15内への圧力の供給を許容する圧力供給状態、カフ15内を徐々に排圧する徐速排圧状態、およびカフ15内を急速に排圧する急速排圧状態の3つの状態に切り換えられるように構成されている。また、そのカフ15を内周面に備えて円筒状に巻回されたベルト16の一端は固定され、且つ他端は減速機付DCモータ48により駆動されるドラム50により引き締められるように構成されている。圧力センサ40は、カフ15内の圧力を検出してその圧力を表す圧力信号SPを静圧弁別回路52および脈波弁別回路54にそれぞれ供給する。
【0013】
上記静圧弁別回路52はローパスフィルタを備え、圧力信号SPに含まれる定常的な圧力すなわちカフ圧を表すカフ圧信号SKを弁別してそのカフ圧信号SKをA/D変換器56を介して電子制御装置58へ供給する。また、上記脈波弁別回路54はバンドパスフィルタを備え、圧力信号SPの振動成分である脈波信号SM1 を周波数的に弁別してその脈波信号SM1 をA/D変換器60を介して電子制御装置58へ供給する。この脈波信号SM1 が表すカフ脈波は、被測定者の心拍に同期して図示しない上腕動脈から発生してカフ15に伝達される圧力振動波であり、上記カフ15、圧力センサ40、および脈波弁別回路54は脈波センサとして機能している。
【0014】
上記電子制御装置58は、CPU62、ROM64、RAM66、および図示しないI/Oポート等を備えた所謂マイクロコンピュータにて構成されており、CPU62は、RAM66の一時記憶機能を利用しつつ予めROM64に記憶された手順に従って入力信号を処理して駆動信号や表示信号などを出力する。すなわち、血圧測定に際しては、CPU62は、予め定められた手順に従って減速機付DCモータ48を駆動することによりカフ15を生体の上腕部に巻回し、空気ポンプ44を駆動することによりカフ15により上腕部を圧迫し、次いで切換弁42を駆動してカフ15の圧迫圧力を徐々に降圧させ、その徐速降圧過程において得られる脈波信号SM1 およびカフ圧信号SKに基づいてオシロメトリック方式により血圧値を決定し、その血圧値を最高血圧表示器32および最低血圧表示器34に表示させると同時に、記憶装置68の血圧値記憶領域69に順次記憶させる。なお、この記憶装置68は、磁気ディスク、磁気テープ、揮発性半導体メモリ、或いは不揮発性半導体メモリなどのよく知られた記憶装置により構成されている。
【0015】
心電誘導装置70は、被測定者の右腕12の手首と左腕13の手首に接触させられる一対の電極18を通して、心筋の活動電位を示す心電誘導波形、所謂心電図を連続的に検出するものであり、その心電誘導波形を示す信号を前記電子制御装置58へ供給する。
【0016】
図3は、上記自動血圧測定装置8における電子制御装置58の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図において、昇圧制御手段78は、まず、切換弁42を圧力供給状態に切り換え、空気ポンプ44を駆動することにより、カフ15の圧迫圧力を所定の目標カフ圧値P1 (例えば、180mmHg程度の圧力値)まで急速に昇圧し、引き続き、切換弁42を徐速排圧状態に切り換えることによりカフ15の圧迫圧力を徐々に降圧させ、血圧測定終了後は切換弁42を急速排圧状態に切り換えることにより、カフ15の圧迫圧力を急速排圧させる。血圧決定手段80は、カフ15の圧迫圧力を緩やかに下降させる徐速降圧過程において、圧力センサ40(脈波センサに相当)を介して脈波弁別回路54により採取されるカフ脈波の振幅の変化に基づいて良く知られたオシロメトリック法により被測定者の最高血圧値SBPおよび最低血圧値DBPを決定し、カフ脈波の発生間隔に基づいて脈拍数HRを算出する。
【0017】
時間差算出手段82は、圧力センサ40により逐次検出される前記カフ脈波の周期毎に発生する立ち上がり部位から、前記心電誘導装置70により逐次検出される心電誘導波形の周期毎に発生する所定の部位までの時間差、たとえば、図4に示されるような心電誘導波形のR波からカフ脈波の下ピーク点までの時間差TDRPを逐次算出する。なお、カフ脈波の立ち上がり部位には、上記下ピーク点の他、下ピーク点から所定の振幅値だけ立ち上がった点、或いはカフ脈波の最大傾斜点(カフ脈波の微分波形の最大ピーク点に相当)などが対応しており、別言すれば、カフ脈波の最大点以外の所定点が対応している。そして、伝播速度算出手段84では、予め設定された数式1から実際に算出された上記時間差TDRPに基づいて、前記カフ脈波の伝播速度VM1(m/sec)が算出される。数式1において、Lは左心室から大動脈を経て前記圧力センサ40の押圧部位までの距離(m)であり、TPEP は心電誘導波形のR波からカフ脈波の下ピーク点までの前駆出期間(sec)である。これらの距離Lおよび前駆出期間TPEP には予め実験的に求められた値が用いられる。
【0018】
【数1】
VM1=L/(TDRP−TPEP )
【0019】
変化値判定手段86は、伝播速度算出手段84により逐次算出されるカフ脈波の伝播速度VM1の相互の変化値、すなわち、変化量或いは変化率が所定値以下、例えば、0.1(m/sec)以下、或いは3%以下になったか否かを判定する。伝播速度決定手段87は、変化値判定手段86によりカフ脈波の伝播速度VM1の相互の変化値が所定値以下になったと判定された領域内(図5に表される伝播速度VM1のうち水平部分に相当)から、伝播速度算出手段84により算出されたカフ脈波の伝播速度VM1の最初から3拍分の平均値を、前記生体の動脈内を伝播する脈波の伝播速度VM2として決定する。
【0020】
さらに、修正伝播速度算出手段89では、予め記憶された数式2から、前記血圧決定手段74により決定された最低血圧値DBPと脈拍数HRに基づいて、予め設定された一定の血圧値BPt (たとえば80mmHg)と脈拍数HRt (たとえば70BPM)における値に修正(正規化)した前記カフ脈波の修正伝播速度VM3(m/sec)が算出される。数式2において、係数Aは係数値決定手段88により数式3に基づいて予め決定されるものであり、伝播速度VM2に比例し、最低血圧値DBPに反比例して変化する係数値である。ここで数式3の定数B,C及びDや、数式2の定数Eは予め実験的に求められる。
【0021】
【数2】
VM3=VM2+A(BPt −DBP)+E(HRt −HR)
【0022】
【数3】
A=BVM2−C(DBP)+D
【0023】
また、予想伝播速度決定手段90は、変化値判定手段86によりカフ脈波の伝播速度VM1の相互の変化値が所定値以下になったと判定されてから、伝播速度算出手段84により逐次算出された複数個のカフ脈波の伝播速度VM1に基づいて、伝播速度算出手段84により次に算出されることが予想される予想伝播速度VM1’(図5の△印に相当)を数式4に基づいて決定する。脈波修正手段92は、この予想伝播速度VM1’と、伝播速度算出手段84により実際に算出されたカフ脈波の伝播速度VM1(図5の●印に相当)との差ΔVM1、すなわち、数式5より算出される差ΔVM1に基づいて、予め設定される数式6から算出される振幅値X1 だけ、今回の伝播速度VM1が算出されたカフ脈波の振幅値に加算させる、すなわち、図6に実線で示される振幅値に破線で示される分の振幅値を加算させるか、又は、予め設定される数式7から算出される圧力値X2 だけ、今回の伝播速度VM1が算出されたカフ脈波の発生した時点におけるカフ15内の圧力値に加算させる、すなわち、図6に実線で示されるカフ脈波を破線で示される位置に移動させることにより、血圧決定手段80に用いられるカフ脈波を正しく修正する。ここで、数式6及び7の定数F、Gは予め実験的に求められるものである。また、前記血圧決定用脈波修正手段93は、例えば、前記予想伝播速度決定手段90と前記脈波修正手段92とから成るものである。
【0024】
【数4】
VM1’=〔(VM1)i−n +・・・+(VM1)i−1 +(VM1)i 〕/(n+1)
【0025】
【数5】
ΔVM1=VM1’−VM1
【0026】
【数6】
X1 =F(ΔVM1)
【0027】
【数7】
X2 =−G(ΔVM1)
【0028】
血圧決定終了手段94は、伝播速度算出手段84により逐次算出されるカフ脈波の伝播速度VM1が、カフ15内の圧力値毎に予め設定された伝播速度VM1の採り得る所定の許容範囲、すなわち、図5の1点鎖線内の領域を超えた場合には、血圧決定手段80による血圧決定を終了させる。この許容範囲は通常の血圧測定では伝播速度VM1が絶対に取り得ない範囲であり、予め実験的に求められるものである。
【0029】
図7は、上記電子制御装置58の制御作動の要部を説明するフローチャートである。図のステップSA1(以下、ステップを省略する。)では、カード読込み装置72のカード挿入口28へ磁気カード74が挿入されたか否かが判断される。このステップSA1の判断が否定された場合には本ルーチンが終了させられるが,肯定された場合にはSA2において磁気カード74に記録されたID信号が読み込まれる。
【0030】
続くSA3では、読み込まれたID信号が記憶装置68の記憶領域に予め登録されたものであるか否かが判断される。このSA3の判断が否定された場合すなわち磁気カード74に記録されたID信号が未登録である場合は,後述のSA16が実行されてカード挿入口28から磁気カード74が送り出される。しかし、このSA3の判断が肯定された場合すなわち磁気カード74に記録されたID信号が登録済である場合は、続くSA4において血圧測定のための起動スイッチ22が操作されたか否かが判断される。
【0031】
このSA4の判断が否定されると肯定されるまで待機させられる。しかし、このSA4の判断が肯定された場合は、昇圧制御手段78に対応するSA5およびSA6が実行される。まず、SA5において、切換弁42が圧力供給状態に切り換えられ且つ空気ポンプ44が駆動されてカフ圧Pが予め設定された目標カフ圧P1 (例えば180mmHg程度の圧力)まで昇圧された後、空気ポンプ44が停止させられる。次いで、SA6において、切換弁42が徐速排圧状態に切り換えられることによりカフ15内の徐速降圧が開始される。
【0032】
続いて、SA7においては、脈波信号SM1 が読み込まれて脈波が1拍検出されたか否かが判断される。この判断が否定された場合にはSA7が繰り返し実行されるが、肯定された場合には、血圧決定手段80に対応するSA8の血圧値決定ルーチンが実行される。この血圧値決定ルーチンにおいては、カフ圧Pの徐速降圧過程で逐次検出された脈波の振幅の変化に基づいて、良く知られたオシロメトリック方式の血圧値決定アルゴリズムに従って最高血圧値SBP1 、最低血圧値DBP1 、および平均血圧値MBP1 が決定されると共に、脈波発生間隔に基づいて脈拍数HR1 が決定される。
【0033】
次に、SA9において、最高血圧値SBP1 および最低血圧値DBP1 が決定されたか否かが判断される。この判断が否定された場合にはSA7乃至SA9が繰り返し実行される。しかし、この判断が肯定された場合には、続くSA10において、測定された上記最高血圧値SBP1 、最低血圧値DBP1 、平均血圧値MBP1 、および脈拍数HR1 と測定日時とが記憶装置68の血圧値記憶領域69内に被測定者毎に記憶されると共に最高血圧表示器32、最低血圧表示器34、脈拍数表示器36にそれぞれ表示される。
【0034】
続いて、伝播速度決定手段87に対応するSA11において、後述するRAM66の第2記憶領域内に記憶されている伝播速度VM1のうち、最初から3拍分の伝播速度VM1の平均値が算出されることにより、カフ脈波の伝播速度VM2が決定される。そして、続く係数値決定手段88に対応するSA12において、予め記憶される数式2における係数Aが、予め記憶される数式3から、SA11において決定された伝播速度VM2とSA8において決定された最低血圧値DBPとに基づいて決定される。
【0035】
続いて、修正伝播速度算出手段89に対応するSA13において、予め記憶された数式2から、SA8において測定された最低血圧値DBPと脈拍数HRに基づいて、上記カフ脈波が予め設定された一定の血圧値BPt と脈拍数HRt における値に修正された、すなわち、正規化された修正伝播速度VM3が算出される。
【0036】
続いて、昇圧制御手段78に対応するSA14において、切換弁42が急速排圧状態に切り換えられることにより、カフ15内の急速排圧が開始される。そして、続くSA15において、図9に示されるように、前記最高血圧値SBP1 等が、プリンタ26により記録紙100上に表示出力される。すなわち、記録紙100上の左上の位置には被測定者の氏名102が表示されるとともに、その下側には、測定日時、血圧値、脈拍数、および前記修正伝播速度VM3から図10に従って決定される動脈硬化度のリスト104、トレンドグラフ106が順次表示される。この動脈硬化度の決定方法としては、たとえば、図10のような表に基づいて、算出された修正伝播速度VM3の値に応じて所定の動脈硬化度の値を選択することにより決定する。なお、この表は予め実験的に決定されるものであり、動脈硬化度の値が大きくなる程、被測定者の動脈はしなやかさを失っている。このトレンドグラフ106では、最高血圧値および最低血圧値を上端および下端それぞれに示す棒線と脈拍数を示す△印と動脈硬化度を示す●印とが血圧測定時点に対応して横軸すなわち時間軸108に沿って表示されている。そして、続くSA16が実行されることにより、磁気カード74がカード挿入口28から送り出される。
【0037】
図8は、図7のメインルーチンに対して、心電誘導波形のR波が検出された場合に実行される割り込みルーチンを示すフローチャートである。図8において、SB1においては、心電誘導波形のR波が発生した時刻が読み込まれる。次に、SB2において、脈波信号SM1 の下ピーク点が検出されたか否かが判断される。この判断が否定された場合は、引き続きSB2が繰り返されるが、この判断が肯定された場合は、続くSB3において、脈波信号SM1 の下ピーク点が発生した時刻が読み込まれる。
【0038】
次に、前記時間差算出手段82に対応するSB4において、図4に示されるように、心電誘導波形のR波からカフ脈波の下ピーク点までの時間差TDRPが算出される。続いて、前記伝播速度算出手段84に対応するSB5において、予め記憶された数式1からSB4において実際に求められた時間差TDRPに基づいて、上記カフ脈波の伝播速度VM1が算出されると共に、RAM66の第1記憶領域内に一時的に記憶される。
【0039】
次に、血圧決定終了手段94に対応するSB6において、SB5において算出されたカフ脈波の伝播速度VM1が予め設定される伝播速度VM1の採り得る所定の許容範囲を超えたか否かが判断される。すなわち、図4の1点鎖線で表される最大許容曲線、或いは最小許容曲線をこの伝播速度VM1が超えたか否かが判断される。この判断が肯定された場合は、決定された血圧値は明らかに疑わしいので再度測り直しを行うべく、昇圧制御手段78に対応するSB7が実行されることにより、切換弁42が急速排圧状態に切り換えられてカフ15内の急速排圧が開始されると共に、SB8において、再度測定を行うべき旨の表示がプリンタ26により記録紙100上に表示出力され、SB9において、カード挿入口28から磁気カード74が送り出される。
【0040】
しかし、このSB6の判断が否定された場合には、続く変化値判定手段86に対応するSB10において、SB5において算出された伝播速度VM1とRAM66の第1記憶領域内に記憶されている1周期前に算出された伝播速度VM1との相互の変化値、すなわち、変化量或いは変化率が所定値以下、例えば、0.1(m/sec)以下、或いは3%以下になったか否かが判断される。この判断が肯定された場合は、続くSB11において、SB5において算出された伝播速度VM1がRAM66の第2記憶領域内に一時的に記憶される。そして、予想伝播速度決定手段90に対応するSB12において、このRAM66の第2記憶領域内に記憶されている複数個の伝播速度VM1に基づいて、数式4から、次に算出されることが予想されるカフ脈波の予想伝播速度VM1’(図4の△印に相当)が決定され、RAM66の第3記憶領域内に一時的に記憶される。
【0041】
しかし、このSB10の判断が否定された場合は、続く脈波修正手段92に対応するSB13において、RAM66の第3記憶領域内に最新のものとして記憶されている1周期前に算出された伝播速度VM1を利用して決定された予想伝播速度VM1’(図4の△印に相当)と、SB5において算出された今回のカフ脈波の伝播速度VM1(図4の●印に相当)との差ΔVM1、すなわち、数式5より算出される差ΔVM1に基づいて、予め設定される数式6から算出される振幅値X1 だけ、今回の伝播速度VM1が算出されたカフ脈波の振幅値に加算されるか、或いは、予め設定される数式7から算出される圧力値X2 だけ、今回の伝播速度VM1が算出されたカフ脈波の発生時におけるカフ15内の圧力値に加算されることにより、前記血圧決定手段80に用いられるカフ脈波の修正が行われる。
【0042】
上述のように、本実施例によれば、生体に接触される電極18を通して心電誘導装置70により生体の心電誘導波形が検出され、圧力センサ40(脈波センサに相当)により生体のカフ脈波が検出されると、時間差算出手段82に対応するSB4において心電誘導波形のR波から、カフ脈波の下ピーク点までの時間差TDRPが算出され、伝播速度算出手段84に対応するSB5において、その時間差TDRPに基づいてカフ脈波の伝播速度VM1が算出される。そして、この伝播速度VM1の隣接した相互の変化値が所定値以下であると変化値判定手段86に対応するSB10において判定されてから、SB5において逐次算出されたカフ脈波の伝播速度VM1の最初から3拍分の平均値が、伝播速度決定手段87に対応するSA11において、生体の動脈内を伝播する脈波の伝播速度VM2として最終的に決定される。したがって、カフ15の圧迫圧力の変化に関わらず、逐次算出される脈波伝播速度VM1が常に略一定値を示すような領域内の脈波伝播速度VM1が最終的に脈波伝播速度VM2として決定されるので、脈波伝播速度の測定精度が向上させられる。
【0043】
また、本実施例によれば、予め記憶される数式2から、前記血圧決定手段80に対応するSA8において決定された最低血圧値DBP及び脈拍数HRに基づいて、修正伝播速度算出手段89に対応するSA13において、予め設定された一定の血圧値BPt および脈拍数HRt における値に修正(正規化)した修正伝播速度VM3が算出される。従って、たとえ、生体の血圧値や脈拍数が測定する度に多少異なっていたとしても、本装置により算出される脈波伝播速度は、上記一定の血圧値および脈拍数における修正伝播速度VM3に正規化されているので、測定された脈波伝播速度を被測定者の動脈硬化度の経時的変化を表す指標として直接用いることが可能となる。
【0044】
しかも、この装置によって測定される修正伝播速度VM3は、係数値決定手段88に対応するSA12において、予め記憶される数式3に基づいて、SB5において算出される伝播速度VM1とSA8において測定される最低血圧値DBPとから決定される係数A、すなわち、動脈硬化度の個人差による影響をも加味した係数を用いて算出されたものであるので、測定された脈波伝播速度を動脈硬化度の個人差を表す指標として用いることが可能となる。
【0045】
また、本実施例によれば、血圧測定と同時に脈波伝播速度も測定され、しかも、その脈波伝播速度は動脈硬化度の経時的変化を表す指標として直接用いることが可能なものとして換算されているので、被測定者により多くの生体情報が提供されることになり、健康状態をより多角的に判断することが可能となる。また、算出される脈波伝播速度に対応する動脈硬化度はトレンドグラフ表示されるので、経時的変化をより簡便且つ正確に把握することができる。
【0046】
また、従来、脈波伝播速度は、専用の固定具を用いて頚動脈および股動脈に脈波センサを装着することにより測定されていたために、最適な押圧を探すのにかなりの熟練を要し、被測定者自身が測定することはかなり困難であったが、本実施例の自動血圧測定装置8によれば、特に熟練を要することなく脈波伝播速度を簡単に測定することができるので、被測定者自身による測定が可能となる。
【0047】
また、算出される修正伝播速度VM3は、予め設定された一定の血圧値BPt および脈拍数HRt における値に修正されたものであるので、数式8に基づいて、予め設定された一定の血圧値BPt における値に修正されただけのものと比較すると、脈拍数による影響がなくなる分だけ、より一層正確な評価が可能となる。
【0048】
【数8】
VM3=VM2+A(BPt −DBP)
【0049】
また、本実施例によれば、上記伝播速度VM1の変化値が所定値以下になったと変化値判定手段86に対応するSB10により判定されてから、伝播速度算出手段84に対応するSB5により逐次算出される複数個の脈波の伝播速度VM1に基づいて、数式4から、予想伝播速度決定手段90に対応するSB12により、次に算出されることが予想されるカフ脈波の予想伝播速度VM1’が決定され、脈波修正手段92に対応するSB13により、この予想伝播速度VM1’と、SB5により実際に算出されたカフ脈波の伝播速度VM1との差ΔVM1に基づいて、予め設定される数式6から算出される振幅値X1 だけ、今回の伝播速度VM1が算出されたカフ脈波の振幅値に加算されるか、或いは予め設定される数式7から算出される圧力値X2 だけ、このカフ脈波の発生時のカフ圧値に加算されることにより、前記血圧決定手段に対応するSA8に用いられるカフ脈波の修正が行われる。したがって、血圧測定中に何等かの事情により心拍毎に血圧値が変化しても、好適に血圧値の補正が行われるので、常に正確な血圧値決定が行われ、血圧測定精度に重大な影響が及ぼされることがなくなる。
【0050】
また、本実施例によれば、上記伝播速度VM1が前記カフ15の圧迫圧力値毎に予め設定される伝播速度VM1の採り得る所定の許容範囲、すなわち、図5の1点鎖線内の領域を超えた場合には、血圧決定手段80に対応するSA8による血圧決定が血圧決定終了手段94に対応するSB6により終了させられる。したがって、血圧測定中に何等かの事情により心拍毎に血圧値が変化しても、その変化が許容量をはるかに超えて異常である場合には、血圧値決定が終了させられるため、血圧測定精度に重大な影響が及ぼされることがなくなる。
【0051】
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0052】
たとえば、前述の実施例において、数式1から、心電誘導波形のR波からカフ脈波の下ピーク点までの時間差TDRPに基づいて脈波伝播速度VM1が算出されていたが、その時間差TDRPは、心電誘導波形のQ波或いはS波からカフ脈波の下ピーク点から所定の振幅値だけ立ち上がった点までの時間差、又は、心電誘導波形のQ波或いはR波からカフ脈波の最大傾斜点までの時間差など、種々に定義され得る。
【0053】
また、前述の実施例の数式1において、TPEP は心電誘導波形のR波からカフ脈波の下ピーク点までの前駆出期間(sec)として定義されていたが、心電誘導波形のQ波或いはS波からカフ脈波の下ピーク点までの前駆出期間として定義されていてもよい。心電波形におけるQ点、R点、S点の間の相互の時間差は極めて僅かな値であるので、前述の実施例のように定義されていても差支えない。
【0054】
また、前述の実施例においては、右腕12が貫通穴14に差し込まれるように構成されていたが、左腕13が貫通穴14に差し込まれるように構成されていても差支えなく、この場合は貫通穴14、第1アームレスト17、および第2アームレスト19等が左右反対の位置に設けられる。さらに、前述の実施例において、第1アームレスト17は上向きに傾斜して設けられていたが、別に水平状に設けられていても構わず、逆に第2アームレストが上向きに傾斜して設けられていても構わない。要するに、筋肉が弛緩した状態を良好に保つことができるように設計されていればよいのである。
【0055】
また、前述の実施例において、電極18は第1アームレスト17及び第2アームレスト19の先端部に設けられていたが、別にこの位置に限られる必要はなく、アームレストの形状および設置場所等により様々な設置位置に変更され得る。要するに、右腕12と左腕13とから安定した心電誘導波形を検出できるように設置されていればよいのである。
【0056】
また、前述の実施例においては、カフ15が自動的に被測定者の腕に巻き締められる形式の自動血圧測定装置8が採用されていたが、別に、被測定者が自分で腕に巻き締める形式の自動血圧測定装置が採用されていても構わず、また、心電誘導波形は、別にアームレスト上に設けられた電極から検出される必要はなく、従来通りの生体の所定箇所に接触させられた、例えば、吸盤状の心電電極から検出されるように構成されていても構わない。
【0057】
また、前述の実施例においては、算出される修正伝播速度VM3は、予め設定された一定の血圧値BPt および脈拍数HRt における値に修正されたものであったが、算出される修正伝播速度VM3が、数式8に基づいて、予め設定された一定の血圧値BPt における値にだけ修正されたものであっても構わない。脈拍数が脈波伝播速度に及ぼす影響は血圧値が及ぼす影響程には大きくないので、それでも必要充分な効果が得られる。
【0058】
また、前述の実施例の数式3に代えて、数式9が用いられてもよい。要するに、伝播速度VM2に比例し、且つ最低血圧値DBPに反比例する係数Aが算出されていればよいのである。
【0059】
【数9】
【0060】また、前述の実施例のSA15においては、動脈硬化度のリスト104及びトレンドグラフ106が表示されていたが、修正伝播速度VM3がそのままリスト104及びトレンドグラフ106に表示されるように構成されていてもよい。
【0061】
また、前述の実施例においては、SB5において逐次算出されるカフ脈波の伝播速度VM1の変化値が所定値以下であるとSB10において判定されてから、SB5において逐次算出されたカフ脈波の伝播速度VM1の最初から3拍分の平均値が、伝播速度決定手段87に対応するSA11において生体の動脈内を伝播する脈波の伝播速度VM2として決定されていたが、平均値ではなく任意に摘出された1拍分の伝播速度VM1の何れかをを伝播速度VM2として決定してもよいし、より精度を増すために3拍より多い拍数分の平均値から伝播速度VM2が算出されていても構わない。
【0062】
また、前述の実施例においては、SB12において、RAM66の第2記憶領域内に記憶されている複数個の伝播速度VM1に基づいて、数式4を用いることにより、すなわち、移動平均値を用いて、次に算出されることが予想されるカフ脈波の予想伝播速度VM1’が逐次決定されているが、移動平均値の代わりに所謂回帰直線を用いてカフ脈波の予想伝播速度VM1’を決定するように構成されていてもよい。
【0063】
また、前述の実施例においては、カフ15の圧迫圧力を緩やかに降圧させる徐速降圧過程において採取されるカフ脈波の振幅の変化に基づいて血圧値が決定されていたが、カフ15の圧迫圧力を緩やかに昇圧させる徐速昇圧過程において採取されるカフ脈波に基づいて血圧決定が行われるように構成されていてもよい。
【0064】
また、前述の実施例においては、オシロメトリック方式による血圧値決定が行われていたが、コロトコフ音方式による血圧値決定が行われるように構成されていても同様の効果を得ることができる。
【0065】
本発明はその主旨を逸脱しない範囲においてその他種々の変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である脈波伝播速度測定機能付き自動血圧測定装置8を説明する斜視図である。
【図2】図1の実施例の回路構成を説明するブロック線図である。
【図3】図1の実施例の電子制御装置58の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図4】図1の実施例の制御作動により求められる時間差TDRPを説明するタイムチャートである。
【図5】図1の実施例の制御作動により求められる伝播速度VM1のカフ15内の圧力値に対する変化傾向を示す図である。
【図6】図1の実施例の制御作動により求められるカフ脈波の振幅値のカフ15内の圧力値に対する変化傾向を示す図である。
【図7】図1の実施例の電子制御装置58の制御作動の要部を説明するフローチャートである。
【図8】図4に示されるメインルーチンに対して、心電誘導波形のR波が検出された際に実行される割り込みルーチンを示すフローチャートである。
【図9】図1の実施例のプリンタ26による表示出力の一例を示す図である。
【図10】測定された修正伝播速度VM3を所定の動脈硬化度に換算し直す際に用いられる表の一例を示す図である。
【符号の説明】
8:脈波伝播速度測定機能付き自動血圧測定装置
15:カフ
18:電極
40:圧力センサ(脈波センサ)
70:心電誘導装置
78:昇圧制御手段
80:血圧決定手段
82:時間差算出手段
84:伝播速度算出手段
86:変化値判定手段
88:伝播速度決定手段
89:修正伝播速度算出手段
90:予想伝播速度決定手段
92:脈波修正手段
93:血圧決定用脈波修正手段
94:血圧決定終了手段
Claims (2)
- 生体の一部に巻回されたカフの圧迫圧力を変化させる過程で、該生体から発生する心拍同期信号に基づいて、該生体の血圧値を決定する形式の脈波伝播速度測定機能付き自動血圧測定装置において、
前記生体に接触される電極を通して該生体の心電誘導波形を検出する心電誘導装置と、
前記カフの圧迫圧力を変化させる過程で該カフに発生する脈波を検出する脈波センサと、
前記心電誘導装置により検出される心電誘導波形の周期毎に発生する所定の部位から、前記脈波センサにより検出される脈波の周期毎に発生する立ち上がり部位までの時間差を算出する時間差算出手段と、
該時間差算出手段により算出される時間差に基づいて該脈波の伝播速度を算出する伝播速度算出手段と、
該伝播速度算出手段により算出される該脈波の伝播速度の前記カフ圧に対する変化が所定値以下になったか否かを判定する変化値判定手段と、
該変化値判定手段により該脈波の伝播速度の前記カフ圧に対する変化が所定値以下であると判定される複数個の伝播速度のうちの少なくとも一つに基づいて、前記生体の動脈内を伝播する脈波の伝播速度を決定する伝播速度決定手段と
を、含むことを特徴とする脈波伝播速度測定機能付き自動血圧測定装置。 - 前記伝播速度決定手段は、該変化値判定手段により該脈波の伝播速度の前記カフ圧に対する変化が所定値以下であると判定される複数個の伝播速度に基づいて算出される平均値から、前記生体の動脈内を伝播する脈波の伝播速度を決定するものである請求項1に記載の脈波伝播速度測定機能付き自動血圧測定装置。
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