JP3557630B2 - 車両用自動変速機の制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、車両用自動変速機の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用自動変速機の制御は、Dレンジ走行、マニュアル走行、キックダウン走行等によりあらかじめ定められた制御により、人間の操作及び車両走行状態に応じた制御が行なわれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、シフト制御のタイミングは必ずしも人間の意志にフレキシブルに応じた制御ではなく、一律的な制御のためレスポンスの遅れ、あるいはショック等を生じ、必ずしもあらゆる状況において適正な制御がなされていた訳ではない。従って、例えばシフトレバーによりいわゆるマニュアル走行をした場合には、迅速にシフトレバーの作動に応じたシフト切換を行なうことができず、シフト感を損ない、しかもショックを発生させる場合が多い。。
【0004】
そこで、本発明は、人間の意志を尊重し、パワーオン及びオフ状態におけるシフトアップ及びダウンの各シフトに応じてレスポンスよくシフト切換ができ、かつショックを発生させない車両用自動変速機の制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
プラネタリギヤユニット22,23と該プラネタリギヤユニットの要素を回転部材又は静止部材に選択的に連結せしめる摩擦係合要素とからなる自動変速機11と、前記摩擦係合要素への油圧を選択的に切換制御せしめる油圧制御装置20と、前記摩擦係合要素への油圧を供給制御せしめるためのパワーオン・パワーオフ及びシフトアップ・シフトダウンのパターンを示す信号を出力せしめる電子制御装置300とからなる車両用自動変速機の制御装置において、前記油圧制御装置は回転部材と回転部材の連結、又は回転部材と静止部材の連結により第一の変速段を達成せしめる、第1の油圧サーボ210及びエンジンブレーキ用の第2の油圧サーボ220と、第二の変速段を達成せしめる第3の油圧サーボ230と、前記パターンに応じ前記第1及び第3の油圧サーボのいずれか一方の油圧サーボへの油圧の供給を切換制御せしめるシフト切換手段240と、前記第1及び第2の油圧サーボへの油圧を前記電子制御装置の前記パターンを示す信号に応じていずれか一方のみに供給制御せしめる切換手段250とを備えるものである。
【0006】
【作用及び発明の効果】
本発明はパワーオン及びオフ状態におけるシフトアップ及びダウンという4つのパターンに分けることにより、あらゆる状態における適正な制御を可能にしたものである。例えば、パワーオン、2−3シフトアップにおいては、変速信号発生後、変速前に第3の油圧サーボ(2速のエンジンブレーキB−3)の油圧を速やかに排出し、その後、第1の油圧サーボ(B−2)に油圧を供給して2−3変速を完了する。なお、エンジンブレーキをきかせるため、変速完了後に第2の油圧サーボへ油圧を供給(B−1係合)する。この場合、切換手段の供給制御により、切換手段から第1の油圧サーボへ供給されていた油圧が第2の油圧サーボに供給される。また、パワーオフ、2−3シフトアップにおいては、下位の変速段(2速)の第3の油圧サーボへの油圧を排出(B−3解放)し、その後第2の油圧サーボへ油圧を迅速に供給(B−1係合)するとともに第1の油圧サーボへ油圧を供給(B−2係合)して上位の変速段(3速)を達成する。この場合、切換手段の供給制御により第2の油圧サーボへ油圧が供給され、シフト切換手段の切換制御により第1の油圧サーボへ油圧が供給される。また、パワーオン、4−3シフトダウン(キックダウン)及びパワーオフ、4−3シフトダウン(マニュアルダウン)においては、第2の油圧サーボ(B−1)へ油圧を供給する。このように変速の状況を4つのパターンに分け、それぞれの場合において各シフトに応じてレスポンスよくシフト可能に制御することにより、あらゆる状態において適正な制御がなされ、人間の意志にフレキシブルに対応した制御が可能となる。
【0007】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0008】
図5は本発明の自動変速機の概略図である。
【0009】
図において、11は自動変速機、12はエンジンが発生した回転を上記自動変速機11に伝達するトルクコンバータ、13は該トルクコンバータ12から伝達された回転を変速して出力するトランスミッションである。上記トルクコンバータ12は、エンジンからの回転を受けるポンプインペラ14、トランスミッション13に回転を伝達するタービンランナ15、ワンウェイクラッチ16、該ワンウェイクラッチ16上に取り付けられたステータ17から成っていて、エンジンの回転がポンプインペラ14に伝達されて該ポンプインペラ14が回転すると、トルクコンバータ12内に作動流体の渦流が発生し、該渦流によって上記タービンランナ15が回転するようになっている。
【0010】
上記トルクコンバータ12は、動力伝達効率を向上させるためのロックアップクラッチ18を備えていて、入力部材19の回転をトルクコンバータ12内の作動流体を介して間接的に、又は上記ロックアップクラッチ18の係合によって直接的にトランスミッション13の入力軸20に伝達する。
【0011】
上記トランスミッション13は、オーバドライブプラネタリギヤユニット22と主変速ユニット23から成り、該主変速ユニット23はフロントプラネタリギヤユニット24、センタプラネタリギヤユニット25及びリヤプラネタリギヤユニット26を有している。
【0012】
上記オーバドライブプラネタリギヤユニット22は、サンギヤS、該サンギヤSと同心状に配設されたリングギヤR、上記サンギヤSとリングギヤRと噛合するプラネタリピニオンP、及び該プラネタリピニオンPを回転自在に支持するキャリヤCから成る。上記フロントプラネタリギヤユニット24は、サンギヤS、該サンギヤSと同心状に配設されたリングギヤR、上記サンギヤSとリングギヤRと噛合するプラネタリピニオンP、及び該プラネタリピニオンPを回転自在に支持するキャリヤCから成る。また、上記センタプラネタリギヤユニット25は、サンギヤS、該サンギヤSと同心状に配設されたリングギヤR、上記サンギヤSとリングギヤRと噛合するプラネタリピニオンP、及び該プラネタリピニオンPを回転自在に支持するキャリヤCから成る。一方、上記リヤプラネタリギヤユニット26は、サンギヤS、該サンギヤSと同心状に配設されたリングギヤR、上記サンギヤSとリングギヤRと噛合するプラネタリピニオンP、及び該プラネタリピニオンPを回転自在に支持するキャリヤCから成る。
【0013】
そして、上記オーバドライブプラネタリギヤユニット22のキャリヤCは上記トランスミッション13の入力軸20に連結され、リングギヤRは主変速ユニット23の入力軸30に連結される。そして、サンギヤSとキャリヤC間を第3クラッチC0と第4ワンウェイクラッチF0が互いに並列に配設され、上記サンギヤSと自動変速機ケース31間に第6ブレーキB0が配設される。
【0014】
上記主変速ユニット23の入力軸30と第1連結部材32間に第2クラッチC2が配設され、上記第1連結部材32と自動変速機ケース31間には第1ブレーキB1が配設されるとともに、該第1ブレーキB1と並列に、第2ブレーキB2と第1ワンウェイクラッチF1が直列状態で配設される。また、上記入力軸30は第1クラッチC1を介して中間伝動軸33に連結されている。
【0015】
また、上記フロントプラネタリギヤユニット24は、サンギヤSが上記第1連結部材32に連結され、キャリヤCと自動変速機ケース31間には第3ブレーキB3が配設されるとともに、該第3ブレーキB3と並列に、第2ワンウェイクラッチF2と第4ブレーキB4が直列状態で配設されている。リングギヤRは、第2連結部材34を介してセンタプラネタリギヤユニット25のキャリヤCと連結されている。
【0016】
上記センタプラネタリギヤユニット25のサンギヤSは、フロントプラネタリギヤユニット24のサンギヤSと一体的に形成されており、キャリヤCはフロントプラネタリギヤユニット24のリングギヤRに連結され、リングギヤRは上記中間伝動軸33に連結されている。
【0017】
そして、リヤプラネタリギヤユニット26のサンギヤSは中間伝動軸33に連結されており、キャリヤCは第2連結部材34に連結されるとともに、出力軸35に連結される。また、リングギヤRと自動変速機ケース31間には、第5ブレーキB5及び第3ワンウェイクラッチF3が並列に配設されている。
【0018】
は本発明の制御装置が搭載される自動変速機の作動を示す図である。
【0019】
まず、Dレンジの1速(1ST)時においては、第1クラッチC1及び第3クラッチC0が係合される。この場合、入力軸20に伝達されたエンジンの回転(右回転)は上記オーバドライブプラネタリギヤユニット22のキャリヤCに伝達される。この時、上記第3クラッチC0が係合されるとともに第4ワンウェイクラッチF0がロックされるので、オーバドライブプラネタリギヤユニット22は直結状態となり、入力軸20の回転は、そのまま主変速ユニット23の入力軸30に伝達される。
【0020】
主変速ユニット23においては、第1クラッチC1が係合されているため、入力軸30の回転が、リヤプラネタリギヤユニット26のサンギヤSに伝達され、該サンギヤSを介してキャリヤC及びリングギヤRを逆回転させようとするが、第3ワンウェイクラッチF3がロックされてリングギヤRの回転が阻止される。したがって、出力軸35と一体的に形成されたキャリヤCに減速された回転が伝達される。
【0021】
次に、2速(2ND)時においては、第1クラッチC1及び第3クラッチC0に加えて第4ブレーキB4が係合させられる。この場合、該第4ブレーキB4が係合させられるのに伴い、第2ワンウェイクラッチF2がロックさせられ、1速時において正方向に空転していたフロントプラネタリギヤユニット24のキャリヤCがロックさせられる。この時、センタプラネタリギヤユニット25のリングギヤRに中間伝動軸33を介して回転が伝達されているため、増速させられた回転がキャリヤCから出力軸35に伝達される。
【0022】
3速(3RD)時においては、第1クラッチC1、第3クラッチC0及び第2ブレーキB2が係合させられる。この場合、該第2ブレーキB2が係合させられるのに伴い第1ワンウェイクラッチF1がロックさせられ、2速時において逆方向に空転していたセンタプラネタリギヤユニット25のサンギヤSがロックさせられる。その結果、増速させられた回転がキャリヤCから出力軸35に伝達される。
【0023】
4速(4TH)時においては、第1クラッチC1、第2クラッチC2及び第3クラッチC0が係合させられる。この場合、上記第2クラッチC2が係合させられるのに伴って上記センタプラネタリギヤユニット25が直結状態となり、入力軸30の回転は、そのまま主変速ユニット23の出力軸35に伝達される。
【0024】
5速(5TH)時においては、第1クラッチC1、第2クラッチC2及び第6ブレーキB0が係合させられる。それまで係合させられていた、第3クラッチC0が解放させられるとともに第6ブレーキB0が係合させられるので、オーバドライブプラネタリギヤユニット22のサンギヤSがロックさせられる。その結果、主変速ユニット23の入力軸30に増速回転が伝達される。主変速ユニット23は4速時と同じ直結状態にあるため、主変速ユニット23において得られた増速回転がそのまま出力軸35に伝達される。
【0025】
また、後進(REV)時においては、第2クラッチC2、第5ブレーキB5及び第6ブレーキB0が係合させられる。この場合、入力軸20から伝達された回転はオーバドライブプラネタリギヤユニット22において増速させられて入力軸30に伝達され、該入力軸30に伝達された回転は、第2クラッチC2を介してサンギヤS,Sに伝達される。また、この時、第5ブレーキB5が係合されているためリングギヤRがロックされ、逆回転がキャリヤCから出力される。
【0026】
次に、本発明の自動変速機11の制御装置の動作について説明する。
【0027】
本発明の自動変速機11の制御装置においては、運転者が上記シフトレバーを操作することによって自動変速モードと手動変速モードを選択することができるようになっている。
【0028】
自動変速モードにおいては、マニュアルバルブで選択的に発生させられた各レンジ圧と、スロットル開度、車速、エンジン回転数等の走行条件に対応して変速段が自動的に選択され、各油圧サーボに選択的に油が供給されて摩擦係合要素が係脱されるようになっている。
【0029】
また、手動変速モードにおいては、運転者が選択した変速段を検出するためのスイッチがシフトレバーのシフト位置に設けられていて、該スイッチからの電気信号を制御装置に送り、該制御装置によって所定の油圧サーボに油を供給するようにしている。
【0030】
上記自動変速モードと手動変速モードのいずれもマニュアルバルブによってDレンジ圧、3速レンジ圧、2速レンジ圧、Lレンジ圧、Nレンジ圧、Rレンジ圧及びPレンジ圧を得ることができるようになっている。そして、各変速段を達成するために1−2シフトバルブ、2−3シフトバルブ、3−4シフトバルブ、及び4−5シフトバルブが配設されていて、各シフトバルブを切り換えて上記各クラッチ及びブレーキの油圧サーボに油を供給することができるようになっている。
【0031】
図2、3及び4は本発明の実施例を示す自動変速機の制御装置の油圧回路図、図7はクイックシフト制御時の作動を示す図である。
【0032】
図において、S1〜S4はオン・オフによって所定のバルブの信号油圧を形成する第1〜第4ソレノイドバルブである。また、SLNはリニアソレノイドバルブであり、制御装置からの電気信号を受け、所定の信号油圧を発生する。上記リニアソレノイドバルブSLNは、調圧した油を図示しないアキュムレータコントロールバルブと、調圧手段260の一例であるクラッチプレッシャコントロールバルブ51に供給する。第2ブレーキB2、第4ブレーキB4、第6ブレーキB0、第2クラッチC2及び第3クラッチC0にはそれぞれ油圧サーボが設けられていて、該油圧サーボに接続される油路にそれぞれアキュムレータが接続され、油圧サーボに供給される油の圧力変化を調整している。そして、各アキュムレータのピストンには、所定の圧力のアキュムレータ背圧が加えられているが、上記アキュムレータコントロールバルブは上記アキュムレータ背圧を制御する。
【0033】
そして、上記アキュムレータコントロールバルブで形成される背圧制御用の圧力の油が、上記クラッチプレッシャコントロールバルブ51に供給される油と共用される。
【0034】
上記クラッチプレッシャコントロールバルブ51はスプール51aを有しており、該スプール51aの一端がスプリング51bによって付勢され、他端に制御油室51cが設けられている。ポート51dにはライン圧の油が供給され、上記リニアソレノイドバルブSLNでリニアソレノイド圧に調圧された油が制御油室51cに供給されると、ポート51dとポート51eが制御油室51cの上記リニアソレノイド圧に対応して開閉され、プレッシャコントロール圧に調圧された油がポート51eから吐出される。51fは上記ポート51eから吐出された油をオリフィス52を介してフィードバックさせるためのポートである。
【0035】
54は切換手段250の一例のエンジンブレーキコントロールバルブである。該エンジンブレーキコントロールバルブ54はスプール54aを有しており、該スプール54aの一端がスプリング54bによって付勢され、他端に制御油室54cが設けられている。該制御油室54cは第4ソレノイドバルブS4からの信号油圧の油を受け、スプール54aに右半位置と左半位置を取らせる。右半位置においてポート54d及びポート54eが連通し、上記クラッチプレッシャコントロールバルブ51からの油を1−2シフトバルブ56に送る。
【0036】
1−2シフトバルブ56は、スプール56a及びプランジャ56bを有している。上記スプール56aの一端はスプリング56cによって付勢されており、スプール56aとプランジャ56b間、及び該プランジャ56bの他端には制御油室56d,56eが形成され、該制御油室56dに第2ソレノイドバルブS2からの信号油圧の油が供給されるようになっている。
【0037】
上記1−2シフトバルブ56は2速時〜5速時において左半位置を、1速時において右半位置を取る。左半位置においてポート56fとポート56g間を連通してDレンジ圧の油を2−3シフトバルブ58に供給するとともに、ポート56hとポート56i間を連通して上記エンジンブレーキコントロールバルブ54からの油を2−3シフトバルブ58に供給する。上記1−2シフトバルブ56は、上記スプール56aのスプリング56cが配設された端部に制御油室56jが更に形成されている。
【0038】
2−3シフトバルブ58はスプール58aを有しており、該スプール58aの一端がスプリング58bによって付勢され、他端に制御油室58cが設けられている。該制御油室58cは第1ソレノイドバルブS1からの信号油圧の油を受け、スプール58aに右半位置と左半位置を取らせる。
【0039】
すなわち、1速時及び2速時において左半位置を、3速時〜5速時において右半位置を取り、該右半位置においてポート58dとポート58eを連通して上記1−2シフトバルブ56からのDレンジ圧の油を油圧サーボB−2に供給するとともに、ポート58fとポート58gを連通して上記1−2シフトバルブ56のポート56iからの油を3−4シフトバルブ60に供給する。
【0040】
上記ポート58eはDレンジ圧油路62に接続されていて、該Dレンジ圧油路62に吐出されたDレンジ圧の油は、チェックボール付きオリフィス62aによって絞られ、油路64を介して油圧サーボB−2に供給される。上記油路64にはアキュムレータ66が接続されていて、上記油圧サーボB−2に供給される油の圧力の上昇を緩和する。上記チェックボール付きオリフィス62aは、アキュムレータ66及び油圧サーボB−2に供給される油量を安定させるために設けられている。なお、上記チェックボール付きオリフィス62aと油圧サーボB−2間には、後述するクイックシフト制御用油路68が接続されている。
【0041】
3−4シフトバルブ60はスプール60aを有しており、該スプール60aの一端がスプリング60bによって付勢され、他端に制御油室60cが設けられている。該制御油室60cは第2ソレノイドバルブS2からの信号油圧の油を受け、スプール60aに右半位置と左半位置を取らせる。
【0042】
すなわち、1速時〜3速時において左半位置を、4速時及び5速時において右半位置を取り、左半位置においてポート60dとポート60eを連通して上記2−3シフトバルブ58からの油をB−1タイミングバルブ70に供給するとともに、ポート60fとポート60gを連通して第3ソレノイドバルブS3からの信号油圧の油をB−1タイミングバルブ70に供給する。
【0043】
また、右半位置においてはポート60eとポート60hを連通するとともに、ポート60dとポート60iを連通して上記2−3シフトバルブ58からの油を4−5シフトバルブ72に供給する。また、ポート60jとポート60kを連通して上記2−3シフトバルブ58からのDレンジ圧の油を第2クラッチC2の油圧サーボC−2に供給するとともに、ポート60fとポート60mを連通して第3ソレノイドバルブS3の信号油圧の油を4−5シフトバルブ72に供給する。そして、この時、ポート60gとドレーンポートEXを連通する。
【0044】
上記ポート60kはDレンジ圧油路74に接続されていて、該Dレンジ圧油路74に吐出されたDレンジ圧の油は、チェックボール付きオリフィス74aによって絞られ、油路76を介して油圧サーボC−2に供給される。上記油路76にはアキュムレータ78が接続されていて、上記油圧サーボC−2に供給される油の圧力の上昇を緩和する。なお、上記チェックボール付きオリフィス74aと油圧サーボC−2間には、後述するクイックシフト制御用油路80が接続されている。
【0045】
B−1タイミングバルブ70はスプール70aを有しており、該スプール70aの一端がスプリング70bによって付勢され、他端に制御油室70cが設けられている。該制御油室70cは上記3−4シフトバルブ60を介して第3ソレノイドバルブS3の信号油圧の油を受け、スプール70aに右半位置と左半位置を取らせる。
【0046】
すなわち、右半位置においてポート70dとポート70eを連通し、上記3−4シフトバルブ60と第1ブレーキB1の油圧サーボB−1間を接続するとともに、ポート70gとドレーンポートEXを連通する。また、左半位置においてはポート70dとポート70fを連通するとともに、ポート70eとドレーンポートEXを連通して油圧サーボB−1の油を排出する。
【0047】
4−5シフトバルブ72はスプール72aを有しており、該スプール72aの一端がスプリング72bによって付勢され、他端に制御油室72cが設けられている。該制御油室72cは上記3−4シフトバルブ60を介して第3ソレノイドバルブS3の信号油圧の油を受け、スプール72aに1速時〜4速時に左半位置を、5速時に右半位置を取らせる。
【0048】
すなわち、左半位置においてポート72dとポート72eを連通して、上記3−4シフトバルブ60からの油を上記クイックシフト制御用油路80を介して油圧サーボC−2に供給する。
【0049】
上記構成の油圧回路において、Dレンジの3速時には、エンジンブレーキコントロールバルブ54は制御油室54cに第4ソレノイドバルブS4から供給されている信号油圧の油が排出されて左半位置を取る。クラッチプレッシャコントロールバルブ51は、制御油室51cにリニアソレノイドバルブSLNから、Dレンジのアキュムレータ背圧に応じた油圧が供給されポート51eの油圧を調圧しようとするが、油路L−11を介して油室51gに油が供給されるため、右半位置に固定され調圧は行われず、油の流れを最小限に押さえる。また、1−2シフトバルブ56は制御油室56jにライン圧の油を受けて左半位置を取り、2−3シフトバルブ58は制御油室58cに第1ソレノイドバルブS1から信号油圧の油が供給されて右半位置を取る。さらに、3−4シフトバルブ60は第2ソレノイドバルブS2を介して制御油室60cの油が排出されて左半位置を取り、B−1タイミングバルブ70は第3ソレノイドバルブS3を介して制御油室70cの油が排出されて右半位置を取る。
【0050】
したがって、油圧サーボB−1の油は、油路L−6、油路L−5、油路L−4、油路L−3、油路L−2が連通し、かつ、エンジンブレーキコントロールバルブ54のポート54eが閉じた状態となるため、ドレーンオリフィス90から排出される。一方、Dレンジ圧の油は、油路L−7、油路L−8、Dレンジ圧油路62、チェックボール付きオリフィス62a、油路64を介して第1の油圧サーボ210である油圧サーボB−2に供給される。このようにして、第1の変速段である3速が達成される。
【0051】
このような構成の自動変速機11において、例えば極低温下において走行する場合、温度条件の変化に伴って油圧が変化し、変速レスポンスが通常より低くなってしまう。そこで、温度条件が変化しても、それに対応して変速レスポンスが低下することがないようにしてある。
【0052】
手動変速モードにおいてシフトレバーを操作して第1の変速段である3速を選択した時に、変速レスポンスを高くする場合について説明する。
【0053】
変速レスポンスを高くしたり、低くしたりするために、例えばシフトレバーには選択用のスイッチが設けられていて、該スイッチをオン・オフすることによって制御装置が通常シフト制御とクイックシフト制御を選択して変速レスポンスの切換えを行う。
【0054】
すなわち、上記クイックシフト制御時において、制御装置はリニアソレノイドバルブSLNに電気信号を送り、リニアソレノイド圧の油をクラッチプレッシャコントロールバルブ51の制御油室51cに送り、ライン圧を調圧してプレッシャコントロール圧を油路L−1に発生させる。
【0055】
また、同時に、第3ソレノイドバルブS3がオフになり、B−1タイミングバルブ70は左半位置を取るとともに、第4ソレノイドバルブS4がオフになり、エンジンブレーキコントロールバルブ54は右半位置を取る。
【0056】
そして、他のバルブは通常シフト制御時と同じ位置を取る。1−2シフトバルブ56は制御油室56jにライン圧の油を受けて左半位置を取り、2−3シフトバルブ58は制御油室58cに第1ソレノイドバルブS1から信号油圧の油が供給されて左半位置を取る。さらに、3−4シフトバルブ60は第2ソレノイドバルブS2を介して制御油室60cの油が排出されて左半位置を取る。
【0057】
この場合、上記プレッシャコントロール圧は、油路L−1、油路L−2、油路L−3、油路L−4、油路L−5を介して、クイックシフト制御用油路68に送られる。一方、Dレンジ圧の油は、通常シフト制御時と同様に油路L−7、油路L−8、Dレンジ圧油路62、チェックボール付きオリフィス62aを介して油路64に送られる。したがって、第1の油圧サーボ210である油圧サーボB−2にはプレッシャコントロール圧で調圧されたDレンジ圧の油が供給され、油圧を速く立ち上げる。
【0058】
また、Dレンジの第2の変速段である2速時においては、図7に示すように同様の方法によって第3の油圧サーボ230である第3ブレーキB3の油圧サーボ及び第4ブレーキB4の油圧サーボに供給される油の圧力を調整し、同様のクイックシフト制御を行うことができる。この場合、第3ブレーキB3はエンジンブレーキ時に係合される。
【0059】
図8は通常シフト制御時とクイックシフト制御時の油圧サーボ内の油圧の比較図である。
【0060】
図において、Ma線は通常シフト制御によるアップシフト時の油圧曲線を、Mb線はクイックシフト制御によるアップシフト時の油圧曲線を、Mc線は通常シフト制御によるダウンシフト時の油圧曲線を、Md線はクイックシフト制御によるダウンシフト時の油圧曲線を、Me線はスムースシフト制御によるダウンシフト時の油圧曲線を示している。スムースシフト制御は、本発明の自動変速機の制御装置におけるクイックシフト制御とは反対に上記リニアソレノイドバルブSLNの電気信号を制御して変速レスポンスを低くすることができる。
【0061】
このように、上記リニアソレノイドバルブSLNの電気信号を制御して上記クイックシフト制御用油路68内の油圧を調整することによって、油圧サーボB−2に供給される油の圧力、油圧サーボB−2から排出される油の圧力を調整することができ、図の領域Aにおけるクイックシフト制御によるアップシフト、領域Bにおけるスムースシフト制御によるアップシフト、領域Cにおけるクイックシフト制御によるダウンシフト、領域Dにおけるスムースシフト制御によるダウンシフトを達成することができる。
【0062】
ところで、上記構成の油圧回路において、プレッシャコントロール圧の油は、上記B−1タイミングバルブ70を介してクイックシフト制御用油路68に供給されるようになっているが、上記B−1タイミングバルブ70を切り換え、プレッシャコントロール圧の油を油路L−6を介して第2の油圧サーボである油圧サーボB−1に供給することができる。
【0063】
すなわち、通常シフト制御時と同様にDレンジ圧の油を、油路L−7、油路L−8、Dレンジ圧油路62、チェックボール付きオリフィス62a、油路64を介して油圧サーボB−2に供給し、第1の油圧サーボである第2ブレーキB2を係合させるとともに、上記B−1タイミングバルブ70及び油路L−6を介して油圧サーボB−1に供給して第2の油圧サーボである第1ブレーキB1を係合させることによって、図4に示すようにエンジンブレーキをかけて走行することができる。
【0064】
次に、Dレンジの4速時における通常シフト制御及びクイックシフト制御について説明する。
【0065】
通常シフト制御時において、制御装置はリニアソレノイドバルブSLNに電気信号を送り、リニアソレノイド圧の油をクラッチプレッシャコントロールバルブ51の制御油室51cに送り、ライン圧を調圧してプレッシャコントロール圧を油路L−1に発生させる。
【0066】
ところが、第4ソレノイドバルブS4がオンになり、エンジンブレーキコントロールバルブ54は制御油室54cの油が排出されて左半位置を取る。その結果、油路L−1の油が油路L−11を介してクラッチプレッシャコントロールバルブ51に戻され、スプール51aを移動させ、右半位置を取らせる。
【0067】
また、第3ソレノイドバルブS3がオンになり、4−5シフトバルブ72の制御油室72cの油が3−4シフトバルブ60を介して排出され、B−1タイミングバルブ70は右半位置を取る。
【0068】
そして、1−2シフトバルブ56は制御油室56jにライン圧の油を受けて左半位置を取り、2−3シフトバルブ58は制御油室58cに第1ソレノイドバルブS1から信号油圧の油が供給されて右半位置を取る。さらに、3−4シフトバルブ60は制御油室60cに第2ソレノイドバルブS2から信号油圧の油が供給されて右半位置を取り、4−5シフトバルブ72は制御油室72cの油が3−4シフトバルブ60を介して排出され、左半位置を取る。
【0069】
この場合、Dレンジ圧の油は、油路L−7、油路L−8、Dレンジ圧油路62、チェックボール付きオリフィス62aを介して油路64に送られるとともに、油路L−10、Dレンジ圧油路74、チェックボール付きオリフィス74aを介して油路76に送られる。したがって、第2ブレーキB2の油圧サーボB−2及び第2クラッチC2の油圧サーボC−2にはDレンジ圧の油が供給され、4速が達成される。
【0070】
また、3速時のクイックシフト制御と同様、運転者がクイックシフト制御を選択するためのスイッチを押すと、制御装置はリニアソレノイドバルブSLNに電気信号を送り、リニアソレノイド圧の油をクラッチプレッシャコントロールバルブ51の制御油室51cに送り、ライン圧を調圧してプレッシャコントロール圧を油路L−1に発生させる。
【0071】
また、第3ソレノイドバルブS3がオンになり、4−5シフトバルブ72の制御油室72cの油が3−4シフトバルブ60を介して排出され、B−1タイミングバルブ70は右半位置を取り、エンジンブレーキコントロールバルブ54は制御油室54cに第4ソレノイドバルブS4から信号油圧の油が供給されて右半位置を取る。
【0072】
そして、他のバルブは通常シフト制御時と同じ位置を取る。すなわち、1−2シフトバルブ56は制御油室56jにライン圧の油を受けて左半位置を取り、2−3シフトバルブ58は制御油室58cに第1ソレノイドバルブS1から信号油圧の油が供給されて右半位置を取る。さらに、3−4シフトバルブ60は制御油室60cに第2ソレノイドバルブS2から信号油圧の油が供給されて右半位置を取り、4−5シフトバルブ72は制御油室72cの油が3−4シフトバルブ60を介して排出され、左半位置を取る。
【0073】
この場合、上記プレッシャコントロール圧は、油路L−1、油路L−2、油路L−3、油路L−4、油路L−9を介して、クイックシフト制御用油路80に送られる。一方、Dレンジ圧の油は、通常シフト制御時と同様に油路L−7、油路L−8、Dレンジ圧油路62、チェックボール付きオリフィス62aを介して油路64に送られるとともに、油路L−10、Dレンジ圧油路74、チェックボール付きオリフィス74aを介して油路76に送られる。したがって、第2ブレーキB2の油圧サーボB−2にはDレンジ圧の油が供給されるとともに、第2クラッチC2の油圧サーボ手段270である油圧サーボC−2にはプレッシャコントロール圧で調圧されたDレンジ圧の油が供給され、油圧を速く立ち上げる。このときには油圧サーボB−2と異なり一方向クラッチがないので即エンジンブレーキがきかされることとなる。この場合、本発明に対応する切換手段250の役割を4−5シフト弁72が果たすこととなる。
【0074】
この時、B−1タイミングバルブ70は右半位置を取り、かつ、3−4シフトバルブ60のポート60hとポート60eが連通する。したがって、第1ブレーキB1の油圧サーボB−1の油は油路L−6、油路L−5を介して排出される。上記クイックシフト制御は、Dレンジの5速時にも適用することができ、その場合、第6ブレーキB0の油圧サーボにプレッシャコントロール圧で調圧されたDレンジ圧の油が供給され、油圧を速く立ち上げる。
【0075】
次に、図9に基づいて電子制御装置300のブロックダイヤグラムについて説明する。
【0076】
300は電子制御装置であり、310は電子制御装置への入力信号発生装置であり、330は電子制御装置からの出力信号発生手段である。320はマニュアルSW信号MSWに基づいてシフトアップダウンを判定するシフト判定手段であり、340はスロットル開度θ、車速Vに基づいてアクセル開度の状況を判断するパワーON/OFF判定手段である。320は入力回転数N及び車速Vに基づいて変速状況を判断する変速判定手段である。360は、パワーON/OFF判定手段340とシフト判定手段320からの信号に基づいてパワーオンアップ、パワーオフアップ、パワーオンダウン、及びパワーオフダウンの4つのパターンを判定するパターン判定手段である。370は、パタン判定手段360からの信号及び操作者の入力する変速フィールセレクト信号に基づいてシフトバルブへの切換信号をソレノイドS〜Sへ送信する、シフトバルブ切換制御手段である。380は、スロットル開度θ、入力回転数N、エンジン回転数Nに基づいて入力トルクを推定する入力トルク推定手段である。390は、入力トルク推定手段380からの推定トルク信号、パターン判定手段360からのセレクトパターン信号、変速状況判定手段350からの変速信号、変速フィールセレクト信号はFSW及び車速信号Vに基づいてプレッシャコントロールバルブ51を制御するリニアソレノイドバルブSLNへの係合圧制御用の信号を制御する係合圧制御手段である。
【0077】
次に、クイック制御について説明する。
図10は本発明の自動変速機の制御装置におけるクイック制御のフローチャートであり、図11〜図14は上記クイック制御のサブルーチンである。
【0078】
クイック制御のフローがスタートされるとまず、ステップ10のパワーON/OFF判定手段へ進む。該パワーON/OFF判定手段の詳細は図11に示す通りである。まずステップ11でスロットル開度θ、車速V、エンジン回転数N及びアイドル接点信号IDLの読み込みを行ない、ステップ12に移行する。そして、ステップ12においてアイドル設定信号IDLがONであると判断された場合はステップ15へ移行しパワーOFFと判定し、リターンする。また、アイドル設定信号IDLがOFFであると判断された場合はステップ13へ移行する。ステップ13においてスロットル開度θとエンジン回転数NをパワーON/OFF判定マップ(測定値Nとθの関係を表したマップ)に照らし合わせて、座標(N,θ)がパワーON領域(a)に属するか、あるいはパワーOFF領域(b)に属するかを判定する。その結果、パワーOFF領域(b)にあったと判定されればステップ15へと進み、パワーOFFと判定し、その後リターンする。また、パワーON領域(a)にあったと判定されればステップ14へ進み、パワーONと判定し、その後リターンする。
【0079】
このようにステップ10のパワーON/OFFの判定が終了したら、次にステップ20のシフト判定手段320へと移行する。該ステップ20のシフト判定手段320の詳細は図12に示す通りである。シフト判定手段がスタートされるとまずステップ21において、入力信号であり、変速段ごとにi,i,i,i,iの変速指令を出すマニュアルスイッチ信号MSWから指令変速段iを読み込み、i=iとする。次にステップ22に進み、i=iが所定時間以上続いた場合、変速の意志があるものと判断し、i=iを確定する。さらにi確定前の変速段をiとし、ステップ23においてiとiを比較する。i=iの場合はステップ25に進み、変速指令なしと判断し、リターンする。またi≠iの場合はステップ24に進みi→iの変速指令を出力しその後リターンする。ただし、自動変速モードからクイック制御モードに切り換えられた場合、iは自動変速時の変速段を入力し、ステップ23において判断される。また、図12においてはマニュアルスイッチ信号により変速段を選択する方法の例を挙げたが、いわゆるティプトロ式のシフト指令、または自動変速の変速パターンを使って、シフト判定手段とすることも可能である。また、本フローチャート中には記載されていないエンジンオーバーラン等に対する保護機能としての変速禁止ロジックを含ませることも可能である。
【0080】
次にステップ30でステップ20のシフト判定手段によって変速指令が出力されたか否かを判断し、変速指令がなければステップ10へもどり、変速指令があると判断されればステップ40のパターン判定手段360へと移行する。図13に示すように、パターン判定手段360は、ステップ41でステップ10のパワーON/OFF判定手段340により出力されたON信号またはOFF信号を読み取り、ステップ42へ進む。ここで、ステップ20のシフト判定手段320より、iとiを読み取り、アップシフトかあるいはダウンシフトかの判定を行なう。そして、ステップ43でパワーON/OFF信号、i,i信号により、ステップ43−1パワーオンアップシフト、ステップ43−2パワーオンダウンシフト、ステップ43−3パワーオフアップシフト、ステップ43−4パワーオフダウンシフトの4つのパターンのいずれに該当するか判断し、その後リターンされる。なお、本実施例のステップ40のパターン判定手段サブルーチンでは、4つの変速パターンに大別しているが、この他にも飛び変速時(例えば5速→3速)に途中のギヤ段を経由させる変速、またはエンジンブレーキを作動させない変速及びDレンジクラッチとエンジンブレーキクラッチを同時に係合させて大トルクに対応する変速等のパターンを設定することも可能である。
【0081】
次に、ステップ50に進み、図14に示すようにステップ40で判定された4つのパターンに応じそれぞれ分岐することからスタートする。最初はステップ51において4つのパターンのいずれかであるか判断され、それぞれのパターンに応じたステップに進む。
【0082】
まず、パワーオンアップシフトはステップ52−1へ進む。2−3変速を例にとって説明する。まず、シフト切換手段240により、2−3シフトバルブを第1の変速段である3速状態に切り換える。つまり、図2のエンジンブレーキコントロールバルブ54、2−3シフトバルブ58は右半位置、1−2シフトバルブ56、3−4シフトバルブ60は左半位置をとる。そしてB−1タイミングバルブ70が左半位置をとることにより、プレッシャコントロール圧を第1の油圧サーボ210であるDレンジクラッチ(B−2)に連通する。これによりクラッチ制御によりB圧の供給を素早く完了する。そして係合圧制御手段390によりプレッシャコントロール圧を入力トルクに応じてスイープアップ制御する。そして変速状況判定手段350により回転変化が終了したことを確認した後、即ち変速完了後、B−1タイミングバルブ70を右半位置に切り換え、プレッシャコントロール圧により第2の油圧サーボ220であるB−1を素早く係合し、リターンする。これは常時パワーオフ時にエンジンブレーキをきかせるためである。なお、パワーオン2−3アップシフトの変速のタイムチャートは図15−▲1▼に示す通りである。
【0083】
次に、パワーオンダウンシフトと判定された場合について説明する。この場合は、ステップ52−2へ進む。ここでは4−3変速を例にとって説明する。まず、シフト切換手段240によりシフトバルブ60は4速状態になっている。図4のようにエンジンブレーキコントロールバルブ54、2−3シフトバルブ58及び3−4シフトバルブ60はそれぞれ右半位置をとり、1−2シフトバルブ56、4−5シフトバルブ72はそれぞれ左半位置をとる。この状態でプレッシャコントロール圧は、C−2に連通されている。そして係合圧制御手段390によりプレッシャコントロール圧を入力トルクと車速に応じてスイープダウン制御し、C−2に供給されていた油圧を排出する。変速状況判断手段350により回転変化終了を確認した後、即ち4−3ダウンシフト完了後、シフト切換手段320によりシフトバルブ60を3速状態に切り換える。すなわち、図3のごとくエンジンブレーキコントロールバルブ54、2−3シフトバルブ58はそれぞれ右半位置を、1−2シフトバルブ56、3−4シフトバルブ60はそれぞれ左半位置をとる。そしてB−1タイミングバルブ70を右半位置にすることによりプレッシャコントロール圧をB−1に連通し、B−1を素早く係合し、リターンする。即ち、これはパワーオフ時に常時エンジンブレーキをきかせるためである。なお、パワーオン4−3ダウンシフト変速のタイムチャートは図15−▲2▼に示す通りである。
【0084】
次に、パワーオフアップシフトと判定された場合について説明する。このときはステップ52−3へ移行する。例えば、パワーオフ2−3シフトアップの場合、シフト切換手段240によりシフトバルブ58を3速状態に切り換える。つまり、図3のごとくエンジンブレーキコントロールバルブ54、2−3シフトバルブ58は右半位置、1−2シフトバルブ56、3−4シフトバルブ60は左半位置をとる。次にB−1タイミングバルブ70が右半位置をとることによりプレッシャコントロール圧を第2の油圧サーボで220であるエンジンブレーキB−1に通連する。レスポンスよく穏やかな変速を達成するために、係合圧制御手段390によりプレッシャコントロール圧は車速に応じた一定圧を出力する。同時に、DレンジクラッチB−2への油圧はオリフィスを介する油路より供給されている。上記のごとく制御された後リターンされる。なお、パワーオフ2−3アップシフト変速のタイムチャートは図16−▲3▼に示す通りである。
【0085】
次に、パワーオフダウンシフトと判定された時は、ステップ52−4へ進む。ここでは4−3変速を例にとって説明する。最初にシフト切換手段240により、シフトバルブ60を3速状態にする。図5のようにエンジンブレーキコントロールバルブ54、2−3シフトバルブ58は右半位置をとり、1−2シフトバルブ563−4シフトバルブ60は左半位置をとる。そして、B−1タイミングバルブ70を右半位置にとることによってプレッシャコントロール圧を第2の油圧サーボ220であるエンジンブレーキクラッチB1に通連する。第1によりエンジンブレーキが完了する。このとき既にB2には4速状態の時油圧が されている。そして、係合圧制御手段390によりプレッシャコントロール圧として車速に応じた一定圧を出力し、リターンする。なお、パワーオフ4−3シフトダウン変速のタイムチャートは図16−▲4▼に示す通りである。以上のようにステップ40で判定されたパターンに応じた制御をステップ50で行なった後、ステップ60に進む。ここで変速が終了しているか否かを判断する。いまだ変速が終了していなければステップ10ヘ戻り、変速が終了したことが確認されれば制御終了となる。
【0086】
なお、本実施例では、2→3、3→2、4→3の変速について述べているが、他の変速についても同様の制御可能である。また、パワーオン時には、入力トルクに応じて制御を行ない、パワーオフ時か車速に応じて制御を行なっているが、他のパラメータを用いたり、目標回転数変化に合ったフィードバック制御としてもよい。また、変速フィールを選択可能な場合には 、そのセレクト信号によってプレッシャコントロール圧の上昇、下降速度を変更することも可能である。また、変速状況判定手段350は回転速度状況を検出し、変速途中でタイミングをとってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例を示す自動変速機の油圧制御装置である。
【図3】本発明の実施例を示す自動変速機の油圧制御装置である。
【図4】本発明の実施例を示す自動変速機の油圧制御装置である。
【図5】本発明の自動変速機の概略図である。
【図6】本発明の制御装置が搭載される自動変速機の作動を示す図である。
【図7】クイックシフト制御時の作動を示す図である。
【図8】通常シフト制御時とクイックシフト制御時の油圧サーボ内の油圧の比較図である。
【図9】本発明の電子制御装置の概略図である。
【図10】本発明の自動変速機の制御装置におけるクイック制御のゼネラルフローチャートである。
【図11】本発明の自動変速機の制御装置におけるパワーオン・オフ判定手段のフローチャートである。
【図12】本発明の自動変速機の制御装置におけるシフト判定手段のフローチャートである。
【図13】本発明の自動変速機の制御装置におけるパターン判定手段のフローチャートである。
【図14】本発明の自動変速機の制御装置におけるバルブ判定手段、係合圧制御手段、変速状況判定手段のフローチャートである。
【図15】本発明の自動変速機における2−3パワーオン・アップシフト及び4−3パワーオン・ダウンシフト変速時のタイムチャートである。
【図16】本発明の自動変速機における2−3パワーオフ・アップシフト及び4−3パワーオフ・ダウンシフト変速時のタイムチャートである。
【符号の説明】
11 自動変速機
22,23 プラネタリギヤユニット
100 自動変速機の制御装置
200 油圧制御装置
300 電子制御装置
210 第1の油圧サーボ
220 第2の油圧サーボ
230 第3の油圧サーボ
240 シフト切換手段
250 切換手段
260 調圧手段
270 油圧サーボ手段
310 入力信号発生手段
311 アクセル開度検出手段
312 車速検出手段
313 シフトポジション検出手段
320 シフト判定手段
330 出力信号発生手段

Claims (12)

  1. プラネタリギヤユニットと該プラネタリギヤユニットの要素を回転部材又は静止部材に選択的に連結せしめる摩擦係合要素とからなる自動変速機と、
    前記摩擦係合要素への油圧を選択的に切換制御せしめる油圧制御装置と、
    前記摩擦係合要素への油圧を供給制御せしめるためのパワーオン・パワーオフ及びシフトアップ・シフトダウンのパターンを示す信号を出力せしめる電子制御装置とからなる車両用自動変速機の制御装置において、
    前記油圧制御装置は回転部材と回転部材の連結、又は回転部材と静止部材の連結により第一の変速段を達成せしめる、第1の油圧サーボ及びエンジンブレーキ用の第2の油圧サーボと、
    第二の変速段を達成せしめる第3の油圧サーボと、
    前記パターンに応じ前記第1及び第3の油圧サーボのいずれか一方の油圧サーボへの油圧の供給を切換制御せしめるシフト切換手段と、
    前記第1及び第2の油圧サーボへの油圧を前記電子制御装置の前記パターンを示す信号に応じていずれか一方のみに供給制御せしめる切換手段とを備えることを特徴とする車両用自動変速機の制御装置。
  2. プラネタリギヤユニットと該プラネタリギヤユニットの要素を回転部材又は静止部材に選択的に連結せしめる摩擦係合要素とからなる自動変速機と、
    前記摩擦係合要素への油圧を選択的に切換制御せしめる油圧制御装置と、
    前記摩擦係合要素への油圧を供給制御せしめるためのパワーオン・パワーオフ及びシフトアップ・シフトダウンのパターンを示す信号を出力せしめる電子制御装置とからなる車両用自動変速機の制御装置において、
    前記油圧制御装置は回転部材と回転部材の連結、又は回転部材と静止部材の連結により第一の変速段を達成せしめる、第1の油圧サーボ及びエンジンブレーキ用の第2の油圧サーボと、
    第二の変速段を達成せしめる第3の油圧サーボと、
    前記パターンに応じ、前記第1及び第3の油圧サーボのいずれか一方の油圧サーボへの油圧の供給を切換制御せしめるシフト切換手段と、
    前記第1及び第2の油圧サーボへの油圧をエンジン負荷に応じていずれか一方のみに供給制御せしめる切換手段とを備えることを特徴とする車両用自動変速機の制御装置。
  3. 第二の変速段から第一の変速段へのパワーオンアップシフト時には、前記切換手段は前記第1の油圧サーボへ油圧を供給せしめた後に第2の油圧サーボへ油圧を供給せしめ、第二の変速段から第一の変速段へのパワーオフアップシフト時には、前記切換手段は前記第2の油圧サーボへ油圧を供給せしめ、前記シフト切換手段は第1の油圧サーボへ油圧を供給せしめ、第一の変速段へのパワーオンダウンシフト及びパワーオフダウンシフト時には、前記切換手段は前記第2の油圧サーボへ油圧を供給せしめたことを特徴とする請求項1又は2記載の車両用自動変速機の制御装置。
  4. 前記油圧制御装置は、前記切換手段に連結され前記第1及び第2の油圧サーボへ供給せしめられ前記パターンに応じて調圧した油圧を発生せしめる調圧手段を具備せしめたことを特徴とする請求項3記載の車両用自動変速機の制御装置。
  5. 前記第2の油圧サーボはエンジンブレーキ時に前記第一の変速段を達成せしめる摩擦係合要素を係合せしめる油圧サーボであることを特徴とする請求項4記載の車両用自動変速機の制御装置。
  6. 前記調圧手段は前記電子制御装置からの前記パターンに基づく信号に基づき制御せしめられることを特徴とする請求項4記載の車両用自動変速機の制御装置。
  7. 前記電子制御装置は運転者の操作に応じて選択せしめられるスイッチに応じた信号に対応して前記調圧手段を制御せしめる調圧レベル判定手段を備えることを特徴とする請求項6記載の車両用自動変速機の制御装置。
  8. 前記電子制御装置は、車両走行状態を検出する入力信号発生手段と、車両走行状態に応じて制御せしめるシフト判定手段及びパワーON/OFF判定手段と、該シフト判定手段及びパワーON/OFF判定手段の信号に基づき前記パターンを判定するパターン判定手段と、該パターン判定手段の信号に基づいて制御せしめられる出力信号発生手段とを備え、該出力信号発生手段からの信号に基づいて前記シフト切換手段が制御されることを特徴とする請求項1又は2記載の車両用自動変速機の制御装置。
  9. 前記調圧手段は前記出力信号発生手段からの信号に基づいて制御せしめられることを特徴とする請求項8記載の車両用自動変速機の制御装置。
  10. 前記入力信号発生手段は、アクセル開度検出手段、車速検出手段及びシフトポジション検出手段からなることを特徴とする請求項9記載の車両用自動変速機の制御装置。
  11. 前記切換手段は前記アクセル開度検出手段からの信号に基づいて制御せしめられることを特徴とする請求項10記載の車両用自動変速機の制御装置。
  12. 前記シフト切換手段は、前記アクセル開度検出手段、前記車速検出手段及びシフトポジション検出手段からの信号に基づいて切換制御せしめられることを特徴とする請求項11記載の車両用自動変速機の制御装置。
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