JP3556465B2 - 割り込みコントローラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は割り込みコントローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にコンピュータシステムでは、割り込みの処理を割り込みレベル番号と割り込み識別番号という2つの値で制御することが多い。前者は割り込みの優先度あるいは緊急度を示すもので、後者は割り込みの要因を識別するものである。通常これらは割り込みコントローラで生成され、中央処置装置CPUに入力される。
【0003】
図9は従来の割り込みコントローラの構成を示したブロック図である。図において、IE10〜IE17は割り込み処理エレメント、A0〜A7は割り込み要求信号、S0〜S2は3ビットの割り込みレベル要求信号である。この割り込みレベル要求信号は3ビットで0〜7の割り込みレベル番号を表わすが、0の場合は割り込み要求がないことを表わし、1〜7の場合はそのレベルの割り込み要求があることを表わす。また、割り込みレベル番号は7〜1の順に優先順位がつけられている。N0〜N2は3ビットの割り込み識別番号信号である。この割り込み識別番号信号は3ビットで0〜7の識別番号表わすが、この番号はそれぞれA0〜A7の割り込み要求信号に対応している。
【0004】
図10は割り込み処理エレメントIE10〜IE17のうちの1つの構成を示したもので、図において、CMPはコンパレータ、LRは3ビットのレベル番号レジスタ、NRは3ビットの識別番号レジスタ、SLTは6ビットのセレクタ、G50はANDゲートである。Aは割り込み要求入力であり、“H”(高電位)のとき割り込み要求があることを意味する。
【0005】
コンパレータCMPは図11に示すように、インバータ11a〜11c、排他ORゲート11d、11e、ANDゲート11f〜11j、ORゲート11k、11lで構成されており、J0〜J2の3ビットで表わされる0〜7の値がK0〜K2の3ビットで表わされる0〜7の値より大きいときのみ、その出力Eが“H”となる。レベル番号レジスタLRはその出力LV0〜LV2の3ビットでそのエレメントの割り込みレベル番号(0〜7)を示す。
【0006】
前記図10において、識別番号レジスタNRは、その出力CN0〜CN2の3ビットでそのエレメントの識別番号(0〜7)を示す。セレクタSLTは、その入力Sが“L”(低電位)のときは、T0〜T5の値をQ0〜Q5に出力し、入力Sが“H”(高電位)のときは、P0〜P5の値をQ0〜Q5に出力する。なお、割り込み処理エレメントIE0〜IE7の識別番号レジスタNRは、それぞれが0〜7を表わすようにあらかじめ設定されている。また、上記レベル番号レジスタLR、識別番号レジスタNRへの書き込み回路は本特許の動作に直接関係しないので、ここでは省略する。
【0007】
次に図10の割り込み処理エレメントの動作について説明する。
コンパレータCMPはレベル番号レジスタLRの出力LV0〜LV2と3ビットの入力IS0〜IS2を比較する。そしてLV0〜LV2で指定される割り込みレベル番号が入力IS0〜IS2で指定される割り込みレベル番号よりも大きいときはその出力Eを“H”にする。逆にLV0〜LV2で指定される割り込みレベル番号が入力IS0〜IS2で指定される割り込みレベル番号以下のときはその出力Eを“L”にする。
【0008】
一方、セレクタSLTとANDゲートG50はコンパレータCMPの出力Eが“H”でかつ割り込み要求入力Aが“H”のときに、レベル番号レジスタLRの出力LV0〜LV2と識別番号レジスタNRの出力CN0〜CN2をそれぞれ出力0S0〜0S2とON0〜ON2に出力し、それ以外のときは入力IS0〜IS2と入力IN0〜IN2をそれぞれ出力OS0〜OS2とON0〜ON2に出力する。
【0009】
つまり、図10の割り込み処理エレメントは、割り込み要求入力Aが“H”でかつレベル番号レジスタLRの出力LV0〜LV2で指定される割り込みレベル番号が、3ビットの入力IS0〜IS2で指定される割り込みレベル番号よりも大きいときは、LV0〜LV2とCN0〜CN2をそれそれ出力OS0〜OS2とON0〜ON2に出力し、割り込み要求入力Aが“L”またはLV0〜LV2で指定される割り込みレベル番号が、入力IS0〜IS2で指定される割り込みレベル番号よりも小さいときは、入力IS0〜IS2と入力IN0〜IN2をそれぞれ出力OS0〜OS2とON0〜ON2に出力する。
【0010】
したがって、図9のように割り込み処理エレメントIE10〜IE17を縦続(cascade)接続すれば、割り込み要求入力Aが“H”の割り込み処理エレメントのうち、レベル番号レジスタLRに設定された割り込みレベルが最大の割り込み処理エレメントの、レベル番号レジスタLRに設定された割り込みレベルと識別番号レジスタNRに設定された識別番号が、最終段の割り込み処理エレメントIE17の出力S2〜S0,N2〜N0に現れることになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来の割り込みコントローラは以上のように構成されているので、コンパレータとセレクタで構成された割り込み処理エレメントを縦続接続すると、コンパレータは入力から出力までに4〜5ゲートを、セレクタは入力から出力までに2〜3ゲートを介する必要があるので、8要因を割り込み要求信号とする割り込みコントローラでは、割り込み要求信号の入力から割り込みレベル番号信号、割り込み識別番号信号の出力までに48〜64ゲートも介することになり、割り込み要求信号の変化が割り込みレベル番号信号、割り込み識別番号信号に伝播するまでにかなり長い時間がかかってしまうという課題があった。
【0012】
また、上記の割り込みコントローラは、割り込み要求信号の変化が直接割り込み識別番号信号の変化を引き起こしている。ところが、中央処置装置CPUによっては割り込み識別番号信号を処理するタイミングが割り込みレベル番号信号を処理するタイミングより遅れるものがある。
【0013】
このような中央処置装置CPUでは、かりに識別番号が3の割り込み要求が発生したとすると、中央処置装置CPUは割り込みレベル番号信号を処理して割り込みを受け付けるが、このとき割り込み識別番号信号を処理する前にその割り込み要求信号が“L”に変化したとすると、他に割り込み要求がない場合、割り込み識別番号信号は識別番号0を表わすように変化してしまう。このため、中央処置装置CPUは識別番号0の割り込みが発生したと認識することになり、誤った識別番号を認識してしまうという課題もあった。
【0014】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、割り込み要求信号の変化が割り込みレベル番号信号、割り込み識別番号信号に高速に伝播する割り込みコントローラを提供することを目的とする。
【0015】
また、一度割り込み要求が発生すれば、その後その割り込み要求がなくなっても、中央処置装置CPUが割り込み識別信号を処理するまでは、割り込み識別信号が変化しない割り込みコントローラを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る割り込みコントローラは、優先順位が付けられた互いに異なる識別番号を割り当てられた複数の割り込み処理エレメントと、レベル信号のレベル番号をエンコードして割り込みレベル番号とする第1のプライオリティエンコーダと、最大優先順位の識別番号をもつ前記割り込み処理エレメントの識別番号をエンコードして割り込み識別番号とする第2のプライオリティエンコーダとを有し、前記割り込み処理エレメントはレベル番号を指定するレベル番号レジスタと、前記レベル番号レジスタの指定するレベル番号が割り当てられた前記レベル信号から電流を引き抜く電流シンク手段と、前記レベル番号レジスタの指定するレベル番号と前記第1のプライオリティエンコーダが出力する割り込みレベル番号が一致しているか否かを比較するコンパレータとを備えたものである。
【0017】
この発明に係る割り込みコントローラは、第1のプライオリティエンコーダが出力する割り込みレベル番号と第2のプライオリティエコンーダが出力する割り込み識別番号を記憶する記憶手段と、前記記憶手段を制御する制御手段とを備えたものである。
【0018】
この発明に係る割り込みコントローラは、記憶手段に記憶された割り込みレベル番号と第1のプライオリティエンコーダの出力が表わす割り込みレベル番号を比較し、前記第1のプライオリティエンコーダの出力が表わす割り込みレベル番号が大きいときのみ前記記憶手段の内容を更新するように制御する制御手段を備えたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による割り込みコントローラの構成を示すブロック図であり、図において、IE0〜IE7は割り込み処理エレメント、PE1,PE2は第1、第2のプライオリティエンコーダ、A0〜A7は割り込み要求信号である。第1のプライオリティエンコーダPE1の出力S0〜S2は、3ビットの割り込みレベル番号信号であり、この割り込みレベル番号信号は3ビットで0〜7の割り込みレベル番号を表わすが、これは0の場合は割り込み要求がないことを表わし、1〜7の場合はそのレベルの割り込み要求があることを表わす。また、割り込みレベル番号は7〜1の順に優先順位がつけられている。
【0020】
第2のプライオリティエンコーダPE2の出力N0〜N2は、3ビットの割り込み識別番号信号であり、3ビットで0〜7の識別番号表わす。この番号はそれぞれA0〜A7の割り込み要求信号に対応しており、7〜0の順に優先順位がつけられている。P1,P2は2相のノンオーバラップクロックであり、図2に示すように交互に“H”になることを繰り返す。
【0021】
図3は割り込み処理エレメントIE0〜IE7のうちの1つの構成を示しており、すべて同じ構成である。図において、LRは3ビットのレベル番号レジスタ、I1〜I3はインバータ、T1〜T28はNチャネルトランジスタ、G1〜G3は排他ORゲート、G4,G5はANDゲート、Aは割り込み要求入力であり“H”のとき割り込み要求があることを意味する。R1〜R7はレベル信号である。
【0022】
レベル番号レジスタLRは、その出力LV0〜LV2の3ビットで、そのエレメントの割り込みレベル番号(0〜7)を指定する。なお、レベル番号レジスタLRへの書き込み回路は本特許の動作に直接関係しないので、ここでは省略する。
【0023】
上記インバータI1〜I3,NチャネルトランジスタT1〜T28,ANDゲートG5は電流シンク手段としてのオープンドレインのデコーダ(電流シンク手段)51を形成しており、ノンオーバラップクロックP2、割り込み要求入力Aがともに“H”で、レベル番号レジスタLRの出力LV0〜LV3の表わす値が1〜7のいずれかのとき、それぞれレベル信号R1〜R7から電流を引き抜く。また、排他ORゲートG1〜G3、ANDゲートG4はレベル番号レジスタLRの出力LV0〜LV2と出力S0〜S1のそれぞれのビットを比較するコンパレータ52を形成しており、両者のそれぞれのビットがすべてが一致しかつ割り込み要求入力Aが“H”のとき比較信号Mを“H”にする。
【0024】
図4は第1のプライオリティエンコーダPE1を示す構成図であり、図において、T41〜T54はPチャネルトランジスタ、I10〜I19はインバータ、G10〜G13はANDゲート、G14はNORゲート、G15〜G17はORゲートである。ここではレベル線R1〜R7は入力となり、レベル信号R7〜R1の順に優先順位がつけられている。ここで、インバータI10はノンオーバラップクロックP1を反転する。
【0025】
PチャネルトランジスタT41〜T47は、ノンオーバラップクロックP1が“H”のとき、それぞれ導通してレベル信号R1〜R7を“H”にプリチャージする。インバータI11〜I17はそれぞれレベル信号R1〜R7を反転する。PチャネルトランジスタT48〜T54は、それぞれプリチャージされたレベル信号R1〜R7を“H”状態に保持しておくための駆動能力の小さなトランジスタである。インバータI18,I19,ANDゲートG10〜G13,NORゲートG14,ORゲートG15〜G17はプライオリティエンコード回路53を構成しており、レベル信号R1〜R7のうち“L”になっている信号で最も優先順位の高いものの番号をS0〜S2に3ビットで出力する。この真理値表を図5に示す。なお、図中Hは高電位、Lは低電位、×は高電位でも低電位でもよいことを表わす。
【0026】
図6は第2のプライオリティエンコーダPE2を示す構成図であり、図において、I20,I21はインバータ、G20〜G23はANDゲート、G24はNORゲート、G25〜G27はORゲートである。M1〜M7は入力であり、この入力M7〜M1の順に優先順位がつけられている。インバータI20,I21、ANDゲートG20〜G23、NORゲートG24、,ORゲートG25〜G27はプライオリティエンコーダPE1のプライオリティエンコード回路53と同じ構成のものであり、入力M1〜M7のうち“H”になっている信号で最も優先順位の高いものの番号をN0〜N2に3ビットで出力する。この真理値表を図7に示す。なお、図中Hは高電位、Lは低電位、×は高電位でも低電位でもよいことを表わす。
【0027】
次に動作について説明する。
ここでは例として、割り込み要求信号A1,A2,A4およびA6が“H”で、割り込み要求信号A0,A3,A5,A7が“L”とする。また割り込み処理エレメントIE1,IE2,IE4,IE6のレベル番号レジスタLRは、その出力LV0〜LV2がそれぞれ、5,1,5,4を表わすように設定されているものとする。
【0028】
まず、ノンオーバラップクロックP1が“H”でノンオーバラップクロックP2が“L”とする。この状態では、PチャネルトランジスタT41〜T47がオンし、レベル信号R1〜R7を“H”にプリチャージする。次に、ノンオーバラップクロックP1が“L”になり、PチャネルトランジスタT41〜T47がオフする。この後、レベル信号R1〜R7の“H”状態はPチャネルトランジスタT48〜T54によって保持される。その後ノンオーバラップクロックP2が“H”になる。
【0029】
ここで割り込み処理エレメントIE0,IE3,IE5,IE7は割り込み要求信号A0,A3,A5,A7が“L”なので動作に影響しない。割り込み処理エレメントIE1とIE4ではレベル番号レジスタLRが5に設定されているので、NチャネルトランジスタT17〜T20がオンし、レベル信号R5から電流を引き抜く。第1のプライオリティエンコーダPE1のPチャネルトランジスタT52は駆動能力が小さいので、この結果、レベル信号R5は“L”になる。同様にして、割り込み処理エレメントIE2ではレベル番号レジスタLRが1に設定されているので、レベル信号R1の電流が引き抜かれレベル信号R1が“L”になる。
【0030】
また、割り込み処理エレメントIE6ではレベル番号レジスタLRが4に設定されているので、レベル信号R4の電流が引き抜かれレベル信号R4が“L”になる。この結果、第1のプライオリティエンコーダPE1のプライオリティエンコード回路53は、レベル信号R1,R4,R5のうち最も優先順位の高い信号であるレベル信号R5の番号5を割り込みレベル番号信号S0〜S2に出力する。つまり、S2,S1,S0は順に“H”、“L”、“H”となる。
【0031】
割り込みレベル番号信号S0〜S2の変化は割り込み処理エレメントIE0〜IE7にフィードバックされ、排他ORゲートG1〜G3,ANDゲートG4で、レベル番号レジスタLRの出力LV0〜LV2と比較される。この場合、S0〜S2が5を表わしており、割り込み要求入力Aが“H”で、レベル番号レジスタLRの出力LV0〜LV2が5を表わしているのは、割り込み処理エレメントIE1と割り込み処理エレメントIE4である。したがって両者の比較信号Mすなわち、比較信号M1とM4が“H”になり、比較信号M0,M2,M3,M5,M6,M7は“L”になる。
【0032】
第2のプライオリティエンコーダPE2は比較信号M1〜M7をエンコードし、“H”の信号で優先順位が最も高い比較信号M4を識別する番号4を割り込み識別番号信号N0〜N2として出力する。つまりN2,N1,N0は順に“H”,“L”,“L”となる。
【0033】
以上のように、この実施の形態1によれば、割り込みレベル番号信号S0〜S2と割り込み識別番号信号N0〜N2を決定するとき、割り込み要求信号A0〜A7が割り込みレベル番号信号S0〜S2と割り込み識別番号信号N0〜N2に伝播するまでに介在するハードウェアはたかだか数個のトランジスタと10段程度のインバータ、論理ゲートである。従って、割り込み要求信号A0〜A7の変化は割り込みレベル番号信号S0〜S2と割り込み識別番号信号N0〜N2に非常に高速伝播することができる。
【0034】
実施の形態2.
実施の形態1の割り込みレベル番号信号S0〜S2と割り込み識別番号信号N0〜N2はそのまま中央処置装置CPUに出力してもよい。この場合、中央処置装置CPUに入力される割り込みレベル番号信号と割り込み識別番号信号は、ノンオーバラップクロックP2が“H”になるたびに常に更新されることになるが、実施の形態2は図8に示すように、割り込みレベル番号信号と割り込み識別番号信号をラッチする記憶手段としてのラッチ回路を付加し、一度割り込み要求が発生すれば、その後その割り込み要求がなくなっても、中央処置装置CPUが割り込み識別番号信号を処理するまで、割り込みレベル番号信号と割り込み識別番号信号を変化させないようにしたものである。
【0035】
図8において、LC1は7ビットのラッチ回路、LC2は6ビットのラッチ回路である。CMPはコンパレータ、I40はインバータ、G40〜G43はANDゲート、G44はORゲートであり、これ等により記憶手段としてのラッチ回路LC1,LC2を制御する制御手段54を構成している。ラッチ回路LC1は割り込みレベル番号信号S0〜S2と割り込み識別番号信号N0〜N2とコンパレータCMPの出力EをノンオーバラップクロックP2が“H”のときにラッチする。このときRST信号が“H”であると、インバータI40,ANDゲートG40〜G42,ORゲートG44により、強制的にその出力LS0〜LS2はすべて“L”になり、LEは“H”になる。ラッチ回路LC2はラッチ回路LC1の出力LS0〜LS2とLN0〜LN2をノンオーバラップクロックP1が“H”のときにラッチする。ただし、このラッチ動作はANDゲートG43によりラッチLC1の出力LEが“H”のときのみに実行される。
【0036】
コンパレータCMPは前記図11に示した構成と同じであり、J0〜J2の3ビットで表わされる0〜7の値がK0〜K2の3ビットで表わされる0〜7の値より大きいときのみ、その出力Eを“H”にする。ラッチ回路LC2の出力SS0〜SS2はラッチされた割り込みレベル番号信号であり、NN0〜NN2はラッチされた割り込み識別番号信号である。
【0037】
この実施の形態2では、上記割り込みレベル番号信号SS0〜SS2、割り込み識別番号信号NN0〜NN2が、実施の形態1における割り込みレベル番号信号S0〜S2,割り込み識別番号信号N0〜N2として中央処置装置CPUに入力される。RSTはリセット信号であり、中央処置装置CPUがリセット状態のときと、中央処置装置CPUが割り込み識別番号信号を処理した直後に“H”になる。
【0038】
次に動作について説明する。
まず最初にリセット信号RSTが“H”になる。この状態でノンオーバラップクロックP2が“H”になると、ラッチ回路LC1の出力LS0〜LS2はすべて“L”になり、ラッチ回路LC1の出力LEは“H”になる。従って、次にノンオーバラップクロックP1が“H”になるとラッチ回路LC2が更新され、その出力SS0〜SS2もすべて“L”になり,リセット信号RSTが“L”になる。これが初期状態である。この状態でS0〜S2がすべて“L”つまりレベル番号が0である場合を考える。
【0039】
ここでラッチ回路LC2の出力SS0〜SS2はすべて“L”であり、0を表わしている。従って、コンパレータCMPの出力Eは“L”になる。この結果、ノンオーバラップクロックP2が“H”のときラッチ回路LC1にラッチされる。従って、ラッチ回路LC1の出力LEが“L”になり、ANDゲートG43によりラッチ回路LC2の内容は変化しない。
【0040】
次に割り込みレベル番号信号S0が“H”,割り込みレベル番号信号S1,S2が“L”の場合を考える。このときは割り込みレベル番号信号S0〜S2は1を表わすので、コンパレータCMPの出力Eは“H”になる。この結果はクロックP2が“H”のときラッチ回路LC1にラッチされる。従って、ラッチ回路LC1の出力LEが“H”になり、ANDゲートG43によりラッチ回路LC2の出力SS0〜SS2,NN0〜NN1は新しい値に更新される。
【0041】
つまり、ラッチ回路LC2は現在ラッチしているSS0〜SS2で表わされる割り込みレベル番号よりも割り込みレベル番号信号S0〜S2で表わされる割り込みレベルのほうが高くなったとき、言い換えれば現在ラッチしている優先度よりも高い優先度の割り込みが発生したときにのみその内容が更新される。
【0042】
従って、一度割り込み要求が発生すれば、その後その割り込み要求がなくなり、割り込み要求信号がA0〜A7すべて“L”になってもその内容が変化することはない。なお、ラッチ回路LC2は中央処置装置CPUが割り込み識別番号信号を処理した後リセット信号RSTを“H”にすることにより、初期状態にもどる。
【0043】
以上のように、実施の形態2によれば、割り込みレベル信号と割り込み識別信号をラッチするようにしたことにより、一度割り込み要求が発生すれば、その後その割り込み要求がなくなっても、中央処理装置CPUが割り込み識別信号を処理するまでは、割り込みレベル信号と割り込み識別信号とが変化しない。また、ラッチ中の割り込みレベル番号より新しい割り込みレベル番号の優先度が高いときは、ラッチを更新するようにしたことにより、優先度の高い割り込みが後で発生しても、それを先に処理できる。
【0044】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、割り込み要求信号を、複数のレベル信号のいずれかに出力し、そのレベル信号をエンコードすることにより割り込みレベル番号信号を発生するように構成したので、割り込み要求信号の変化が割り込みレベル番号信号と割り込み識別番号信号に伝播するまでを著しく高速にすることができる効果がある。
【0045】
また、割り込みレベル信号と割り込み識別信号をラッチするように構成したので、一度割り込み要求が発生すれば、その後その割り込み要求がなくなっても、中央処理装置CPUが割り込み識別信号を処理するまでは、割り込みレベル信号と割り込み識別信号とが変化しない効果がある。
【0046】
また、ラッチ中の割り込みレベル番号と新しい割り込みレベル番号を比較し、新しい割り込みレベル番号の優先度が高いときは、ラッチを更新するように構成したので、優先度の高い割り込みが後で発生しても、それを先に中央処置装置CPUで処理できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による割り込みコントローラの構成を示すブロック図である。
【図2】ノンオーバラップクロックのタイミング図である。
【図3】割り込み処理エレメントの構成を示すブロック図である。
【図4】第1のプライオリティエンコーダの構成を示すブロック図である。
【図5】第1のプライオリティエンコーダの真理値表を示す図である。
【図6】第2のプライオリティエンコーダの構成を示すブロック図である。
【図7】第2のプライオリティエンコーダの真理値表を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態2による割り込みコントローラのラッチ回路図である。
【図9】従来の割り込みコントローラの構成を示すブロック図である。
【図10】従来の割り込みコントローラの割り込み処理エレメントの構成を示すブロック図である。
【図11】割り込みコントローラのコントローラの回路図である。
【符号の説明】
IE0〜IE7,IE10〜IE17 割り込み処理エレメント、PE1 第1のプライオリティエンコーダ、PE2 第2のプライオリティエンコーダ、CMP コンパレータ、LR レベル番号レジスタ、LC1、LC2 ラッチ回路(記憶手段)、51 デコーダ(電流シンク手段)、54 制御手段。

Claims (3)

  1. 優先順位が付けられた互いに異なる識別番号を割り当てられた複数の割り込み処理エレメントと、前記優先順位を示す互いに異なるレベル番号を割り当てられた複数のレベル信号を入力し、低電位のレベル信号のうち最大優先順位のレベル番号をもつレベル信号のレベル番号をエンコードして割り込みレベル番号とする第1のプライオリティエンコーダと、前記複数の割り込み処理エレメントから出力される複数の比較信号を入力し、一致している旨を表わす比較信号を出力する該割り込み処理エレメントのうち最大優先順位の識別番号をもつ前記割り込み処理エレメントの識別番号をエンコードして割り込み識別番号とする第2のプライオリティエンコーダとを有し、前記割り込み処理エレメントは、レベル番号を指定するレベル番号レジスタと、前記レベル番号レジスタの指定するレベル番号が割り当てられた前記レベル信号から電流を引き抜く電流シンク手段と、前記レベル番号レジスタの指定するレベル番号と前記第1のプライオリティエンコーダが出力する割り込みレベル番号が一致しているか否かを比較し前記比較信号として出力するコンパレータとを備えた割り込みコントローラ。
  2. 第1のプライオリティエンコーダが出力する割り込みレベル番号と第2のプライオリティエコンーダが出力する割り込み識別番号を記憶する記憶手段と、前記記憶手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の割り込みコントーラ。
  3. 記憶手段に記憶された割り込みレベル番号と第1のプライオリティエンコーダの出力が表わす割り込みレベル番号を比較し、前記第1のプライオリティエンコーダの出力が表わす割り込みレベル番号が大きいときのみ前記記憶手段の内容を更新するように制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求項2記載の割り込みコントローラ。
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