JP3556447B2 - カラー固体撮像カメラシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被写体の撮像と、この撮像によって得られた画像情報に対して圧縮・伸長処理を施すカラー固体撮像カメラシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、撮影した画像をデジタル画像圧縮信号として取得可能なカラー固体撮像カメラが知られている。このようなカラー固体撮像カメラは、例えば特開平7−184127号公報に開示されている。
【0003】
図7は、このカラー固体撮像カメラの構成の概略とその信号処理とを示す説明図である。この図に示すように、従来のカラー固体撮像カメラは、カラー固体撮像素子51,色分離処理部53および符号化処理部55を備えている。
【0004】
このカラー固体撮像カメラにおいて、被写体の画像情報は、カラー固体撮像素子51によって電気信号に変換される。そして、このカラー固体撮像素子51の各画素からの出力が、時系列の電気信号である出力信号S52として出力される。この出力信号S52は、色分離処理部53において色分離処理され、輝度信号および色差信号を含んだ出力信号S54に変換される。このように、色分離処理とは、画像情報の信号を輝度信号と色差信号とに変換することである。
【0005】
その後、これら輝度信号および色差信号を含んだ出力信号S54は、符号化処理部55において圧縮され、圧縮信号S56として出力される。この圧縮によって、限られた伝送容量の伝送路によっても、画像情報の送受信が可能となる。これにより、この画像情報を、例えばテレビ会議等にも利用することができる。
【0006】
また、上記公報の技術とは色分離処理と圧縮処理との順序が異なるカメラシステム(デジタルカメラと再生装置とからなるシステム)が特開平9−37202号公報に開示されている。図8は、この公報におけるカメラシステムの構成の概略およびその信号処理とを示す説明図である。この図に示すように、このシステムは、デジタルカメラを構成するカラー固体撮像素子51および符号化処理部61と、再生装置を構成する復号化処理部63,色分離処理部65およびカラーモニタ67を備えている。
【0007】
そして、固体撮像素子51で信号S52に変換された画像情報は、色分離処理される前に、符号化処理部61において圧縮処理され、圧縮信号S62となる。その後、この圧縮信号S62は、復合化処理部63において伸長されて出力信号S64として色分離処理部65に出力される。そして、この出力信号S64は、色分離処理部65において色分離処理され、輝度信号および色差信号を含んだ信号S66としてカラーモニタ67に出力されるようになっている。従って、この従来技術では、デジタルカメラ(圧縮装置)を構成するカラー固体撮像素子51および符号化処理部61では色分離処理を行わないので、デジタルカメラの回路規模が小さくなっている。
【0008】
以下に、一般的なカラー固体撮像カメラの色分離処理について、図7に示したカラー固体撮像カメラを例として説明する。
図9は、カラー固体撮像素子51に備えられる補色フィルタ71を示す説明図である。この図に示すように、補色フィルタ71は、Ma(マゼンタ)、Ye(イエロー)、Cy(シアン)、G(グリーン)の各色フィルタが所定の配列で配置されてなっており、被写体からの光が補色フィルタ71を介してカラー固体撮像素子51に入射するように、カラー固体撮像素子51の前面に備えられている。
【0009】
なお、カラー固体撮像素子51は、例えば図11に示すように、W(ホワイト)、Ye(イエロー)、Cy(シアン)、G(グリーン)の各フィルタが所定の配列で配置されてなる補色フィルタ72を備えるようにしてもよい。
【0010】
カラー固体撮像素子51は、補色フィルタ71あるいは補色フィルタ72を介して被写体からの光を受光し、受光量に応じた信号S52を出力するものであり、補色フィルタ71・72の各色フィルタに対応した複数の受光素子(画素)を備えている。上記受光素子からの出力は画像データとして色分離処理部53に入力されるようになっている。なお、カラー固体撮像素子51の各画素における画像データの読み出し方式は、用いる補色フィルタによって決定されるようになっている。
【0011】
色分離処理部53は、カラー固体撮像素子51から出力された信号S52に基づいて、輝度信号Y,色差信号U・Vを生成する回路である。なお、輝度信号Y,色差信号U・Vの生成原理については後述する。これら輝度信号Y,色差信号U・Vは、符号化処理部55に入力されるようになっている。
【0012】
図10は、カラー固体撮像素子51の受光面を模式的に示したものであり、同図中のMa,Cy,YeおよびGは、それぞれ補色フィルタ71のMa,Cy,YeおよびGの色フィルタを透過した光を受光する画素を示している。ここで、同図における左上隅の画素Maの座標を(0,0)としたとき、この画素Maから垂直方向にp、水平方向にqの位置にある画素Xの座標を(p,q)とし、画素Xからの出力を、Xpqと行列で表すことにする。また、以下では、輝度信号Yおよび色差信号U・Vの生成は、カラー固体撮像素子51の画素を縦8画素,横8画素のブロックを単位として行われることとする。
【0013】
また、輝度信号Y,色差信号U・Vは、隣接する4つの画素からの出力に基づいて得られる。そこで、輝度信号Y,色差信号U・Vは、上記4画素の格子点から出力されるものと仮定する。そして、説明の便宜上、図10で示す格子点のうち、一番左上の格子点((p,q)=(0,0)、(1,0)、(1,1)、(0,1)の画素で囲まれる点)の座標を(0,0)としたとき、この格子点から垂直方向にi、水平方向にjの位置にある格子点の座標を(i,j)とし、この位置の格子点から出力される輝度信号Y,色差信号U・Vを、それぞれ輝度信号Yij,色差信号Uij・Vijと行列で表すことにする。
【0014】
ここで、補色フィルタとして図9に示した補色フィルタ71を用いた場合、カラー固体撮像素子51の各画素のデータは、2ライン加算読み出し方式によって読み出される。従って、図10に示すように、垂直方向の格子点は1行おきに存在することになる。一方、補色フィルタとして図11で示した補色フィルタ72を用いた場合、カラー固体撮像素子51の各画素におけるデータは、全画素独立読み出し方式によって読み出されるので、図9で示した補色フィルタ71を用いた場合とは異なり、図12に示すように、垂直方向の格子点は各行に存在することになる。
【0015】
上記の構成において、被写体からの光が補色フィルタの所定の色フィルタを透過し、カラー固体撮像素子51に入射すると、カラー固体撮像素子51において上記光を受光した受光素子は、受光量に応じた電気信号を色分離処理部53に出力する。すると、色分離処理部53は、以下のような原理に基づいて輝度信号Y,色差信号U・Vを生成する。
【0016】
図9に示す補色フィルタ71を用いた場合、一般的に、Ma,Cy,YeおよびGの各信号は、R,GおよびBの各信号を用いて数1式で表される。
【0017】
【数1】
Figure 0003556447
【0018】
また、輝度信号Y,色差信号C・Cは、Ma,Cy,YeおよびGの各信号を用いて数2式で表される。
【0019】
【数2】
Figure 0003556447
【0020】
ここで、数2式の各右辺に数1式を代入すると数3式が得られる。
【0021】
【数3】
Figure 0003556447
【0022】
この数3式から、G信号は、輝度信号Y,色差信号C・Cを用いて数4式で表される。
【0023】
【数4】
Figure 0003556447
【0024】
一方、色差信号U・Vは、輝度信号Yを用いて一般的に数5式で表される。
【0025】
【数5】
Figure 0003556447
【0026】
従って、数3式および数5式から、数6式が導かれる。
【0027】
【数6】
Figure 0003556447
【0028】
そして、数4式を数6式に代入すれば、数7式が得られる。
【0029】
【数7】
Figure 0003556447
【0030】
最後に、数2式と数7式とから、数8式が得られる。
【0031】
【数8】
Figure 0003556447
【0032】
従って、輝度信号Y01,色差信号U01・V01は、数9式で表される。
【0033】
【数9】
Figure 0003556447
【0034】
この結果、格子点からの出力である輝度信号Y01、色差信号U01・V01は、数9式のように画素Ma,Cy,YeおよびGからの出力に対して線形な関係となる。従って、輝度信号を表す行列Yij,色差信号を表す行列UijおよびVijは、例えば行列E ijpq,E ijpq,E ijpqおよびXpqを用いて数10式で表される。ただし、i=0〜7,j=0〜7,p=0〜8,q=0〜8のいずれかの整数である。
【0035】
【数10】
Figure 0003556447
【0036】
一方、図11に示す補色フィルタ71を用いた場合、一般的に、Y,BおよびRの各信号は、W,Cy,YeおよびGの各信号を用いて、数11式で表される。
【0037】
【数11】
Figure 0003556447
【0038】
ところで、図11に示す補色フィルタ71を用い、全画素読み出し方式を採用する場合においては、輝度信号Yは全ての格子点から出力されるが、B信号はjが偶数である格子点、R信号はjが奇数である格子点からしか出力されない。そこで、jが奇数である格子点においては、上記格子点の左隣の格子点(jが偶数である格子点)で算出されたB信号と同じ信号が出力されるものと考える。つまり、B(i,j=2m+1)=B(i,j=2m)(ただし、mは整数)とする。同様に、jが偶数である格子点においては、上記格子点の左隣の格子点(jが奇数である格子点)で算出されたR信号と同じ信号が出力されるものと考える。つまり、R(i,j=2n)=R(i,j=2n−1)(ただし、nは整数)とする。従って、例えばY01,B01およびR01の各信号は、次の数12式で表される。
【0039】
【数12】
Figure 0003556447
【0040】
従って、数5式、数12式より、輝度信号Y01,色差信号U01・V01は、次の数13式で表される。
【0041】
【数13】
Figure 0003556447
【0042】
従って、この場合も、格子点からの出力である輝度信号Y01,色差信号U01・V01は、数13式のように画素W,Cy,YeおよびGからの各信号に対して線形な関係となるので、一般的に、格子点(i,j)からの出力である輝度信号Yij,色差信号Uij・Vijは、同じく数10式で表される。
【0043】
ところで、上記のようなカラー固体撮像カメラやデジタルカメラ等の装置において用いられる画像圧縮・伸長の技術として、ベクトル量子化法が知られている。このベクトル量子化法については、「『画像情報圧縮』(テレビジョン学会編集,オーム社出版,1991)」に詳しい説明がなされている。
【0044】
このベクトル量子化法を用いた圧縮装置では、圧縮にかかる画像情報は、縦にM画素,横にN画素,合計でM×N個の画素を1単位(ブロック)として、各ブロックが互いに重なり合わないように分けられる。そして、一つのブロックは、M×N個の成分のベクトル、すなわち、M×N次元空間のベクトル↑X(X,k=0,1,2,…,M×N−1)とみなされる。ここで、「↑」は、この「↑」の右側の記号がベクトルであることを示すものである。また、この↑X(X,k=0,1,2,…,M×N−1)とは、ベクトル↑XのM×N個の成分は、kを0〜M×N−1までの整数として、Xで表わされるということを示す。なお、このベクトル↑Xは、上記したXpqのように行列で表現することもできる。この場合は、kとpおよびqとは、k=Np+qという関係となる。
【0045】
また、この圧縮装置には、コードブックベクトルと呼ばれる複数のM×N次元空間のベクトル↑C(s) (C(s) ,k=0,1,2,…,M×N−1)があらかじめ用意されている。ここで、sは、このコードブックベクトル↑C(s) を特定するためのコードブック番号と呼ばれる番号である。また、コードブックベクトル↑C(s) の集合はコードブックと呼ばれる。そして、圧縮装置は、これらのコードブックベクトル↑C(s) の中から、上記各ブロックを表すベクトル↑Xと最も類似しているコードブックベクトル↑C(S) を選択し、そのコードブック番号Sを、そのブロックに対応した圧縮符号として出力する。
【0046】
一方、伸長装置は、圧縮装置と同様のコードブックベクトル↑C(s) を備えている。そして、圧縮装置から送られてきたコードブック番号Sに基づいてコードブックベクトル↑C(S) を選択し、各ブロックを復号する。
【0047】
また、上記したカラー固体撮像カメラやデジタルカメラ等の装置おける画像の圧縮・伸長の他の技術として、上記のベクトル量子化法を拡張した方法である、平均値分離正規化ベクトル量子化法と呼ばれる画像情報圧縮方法も知られている。この圧縮方法についても、「画像情報圧縮(テレビジョン学会編集,オーム社出版, 1991)」に詳しい説明がなされている。
【0048】
この方法を用いた圧縮装置では、ベクトル量子化法を用いた圧縮装置と同様に、圧縮にかかる画像情報は、M×N次元空間のベクトルで表現されるブロックに分けられる。そして、1つのブロックを表すベクトル↑Xの平均値meanが、下記の数14式によって算出される。そして、数15式によって、差分ベクトル↑X’ (X’ ,k=0,1,2,…,M×N−1) が算出される。
【0049】
【数14】
Figure 0003556447
【0050】
【数15】
Figure 0003556447
【0051】
一方、この圧縮装置も、上記したコードブックベクトル↑C(s) を備えている。ここでは、コードブックベクトル↑C(s) の総数を1024、すなわち、s=1〜1024とする。また、これらコードブックベクトル↑C(s) は、大きさが1に規格化されているとする。つまり、全ての↑C(s) は、下記の数16式を満たす。
【0052】
【数16】
Figure 0003556447
【0053】
そして、この圧縮装置では、各ブロックの差分ベクトル↑X’ とこれらコードブックベクトル↑C(s) との内積値I(s) が、下記の数17式によって算出される。そして、最も大きな内積値I(S) を与えるコードブックベクトル↑C(S) が、そのブロックを表すコードブックベクトルとなる。この最大の内積値I(S) を与えるコードブックベクトル↑C(S) のコードブック番号Sは、このブロックのshape と呼ばれる。また、この最大の内積値I(S) は、このブロックのgainと呼ばれる。これらmean,shape および gain は、各ブロックの圧縮信号を構成する圧縮符号であり、圧縮装置の出力信号となる。
【0054】
【数17】
Figure 0003556447
【0055】
一方、デコーダ側、すなわち、伸長装置にも、圧縮装置と同様のコードブックベクトル↑C(s) が備えられている。この伸長装置では、圧縮符号mean,shape および gain が圧縮装置から入力されると、まず、これらコードブックベクトル↑C(s) の中から、このshape に応じたコードブックベクトル↑C(S) が選択される。この↑C(S) と、残り2つの圧縮符号であるmeanおよび gain とから、下記の数18式を用いてベクトル↑X’’が生成される。このベクトル↑X’’は、圧縮前のベクトル↑Xに対応する、各ブロックを再構築するための伸長後のベクトルである。そして、画像情報の全てのブロックについてベクトル↑X’’が選択されると、画像情報の伸長が完了して、この画像情報が再構築される。
【0056】
【数18】
Figure 0003556447
【0057】
【発明が解決しようとする課題】
近年、携帯用のスチールカメラが普及し始めており、上記のようなカラー固体撮像カメラやデジタルカメラにおいても、持ち運びを便利にするために、より小型のものが求められている。しかしながら、図7に示した特開平7−184127号公報におけるカラー固体撮像カメラは、カラー固体撮像素子51の出力信号を色分離処理して、輝度信号および色差信号に変換した後、これらの信号の圧縮を行う構成となっている。このため、色分離と圧縮とを行うための回路構成が必要となるので、カラー固体撮像カメラは、規模の大きな回路を備えなくてはならず、装置全体が大きくなってしまうという問題があると共に、その製造コストが高くなるという問題がある。
【0058】
また、上記したように、特開平9−37202号公報における従来技術では、デジタルカメラでは色分離処理を行わないことで、圧縮装置であるデジタルカメラの回路規模を小さくしている。しかしながら、伸長装置である再生装置では色分離処理を行う構成であるため、色分離回路が備えられることによる再生装置の大型化および製造コストのアップが問題となる。
【0059】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、その目的は、色分離処理等の、画像情報の信号分離のための処理量を従来より減少させ、システム全体の回路規模を小さくし、製造コストの安価な小型のカラー固体撮像カメラシステムを提供することにある。
【0060】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のカラー固体撮像カメラシステムは、撮像によって、色分離処理前の複数の画素信号からなるカラー画像情報を取得し、所定数の画素信号を1つのブロックとして上記カラー画像情報を複数のブロックに分割し、各ブロックに含まれる画素信号を成分とするベクトルを作成し、この作成ベクトルを演算することによってカラー画像情報の圧縮を行うカラー固体撮像カメラシステムであって、ベクトル量子化における複数のコードブックベクトルからなる1つのコードブックをあらかじめ記憶している第1の記憶手段と、上記カラー画像情報の各ブロックに含まれる画素信号を成分とするベクトルを作成し、上記第1の記憶手段に記憶されている1つのコードブックの中から、上記作成ベクトルに応じたコードブックベクトルを選択することによって、上記カラー画像情報の圧縮信号を得る符号化手段と、上記第1の記憶手段に記憶された1つのコードブックを色分離変換して得られた、複数の伸長コードブックがあらかじめ記憶されている第2の記憶手段と、上記符号化手段によって得られた圧縮信号に対応する伸長コードブックベクトルを、上記第2の記憶手段に記憶されている複数の伸長コードブックの中からそれぞれ選択することによって、上記カラー画像情報を再構築する復号化手段とを備えていることを特徴としている。
【0061】
上記の構成によれば、カラー固体撮像カメラシステムは、ベクトル量子化によって取得したカラー画像情報の圧縮を行う。すなわち、複数の画素からの画素信号からなるカラー画像情報は、所定数の画素信号からなるブロックに分割され、各ブロックはベクトル化される。このベクトル化は、例えば、画素信号の出力値を成分として、各ブロックを上記した所定数の次元数をもつベクトルに変換すること等で行われる。そして、あらかじめ記憶されている複数のコードブックベクトルのなかから、各ブロックを表すベクトルに最も類似したベクトルを選択し、選択したコードブックベクトルを各ブロックに対応したベクトルとする。そして、カラー画像情報の全てのブロックについてコードブックベクトルを抽出し、各コードブックベクトルを特定する、通し番号等の情報を抽出すれば、このカラー画像情報の圧縮が完了する。すなわち、各ブロックに対応したコードブックベクトルを特定する情報の集合が、このカラー画像情報における圧縮された情報となる。ここで、コードブックベクトルとは、ブロックを表すベクトルと同じ次元の互いに異なる複数のベクトルであり、あらかじめ記憶媒体等に記憶されているものである。
【0062】
そして、本発明のカラー固体撮像カメラシステムは、この圧縮されたカラー画像情報を伸長するために、記憶手段には、上記したコードブックベクトルのそれぞれに対応した、複数種の伸長コードブックベクトルがあらかじめ記憶されている。すなわち、ひとつのコードブックベクトルに、複数種の伸長コードブックベクトルが対応されて記憶されている。
【0063】
復号化手段は、圧縮されたカラー画像情報であるコードブックベクトルを特定する情報から、各ブロックに対応したコードブックベクトルを特定する。そして、上記した記憶手段から、各コードブックベクトルに対応した複数の伸長コードブックベクトルを選択し、伸長コードブックベクトルの種類毎に一つの画像情報を復号する。従って、カラー画像情報を伸長すると、伸長コードブックベクトルの種類数の画像情報を得ることができる。
【0064】
この複数種の伸長コードブックベクトルは、使用者が望むカラー画像情報の種類によって決定されるものである。例えば、一つのカラー画像情報を、色分離した状態で伸長したい場合には、伸長コードブックベクトルとして、各コードブックベクトルを色分離処理し、輝度成分と色差成分とに分離して、それぞれの成分を、このコードブックベクトルに対応した伸長コードブックベクトルとすればよい。
【0065】
従って、カラー画像情報を伸長した後に行う信号分離処理、例えば色分離処理等を、このコードブックベクトルにあらかじめ施しておき、処理後の複数種のベクトルを伸長コードブックベクトルとして記憶手段に記憶しておけば、信号分離のための処理回路を設ける必要がない。これにより、本発明のカラー固体撮像カメラシステムは、回路規模を大きくすることなく、さらに、製造コストアップを招来することなく、所望の信号分離処理を行うことが可能なカラー固体撮像カメラシステムとなっている。
【0067】
また、上記の構成によれば、記憶手段に記憶される伸長コードブックベクトルは、コードブックベクトルに色分離処理(色分離変換)を施して得られるベクトル、すなわち、コードブックベクトルの輝度成分と色差成分とからなるものである。従って、復号化手段の復号によって得られる画像情報は、カラー画像情報における輝度信号および色差信号である。このため、撮像によって得られた画像情報を輝度信号および色差信号に分離する、色分離処理のための回路を設ける必要がない。これにより、回路規模の増大および製造コストアップを招来することなく、色分離を行うことが可能となる。
【0068】
また、上記のカラー固体撮像カメラシステムでは、上記第2の記憶手段に記憶されている複数の伸長コードブックは、輝度信号を生成するための輝度コードブックベクトルを含むコードブックと、色差信号を生成するための色差コードブックベクトルを含むコードブックとからなると共に、上記輝度および色差コードブックベクトルは、上記第1の記憶手段に記憶されているコードブックを構成するコードブックベクトルと同次元であり、上記輝度および色差コードブックベクトルの空間周波数成分における所定の成分は上記第1の記憶手段におけるコードブックベクトルを上記色分離変換して得られるものである一方、他の成分は0であることが好ましい。
【0069】
上記の構成は、色分離処理を適切に行うための構成である。この構成では、伸長コードブックベクトルは、復号化手段が記憶手段から選択したコードブックベクトルから輝度信号と色差信号とを生成するための、輝度コードブックベクトルと色差コードブックベクトルとからなっている。そして、これら輝度および色差コードブックベクトルはコードブックベクトルと同次元であり、このコードブックベクトルを用いてあらかじめ作成される。
【0070】
この作成において、例えば、1種類の輝度コードブックベクトルと2種類の色差コードブックベクトルとを作成する場合、これらの全ての成分数は、コードブックベクトルの成分数の3倍となる。従って、輝度および色差コードブックベクトルの独立した全成分を、ひとつのコードブックベクトルから作成することはできない。
【0071】
そこで、上記の構成では、輝度および色差コードブックベクトルを作成する際、まず、これら輝度および色差コードブックベクトルの空間周波数成分を作成する。この際、この空間周波数成分の所定の成分だけを、コードブックベクトルに線形変換等を施すことで作成し、残りの成分を0として作成する。ここで、この所定の成分の数は、コードブックベクトルの成分数と同数である。そして、得られた空間周波数成分を実空間に変換して、輝度および色差コードブックベクトルを作成する。
【0072】
このようにすれば、ひとつのコードブックベクトルから、複数種類の伸長コードブックベクトル、すなわち、輝度および色差コードブックベクトルを作成することが可能となる。これにより、1つのブロックに入力した画素信号から、この画素信号の数と同数ずつの輝度信号および色差信号を取得することができる。従って、コードブックベクトルに対応した輝度コードブックベクトルと色差コードブックベクトルとから、色分離処理を施した画像情報を適切に取得することができる。これにより、撮像によって得られた画像情報を輝度信号および色差信号に分離するための回路を設ける必要がないので、回路規模の増大および製造コストアップを招来することなく、ベクトル量子化における圧縮・伸長と同時に色分離とを行うことが可能となる。
【0073】
なお、空間周波数成分における0とする成分として、人間の視覚では感知しにくい成分を選択することが好ましい。例えば、人間にとっては、カラー画像情報の高周波の成分は低周波の成分よりも認識しにくく、また、色差信号におけるAC成分は、輝度信号のAC成分よりも認識しにくいものである。従って、この0とする成分として、例えば、色差信号の全てのAC成分と、輝度信号の高周波のAC成分とを選択することで、復号化手段によって再現されるカラー画像情報の品質を高くすることができる。
【0074】
また、本発明の他のカラー固体撮像カメラシステムは、上記符号化手段は、上記作成ベクトルを第1の部分と第2の部分とに分離し、上記第1の部分を、上記第1の記憶手段に記憶されているコードブックを用いて圧縮した第2の圧縮信号として出力し、上記第2の部分を、上記第1の記憶手段に記憶されているコードブックを用いずに圧縮した第1の圧縮信号として出力する一方、上記復号化手段は、上記第1および第2の圧縮信号に基づいて、上記カラー画像情報を再構築することを特徴としている。
【0075】
上記の構成によれば、複数の画素からの画素信号からなるカラー画像情報は、所定数の画素信号からなるブロックに分割され、各ブロックはベクトル化される。このベクトル化は、例えば、画素信号の出力値を成分として、各ブロックを上記した所定数の次元数をもつベクトルに変換すること等で行われる。
【0076】
符号化手段は、各ブロックに対応したベクトルをコードブックを用いて圧縮する第1の部分とコードブックを用いずに圧縮する第2の部分とに分離する。そして、符号化手段は、第2の部分を、各ブロックに対応した第1の圧縮信号として復号化手段に出力する。また、第1の記憶手段は、複数のコードブックベクトルをあらかじめ記憶している。この複数のコードブックベクトルとは、各ブロックに対応したベクトルの第1の部分と等しい次元数をもつ、互いに異なる複数のベクトルである。
【0077】
符号化手段は、これらコードブックベクトルの中から、上記第1の部分に対応したものを選択する。この選択は、例えば、第1の部分と最も類似したものを選択すること等、使用者の所望の方法で行われる。そして、復号化のために必要な、選択したコードブックベクトルを特定するための情報を含んだ情報を、第2の圧縮信号として復号化手段に出力する。
【0078】
第2の記憶手段には、コードブックベクトルのそれぞれに対応した複数種あるいは単数種の伸長コードブックベクトルがあらかじめ記憶されている。この伸長コードブックベクトルは、各ブロックの第1の部分を復号するためのものである。
【0079】
復号化手段は、圧縮されたカラー画像情報であるコードブックベクトルを特定する情報から、各ブロックのベクトルにおける第1の部分に対応したコードブックベクトルを特定する。そして、上記した第2の記憶手段から、各コードブックベクトルに対応した伸長コードブックベクトルを選択し、伸長コードブックベクトルの種類毎に一つの画像情報を復号する。従って、上記第1の部分に対応する画像として、伸長コードブックベクトルの種類数の画像情報を得ることができる。
【0080】
この伸長コードブックベクトルは、使用者が望むカラー画像情報の種類によって決定されるものである。例えば、一つのカラー画像情報を、色分離した状態で伸長したい場合には、伸長コードブックベクトルとして、各コードブックベクトルを色分離処理し、輝度成分と色差成分とに分離して、それぞれの成分をこのコードブックベクトルに対応した2種の伸長コードブックベクトルとすればよい。この場合、第2の部分は、復号化手段によって画素信号が形成される前に色分離されている必要がある。
【0081】
従って、カラー画像情報を伸長した後に行う信号分離処理色分離処理を、このコードブックベクトルにあらかじめ施しておき、処理後の複数種のベクトルを伸長コードブックベクトルとして第2の記憶手段に記憶しておけば、第1の部分の信号分離のための処理回路を設ける必要がない。これにより、本発明のカラー固体撮像カメラシステムでは、信号分離のための回路を、コードブックを用いずに圧縮する第2の部分のためだけに用意すればよい。従って、本発明のカラー固体撮像カメラシステムは、回路規模を大きくすることなく、さらに、製造コストアップを招来することなく、所望の信号分離処理を行うことが可能なカラー固体撮像カメラシステムとなっている。
【0082】
また、上記のカラー固体撮像カメラシステムでは、上記第2の部分は、上記作成ベクトルを線形変換して得られる輝度信号および色差信号の空間周波数成分における所定の成分であり、上記第1の部分は、上記作成ベクトルから、上記第2の部分を実空間に変換したものを除いたものであるとともに、上記輝度および色差コードブックベクトルの空間周波数成分における所定の成分は上記コードブックベクトルを線形変換して得られるものである一方、他の成分は0であることが好ましい。
【0083】
上記の構成は、色分離処理を適切に行うための構成である。上記したように、輝度および色差コードブックベクトルの独立した全成分を、ひとつのコードブックベクトルから作成することはできない。そこで、この構成でも、輝度および色差コードブックベクトルを作成する際、まず、これら輝度および色差コードブックベクトルの空間周波数成分を作成する。この際、この空間周波数成分の所定の成分だけを、コードブックベクトルに線形変換等を施すことで作成し、残りの成分を0として作成する。なお、この所定の成分数は、第2の成分として出力する1つのブロックに対応したベクトルの空間周波数成分の成分数との和が、1つのブロックにおける画素信号の数と等しくなるように決められる。
【0084】
上記の構成では、第2の部分として圧縮・伸長を行わずに出力している輝度信号および色差信号の空間周波数成分が存在するので、輝度および色差コードブックベクトルの空間周波数成分における所定の成分数は、コードブックベクトルの成分数から第2の部分として出力した成分数を差し引いたものとなる。そして、得られた空間周波数成分を実空間に変換して、輝度および色差コードブックベクトルを作成する。このようにすれば、ひとつのコードブックベクトルから、第1の部分を伸長するための複数種類の伸長コードブックベクトル、すなわち、輝度および色差コードブックベクトルを作成することが可能となる。
【0085】
復号化手段は、これら輝度および色差コードブックベクトルと、圧縮せずに出力した第2の部分を実空間に変換したものとから、画像情報の輝度信号および色差信号を作成する。そして、これらの各信号は、1つのブロックに入力した画素信号の数と同数である。これにより、第1の部分を輝度信号および色差信号に分離するための回路を設ける必要がないので、回路規模の増大および製造コストアップを招来することなく、ベクトル量子化における圧縮・伸長と同時に色分離とを行うことが可能となる。
【0086】
さらに、第2の部分として出力した輝度信号および色差信号の空間周波数成分の所定の成分は、圧縮・伸長されないので、画像情報の全成分に圧縮・伸長処理を施す場合に比して、圧縮・伸長量が少なくすることができる。従って、再構築された画像における偽色の発生を少なくすることができる。
【0087】
また、例えば、第2の部分として輝度信号および色差信号のDC成分を選択し、第1の部分として輝度信号のAC成分の一部を選択した場合、伸長コードブックベクトルは輝度コードブックベクトルのみになる。この場合には、認識されやすい輝度信号をより精密に再現することができるので、画像情報をより高品質にすることができる。
【0088】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の第1の実施の形態について以下に説明する。
図1は、本実施の形態にかかるカラー固体撮像カメラシステム(以下、本カメラシステムとする)の構成の概略を示すブロック図である。この図に示すように、本カメラシステムは、デジタルカメラを構成する補色フィルタ2,カラー固体撮像素子1および符号化処理部3と、再生装置を構成する復号化処理部5およびカラーモニタ7とを備えている。
【0089】
カラー固体撮像素子1は、被写体を撮像して画像情報を取得するためのものであり、縦288画素,横352画素の画素を備えた撮像素子である。このカラー固体撮像素子1から出力される信号S2は、1画面あたり、カラー固体撮像素子1の画素数と同じ数の電気信号数、つまり288×352の信号数である。このカラー固体撮像素子1は、図11に示したパターンを有する補色フィルタ2を備えている。この図に示すように、このパターンは、ホワイト(W),イエロー(Ye),シアン(Cy),グリーン(G)の4色の画素からなり、縦4画素,横4画素の合計16画素の大きさである。カラー固体撮像素子1の補色フィルタ2は、このパターンが繰り返されて構成されている。
【0090】
符号化処理部3は、カラー固体撮像素子1からの出力信号S2を、ベクトル量子化法によってデータ圧縮するものである。上記したように、補色フィルタ2のパターンの大きさが16画素であることから、この符号化処理部3によるベクトル量子化法のためのブロック化は、16画素を1単位として行われる。また、このブロック化は、隣接するブロック間で画素を共有しないように行われる。
【0091】
また、1つのブロックは16個の信号成分を有すると考えられることから、1つのブロックは16次元のベクトルとみなすことができる。そこで、以下では、1つのブロックを表すベクトルを、ベクトル↑X(X,k=0,1,2,…,15)と表記する。
【0092】
図2は、この符号化処理部3の構成の概略を示す説明図である。この図に示すように、符号化処理部3は、コードブック記憶部(第1の記憶手段)11と、ベクトル量子化部(符号化手段)12とから構成されている。コードブック記憶部11は、複数の16次元のコードブックベクトル↑C(s) (C(s) k ,k=0,1,2,…,15)を記憶しておくためのものである。以下では、このコードブックベクトル↑C(s) の数を64個とする、すなわち、s=0〜63とする。また、ベクトル量子化部12は、入力した信号S2を所定のブロックに分け、各ブロックに対応したベクトル↑Xを作成するものである。さらに、ベクトル量子化部12は、コードブック記憶部11に記憶されているコードブックベクトル↑C(s) の中から、各ベクトル↑Xに対応したコードブックベクトル↑C(s) をひとつずつ選択するものである。
【0093】
以下に、このコードブックベクトル↑C(s) の作り方について説明する。カラー固体撮像素子1によって様々な被写体が撮影され、それぞれの被写体に応じた画像信号S2が符号化処理部3に入力されると、ベクトル量子化部12は、まず、これら画像信号S2をブロックに分解して、複数の16次元のベクトル↑Xを作成する。例えば、1000枚の被写体が撮影された場合、1枚につき72×88(288/4×352/4)個のブロックがあるので、72×88×1000個のベクトル↑Xが得られることになる。
【0094】
次に、これら複数のベクトル↑Xに対して、LBGアルゴリズムと呼ばれる方法によって、コードブックベクトル↑C(s) に採用される代表ベクトルを算出する。この方法に関しては、「画像情報圧縮(テレビジョン学会編集,オーム社出版,1991),第127 頁〜第130 頁」に詳しい説明がなされているので、これを参照されたい。このLBGアルゴリズム法は、「Y.Linde, A.Buzo and R.M.Gray :『Algorithm for Vector Quantizer Design 』,IEEE Trans., COM−28, 1, pp.84−95 (Jan. 1980)」という論文に明記されているアルゴリズムである。
【0095】
図1に示す復号化処理部5は、上記した符号化処理部3から出力される信号S4を復号化するものである。図3は、この復号化処理部5の構成の概略を示す説明図である。この図に示すように、復号化処理部は、後述するコードブックベクトルを記憶するためのコードブック記憶部(第2の記憶手段)21と、符号化処理部3から入力される信号S4に基づいて、コードブック記憶部21から所定のコードブックベクトルを選択するベクトル復号化部(復号化手段)22とを備えている。
【0096】
このコードブック記憶部21には、上記した符号化処理部3におけるコードブックベクトル↑C(s) のそれぞれのコードブック番号sに応じて、輝度信号Y,色差信号U・Vを出力するための3種類のコードブックベクトル↑Cy(s) ・↑Cu(s) ・↑Cv(s) が記憶されている。すなわち、一つのコードブック番号sに対応して、輝度信号に対応した輝度コードブックベクトル↑Cy(s) ,色差信号に対応した色差コードブックベクトル↑Cu(s) ・↑Cu(s) が記憶されている。これらコードブックベクトル↑Cy(s) ・↑Cu(s) ・↑Cv(s) (伸長コードブックベクトル)のベクトル復号化部22による作成について以下に説明する。
【0098】
一般的に、自然界の光は様々な成分を含んでおり、その自由度は無限大である。しかし、このような光を補色フィルタ2のようなフィルタ部材を介して受光する場合、フィルタ部材の画素数(色フィルタの数)は有限であるので、カラー固体撮像素子1の各画素から出力される映像信号(画像情報)の数も有限となる。この場合の映像信号数は、フィルタ部材の画素数と同一である。従って、カラー固体撮像素子1は、無限大の自由度を持つ自然界の光を、有限個の信号で近似して表現していることになる。
【0099】
仮想色分離法では、概念的に、補色フィルタ2に入射する光の自由度が、補色フィルタ2の画素数と同じ自由度であると仮定し、カラー固体撮像素子1から出力される画像情報が、補色フィルタ2に入射する光の自由度を落とすことなく表現されるものとする。
【0100】
すなわち、符号化処理部3におけるベクトル量子化部12で切り出された一つのブロックには、4×4=16個の信号があり、自由度は16である。仮想色分離法では、これら16個の信号は、補色フィルタ2に入射する光の自由度と同じであるとする。この場合、ひとつのブロックに入射しているはずの光の輝度信号Yおよび色差信号U・Vは、各々16成分となり、合計で48成分となる。しかしながら、独立した16個の変数から、独立した48個の変数を算出することはできないので、カラー固体撮像素子1の出力から、カラー固体撮像素子1に入射した光を輝度信号Yおよび色差信号U・Vとして完全に再現することは不可能である。
【0101】
そこで、仮想色分離法では、輝度信号Yおよび色差信号U・Vの48個の空間周波数成分のうち、人間の視覚で感知しにくい32個の成分を0と仮定する。すなわち、実空間における輝度信号Yおよび色差信号U・Vの48個の成分は、16個の独立した成分の組み合わせからなるとする。このように仮定することで、カラー固体撮像素子1の出力から、カラー固体撮像素子1に入射した輝度信号Yおよび色差信号U・Vを良好な状態で再現することができる。
【0102】
以下に、この仮想色分離法における信号処理を示す。
図13は、輝度信号Yおよび色差信号U・Vにおける各16個の空間周波数成分YmnおよびUmn・Vmnを、水平方向n,垂直方向mとして平面に並べたものである。この図では、(0,0)成分をDC成分とし、m,nが大きくなるにつれて高周波の成分を位置させたものとなっている。このような輝度信号Ymnおよび色差信号Umn・Vmnを実空間の成分YijおよびUij・Vijに変換するためには、下記の数19式を用いた変換を行う。ここで、この式中のF−1 ijmnは、下記の数20式に示す、直交変換の一種である離散コサイン変換(Discrete Cosine Transform ;以下、DCT変換と称する)の逆変換を施すための係数である。また、数19式中のi,jは、輝度信号Yおよび色差信号U・Vにおける実空間の各成分を表すための添え字であり、i=0〜3、j=0〜3となる。
【0103】
【数19】
Figure 0003556447
【0104】
【数20】
Figure 0003556447
【0105】
また、実空間における輝度信号Y,色差信号U・VとR,G,B信号との間には、下記の数21式の関係がある。また、R,G,B信号と、補色フィルタ2に配列されている各色を示すW,Ye,Cy,G信号との間には、下記の数22式の関係がある。
【0106】
【数21】
Figure 0003556447
【0107】
【数22】
Figure 0003556447
【0108】
ここで、数19式、数21式および数22式はいずれも線形な関係で変換されているので、一つの線形変換Zpqcmn を用いて下記の数23式で表すことができる。なお、この式において、p,qは、1つのブロックにおける各画素の座標を表す添え字であり、p=0〜3、q=0〜3となる。また、右辺のCcmn は、添字c=0のとき輝度信号Yijの空間周波数成分Ymnを示し、添字c=1のとき色差信号Uijの空間周波数成分Umnを示し、添字c=2のとき色差信号Vijの空間周波数成分Vmnを示す。
【0109】
【数23】
Figure 0003556447
【0110】
前述のように、実際には、数23式におけるCcmn は合計48成分であり、この式の左辺であるXpqは16成分である。従って、この式の逆変換は、通常、行えない。そこで、仮想色分離法では、このCcmn のうちの32個の成分を0とし、これら0としたCcmn の演算のためのZpqcmn の成分も0とする。このようにすると、このZpqcmn は正則行列とみなすことが可能となり、0とするCcmn の成分の選択のしかたによって、逆行列をもつようにすることができる。
【0111】
例えば、本カメラシステムのように、図11に示した補色フィルタ2の色配列の画素を、4×4のブロックに区切った場合では、Zpqcmn が逆行列をもつようにするためには、下記の数24式のように0をとればよい。これは、輝度信号Ymnの(3,1)および(3,2)成分と、色差信号Umn・Vmnの全てのAC成分(15成分ずつ)とを0としたことになる。この場合、Zpqcmn は逆行列をもつようになり、数23式の逆変換が存在する。そして、この逆行列をWcmnpq とすれば、数23式の逆変換は下記の数25式となる。そして、得られた輝度信号Ymnと色差信号Umn・Vmnとに、数20式に示した変換の逆変換を施せば、輝度信号Yおよび色差信号U・Vからなる各16成分の色分離された信号を得ることができる。従って、カラー固体撮像素子1の、W,Ye,CyおよびGの16成分の出力から、輝度信号Yおよび色差信号U・Vからなる各16成分の色分離された信号を得るには、下記の数26式を用いればよい。
【0112】
【数24】
Figure 0003556447
【0113】
【数25】
Figure 0003556447
【0114】
【数26】
Figure 0003556447
【0115】
ここで、色差信号U・VのAC成分は、輝度信号YのAC成分に比べて人間の視覚では感知しにくいものであり、また、輝度信号Yの(3,1)および(3,2)成分は、AC成分のなかでも高周波の成分であるので、これも、人間の目が捉えにくいものである。従って、数24式のような仮定をしても、再現される映像の劣化は問題とならない。
【0116】
このように、仮想色分離法では、輝度信号Yおよび色差信号U・Vの空間周波数成分における一部の成分を0と仮定することで、カラー固体撮像素子1の出力から、輝度信号Yおよび色差信号U・Vを再生状態に影響なく再現することができる。
【0117】
本カメラシステムでは、このような仮想色分離法を用いて、コードブックベクトル↑C(s) からコードブックベクトル↑Cy(s) ・↑Cu(s) ・↑Cv(s) を作成する。すなわち、ベクトル復号化部22は、ベクトル量子化部12が作成したコードブックベクトル↑C(s) を、下記の数27式で変換することによって、輝度信号Yおよび色差信号U・Vを表すコードブックベクトル↑Cy(s) ・↑Cu(s) ・↑Cv(s) を作成し、コードブック記憶部21に記憶させる。この数27式では、上記した数26式のi,jを、k=4i+jとし、また、p,qを、l=4p+qとして、それぞれひとつにまとめている。
【0118】
【数27】
Figure 0003556447
【0119】
以下に、本カメラシステムにおける画像情報の圧縮および復号処理の動作について説明する。
上記したように、カラー固体撮像素子1から符号化処理部3に出力される信号S2の信号数は、1画面あたり、カラー固体撮像素子1の画素数と同じ数の信号数、つまり288×352個の信号数である。符号化処理部3では、ベクトル量子化部12が、この288×352個の信号を縦4信号,横4信号、合計16信号のブロックに分ける。そして、ベクトル量子化部12は、各ブロックを表すベクトル↑Xを取得し、これらベクトル↑Xと、コードブック記憶部11に記憶されている全てのコードブックベクトル↑C(s) との距離D(s) を計算する。距離D(s) の計算は、ベクトル↑Xとコードブックベクトル↑C(s) との各成分のの2乗和に基づいて行われるもので、以下の数28式が用いられる。
【0120】
【数28】
Figure 0003556447
【0121】
そして、コードブックベクトル↑C(s) の中から、各ブロックのベクトル↑Xに対して最小の距離D(S) を算出するものを各ブロックのベクトル↑Xに対応したコードブックベクトル↑C(S) と判断し、その番号Sを、各ブロックの信号S4として復号化処理部5に出力する。そして、1画面分の信号をデータ圧縮処理するために、ベクトル量子化部12は、72×88(=288/4×352/4)個の全てのブロックに対して、コードブックベクトル↑C(S) の検索および信号S4の出力を繰り返す。
【0122】
次に、復号化処理部5での伸長処理(復号化)を説明する。復号化処理部5におけるベクトル復号化部22は、コードブック記憶部21に記憶されているコードブックベクトル↑Cy(s) ・↑Cu(s) ・↑Cv(s) の中から、符号化処理部3から入力された圧縮符号S4によって指定された、S番目のコードブックベクトル↑Cy(S) ・↑Cu(S) ・↑Cv(S) を選択し、下記の数27式によって、各ブロックの輝度信号Yk ,色差信号Uk ・Vk を生成する。そして、1画面分の、72×88(=288/4×352/4)個のブロックにおける輝度信号Yk ,色差信号Uk ・Vk を生成し、画像情報を再構築して再生信号S6としてカラーモニタ7に出力する。
【0123】
【数29】
Figure 0003556447
【0124】
以上のように、本カメラシステムでは、符号化処理部3のコードブック記憶部11には、1つのブロックを圧縮するためのコードブックベクトル↑C(s) が1種類記憶されている一方、復号化処理部5のコードブック記憶部21には、一つのブロックを伸長するためのコードブックベクトルとして、輝度信号Yおよび色差信号U・Vに対応したコードブックベクトル↑Cy(s) ・↑Cu(s) ・↑Cv(s) が記憶されている。
【0125】
そして、復号化処理部5のベクトル復号化部22は、符号化処理部3のベクトル量子化部12から一つのブロックを表すベクトル↑Xに対応したコードブックベクトル↑C(S) のコードブック番号Sが入力されると、この番号Sに基づいて、コードブック記憶部21から、輝度信号Yおよび色差信号U・Vを表すコードブックベクトル↑Cy(s) ・↑Cu(s) ・↑Cv(s) を選択してこのブロックを伸長する。
【0126】
従って、本カメラシステムでは、復号化処理部5においてベクトル量子化法における伸長を行うだけで、信号S4として圧縮されたベクトル↑Xの色分離処理も施されるようになっている。このため、カラー固体撮像素子1および符号化処理部3からなるデジタルカメラと、復号化処理部5およびカラーモニタ7からなる再生装置とのいずれにも、撮像によって得られた画像情報を輝度信号Yおよび色差信号U・Vに分離するための色分離回路を設ける必要がない。これにより、本カメラシステムは、回路規模が小さく製造コストの安価な小型のカラー固体撮像カメラシステムとなっている。
【0127】
また、従来の技術として、数1式〜数13式を用いて示した色分離処理では、カラー固体撮像素子51からの出力信号から輝度信号Yおよび色差信号U・Vを作成する際、ブロック内の隣接4画素を加算・減算して輝度信号Yおよび色差信号U・Vを作成するので、ブロックの境界における輝度信号Yおよび色差信号U・Vの演算のために、隣接するブロック間で画素を共有しなければならなかった。すなわち、N×M画素のブロックから、(N−1)×(M−1)個の輝度信号Yおよび色差信号U・Vを演算するようになっていた。このため、各ブロックに対するベクトル量子化による圧縮・伸長処理と、色分離処理とを同時に行うことができなかった。
【0128】
しかしながら、本カメラシステムでは、隣接するブロック間で画素を共有しないようにブロック化を行い、さらに、コードブックベクトル↑Cy(s) ・↑Cu(s) ・↑Cv(s) の作成のために仮想色分離法を用いて、コードブックベクトル↑C(s) の成分の数と、コードブックベクトル↑Cy(s) ・↑Cu(s) ・↑Cv(s) における各々の成分の数とを同数としている。従って、ベクトル量子化による画像情報の圧縮・伸長処理と、色分離処理とを同時に行うことが可能となっている。
【0129】
なお、本実施の形態では、ベクトル復号化部22におけるコードブックベクトル↑Cy(s) ・↑Cu(s) ・↑Cv(s) の作成の際、数24式のような仮定をしているが、Ccmn の0のとりかたはこの式のものに限ることはない。数23式におけるZpqcmn が逆行列をもち、さらに、復号化処理部5において伸長される画像情報が、圧縮される前の画像情報と視覚的に差異のないものとなれば、どのCcmn を0と仮定してもかまわない。なお、数24式に示した仮定は、1つのブロックを4×4とし、図11に示した補色フィルタ2を用いた場合に有効なものである。
【0130】
また、1つのブロック4×4以外の画素数(信号数)を、例えば8×8等としてもよい。この場合にも、4×4の場合と同様に、数23式に示したZpqcmn が逆行列をもち、再生される映像の質がなるべく高くなるように空間周波数成分中の0とする成分を選択すれば、良好な画像情報を再現することが可能となる。
【0131】
また、空間周波数成分への変換のための式として、数20式に示した離散コサイン変換を用いているが、実空間と周波数空間との変換であれば、どのような変換を用いてもかまわない。
【0132】
また、コードブック記憶部21には、輝度信号Yおよび色差信号U・Vを表すコードブックベクトル↑Cy(s) ・↑Cu(s) ・↑Cv(s) が記憶されているとしているが、本発明はこれに限るものではない。
【0133】
〔実施の形態2〕
本発明の第2の実施の形態について、以下に説明する。なお、上記実施の形態1に示した部材と同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0134】
図4は、本実施の形態にかかるカラー固体撮像カメラシステム(以下、本カメラシステムとする)の構成を示す説明図である。この図に示すように、本カメラシステムは、図1に示したカメラシステムの構成において、符号化処理部3に代えて符号化処理部31を、また、復号化処理部5に代えて復号化処理部32を備えた構成である。
【0135】
図5は、符号化処理部31の構成の概略を示す説明図である。この図に示すように、符号化処理部31は、平均値分離部(符号化手段)33と、コードブック記憶部(第1の記憶手段)34と、ベクトル量子化部(符号化手段)35とを備えている。
【0136】
平均値分離部33は、カラー固体撮像素子1の出力信号を、縦4信号,横4信号の16信号で構成されるブロックを1単位として分割し、各ブロックに対応するベクトル↑Xを取得するものである。そして、平均値分離部33は、各ベクトル↑Xにおける平均値meany,meanuおよびmeanvと、このベクトル↑Xの差分ベクトル↑X’ とを求め、信号S36として復号化処理部32に出力するものである。これら平均値meany,meanuおよびmeanvと差分ベクトル↑Xとについては後述する。
【0137】
コードブック記憶部34は、64個のベクトルの集合からなる差分コードブックベクトル↑C’(s)(C’(s)k,s=0,1,…,63、k=0,1,2,…,15)を記憶しておくためのものである。この差分コードブックベクトル↑C’(s)については後述する。ベクトル量子化部35は、平均値分離部33が算出した差分ベクトル↑X’ に基づいて、差分ベクトル↑X’ におけるshape およびgainの値を算出し、これらの値を信号S37およびS38として復号化処理部32に出力する機能を有している。これらshape およびgainについては後述する。
【0138】
図6は、復号化処理部32の構成を示すブロック図である。この図に示すように、復号化処理部32は、ベクトル復号化部(復号化手段)41と、コードブック記憶部(第2の記憶手段)42とを備えている。
【0139】
ベクトル復号化部41は、符号化処理部31から出力された信号S36〜S38、すなわち、meany,meanu,meanv,shape およびgainの5つの値に基づいて、各ブロックの輝度信号Yおよび色差信号U・Vを算出し、画像情報を復号化して、再生信号S6としてカラーモニタ7に出力するものである。
【0140】
コードブック記憶部42は、64個の16次元のベクトルの集合からなるコードブックベクトル↑Cay(s) (Cay(s) ,s=0,1,…,63、k=0,1,2,…,15)を記憶しておくためのものである。このコードブックベクトル↑Cay(s) (伸長コードブックベクトル)については後述する。
【0141】
以下に、本カメラシステムにおける画像情報の平均値分離正規化ベクトル量子化法を用いた圧縮・伸長処理について説明する。実施の形態1に示したカラー固体撮像カメラシステムと同様に、本カメラシステムでは、上記した数19式〜数27式を用いて示した仮想色分離法により、伸長される画像情報が色分離されるようになっている。従って、画像情報における、輝度信号YのAC成分(図13に示した(3,1)および(3,2)成分以外)およびDC成分と、色差信号U・VのDC成分と以外の成分は、0であると仮定している。
【0142】
カラー固体撮像素子1は、被写体を撮像すると、この撮像した画像を信号S2として符号化処理部31に出力する。この信号S2の信号数は、1画面あたり、カラー固体撮像素子1の画素数と同じ数の信号数、つまり288×352個の信号数である。
【0143】
符号化処理部3にこの信号S2が入力されると、平均値分離部33は、288×352個の信号S2を、縦4信号,横4信号、合計16信号のブロックに分ける。そして、平均値分離部33は、各ブロックに対応したベクトル↑Xを取得する。そして、このベクトル↑Xから、平均値meanyおよびmeanu・meanvと差分ベクトル↑X’ とを算出し、これを信号S36として復号化処理部32に出力する。
【0144】
この平均値分離部33における、ベクトル↑Xの平均値meanyおよびmeanu・meanvと差分ベクトル↑X’ との算出について説明する。平均値分離部33は、↑My(Myk=0,1,2,…,15),↑Mu(Mu,k=0,1,2,…,15)および↑Mv(Mv,k=0,1,2,…,15)なる16次元のベクトルをあらかじめ備えている。これら↑My,↑Muおよび↑Mvは、以下の数30式によって定義されているものである。この式におけるWc,m=0,n=0,k (cはy,uおよびv)は、上記した数25式におけるWcmnpq の添え字p,qを、k=4p+qとしてひとつのk(k=0,1,2,…,15)にまとめたものである。
【0145】
【数30】
Figure 0003556447
【0146】
そして、平均値分離部33は、各ブロックに対応するベクトル↑Xの平均値meanyおよびmeanu・meanvを、下記の数31式を用いて求め、信号S36として復号化処理部32に出力する。この数31式に示すように、平均値分離部33は、ベクトル↑Xとこれら↑My,↑Muおよび↑Mvとの内積を求めることによって、平均値meanyおよびmeanu・meanvを求めている。このように、数31式では、上記した数14式と異なり、XとMy,MuおよびMvとの積の和を算出している。すなわち、これら平均値meanyおよびmeanu・meanvは、それぞれ輝度信号Yおよび色差信号U・Vの空間周波数成分におけるDC成分となっている。
【0147】
【数31】
Figure 0003556447
【0148】
また、平均値分離部33は、↑Vy(Vy,k=0,1,2,…,15),↑Vu(Vu,k=0,1,2,…,15)および↑Vv(Vv,k=0,1,2,…,15)なる16次元のベクトルをあらかじめ備えている。これら↑Vy,↑Vuおよび↑Vvは、以下の数32式によって定義されているものである。そして、平均値分離部33は、各ブロックに対応するベクトル↑Xの差分ベクトル↑X’ を、下記の数33式を用いて求める。
【0149】
【数32】
Figure 0003556447
【0150】
【数33】
Figure 0003556447
【0151】
このように、本カメラシステムでは、まず、上記の数19式〜数25式を用いて示した仮想色分離法によって、数31式を用いてベクトル↑Xから輝度信号Yおよび色差信号U・Vの空間周波数成分におけるDC成分を算出する。そして、数32式に示した↑Vy,↑Vuおよび↑Vvによって、得られたDC成分を実空間に変換してベクトル↑Xから差し引くことによって、差分ベクトル↑X’ を算出している。従って、この数33式によって得られる差分ベクトル↑X’ は、仮想色分離法によって空間周波数成分に変換すると、輝度信号YのAC成分における図13に示した(3,1)および(3,2)成分以外の13成分のみ値をもつようになる。
【0152】
また、上記した、平均値meanyおよびmeanu・meanvと差分ベクトル↑X’ との算出は、以下のように表現することもできる。すなわち、仮想色分離法により変換された周波数空間において、輝度信号Yおよび色差信号U・VのそれぞれのDC方向の正規直交基底ベクトルを↑My,↑Muおよび↑Mvとすると、ベクトル↑Xの輝度信号Y,色差信号U・VのDC成分の値は、以下の数34式で与えられる。また、以下の数35式とも表現することができる。これらの式中で、〔W〕は、上記した行列Wcmnkを、成分表記でなく行列表記としたものであり、〔W〕は〔W〕の転値行列を表している。また、これらの式中で、(↑A,↑B)のような表記は、↑Aと↑Bとの内積を表す表記である。
【0153】
【数34】
Figure 0003556447
【0154】
【数35】
Figure 0003556447
【0155】
そして、この〔W〕↑Myは、上記した↑Myに相当する。同様に、〔W〕↑Muは↑Muに、〔W〕↑Mvは↑Mvにそれぞれ相当する。従って、上記のmeanyおよびmeanu・meanvは、輝度信号Yおよび色差信号U・VのそれぞれのDC成分であるということができる。同様に、↑Vy,↑Vuおよび↑Vvも、〔W〕−1↑My,〔W〕−1↑Muおよび〔W〕−1↑Mvと表現することができる。これらにより数33式を書き換えると、以下の数36式となる。
【0156】
【数36】
Figure 0003556447
【0157】
この式で得られた差分ベクトル↑X’ を〔W〕によって仮想色分離法により周波数空間に変換し、差分ベクトル↑X’ の輝度信号YのDC成分を算出すると、以下の数37式によって0となる。同様に、差分ベクトル↑X’ の色差信号U・VのDC成分を算出すると0となる。従って、この差分ベクトル↑X’ は、仮想色分離法により周波数空間に変換されると、輝度信号YのAC成分のみの値をもつことになる。
【0158】
【数37】
Figure 0003556447
【0159】
このように、平均値分離部33が平均値meanyおよびmeanu・meanvと差分ベクトル↑X’ とを算出した後、ベクトル量子化部35は、この差分ベクトル↑X’ と、コードブック記憶部34に記憶されている差分コードブックベクトル↑C’(s)とから、shape およびgainを算出して、信号S37および信号S38として復号化処理部32に出力する。
【0160】
次に、ベクトル量子化部35におけるshape およびgainの算出について説明する。まず、コードブック記憶部34に記憶されている差分コードブックベクトル↑C’(s)について説明する。
カラー固体撮像素子1によって様々な被写体が撮影された画像の信号S2が符号化処理部31に入力されると、平均値分離部33は、信号S2をブロックに分解して、複数の16次元のベクトル↑Xを作成する。例えば、1000枚の被写体が撮影された場合、72×88×1000個のベクトル↑Xが得られる。
【0161】
その後、平均値分離部33は、これらベクトル↑Xに対して、上記した↑My,↑Mu,↑Mv,↑Vy,↑Vuおよび↑Vvを用いて、上記数31式および数33式によって平均値分離して差分ベクトル↑X’ を作成する。その後、差分ベクトル↑X’ に規格化を行ってその大きさを1とし、規格化された差分ベクトル↑X’ に対して上記したLBGアルゴリズム法によって代表ベクトルを作成する。この代表ベクトルが、コードブック記憶部34に記憶される差分コードブックベクトル↑C’(s)となる。
【0162】
ベクトル量子化部35は、上記した差分コードブックベクトル↑C’(s)と、平均値分離部33によって求められた各ブロックの差分ベクトル↑X’ との内積を、下記の数38式を用いて計算する。そして、各ブロックの差分ベクトル↑X’ との内積値が最大となる差分コードブックベクトル↑C’(S)の番号が、このブロックのshape ,この最大の内積値がgainとなる。
【0163】
【数38】
Figure 0003556447
【0164】
上記したように、符号化処理部31における平均値分離部33からの信号S36が、同じくベクトル量子化部35からの信号S37・38が出力されると、これら信号S36〜S38は、復号化処理部32におけるベクトル復号化部41に入力される。ベクトル復号化部41は、これら信号S36〜38に基づいて、輝度信号Yおよび色差信号U・Vを復号化する。以下に、復号化処理部32における輝度信号Yおよび色差信号U・Vの復号化について説明する。
【0165】
復号化処理部32のベクトル復号化部41は、↑Cy(Cy,k=0,1,2,…,15),↑Cu(Cu,k=0,1,2,…,15)および↑Cv(Cv,k=0,1,2,…,15)なる16次元のベクトルをあらかじめ備えている。これら↑Cy,↑Cuおよび↑Cvは、以下の数39式によって定義されているものである。この数39式に示すように、これら↑Cy,↑Cuおよび↑Cvの成分は、全て0.125となっている。そして、復号化処理部32は、まず、これらのうちの↑Cuおよび↑Cvを用いて以下の数40式によって算出する。数40式では、色差信号U・Vを、ブロックの画素毎の出力を成分とするベクトルで表記している。
【0166】
【数39】
Figure 0003556447
【0167】
【数40】
Figure 0003556447
【0168】
次に、ベクトル復号化部41は、コードブック記憶部42に記憶されているコードブックベクトル↑Cay(s) から、s=shape 番目のコードブックベクトル↑Cay(S) を選択する。このコードブックベクトル↑Cay(s) は、差分コードブックベクトル↑C’(s)を用いて、下記の数41式によってあらかじめ作成され、コードブック記憶部42に記憶されているものである。
【0169】
この式で、Wymnlは、数25式に示したWcmnpq におけるp,qを、l=4p+qとして1つのlにまとめ、c=yとしたものである。また、F−1 kmn は、数20式に示した離散コサイン変換行列Fmnijの逆行列F−1 ijmnにおけるi,jを、k=4i+jとして1つにまとめたものである。また、この式では、m,nについては、輝度信号YのAC成分のみの和をとる。従って、このコードブックベクトル↑Cay(s) は、仮想色分離法によって得られる輝度信号YのAC成分のみ復号化するためのコードブックベクトルである。
【0170】
ベクトル復号化部41は、コードブックベクトル↑Cay(S) ,meanyおよびgainを用いて、下記の数42式によって輝度信号Yを算出する。数42式では、輝度信号Yを数40式における色差信号U・Vと同様にベクトルで表記している。
【0171】
【数41】
Figure 0003556447
【0172】
【数42】
Figure 0003556447
【0173】
ベクトル復号化部41は、上記した輝度信号Yおよび色差信号U・Vの伸長を、1つの画像情報を構成する72×88(=288/4×352/4)個の全ブロックについて行って画像情報を再構築し、再生信号S6として、カラーモニタ7に出力する。
【0174】
以上のように、本カメラシステムでは、平均値分離部33が、数33式に示したように、ベクトル↑Xから輝度信号Yおよび色差信号U・Vの平均値、すなわち、DC成分を分離して差分ベクトル↑X’ を生成している。従って、差分ベクトル↑X’ は、仮想色分離法により周波数空間に変換されると、輝度信号YのAC成分のみが値を持つようになっている。
【0175】
そして、ベクトル量子化部35において、この差分ベクトル↑X’ のみにベクトル量子化による圧縮を施す一方、輝度信号Yおよび色差信号U・VのDC成分成分は圧縮せずに、それぞれ復号化処理部32に出力するようになっている。このために、ベクトル量子化によって生じる誤差は、輝度信号YのAC成分にのみ生ずることになり、色差信号U・Vに、ベクトル量子化法による誤差が入ることはない。従って、輝度信号Yおよび色差信号U・Vの全成分に対して圧縮・伸長を行うよりも、偽色の少ない再生信号S6を得ることができる。
【0176】
なお、図11に示すような補色フィルタ2を備えたカラー固体撮像素子1の出力信号S2に対して、ベクトル量子化法による圧縮・伸長を行った後に色分離処理を行った場合、この処理によって得られる輝度信号Yおよび色差信号U・Vは、圧縮・伸長を行わずに色分離処理を行って得られる信号とはずれたものになる。人間の視覚は輝度信号Yに敏感であるので、輝度信号Yは、色差信号U・Vよりも忠実に再現されることが望ましいが、この場合のずれは、輝度信号Yおよび色差信号U・Vともに一様に生じてしまう。
【0177】
そこで、本カメラシステムでは、輝度信号Yのずれをより少なくするために、圧縮処理を施す前に信号S2に平均値分離部33による平均値分離、すなわち、色分離処理を行っている。これは、輝度信号Yと色差信号U・Vとに対して別々に圧縮処理を行っていることに相当する。さらに、ベクトル量子化部35は、差分ベクトル↑X’ に対してベクトル量子化による圧縮を行い、ベクトル復号化部41で伸長している。これは、輝度信号YのAC成分に対する圧縮・伸長であり、これにより、輝度信号Yを、色差信号U・Vよりも少ない誤差で再現することが可能となっている。
【0178】
また、平均値分離部33による平均値分離、すなわち、色分離処理は、輝度信号Yおよび色差信号U・VのDC成分のみに行うことになる。従って、従来のカラー固体撮像カメラシステムのように、4画素加算・4画素差分による入力信号の色分離処理を行うよりも、色分離の処理量は減少している。従って、平均値分離部33の回路規模を、従来の色分離回路よりも非常に小さくすることができる。これにより、本カメラシステムは、回路規模が小さく製造コストの安価な小型のカラー固体撮像カメラシステムとなっている。
【0179】
なお、平均値分離部33による平均値分離の処理は、以下のように行うことも可能である。すなわち、ベクトル↑Xに対して〔W〕を作用させ、輝度信号Yおよび色差信号U・VのDC成分を取得し、残りの成分に関してベクトル量子化による圧縮を行うようにする。これは、以下の数43式および数44式による処理となる。
【0180】
【数43】
Figure 0003556447
【0181】
【数44】
Figure 0003556447
【0182】
ここで、↑X’’は、周波数空間における輝度信号YのAC成分のみの空間に限られたベクトルである。従って、この空間で正規化ベクトル量子化を行うことが可能である。しかし、アナログ回路で〔W〕↑Xの演算を行うことは、精度の面で困難であると考えられる。すなわち、〔W〕↑Xの演算は、他の演算に比べて精度よく行わなければならないからである。そこで、本実施の形態では、〔W〕による変換は、数41式に記載のように、コードブック記憶部42に記憶されているコードブックベクトル↑Cay(s) に含ませている。ベクトル復号化部41における演算は、ソフトウエアでデジタル伸長が可能であるから、その精度を高くすることができる。ここで、↑Mcおよび↑Vc(cはy,uおよびv)にも各16成分ずつの〔W〕の係数が含まれているが、これら↑Mcおよび↑Vcを用いた演算には、高い精度は要求されるものではない。
【0183】
なお、本実施の形態では、カラー固体撮像素子1で得られた画像情報を、4×4のブロックに分けて、仮想色分離法による色分離処理を行っている。そして、ベクトル量子化による圧縮は、輝度信号YのAC成分のみに行うようにしているが、本発明はこれに限るものではない。例えば、復号化処理部32で伸長される画像を高品質にするためには、符号化処理部31から圧縮せずに復号化処理部32に出力する成分を増やせばよい。すなわち、上記した平均値meanyおよびmeanu・meanvに加えて、輝度信号YのAC成分の一部を圧縮せずに復号化処理部32に出力し、輝度信号Yの残りのAC成分だけを圧縮して出力するようにすれば、圧縮・伸長による誤差をさらに少なくすることができる。
【0184】
また、1つのブロックを、例えば8×8等の画素数(信号数)としてもよい。この場合にも、実施の形態1に示した4×4の場合と同様に、数23式に示したZpqcmn が逆行列をもち、再生される映像の質がなるべく高くなるように空間周波数成分中の0とする成分を選択することが必要である。
【0185】
この場合、上記の0とする成分の選択によっては、ベクトル量子化によって圧縮・伸長される画像情報は、輝度信号YのAC成分だけでなく、色差信号U・VのAC成分を含むような場合も考えられる。このとき、圧縮・伸長処理が行われる信号は、輝度信号Yおよび色差信号U・VのAC成分となる。
【0186】
このような場合には、復号化処理部32におけるコードブック記憶部42には、実施の形態1に示したコードブックベクトル↑Cy(s) ・↑Cu(s) ・↑Cv(s) のように、各信号毎に、上記のコードブックベクトル↑Cay(s) に相当する伸長コードブックベクトルを記憶しておく必要がある。そして、ひとつの差分コードブックベクトル↑C’(s)に、各信号のAC成分を伸長するための複数種類の伸長コードブックベクトルが対応するようにすれば、復号化処理部32における伸長の際に、色分離処理を適切に行うことが可能となる。この場合には、差分コードブックベクトル↑C’(s)を仮想色分離法によって周波数空間に変換して得られる0でない成分の数と、全ての伸長コードブックベクトルを周波数変換により周波数空間に変換して得られる0でない成分の数とが等しくなる。
【0188】
なお、上記した仮想色分離法は、ベクトル量子化における伸長コードブックベクトルの作成のみに用いられるものではない。また、この方法による色分離処理は、以下のように行ってもよい。すなわち、撮像によって複数の画素信号からなるカラー画像情報を取得し、所定数の画素信号を1つのブロックとしてこのカラー画像情報を複数のブロックに分割し、各ブロック毎にカラー画像情報を輝度信号と色差信号とに分離する色分離処理方法において、1つのブロックの画素信号の出力値を成分とするベクトルを線形変換して得られる成分を、このブロックの輝度信号および色差信号の空間周波数成分における所定の成分とする一方、これら空間周波数成分の他の成分は0として、これら輝度信号および色差信号の空間周波数成分を生成し、生成された輝度信号および色差信号の空間周波数成分をそれぞれ実空間に変換することによって、各ブロックにおける輝度信号および色差信号を生成するようにする。ここで、上記の所定の成分の数は、1つのブロックにおける画素信号数と同数である。
【0189】
また、本実施の形態では、画像情報における圧縮する成分として輝度信号のAC成分を、圧縮しない成分として輝度および色差信号におけるDC成分をそれぞれ選択しているが、これに限るものではない。圧縮しない成分としては、使用者の所望の画像情報における成分を選択することが可能であり、例えば、圧縮しなくても情報量があまり多くならない成分等を選択することができる。また、圧縮する成分も同様であり、例えば、圧縮しても画像情報の質があまり低下しない成分等を選択することができる。
【0190】
なお、実施の形態1および2に示したカラー固体撮像カメラシステムは、例えば圧縮後のデータを内蔵のメモリに記憶するデジタルカメラ、圧縮後のデータを表示するディスプレイを備えた携帯電子情報端末、あるいは、圧縮後のデータを有線または無線で本体(モニタ)側へ送信し、本体側でデータを伸張してディスプレイに表示する監視システムまたはテレビ会議等に使用するカメラに適用することができる。
【0191】
また、復号化処理部5および復号化処理部32における全ての、あるいは一部の処理を行うためのプログラムを、CD−ROM(Read Only Memory)やFD(Floppy Disk )等の記録媒体に記録し、このプログラムを読み込み可能な画像処理装置を復号化処理部5あるいは復号化処理部32に代えて用いるようにしてもよい。
【0192】
また、符号化処理部3および符号化処理部31の全ての、あるいは一部の処理を行うためのプログラムを、CD−ROMやFD等の記録媒体に記録し、このプログラムを読み込み可能なデジタルカメラを符号化処理部3あるいは符号化処理部31に代えて用いるようにしてもよい。
【0193】
【発明の効果】
以上のように、本発明のカラー固体撮像カメラシステムは、 撮像によって、色分離処理前の複数の画素信号からなるカラー画像情報を取得し、所定数の画素信号を1つのブロックとして上記カラー画像情報を複数のブロックに分割し、各ブロックに含まれる画素信号を成分とするベクトルを作成し、この作成ベクトルを演算することによってカラー画像情報の圧縮を行うカラー固体撮像カメラシステムであって、ベクトル量子化における複数のコードブックベクトルからなる1つのコードブックをあらかじめ記憶している第1の記憶手段と、上記カラー画像情報の各ブロックに含まれる画素信号を成分とするベクトルを作成し、上記第1の記憶手段に記憶されている1つのコードブックの中から、上記作成ベクトルに応じたコードブックベクトルを選択することによって、上記カラー画像情報の圧縮信号を得る符号化手段と、上記第1の記憶手段に記憶された1つのコードブックを色分離変換して得られた、複数の伸長コードブックがあらかじめ記憶されている第2の記憶手段と、上記符号化手段によって得られた圧縮信号に対応する伸長コードブックベクトルを、上記第2の記憶手段に記憶されている複数の伸長コードブックの中からそれぞれ選択することによって、上記カラー画像情報を再構築する復号化手段とを備えている構成である。
【0194】
これにより、カラー画像情報を伸長した後に行う信号分離処理色分離処理を、このコードブックベクトルにあらかじめ施しておき、処理後の複数種のベクトルを伸長コードブックベクトルとして記憶手段に記憶しておけば、信号分離のための処理回路を設ける必要がない。従って、回路規模を大きくすることなく、さらに、製造コストアップを招来することなく、所望の信号分離処理を行うことが可能であるという効果を奏する。
【0196】
また、復号化手段の復号によって得られる画像情報は、カラー画像情報における輝度信号および色差信号となる。このため、撮像によって得られた画像情報を輝度信号および色差信号に分離する、色分離処理のための回路を設ける必要がない。従って、回路規模の増大および製造コストアップを招来することなく、色分離とベクトル量子化による圧縮・伸長処理とを同時に行うことが可能となるという効果を奏する。
【0197】
また、上記のカラー固体撮像カメラシステムでは、上記第2の記憶手段に記憶されている複数の伸長コードブックは、輝度信号を生成するための輝度コードブックベクトルを含むコードブックと、色差信号を生成するための色差コードブックベクトルを含むコードブックとからなると共に、上記輝度および色差コードブックベクトルは、上記第1の記憶手段に記憶されているコードブックを構成するコードブックベクトルと同次元であり、
上記輝度および色差コードブックベクトルの空間周波数成分における所定の成分は上記第1の記憶手段におけるコードブックベクトルを上記色分離変換して得られるものである一方、他の成分は0であることが好ましい。
【0198】
これにより、復号化手段の復号によって得られる画像情報は、カラー画像情報における輝度信号および色差信号となる。このため、撮像によって得られた画像情報を輝度信号および色差信号に分離する、色分離処理のための回路を設ける必要がない。従って、回路規模の増大および製造コストアップを招来することなく、色分離とベクトル量子化による圧縮・伸長処理とを同時に行うことが可能となるという効果を奏する。
【0199】
また、本発明の他のカラー固体撮像カメラシステムは、上記符号化手段は、上記作成ベクトルを第1の部分と第2の部分とに分離し、上記第1の部分を、上記第1の記憶手段に記憶されているコードブックを用いて圧縮した第2の圧縮信号として出力し、上記第2の部分を、上記第1の記憶手段に記憶されているコードブックを用いずに圧縮した第1の圧縮信号として出力する一方、上記復号化手段は、上記第1および第2の圧縮信号に基づいて、上記カラー画像情報を再構築する構成である。
【0200】
これにより、カラー画像情報を伸長した後に行う信号分離処理色分離処理を、このコードブックベクトルにあらかじめ施しておき、処理後の複数種のベクトルを伸長コードブックベクトルとして第2の記憶手段に記憶しておけば、第2の部分の信号分離のための処理回路を設ける必要がない。これにより、本発明のカラー固体撮像カメラシステムでは、信号分離のための回路を、コードブックを用いずに圧縮する第2の部分のためだけに用意すればよい。従って、回路規模を大きくすることなく、さらに、製造コストアップを招来することなく、所望の信号分離処理を行うことが可能であるという効果を奏する。
【0201】
また、上記のカラー固体撮像カメラシステムでは、上記第2の部分は、上記作成ベクトルを線形変換して得られる輝度信号および色差信号の空間周波数成分における所定の成分であり、上記第1の部分は、上記作成ベクトルから、上記第2の部分を実空間に変換したものを除いたものであるとともに、上記輝度および色差コードブックベクトルの空間周波数成分における所定の成分は上記コードブックベクトルを線形変換して得られるものである一方、他の成分は0であることが好ましい。
【0202】
これにより、復号化手段の復号によって得られる画像情報は、カラー画像情報における輝度信号および色差信号となる。このため、撮像によって得られた画像情報を輝度信号および色差信号に分離する、色分離処理のための回路を、コードブックを用いずに圧縮する第2の部分のためだけに設ければよい。従って、回路規模の増大および製造コストアップを招来することなく、色分離とベクトル量子化による圧縮・伸長処理とを同時に行うことが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかるカラー固体撮像カメラシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したカラー固体撮像カメラシステムにおける符号化処理部の構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示したカラー固体撮像カメラシステムにおける復号化処理部の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態にかかるカラー固体撮像カメラシステムの構成の概略を示すブロック図である。
【図5】図4に示したカラー固体撮像カメラシステムにおける符号化処理部の構成を示すブロック図である。
【図6】図4に示したカラー固体撮像カメラシステムにおける復号化処理部の構成を示すブロック図である。
【図7】従来のカラー固体撮像カメラシステムの構成を示すブロック図である。
【図8】従来のカラー固体撮像カメラシステムの他の構成を示すブロック図である。
【図9】補色フィルタの構成例を示す説明図である。
【図10】図7に示したカラー固体撮像カメラシステムにおいて、図9に示した補色フィルタを用いた場合のカラー固体撮像素子の画素を示す説明図である。
【図11】補色フィルタの他の構成例を示す説明図である。
【図12】図7に示したカラー固体撮像カメラシステムにおいて、図11に示した補色フィルタを用いた場合のカラー固体撮像素子の画素を示す説明図である。
【図13】輝度信号および色差信号の空間周波数成分を示す説明図である。
【符号の説明】
1 カラー固体撮像素子
2 補色フィルタ
3 符号化処理部
5 復号化処理部
7 カラーモニタ
11 コードブック記憶部(第1の記憶手段)
12 ベクトル量子化部(符号化手段)
21 コードブック記憶部(第2の記憶手段
22 ベクトル復号化部(復号化手段)
31 符号化処理部
32 復号化処理部
33 平均値分離部(符号化手段
34 コードブック記憶部(第1の記憶手段)
35 ベクトル量子化部(符号化手段
41 ベクトル復号化部(復号化手段
42 コードブック記憶部(第2の記憶手段)

Claims (5)

  1. 撮像によって、色分離処理前の複数の画素信号からなるカラー画像情報を取得し、所定数の画素信号を1つのブロックとして上記カラー画像情報を複数のブロックに分割し、各ブロックに含まれる画素信号を成分とするベクトルを作成し、この作成ベクトルを演算することによってカラー画像情報の圧縮を行うカラー固体撮像カメラシステムであって、
    ベクトル量子化における複数のコードブックベクトルからなる1つのコードブックをあらかじめ記憶している第1の記憶手段と、
    上記カラー画像情報の各ブロックに含まれる画素信号を成分とするベクトルを作成し、上記第1の記憶手段に記憶されている1つのコードブックの中から、上記作成ベクトルに応じたコードブックベクトルを選択することによって、上記カラー画像情報の圧縮信号を得る符号化手段と、
    上記第1の記憶手段に記憶された1つのコードブックを色分離変換して得られた、複数の伸長コードブックがあらかじめ記憶されている第2の記憶手段と、
    上記符号化手段によって得られた圧縮信号に対応する伸長コードブックベクトルを、上記第2の記憶手段に記憶されている複数の伸長コードブックの中からそれぞれ選択することによって、上記カラー画像情報を再構築する復号化手段とを備えていることを特徴とするカラー固体撮像カメラシステム。
  2. 上記第2の記憶手段に記憶されている複数の伸長コードブックは、輝度信号を生成するための輝度コードブックベクトルを含むコードブックと、色差信号を生成するための色差コードブックベクトルを含むコードブックとからなると共に、上記輝度および色差コードブックベクトルは、上記第1の記憶手段に記憶されているコードブックを構成するコードブックベクトルと同次元であり、
    上記輝度および色差コードブックベクトルの空間周波数成分における所定の成分は上記第1の記憶手段におけるコードブックベクトルを上記色分離変換して得られるものである一方、他の成分は0であることを特徴とする請求項1に記載のカラー固体撮像カメラシステム。
  3. 上記符号化手段は、
    上記作成ベクトルを第1の部分と第2の部分とに分離し、
    上記第1の部分を、上記第1の記憶手段に記憶されているコードブックを用いて圧縮した第2の圧縮信号として出力し、
    上記第2の部分を、上記第1の記憶手段に記憶されているコードブックを用いずに圧縮した第1の圧縮信号として出力する一方、
    上記復号化手段は、
    上記第1および第2の圧縮信号に基づいて、上記カラー画像情報を再構築することを特徴とする請求項1または2に記載のカラー固体撮像カメラシステム。
  4. 上記第2の部分は、上記作成ベクトルを線形変換して得られる輝度信号および色差信号の空間周波数成分における所定の成分であり、
    上記第1の部分は、上記作成ベクトルから、上記第2の部分を実空間に変換したものを除いたものであるとともに、
    上記輝度および色差コードブックベクトルの空間周波数成分における所定の成分は上記コードブックベクトルを線形変換して得られるものである一方、他の成分は0であることを特徴とする請求項3に記載のカラー固体撮像カメラシステム。
  5. 上記第2の部分が、輝度信号および色差信号のDC成分であることを特徴とする請求項4に記載のカラー固体撮像カメラシステム。
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