JP3556209B1 - 抗菌および防かび性繊維 - Google Patents

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Abstract

【課題】竹パルプを原料とし、竹本来の有する抗菌および防かび性に優れた再生セルロース繊維および繊維製品ならびにその製造方法を提供すること。
【解決手段】竹パルプを原料とする再生セルロース繊維を、界面活性剤を主要成分とする溶液で界面活性剤処理することを特徴とする、抗菌および防かび性を有する再生セルロース繊維の製造方法およびその製造方法によって得られた再生セルロース繊維および繊維製品。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、竹パルプを原料とする再生セルロース繊維および/または繊維製品であって、竹本来の有する抗菌および防かび性およびポリフェノール類を有する再生セルロース繊維および/または繊維製品およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
再生セルロース繊維は、通常、木材パルプまたはコットンリンターから製造されている。また、最近では非木材のケナフ等の成長の早い植物や竹から製造されたパルプを原料とする再生セルロースの製造も試みられている。
【0003】
竹を原料とするセルロースレーヨン繊維については、特許文献1に開示されており、この繊維を用いて得られた織物や編物は、従来のレーヨン繊維を用いたものと較べて、驚くほど張りと腰があり、しわになりにくく、麻のような乾いた感触があって、吸湿性、放湿性にも優れていることが記載されている。
【0004】
再生セルロース繊維をテキスタイル分野に応用した場合、機能性、ファッション性の面から、再生セルロース繊維を単独で使用するよりも、綿繊維との混紡、または交織または交編した布帛を使用することが多い。
【0005】
特に再生セルロース繊維と綿繊維との混紡糸を用いた布帛や、綿繊維との交織または交編した布帛を精練・漂白する場合、綿繊維側の吸水性や染色性を向上させるために、水酸化ナトリウム等の強アルカリを使用する必要があり、その際に再生セルロース繊維が膨潤する。
【0006】
一般的に再生セルロース繊維は綿と比較して非結晶領域が多く、吸水性や染色性を向上させる目的で精練・漂白を行う際に、水酸化ナトリウム等のアルカリによって膨潤が起こるため、膨潤をできるだけ抑えるために、精練剤には炭酸ナトリウム等の弱アルカリと、陰イオン系または非イオン系界面活性剤を併用して精練・漂白を行う。
【0007】
膨潤をできるだけ抑えた条件で精練・漂白を行った場合、綿繊維側が十分に精練・漂白されないため、染色時にムラが生じ、製品としての品質が低下するため、最終製品としては不適なものとなる。
【0008】
ところで従来の再生セルロース繊維には、もともと抗菌および防かび性がないため、繊維に抗菌性を付与するためには、再生セルロース繊維を製造する段階で抗菌成分を添加する必要がある。
【0009】
再生セルロース繊維に添加した抗菌成分は、再生セルロース繊維が膨潤した際に加工浴中に溶出するため、最終製品の吸水性や染色性に影響を与えない範囲で可能な限り膨潤を抑えて精練・漂白する必要がある。しかし、膨潤を完全に抑えることはできず、抗菌成分の一部あるいは大部分が溶出するため、最終製品の段階で十分な抗菌および防かび性を得ることができなかった。
【0010】
天然の竹には抗菌および防かび性を有することが知られているが、竹パルプを原料とした再生セルロース繊維の場合も、上記理由により最終製品の段階で十分な抗菌および防かび性を得ることができなかった。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−115347号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、竹パルプを原料とし、竹本来の有する抗菌および防かび性に優れた再生セルロース繊維および繊維製品ならびにその製造方法を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、竹パルプを原料とする再生セルロース繊維を含有する繊維製品(該繊維製品は、不織布、糸、織物、編物または縫製品である)であって、該再生セルロース繊維が、界面活性剤を主要成分とする水溶液で処理されており、総ポリフェノール類量を繊維1gあたり0.1mg以上含むことを特徴とする、抗菌および防かび性を有する繊維製品に関する。
【0014】
上記のような再生セルロース繊維は、竹パルプを原料とする再生セルロース繊維を、界面活性剤を主要成分とする溶液で処理することにより得られる。
【0015】
本発明で使用する竹パルプは特に限定されるものではなく、例えば中国で主に収穫される慈竹や黄竹、日本で主に収穫される孟宗竹から化学的方法または物理的方法または機械的方法によって得られたパルプ等を使用することができる。
【0016】
竹パルプを原料とする本発明の再生セルロース繊維としては、ビスコースレーヨン、銅アンモニア法レーヨン、ポリノジック、テンセル等従来の再生セルロース繊維の製造に用いられているいずれの製造プロセスによって得られたものでもよい。
【0017】
本発明においては、上記再生セルロース繊維を、界面活性剤を主要成分とする濃度0.5g/L〜2.0g/L水溶液で処理する。本発明では、以下、この処理を「界面活性剤処理」ということもある。この処理では、水酸化ナトリウムの強アルカリや炭酸ナトリウム等の弱アルカリ成分を使用しない。
【0018】
界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤が使用できるが、洗浄性の高い高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩等の陰イオン界面活性剤や、ポリエチレングリコール型等の非イオン界面活性剤を使用することが好ましい。
【0019】
上記界面活性剤処理に続いて、所望により過酸化水素水溶液等を使用した漂白を処理を施してもよい。この漂白処理は従来からセルロース繊維の精練・漂白工程で行われている漂白工程と同様に行うことができる。
【0020】
漂白工程は、過酸化水素等の漂白剤を、界面活性剤処理工程で使用する界面活性剤を主要成分とする水溶液中に添加することにより、上記界面活性剤処理と同時に行ってもよい。
【0021】
界面活性剤処理および所望により行う漂白処理は、60m/分以下で行う。処理速度の下限値は、生産性の観点から任意に設定すればよい。ここで処理速度とは、L−ボックスに代表される連続式精練漂白機の場合、反応槽に滞留させた生地を反応槽から取り出して、水洗機に移動させる時の時間のことを意味しており、通常の処理速度は80〜120m/分で行われている。処理温度は80〜95℃程度の範囲でおこなえばよい。
【0022】
天然の竹が抗菌および防かび性を有することは、必ずしもそれだけではないが、竹の中に含まれているポリフェノール類の作用によるところが大きく、竹をパルプ化し、さらに竹パルプを原料とした再生セルロース繊維を製造した段階でポリフェノール類が残存していれば、竹本来の有する抗菌および防かび性を確実に保持発現できると考えられる。
【0023】
本発明においては、上記界面活性剤処理および所望により行う漂白処理を上記処理速度で行うことにより、再生セルロース繊維の膨潤がなく、かつ機械的なダメージを与えないことによってセルロース繊維に含まれるポリフェノール類の溶出を抑え、竹が本来含有するポリフェノール類を、繊維1gあたり総ポリフェノール類量0.1mg以上有する、再生セルロース繊維を得ることができる。
【0024】
上記方法により処理された竹パルプ再生セルロース繊維は、そのまま繊維繊維製品に使用可能である。
【0025】
本発明の抗菌および防かび性繊維の形態は、長繊維でもよいし短繊維からの紡績糸であってもよい。また、本発明の繊維は、上記抗菌および防かび性を有する再生セルロース繊維単独であってもよいし、これを含む複合繊維であってもよい。ここで複合繊維とは、抗菌および防かび性を有する再生セルロース繊維と他の天然、再生または合成繊維との均一または層構造の混紡繊維を意味する。混合する天然繊維としては、木綿、麻、絹、羊毛、カシミヤ、アルパカ、モヘヤ、アンゴラ、ラクダ、ロシアンセーブル、ガナコ等、再生繊維としては従来の例えばレーヨン等の再生セルロース繊維、アセテート、ジアセテート等の半合成繊維等、合成繊維としてはポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリウレタン等が例示できる。複合繊維の場合、本発明の再生セルロース繊維を少なくとも10重量%以上、好ましくは20重量%含有させることが望ましい。本発明の再生セルロース繊維の含有率が低いと、抗菌、防カビ性の特性を十分利用することができなくなる。
【0026】
また、本発明の再生セルロース繊維に混紡される他の繊維は、精練・漂白が必要な場合は、それらの処理を施しておくことが好ましい。例えば綿繊維ではアルカリを使用して精練・漂白を行う必要が生じるが、綿繊維の精練・漂白をあらかじめ原綿やスライバーの段階で行ってから紡績糸を製造すれば、竹パルプからの再生セルロース繊維と複合したのちに染色仕上げ加工の段階でアルカリを用いた精練・漂白を行う必要がない。また経糸に綿糸、緯糸に再生セルロース繊維を用いた交織生地の場合は、あらかじめ綿糸を精練・漂白しておけばよい。
【0027】
本発明の抗菌および防かび性を有する再生セルロース繊維は、該繊維単独またはこれを含む混紡繊維から、あるいはこれらの繊維と他の繊維とを組合せて製造された不織布、糸、織物、編物、縫製品等繊維製品に適用できる。
【0028】
本発明の抗菌および防かび性を有する再生セルロース繊維およびこの再生セルロース繊維を含有する繊維製品は、細菌およびかびの増殖を抑制することができる。この特性を利用して、不織布の形態でフィルターとして使用したり、体臭の原因となる細菌の増殖を抑制する肌着等の繊維製品、さらに白癬菌の増殖を抑制する靴下としての用途などに広く使用できる。
【0029】
以下、本発明を実施例を用いて、より詳細にかつ具体的に説明する。
【0030】
【実施例】
〔再生セルロース繊維の製造方法〕
(1)竹パルプの製造方法
1)原料竹の種類:中国産の慈竹
2)パルプの製造方法:化学的方法のうちパルプを製造するクラフトパルプ法で竹パルプを製造した。なお原料の竹は、根元と先端部分を除去した残りの部分すべてを使用した。
【0031】
(2)竹パルプからの再生セルロース繊維(バンブーレーヨン)の製造方法
バンブーレーヨンを通常のビスコースレーヨンの製造方法に従って製造した。すなわち、竹パルプを18%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬してアルカリセルロースにした後、プレスロールで圧搾して過剰のアルカリを除去した。次に圧縮されたアルカリセルロースを粉砕して老成し、さらに二硫化炭素で硫化させてセルロースザンテートにした。このセルロースザンテートを水酸化ナトリウム溶液に溶解してビスコースを得た。
【0032】
続いてビスコースを濾過・脱泡・熟成し、紡糸ノズルから凝固浴中に押し出して繊度1.5デニールの再生セルロースフィラメント繊維を得た。さらに再生セルロースフィラメントを38mmの繊維長にカットして、紡績糸を製造する原料とした。
【0033】
バンブーレーヨンの平均重合度は350〜400であり、通常のレーヨンの平均重合度200〜300と比較して高いため、繊維製品の物性が向上するといった特長もある。
【0034】
(実施例I−1)
バンブーレーヨンを100%用いて、50番手単糸の紡績糸を製造した。この紡績糸を経糸と緯糸に用い、経糸144本/インチ、緯糸78本/インチのブロード織物を得た。
【0035】
(実施例I−2)
あらかじめ糸の段階で精練・漂白した50番手単糸の綿100%紡績糸を経糸に、緯糸に実施例I−1で製造したバンブーレーヨンの紡績糸を用い、実施例I−1と同様にブロード織物を得た。
【0036】
(実施例I−3)
バンブーレーヨン/綿=50/50(重量比)を用いて、50番手の紡績糸を製造し、実施例I−1と同様にブロード織物を得た。なお綿はあらかじめ原綿の段階で精練・漂白を行ったものを使用した。
【0037】
(実施例I−4)
バンブーレーヨン/綿=20/80(重量比)にした以外は実施例I−3と同様にブロード織物を得た。
【0038】
(実施例I−5)
芯にポリウレタンフィラメント、鞘にバンブーレーヨンを用い、ポリウレタン/バンブーレーヨン=6/94(重量比)となる2層構造糸を製造し、実施例I−1と同様にブロード織物を得た。
【0039】
実施例I−1〜I−5で得られた織物を、通常再生セルロース繊維を精練・漂白する際に使用するアルカリ剤を使用する条件で精練・漂白を行わずに、アルカリ剤を一切使用せずに、陰イオン界面活性剤0.5g/Lとセルロースを膨潤しない薬剤である35%過酸化水素水1g/Lを用いて界面活性剤処理・漂白を同時に行った。但し、アルカリ剤を使用しない条件では、綿繊維側の精練・漂白が不十分となるが、あらかじめ糸、綿の段階で精練・漂白を行っているため染色、仕上げにも全く問題がなかった。なお、本実施例で使用した陰イオン界面活性剤は、松本油脂製薬株式会社製SSK−25である。
【0040】
(比較例I−1)
実施例I−1で製造した織物を通常のレーヨンの精練・漂白工程(炭酸ナトリウムと陰イオン系界面活性剤を用い、95℃、60分)で処理した後、通常の方法で染色仕上げを行った。
【0041】
(比較例I−2)
市販品のレーヨン(ダイワボウレーヨン(株)製、商品名:コロナ)を実施例I−1のバンブーレーヨンの代わりに用いて織物を作成し、比較例I−1と同様の処理を行った。
【0042】
〔評価〕
実施例I−1〜I−5および比較例I−1〜I−2の織物を、通常の方法で染色仕上を行い、下記抗菌性試験およびかび増殖抑制試験を行った。結果を表1および表2に記載した。なお、染色仕上はすべて同浴で行った。
【0043】
〔抗菌性試験〕
1)試験方法:JIS L 1902(繊維製品の抗菌試験方法)に準じて行なった。
2)試験菌種:黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus ATCC 6538P)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae ATCC4352)、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)(Methicillin resistant Staphylococcus aureus IID1677)
3)判定基準:繊維製品新機能評価協議会の定める基準では、抗菌防臭加工繊維製品の場合は静菌活性値が2.2以上、制菌加工(一般用途)繊維製品の場合は、殺菌活性値が0以上であれば効果ありと判定される。
【0044】
また未洗濯と洗濯10回後について効果を確認した。洗濯方法はJIS L 0217 103法、洗剤はJAFET標準洗剤(繊維製品新機能評価協議会指定洗剤)を用いた。
結果を表1に示した。
【0045】
〔かび増殖抑制試験〕
1)試験方法:JIS L 1902法を準用してハローテストを行なった。
2)試験菌種:白癬菌(Trichophyton mentagrophytes IFO 6202)
3)判定基準:発育阻止帯の幅が0より大きければ効果ありと判断される。
結果を表2に示した。
【0046】
【表1】
Figure 0003556209
【0047】
【表2】
Figure 0003556209
【0048】
(実施例II−1)
バンブーレーヨンを100%用いて、50番手単糸の紡績糸を製造し、経糸144本/インチ、緯糸78本/インチのブロード織物を得た。得られた織物を通常の方法に従って糊抜きし、濃度1g/Lの非イオン界面活性剤水溶液のみを使用し、染色仕上げ加工織物を得た。処理速度は60m/分で行った。なお、本実施例で使用した非イオン界面活性剤は、松本油脂製薬株式会社製SSK−4である。
【0049】
(実施例II−2)
処理速度を40m/分にした以外は、実施例II−1と同様に加工を行った。
【0050】
(実施例II−3)
あらかじめ糸の段階で精練・漂白した50番手単糸の綿100%紡績糸を経糸に用い、緯糸に実施例II−1で製造したバンブーレーヨンの紡績糸を用い、実施例II−1と同様にブロード織物を得た。得られた織物は実施例II−1と同様に加工を行った
【0051】
(実施例II−4)
バンブーレーヨン/綿=50/50(重量比)を用いて、50番手の紡績糸を製造し、実施例II−1と同様にブロード織物を得た。なお綿はあらかじめ原綿の段階で精練・漂白を行ったものを使用した。得られた織物は実施例II−1と同様に加工を行った。
【0052】
(実施例II−5)
バンブーレーヨン/綿=20/80(重量比)にした以外は実施例II−1と同様にブロード織物を得た。なお綿はあらかじめ原綿の段階で精練・漂白を行ったものを使用した。得られた織物は実施例II−1と同様に加工を行った。
【0053】
(実施例II−6)
芯にポリウレタンフィラメント、鞘にバンブーレーヨンを用い、ポリウレタン/バンブーレーヨン=6/94(重量比)となる2層構造糸にした以外は、実施例II−1と同様にブロード織物を得た。なお綿はあらかじめ原綿の段階で精練・漂白を行ったものを使用した。得られた織物は実施例II−1と同様に加工を行った。
【0054】
(比較例II−1)
実施例II−1で製造した織物を通常の再生セルロース繊維の精練・漂白工程(炭酸ナトリウムと非イオン系界面活性剤)で加工を行い、精練・漂白速度は60m/分で行った。
【0055】
(比較例II−2)
実施例II−1で製造した織物の加工の処理速度を100m/分にした以外は、実施例II−1と同様の方法で加工を行った。
【0056】
(比較例II−3)
市販品のレーヨン(ダイワボウレーヨン(株)製 商品名:コロナ)を実施例II−1のバンブーレーヨンの代わりに用いて織物を作成し、比較例II−1と同様の処理を行った。
【0057】
実施例II−1〜II−6および比較例II−1〜II−3で得られた織物について、実施例I−1〜I−5および比較例II−1〜II−2と同じ抗菌性試験、増殖抑制試験を行い、本実施例においてはさらに下記ポリフェノール類の定量を行った。結果を下記表3〜5に記載した。
【0058】
〔ポリフェノール類の定量〕
総ポリフェノール量の測定は、フォリン−チオカルト試薬を用い、フォリン−チオカルト法により定量した。なお、標準品としては(+)−カテキンを用い、試料中のポリフェノール量をカテキン量に換算し、総ポリフェノール量として示した。
【0059】
1)試料調製
試料を所定量採取し、50%エタノール8mlを加え、30分間超音波抽出をし、10mlに定容した。この液を遠心分離し、上澄みを濾過した。
2)定量操作
ポリフェノール量が0.001〜0.1mg/mlになるように調整した試料溶液1ml、2倍希釈フォリン−チオカルト試薬0.5ml、0.4M炭酸ナトリウム水溶液5mlを共栓小試に取り、良く振り混ぜた後30℃で30分間反応させた。室温に冷却後、上澄みを660nmで吸光度を測定した。なお、対照としては、50%エタノール1mlを同様に処理したものを用いた。標準溶液としては、0.001〜0.1mg/mlの(+)−カテキン50%エタノール溶液1mlを同様に処理したものを用いた。
3)試験結果
表5に記載した。
【0060】
【表3】
Figure 0003556209
【0061】
【表4】
Figure 0003556209
【0062】
【表5】
Figure 0003556209
【0063】
(実施例III−1)
バンブーレーヨンを100%用いて50番手単糸の紡績糸を製造し、経糸144本/インチ、緯糸78本/インチのブロード織物を得た。得られた織物を通常の方法に従って糊抜きし、非イオン界面活性剤1g/Lを加え、90℃、処理速度60m/分で界面活性剤処理を行った。なお漂白は行わなかった。なお、本実施例で使用した非イオン界面活性剤は、松本油脂製薬株式会社製SSK−4である。
【0064】
(実施例III−2)
バンブーレーヨン/綿=50/50(重量比)を用いて50番手の紡績糸を製造し、実施例III−1と同様にブロード織物を得た。なお綿はあらかじめ原綿の段階で下晒しを行ったものを使用した。得られた織物は実施例III−1と同様に界面活性剤処理を行った。なお漂白は行わなかった。
【0065】
(比較例III−1)
実施例III−1で製造した織物の精練を行う際の処理速度を100m/分にした以外は、実施例III−1と同様に界面活性剤処理を行った。なお漂白は行わなかった。
【0066】
(比較例III−2)
実施例III−1で製造した織物を通常の方法に従って糊抜きし、非イオン界面活性剤1g/L、苛性ソーダ1g/L、ケイ酸ナトリウム3g/L、35%過酸化水素10g/Lを加え、90℃、処理速度60m/分で精練・漂白を同時に行った。
【0067】
(比較例III−3)
市販品のレーヨン(ダイワボウレーヨン(株)製 商品名:コロナ)を実施例1のバンブーレーヨンの代わりに用いて織物を作成し、比較例III−2と同様の処理を行った。
【0068】
〔染色性試験〕
実施例III−1、III−2および比較例III−1〜III−3の織物をコールドパッドバッチ法、すなわち織物を染色液に浸漬し、パディングした後25℃で24時間放置して染色を行った。染料はSumifix Supra Yellow 3RF(60%)を3%、Sumifix Supra Red 3BF(40%)を2%、Sumifix Blue KPを5.5%使用し、炭酸ナトリウム20g/L、無水硫酸ナトリウム30g/Lを用いた。染色後、倉敷紡績株式会社製AUCOLOR 7NFで測色を行い、L値、a値、b値を求めた。また比較例III−3を基準として実施例III−1、III−2及び比較例III−1、III−2との色差(ΔE値)を求めた。なお色差(ΔE値)は次式で算出した。結果を表6に示す。
【0069】
ΔE ab=[(ΔL+(Δa+(Δb1/2
ΔL =L −L
Δa =a −a
Δb =b −b
【0070】
表6から明らかなように、いずれのL値、a値、b値も大きな変化がなく、ΔE ab値に関しても、色差程度が極めて僅かに異なる範囲の0〜0.5以下であった。また光学的測定結果は目視による結果と一致する。このことは、竹パルプ再生セルロース繊維が、従来の精練・漂白工程を経たと同程度の精練・漂白が達成されていることを示している。
【0071】
【表6】
Figure 0003556209
【0072】
〔抗菌性試験〕
実施例III−1、III−2および比較例III−1〜III−3の織物について染色を行った後に、上記した抗菌試験を行った。結果を下記表7に示した。
【0073】
【表7】
Figure 0003556209
【0074】
【発明の効果】
本発明は、竹が本来有する抗菌および防かび性を維持保有する、竹パルプ再生セルロース繊維、その繊維製品ならびにその製造方法を提供した。

Claims (5)

  1. 竹パルプを原料とする再生セルロース繊維を含有する繊維製品(該繊維製品は、不織布、糸、織物、編物または縫製品である)であって、該再生セルロース繊維が、界面活性剤を主要成分とする水溶液で処理されており、総ポリフェノール類量を繊維1gあたり0.1mg以上含むことを特徴とする、抗菌および防かび性を有する繊維製品。
  2. 再生セルロース繊維が、界面活性剤を主要成分とする濃度0.5g/L〜2.0g/L水溶液で処理されることを特徴とする、請求項に記載の繊維製品。
  3. 界面活性剤が、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、またはポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤である、請求項または請求項に記載の繊維製品。
  4. 竹パルプを原料とする再生セルロース繊維を、界面活性剤を主要成分とする水溶液で処理することを特徴とする、抗菌および防かび性を有する再生セルロース繊維の製造方法。
  5. さらに漂白工程を含む、請求項記載の製造方法。
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