JP3555712B2 - 排ガス浄化用触媒及びその製造方法 - Google Patents

排ガス浄化用触媒及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関などから排出される排ガスを浄化する排ガス浄化用触媒及びその製造方法に関し、詳しくはNO等の排ガスを浄化するための排ガス浄化用触媒及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関から排出される排ガス中には、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NO)等の有害な物質が含まれている。このうちNOの浄化方法として、触媒作用によって排気ガス中に同時に含まれる炭化水素(HC)でNOを還元し、無害な窒素分子(N)にする方法や、あるいは、排ガス中に炭化水素を添加して、その炭化水素によりNOを還元し浄化する方法がある。このような還元反応を促す触媒としては、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)等の貴金属が知られており、こうした貴金属を担体に担持させて構成される排ガス浄化用触媒が排ガスの浄化に使用されている。
【0003】
従来、このような貴金属を担体に担持させて構成される排ガス浄化用触媒の製造方法としては、アルミナ、シリカゲル、ゼオライト、セピオライト等の高比表面積担体に貴金属を含む塩の水溶液を接触させ、その後、塩が分解するのに必要な温度で熱処理する方法がとられていた。このうち、セピオライト担体にパラジウムを担持した後、これらを炭化水素を含まない酸化雰囲気において400〜700℃の温度で熱処理して排ガス浄化用触媒を製造する方法(特開平6−376号公報)や、アルミナ担体に白金を担持した後700〜1000℃で熱処理する方法(特公昭62−56783号公報)が提案されている。
【0004】
しかし、酸素が多く含まれる排ガスにおいては、これらの方法によって製造された排ガス浄化用触媒では、その排ガス中に含まれるNOの浄化効率が低い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで上記のような酸素過剰下でのNOの選択的還元反応等の排ガス浄化反応に対し、十分な活性を有する排ガス浄化用触媒として、層状シリカ多孔体あるいは層状シリカ−金属酸化物多孔体よりなる担体に白金を担持し、350℃で熱処理した後、炭化水素と空気とで構成され炭化水素に対する空気の空燃比が18以下である雰囲気中で500℃以上の温度で熱処理する方法(特開平6−63400号公報)が開示されている。しかし、この方法で製造された排ガス浄化用触媒は酸素過剰下にある排ガスにおいて高いNOの浄化作用を有するが、まだ十分とはいえない。なお、空燃比とは、空気の体積と気化したガソリンの体積比をいう。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、内燃機関などから排出される排ガスを浄化し、特に酸素過剰下において、さらに高いNOの浄化作用を有する排ガス浄化用触媒およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、従来技術によって製造された排ガス浄化用触媒においては担体上に担持された貴金属は粒径が30nm以上に粒成長していること、そして特開平6−63400号公報に示されている排ガス浄化用触媒においては貴金属が10nm以上の粒径に粒成長していないことに着眼し、貴金属の粒径が10〜30nmである時、酸素過剰下でのNOの選択的還元反応等の排ガス浄化反応に対して活性が高いことを見出し、また、中心細孔直径が1〜10nmの範囲内にあって、全細孔の60%以上の細孔が該中心細孔直径の±5nmの範囲内の直径を有する担体を用いると、貴金属の平均粒径が10〜30nmの範囲内になるように粒成長を制御できることを発見し、本発明に至ったのである。
【0008】
すなわち、本発明は、多孔質の担体と、該担体に担持された貴金属とよりなる排ガス浄化用触媒であって、該担体は、中心細孔直径が1〜10nmの範囲内にあって、全細孔の60%以上の細孔が該中心細孔直径の±5nmの範囲内の直径を有する層状シリカ多孔体あるいは層状シリカ−金属酸化物多孔体であり、かつ該貴金属は平均粒径が10〜30nmの範囲内にある金属粒子であることを特徴とする排ガス浄化用触媒である。またもう一つの本発明は、中心細孔直径が1〜10nmの範囲内にあって、全細孔の60%以上の細孔が該中心細孔直径の±5nmの範囲内の直径を有する層状シリカ多孔体あるいは層状シリカ−金属酸化物多孔体からなる担体に貴金属を担持させる担持工程と、貴金属が担持された該担体を、酸素・燃料比が4以上である混合気体の雰囲気、又は炭化水素を含まず酸素を含む雰囲気中で600〜1000℃に加熱する加熱工程と、からなることを特徴とする排ガス浄化用触媒の製造方法である。なお、酸素・燃料比とは、酸素ガスの体積と気化したガソリンの体積比をいう。
【0009】
【発明の実施の形態】
担体としては、層状シリカ多孔体あるいは層状シリカ−金属酸化物多孔体を使用する。なお、層状シリカ多孔体とは、骨格がシリカよりなる層状物を原料として、この層状物を多孔体としたものである。また、層状シリカ−金属酸化物多孔体とは、前記の層状シリカ多孔体にアルミニウム等の金属の酸化物を担持したものである。この層状シリカ多孔体は、例えば、以下の製造方法により製造することができる。
【0010】
先ず、珪酸ソーダ等の珪酸塩を焼成してカネマイト等の層状珪酸塩を形成する。この層状珪酸塩に界面活性剤を添加し、この界面活性剤を層状珪酸塩の層間に導入すると共に、界面活性剤が導入された部分以外で隣合う層状珪酸塩どうしを結合させる。この結合は、隣合う層状珪酸塩中のシラール(Si−OH)どうしが脱水縮合し、シロキサン結合(Si−O−Si)が形成されることにより生じる。この結合により、全体として3次元ハニカム状となる。この3次元ハニカム状の層状珪酸塩を焼成することにより、導入された界面活性剤が除去されて細孔が形成される。このとき、添加する界面活性剤の大きさを変化させることにより、形成される細孔の直径を調整することができる。
【0011】
貴金属はPt、Rh、Pd、Irから選ばれる少なくとも1種の貴金属であることが望ましい。なお、貴金属にはAl、Mg、Tiから選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物が添加されることが望ましい。
担体に貴金属を担持させる方法としては、貴金属を含む溶液中に担体を浸漬することにより担体中に貴金属を含む溶液を含浸させ、加熱等により水分等の溶媒を蒸発させて担体中に貴金属を吸着させる方法が望ましい。このとき貴金属は塩の形態で溶媒中に溶かすこともでき、貴金属の塩は、該貴金属の塩の熱分解温度以上で加熱することによって分解し、単体金属として貴金属が担体に担持される。なお、貴金属を含む溶液は酸性、中性、アルカリ性のいずれでもよい。また、溶液の溶媒を蒸発させるための加熱は110℃が望ましい。この方法によれば貴金属の担持量を、貴金属を含む溶液の濃度の調整によって行うことができ、貴金属の担持量を制御しやすいため好ましい。
【0012】
前記の様に担体に貴金属を担持した後、酸素・燃料比が4以上である混合気体の雰囲気、又は炭化水素を含まず酸素を含む雰囲気中で貴金属が担持された担体を加熱することが望ましい。このとき、炭化水素を含まず空気(酸素20%含有)のみを含む雰囲気、すなわち大気中で加熱することもでき、あるいはまた、酸素が100%含まれる雰囲気中で加熱することもできる。こうした熱処理条件下において貴金属の粒成長が促進され、貴金属の平均粒径を10〜30nmの範囲内とすることができる。これは、酸素の働きにより貴金属の結晶粒間の結合を促進しているためであると考えられる。なお、酸素・燃料比が4以下である混合気体の雰囲気、又は酸素を含まない雰囲気中で加熱すると、貴金属の粒成長が促進されず、貴金属の平均粒径を10〜30nmの範囲内とすることはできない。
【0013】
【作用】
本発明の排ガス浄化用触媒によって、排ガス中に含まれるNOX が排気ガス中に同時に含まれる炭化水素(HC)で還元され、無害な窒素分子(N2 )になる。また、本発明の排ガス浄化用触媒の製造方法によって、酸素・燃料比が4以上である混合気体の雰囲気、又は炭化水素を含まず酸素を含む雰囲気中では、中心細孔直径が1〜10nmの範囲内にあって全細孔の60%以上の細孔が該中心細孔直径の±5nmの範囲内の直径を有する層状シリカ多孔体あるいは層状シリカ−金属酸化物多孔体からなる担体においては、貴金属が担体に担持された状態で600〜1000℃で加熱することで平均粒径が10〜30nmの範囲内に粒径の成長を制御することができる。これは、酸素・燃料比が4以上である混合気体の雰囲気、又は炭化水素を含まず酸素を含む雰囲気中では貴金属の微粒子が部分的に酸化され、粒子径が成長しやすい状態となり、また中心細孔直径が1〜10nmの範囲内にあって中心細孔直径の±5nmの範囲内にある直径の細孔が全細孔の60%以上ある担体においては、細孔によって形成される担体表面の凹凸の周期が規則的となり、粒子径が制御されやすくなるためである。そして600〜1000℃の加熱によって、担体に担持された貴金属が粒成長する。このとき、貴金属が塩の形態で担体に担持された場合も、塩の熱分解を経て単体貴金属の形態で粒成長する。
【0014】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
(担体の形成)
珪酸ソーダ粉末(SiO/NaO=2.00;日本化学工業製)を空気中において700℃で6時間焼成した。そして、得られた焼成珪酸ソーダ粉末のうち50gを粒径1mm以下に粉砕した後、500mlの水に分散させ、室温で3時間攪拌した。その後、ブフナーロートを用いて固形分を濾別し、層状珪酸塩の一種であるカネマイト(NaHSi・3HO)を得た。
【0015】
次に、0.1モルのヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド(C1633N(CHCl)、あるいはドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド(C1225N(CHBr)を1000mlの水に溶解させることにより調整したアルキルトリメチルアンモニウム(C2n+1(CH)水溶液に、乾燥せずに湿った状態のままの上記カネマイトを分散させた。そして、これらの2種類の分散液をそれぞれ2000ml容器のフラスコに入れ、攪拌モーターで攪拌しながらオイルバス中において70℃で3時間加熱し、2Nの塩酸水溶液を滴下して分散液のpHをゆっくり8.5に調整してさらに攪拌しながら70℃で3時間加熱した。加熱後、分散液を室温まで冷却し、固形生成物を濾別した。得られた固形生成物を1000mlのイオン交換水で合計5回洗浄した後、乾燥して粉末を得た。これらの粉末を空気中で550℃中において6時間焼成し、2種類の層状シリカ多孔体を得た。これらの多孔体はアルキル鎖長がn=12のものをFSM−23とし、n=16のものをFSM−28とした。
【0016】
また、前記と同様の方法で焼成珪酸ソーダ粉末から湿潤カネマイトを調整し、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド0.1モルを1000mlの水に溶解させ、0.2モルのメシチレン(1,3,5−トリメチルベンゼン)を添加したものと、0.8モルのメシチレンを添加した水溶液をそれぞれ調整した。そして、これらの水溶液中に湿潤カネマイトを分散させ、FSM−23あるいはFSM−28を形成した時と同様の方法で分散液を加熱、乾燥し粉末を得た。これらの粉末を空気中において550℃で6時間焼成し、2種類の層状シリカ多孔体を得た。これらの多孔体はメシチレン0.2モルを添加させたものをFSM−48とし、メシチレン0.8モルを添加させたものをFSM−55とした。
(多孔体の結晶構造の測定)
前記得られたFSM−23、FSM−28、FSM−48、FSM−55について、理学電子RAD−B装置を用いて、Cu−Kαを線源としてX線回折を行った。なお、線源のスリットは、RS1.0mm、SS1.0mm、S0.3mmとした。FSM−23、FSM−28、FSM−48について得られたX線回折(XRD)パターンをそれぞれ図1〜3に示す。
【0017】
図1と図2より、FSM−23とFSM−28においては、六方構造を示すピークが見られた。しかし、図3より、FSM−48においては、六方構造を示すピークは見られなかった。また、図示しないが、FSM−55ついても六方構造を示すピークは見られなかった。これらの結果より、FSM−23とFSM−28は結晶性が高いことがわかった。
【0018】
また、FSM−48、FSM−55について、線源のスリットを更に狭くして前記同様にX線回折を行ったところ、得られたXRDパターンにおいて六方構造を示すピークが検出された。このことより、FSM−48、FSM−55も結晶性が高いことがわかった。
(細孔径分布の測定)
本実施例で形成された多孔体中に分布する細孔の径は、多孔体に窒素を吸着させる窒素吸着法により測定した。この方法は、まず多孔体に窒素を吸着させ、その吸着量を測定して窒素吸着等温線を表す図を作成し、この図からCranston−Inclay法により細孔容積(V)を細孔直径(D)で微分した値(dV/dD)を計算して多孔体中の細孔径分布を求める方法である。本窒素吸着測定は定容量法によって行い、約50mgの多孔体試料を測定装置のサンプル管に計り取り、管内の多孔体試料を130℃で加熱しながら真空度が10−3Torrになるまで管内を1時間真空引きし、多孔体中に分布する細孔内の空気を脱気した後、サンプル管を液体窒素に浸して窒素の吸着測定を行った。なお本測定装置は絶対圧型トランスデューサー(日本エムケーエス(株)製Baraton127AA)およびコントロールバルブ(日本エムケーエス(株)製248A)を装着した真空ラインを用いた。この窒素吸着測定の結果より、細孔容積(V;cc/g)を細孔直径(D;Å)で微分した値(dV/dD;cc/gÅ)を計算し、多孔体中にある細孔の細孔直径の分布を示す細孔分布曲線を作成した。本実施例で形成した4種類の層状シリカ多孔体(FSM−23、FSM−28、FSM−48、FSM−55)の細孔分布曲線を図4〜7に示す。また、本実施例の比較例としてシリカゲル多孔体(540GM)およびアルミナ多孔体(γ−アルミナ)の細孔分布曲線を図8および図9に示す。これらの図より、それぞれの多孔体の中心細孔直径を求め、また、その±5nmの細孔直径を計算し、±5nm細孔範囲として中心細孔直径の±5nmの範囲内にある細孔直径範囲を求めた。また、中心細孔直径の±5nmの範囲内にある細孔直径の細孔容量の全細孔容量に対する比率を±5nm細孔率として細孔分布曲線の積分曲線から求めた。本実施例で形成された多孔体の中心細孔直径、±5nm細孔範囲および±5nm細孔率を、比較例のシリカゲル多孔体(540GM)およびアルミナ多孔体(γ−アルミナ)で求められた値とともに表1に示す。
【0019】
【表1】
Figure 0003555712
表1により、本実施例により形成した層状シリカ多孔体は中心細孔直径が1〜10nmの範囲にあり、その±5nm細孔率は60%以上であるのに対し、シリカゲル多孔体(540GM)およびアルミナ多孔体(γ−アルミナ)の±5nm細孔率は60%以下であることから、本実施例により形成した層状シリカ多孔体中には、比較例のシリカゲル多孔体およびアルミナ多孔体に比べ、細孔直径1〜10nmの微細な細孔が均一に分布していることがわかる。
(Pt粒子の形成)
中心細孔直径が2.8nmである120gの層状シリカ多孔体(FSM−28)を、120gのFSM−28に対してPtが2g担持されるようにジニトロジアンミン白金水溶液(4.526重量%Pt含有;田中貴金属工業製)44.19gを希釈した水溶液に浸し、ホットスターラーで加熱攪拌しながら水溶液中の水分を蒸発させ、110℃の真空乾燥器で10時間乾燥させた。これを最高1200℃の温度で加熱できる加熱炉の炉内に設置した。そして、大気中で乾燥させた多孔体を室温から所定の温度(以下、前処理温度と称する)まで2時間かけて昇温し、さらに前処理温度を2時間保持して加熱を行い排ガス浄化用触媒(Pt/FSM)を形成した。この加熱によってジニトロジアンミン白金は熱分解し、Ptが多孔体表面の細孔上で粒成長して、Pt粒子が形成された。
【0020】
得られた排ガス浄化用触媒は粉末X線回折法によってX線回折を行った。得られたX線回折パターンから、Pt結晶の(111)面の回折による2θ=39.8°における回折ピークの半値幅を求め、数1に従って多孔体表面のPtの平均粒径を求めた。数1においてLとBはそれぞれPt粒径(Å)と半値幅(deg.)を示す。X線回折パターンは理学電子RAD−B装置を用い、Cu−Kαを線源として測定した。
【0021】
【数1】
Figure 0003555712
層状シリカ多孔体にジニトロジアンミン白金水溶液を含浸させ、これを乾燥した後、大気中でそれぞれ500℃、600℃、700℃、800℃、900℃、1000℃の前処理温度で加熱して形成された6種の排ガス浄化用触媒のPtの平均粒径および比表面積を表2に示す。
【0022】
【表2】
Figure 0003555712
※はX線回折を用いた粒径測定法によってPtの粒径が求められなかったので、CO吸着法で求めた値を用いた。
【0023】
表2より、加熱における前処理温度を600〜1000℃の範囲内で採用した場合、層状シリカ多孔体上に形成されるPt粒子の平均粒径は10〜30nmの範囲内にあることがわかる。また、比表面積は高比表面積を保ったままであり、担体の構造が変化していないことが確認される。
さらに、シリカゲル多孔体およびアルミナ多孔体を担体として、それぞれの担体にジニトロジアンミン白金水溶液を含浸させ、これらを乾燥した後、大気中で所定の前処理温度で2時間加熱して2種類の排ガス浄化用触媒(Pt/SiO、Pt/Al)を形成した。このとき、所定の前処理温度を500〜1000℃の範囲内から採用し、得られた各排ガス浄化用触媒のPt粒子の平均粒径を調べた結果を、前記Pt/FSMのPt粒子の平均粒径とあわせて図10に示す。図10より、前処理温度を600〜1000℃の範囲内から採用した場合、Pt/FSMが最も10〜30nmのPt粒子を形成しやすいことがわかる。
(排ガスの浄化試験)
本実施例で得られた排ガス浄化用触媒を用いて、酸素過剰下にあってNOおよびHCを含む混合気体のNOの浄化試験を行い、各排ガス浄化用触媒の最大NO浄化率(%)を調べた。
【0024】
中心細孔直径2.8nmの層状シリカ多孔体(FSM−28)を担体とし、ジニトロジアンミン白金水溶液を含浸させ、これを乾燥した後、大気中で9通りの前処理温度で加熱してPt粒子を形成し、Pt粒子の平均粒径が異なる9種の排ガス浄化用触媒を得た。これらの排ガス浄化用触媒を用いて排ガス浄化試験を行い、Pt粒子の平均粒径が異なる各排ガス浄化用触媒の最大NO浄化率を調べ、Pt粒子の平均粒径による排ガス浄化用触媒のNOの浄化効果の違いを明らかにした。その結果を図11に示す。図11より、Pt粒子の平均粒径が10〜30nmの範囲内にある時、高いNOの浄化効果を有することがわかる。この結果より、粒径が10〜30nmの範囲内にあるPt粒子は高いNOの浄化活性を有していることがわかる。
【0025】
中心細孔直径2.8nmの層状シリカ多孔体(FSM−28)、およびFSM−28に4重量%のアルミナ(Al)を担持させたもの(Al/FSM−28)、シリカゲル多孔体(540GM)をそれぞれ担体として、これらの担体にジニトロジアンミン白金水溶液を含浸させ、これらを乾燥した後、大気中で所定の前処理温度で2時間加熱して3種類の排ガス浄化用触媒(Pt/FSM、Pt/Al/FSM、Pt/540GM)を形成した。このとき、所定の前処理温度を500〜1000℃の範囲内から採用し、得られた各排ガス浄化用触媒の最大NO浄化率を調べた結果を図12に示す。図12より、600℃を越える前処理温度によって加熱された場合においては、Pt/FSMおよびPt/Al/FSMはPt/540GMよりも高い最大NO浄化率を有することがわかる。この結果より、Pt/FSMがPt/540GMより排ガス浄化用触媒として優れていることがわかる。また、Al/FSMにPtを担持したPt/Al/FSMもPt/540GMより優れていることがわかる。
【0026】
中心細孔直径が2.3nmの層状シリカ多孔体(FSM−23)、2.8nmの層状シリカ多孔体(FSM−28)、および4.8nmの層状シリカ多孔体(FSM−48)を担体として、それぞれの担体にジニトロジアンミン白金水溶液を含浸させ、これらを乾燥した後、大気中で600℃で2時間加熱して3種類の排ガス浄化用触媒を形成した。得られた各排ガス浄化用触媒の最大NO浄化率を調べた結果を図13に示す。図13より、どの排ガス浄化用触媒も高い最大NO浄化率を有することがわかる。この結果より、中心細孔直径が1〜10nmの範囲内であって微細な細孔直径の細孔が均一に分布する多孔体を担体として用いた排ガス浄化用触媒は、高いNO浄化活性を有することがわかる。
【0027】
【発明の効果】
本発明の排ガス浄化用触媒によって排ガス中の有害物質、とりわけNOを浄化することができる。また、本発明の排ガス浄化用触媒の製造方法によってNOに対して高い浄化活性を有する貴金属粒子を均一に担体上に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は、層状シリカ多孔体(FSM−23)のX線回折パターンを示した図である。
【図2】この図は、層状シリカ多孔体(FSM−28)のX線回折パターンを示した図である。
【図3】この図は、層状シリカ多孔体(FSM−48)のX線回折パターンを示した図である。
【図4】この図は、層状シリカ多孔体(FSM−23)の細孔直径の分布を示した細孔分布曲線である。
【図5】この図は、層状シリカ多孔体(FSM−28)の細孔直径の分布を示した細孔分布曲線である。
【図6】この図は、層状シリカ多孔体(FSM−48)の細孔直径の分布を示した細孔分布曲線である。
【図7】この図は、層状シリカ多孔体(FSM−55)の細孔直径の分布を示した細孔分布曲線である。
【図8】この図は、シリカゲル多孔体(540GM)の細孔直径の分布を示した細孔分布曲線である。
【図9】この図は、アルミナ多孔体(γ−アルミナ)の細孔直径の分布を示した細孔分布曲線である。
【図10】この図は、層状シリカ多孔体、シリカゲル多孔体およびアルミナ多孔体を担体として白金を担持させ加熱して得られた排ガス浄化用触媒の白金粒径を、加熱における前処理温度に対して示した図である。
【図11】この図は、層状シリカ多孔体(FSM−28)を担体として白金を担持させ加熱して得られた排ガス浄化用触媒の最大NO浄化率を、排ガス浄化用触媒に形成された白金粒子の平均粒径に対して示した図である。
【図12】この図は、層状シリカ多孔体およびシリカゲル多孔体を担体として白金を担持させ加熱して得られた排ガス浄化用触媒の最大NO浄化率を、加熱における前処理温度に対して示した図である。
【図13】この図は、中心細孔直径の異なる層状シリカ多孔体を担体として白金を担持させ加熱して得られた各排ガス浄化用触媒の最大NO浄化率を、層状シリカ多孔体の中心細孔直径に対して示した図である。

Claims (6)

  1. 多孔質の担体と、該担体に担持された貴金属とよりなる排ガス浄化用触媒であって、
    該担体は、該担体が有する細孔の直径のうち最も数の多い細孔直径(以下、中心細孔直径と称する)が1〜10nmの範囲内にあって、全細孔の60%以上の細孔が該中心細孔直径の±5nmの範囲内の直径を有する層状シリカ多孔体あるいは層状シリカ−金属酸化物多孔体であり、かつ該貴金属は平均粒径が10〜30nmの範囲内にある金属粒子であることを特徴とする排ガス浄化用触媒。
  2. 前記貴金属はPt、Rh、Pd、Irから選ばれる少なくとも1種の貴金属である請求項1記載の排ガス浄化用触媒。
  3. 前記貴金属にはAl、Mg、Tiから選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物が添加されている請求項1記載の排ガス浄化用触媒。
  4. 中心細孔直径が1〜10nmの範囲内にあって、全細孔の60%以上の細孔が該中心細孔直径の±5nmの範囲内の直径を有する層状シリカ多孔体あるいは層状シリカ−金属酸化物多孔体からなる担体に貴金属を担持させる担持工程と、
    貴金属が担持された該担体を、酸素・燃料比が4以上である混合気体の雰囲気、又は炭化水素を含まず酸素を含む雰囲気中で600〜1000℃に加熱する加熱工程と、
    からなることを特徴とする排ガス浄化用触媒の製造方法。
  5. 前記貴金属はPt、Rh、Pd、Irから選ばれる少なくとも1種の貴金属である請求項記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
  6. 前記貴金属にはAl、Mg、Tiから選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物が添加されている請求項記載の排ガス浄化用触媒の製造方法。
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