JP3555404B2 - 車両用ハイブリッドコンプレッサの制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、2つの動力源により選択的にコンプレッサを駆動する車両用ハイブリッドコンプレッサの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、車両ではエンジンによって、車両用空調装置のコンプレッサが駆動されている。従って、エンジンを停止すると、コンプレッサが停止して車室内の空調が行えなくなる。そして、この場合、エンジンが停止したときには、電動モータにてコンプレッサを駆動することで、車室内の空調を継続させるものが考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来装置では以下のような問題がある。上記のものでは、電動モータにてコンプレッサをエンジンと同等に駆動しようとすると、例えば、夏場等に急速に車室内を冷却するといった冷房負荷が非常に大きいときには、コンプレッサを駆動する駆動力が大きいので、これに応じた大きな駆動力を持った大型の電動モータを使用しなければならない。これにより、電動モータの車両への搭載性が悪化するという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、電動モータの体格を小さくし、コンプレッサの車両搭載性を向上させることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
請求項1ないし6記載の発明では、冷凍サイクル(5)での必要冷却能力が所定の必要能力より小さいか否かを判定する判定手段(S90)を有し、判定手段(S90)により、必要冷却能力が所定の必要能力より大きいときには、エンジン(1)にてコンプレッサ(1)を駆動し、判定手段(S90)により、必要冷却能力が所定の必要能力より小さいときには、電動モータ(9)にてコンプレッサ(1)を駆動することを特徴としている。
【0006】
これにより、電動モータでコンプレッサを駆動するときには、必要冷却能力が所定の必要能力より小さいときとなり、この際冷凍サイクルでの冷媒循環量は小さいので、コンプレッサを駆動するための駆動力が小さくなる。従って、この際は駆動力の小さい電動モータにてコンプレッサを駆動できる。
一方、必要冷却能力が所定の必要能力より大きいときには、冷凍サイクルでの冷媒循環量が大きくなって、コンプレッサの駆動するための駆動力が大きくなる。従って、この場合はエンジンを停止させるときであっても、駆動力が大きいエンジンにてコンプレッサを駆動する。
【0007】
この結果、小型の電動モータにてコンプレッサを駆動することができ、電動モータの車両への搭載性を向上できる。
また、特に請求項3記載の発明では、容量制御手段(4a、15)にて制御される容量が所定の容量より小さいときには、電動モータ(9)にて前記コンプレッサ(4)を駆動し、容量が前記所定の容量より大きいときには、エンジン(1)にて前記コンプレッサ(4)を制御することを特徴としている。
【0008】
これにより、コンプレッサの容量が所定の容量より小さいときは、コンプレッサの駆動するための駆動力は小さくて済むので、この際は電動モータにてコンプレッサを駆動する。一方、コンプレッサの容量が所定の容量より大きいときは、コンプレッサの駆動するための駆動力は大きいので、この際はエンジンにてコンプレッサを駆動する。
【0009】
これにより、コンプレッサを固定容量タイプのものとした場合より電動モータの体格を小さくできる。この結果、さらに電動モータの車両搭載性を向上できる。
また、請求項4記載の発明では、容量制御手段(4a、15)は、電動モータ(9)を起動する前に、コンプレッサ(4)の容量を所定値より小さい低容量状態とすることを特徴としている。
【0010】
これにより、電動モータを起動する前にコンプレッサを駆動するときに、コンプレッサの容量を所定値より小さい低容量状態とするので、コンプレッサを駆動するための駆動力は、容量が大きなときより小さくなる。従って、電動モータにてコンプレッサを駆動するときに、大きな駆動力を持つ大きな電動モータを使用しなくとも、小型の電動モータにて十分コンプレッサを駆動できる。この結果、さらに電動モータの体格を小さくでき、電動モータの車両搭載性を格段に向上できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態を図1〜図4を用いて説明する。なお、本実施形態ではトラック等の荷物を搬出する車両に適用したものである。また、本実施形態におけるトラックは、エンジンを駆動したまま荷物を搬出することを防止するために、車両が停止するとエンジンを停止するようになっている。
【0012】
図1は、本実施形態における車両用ハイブリッドコンプレッサの駆動装置の全体システム図である。
1は、車両に搭載された走行駆動源であるエンジンである。エンジン1の出力軸には、駆動プーリ2が設けられており、この駆動プーリ2は、エンジン1の駆動と連動して回転するようになっている。3は動力断続手段としての周知の電磁クラッチであり、4は車両の冷凍サイクル5の構成部品であるコンプレッサである。コンプレッサ4は、エンジン1以外に車両に搭載された電動モータ9(直流モータ)にて駆動されるようになっている。電動モータ9は、図示しない車載バッテリから電力が供給されて駆動する。そして、コンプレッサ4は、その動力源が電磁クラッチ3によって、上記エンジン1もしくは電動モータ9のいずれか一方に選択されるようになっている。
【0013】
コンプレッサ4の駆動軸にはプーリ6が設けられている。そして、このプーリ6と上記電磁クラッチ3の回転軸とは、同軸上に配置されている。駆動プーリ2と電磁クラッチ3には、動力伝達部材であるベルト7が巻架されている。これにより、電磁クラッチ3に通電(オン)が施されて、プーリ6を介してコンプレッサ4と連結されているときは、エンジン1によってコンプレッサ4が駆動される。
【0014】
そして、上記コンプレッサ4は、エンジン1以外に車両に搭載された電動モータ9(直流モータ)にて駆動されるようになっている。電動モータ9は、図示しない車載バッテリから電力が供給されて駆動する。電動モータ9の出力軸には、駆動プーリ10が設けられており、この駆動プーリ10と上記プーリ6には、動力伝達部材であるベルト8が巻架されている。つまり、本実施形態では、エンジン1停止時に、電動モータ9にてコンプレッサ4を駆動するときには、電磁クラッチ4への通電を遮断(オフ)して、エンジン1とコンプレッサ4との連結を遮断しておき、その後、電動モータ9を駆動してコンプレッサ4を駆動する。
【0015】
ここで、上記冷凍サイクル5について簡単に説明する。
先ず、上記コンプレッサ4は、本実施形態では外部から任意に吐出容量を可変できる外部可変容量コンプレッサにて構成している。具体的には、本実施形態ではコンプレッサ4は、斜板式の外部可変容量コンプレッサで、図示しないクランク室内の圧力Psを制御することで、斜板角度を変化させ、吐出容量を可変する電磁式制御弁機構4aを有するものである。
【0016】
冷凍サイクル5は、上記コンプレッサ4の他に、コンプレッサ4にて圧縮された冷媒を、凝縮液化させる凝縮器11、凝縮液化された冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離する受液器12、受液器12からの液相冷媒を膨張減圧させる膨張弁13、膨張された冷媒を蒸発気化させる蒸発器14とからなる周知のものである。
【0017】
蒸発器14は、車両の室内(キャビン)を空調する車両用空調装置100の冷却用熱交換器を構成するものである。車両用空調装置100は、周知のものであって簡単に説明すると、車室内への空気通路をなす空調ケース101を有する。空調ケース101内には、空調用送風ファン102と、上記蒸発器14とが収納配置されている。また、蒸発器14の下流側にはエンジン冷却水を熱源とする周知のヒータコア103や、空調風の温度を調整する周知のエアミックスドア104等が設けられている。
【0018】
そして、上述の電磁クラッチ3、コンプレッサ4、および電動モータ9は、周知のコンピュータ手段である制御装置15(以下、ECU)にて制御されるようになっている。
ECU15は、車両の走行を可能とするスイッチ手段であるイグニッションスイッチ16がオンされると、図示しない車載バッテリから電力が供給されるようになっている。
【0019】
ECU15には、出力端子としてクラッチ制御回路17、モータ駆動回路18、および容量制御回路19が接続されている。そして、上記電磁クラッチ3は、ECU15により上記クラッチ制御回路17を通じて制御されるようになっている。上記電動モータ9は、ECU15により上記モータ駆動回路18を通じて制御されるようになっている。上記コンプレッサ4の電磁式制御弁機構4aは、ECU15により上記容量制御回路19を通じて制御されるようになっている。
【0020】
また、ECU15には、入力端子として車室外温度(外気温)を検出する手段である外気温センサ20、車室内温度(内気温)を検出する手段である内気温センサ21、車室内に入射する日射量を検出する手段である日射センサ22、車室内の設定温度を設定する温度設定器23が接続されている。
さらにECU15には、車速を検出する手段である車速センサ24、上記センサ20〜22、温度設定器23からの信号に基づいて車両用空調装置100を自動制御するエアコンスイッチ25、および蒸発器14を通過した直後の空気温度(蒸発器後温度)を検出する温度センサ26が接続されている。そして、本実施形態では、上記エアコンスイッチ25がオンされているときに、始めて上記コンプレッサ4や、上記空調送風ファン102が自動的に駆動制御されるようになっている。
【0021】
続いて、上記ECU15の制御内容について図2のフローチャートに基づき説明する。なお、このフローチャートは、上記イグニッションスイッチがオンされているときに実行される。
先ず、ステップS30では情報読み込みとして、上記センサ20〜22、24、25からの信号、および温度設定器23からの信号を読み込み記憶する。
【0022】
その後、ステップS40にて、上記エアコンスイッチ25がオンか否かを判定する。そして、エアコンスイッチ25がオフの場合は、車両用空調装置100を作動させて、車室内を空調する必要が無いので、ステップS50に進み、電動モータ9を停止、電磁クラッチ3をオフとする。これにより、コンプレッサ4は停止状態となる。
【0023】
一方、ステップS40にてエアコンスイッチ25がオンであると判定されると、ステップS60に進む。
そして、ステップS60では車速センサ24が検出する車速が0が否かが判定され、車速が0でないつまり車両走行中であると判定されると、ステップS70に進んで、上記電磁式制御弁機構4aにてコンプレッサ4の容量制御を行ったのち、ステップS70に進んで、エンジンを駆動状態とするとともに電磁クラッチ3をオンとして、コンプレッサ4を駆動する。
【0024】
ここで、ステップS70における容量制御を簡単に説明すると、先ず、上記外気温センサ20、上記内気温センサ21、日射センサ22、および温度設定器23からの信号に基づいて空調風の目標吹出温度TAOを算出する。そして、この目標吹出温度TAOに基づいて、蒸発器14を通過した直後の目標空気温度TEOを決定する。なお、この目標空気温度TEOは、図3に示すように上記目標吹出温度TAOが高くなるほど高くなるように決定される。
【0025】
そして、上記電磁式制御弁機構4aにて、温度センサ26が検出する温度が上記目標空気温度TEOとなるようにコンプレッサ4の容量が制御される。これにより、上記目標空気温度TEOが高くなるほど、コンプレッサの容量が大きくなる。このようにすることで、上記目標空気温度TEOは車室内の冷房負荷と考えられるので、冷房負荷が小さくなるとコンプレッサ4の吐出容量が小さくなって、エンジン1の負荷を低減させることができる。
【0026】
そして、本実施形態では、エンジン1を起動してコンプレッサ4を駆動する前に、先ずステップS70にて上記容量制御が行われてコンプレッサ4の容量が所定量に設定されたのち、ステップS80にてエンジン1が起動され、電磁クラッチ3がオンとなる。
一方、ステップS60にて車速が0と判定される場合、例えばトラックが目的地に到着して停止した場合、ステップS90にてクールダウン状態か否か、つまり車室内の冷房負荷(必要冷却能力)が所定値(所定の必要能力)より大きいか否かが判定される。
【0027】
ここで、本実施形態におけるステップS60の具体的な判定内容は、以下のようなものである。本実施形態では、例えば夏場のように外気温が非常に高くて、例えば外気温が30℃以上、かつ車室内の温度も高くて例えば30℃以上のときには、冷房負荷が所定値より大きいときである。言い換えると、コンプレッサ4の容量が設定可能な最大値と最低値との間の所定容量より大きいか否かを判定することでし、冷凍サイクル5の冷媒循環量が所定値より大きいか否かを判定している。なお、本実施形態でのコンプレッサ4は、容量を間接的にしか検出することができなく、上述のように外気温と内気温とによって容量を推定している。
【0028】
そして、車室内の冷房負荷が所定値より大きい場合は、車室内の冷房負荷に応じてステップS70、80と進んで、上記容量制御が行われる。
また、車室内の冷房負荷が所定値より小さい場合は、ステップS100に進んで、エンジン1が停止されるとともに、電磁クラッチ4もオフとなる。
このように本実施形態では、イグニッションスイッチ16がオンの状態で、トラックが例えば、荷物の運び先にて停車し車速が0となったときに冷房負荷が所定値より小さいと、自動的にエンジン1が停止される。例えば、トラックが目的地に到着して車両を停止して荷物を運びだすといった作業を行うときには、エンジン1を駆動させる必要が無い。そこで、本実施形態では車両が停止すると、必ずエンジン1が停止するので、上記作業中にエンジン1から排気ガスが排出されることも無く、大気を汚染することを防止できる。また、信号待ち等で車両が停止したときにも、同様にエンジン1が停止される。
【0029】
しかし、このようにエンジン1が停止されると、いままで駆動していたコンプレッサ4が停止するので、冷凍サイクル5には冷媒が循環せず車両用空調装置の冷却能力が0となって、車室内の空調を引き続き行うことができない。
そこで、本実施形態では、冷房負荷が所定値より小さいときには、電動モータ9を起動して、電動モータ9にてコンプレッサ4を駆動する。つまり、冷房負荷が所定値より小さいときには、コンプレッサ4の容量が上記所定容量より小さく、冷凍サイクル5での冷媒循環量が小さいので、コンプレッサ4を駆動するための駆動力は小さくなる。従って、この際は駆動力の小さい電動モータ9にてコンプレッサ4を駆動する。
【0030】
一方、ステップS50にてNOと判定されて冷房負荷が所定値より大きいときには、コンプレッサ4の容量も上記所定容量より大きくなるので、冷凍サイクル5での冷媒循環量が大きくなって、コンプレッサ4の駆動するための駆動力が大きくなる。従って、この場合は車両が停止しても駆動力が大きいエンジン1にて、コンプレッサ4を駆動する。
【0031】
このようにすることで、小型の電動モータ9にてコンプレッサを駆動することができ、電動モータ9の車両への搭載性を向上できる。
さらに本実施形態では、コンプレッサ4を外部可変容量タイプのものとし、冷房負荷が所定値より小さい、つまり容量が所定容量より小さいときに電動モータ9にてコンプレッサ4を駆動するので、コンプレッサ4を固定容量タイプのものとした場合より、コンプレッサ4を駆動する駆動力は小さくて済む。この結果、本実施形態では、コンプレッサ4を固定容量タイプのものとした場合より電動モータ9の体格を小さくできる。
【0032】
また、このように電動モータ9にてコンプレッサ4を駆動するのであるが、本実施形態では電動モータ9にてコンプレッサ4を駆動する前に、ステップS110のような低容量制御が行われる。
つまり、ステップS110では、強制的に電磁式制御弁機構4aにてコンプレッサ4の容量を設定可能な最低の吐出容量(低容量状態)としてから、電動モータ9を起動する。これにより、コンプレッサ4の容量が小さくなるので、コンプレッサ4の駆動するための駆動力は、容量が大きなときより小さくなる。
【0033】
従って、電動モータ9にてコンプレッサ4を駆動する際、大きな駆動力を持つ、大型な電動モータを使用しなくとも、十分コンプレッサ4を駆動できる。この結果、さらに電動モータ9の体格を小さくでき、電動モータ4の車両搭載性を格段に向上できる。
また、本実施形態では図示されていないが、一旦電動モータ9にてコンプレッサ4が駆動されると、再度エンジン1が駆動されるまでは、低容量状態が継続される。なお、この際、電動モータ9(コンプレッサ4)の回転数は一定である。
【0034】
これにより、冷凍サイクル5は、車室内を十分に冷却する必要冷却能力を発揮することができないにしても、車両の冷却をある程度継続することができる。
従って、例えば夏場にトラックが荷物を積み卸ししているとき等に、キャビンの温度上昇を低減でき、荷物積み卸し後、乗員に与える不快感を和らげることができる。
【0035】
そして、本実施形態では、ステップS130にて電動モータ9の駆動継続時間が所定時間T経過したか否かが判定され、所定時間T(例えば2分)経過したならば、ステップS140に進み、電動モータ9を停止する。これにより、電動モータ9によるバッテリ上がりを防止できる。
そして、電動モータ9にてコンプレッサ4が駆動されている状態で、再度エンジン1を駆動して車両走行を行う場合は、例えばイグニッションスイッチ16を一旦オフとし、再度イグニッションスイッチ16をオンとすることで、エンジン1が起動される。
【0036】
また、このようなエンジン1再起動時に、車速が0であると直ぐにエンジン1が停止してしまうので、一旦、イグニッションスイッチ16をオンすると所定時間は、車速が0であってもエンジン1を停止しないようにすると良い。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、電磁クラッチ3とプーリ6を別個に設けたが、本例では、電磁クラッチ3とプーリ6とを一体化したものである。また、本例では、コンプレッサ4を駆動する必要があるときには、電磁クラッチ3をオンとし、必要が無いときには電磁クラッチ3をオフとする。
【0037】
本例における電磁クラッチ3の構造を図4を用いて説明する。電磁クラッチ3は、主としてロータ41とこのロータ41と対向配置されるアーマチャ42とからなる。
ロータ41は、磁性材である鋼材(例えば、JIS規格、SPCC)にて形成されており、磁気回路を構成するものである。ロータ41は、断面コの字の円環状に形成されており、その底壁部には、磁気遮断部である空隙46が2列設けられている。
【0038】
ロータ41内には、磁気回路を構成する鋼材にて断面コの字の円環状に形成されて、ステータ43が内蔵配置されている。ステータ43内には、樹脂にてモールド固定されたコイル部55が内蔵されている。
ロータ41の内周面には、回転軸受けとしてのボールベアリング44が固定されており、さらにボールベアリング44の内周部は、コンプレッサ4のハウジング4aに固定されている。これにより、ロータ41は、ハウジング4aに対して回転可能となっている。
【0039】
ロータ41の外周側には、回転軸受けとしての2つのボールベアリング45が並ぶように固定されている。ボールベアリング45の外周側には、プーリ47が固定されており、このプーリ47には、動力伝達部材であるベルト7が巻架されている(図1参照)。また、ベルト7は、上記駆動プーリ2に巻架されている。ロータ41とプーリ47との間には、一方向しか回転しない一方向回転動力伝達機構であるワンウェイクラッチ48(本例ではスプラグ式)が配置されており、これにより、本例では、プーリ47は、図2中紙面表側から裏側に向かってのみ回転するようになっている。また、本例におけるロータ41には、図4中左側にプーリ49が一体成形されており、このプーリ49には、動力伝達部材であるベルト8が巻架されている(図1参照)。また、図1に示すようにべルト8は、電動モータ9の駆動軸に設けられた駆動プーリ10に巻架されている。
【0040】
アーマチャ42は、磁性材(例えばSPCC)にて円板環状に形成されており、磁気遮断部46が形成されたロータ41の底壁部と、所定の間隔開けて対向配置されている。アーマーチャ42には、磁気遮断部である空隙51が形成されている。
アーマチャ42は、図4に示すように環状に形成されたアウターハブ52と、リベット53にて固定されている。アウターハブ52の内周側には、インナーハブ54が配置されており、アウターハブ52とインナーハブ54とは弾性体であるゴム部材56をを加硫接着にて接着固定されている。インナーハブ54は、内周側がハウジング4aに延びており、コンプレッサ4のシャフト4bがはめ込まれている。
【0041】
そして、このように構成された電磁クラッチ3は、上記コイル部55に通電が施されると、アーマチャ42が図4中右側に吸着されると、プーリ47もしくはプーリ49に動力が伝わっているかによって、コンプレッサ4の駆動源が変わる。
例えば、エンジン1が駆動して、駆動プーリ2が駆動している場合には、ベルト7に動力が伝わり、プーリ47が回転する。そして、このプーリ47に伝わった動力は、ワンウェイクラッチ48を通じて、ロータ41が回転する。従って、アーマーチャ42が回転し、この動力がゴム部材56を通じて、インナーハブ54に伝わり、シャフト4bが回転する。この結果、コンプレッサ4が駆動される。なお、この際、プーリ49も回転する。
【0042】
一方、エンジン1が停止されて、電動モータ9が駆動された場合では、ロータ41が回転し、アーマチャ42も回転するため、コンプレッサ4が駆動される。なお、この場合、プーリ47はワンウェイクラッチ48によって空回りするため、駆動プーリ2を回転させない。このため、電動モータ8に余分な仕事をさせる必要が無い。
【0043】
(第3実施形態)
本例では、上記ワンウェイクラッチ48の代わりに電磁クラッチ機構を設けたものである。以下、図5に基づき説明する。
ボールベアリング45の外周側には、断面コの字のロータ58が設けられており、このロータ58の底壁には、磁気遮断部である空隙59が形成されている。ロータ58には、プーリ47が一体成形されている。ロータ内58には、コイル部61を内蔵する断面コの字状のステータ62が配置されている。ロータ58と吸着するアーマチャ63は、ロータ58の空隙59が形成された底壁部と対向配置されている。
【0044】
アーマチャ63は、リベット64にてアウターハブ65と固定されており、アウターハブ65とロータ41の外周部とは、弾性体であるゴム部材66による加硫接着にて接着固定されている。
このような構成により、コイル部55のみに通電を施すと、ロータ41とアーマチャ42とが吸着し、プーリ49のみが回転し、電動モータ9にてコンプレッサ4が駆動される。また、コイル部55およびコイル部61の両方に通電を施すと、ロータ41とアーマチャ42とが吸着するとともに、ロータ58とアーマチャ63とが吸着する。このため、プーリ47からの動力がアーマチャ63に伝わり、さらにアーマチャ63からロータ41に伝わる。ロータ41に伝わった動力は、アーマチャ42に伝わるので、コンプレッサ4が駆動されることになる。
【0045】
(他の実施形態)
上記実施形態では、上記冷凍サイクル5は車両のキャビンを冷却するためのものであったが、例えば冷凍車や冷蔵車用のものであっても良い。この場合、車両が停止して、荷物を運び出すといった作業を行うときに冷凍室や冷蔵室の冷却が継続して行える。
【0046】
また、さらに本発明は、走行条件に応じて電動モータもしくはエンジンにて走行可能な、所謂ハイブリッド車に適用しても良い。
また、さらに本発明は、発電専用のエンジンを搭載し、このエンジンにて発電された電力にて電動モータを駆動し、この電動モータを走行駆動源とする車両に適用しても良い。
【0047】
また、上記各実施形態では、電動モータ9の回転数を一定としたが、例えば冷房負荷に応じて回転数を可変するようにしても良い。
【0048】
また、上記各実施形態では冷房負荷を判定する要素として、外気温や内気温を用いたが、上記目標吹出温度TAO、目標空気温度TEO値であっても良い。さらにコンプレッサ4の吸入圧力と吐出圧力によってコンプレッサ4の容量を推定しても良い。
また、上記各実施形態では、コンプレッサ4を外部から容量が可変可能なものについて説明したが、本発明は固定容量のコンプレッサであっても良いし、スクロールタイプ、ベーンタイプのコンプレッサであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1〜第3実施形態における車両用ハイブリッドコンプレッサの全体システム図である。
【図2】上記各実施形態おけるECU15の制御内容を表すフローチャートである。
【図3】上記各実施形態おける目標吹出温度TAOと目標空気温度TEOとの関係を表す図である。
【図4】上記第2実施形態おける電磁クラッチの構造を示す断面図である。
【図5】上記第3実施形態おける電磁クラッチの構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1…エンジン、4…コンプレッサ、5…冷凍サイクル、9…電動モータ、
15…ECU。
Claims (6)
- 車両に搭載されたエンジン(1)、および車両に搭載された電動モータ(9)のいずれか一方にて車両の冷凍サイクル(5)のコンプレッサ(1)を駆動するように構成された車両用ハイブリッドコンプレッサの制御装置において、
前記冷凍サイクル(5)での必要冷却能力が所定の必要能力より小さいか否かを判定する判定手段(S90)を有し、
前記判定手段(S90)により、前記必要冷却能力が所定の必要能力より大きいと判定されたときには、前記エンジン(1)にて前記コンプレッサ(4)を駆動し、前記判定手段(S90)により、前記必要冷却能力が所定の必要能力より小さいと判定されたときには、前記電動モータ(9)にて前記コンプレッサ(4)を駆動することを特徴とする車両用ハイブリッドコンプレッサの制御装置。 - 前記コンプレッサ(4)は、外部から任意に容量が可変可能な外部可変容量コンプレッサにて構成されており、
前記外部可変容量コンプレッサの容量を、冷却環境情報(TEO)に基づいて制御する容量制御手段(4a、15)を有することを特徴とする請求項1記載の車両用ハイブリッドコンプレッサの制御装置。 - 前記判定手段(90)は、
前記容量制御手段(4a、15)にて制御される前記容量が所定の容量より小さいか否かを判定し、前記容量が前記所定の容量より小さいときには、前記電動モータ(9)にて前記コンプレッサ(4)を駆動し、前記容量が前記所定の容量より大きいときには、前記エンジン(1)にて前記コンプレッサ(4)を制御することを特徴とする請求項2記載の車両用ハイブリッドコンプレッサの制御装置。 - 前記容量制御手段(4a、15)は、前記電動モータ(9)にて前記コンプレッサ(4)を駆動するときには、前記電動モータ(9)を起動する前に、前記容量を所定値より小さい低容量状態とすることを特徴とする請求項2または3記載の車両用ハイブリッドコンプレッサの制御装置。
- 前記容量制御手段(4a、15)は、前記エンジン(1)にて前記コンプレッサ(4)を駆動するときには、前記エンジン(1)を起動する前に、前記冷却環境情報(TEO)に基づいて前記容量を所定量に設定することを特徴とする請求項3または4記載の車両用ハイブリッドコンプレッサの制御装置。
- 前記車両を走行可能に設定するスイッチ手段(16)を有し、
前記スイッチ手段(16)にて前記車両が走行可能に設定されているときに、前記車両が停止し、かつ前記必要冷却能力が所定の必要能力より小さいと、前記エンジン(1)を停止して、前記電動モータ(9)にて前記コンプレッサ(4)を駆動することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両用ハイブリッドコンプレッサの制御装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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