JP3555365B2 - 半導体圧力センサの製造方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、腐食性を有する流体、すなわち気体又は液体の圧力を測定する半導体圧力センサの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の半導体圧力センサの製造方法として、図2に示す製造法が存在する。この製造法は、先ず、導電型がP型で圧力による抵抗変化を電気信号に変換するピエゾ抵抗A1と、そのピエゾ抵抗A1と接続して導電型がP+型で電気伝導度の良好な導電部A2とが、シリコン基板Aの一面側へ形成される。そして、耐エッチング膜A3がシリコン基板Aの両面に形成され、他面側の耐エッチング膜A3をピエゾ抵抗A1の対応位置にて除去し、その除去部から異方性エッチングし、底部に有した断面台形状の凹部A4を形成して、底部を受圧面A5とするダイアフラム部A6が形成され、測定対象である流体の圧力を受圧面A5にて受圧して撓む。
【0003】
次いで、酸化珪素膜からなる保護膜Bが化学的蒸着法、いわゆるCVD法を用いて受圧面A5及びシリコン基板Aの他面A7に形成され、ダイアフラム部A6の受圧面A5を保護する。次いで、軸孔C1を設けたガラス台座Cのメタライズされた一方面を、その軸孔C1及びダイアフラム部A6の互いの位置を対応した状態で、シリコン基板Aの他面A7と接合する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の半導体圧力センサの製造方法では、ダイアフラム部A6を保護する保護膜Bが受圧面A5に形成されて、腐食性を有する流体の圧力を測定する半導体圧力センサを製造できる。
【0005】
しかしながら、ダイアフラム部A6の受圧面A5及び他面A7に保護膜Bを形成し、ガラス台座Cの一方面とシリコン基板Aの他面A7との間に保護膜Bが介在した状態で、それぞれを接合するから、保護膜Bの膜厚を厚くすると接合強度が劣化する。また、膜厚を薄くすると受圧面A5が保護膜Bでもって十分には保護されず、腐食性流体でもって腐食される場合があった。
【0006】
本発明は、上記事由に鑑みてなしたもので、その目的とするところは、ダイアフラム部の受圧面に保護膜を厚く形成して受圧面を腐食性流体から確実に保護でき、かつ、ガラス台座の一方面とシリコン基板の他面とを強固に接合できる半導体圧力センサの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、請求項1記載の半導体圧力センサの製造方法は、圧力による抵抗変化を電気信号に変換するピエゾ抵抗がシリコン基板の一面側へ形成されるピエゾ抵抗形成工程と、シリコン基板の両面に形成された耐エッチング膜を他面側におけるピエゾ抵抗対応位置にて除去し、異方性エッチングし断面台形状の凹部を形成して、測定対象である流体の圧力を受圧する受圧面を有したダイアフラム部を形成するダイアフラム部形成工程と、耐エッチング膜を除去し、ダイアフラム部の受圧面を保護する保護膜がその受圧面及びシリコン基板の他面に形成される保護膜形成工程と、シリコン基板の他面における保護膜を除去し、軸孔を設けたガラス台座のメタライズされた一方面を、その軸孔及びダイアフラム部の互いの位置を対応した状態で、他面と接合するガラス台座接合工程と、有する構成にしてある。
【0008】
請求項2記載の半導体圧力センサの製造方法は、請求項1記載の製造方法において、前記保護膜は、ガスをプラズマ状にし膜成分を堆積するプラズマCVDでもって形成された構成にしてある。
【0009】
請求項3記載の半導体圧力センサの製造方法は、請求項1記載の製造方法において、前記保護膜は、前記シリコン基板を熱処理して形成される酸化珪素である構成にしてある。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の第1実施形態を図1に基づいて以下に説明する。先ず、導電型がN型で一面11及び他面12を有したシリコン基板1を熱酸化して酸化珪素膜13を形成し、その酸化珪素膜13を所定位置にて除去しボロンを拡散して、導電型がP+型で電気伝導度の良好な導電部14を、シリコン基板1の一面11側にて中央に対して両側へそれぞれ形成する(a)。
【0011】
次いで、ピエゾ抵抗形成工程において、一面11側の酸化珪素膜13を両導電部14と接続する所定位置にて除去しボロンを拡散することによって、導電型をP型とするピエゾ抵抗15がシリコン基板1の一面11側へ形成され、圧力による抵抗変化を電気信号に変換する(a)。
【0012】
次いで、ダイアフラム部形成工程において、窒化珪素からなる耐エッチング膜16が化学的蒸着法、いわゆるCVD法を用いてシリコン基板11の両面11,12側に形成され、他面12側の耐エッチング膜16を通常のフォトリソグラフィー又はエッチングでもって、ピエゾ抵抗15の対応位置にて除去して除去部を形成する。耐エッチング膜16をマスクとしてKOH溶液でもって、除去部から異方性エッチングして、一面11側へ行くほど幅を狭くした断面台形状の凹部17を形成し、その凹部17の底部を受圧面21とするダイアフラム部2が形成されて、測定対象である流体の圧力を受圧面21にて受圧して撓む(b)。そして、シリコン基板1の他面12側における酸化珪素膜13及び耐エッチング膜16を除去する。
【0013】
次いで、保護膜形成工程において、酸化珪素からなる保護膜18がガスをプラズマ状にし膜成分を堆積するプラズマCVDを用いて、1ミクロンメートルの膜厚でダイアフラム部2の受圧面21及び他面12に形成されて、受圧面21を保護する(c)。
【0014】
次いで、ガラス台座3接合工程において、ダイアフラム部2の受圧面21に形成された保護膜18に耐エッチング性を有するレジスト膜18aを塗布した後エッチングして、受圧面21に形成された保護膜18を残して、シリコン基板1の他面12に形成された保護膜18を除去する(d)。
【0015】
ここで、一方面31を有したガラス台座3はパイレックスガラスにより、軸孔32を設け、一方面31が金属でメタライズされている。軸孔32及びダイアフラム部2の互いの位置を対応した状態で、直流の高電圧を印加して接合する陽極接合でもって、一方面31がシリコン基板1の他面12と保護膜18を介することなく直接接合されて、それぞれが強固に接合される(e)。
【0016】
このものの動作を説明する。測定対象である流体はガソリン蒸気等の腐食性を有し、ガラス台座3の一方面31がシリコン基板1の他面12と接合されているので漏れることなく、圧力を持ってガラス台座3の軸孔32に導入されて、ダイアフラム部2の受圧面21がその流体の圧力を受圧する。受圧面21が流体の圧力を負荷されると、ダイアフラム部2は流体の圧力と大気圧との差に比例して撓み、したがって、ダイアフラム部2に形成されたピエゾ抵抗15は撓んで抵抗値がその撓みの大きさに比例して変化し、この抵抗値を電気信号として導電部14を介して端子(図示せず)に出力して、流体の圧力を測定する。ここで、ダイアフラム部2は、保護膜18が1ミクロンメートルの膜厚で厚く受圧面21に形成されて、受圧面21がその厚い保護膜18でもって保護されるので、ダイアフラム部は測定する流体が腐食性であっても腐食されることがない。
【0017】
かかる一実施形態の半導体圧力センサの製造方法にあっては、上記したように、ダイアフラム部2の受圧面21及びシリコン基板1の他面12に保護膜18を形成し、受圧面21のみ残した状態で他面12の保護膜18を除去し、ガラス台座3の一方面31と他面12とをそれぞれ接合するから、保護膜18の膜厚を1ミクロンメートルに厚く形成して、受圧面21がその厚い保護膜18でもって保護されて、腐食性の流体であっても腐食されることなく流体の圧力を測定できるとともに、保護膜18がガラス台座3の一方面31とシリコン基板1の他面12との間に介在しないので、それぞれを強固に接合できる半導体圧力センサを安定して製造することができる。
【0018】
また、保護膜18がガスをプラズマ状にし膜成分を堆積するプラズマCVDでもって形成されたから、保護膜形成工程においてピエゾ抵抗15が熱影響を受けることなく、保護膜18が高温ではなく略室温に近い低温で形成されて、流体の圧力を精度よく測定できる半導体圧力センサを製造できる。
【0019】
なお、本実施形態では、ガスをプラズマ状にし膜成分を堆積するプラズマCVDでもって、酸化珪素からなる保護膜18を形成したが、空隙なく密度の高い保護膜18を必要とするときは、シリコン基板1を所定温度で熱処理して、酸化珪素からなる保護膜18をダイアフラム部2の受圧面21及び他面12に形成してもよく、限定されない。
【0020】
また、本実施形態では、保護膜18を酸化珪素としたが、たとえばプラズマCVDを用いて得られる窒化珪素としてもよく、限定されない。
【0021】
【発明の効果】
請求項1記載の半導体圧力センサの製造方法は、ダイアフラム部の受圧面及びシリコン基板の他面に保護膜を形成し、受圧面のみ残した状態で他面の保護膜を除去し、ガラス台座の一方面と他面とをそれぞれ接合するから、保護膜の膜厚を厚く形成して、受圧面がその厚い保護膜でもって保護されて、腐食性の流体であっても腐食されることなく流体の圧力を測定できるとともに、保護膜がガラス台座の一方面とシリコン基板の他面との間に介在しないので、それぞれを強固に接合できる半導体圧力センサを安定して製造することができる。
【0022】
請求項2記載の半導体圧力センサの製造方法は、請求項1記載の製造方法の効果に加えて、保護膜がガスをプラズマ状にし膜成分を堆積するプラズマCVDでもって形成されたから、保護膜形成工程においてピエゾ抵抗が熱影響を受けることなく、保護膜が高温ではなく略室温に近い低温で形成されて、流体の圧力を精度よく測定できる半導体圧力センサを製造できる。
【0023】
請求項3記載の半導体圧力センサの製造方法は、請求項1記載の製造方法の効果に加えて、保護膜がシリコン基板を熱処理することによって形成された酸化珪素であるから、ダイアフラム部の受圧面が真密度に近い酸化珪素からなる保護膜でもって保護されて、受圧面の耐腐食性がさらに良好になって、信頼性良く腐食性流体の圧力を測定できる半導体圧力センサを製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す半導体圧力センサの製造工程図である。
【図2】従来例を示す半導体圧力センサの断面図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板
11 一面
12 他面
15 ピエゾ抵抗
16 耐エッチング膜
17 凹部
18 保護膜
2 ダイアフラム部
21 受圧面
3 ガラス台座
31 一方面
32 軸孔
Claims (3)
- 圧力による抵抗変化を電気信号に変換するピエゾ抵抗がシリコン基板の一面側へ形成されるピエゾ抵抗形成工程と、
シリコン基板の両面に形成された耐エッチング膜を他面側におけるピエゾ抵抗対応位置にて除去し、異方性エッチングし断面台形状の凹部を形成して、測定対象である流体の圧力を受圧する受圧面を有したダイアフラム部を形成するダイアフラム部形成工程と、
耐エッチング膜を除去し、ダイアフラム部の受圧面を保護する保護膜がその受圧面及びシリコン基板の他面に形成される保護膜形成工程と、
シリコン基板の他面における保護膜を除去し、軸孔を設けたガラス台座のメタライズされた一方面を、その軸孔及びダイアフラム部の互いの位置を対応した状態で、他面と接合するガラス台座接合工程と、有することを特徴とする半導体圧力センサの製造方法。 - 前記保護膜は、ガスをプラズマ状にし膜成分を堆積するプラズマCVDでもって形成されてなることを特徴とする請求項1記載の半導体圧力センサの製造方法。
- 前記保護膜は、前記シリコン基板を熱処理して形成される酸化珪素であることを特徴とする請求項1記載の半導体圧力センサの製造方法。
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