JP3554963B2 - 瓦棒葺屋根の接続部用キャップとこれに装着固定する設備取付金具 - Google Patents

瓦棒葺屋根の接続部用キャップとこれに装着固定する設備取付金具 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、長尺の各種金属部材からなる縦葺屋根板で葺いた屋根の相互接続部分に、心木の代わりに長手方向直角断面が凹形の取付け用溝を具備する通し吊子を介在させた瓦棒葺屋根に使用する瓦棒葺屋根の接続部用キャップと該キャップに装着する設備取付金具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の通し吊子を使用した瓦棒葺屋根は、長尺の各種金属部材からなる縦葺屋根板の長手方向両縁部のそれぞれに、上端部で対向する方向に曲げて耳部とした接続用側板を折曲起立又は別部材からなる接続用側板を連結起立させた構成の長尺の縦葺屋根板の隣接相互間に、該間隔に嵌るサイズであって開口縁部には被耳部を外方へ折曲形成した、長手方向直角断面を凹形又は逆台形の取付け用溝とした金属製の通し吊子を上端開口として介在させ、その溝底部に固定手段(ボルト、釘等)を貫通させて屋根下地基板に固定するとともに、耳部と被耳部を重ねた状態で外側へ折曲して圧着する構成である。この構成だけでは、屋根上からの負荷に弱くなるはもちろん、固定手段部分から屋根下地基板への雨水の浸透は避けられず、また固定手段の露出により外観が悪くなるだけでなく、飛来するゴミ等が引っ掛かり易くなる。
【0003】
一般にこのような多くの不都合を解消するために、通し吊子の取付け用溝の底部にボルト、釘等を貫通させて屋根下地基板に固定する場合には、通し吊子の取付け用溝の上端開口部をキャップで被冠し、通し吊子内への雨水の滲入防止、固定部材の隠蔽、補強等を確保する構成としている。
【0004】
このキャップの被冠構成としては、縦葺屋根板と通し吊子とキャップとを一体固定するタイプのものと、縦葺屋根板と通し吊子とに対してキャップが脱着できるタイプものとがある。
【0005】
前者の一体固定タイプのものは、キャップ用基板の長手方向両側縁に、起立壁と天壁と下垂壁とからなる鉤縁を外側に向けて折曲形成したキャップ構成とし、前記鉤縁の天壁の内面を、接続用側板の耳部と通し吊子の被耳部の重合縁の上面に重ねて、前記下垂壁で重合縁をグロメット状に包持して圧着し、さらに該圧着部を接続用側板の外側面へ曲げて圧着固定する捲馳構成となっている。
【0006】
後者の脱着タイプのものは、接続用側板の耳部と通し吊子の被冠耳部の重合縁を開口部で折返し状に重合した被耳部と耳部とを、バネ機能を保有するように間隔を空けて外側へ垂れ耳状に重ね、被耳部の先端部を耳部で包持して圧着することにより、接続用側板と通し吊子を連結固定したグロメット縁部とし、前記垂れ耳状部とその先端のグロメット縁部及び通し吊子の開口部とをキャップで被冠するものであり、そのキャップは、長尺のキャップ用基板の短手方向中央部を、通し吊子の開口部を覆う天部を上凸とした弧面に形成するとともに、天部の両側縁部に、垂れ耳状部とその先端のグロメット縁部を覆い、自由端部に内向屈曲部と外向き屈曲部を形成して内側へ折曲したクリップ状縁部を対向形成した構成とし、前記垂れ耳状部とその先端のグロメット縁部の弾性変形とキャップのクリップ状縁部の弾性変形との協働で、前記内向屈曲部をグロメット縁部の端縁に強く掛止するように被冠係合させる構成としたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが前者の一体固定タイプのものは、キャップの鉤縁と接続用側板の耳部と通し吊子の被耳部の重合縁とを圧着固定する捲馳加工が多くの工程を経なければならないことから、工期が長くなり工事費用が高騰するだけでなく葺き替えを困難とし、また屋根修理や強風により屋根上からの力(重力、風圧或い風による負圧力等)の作用に対する強度が今一つ不足して、縦葺屋根板の変形、捲れを招き或いは屋根上に、太陽熱利用の給湯装置、雪止め等を装備させる場合には、中空状態にある、起立した接続用側板と通し吊子との重なり部分を利用しなければならない関係上、強度不足と耐久性において、これらのものを取付けることは危険性が高く、実際上は装備することができない点に問題があった。
【0008】
また後者の脱着タイプのものは、前者に比べると構成が簡単で工期も短く工事費も安価となること及び葺き替えも簡単にできることから、多くの瓦棒葺屋根構造として施工されているが、前者と同様、屋根修理や強風による、屋根上からの力(重力、風圧或い風による負圧力等)の作用に対する強度が今一つ不足して、縦葺屋根板の変形、捲れを招き、また屋根上に、設備取付金具或いは太陽熱利用の給湯装置取付け金具等を装備する場合には、起立した接続用側板と通し吊子との重なり部分を利用することはできるものの、重なり部分が伏倒変形し易く、十分な支持強度が確保し難いために、やはり強度不足と耐久性において、これらのものを取付けることには危険度が高い点等にさらに解決すべき課題があった。
【0009】
本発明は前記後者の脱着タイプの瓦棒葺屋根の利点を確保した上で、屋根修理や強風による屋根上からの力の作用に対する強度を確保して、縦葺屋根板の変形、捲れを防止し、また雪止め、太陽熱利用の給湯装置、ソーラーパネル、樋金具等を屋根上に設備させる場合においても、十分な支持強度を確保できる安全性の高い瓦棒葺屋根となる瓦棒葺屋根の接続部用キャップの提供と、該瓦棒葺屋根の接続部用キャップに簡単且つ強固に取りつけることができる設備取付金具の提供を課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る瓦棒葺屋根の接続用部用キャップ(3)について説明すると、長尺の屋根板基板(11)の長手方向両縁部のそれぞれに、上端部で対向する方向に曲げて耳部(12)とした接続用側板(13)を折曲起立させて縦葺屋根板(1)とし、該縦葺屋根板(1)の隣接相互間に嵌るサイズであって、開口縁部には被耳部(21)を外方へ折曲形成するとともに、既存の葺屋根板相互を屋根下地基板(R)に固定している旧固定ボルトを覆うキャップ(c)の凹みに対応する深さの葺替え用補助溝(22a)を長手方向直角断面が凹形の取付け用溝(22)の底に形成して金属製の通し吊子(2)とし、前記縦葺屋根板(1)の隣接相互間に通し吊子(2)を上端開口として介在させ、葺替え用補助溝 (22a) の底部を固着手段で屋根下地基板(R)に固定するとともに、前記耳部(12)と被耳部(21)とを重ねて縦葺屋根板(1)の接続用側板(13)と通し吊子(2)を固定した垂れ耳状連結部(C)とし、これら通し吊子(2)の開口部とその両側の垂れ耳状連結部(C)とを被冠する瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)であって、
前記通し吊子(2)の内幅を確保して、キャップ用基板(31)の両側に側壁を起立させて長手方向に凹溝(35)を形成し、前記凹溝(35)の側壁に連続して前記垂れ耳状連結部(C)を覆うように外側に折曲した連結部カバー部(36)及びクリップ状縁部(34)を延設しており、前記クリップ状縁部(34)は、前記連結部カバー部(36)で垂れ耳状連結部(C)を抱え込むようにした内向屈曲部(32)に続いて外向き屈曲部(33)を連続させており、
前記凹溝(35)の深さは、凹溝開口面を基準として、前記クリップ状縁部(34)に対向形成した内向屈曲部(32)を結ぶ水平ライン(L)の位置と同等または深くしたことを特徴とする瓦棒葺屋根の接続部用キャップである。
【0011】
次に本発明に係る、瓦棒葺屋根の接続部用キャップに装着する設備取付金具(4)について説明すると、前記瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)が設備取付金具(4)の支持体となる。その瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)は前記説明した通り、前記通し吊子(2)の内幅を確保して、キャップ用基板(31)の両側に側壁を起立させて長手方向に凹溝(35)を形成し、前記凹溝(35)の側壁に連続して前記垂れ耳状連結部(C)を覆うように外側に折曲した連結部カバー部(36)及びクリップ状縁部(34)を延設しており、前記クリップ状縁部(34)は、前記連結部カバー部(36)で垂れ耳状連結部(C)を抱え込むようにした内向屈曲部(32)に続いて外向き屈曲部(33)を連続させており、前記凹溝(35)の深さは、凹溝開口面を基準として、前記クリップ状縁部(34)に対向形成した内向屈曲部(32)を結ぶ水平ライン(L)の位置と同等または深くした構成であり、設備取付金具(4)は、その凹溝(35)とクリップ状縁部(34)の内向屈曲部(32)を利用して装着するものである。
【0012】
すなわち、設備取付金具(4)は、前記凹溝(35)に嵌合する中実又は中空で、且つ後記締結ボルト(42)に貫通を阻害されない上方であって瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)の凹溝(35)の方向に貫通穴(47)を穿設した角柱(41)と、該角柱軸直角方向に貫通する締結ボルト(42)と、これに螺合するナット(43)と、前記締結ボルト(42)頭の首下とナット(43)の間に介在され、一端を前記角柱(41)の側面に当接する上押圧脚(44)とし、他端を前記瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)の内向屈曲部(32)の外面に当接する下押圧脚(45)とした一対の挟着体(46)とからなり、締結ボルト(42)とナット(43)との操作で拡縮する一対の挟着体(46)で、角柱(41)の対向側面及び瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)の内向屈曲部(22)の外面を押圧することにより装着されるようにした構成である。
【0013】
前記角柱(41)は中実又は中空であっても良く、締結ボルト(42)に貫通を阻害されない上方であって、瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)の凹溝(35)の方向に、貫通穴(47)を穿設した構成とし、該貫通穴(47)を利用して、雪止め、太陽熱利用の給湯装置、ソーラーパネル、樋金具等を屋根上に設備する際の取付け用アタッチメントとして使用する。
【0014】
また角柱(41)に、挟着体(46)の上押圧脚(44)の先端が嵌る溝を形成する場合には、一対の挟着体(46)の角柱(41)及び瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)への位置決めが容易となり、設備取付金具(4)の取付け作業性と装着安定性を高めることができる。
【0015】
【発明の効果】
上記のように構成した本発明に係る瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)は、従来の脱着タイプの瓦棒葺屋根に使用することから、構成が簡単で工期も短く工事費も安価となること及び葺き替えも簡単にできるという利点に加えて多くの有用な効果が達成できる。
【0016】
まず本発明に係る瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)は、通し吊子(2)の取付け用溝(22)内に嵌る所定深さの凹溝(35)を形成していることから、該瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)の凹溝(35)が、通し吊子(2)の取付け用溝(22)内の所定の深さまで嵌り込んで、縦葺屋根板(1)の接続用側板(13)と通し吊子(2)の溝壁と瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)の凹溝壁の三枚が重なった側壁を形成するようになることから、該側壁強度が強化され、接続部に外力による変形で隙間が形成されることを阻止して雨水の洩れを解消する。
【0017】
凹溝(35)は、前記クリップ状縁部(34)の内向屈曲部(32)相互を結ぶ水平ライン(L)と同等位置又は深くしたため、内向屈曲部(32)に作用する力の水平力が、縦葺屋根板(1)の接続用側板(13)と通し吊子(2)の溝壁と瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)の凹溝壁の三枚が重なった側壁に作用するとともに、凹溝(35)の底板が縦葺屋根板(1)の接続用側板(13)と通し吊子(2)の溝壁の間で突張り梁の状態となる。
【0018】
瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)の凹溝(35)の深さを、クリップ状縁部(34)に対向形成した内向屈曲部(32)を結ぶ水平ライン(L)の位置よりも深くしている場合には、クリップ状縁部(34)に対向形成した内向屈曲部(32)の外側から締めるように取付けられる設備取付金具(4)の取付けの場合においても、取付けのために作用する挟着力の作用線が、前記強化された側壁を通り、取付け挟圧力による支持部となる側壁及び取付け用溝(22)の変形を阻止するようになって、雨水の洩れを招くことがなく、また雨水の流下の確保と、不用意な外れを招くことのない頑強で安全性の高いものとできる。
【0019】
さらに通し吊子(2)の開口部を覆う面を凹溝(35)とすることにより、縦葺屋根板(1)の接続用側板(13)と通し吊子(2)の溝壁と瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)の凹溝壁の三枚が重なった側壁を形成し且つ凹溝(35)の底板が縦葺屋根板(1)の接続用側板(13)と通し吊子(2)の溝壁の間の深い位置で突張り梁状態となることから、縦葺屋根板(1)の接続用側板(13)と通し吊子(2)の溝壁の間が狭まることがなくなり、狭まりによって生じていた瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)の不用意な離脱と、通し吊子(2)の側壁及び縦葺屋根板(1)の接続用側板(13)の伏倒或いは強風時に生じる負圧現象による縦葺屋根板(1)の捲れを防止し、これによる雨洩りを解消することができる。
【0020】
この伏倒、縦葺屋根板(1)の捲れの防止は、予め縦葺屋根板(1)における接続用側板(13)の起立根元部分を傾斜又は円弧とした隅構成とする場合には、前記凹溝(35)の底板との協働で一層顕著となる。
【0021】
そしてまた、本発明に係る接続用キャップ(3)を、縦葺屋根板(1)と通し吊子(2)との垂れ耳状連結部(C)へ装着するにおいては、通し吊子(2)の取付け用溝(22)内へ凹溝(35)を嵌めつつ、クリップ状縁部(34)へ垂れ耳状連結部(C)を嵌めることになるため、垂れ耳状連結部(C)相互の開きを、凹溝(35)の外面と垂れ耳状のクリップ状縁部(34)とによって拘束しつつ、確実且つ迅速に接続用キャップ(3)の垂れ耳状連結部(C)への装着施工ができるようになる。
【0022】
さらに瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)に装着する設備取付金具(4)については、瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)に形成した凹溝(35)に角柱(41)が嵌合して、該嵌合部の強度を強化することから、この角柱(41)を水平方向に貫通する締結ボルト(42)とナット(43)との操作で拡縮する一対の挟着体(46)で、角柱(41)の対向側面及び瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)の内向屈曲部(22)の外面を押圧することにより、瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)に極めて強固に設備取付金具(4)を装着することができ、安全性も確保することができる。
【0023】
【発明の実施の形態及び実施例】
(瓦棒葺屋根の接続部用キャップの実施例)
バネ特性のある薄板鋼板からなる長尺の屋根板基板(11)の長手方向両縁部のそれぞれに、先に瓦棒葺屋根の施工によって連結されている縦葺屋根板(1)と通し吊子(2)の内幅を確保して、キャップ用基板(31)の両側に側壁を起立させることにより、長手方向に凹溝(35)を形成するとともに、前記凹溝(35)の側壁に連続して、縦葺屋根板(1)の接続用側板(13)と通し吊子(2)とを固着している垂れ耳状連結部(C)を覆うように外側に折曲した連結部カバー部(36)及びクリップ状縁部(34)を延設した構成であり、前記クリップ状縁部(34)は、前記連結部カバー部(36)で垂れ耳状連結部(C)を抱え込むようにした内向屈曲部(32)に続いて外向き屈曲部(33)とその自由端縁部を内向きに折返した構成となっている。
【0024】
そして前記凹溝(35)は、前記クリップ状縁部(34)の内向屈曲部(32)相互を結ぶ水平ライン(L)と同等位置又は下方(凹溝開口面方向を上方として)となる深さとして、内向屈曲部(32)に作用する力の水平力が、縦葺屋根板(1)の接続用側板(13)と通し吊子(2)の溝壁と瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)の凹溝壁の三枚が重なった側壁に作用するとともに、凹溝(35)の底板が縦葺屋根板(1)の接続用側板(13)と通し吊子(2)の溝壁の間で突張り梁の状態となるように構成し、ドーム屋根に使用する場合には、底板を波形に加工して湾曲変形させると突っ張り強度も良好となり、しかもドーム屋根の形態に合うようになり、施工上も都合が良い。
【0025】
上記のように構成した実施例に係る瓦棒葺屋根の接続部用キャップの装着状態は、図4、図5に示す葺き替え施工(仮想線で示しているのが既存の屋根)におけるものである。
【0026】
この実施例は、瓦棒葺屋根の葺き替え施工は、旧葺屋根板(a)に固定している旧通し吊子(b)、旧固定ボルト(図示せず)及び連結部を覆うカバー(c)をそのままにして、すなわち既存の屋根の上に新規の瓦棒葺屋根(1)が施工形成されることを考慮した瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)である(図4、図5。)。
【0027】
上記瓦棒葺屋根の葺き替え施工時に使用する瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)の使用においては、多くの場合、既存の葺屋根板相互を連結し、屋根下地基板(R)に固定している旧固定ボルトを覆うキャップ(c)の凹みがあるから、該凹みに対応する深さの葺替え用補助溝(22a)を取付け用溝(22)の底に形成した金属製の通し吊子(2)として使用する。この場合、葺替え用補助溝(22a)内であって旧通し吊子(b)の旧固定ボルト位置とは異なる位置から新しい固定ボルトをカバー(c)に貫通させて屋根下地基板(R)に固定し、新しい縦葺屋根板(1)相互を連結する必要があるから、前記のような、葺替え用補助溝(22a)を取付け用溝(22)の底に形成した金属製の通し吊子(2)を製作使用する。
【0028】
既設の瓦棒葺屋根の連結部が低い場合には障害が無いので、凹溝(35)の深さを、前記クリップ状縁部(34)の内向屈曲部(32)相互を結ぶ水平ライン(L)と同等又は下方とする。内向屈曲部(22)に作用する力の水平力が、縦葺屋根板(1)の接続用側板(13)と通し吊子(2)の溝壁と瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)の凹溝壁の三枚が重なった側壁に作用するとともに、凹溝(35)の底板が縦葺屋根板(1)の接続用側板(13)と通し吊子(2)の溝壁の間の深い位置で突張り梁状態となる。
【0029】
(設備取付金具の実施例)
次に設備取付金具の実施例について説明すると、図6に断面図、図7に平面図、図8に瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)への装着状態を略図的に示したように、接続用キャップ(3)の凹溝(35)に下端部が嵌る中空の角柱(41)と、該角柱軸直角方向に貫通する締結ボルト(42)とこれに螺合するナット(43)及び一対の挟着体(46)とからなり、該挟着体(46)は、一端を前記角柱(41)の側面に当接する上押圧脚(44)とし他端を前記瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)の内向屈曲部(32)の外面に当接する下押圧脚(45)とした構成であって、前記締結ボルト(42)が貫通した状態で、角柱(41)の両側に配設され、締結ボルト(42)とナット(43)との操作で拡縮する一対の挟着体(46)で、角柱(41)の対向側面及び瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)の内向屈曲部(22)の外面を押圧することにより装着される構成となっている。
【0030】
前記角柱(41)には、締結ボルト(42)の貫通を阻害しない上方であって、瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)の凹溝(35)の方向に貫通穴(47)が穿設してある。この貫通穴(47)は、雪止め、ソーラーパネル、太陽熱利用の給湯装置、樋金具等の設備を取付けるための穴である。
【0031】
また図示省略したが、角柱(41)の側面に挟着体(46)の上押圧脚(44)の先端が嵌る溝を設けて、装着作業性を向上させるようにする場合もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】瓦棒葺屋根の接続部用キャップの長手方向直角断面図。
【図2】瓦棒葺屋根の接続部用キャップを被冠装着した状態の断面図。
【図3】図2のA部分詳細図。
【図4】葺き替え施工の場合についての、実施例に係る瓦棒葺屋根の接続部用キャップを瓦棒葺屋根接続部に被冠装着した状態の断面図。
【図5】葺き替え時の既存の屋根の場合及び新規屋根の場合について、左右に連続するものであることを示す一部省略した断面略図。
【図6】設備取付金具の断面図。
【図7】設備取付金具の平面図。
【図8】実施例に係る設備取付金具の瓦棒葺屋根の接続部用キャップへの装着状態断面図。
【符号の説明】
(1) 縦葺屋根板
(11) 屋根板基板
(12) 耳部
(13) 接続用側板
(2) 通し吊子
(21) 被耳部
(22) 取付け用溝
(22a) 葺替え用補助溝
(R) 屋根下地基板
(3) 瓦棒葺屋根の接続部用キャップ
(31) キャップ用基板
(32) 内向屈曲部
(33) 外向屈曲部
(34) クリップ状縁部
(35) 凹溝
(36) 連結部カバー部
(C) 垂れ耳状連結部
(L) 水平ライン
(4) 設備取付金具
(41) 角柱
(42) 締結ボルト
(43) ナット
(44) 上押圧脚
(45) 下押圧脚
(46) 挟着体
(47) 貫通穴

Claims (3)

  1. 長尺の屋根板基板(11)の長手方向両縁部のそれぞれに、上端部で対向する方向に曲げて耳部(12)とした接続用側板(13)を折曲起立させて縦葺屋根板(1)とし、該縦葺屋根板(1)の隣接相互間に嵌るサイズであって、開口縁部には被耳部(21)を外方へ折曲形成するとともに、既存の葺屋根板相互を屋根下地基板(R)に固定している旧固定ボルトを覆うキャップ(c)の凹みに対応する深さの葺替え用補助溝(22a)を長手方向直角断面が凹形の取付け用溝(22)の底に形成して金属製の通し吊子(2)とし、前記縦葺屋根板(1)の隣接相互間に通し吊子(2)を上端開口として介在させ、葺替え用補助溝 (22a) の底部を固着手段で屋根下地基板(R)に固定するとともに、前記耳部(12)と被耳部(21)とを重ねて縦葺屋根板(1)の接続用側板(13)と通し吊子(2)を固定した垂れ耳状連結部(C)とし、これら通し吊子(2)の開口部とその両側の垂れ耳状連結部(C)とを被冠する瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)であって、
    前記通し吊子(2)の内幅を確保して、キャップ用基板(31)の両側に側壁を起立させて長手方向に凹溝(35)を形成し、前記凹溝(35)の側壁に連続して前記垂れ耳状連結部(C)を覆うように外側に折曲した連結部カバー部(36)及びクリップ状縁部(34)を延設しており、前記クリップ状縁部(34)は、前記連結部カバー部(36)で垂れ耳状連結部(C)を抱え込むようにした内向屈曲部(32)に続いて外向き屈曲部(33)を連続させており、
    前記凹溝(35)の深さは、凹溝開口面を基準として、前記クリップ状縁部(34)に対向形成した内向屈曲部(32)を結ぶ水平ライン(L)の位置と同等または深くしたことを特徴とする瓦棒葺屋根の接続部用キャップ。
  2. 瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)は、通し吊子(2)の内幅を確保して、キャップ用基板(31)の両側に側壁を起立させて長手方向に凹溝(35)を形成し、前記凹溝(35)の側壁に連続して前記垂れ耳状連結部(C)を覆うように外側に折曲した連結部カバー部(36)及びクリップ状縁部(34)を延設しており、前記クリップ状縁部(34)は、前記連結部カバー部(36)で垂れ耳状連結部(C)を抱え込むようにした内向屈曲部(32)に続いて外向き屈曲部(33)を連続させており、前記凹溝(35)の深さは、凹溝開口面を基準として、前記クリップ状縁部(34)に対向形成した内向屈曲部(32)を結ぶ水平ライン(L)の位置と同等または深くしており、
    設備取付金具は、前記凹溝(35)に嵌合する中実又は中空で、且つ後記締結ボルト(42)に貫通を阻害されない上方であって瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)の凹溝(35)の方向に貫通穴(47)を穿設した角柱(41)と、該角柱軸直角方向に貫通する締結ボルト(42)と、これに螺合するナット(43)と、前記締結ボルト(42)頭の首下とナット(43)の間に介在され、一端を前記角柱(41)の側面に当接する上押圧脚(44)とし、他端を前記瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)の内向屈曲部(32)の外面に当接する下押圧脚(45)とした一対の挟着体(46)とからなり、締結ボルト(42)とナット(43)との操作で拡縮する一対の挟着体(46)で、角柱(41)の対向側面及び瓦棒葺屋根の接続部用キャップ(3)の内向屈曲部(22)の外面を押圧することにより装着されることを特徴とする設備取付金具。
  3. 請求項2記載の角柱(41)に、挟着体(46)の上押圧脚(44)の先端が嵌る溝を形成した設備取付金具。
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