JP3553504B2 - 多分散エーロゾルの粒度スペクトルを分離する装置 - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は、DE19505341から公知であるような、請求項1の上位概念に記載の多分散エーロゾルの粒度スペクトルを分離する装置に関する。
【0002】
エーロゾルは、医療において吸入治療の分野で使用される。環境分析において、冒頭に述べた装置は大気のエーロゾルの分析能力を改良する。工業的エーロゾルプロセスは、効果的に実施することができる。
【0003】
Prodi V., C. Melandri, T. DeZaiacomo, G. Tarroni, D. Hochrainer (1979), ”An Inertial Spectrometer for Aerosol Particles”, J. Aerosol Science, 10 (1979), pp. 411−419から、前記形式の装置が公知である(Inertial Particle Aerosol Classifier(IPAC))。IPACを用いると、乾燥多分散エーロゾル流から0.8〜8μmの範囲内の準単分散成分(quasi−monodispersen Anteil)を1.2〜1.3の幾何学的標準偏差で濾別する可能性が生じる。
【0004】
IPACは円筒対称形の幾何学形状を有しかつ2つの部分からなる。装置の上方部分(分離部分)において、過圧で多分散エーロゾルが粒子不含のジャッケット空気(Mantelluft)の2つの層間を流れる。エーロゾルはジャッケット空気と一緒に広幅ノズルによって90゜の屈曲部に向けて加速される。屈曲部を通過する際に、遠心力が重い粒子を小さい粒子よりも大きな半径を有する軌道で運動させる。次いで、全体の流れは下方部分(分類部分)で3つの同心配置された入口スロットで外側、中間及び内側の空気流に分割される。種々の空気流の適当な調整により、中間の流れは比較的狭い粒度分布を有する粒子フラクションを有する。
【0005】
さらに、Conner, W. D. (1966), ”An inertial−type particle seperator for collecting large samples”, J. Air Pollut. Control Assoc. 16 (1966) p. 35から、バーチャルインパクタ(virtual impaktor)が公知である。これは加速ノズル及び集合開口から構成されている。エーロゾル流は、ノズルにより集合開口に向けて加速され、該集合開口内で分類が行われる。エーロゾル体積流の小部分は集合開口により、主流はノズルに対して90゜の角度で吸引される。種々の大きさの粒子の異なる慣性に相応して、インパクタの分離大きさより大きいものは、小さい体積流で集合開口内に達する。次いで、比較的大きい体積流は、インパクタの分離大きさよりも小さい全ての粒子を含有する。両者の空気流の粒子は、含気性の状態に保たれる。バーチャルインパクタの分離効率を改良するために、前記原理の多数の変更形が存在する。1つの方法は、オポジングジェト(Opposing Jet)法(Willeke K. and E. Pavlik ”Size classification of fine particles by opposing jets”, Environmental Science and Technogy 12 (1987), pp. 563−566)であり、この場合にはバーチャルインパクタは向流原理で作業する。別の可能性は、粒子不含の純ガスを比較的小さい体積流に加える(Masuda H., D. Hochrainer, and W. Stoeber ”An improved virtual impactor for particle classification and generation of test aerosols with narrow size distributions”, J. Aerosol Sci. 10 (1978), pp. 275−278)又は多分散エーロゾル流に加える(Chen B. T. and H. C. Yeh ”An improved virtual impactor: design and performance”, J. Aerosol Sci. 18 (1987), pp. 203−214)ことからなる。
【0006】
IPACの欠点は、これが乾燥エーロゾルの分類(classfication)のためのみに適当であることにある。それに伴い、IPACでは例えばノズル噴霧器が提供するような水性多分散エーロゾルからは、準単分散フラクションを濾別することはできない。
【0007】
多分散出発エーロゾルに比較した準単分散エーロゾルの収率は、10%であるにすぎない。
【0008】
バーチャルインパクタの著しい欠点は、その比較的不鮮鋭な分離性能にある。それというのも、インパクタの分離大きさよりも小さい、常に一定の割合の粒子が、大きな粒子の空気流内に含有されているからである。それに伴い、バーチャルインパクタでは、強度の富化のみが行われれかつ多分散エーロゾルの粒子の大きさに基づく分離は行われない。また、分類されるエーロゾルの大きさ範囲をインパクタの作動中に無段で変化させることができない。
【0009】
前記形式の装置は、その直線状構造のために大きな手間をかけて調整しなけらばならずかつ使用される鋭利なエッジの分離面で、分離効果を低下させる強度の渦流が生じるという欠点を有する。
【0010】
本発明の課題は、冒頭に記載した形式の装置を、容易に組み立てることができかつ多分散エーロゾル流から準単分散フラクションを高い効率で濾別することができるように構成することである。
【0011】
前記課題は、請求項1の特徴部に記載の特徴により解決される。請求項2以降は、本発明の有利な実施態様を示すものである。請求項8は、該装置の有利な使用を示す。
【0012】
本装置(以下には、IAPS(Inertial Aerosol Particle Separator)と記載する)の特別の利点は、水性もしくは乾燥多分散エーロゾル流から準単分散フラクションを容易に無段階調節可能な粒度範囲で選別することができることにある。
【0013】
以下に、本発明を図面を用いて実施例により詳細に説明する。
【0014】
この場合、図1はASCの縦断面図を示し、その際該断面は回転対称軸線を含みかつ図2及び3はそれぞれ、数量化するために異なる参照符号で簡明化のために分離範囲の拡大断面図を示す。
【0015】
IAPSは、円筒状に、ほぼ回転対称に構成され、かつ図1から明らかなように、入口部材1と案内部材5とからなり、これらは一緒に心合わせする円錐部8を介して純空気通路11の幾何学的形状を決定する。入口部材1は中心エーロゾル供給通路7を有し、該通路は右に向かって円錐台状に先細になっている。円錐台の端面板はエーロゾル流を回転対称の通路10内にさらに導くために円形の密集して位置する孔を有する。ノズルインサート2及び入口部材1は、一緒にエーロゾル供給通路10及び加速通路12の幾何学的形状を形成する。ノズルインサート2は、入口部材1の円錐部20を介して心合わせされている。スペーサインサート6は、ノズルインサート2からの排出通路の距離を固定する。分離インサート3は、小さい粒度フラクションのための排出通路15の幾何学的形状を固定しかつ同時に出口部材4及び案内部材5と一緒に準単分散排出通路14の幾何学的形状を決定する。分離インサート3は出口部材4の嵌合部19によりかつノズルインサート2の嵌合部22を介して配向される。出口部材4及び案内部材5は一緒に大きな粒度フラクションのための出口通路13の幾何学的形状を決定する。大きい粒度フラクション、準単分散フラクション及び小さい粒度フラクションは、半径方向通路16,21及び軸方向通路17により外側に向かって導かれる。IAPSはねじ込みによって入口部材1と案内部材5の間及び出口部材4と案内部材5の間に一緒に保持される。この場合、各ねじ装置は、対称軸線を中心とした円上に等間隔で配置された少なくとも3つのねじからなる。部材1及び5は、互いにパッキンリングでシールされている。パッキンリングを受容するための溝は記入されている。パッキンリングは図示されていない。適当に小さい製作許容差の場合には、これらのパッキンリングを省くことができる。
【0016】
図2及び図3には、ASCの中心部分が拡大されて案内部材5の部分及びインサート2,3及び入口部材1及び出口部材4の部分と一緒に示されている。エーロゾル流はエーロゾル供給通路を介して20゜〜35゜(a,c)の角度で純空気流に導かれ、該純空気流は0.15mm(n)幅の純空気通路を介して26m/sの速度に加速される。この場合、純空気通路の環状間隙は、16mmの外径を有する。エーロゾル流は5〜10倍の速度に加速された純空気と長さ1.43mm(k)及び幅0.6mm(u)の加速通路12の前方0.87mm(p)で合流せしめられる。これは加速通路12の前方での両者の体積流の混合及び渦流を阻止する。
【0017】
加速通路の後方で、主体積流は幅0.5mm(q)の第3の排出通路5を介して90゜変向せしめられる。0.7mmまでの粒度及び小さい慣性を有する小さい粒子は、純空気流を通過できずかつ主体積流に従う。第1の排出通路15は0.2mm(h)の半径後に50゜の角度で0.5mm(j)だけ拡大され、供給側で、通路は0.2mm後に35゜(d)の角度で1.5mm(i)だけ拡大される。
【0018】
0.7〜4μmの大きさを有する粒子は、半径0.2mm(h)及び出口部材4の分離エッジを有する分離インサート3により形成される第2の排出通路14内に選別される。排出通路14は、50゜(f)を有する案内部材5に対する分離インサートの角度及び20゜(e)を有する案内部材に対する出口部材の角度により決定される。この場合、案内部材に対する距離は、0.6mm(u)である。
【0019】
3μmの大きさからの粒子は、案内部材5と共に幅0.1mm(t)及び長さ1.9mmの通路によって生じる第1の排出通路13内に変向される。その際、出口部材4の分離エッジは分離インサート3の分離エッジに比較して0.6mm(r)後退せしめられている。
【0020】
インサート2,3,6の交換により、該装置の幾何学的形状を次のように変えることができる。ノズルインサート2を介して、加速通路12の幅を0.3mm(u)小さくすることができる。第3の排出通路の幅(q)は、0.1〜1.2mmのスペーサインサートにより0.2mmの間隔に選択することができる。分離インサート3により、案内部材に対する距離(u)を変化させることができる。
【0021】
該装置の分離特徴は、既に固定の体積流で幾何学的形状の僅かな変化により変化させかつ最適化することができる。例えば、第2の排出通路において、多分散エーロゾルから1.15〜1.3の幾何学的標準偏差及び0.7〜4μmのメディアン質量直径を有する粒度を有する準単分散大きさフラクションを選別することができる。
【0022】
インサートの適当な選択により、準単分散フラクションの大きさを調整することができる。ノズルインサート及び分離インサートの距離を0.3mmから0.6mmに拡大すれば、同時に第2の排出通路において選別される粒度も上昇する。第3の排出通路におけるより小さい距離(q)は、第2の排出通路におけるより小さい粒度の選別をもたらす。
【0023】
分離インサートの距離(u)がノズルインサートの距離(u)よりも2倍大きくなれば、収率は著しく高まる。
【0024】
供給される体積流量(純空気及び多分散エーロゾル)及び3つの排出通路内の体積流量を介して、所望の選別される粒度のための収率を最適化するか又は粒度を精確に所望の範囲に調整することができる。
【0025】
乾燥した又は水性の多分散エーロゾルは、円形の間隙でフォーカシングされた純空気と合流されるが、しかし混合されない。交換可能なインサートにより、ノズル間隙、分離間隙及び分離間隙からのノズル間隙の距離を変化させることができる。そうして、インサートの交換により迅速に分離特性、ひいては選別される粒度を調整することができる。その際、流量を新たに調整する必要はない。それにより、圧力及び流量調節器を後での使用の際に廉価な臨界的ノズルと交換することができる。
【0026】
円筒状配置により、製造の際の調整は不必要である。それというのも、構成部材は円錐もしくは円筒状嵌合部を介して又はパッキンリング自体を介して心合わせされるからである。部材は機械的に製造することができるので、該IAPSは種々の材料(テフロン、特殊鋼、アルミニウム)から製造することができる。さらに、円筒状部材は射出成形部材よりも簡単に実現することができる。
【0027】
フォーカシング及び加速間隙の円形配置は、ノズル境界部でのエッジ効果を回避する。部材3の分離エッジに半径hを与えることにより、発生する渦流、ひいては損失は最小化される。それにより、乾燥物質の達成される質量濃度は、変わらない分離精度で直線的ASC(4%NaCl)に比較して85.1μg/lに、即ち35倍高められる。より高い溶液濃度(12%NaCl)では、313.5μg/lの質量濃度が達成され、これは116倍の上昇に相当する。
【0028】
さらに、良好な分離効果にとって有利に、体積比:(エーロゾル流+ジャッケト空気流)/(単分散空気流+大きな粒度フラクションの空気流)>7/1である。
【0029】
エーロゾル供給通路を包括する角度は、以下の値でエーロゾルの有利な分離を可能にする:角度a(10〜30゜)、角度c(15〜35゜)。単分散通路を包括する角度は、以下の角度で有利に固定される:角度e(15〜50゜)、角度fは角度eよりも20゜〜40゜大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるASCの縦断面図である。
【図2】数量化するために異なる参照符号で簡明化のために分離範囲の拡大断面図である。
【図3】数量化するために異なる参照符号で簡明化のために分離範囲の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 入口部材、 2 ノズルインサート、 3 分離インサート、 4 出口部材、 5 案内部材、 6 スペーサインサート、 7 エーロゾル供給通路、 8 円錐部、 10 回転対称通路、 11 純空気通路、 12 加速通路、 13 出口通路、 14 準単分散排出通路、 15 排出通路、 16,21 半径方向通路、 17 軸方向通路、 19,22 嵌合部
本発明は、DE19505341から公知であるような、請求項1の上位概念に記載の多分散エーロゾルの粒度スペクトルを分離する装置に関する。
【0002】
エーロゾルは、医療において吸入治療の分野で使用される。環境分析において、冒頭に述べた装置は大気のエーロゾルの分析能力を改良する。工業的エーロゾルプロセスは、効果的に実施することができる。
【0003】
Prodi V., C. Melandri, T. DeZaiacomo, G. Tarroni, D. Hochrainer (1979), ”An Inertial Spectrometer for Aerosol Particles”, J. Aerosol Science, 10 (1979), pp. 411−419から、前記形式の装置が公知である(Inertial Particle Aerosol Classifier(IPAC))。IPACを用いると、乾燥多分散エーロゾル流から0.8〜8μmの範囲内の準単分散成分(quasi−monodispersen Anteil)を1.2〜1.3の幾何学的標準偏差で濾別する可能性が生じる。
【0004】
IPACは円筒対称形の幾何学形状を有しかつ2つの部分からなる。装置の上方部分(分離部分)において、過圧で多分散エーロゾルが粒子不含のジャッケット空気(Mantelluft)の2つの層間を流れる。エーロゾルはジャッケット空気と一緒に広幅ノズルによって90゜の屈曲部に向けて加速される。屈曲部を通過する際に、遠心力が重い粒子を小さい粒子よりも大きな半径を有する軌道で運動させる。次いで、全体の流れは下方部分(分類部分)で3つの同心配置された入口スロットで外側、中間及び内側の空気流に分割される。種々の空気流の適当な調整により、中間の流れは比較的狭い粒度分布を有する粒子フラクションを有する。
【0005】
さらに、Conner, W. D. (1966), ”An inertial−type particle seperator for collecting large samples”, J. Air Pollut. Control Assoc. 16 (1966) p. 35から、バーチャルインパクタ(virtual impaktor)が公知である。これは加速ノズル及び集合開口から構成されている。エーロゾル流は、ノズルにより集合開口に向けて加速され、該集合開口内で分類が行われる。エーロゾル体積流の小部分は集合開口により、主流はノズルに対して90゜の角度で吸引される。種々の大きさの粒子の異なる慣性に相応して、インパクタの分離大きさより大きいものは、小さい体積流で集合開口内に達する。次いで、比較的大きい体積流は、インパクタの分離大きさよりも小さい全ての粒子を含有する。両者の空気流の粒子は、含気性の状態に保たれる。バーチャルインパクタの分離効率を改良するために、前記原理の多数の変更形が存在する。1つの方法は、オポジングジェト(Opposing Jet)法(Willeke K. and E. Pavlik ”Size classification of fine particles by opposing jets”, Environmental Science and Technogy 12 (1987), pp. 563−566)であり、この場合にはバーチャルインパクタは向流原理で作業する。別の可能性は、粒子不含の純ガスを比較的小さい体積流に加える(Masuda H., D. Hochrainer, and W. Stoeber ”An improved virtual impactor for particle classification and generation of test aerosols with narrow size distributions”, J. Aerosol Sci. 10 (1978), pp. 275−278)又は多分散エーロゾル流に加える(Chen B. T. and H. C. Yeh ”An improved virtual impactor: design and performance”, J. Aerosol Sci. 18 (1987), pp. 203−214)ことからなる。
【0006】
IPACの欠点は、これが乾燥エーロゾルの分類(classfication)のためのみに適当であることにある。それに伴い、IPACでは例えばノズル噴霧器が提供するような水性多分散エーロゾルからは、準単分散フラクションを濾別することはできない。
【0007】
多分散出発エーロゾルに比較した準単分散エーロゾルの収率は、10%であるにすぎない。
【0008】
バーチャルインパクタの著しい欠点は、その比較的不鮮鋭な分離性能にある。それというのも、インパクタの分離大きさよりも小さい、常に一定の割合の粒子が、大きな粒子の空気流内に含有されているからである。それに伴い、バーチャルインパクタでは、強度の富化のみが行われれかつ多分散エーロゾルの粒子の大きさに基づく分離は行われない。また、分類されるエーロゾルの大きさ範囲をインパクタの作動中に無段で変化させることができない。
【0009】
前記形式の装置は、その直線状構造のために大きな手間をかけて調整しなけらばならずかつ使用される鋭利なエッジの分離面で、分離効果を低下させる強度の渦流が生じるという欠点を有する。
【0010】
本発明の課題は、冒頭に記載した形式の装置を、容易に組み立てることができかつ多分散エーロゾル流から準単分散フラクションを高い効率で濾別することができるように構成することである。
【0011】
前記課題は、請求項1の特徴部に記載の特徴により解決される。請求項2以降は、本発明の有利な実施態様を示すものである。請求項8は、該装置の有利な使用を示す。
【0012】
本装置(以下には、IAPS(Inertial Aerosol Particle Separator)と記載する)の特別の利点は、水性もしくは乾燥多分散エーロゾル流から準単分散フラクションを容易に無段階調節可能な粒度範囲で選別することができることにある。
【0013】
以下に、本発明を図面を用いて実施例により詳細に説明する。
【0014】
この場合、図1はASCの縦断面図を示し、その際該断面は回転対称軸線を含みかつ図2及び3はそれぞれ、数量化するために異なる参照符号で簡明化のために分離範囲の拡大断面図を示す。
【0015】
IAPSは、円筒状に、ほぼ回転対称に構成され、かつ図1から明らかなように、入口部材1と案内部材5とからなり、これらは一緒に心合わせする円錐部8を介して純空気通路11の幾何学的形状を決定する。入口部材1は中心エーロゾル供給通路7を有し、該通路は右に向かって円錐台状に先細になっている。円錐台の端面板はエーロゾル流を回転対称の通路10内にさらに導くために円形の密集して位置する孔を有する。ノズルインサート2及び入口部材1は、一緒にエーロゾル供給通路10及び加速通路12の幾何学的形状を形成する。ノズルインサート2は、入口部材1の円錐部20を介して心合わせされている。スペーサインサート6は、ノズルインサート2からの排出通路の距離を固定する。分離インサート3は、小さい粒度フラクションのための排出通路15の幾何学的形状を固定しかつ同時に出口部材4及び案内部材5と一緒に準単分散排出通路14の幾何学的形状を決定する。分離インサート3は出口部材4の嵌合部19によりかつノズルインサート2の嵌合部22を介して配向される。出口部材4及び案内部材5は一緒に大きな粒度フラクションのための出口通路13の幾何学的形状を決定する。大きい粒度フラクション、準単分散フラクション及び小さい粒度フラクションは、半径方向通路16,21及び軸方向通路17により外側に向かって導かれる。IAPSはねじ込みによって入口部材1と案内部材5の間及び出口部材4と案内部材5の間に一緒に保持される。この場合、各ねじ装置は、対称軸線を中心とした円上に等間隔で配置された少なくとも3つのねじからなる。部材1及び5は、互いにパッキンリングでシールされている。パッキンリングを受容するための溝は記入されている。パッキンリングは図示されていない。適当に小さい製作許容差の場合には、これらのパッキンリングを省くことができる。
【0016】
図2及び図3には、ASCの中心部分が拡大されて案内部材5の部分及びインサート2,3及び入口部材1及び出口部材4の部分と一緒に示されている。エーロゾル流はエーロゾル供給通路を介して20゜〜35゜(a,c)の角度で純空気流に導かれ、該純空気流は0.15mm(n)幅の純空気通路を介して26m/sの速度に加速される。この場合、純空気通路の環状間隙は、16mmの外径を有する。エーロゾル流は5〜10倍の速度に加速された純空気と長さ1.43mm(k)及び幅0.6mm(u)の加速通路12の前方0.87mm(p)で合流せしめられる。これは加速通路12の前方での両者の体積流の混合及び渦流を阻止する。
【0017】
加速通路の後方で、主体積流は幅0.5mm(q)の第3の排出通路5を介して90゜変向せしめられる。0.7mmまでの粒度及び小さい慣性を有する小さい粒子は、純空気流を通過できずかつ主体積流に従う。第1の排出通路15は0.2mm(h)の半径後に50゜の角度で0.5mm(j)だけ拡大され、供給側で、通路は0.2mm後に35゜(d)の角度で1.5mm(i)だけ拡大される。
【0018】
0.7〜4μmの大きさを有する粒子は、半径0.2mm(h)及び出口部材4の分離エッジを有する分離インサート3により形成される第2の排出通路14内に選別される。排出通路14は、50゜(f)を有する案内部材5に対する分離インサートの角度及び20゜(e)を有する案内部材に対する出口部材の角度により決定される。この場合、案内部材に対する距離は、0.6mm(u)である。
【0019】
3μmの大きさからの粒子は、案内部材5と共に幅0.1mm(t)及び長さ1.9mmの通路によって生じる第1の排出通路13内に変向される。その際、出口部材4の分離エッジは分離インサート3の分離エッジに比較して0.6mm(r)後退せしめられている。
【0020】
インサート2,3,6の交換により、該装置の幾何学的形状を次のように変えることができる。ノズルインサート2を介して、加速通路12の幅を0.3mm(u)小さくすることができる。第3の排出通路の幅(q)は、0.1〜1.2mmのスペーサインサートにより0.2mmの間隔に選択することができる。分離インサート3により、案内部材に対する距離(u)を変化させることができる。
【0021】
該装置の分離特徴は、既に固定の体積流で幾何学的形状の僅かな変化により変化させかつ最適化することができる。例えば、第2の排出通路において、多分散エーロゾルから1.15〜1.3の幾何学的標準偏差及び0.7〜4μmのメディアン質量直径を有する粒度を有する準単分散大きさフラクションを選別することができる。
【0022】
インサートの適当な選択により、準単分散フラクションの大きさを調整することができる。ノズルインサート及び分離インサートの距離を0.3mmから0.6mmに拡大すれば、同時に第2の排出通路において選別される粒度も上昇する。第3の排出通路におけるより小さい距離(q)は、第2の排出通路におけるより小さい粒度の選別をもたらす。
【0023】
分離インサートの距離(u)がノズルインサートの距離(u)よりも2倍大きくなれば、収率は著しく高まる。
【0024】
供給される体積流量(純空気及び多分散エーロゾル)及び3つの排出通路内の体積流量を介して、所望の選別される粒度のための収率を最適化するか又は粒度を精確に所望の範囲に調整することができる。
【0025】
乾燥した又は水性の多分散エーロゾルは、円形の間隙でフォーカシングされた純空気と合流されるが、しかし混合されない。交換可能なインサートにより、ノズル間隙、分離間隙及び分離間隙からのノズル間隙の距離を変化させることができる。そうして、インサートの交換により迅速に分離特性、ひいては選別される粒度を調整することができる。その際、流量を新たに調整する必要はない。それにより、圧力及び流量調節器を後での使用の際に廉価な臨界的ノズルと交換することができる。
【0026】
円筒状配置により、製造の際の調整は不必要である。それというのも、構成部材は円錐もしくは円筒状嵌合部を介して又はパッキンリング自体を介して心合わせされるからである。部材は機械的に製造することができるので、該IAPSは種々の材料(テフロン、特殊鋼、アルミニウム)から製造することができる。さらに、円筒状部材は射出成形部材よりも簡単に実現することができる。
【0027】
フォーカシング及び加速間隙の円形配置は、ノズル境界部でのエッジ効果を回避する。部材3の分離エッジに半径hを与えることにより、発生する渦流、ひいては損失は最小化される。それにより、乾燥物質の達成される質量濃度は、変わらない分離精度で直線的ASC(4%NaCl)に比較して85.1μg/lに、即ち35倍高められる。より高い溶液濃度(12%NaCl)では、313.5μg/lの質量濃度が達成され、これは116倍の上昇に相当する。
【0028】
さらに、良好な分離効果にとって有利に、体積比:(エーロゾル流+ジャッケト空気流)/(単分散空気流+大きな粒度フラクションの空気流)>7/1である。
【0029】
エーロゾル供給通路を包括する角度は、以下の値でエーロゾルの有利な分離を可能にする:角度a(10〜30゜)、角度c(15〜35゜)。単分散通路を包括する角度は、以下の角度で有利に固定される:角度e(15〜50゜)、角度fは角度eよりも20゜〜40゜大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるASCの縦断面図である。
【図2】数量化するために異なる参照符号で簡明化のために分離範囲の拡大断面図である。
【図3】数量化するために異なる参照符号で簡明化のために分離範囲の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 入口部材、 2 ノズルインサート、 3 分離インサート、 4 出口部材、 5 案内部材、 6 スペーサインサート、 7 エーロゾル供給通路、 8 円錐部、 10 回転対称通路、 11 純空気通路、 12 加速通路、 13 出口通路、 14 準単分散排出通路、 15 排出通路、 16,21 半径方向通路、 17 軸方向通路、 19,22 嵌合部
Claims (5)
- エーロゾル通路、純ガス供給通路、分離部分及び少なくとも2つの排出通路を有するケーシングからなり、その際エーロゾル通路の出口と排出通路の入口との間に直線流動区間が存在しかつ純ガス流がエーロゾル流に開口し、ケーシングが5つの実質的に回転対称の構成部材(1,2,3,4,5)からなり、これらの構成部材が、軸線で自体で心合わせして相互に結合することができかつ結合された状態でガス通路及び分離部分を形成するように構成されている、多分散エーロゾルの粒度スペクトルを分離する装置において、入口部材(1)と案内部材(5)が一緒に、心合わせする円錐部(8)を介して純空気通路(11)の幾何学的形状を決定し、かつノズルインサート(2)と入口部材(1)が一緒にエーロゾル供給通路(10)及び加速通路(12)を形成し、その際ノズルインサート(2)が入口部材(1)の円錐部(20)を介して心合わせされていることを特徴とする、多分散エーロゾルの粒度スペクトルを分離する装置。
- ノズルインサート(2)からの排出通路(13,14,15)の距離を固定するスペーサインサート(6)を有する請求項1記載の粒度スペクトルを分離する装置。
- 分離インサート(3)が小さい粒度フラクションのための排出通路(15)の幾何学的形状を固定しかつ同時に出口部材(4)及び案内部材(14)と一緒に準単分散排出通路(14)の幾何学的形状を決定し、その際分離インサート(3)が出口部材(4)の嵌合部(19)によりかつノズルインサート(2)の嵌合部(22)を介して方向付けられる請求項1又は2記載の粒度スペクトルを分離する装置。
- 出口部材(4)と案内部材(5)が一緒に大きな粒度フラクションのための排出通路(13)の幾何学的形状を決定する請求項1から3までのいずれか1項記載の粒度スペクトルを分離する装置。
- 大きい粒度フラクション、準単分散の粒度フラクション及び小さい粒度フラクションを外部に導く通路(16,21)を有する請求項1から4までのいずれか1項記載の粒度スペクトルを分離する装置。
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