JP3553062B2 - ニューロメジンb受容体拮抗物質 - Google Patents
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Description
発明の背景
哺乳動物のボンベシン(Bn)関連ペプチド、ガストリン−放出ペプチド(GRP)およびニューロメジンB(NMB)は、広範な生物学的および薬理学的効果を有する。これらには、数多くの胃腸のホルモンおよびペプチドの放出刺激、外分泌腺分泌の化学走性(chemotaxis)の刺激、平滑筋の収縮、温度調節などの中枢神経系における効果、行動の効果、日周リズムの維持、TSH放出および飽満(satiety)の阻害が含まれる。Bn−関連ペプチドはまた、数多くの正常細胞(たとえば、気管支細胞、子宮内膜口細胞および3T3細胞)と同様、ヒト小細胞肺がん細胞、ラット肝細胞性腫瘍細胞、前立腺細胞および乳房腺がん細胞などの腫瘍細胞における成長因子としても機能する。
近年の構造−機能およびクローニングの研究で少なくとも2つのクラスの受容体がBn−関連ペプチドの作用を媒介していることが立証されている。1つのクラス、好GRP(GRP−preferring)のサブタイプ(GRP受容体またはGRP−R)は、GRPに対して高い親和性を有し、NMBに対して低い親和性を有する一方、いま1つのクラス、好NMB(NMB−preferring)サブタイプ(NMB受容体またはNMB−R)は、NMBに対して高い親和性を有し、GRPに対してはより低い親和性を有する。いずれのクラスの受容体も中枢神経系ならびに胃腸管のいずれにも広く存在している。近年まで、Bn−関連ペプチドが種々のプロセスを媒介することにおける薬理学的重要性もしくは、どの受容体のサブタイプが、Bn−関連ペプチドの種々の報告されている生物学的効果を媒介しているかは明らかでなかった。
5つの異なるクラスのBn−受容体拮抗物質が発表されている。ジェンセン、アール ティー(Jensen,R.T.)ら、トレンズ イン ファーマコロジカル サイエンス(Trends Pharmacol.Sci.)12巻13頁(1991)。これらのクラスの多くのものはGRP受容体に対する高い有効性、作用の長期持続性および選択性を有し、したがって種々の薬理学的結果を媒介する際のGRPまたはGRP受容体の役割を生体内においても規定するのに有用でる。しかしながら現時点では、満足できるほど選択的なまたは強力なNMB受容体に対する拮抗物質は発表されていない。さらに、NMBに対して適用されるばあい、強力で選択的な受容体の拮抗物質をつくるための方法論で成功裡に用いられたものはない(たとえばNMB受容体拮抗物質をもたらすNMB偽ペプチドまたはdesMet9NMBまたはdesMet9NMBエステルの合成など)。NMB−Rに対する選択的な拮抗物質がないので、NMBの薬理学的意義を評価することは困難となっている。
近年、天然のソマトスタチン(SS)、ソマトスタチン−14(SS−14)が、ボンベシン受容体を有することが知られている3T3細胞およびヒト小細胞肺がん細胞のトライトン(triton)抽出物中の120kDの蛋白質と125I−GRPとの交差結合を阻害することが報告された。また最近の研究で、SS−14がオピエイト(opiate)受容体との結合をも弱く阻害することができることも立証され、つづいて構造−機能を調べることによって、強力なミュー オピオイド受容体拮抗物質として機能する、種々のD−アミノ酸で置換されたおよびつなぎとめられたアミノ酸で置換された環状ソマトスタチン類似体が同定されることとなった。
発明の概要
略語
Nal=3−(2−ナフチル)−アラニンまたは3−(1−ナフチル)−アラニン
Bpa=3−(4−ビフェニル)−アラニン
X−Phe=ベンゼン環でp−、o−またはm−置換を有するフェニルアラニン、たとえば、3−(4−クロロフェニル)−アラニン
F5Phe=3−(ペンタフルオロフェニル)−アラニン
Nle=ノルロイシン
Me−Trp=インドール環の窒素がメチルに置換されたTrp
本発明は、ニューロメジンBによって誘導される細胞の生化学的活性を選択的に阻害する方法に関する。
方法の実施態様の1つには、下記の式で示されるオクタペプチドと細胞とを接触させる工程を含む。
(式中、
AA1は芳香族α−アミノ酸のD−またはL−異性体;
AA2はCysのD−またはL−異性体;
AA3はF5Phe、Phe、またはX−Phe(ここでXはハロゲン、NO2、CH3、またはOHを表わす);
AA4はTrpまたは芳香族α−アミノ酸;
AA5はLysまたはOrn;
AA6はLeu、Ile、Nle、Val、Nal、Trp、Me−Trp、Bpa、F5Phe、Phe、またはX−Phe(ここでXはハロゲン、NO2、CH3、またはOHを表わす);
AA7はCysのD−またはL−異性体;
AA8は芳香族α−アミノ酸、ThrおよびSerよりなる群から選ばれたD−またはL−異性体;
R1およびR2はそれぞれ独立にH、C1-12のアルキル、C2-12のアルケニル、C2-12のアルキニル、フェニル、ナフチル、C7-12のフェニルアルキル、C8-12のフェニルアルケニル、C8-12のフェニルアルキニル、C11-20のナフチルアルキル、C12-20のナフチルアルケニル、C12-20のナフチルアルキニル、COE、またはCOOE(ここでEはC1-12のアルキル、C2-12のアルケニル、C2-12のアルキニル、フェニル、ナフチル、C7-12のフェニルアルキル、C8-12のフェニルアルケニル、C8-12のフェニルアルキニル、C11-20のナフチルアルキル、C12-20のナフチルアルケニル、またはC12-20のナフチルアルキニルを表わす)を表わし、R1またはR2のうちの1つがCOEまたはCOOEであるばあい、他はHでなければならない;
R3およびR4はそれぞれ独立にH、C1-12のアルキル、C2-12のアルケニル、C2-12のアルキニル、フェニル、ナフチル、C7-12のフェニルアルキル、C8-12のフェニルアルケニル、C8-12のフェニルアルキニル、C11-20のナフチルアルキル、C12-20のナフチルアルケニル、またはC12-20のナフチルアルキニルを表わし;さらに
YはOR5またはNR6R7、(ここでR5、R6およびR7はそれぞれ独立にH、C1-12のアルキル、C2-12のアルケニル、C2-12のアルキニル、フェニル、ナフチル、C7-12のフェニルアルキル、C8-12のフェニルアルケニル、C8-12のフェニルアルキニル、C11-20のナフチルアルキル、C12-20のナフチルアルケニル、またはC12-20のナフチルアルキニルを表わす)を表わす;
ただし、AA1およびAA2の両方ともD−異性体とすることはできない;またさらに、AA8がThrまたはSerであればAA6はValとすることはできない)。
この実施態様を行なうのに用いることができるオクタペプチドには以下のものが含まれるが、これらに限定されるものではない:
H2−D−Nal−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Val−Cys−Nal−NH2(類似体#1);
H2−D−Nal−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Nal−Cys−Thr−NH2(類似体#2);
H2−D−Nal−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Nal−Cys−Nal−NH2(類似体#3);
H2−D−Phe−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Val−Cys−Nal−NH2(類似体#4);
H2−D−Nal−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Val−Cys−D−Nal−NH2(類似体#8);
H2−Nal−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Val−Cys−D−Nal−NH2(類似体#9);
H2−D−Nal−D−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Val−Cys−Nal−NH2(類似体#10);
H2−D−Nal−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Val−D−Cys−Nal−NH2(類似体#11);
H2−D−Trp−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Val−Cys−Nal−NH2(類似体#12);
H2−D−Nal−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Phe−Cys−Nal−NH2(類似体#13);
H2−D−Nal−Cys−Tyr−D−Nal−Lys−Val−Cys−Nal−NH2(類似体#17);
H2−D−Phe−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Nal−Cys−Thr−NH2;および
H2−D−Nal−Cys−Tyr−D−Trp−Orn−Val−Cys−Nal−NH2。
本発明のいま1つの実施態様は、細胞を以下の式で示されるオクタペプチドと接触させる工程を含んでなる、ニューロメジンBによって誘導される細胞の生化学的活性を選択的に阻害する方法に関する:
(式中、
AA1は芳香族α−アミノ酸のD−またはL−異性体;
AA2はCysのD−またはL−異性体;
AA3はF5Phe、Phe、またはX−Phe(ここでXはハロゲン、NO2、CH3、またはOHを表わす);
AA4はTrpまたは芳香族α−アミノ酸;
AA5はLysまたはOrn;
AA6はThrまたはSer;
AA7はCysのD−またはL−異性体;
AA8は芳香族α−アミノ酸よりなる群から選ばれたD−またはL−異性体;
R1およびR2はそれぞれ独立にH、C1-12のアルキル、C2-12のアルケニル、C2-12のアルキニル、フェニル、ナフチル、C7-12のフェニルアルキル、C8-12のフェニルアルケニル、C8-12のフェニルアルキニル、C11-20のナフチルアルキル、C12-20のナフチルアルケニル、C12-20のナフチルアルキニル、COE、またはCOOE(ここでEはC1-12のアルキル、C2-12のアルケニル、C2-12のアルキニル、フェニル、ナフチル、C7-12のフェニルアルキル、C8-12のフェニルアルケニル、C8-12のフェニルアルキニル、C11-20のナフチルアルキル、C12-20のナフチルアルケニル、またはC12-20のナフチルアルキニルを表わす)を表わし、R1またはR2のうちの1つがCOEまたはCOOEであるばあい、他はHでなければならない;
R3およびR4はそれぞれ独立にH、C1-12のアルキル、C2-12のアルケニル、C2-12のアルキニル、フェニル、ナフチル、C7-12のフェニルアルキル、C8-12のフェニルアルケニル、C8-12のフェニルアルキニル、C11-20のナフチルアルキル、C12-20のナフチルアルケニル、またはC12-20のナフチルアルキニルを表わし;さらに
YはOR5またはNR6R7、(ここでR5、R6およびR7はそれぞれ独立にH、C1-12のアルキル、C2-12のアルケニル、C2-12のアルキニル、フェニル、ナフチル、C7-12のフェニルアルキル、C8-12のフェニルアルケニル、C8-12のフェニルアルキニル、C11-20のナフチルアルキル、C12-20のナフチルアルケニル、またはC12-20のナフチルアルキニルを表わす)を表わす;ただし、AA1およびAA2の両方ともD−異性体とすることはできない)。
この第2の実施態様を行なうのに用いることができるオクタペプチドには以下のものが含まれるが、これらに限定されるものではない:
H2−D−Phe−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Thr−Cys−Nal−NH2(類似体#7);H2−D−Phe−Cys−Tyr−D−Trp−Lys(iPr)−Thr−Cys−Nal−NH2(類似体#15);H2−D−Phe−Cys−Tyr−D−Trp−Lys(diEt)−Thr−Cys−Nal−NH2(類似体#16);H2−D−Phe−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Ser−Cys−Thr−NH2;H2−D−Nal−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Thr−Cys−Nal−NH2;H2−D−Nal−D−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Thr−Cys−Nal−NH2;およびH2−D−Nal−Cys−Phe−D−Trp−Lys−Thr−Cys−Nal−NH2。
式(I)において、ポリペプチド鎖の慣習的な表記にしたがって、N−末端は左にあり、C−末端は右にある。ペプチド配列におけるAA1、AA2などの記号は、アミノ酸残基、すなわち、N−末端にあるばあいは=N−CH(R)−CO−またはN−末端にないばあいは−NH−CH(R)−CO−(ここでRはそのアミノ酸残基の側鎖を示す)を表わす。したがってValに対してRは−CH(CH3)2である。またアミノ酸残基が光学的に活性であるばあい、D−体と明記しないかぎり、意味するのはL−体の配置である。
式(I)で、2つのCys残基(すなわち、AA2およびAA7)はジスルフィド結合を介して互いに結びついている。しかしながら、2つのCys残基のあいだのジスルフィド結合を示すのに慣習的に用いられる線は、便宜上ここでは省略している。COEは
ならびにCOOEは
を表わす。
「芳香族α−アミノ酸」によって意味するのは、式
または
(ここでZは芳香族を含む一部分を表わす)の、アミノ酸残基である。Zの例にはベンゼン環および芳香環上にXで置換をうけたかうけていない(ここでXはハロゲン、NO2、CH3、またはOHを表わす)、次の構造が含まれるが、これらに限定されない:
本発明の芳香族α−アミノ酸の他の例は、MeHis、His(τ−Me)またはHis(π−Me)などの置換をうけたHisである。
式(I)で示されるオクタペプチドの薬学上許容しうる塩を、その疾病がNMBにより誘導される生化学的活性から生じるものである患者に対して投与することもまた、本発明の範囲のなかにある。換言すれば、オクタペプチドは薬学上許容しうる塩、たとえば酸付加塩、または金属複合体(たとえば亜鉛、鉄などとの)のかたちで供給することができる。酸付加塩として実例となる例は、酢酸、乳酸、パモ酸、マレイン酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、コハク酸、安息香酸、パルミチン酸、スベリン酸、サリチル酸、酒石酸、メタンスルホン酸またはトルエンスルホン酸などの有機酸とのもの、タンニン酸、カルボキシメチルセルロースなどの重合酸とのもの、ならびに塩酸、臭酸、硫酸またはリン酸などの無機酸とのものである。
「ニューロメジンBにより誘導される細胞の生化学的活性を選択的に阻害する」に引用される「選択的に」の語は、GRPで刺激されるアミラーゼ放出よりもNMBで刺激されるイノシトールリン酸の合成を優先的に阻害することをいう。本発明を行なうのに用いられる類似体のこのような優先性は、後の表2に明瞭に示している。
本発明の他の特徴および利点は、以下の図面および好ましい実施態様の記載、ならびに添付の請求の範囲より明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
まず図面を説明する。
図1は、NMB−Rがトランスフェクトされた細胞上のNMB受容体に対する125I−[D−Tyr0]NMBの結合を、種々のソマトスタチンオクタペプチド類似体が阻害する能力を示すグラフである。
図2は、NMBがトランスフェクトされた細胞においてNMBで刺激される[3H]イノシトールリン酸(IP)の増大を、SS−14、SS−28および種々の環状ソマトスタチンオクタペプチド類似体が阻害する能力を示すグラフである。
図3は、NMB−Rがトランスフェクトされた細胞においてNMBで刺激される[3H]IPの増大の量−依存性曲線に対する、環状SS−オクタ(すなわち、類似体#1)の濃度の増大の効果を示すグラフである。
図4は、NMB−Rがトランスフェクトされた細胞への125I−[D−Tyr0]NMBの結合をNMBが阻害する量−阻害曲線に対する、一定の濃度の環状SS−オクタ(すなわち、類似体#1)の効果を示すグラフである。
好ましい実施態様の記載
特定のソマトスタチンオクタペプチド類似体は、NMB−R受容体拮抗物質として機能し、GRP−RよりもNMB−Rに対して100−倍より大の親和性を有する。もっとも強力な類似体、環状SS−オクタすなわち
H2−D−Nal−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Val−Cys−Nal−NH2
は、NMB−Rがトランスフェクトされた3T3細胞上(Kd 216 nM)、ならびに膠芽腫(glioblastoma)C−6細胞上(Kd 59 nM)のNMB受容体への125I−[D−Tyr0]NMBの結合を阻害した。この類似体は、ラット膵腺房のGRP−Rに対して100倍低い親和性を有していた。
数多くの構造的に関連するSS−オクタペプチド類似体を合成して行なった、構造−機能の研究で、天然のSS−14またはSS−28以外のこれらの類似体もまたそれぞれNMB受容体の結合を阻害することが示された。[SS−14およびSS−28の構造については、当該技術分野においてよく知られており、たとえば、バケム(Bachem)カリフォルニア1991〜1992カタログ、トランス(Torrance)、カリフォルニアを参照のこと]ポジション1、2、7および8における立体化学、ポジション1、3および4における置換基の疎水性および環の大きさならびにポジション5における基の塩基性のすべてが、NMB−Rへの親和性を決定するうえで重要である。各SS−オクタ類似体はNMB−Rがトランスフェクトされた細胞において[3H]IPを増大させなかった;しかしながら、それぞれの物質はNMBで刺激される増大を阻害した。各SS−オクタ類似体の結合阻害能は、NMBで刺激される[3H]IPの増大の阻害能に密接に関連していた。
もっとも強力な類似体、環状SS−オクタは、NMB量−応答曲線を平行に右側へシフトさせ、シルド(Schild)プロットは全体として有意に変化せず、親和性は230nMであった。さらに、0.5μMの環状SS−オクタは、NMB−Rへの親和性の減少を引き起こし、NMB−R結合部位の数には変化をきたさないことから、競合拮抗性を示している。環状SS−オクタは、膵腺房上のGRP受容体からのBn−刺激性アミラーゼ放出またはC−6細胞におけるエンドセリンによる[3H]IPの増大を阻害せず、またBn−非関連ペプチドに対する多くの異なるリガンドの結合をも阻害しなかった。構造−機能の研究でSS−オクタ類似体もまた、SS受容体およびミュー オピオイド受容体と相互作用することが示された;しかし、これら受容体およびNMB−Rに対する親和性のあいだには相関がなく、これらの活性が分離されうることが示さている。この結果は、GRP受容体よりもNMBに対して100倍よりも大の選択説を有する拮抗物質の1つのクラスを、はじめて示すものである。
当業者は、本明細書中の記載にもとづいて本発明をその充分な範囲にまで利用することができると信じるものである。それゆえ以下の実施態様は、単なる例示であって、開示の残余をいかようにも何ら制限しないよう解釈されるべきものである。
実験情報
材料:
ラット膠芽腫C−6細胞は、アメリカン タイプ カルチャー コレクション(American Type Culture Collection)(ロックビレ(Rockville)、メリーランド)から、ダルベッコ変法必須培地、ウシ胎児血清、およびゼネチシン(Geneticin)アミノグリコシド G−418)はギブコ(GIBCO)(ウォルサム(Waltham)、マサチューセッツ)から、ならびに細胞培養フラスコおよび24−穴プレートはコスター(Costar)社(ケンブリッジ、マサチューセッツ)から入手した。
ウシ血清アルブミン(フラクションV)およびヘペスは、ベーリンガー マンハイム バイオケミカルズ(Boehringer Mannheim Biochemicals)(インディアナポリス、インディアナ)から;ダイズ トリプシン インヒビター、EGTA、およびバシトラシンは、シグマ ケミカル(Sigma Chemical)社(セント ルイス、ミズリー)から;グルタミンはメディア セクション(Media Section)、ナショナル インスティテュート オブ ヘルス(National Institutes of Health)(ベセスダ、メリーランド)から;NMB、[Tyr4]Bn、ボンベシン、GRPおよびエンドセリン1(ET−1)はペニンシュラ ラボラトリーズ(Peninsula Laboratories)(ベルモント、カリフォルニア)から;Na125Iは、アマーシャム(Amersham)社(アーリントン ハイツ(Arlington Heights)、イリノイ)から;myo−[2−3H]イノシトール(16〜20Ci/ミリモル)はニュ− イングランド ヌクレアー(New England Nuclear)(ボストン、マサテューセッツ)から;ソマトスタチン−14(SS−14)およびソマトスタチン−28(SS−28)はバケム、(トレンス、カリフォルニア)から;ドゥエックス(Dowex)AG 1−X8陰イオン交換樹脂(100〜200メッシュ、ギ酸型)はバイオ−ラッド(Bio−Rad)(リッチモンド、カリフォルニア);ヒドロ−フルオー(Hydro−Fluor)シンチレーション液、メタノール(絶対)、および塩酸はジェー ティー ベイカー ケミカル(J.T.Baker Chemical)社(フィリップスバーグ(Phillipsburg)、ニュージャージー)から入手した。
方法:
細胞系のトランスフェクションおよび維持
前に発表されたように、(ワダ、イー(Wada,E.)ら、ニューロン(Neuron)6巻421頁(1991))安定にトランスフェクトされたラットNMB受容体を発現しているBALB 3T3細胞(NMB−Rがトランスフェクトされた細胞)は、ラット食道からつくった全長の好NMBボンベシン受容体クローンのリン酸カルシウム沈殿を用いてえられ、pCD2プラスミドの修飾バージョンのなかにサブクローン化した。細胞は集密となった時点で3〜4日ごとに1mMEDTA中0.1%トリプシンを用いて継代した。ラット膠芽腫C−6腫瘍細胞は同様に維持し、集密となった時点で毎週継代した。両細胞系とも、5%二酸化炭素雰囲気中で37℃にて培養した。ラットAR 42J膵腺房細胞は、抗生物質なしで、10%(容量/容量)ウシ胎児血清を含むダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)中で培養した。インキュベーションを行なう雰囲気は37℃にて10%二酸化炭素−90%加湿した空気でなるものであった。
ラット膵腺房の調製
モルモットからの分散腺房は、前に発表されたように調製した(ジェンセン、アール ティーら、ジャーナル オブ バイオロジカル ケミストリー(J.Biol.Chem.)257巻5554頁(1982);およびペイキン、エス アール(Peikin,S.R.)ら、アメリカン ジャーナル オブ フィジオロジー(Am.J.Physiol.)235巻G743頁(1978))。
ペプチドの調製
ペプチドは、メチルベンズヒドリルアミン樹脂上に標準固相法を用いて合成し、フッ化水素/アニソール混合物を用いて切断した。ペプチドは90%希釈酢酸溶液中でI2を用いて滴定することにより環化し、50%酢酸中セファデックス(Sephadex)G−25を用いたゲル濾過およびアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸緩衝液を用いたC18シリカのグラジエント溶出によって精製した。方法は前に詳しく記載されている(ササキ、ワイ(Sasaki,Y.)ら、ジャーナル オブ メディカル ケミストリー(J.Med.Chem.)30巻1162頁(1987);スチュワート、ジェイ エム(stewart,J.M.)ら、ソリッド フェーズ ペプチド シンセシス(Solid Phase Peptide Synthesis)、第2版、ピアス ケミカル(Pierce Chemical)社、ロックフォード(Rockford)、イリノイ(1984);コイ、ディー エッチ(Coy,D.H.)らテトラヘドロン(Tetrahedron)、44巻835頁(1988)。)近質性は薄層クロマトグラフィー、分析HPLC、アミノ酸分析および質量分析スペクトルにより評価し、各ペプチドが96%より大の均質性を有すると確定した。
下記は類似体#1の合成に関する詳細な記載である。本発明の他のペプチドは本明細書中に開示される合成法に適切な修飾をなすことにより当業者の能力の範囲内で調製することができる。
ステップ1:Boc−D−Nal−S−メチルベンジル−Cys−O−ブロモベンジロキシカルボニル−Tyr−D−Trp−N−ベンジロキシカルボニル−Lys−Val−S−メチルベンジル−Cys−Nal−ベンズヒドリルアミン樹脂の調製
塩素イオン型のベンズヒドリルアミン−ポリスチレン樹脂(アドバンスド ケムテック(Advanced ChemTech)社)(1.2g、0.5ミリモル)を、下記の反応サイクルを行なうようにプログラムされたアドバンスド ケムテックペプチド合成機の反応容器中に入れた:(a)塩化メチレン;(b)塩化メチレン中33%トリフルオロ酢酸(2回、それぞれ1および25分間);(c)塩化メチレン;(d)エタノール;(e)塩化メチレン;(f)クロロホルム中10%トリエチルアミン。
中和した樹脂をt−ブチロキシカルボニル(「Boc」)−Nalおよびジイソプロピルカルボジイミド(それぞれ1.5ミリモル)とともに塩化メチレン中で1時間撹拌し、そののちえられたアミノ酸樹脂を、前記洗浄プログラムの段階(a)から(g)までのサイクルにかけた。ついで下記のアミノ酸(1.5ミリモル)を引き続き同じ手順で結合させた:Boc−S−メチルベンジル−Cys、Val、Boc−N−ベンジロキシカルボニル−Lys、Boc−D−Trp、Boc−O−ブロモベンジロキシカルボニル−Tyr、およびBoc−S−メチルベンジル−CysおよびBoc−D−Nal。洗浄ならびに乾燥ののち完成したペプチド樹脂は1.78gの重量であった。
ステップ2:H−D−Nal−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Val−Cys−Nal−NH2の調製
ステップ1でえられたペプチド樹脂(1.78g、0.5ミリモル)はアニソール(5ml)、ジチオスレイトール(100mg)および無水フッ化水素(35ml)と0℃にて混合し、45分間撹拌した。過剰のフッ化水素は乾燥窒素流下で速やかに蒸発させ、エーテルにて遊離ペプチドを沈殿させて洗浄した。粗ペプチドを500mlの90%酢酸中に溶解し、その溶液に不変の茶色が観察されるようになるまでI2/メタノールの濃縮溶液を加えた。アスコルビン酸の添加により過剰のI2を除去し、溶液を少容量にまで蒸発させて、セファデックスG−25のカラム(2.5×90cm)に付し、50%酢酸を用いて溶出した。ついでUV吸収および薄層クロマトグラフィー(「TLC」)により主成分を含むとする画分を集めて少容量にまで蒸発させ、そののちバイダック(Vydac)オクタデシルシラン(10〜15μ)のカラム(1.5×70cm)に付し、ついで0.1%トリフルオロ酢酸水溶液中アセトニトリルの直接的濃度勾配で溶出した。画分は、TLCおよび分析高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)により調べて、最高の純度のものがえられるように集めた。
水から溶液をくり返し凍結乾燥して、白い綿毛状粉末として151mgの生成物をえた。生成物はHPLCおよびTLCにより均質であることがわかった。酸加水分解物のアミノ酸分析、および高速原子衝撃質量分析(FAB MS)により、オクタペプチドの組成を確認した。
125I−[D−Tyr0]NMBの調製
125I−[D−Tyr0]NMB(2200Ci/ミリモル)は、近年発表されたように(ベニャ、アール ブイ(Benya,R.V.)ら、モレキュラー ファーマコロジー(Mol.Pharmacol.)42巻1058頁(1992))イオド−ジェン(Iodo−Gen)を用いて調製した。手短に言うと、20μlの0.5Mリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)中2mCiのNa125Iとともに8.0μgの[D−Tyr0]NMBに、0.4μgのイオド−ジェンを加えた。22℃にて6分間インキュベートしたのち300μlの1.5Mジチオスレイトールを加え、反応混合液を80℃にて60分間インキュベートした。5mlのメタノール、5mlの0.1%トリフルオロ酢酸、ならびに5mlの水で洗浄することにより調製しておいたセプ−パック(Sep−Pak)カートリッジ(ウォーターズ アソシエーツ(Waters Associates)、ミルフォード、マサチューセッツ)に反応混合液を付すことによって遊離の125Iを分離した。0.1%トリフルオロ酢酸中60%アセトニトリルで200−μlづつ連続的に(10回)遊離の125Iを溶出した。放射活性標識したペプチドは、もっとも高い放射活性を有する3回の溶出分を合わせて、さらにそれらを046−x 25−cmのμボンダパック(BondaPak)カラムを用いた逆相高速液体クロマトグラフ(フォーターズ アソシエイツ、モデル204、レオダインインジジェクター付)に付して非標識ペプチドから分離した。カラムは流速1.0ml/min、60分間で0.1%トリフルオロ酢酸中アセトニトリルの16〜64%(容量/容量)の直線的濃度勾配にて溶出した。125I−[D−Tyr0]NMBは、1%(質量/質量)BSAを用いて−20℃にて保存し、少なくとも6週間は安定であった。
C−6膠芽腫およびNMB−Rがトランスフェクトされた細胞への125I−[D−Tyr0]NMBの結合
ラット膠芽腫C−6またはNMB−Rがトランスフェクトされた細胞を用いる結合実験は、前に発表されたように(ベニャ、アール ブイら、モレキュラー ファーマコロジー42巻1058頁(1992);およびウォン、エル−エッチ(Wang,L−H.)ら、バイオケミカル ジャーナル(biochem.J.)286巻641頁(1992))、標準緩衝液(130nM NaCl、7.7mM CK1、1.0mM EGTA、0.02%ダイズ トリプシンインヒビター)に加えて50mMヘペス、1mM MgCl2、1.5mM CaCl2、2.2mM KHPO4、0.015%グルタミン、および0.2%BSA(質量/容量)(pH7.4)よりなる結合用緩衝液中に、ばらばらにした(disaggregated)細胞を懸濁することにより行なった。インキュベーションには、75pM 125I−[D−Tyr0]NMBおよび15×106C−6細胞/mlまたは2×106NMB−Rトランスフェクト細胞/mlを含み、22℃にて60分間行なった。125I−[D−Tyr0]NMBの非飽和(nonsaturable)結合は、インキュベーション混合液にμM単位でNMBが含まれているばあいC−6細胞またはNMB−Rがトランスフェクトされた細胞と結合した放射活性の量であった。非飽和結合はすべての実験で総結合の15%より小であった;すべての値を本明細書中に飽和(saturable)結合(すなわち、総結合から非飽和結合を引いた結合)として報告する。
125I−標識[Tyr4]ボンベシンの腺房への結合。
125I−[Tyr4]ボンベシン(2000Ci/ミリモル)は、前に発表された方法(ジェンセン、アール ティーら、プロシーディングズ オブ ナショナル アカデミー オブ サイエンス(Proc.Natl.acad.Sci.)USA、75巻6139頁(1978))の変法(ボン シュレンク(Von Screnck)ら、アメリカン ジャーナル オブ フィジオロジー 256巻G747頁(1989))を用いて調製した。125I−[Tyr4]ボンベシンは、セプ−パックカートリッジを用いて125Iより分離し、μボンダパックC18のカラム(0.46×25cm)を用いた逆相高圧液体クロマトグラフィーにより非標識ペプチドから分離した。カラムは流速1ml/minにてアセトニトリル(22.5%)とリン酸トリエチルアンモニウム(0.25M、pH7.3)(77.5%)を用いてイソクラッティックで溶出した。インキュベーションには、50pM125I−[Tyr4]ボンベシンを含み、37℃にて60分間、膵腺房とともに行なった。125I−[Tyr4]ボンベジンの非飽和結合は、インキュベーション中に50pM 125I−[Tyr4]ボンベシン+1μMボンベシンが含まれているばあいに腺房と結合した放射活性の量である。示されるすべての値は、飽和結合、すなわち、125I−[Tyr4]ボンベシンのみで測定した結合(総結合)から1μMの非標識ボンベシンの存在下で測定した結合(非飽和結合)を差し引いた結合に対する。非飽和結合はすべての実験で総結合の10%より小であった。
膜受容体アッセイ
膜はラット嗅球(NMB膜受容体アッセイ)、AR42J細胞(GRPおよびソマトスタチン膜受容体アッセイ)、モルモット大脳(N1、ヒスタミンH1、およびシグマ オピオイド膜受容体アッセイ)、ラット膵臓(CCKA受容体アッセイ)、ラット大脳皮質(CCKB、PYY、ニューロテンシン、α1−アドレナリン作動性、α2−アドレナリン作動性、ムスカリン様コリン作動性、神経系ベンゾジアゼピン、末梢系ベンゾジアゼピン、アデノシン、カルシウムチャンネル、およびN−メチル−D−アスパルテート膜受容体アッセイ)A10平滑筋細胞(ETA膜受容体アッセイ)、ラット前脳(TRH、ミュ−およびデルタ オピオイド膜受容体アッセイ、ラット線条体(ドーパミン1およびドーパミン2膜受容体アッセイ)、ならびにラット前皮質(セロトニン2膜受容体アッセイ)から調製した。膜は、以下にとくに別記しない限りにおいては氷冷(50mMトリス−塩酸中で、ポリトロン(Polytron)(6、15秒に設定)を用いて調製し、39,000xg/10分間で2度、そのあいだで新鮮な緩衝液中に再懸濁して遠心を行なった。NMBおよびGRP膜受容体アッセイについては、最終のペレットは0.1mg/mlのバシトラシン、および0.1%BSAを含む50mMトリス−塩酸中に再懸濁し、ソマトスタチン受容体アッセイについては10mMトリス−塩酸中に再懸濁した。NMBおよびGRP膜結合アッセイについては、50pM 125I−NMB(または50pM 125I−[Tyr4]Bn)を用い、4℃にて30分間インキュベーションを行ない、一方ソマトスタチンアッセイについてはインキュベーションは30℃にて25分間、0.1%BSA、5mM MgCl2バシトラシン(0.02mg/ml)、トラシロール(trasylol)(200KIU/ml)およびフッ化フェニルメチルスルフォニル(PMSF)(0.02mg/ml)を含む50mMヘペス(pH7.4)中で、50pM 125I−[Tyr1]ソマトスタチンを用いて行なった。インキュベーションは、前もって0.1%ポリエチレンイミン中に浸しておいたGF/Bフィルターを通して速やかに濾過することによって終了した(NMBおよびGRP受容体アッセイ)。各フィルターを氷冷緩衝液の5ml部分で3回洗浄した。種々の膜結合アッセイに対して用いられたリガンドは、[3H]サブスタンスP(NK1受容体)、[125I]エンドセリン−1(エンドセリンA受容体)、[125I]H5CCK−8(CCKAおよびCCKB受容体、[125I]PYY(PYY受容体)、[3H]ニューロテンシン(ニューロテンシン受容体)、[3H]ブラッディキニン(ブラッディキニン2受容体)、[3H]3−meHis TRH(TRH受容体)、[3H]プラゾシン(prazosin)(ω1アドレナリン作動性受容体)、[3H]クロニジン(clonidine)(ω2アドレナリン作動性受容体)、[3H]ジヒドロアルプレノロール(dihydroalprenolol)(β1アドレナリン作動性受容体)、[3H]QNB(ムスカリン様コリン作動性受容体)、[3H]RO15−1788(ベンゾジアゼピン−神経受容体)、[3H]RO5−4864(ベンゾジアゼピン−末梢受容体)[3H]SCh23390(ドーパミン1受容体)、[3H]スピペロン(spiperone)(ドーパミン2受容体)、[3H]ケタンセリン(ketanserin)(セロトニン2受容体)、[3H]ピリラミン(pyrilamine)(ヒスタミンH1受容体)、[3H]シクロヘキシルアデノシン(アデノシン1受容体)、[3H]MK−801(N−メチル−D−アスパルテート受容体)、[3H]ペンタゾシン(pantazocine)(シグマ オピオイド受容体)、[3H]DAGO(ミュー オピオイド受容体)ならびに[3H]DPDPE(デルタ オピオイド受容体)であった。
ホスホイノシチド類の測定
C−6細胞およびNMB−Rがトランスフェクトされた細胞中の総ホスホイノシチド類は、前に発表されたように、若干修飾を加えて(ベニャ、アール ブイら、モレキュラー ファーマコロジー42巻1058頁(1992);およびウォン、エル−エイチら、バイオケミカル ジャーナル286巻641頁(1992))測定した。細胞は24−穴プレート中で集密となるまで成長させ、ついで2%ウシ胎児血清を含むダルベッコ変法必須培地中、100μci/ml myo−[2−3H]イノシトールを37℃にて48時間負荷した。細胞を洗浄し、ホスホイノシチド緩衝液(標準緩衝液にさらに10mM LiCl、20mMヘペス、2mM CaCl2、2%BSA、および1.2mM MgSO4を含む)中で37℃にて15分間、ついで種々の濃度の作動物質または3nMのNMB(最高有効濃度の半分)および異なる濃度で可能性のある拮抗物質とともに60分間インキュベートした。氷冷したメタノール中1%塩酸を用いて反応を停止し、ついでイノシトールホスフェート(IP)類を前に発表されたように(ボローナ、エム(Bologna,M.)ら、キャンサー(Cancer)63巻1714頁(1989);およびエンド、ティー(Endo,T.)ら、エンドクリノロジー(Endocrinol.)131巻313頁(1991))単離した。手短に言うと、イオン交換カラムに付したのち、遊離の[3H]グリセロホスホリルイノシトールを60mMギ酸ナトリウム中5mMのテトラホウ酸2ナトリウムを用いて洗浄することにより除去した。そののち、前に発表されたように(ベニャ、アール ブイら、モレキュラー ファーマコロジー42巻1058頁(1992)およびウォン、エル−エッチら、バイオケミカル ジャーナル286巻641頁(1992))総[3H]イノシトールホスフェート類を1.0mMギ酸アンモニウム中100mMギ酸を用いて溶出した。
結果:
SS−14、SS−28および種々の環状SS−オクタ類似体がNMBおよびGRP受容体と相互作用する能力を調べるために、NMB−Rがトランスフェクトされた細胞への125I−[D−Tyr0]NMBのまたはラット膵腺房上のGRP受容体への125I−[D−Tyr4]Bnのいずれかの結合をそれぞれが阻害する能力を測定した。10μMでSS−14およびSS−28は、NMB−Rがトランスフェクトされた細胞への125I−[Tyr0]NMBの結合の阻害を引き起こさなかった;しかし、各環状SS−オクタペプチド類似体はこれらの細胞への125I−[Tyr0]NMBの結合の有意な阻害を引き起こした(図1)。環状SS−オクタ(#1;表1)はもっとも強力であり0.1μMで125I−[Tyr0]NMBの結合の検出可能な阻害を引き起こし、216nMで阻害の最高の半分阻害し、3μMで完全に阻害した(図1;表1)。環状SS−オクタは、[Phe6]−環SS−オクタ(#13;表1)よりも2倍強力であり;さらに[D−Nal4]−環SS−オクタ(#17;表1)(K1、400nM;表1)は同じくらいの強さであって;[Nal6,Thr8]−、[Nal6]−および[D−Phe1]−環状SS−オクタ(図1)(#2〜4;表1;K1 700〜800nM)よりも4倍強力で;[Nal1,D−Nal8]−環状SS−オクタ、[D−Cys2]−および[D−Cys7]−環状SS−オクタ(図1)(#9〜11;表1;K1 1〜1.2μM)よりも6倍強力で;[D−Nal8]−、[D−Trp1]−および[D−Phe1,Lys(iPr)5,Thr6]−環状SS−オクタ(#8、12および15;表1;K1 1.4〜2.3μM)よりも9倍強力で;[D−Phe1,Lys(diEt)5,Thr6]環状SS−オクタ(#7および16;表1;K1 3.9〜4.4μM)よりも18倍強力で;[His3]−環状SS−オクタ(#14;表1;K1 9.9μM)よりも45倍強力かつ、[Thr8]−、[Thr6,8]−、[Phe3,Thr6,8]−、および[D−Phe1,Nal3,Thr8]−環SS−オクタ(#5、6、18および19;表1;K1 14〜19μM)よりも69倍強力であった。SS−14およびSS−28とは対照的しかし同様に環状SS−オクタペプチドのうち13が、ラット膵腺房上のGRP受容体への125I−[Tyr4]Bnの結合の阻害を引き起こさず、残りの6つの類似体はこの受容体に対して非常に低い親和性を有し、それぞれ15μMよりは大きい親和性を有していた(表1)。環状SS−オクタ、[Phe6]−環SS−オクタおよび[D−Nal4]−環状SS−オクタ(#1、13および17;表1)の3つのもっとも強力な類似体は、NMBに対してGRP受容体よりも84倍、100倍より大ならびに100倍より大の親和性を有していた(表1)。
SS−14、SS−28または種々の環状SS−オクタペプチド類似体が作動物質または拮抗物質としてBn受容体サブタイプに機能するかどうか決定するために、それらが10μMで、NMB−Rがトランスフェクトされた細胞における[3H]IPの増大を刺激する能力またはGRP受容体をもっているラット膵腺房からのアミラーゼ放出を刺激する能力もしくはBnで刺激されるアミラーゼ放出を阻害する能力を検討した(表2)。SS−14もSS−28も19のSS−オクタペプチド類似体のいずれもが、10μMの濃度では作動活性を有さず、NMB−Rがトランスフェクトされた細胞における[3H]IPの増大も、GRP受容体を有するラット膵腺房からのアミラーゼ放出をも刺激しなかった(表2)。同様にこれらのペプチドのいずれもがこの濃度で、ラット膵腺房において0.3nM Bnによって引き起こされるアミラーゼ放出の増大を変化させなかった(表2)。一方SS−14、SS−28および3つの環状SS−オクタペプチド類似体(#5、6および18;表2)は、NMB−Rがトランスフェクトされた細胞中3nMのNMBにより引き起こされる[3H]IPの14倍の増大に対して何らの効果も有さず、環状SS−オクタペプチド類似体のうち16がいくぶん阻害を引き起こした(表2)。5つの類似体(#1、10、11、13および17;表2)が10μMで、NMBで刺激される[3H]IPの増大を完全に阻害した。
NMB−Rがトランスフェクトされた細胞における、NMBで刺激される[3H]IPの増大をSS−オクタペプチド類似体が阻害する相対的な能力を測定するために、各類似体に対して量−阻害曲線を決定した(図2)。環状SS−オクタ(#1、表1)がもっとも強力で、0.3μMで検出しうる阻害を引き起こし、885μMで最高の半分を阻害し、さらに10μMで完全に阻害した(図2)。相対的な力は:環状SS−オクタ(#1、IC50 885nM)>[D−Cys7]−、[Phe6]−、[D−Nal4]−環状SS−オクタ(#11、13および17;表1);IC50 1.2〜1.8μM)>[Nal6,Thr8]−、[Nal6]−、[D−Phe1]−環状SS−オクタ(#2〜4;表1);IC50 3〜6.6μM)>[D−Nal8]、[Nal1,D−Nal8]−、[D−Cys2]−、[D−Trp1]−環状SS−オクタ(#8〜10、12;表1;IC50 4.4〜5.2μM)>[D−Phe1,Lys(iPr)5,Thr6]−、[D−Phe1,Lys(diEt)5,Thr6]−環状SS−オクタ(#15および16;表1;IC50 7.2〜9.8μM)>[His5]−環状−SS−オクタ(#14;表1、IC50 11.8μM)>[D−Phe1,Thr6]−、[D−Phe1,Nal3,Thr8]−、[Phe3,Thr6,8]−環状−SS−オクタ(#7、18および19;表1、IC50>10μM)>SS−14、SS−28、[Thr8]−、[Thr6,8]−環状−SS−オクタ(#5および6、10μMで活性なし)であった。
異なるSS−オクタペプチド類似体がNMB−受容体を占める能力とNMB−Rがトランスフェクトされた細胞への125I−[D−Tyr0]NMBの結合を阻害する能力ならびに、これらの細胞内でNMBにより刺激される[3H]IPの増大を阻害する能力のあいだには概ね近密な一致がみられた(図1、2;表1)。
環状SS−オクタのうち18の環状SS−オクタペプチド類似体をつくって、NMB受容体拮抗物質として機能する能力を決定するうえでの環状SS−オクタ中の異なるアミノ酸置換の重要性を調べた(#1;表1、2)。類似体8〜11(表1、2)で、環状SS−オクタのポジション1、2、7、8における立体化学の重要性を調べた。Cys1またはCys7をD−Cysに変えると、いずれを置換しても親和性が5倍低下するという、同等の効果があった(#1、10および11を比較のこと;表1)。同様に、ポジション8にD−Nalを挿入すると親和性の6倍の低下を引き起こし(#1および8を比較のこと;表1)、そしてさらにNal1の代わりにD−Nal1を加えると、それ以上には親和性は変化しなかった(#1、8および9を比較のこと;表1)。ポジション1(類似体#4および12;表1)、ポジション3(#18および19;表1)ならびにポジション4(#17;表1)について、置換されたアミノ酸の疎水性ならびに環の大きさの重要性を調べた。異なる環の大きさを有し疎水性のより小さい基であるD−Phe1またはD−Trp1の挿入は中程度の効果しか有さず、減少させる力は4〜7倍であった(#1、4および12を比較のこと;表1)。これに対して、より疎水性の基であるNal3、D−Phe3をTyr3にかえて挿入すると親和性に対する効果はほとんどなく(#5および6を#18および19と比較されたい;表1)、類似体のなかにThr8の置換を加えたばあい(#5;表1)では、親和性の変化は生じなかった。同様に、より疎水性の強い基のD−Nalを、ポジション4のD−Trpにかえて挿入しても、(#1および17を比較のこと;表1)ほとんど親和性に対する効果はなかった。環状SS−オクタのポジション6でのValの置換の重要性を類似体(#3および13;表1)で調べた。Phe6(#13;表1)またはNal6(#3;表1)のいずれかの置換は、親和性を少しだけ(2〜3倍)減少させた。それと同様のポジションにThr8を挿入することは、いくつかの高親和性SSまたはミュー受容体作動物質で用いられているが(マウラー、アール(Maurer,R.)ら、プロシーディングズ オブ ナショナル アカデミー オブ サイエンス USA79巻4815頁(1982);ペルトン、ジェー ティー(Pelton,J.T.)ら、プロシーティングズ オブナショナル アカデミー オブ サイエンス82巻236頁(1985);グリャ、ケイ(Gulya,K.)ら、ライフ サイエンス(Life Sci.)38巻2225頁(1986):およびウォーカー、ジェー エム(Walker,J.M.)ら、ペプタイズ8巻869頁(1987))、NMB受容体の親和性の劇的な(80倍)低下をひきおこした(#1および5を比較されたい;表1)、一方Val6の代わりにNalを挿入することは、Thr8の置換を補い、4倍だけの低下を引き起こすこととなった(#1、2および5を比較されたい;表1)。ポジション5において、塩基性がより低い基であるHis5をLysの代わりに置換すると、親和性の顕著な、50倍の低下が引き起こされた(#1および4を比較されたい;表1)。
Lys3の第1級アミノ基の有効性を、ジエチルLys3またはイソプロピルLys3をつくることにより変化させても、NMB受容体に対する親和性はほとんど変化しなかった(#7、15および16を比較されたい;表1)。
さらにもっとも強力な類似体、環状SS−オクタ(#1;表1、2)の阻害作用を調べるために、NMB−Rがトランスフェクトされた細胞における、NMBで刺激される[3H]IPの増大の量−応答曲線(図3)またはこれらの細胞への125I−[D−Tyr0]NMBの結合に体するNMBの量−阻害曲線(図4)に影響をおよぼす能力を決定した。1μM、3μMまたは10μMの環状SS−オクタを添加すると、充分に高濃度のNMBを用いたばあいにはNMBで刺激される[3H]IPの増大の量−応答曲線は平行に右側へシフトするが、増強の最大は変化させなかった(図3)。右側へのシフトの大きさは、用いられた環状SS−オクタの濃度およびNMBの濃度に比例していた(図3)。これらのデータをシルドのかたちでプロットすると(シルド、エッチ オー(Schild,H.O.)ブリティッシュ ジャーナル オブ ファーマコロジー(Br.J.Pharmacol.)4巻277頁(1949))(図3、挿入)、回帰方程式y=1.1(+0.2)x±7.3で相関係数0.8(p<0.001)が与えられ、傾斜は全体として有意に異なっていなかった。これらのデータからNMB受容体に対する環状SS−オクタの親和性を計算すると231±43nMの親和性がえられた。非線形最小二乗曲線適合プログラム(nonlinear least−squares curve fitting program)(ムンソン、ピー ジェー(Munson,P.J.)ら、アニュアル バイオケミストリー(Ann.Biochem.)107巻220頁(1980))を用いて、NMB−Rがトランスフェクトされた細胞への125I−[D−Tyr0]NMBの結合に対するNMBの阻害能の量−応答曲線に、0.5μMの環状SS−オクタが影響をおよぼす能力を分析すると、環状SS−オクタは競合的拮抗物質として機能していることが確認された(図4)。とくに、0.5μMの環状SS−オクタはNMB受容体に対するNMBの親和性の減少を引き起こした(環状SS−オクタなしではKdは3.1±0.2で、0.5μMの環状SS−オクタが存在するとKdは6.0±0.5、p<0.01)。これとは対照的に、0.5μMの環状SS−オクタの存在下でNMB結合部位の総数は変化しなかった(環状SS−オクタなし=7.6±0.5pm/mgタンパクならびに0.5μMの環状SS−オクタ存在=6.6±0.5pm/mgタンパク)。
環状SS−オクタ類似体の阻害効果の特異性を調べるために、これら類似体の多くが、C−6膠芽腫細胞上のNMB受容体と相互作用する能力ならびにこれらの細胞での生物学的応答を変化させる能力はもちろんのこと、相異なる受容体に対する多くの相異なるリガンドの結合を阻害する能力を測定した。C−6膠芽腫細胞はNMB受容体をもっていることが示されており(リン、ダブリュー ダブリュー(Lin,W.W.)ら、ジャーナル オブ ニューロサイエンス(J.Neurosci.)12巻1077頁(1992))それゆえこれらの細胞上の天然の受容体とSS−オクタペプチド類似体が相互作用する能力を、NMB−Rがトランスフェクトされた細胞上のNMB受容体と相互作用する能力と比較した。表1に示されるように、SS−14およびSS−28はC−6細胞に対する125I−[D−Tyr0]NMBの結合を阻害せず、環状SS−オクタは50±9nMの親和性を有するもっとも強力なSS−オクタペプチド類似体であった。他の18のSSオクタペプチド類似体の親和性は、概ねNMB−Rがトランスフェクトされた細胞上のNMB受容体のばあいに見られたものと良好に一致していた(表1)。もっとも強力な類似体のうち2つ、環状SSオクタ(#1;表1)および[Nal6,Thr8]−環状SS−オクタ(#2;表1)の阻害作用の特異性を、C−6膠芽腫細胞で調べた。これは、これらのSS−オクタペプチド類似体がそれぞれこれらの細胞においてNMBで刺激される[3H]IPの増大を阻害するものの、エンドセリン−1で刺激される[3H]IPの増大には何の効果も示さないためである(表3)。さらに、もっとも強力なSSオクタペプチド類似体、環状SS−オクタ(#1;表1、2)は1μMで(ラット嗅球膜上のNMB受容体に対する結合を95%より大きく阻害する濃度)、「方法」に記載されるように調べた、種々の組織の形質膜上の、CCKA、CCKB、エンドセリンA、PYY、ブラッディキニン1、TRH、α1−またはα2アドレナリン作動性、β1−アドレナリン作動性、ムスカリン様コリン作動性、ベンゾジアゼピン−神経または末梢性、ドーパミン2、ヒスタミンH1、アデノシン1、シグマまたはデルタ オピオイド、N−メチル−D−アスパルテート各受容体に対する結合を阻害しなかった。
環状SS−オクタは、ラット前脳膜上のミュー オピオイド受容体に対する[3H]DAGOの結合を阻害し、親和性は430±130nMであり(表4)、さらにラット膵臓の膜上のCCKA受容体に対する125I−CCK−8の結合を阻害し、親和性は5537±7nMであった。これまでの研究で種々のSS類似体がソマトスタチン受容体はもちろんのことミュー オピオイド受容体に対しても高い親和性を有することが報告されている(マウラー、アールら、プロシーディングズ オブ ナショナル アカデミーオブ サイエンスUSA、79巻4815頁(1982);ペルトン、ジェー ティーら、プロシーディングズ オブ ナショナルアカデミー オブ サイエンス82巻236頁(1985);グリャ、ケイら、ライフ サイエンス38巻2225頁(1986);およびウォーカー、ジェー エムら、ペプタイズ8巻869頁(1987))。SS−14およびSS−28ならびに種々のSSオクタペプチド類似体が、同じ種由来の膜にあるBn受容体、ソマトスタチンおよびミュー オピオイド受容体の両方のサブタイプと相互作用する能力を比較するために、これらペプチドのそれぞれがラット膵臓腺房細胞腫瘍、AR 42J細胞からの細胞膜に対する125I−[Tyr11]SS−14または125I−[Tyr4]Bnの結合、ラット嗅球膜上のNMB受容体への125I−NMBの結合、ならびにラット前脳膜への[3H]DAGOの結合を阻害する能力を測定した(表4)。NMBもGRPもいずれもが10μMまでの濃度で、AR 42J細胞上のソマトスタチン受容体への、またはラット前脳膜上のミュー オピオイド受容体への125I−[Tyr11]SS−14の結合を阻害せず、SS−14もSS−28もいずれもが10μMまでの濃度で、AR 42J細胞膜上のGRP受容体、ラット嗅球膜上のNMB受容体またはラット前脳膜上のミュー オピオイド受容体に対する結合を阻害しなかった(表4)。種々のSS−オクタペプチド類似体のラット嗅球膜上のNMB受容体に対する親和性と、AR 42J細胞上のソマトスタチン受容体に対するそれらの親和性(r=0.1、p>0.8)、ラット膵臓膜上のGRP受容体に対するそれらの親和性(r=0.01、p>0.5)またはラット前脳からの膜上のミュー オピオイド受容体に対するそれらの親和性(r=0.1、p>0.7)とのあいだに相関はなかった(表4)。たとえば、環状SS類似体、環状SS−オクタ(#1;表1)、[Nal6,Thr8]−環状SS−オクタ(#2;表1)、[D−Phe1]環状SS−オクタ(#4;表1)、[D−Cys7]環状SS−オクタ(#11;表1)および[Phe6]環状SS−オクタは、NMB受容体に対する強さにおいては5倍より低くしか変動しないが、一方ソマトスタチン受容体に対する親和性については800倍も変動し、ミュー オピオイド受容体に対しては5000倍よりも大きく変動する(表4)。一方SS−オクタ類似体のほとんどはNMB受容体よりもソマトスタチン受容体に対して有意に高い親和性を有していたが、1つの類似体、[His5]−環状SS−オクタはNMB受容体に対して3倍高い親和性を有していた。もっとも強力なNMB受容体拮抗物質、環状SS−オクタ(#1;表4)はミューオピオイド受容体よりもNMB受容体に対して10倍大きな親和性を有しており、1つの類似体(#11;表4)は、50倍よりも高い親和性を有していた。これらのデータは、環状SS−オクタペプチドの、高親和性のNMB受容体占有に対する構造上の必要条件が、高親和性のソマトスタチンまたはミューオピオイド受容体占有に対して要求されるのと顕著に異なることを示している。
種々の環状SS−オクタペプチド類似体が、SS受容体を占有することによってNMB受容体への親和性を変化させないことのさらなる証拠は、膠芽腫C−6細胞またはNMB−Rがトランスフェクトされた細胞に対する125I−[Tyr11]SS−14の飽和結合がまったく検出されないことである(n=3)。高親和性のSS受容体をもっていることが示されている分散モルモット膵腺房に、用いられた125I−[Tyr11]SS−14は結合した(エスティーブ、ジェー ピー(Esteve,J.P.)ら、アメリカン ジャーナル オブ フィジオロジー247巻G62頁(1984))。
他の実施態様
前記した記載事項から当業者は本発明の本質的な特性を容易につきとめることができ、本発明の意図と範囲から逸脱することなく、種々の用途や条件に適応するように種々の変化および修飾をなすことができる。したがって、他の実施態様もまた請求の範囲内にあるものである。
哺乳動物のボンベシン(Bn)関連ペプチド、ガストリン−放出ペプチド(GRP)およびニューロメジンB(NMB)は、広範な生物学的および薬理学的効果を有する。これらには、数多くの胃腸のホルモンおよびペプチドの放出刺激、外分泌腺分泌の化学走性(chemotaxis)の刺激、平滑筋の収縮、温度調節などの中枢神経系における効果、行動の効果、日周リズムの維持、TSH放出および飽満(satiety)の阻害が含まれる。Bn−関連ペプチドはまた、数多くの正常細胞(たとえば、気管支細胞、子宮内膜口細胞および3T3細胞)と同様、ヒト小細胞肺がん細胞、ラット肝細胞性腫瘍細胞、前立腺細胞および乳房腺がん細胞などの腫瘍細胞における成長因子としても機能する。
近年の構造−機能およびクローニングの研究で少なくとも2つのクラスの受容体がBn−関連ペプチドの作用を媒介していることが立証されている。1つのクラス、好GRP(GRP−preferring)のサブタイプ(GRP受容体またはGRP−R)は、GRPに対して高い親和性を有し、NMBに対して低い親和性を有する一方、いま1つのクラス、好NMB(NMB−preferring)サブタイプ(NMB受容体またはNMB−R)は、NMBに対して高い親和性を有し、GRPに対してはより低い親和性を有する。いずれのクラスの受容体も中枢神経系ならびに胃腸管のいずれにも広く存在している。近年まで、Bn−関連ペプチドが種々のプロセスを媒介することにおける薬理学的重要性もしくは、どの受容体のサブタイプが、Bn−関連ペプチドの種々の報告されている生物学的効果を媒介しているかは明らかでなかった。
5つの異なるクラスのBn−受容体拮抗物質が発表されている。ジェンセン、アール ティー(Jensen,R.T.)ら、トレンズ イン ファーマコロジカル サイエンス(Trends Pharmacol.Sci.)12巻13頁(1991)。これらのクラスの多くのものはGRP受容体に対する高い有効性、作用の長期持続性および選択性を有し、したがって種々の薬理学的結果を媒介する際のGRPまたはGRP受容体の役割を生体内においても規定するのに有用でる。しかしながら現時点では、満足できるほど選択的なまたは強力なNMB受容体に対する拮抗物質は発表されていない。さらに、NMBに対して適用されるばあい、強力で選択的な受容体の拮抗物質をつくるための方法論で成功裡に用いられたものはない(たとえばNMB受容体拮抗物質をもたらすNMB偽ペプチドまたはdesMet9NMBまたはdesMet9NMBエステルの合成など)。NMB−Rに対する選択的な拮抗物質がないので、NMBの薬理学的意義を評価することは困難となっている。
近年、天然のソマトスタチン(SS)、ソマトスタチン−14(SS−14)が、ボンベシン受容体を有することが知られている3T3細胞およびヒト小細胞肺がん細胞のトライトン(triton)抽出物中の120kDの蛋白質と125I−GRPとの交差結合を阻害することが報告された。また最近の研究で、SS−14がオピエイト(opiate)受容体との結合をも弱く阻害することができることも立証され、つづいて構造−機能を調べることによって、強力なミュー オピオイド受容体拮抗物質として機能する、種々のD−アミノ酸で置換されたおよびつなぎとめられたアミノ酸で置換された環状ソマトスタチン類似体が同定されることとなった。
発明の概要
略語
Nal=3−(2−ナフチル)−アラニンまたは3−(1−ナフチル)−アラニン
Bpa=3−(4−ビフェニル)−アラニン
X−Phe=ベンゼン環でp−、o−またはm−置換を有するフェニルアラニン、たとえば、3−(4−クロロフェニル)−アラニン
F5Phe=3−(ペンタフルオロフェニル)−アラニン
Nle=ノルロイシン
Me−Trp=インドール環の窒素がメチルに置換されたTrp
本発明は、ニューロメジンBによって誘導される細胞の生化学的活性を選択的に阻害する方法に関する。
方法の実施態様の1つには、下記の式で示されるオクタペプチドと細胞とを接触させる工程を含む。
(式中、
AA1は芳香族α−アミノ酸のD−またはL−異性体;
AA2はCysのD−またはL−異性体;
AA3はF5Phe、Phe、またはX−Phe(ここでXはハロゲン、NO2、CH3、またはOHを表わす);
AA4はTrpまたは芳香族α−アミノ酸;
AA5はLysまたはOrn;
AA6はLeu、Ile、Nle、Val、Nal、Trp、Me−Trp、Bpa、F5Phe、Phe、またはX−Phe(ここでXはハロゲン、NO2、CH3、またはOHを表わす);
AA7はCysのD−またはL−異性体;
AA8は芳香族α−アミノ酸、ThrおよびSerよりなる群から選ばれたD−またはL−異性体;
R1およびR2はそれぞれ独立にH、C1-12のアルキル、C2-12のアルケニル、C2-12のアルキニル、フェニル、ナフチル、C7-12のフェニルアルキル、C8-12のフェニルアルケニル、C8-12のフェニルアルキニル、C11-20のナフチルアルキル、C12-20のナフチルアルケニル、C12-20のナフチルアルキニル、COE、またはCOOE(ここでEはC1-12のアルキル、C2-12のアルケニル、C2-12のアルキニル、フェニル、ナフチル、C7-12のフェニルアルキル、C8-12のフェニルアルケニル、C8-12のフェニルアルキニル、C11-20のナフチルアルキル、C12-20のナフチルアルケニル、またはC12-20のナフチルアルキニルを表わす)を表わし、R1またはR2のうちの1つがCOEまたはCOOEであるばあい、他はHでなければならない;
R3およびR4はそれぞれ独立にH、C1-12のアルキル、C2-12のアルケニル、C2-12のアルキニル、フェニル、ナフチル、C7-12のフェニルアルキル、C8-12のフェニルアルケニル、C8-12のフェニルアルキニル、C11-20のナフチルアルキル、C12-20のナフチルアルケニル、またはC12-20のナフチルアルキニルを表わし;さらに
YはOR5またはNR6R7、(ここでR5、R6およびR7はそれぞれ独立にH、C1-12のアルキル、C2-12のアルケニル、C2-12のアルキニル、フェニル、ナフチル、C7-12のフェニルアルキル、C8-12のフェニルアルケニル、C8-12のフェニルアルキニル、C11-20のナフチルアルキル、C12-20のナフチルアルケニル、またはC12-20のナフチルアルキニルを表わす)を表わす;
ただし、AA1およびAA2の両方ともD−異性体とすることはできない;またさらに、AA8がThrまたはSerであればAA6はValとすることはできない)。
この実施態様を行なうのに用いることができるオクタペプチドには以下のものが含まれるが、これらに限定されるものではない:
H2−D−Nal−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Val−Cys−Nal−NH2(類似体#1);
H2−D−Nal−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Nal−Cys−Thr−NH2(類似体#2);
H2−D−Nal−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Nal−Cys−Nal−NH2(類似体#3);
H2−D−Phe−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Val−Cys−Nal−NH2(類似体#4);
H2−D−Nal−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Val−Cys−D−Nal−NH2(類似体#8);
H2−Nal−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Val−Cys−D−Nal−NH2(類似体#9);
H2−D−Nal−D−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Val−Cys−Nal−NH2(類似体#10);
H2−D−Nal−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Val−D−Cys−Nal−NH2(類似体#11);
H2−D−Trp−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Val−Cys−Nal−NH2(類似体#12);
H2−D−Nal−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Phe−Cys−Nal−NH2(類似体#13);
H2−D−Nal−Cys−Tyr−D−Nal−Lys−Val−Cys−Nal−NH2(類似体#17);
H2−D−Phe−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Nal−Cys−Thr−NH2;および
H2−D−Nal−Cys−Tyr−D−Trp−Orn−Val−Cys−Nal−NH2。
本発明のいま1つの実施態様は、細胞を以下の式で示されるオクタペプチドと接触させる工程を含んでなる、ニューロメジンBによって誘導される細胞の生化学的活性を選択的に阻害する方法に関する:
(式中、
AA1は芳香族α−アミノ酸のD−またはL−異性体;
AA2はCysのD−またはL−異性体;
AA3はF5Phe、Phe、またはX−Phe(ここでXはハロゲン、NO2、CH3、またはOHを表わす);
AA4はTrpまたは芳香族α−アミノ酸;
AA5はLysまたはOrn;
AA6はThrまたはSer;
AA7はCysのD−またはL−異性体;
AA8は芳香族α−アミノ酸よりなる群から選ばれたD−またはL−異性体;
R1およびR2はそれぞれ独立にH、C1-12のアルキル、C2-12のアルケニル、C2-12のアルキニル、フェニル、ナフチル、C7-12のフェニルアルキル、C8-12のフェニルアルケニル、C8-12のフェニルアルキニル、C11-20のナフチルアルキル、C12-20のナフチルアルケニル、C12-20のナフチルアルキニル、COE、またはCOOE(ここでEはC1-12のアルキル、C2-12のアルケニル、C2-12のアルキニル、フェニル、ナフチル、C7-12のフェニルアルキル、C8-12のフェニルアルケニル、C8-12のフェニルアルキニル、C11-20のナフチルアルキル、C12-20のナフチルアルケニル、またはC12-20のナフチルアルキニルを表わす)を表わし、R1またはR2のうちの1つがCOEまたはCOOEであるばあい、他はHでなければならない;
R3およびR4はそれぞれ独立にH、C1-12のアルキル、C2-12のアルケニル、C2-12のアルキニル、フェニル、ナフチル、C7-12のフェニルアルキル、C8-12のフェニルアルケニル、C8-12のフェニルアルキニル、C11-20のナフチルアルキル、C12-20のナフチルアルケニル、またはC12-20のナフチルアルキニルを表わし;さらに
YはOR5またはNR6R7、(ここでR5、R6およびR7はそれぞれ独立にH、C1-12のアルキル、C2-12のアルケニル、C2-12のアルキニル、フェニル、ナフチル、C7-12のフェニルアルキル、C8-12のフェニルアルケニル、C8-12のフェニルアルキニル、C11-20のナフチルアルキル、C12-20のナフチルアルケニル、またはC12-20のナフチルアルキニルを表わす)を表わす;ただし、AA1およびAA2の両方ともD−異性体とすることはできない)。
この第2の実施態様を行なうのに用いることができるオクタペプチドには以下のものが含まれるが、これらに限定されるものではない:
H2−D−Phe−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Thr−Cys−Nal−NH2(類似体#7);H2−D−Phe−Cys−Tyr−D−Trp−Lys(iPr)−Thr−Cys−Nal−NH2(類似体#15);H2−D−Phe−Cys−Tyr−D−Trp−Lys(diEt)−Thr−Cys−Nal−NH2(類似体#16);H2−D−Phe−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Ser−Cys−Thr−NH2;H2−D−Nal−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Thr−Cys−Nal−NH2;H2−D−Nal−D−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Thr−Cys−Nal−NH2;およびH2−D−Nal−Cys−Phe−D−Trp−Lys−Thr−Cys−Nal−NH2。
式(I)において、ポリペプチド鎖の慣習的な表記にしたがって、N−末端は左にあり、C−末端は右にある。ペプチド配列におけるAA1、AA2などの記号は、アミノ酸残基、すなわち、N−末端にあるばあいは=N−CH(R)−CO−またはN−末端にないばあいは−NH−CH(R)−CO−(ここでRはそのアミノ酸残基の側鎖を示す)を表わす。したがってValに対してRは−CH(CH3)2である。またアミノ酸残基が光学的に活性であるばあい、D−体と明記しないかぎり、意味するのはL−体の配置である。
式(I)で、2つのCys残基(すなわち、AA2およびAA7)はジスルフィド結合を介して互いに結びついている。しかしながら、2つのCys残基のあいだのジスルフィド結合を示すのに慣習的に用いられる線は、便宜上ここでは省略している。COEは
ならびにCOOEは
を表わす。
「芳香族α−アミノ酸」によって意味するのは、式
または
(ここでZは芳香族を含む一部分を表わす)の、アミノ酸残基である。Zの例にはベンゼン環および芳香環上にXで置換をうけたかうけていない(ここでXはハロゲン、NO2、CH3、またはOHを表わす)、次の構造が含まれるが、これらに限定されない:
本発明の芳香族α−アミノ酸の他の例は、MeHis、His(τ−Me)またはHis(π−Me)などの置換をうけたHisである。
式(I)で示されるオクタペプチドの薬学上許容しうる塩を、その疾病がNMBにより誘導される生化学的活性から生じるものである患者に対して投与することもまた、本発明の範囲のなかにある。換言すれば、オクタペプチドは薬学上許容しうる塩、たとえば酸付加塩、または金属複合体(たとえば亜鉛、鉄などとの)のかたちで供給することができる。酸付加塩として実例となる例は、酢酸、乳酸、パモ酸、マレイン酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、コハク酸、安息香酸、パルミチン酸、スベリン酸、サリチル酸、酒石酸、メタンスルホン酸またはトルエンスルホン酸などの有機酸とのもの、タンニン酸、カルボキシメチルセルロースなどの重合酸とのもの、ならびに塩酸、臭酸、硫酸またはリン酸などの無機酸とのものである。
「ニューロメジンBにより誘導される細胞の生化学的活性を選択的に阻害する」に引用される「選択的に」の語は、GRPで刺激されるアミラーゼ放出よりもNMBで刺激されるイノシトールリン酸の合成を優先的に阻害することをいう。本発明を行なうのに用いられる類似体のこのような優先性は、後の表2に明瞭に示している。
本発明の他の特徴および利点は、以下の図面および好ましい実施態様の記載、ならびに添付の請求の範囲より明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
まず図面を説明する。
図1は、NMB−Rがトランスフェクトされた細胞上のNMB受容体に対する125I−[D−Tyr0]NMBの結合を、種々のソマトスタチンオクタペプチド類似体が阻害する能力を示すグラフである。
図2は、NMBがトランスフェクトされた細胞においてNMBで刺激される[3H]イノシトールリン酸(IP)の増大を、SS−14、SS−28および種々の環状ソマトスタチンオクタペプチド類似体が阻害する能力を示すグラフである。
図3は、NMB−Rがトランスフェクトされた細胞においてNMBで刺激される[3H]IPの増大の量−依存性曲線に対する、環状SS−オクタ(すなわち、類似体#1)の濃度の増大の効果を示すグラフである。
図4は、NMB−Rがトランスフェクトされた細胞への125I−[D−Tyr0]NMBの結合をNMBが阻害する量−阻害曲線に対する、一定の濃度の環状SS−オクタ(すなわち、類似体#1)の効果を示すグラフである。
好ましい実施態様の記載
特定のソマトスタチンオクタペプチド類似体は、NMB−R受容体拮抗物質として機能し、GRP−RよりもNMB−Rに対して100−倍より大の親和性を有する。もっとも強力な類似体、環状SS−オクタすなわち
H2−D−Nal−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Val−Cys−Nal−NH2
は、NMB−Rがトランスフェクトされた3T3細胞上(Kd 216 nM)、ならびに膠芽腫(glioblastoma)C−6細胞上(Kd 59 nM)のNMB受容体への125I−[D−Tyr0]NMBの結合を阻害した。この類似体は、ラット膵腺房のGRP−Rに対して100倍低い親和性を有していた。
数多くの構造的に関連するSS−オクタペプチド類似体を合成して行なった、構造−機能の研究で、天然のSS−14またはSS−28以外のこれらの類似体もまたそれぞれNMB受容体の結合を阻害することが示された。[SS−14およびSS−28の構造については、当該技術分野においてよく知られており、たとえば、バケム(Bachem)カリフォルニア1991〜1992カタログ、トランス(Torrance)、カリフォルニアを参照のこと]ポジション1、2、7および8における立体化学、ポジション1、3および4における置換基の疎水性および環の大きさならびにポジション5における基の塩基性のすべてが、NMB−Rへの親和性を決定するうえで重要である。各SS−オクタ類似体はNMB−Rがトランスフェクトされた細胞において[3H]IPを増大させなかった;しかしながら、それぞれの物質はNMBで刺激される増大を阻害した。各SS−オクタ類似体の結合阻害能は、NMBで刺激される[3H]IPの増大の阻害能に密接に関連していた。
もっとも強力な類似体、環状SS−オクタは、NMB量−応答曲線を平行に右側へシフトさせ、シルド(Schild)プロットは全体として有意に変化せず、親和性は230nMであった。さらに、0.5μMの環状SS−オクタは、NMB−Rへの親和性の減少を引き起こし、NMB−R結合部位の数には変化をきたさないことから、競合拮抗性を示している。環状SS−オクタは、膵腺房上のGRP受容体からのBn−刺激性アミラーゼ放出またはC−6細胞におけるエンドセリンによる[3H]IPの増大を阻害せず、またBn−非関連ペプチドに対する多くの異なるリガンドの結合をも阻害しなかった。構造−機能の研究でSS−オクタ類似体もまた、SS受容体およびミュー オピオイド受容体と相互作用することが示された;しかし、これら受容体およびNMB−Rに対する親和性のあいだには相関がなく、これらの活性が分離されうることが示さている。この結果は、GRP受容体よりもNMBに対して100倍よりも大の選択説を有する拮抗物質の1つのクラスを、はじめて示すものである。
当業者は、本明細書中の記載にもとづいて本発明をその充分な範囲にまで利用することができると信じるものである。それゆえ以下の実施態様は、単なる例示であって、開示の残余をいかようにも何ら制限しないよう解釈されるべきものである。
実験情報
材料:
ラット膠芽腫C−6細胞は、アメリカン タイプ カルチャー コレクション(American Type Culture Collection)(ロックビレ(Rockville)、メリーランド)から、ダルベッコ変法必須培地、ウシ胎児血清、およびゼネチシン(Geneticin)アミノグリコシド G−418)はギブコ(GIBCO)(ウォルサム(Waltham)、マサチューセッツ)から、ならびに細胞培養フラスコおよび24−穴プレートはコスター(Costar)社(ケンブリッジ、マサチューセッツ)から入手した。
ウシ血清アルブミン(フラクションV)およびヘペスは、ベーリンガー マンハイム バイオケミカルズ(Boehringer Mannheim Biochemicals)(インディアナポリス、インディアナ)から;ダイズ トリプシン インヒビター、EGTA、およびバシトラシンは、シグマ ケミカル(Sigma Chemical)社(セント ルイス、ミズリー)から;グルタミンはメディア セクション(Media Section)、ナショナル インスティテュート オブ ヘルス(National Institutes of Health)(ベセスダ、メリーランド)から;NMB、[Tyr4]Bn、ボンベシン、GRPおよびエンドセリン1(ET−1)はペニンシュラ ラボラトリーズ(Peninsula Laboratories)(ベルモント、カリフォルニア)から;Na125Iは、アマーシャム(Amersham)社(アーリントン ハイツ(Arlington Heights)、イリノイ)から;myo−[2−3H]イノシトール(16〜20Ci/ミリモル)はニュ− イングランド ヌクレアー(New England Nuclear)(ボストン、マサテューセッツ)から;ソマトスタチン−14(SS−14)およびソマトスタチン−28(SS−28)はバケム、(トレンス、カリフォルニア)から;ドゥエックス(Dowex)AG 1−X8陰イオン交換樹脂(100〜200メッシュ、ギ酸型)はバイオ−ラッド(Bio−Rad)(リッチモンド、カリフォルニア);ヒドロ−フルオー(Hydro−Fluor)シンチレーション液、メタノール(絶対)、および塩酸はジェー ティー ベイカー ケミカル(J.T.Baker Chemical)社(フィリップスバーグ(Phillipsburg)、ニュージャージー)から入手した。
方法:
細胞系のトランスフェクションおよび維持
前に発表されたように、(ワダ、イー(Wada,E.)ら、ニューロン(Neuron)6巻421頁(1991))安定にトランスフェクトされたラットNMB受容体を発現しているBALB 3T3細胞(NMB−Rがトランスフェクトされた細胞)は、ラット食道からつくった全長の好NMBボンベシン受容体クローンのリン酸カルシウム沈殿を用いてえられ、pCD2プラスミドの修飾バージョンのなかにサブクローン化した。細胞は集密となった時点で3〜4日ごとに1mMEDTA中0.1%トリプシンを用いて継代した。ラット膠芽腫C−6腫瘍細胞は同様に維持し、集密となった時点で毎週継代した。両細胞系とも、5%二酸化炭素雰囲気中で37℃にて培養した。ラットAR 42J膵腺房細胞は、抗生物質なしで、10%(容量/容量)ウシ胎児血清を含むダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)中で培養した。インキュベーションを行なう雰囲気は37℃にて10%二酸化炭素−90%加湿した空気でなるものであった。
ラット膵腺房の調製
モルモットからの分散腺房は、前に発表されたように調製した(ジェンセン、アール ティーら、ジャーナル オブ バイオロジカル ケミストリー(J.Biol.Chem.)257巻5554頁(1982);およびペイキン、エス アール(Peikin,S.R.)ら、アメリカン ジャーナル オブ フィジオロジー(Am.J.Physiol.)235巻G743頁(1978))。
ペプチドの調製
ペプチドは、メチルベンズヒドリルアミン樹脂上に標準固相法を用いて合成し、フッ化水素/アニソール混合物を用いて切断した。ペプチドは90%希釈酢酸溶液中でI2を用いて滴定することにより環化し、50%酢酸中セファデックス(Sephadex)G−25を用いたゲル濾過およびアセトニトリル/0.1%トリフルオロ酢酸緩衝液を用いたC18シリカのグラジエント溶出によって精製した。方法は前に詳しく記載されている(ササキ、ワイ(Sasaki,Y.)ら、ジャーナル オブ メディカル ケミストリー(J.Med.Chem.)30巻1162頁(1987);スチュワート、ジェイ エム(stewart,J.M.)ら、ソリッド フェーズ ペプチド シンセシス(Solid Phase Peptide Synthesis)、第2版、ピアス ケミカル(Pierce Chemical)社、ロックフォード(Rockford)、イリノイ(1984);コイ、ディー エッチ(Coy,D.H.)らテトラヘドロン(Tetrahedron)、44巻835頁(1988)。)近質性は薄層クロマトグラフィー、分析HPLC、アミノ酸分析および質量分析スペクトルにより評価し、各ペプチドが96%より大の均質性を有すると確定した。
下記は類似体#1の合成に関する詳細な記載である。本発明の他のペプチドは本明細書中に開示される合成法に適切な修飾をなすことにより当業者の能力の範囲内で調製することができる。
ステップ1:Boc−D−Nal−S−メチルベンジル−Cys−O−ブロモベンジロキシカルボニル−Tyr−D−Trp−N−ベンジロキシカルボニル−Lys−Val−S−メチルベンジル−Cys−Nal−ベンズヒドリルアミン樹脂の調製
塩素イオン型のベンズヒドリルアミン−ポリスチレン樹脂(アドバンスド ケムテック(Advanced ChemTech)社)(1.2g、0.5ミリモル)を、下記の反応サイクルを行なうようにプログラムされたアドバンスド ケムテックペプチド合成機の反応容器中に入れた:(a)塩化メチレン;(b)塩化メチレン中33%トリフルオロ酢酸(2回、それぞれ1および25分間);(c)塩化メチレン;(d)エタノール;(e)塩化メチレン;(f)クロロホルム中10%トリエチルアミン。
中和した樹脂をt−ブチロキシカルボニル(「Boc」)−Nalおよびジイソプロピルカルボジイミド(それぞれ1.5ミリモル)とともに塩化メチレン中で1時間撹拌し、そののちえられたアミノ酸樹脂を、前記洗浄プログラムの段階(a)から(g)までのサイクルにかけた。ついで下記のアミノ酸(1.5ミリモル)を引き続き同じ手順で結合させた:Boc−S−メチルベンジル−Cys、Val、Boc−N−ベンジロキシカルボニル−Lys、Boc−D−Trp、Boc−O−ブロモベンジロキシカルボニル−Tyr、およびBoc−S−メチルベンジル−CysおよびBoc−D−Nal。洗浄ならびに乾燥ののち完成したペプチド樹脂は1.78gの重量であった。
ステップ2:H−D−Nal−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Val−Cys−Nal−NH2の調製
ステップ1でえられたペプチド樹脂(1.78g、0.5ミリモル)はアニソール(5ml)、ジチオスレイトール(100mg)および無水フッ化水素(35ml)と0℃にて混合し、45分間撹拌した。過剰のフッ化水素は乾燥窒素流下で速やかに蒸発させ、エーテルにて遊離ペプチドを沈殿させて洗浄した。粗ペプチドを500mlの90%酢酸中に溶解し、その溶液に不変の茶色が観察されるようになるまでI2/メタノールの濃縮溶液を加えた。アスコルビン酸の添加により過剰のI2を除去し、溶液を少容量にまで蒸発させて、セファデックスG−25のカラム(2.5×90cm)に付し、50%酢酸を用いて溶出した。ついでUV吸収および薄層クロマトグラフィー(「TLC」)により主成分を含むとする画分を集めて少容量にまで蒸発させ、そののちバイダック(Vydac)オクタデシルシラン(10〜15μ)のカラム(1.5×70cm)に付し、ついで0.1%トリフルオロ酢酸水溶液中アセトニトリルの直接的濃度勾配で溶出した。画分は、TLCおよび分析高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)により調べて、最高の純度のものがえられるように集めた。
水から溶液をくり返し凍結乾燥して、白い綿毛状粉末として151mgの生成物をえた。生成物はHPLCおよびTLCにより均質であることがわかった。酸加水分解物のアミノ酸分析、および高速原子衝撃質量分析(FAB MS)により、オクタペプチドの組成を確認した。
125I−[D−Tyr0]NMBの調製
125I−[D−Tyr0]NMB(2200Ci/ミリモル)は、近年発表されたように(ベニャ、アール ブイ(Benya,R.V.)ら、モレキュラー ファーマコロジー(Mol.Pharmacol.)42巻1058頁(1992))イオド−ジェン(Iodo−Gen)を用いて調製した。手短に言うと、20μlの0.5Mリン酸カリウム緩衝液(pH7.4)中2mCiのNa125Iとともに8.0μgの[D−Tyr0]NMBに、0.4μgのイオド−ジェンを加えた。22℃にて6分間インキュベートしたのち300μlの1.5Mジチオスレイトールを加え、反応混合液を80℃にて60分間インキュベートした。5mlのメタノール、5mlの0.1%トリフルオロ酢酸、ならびに5mlの水で洗浄することにより調製しておいたセプ−パック(Sep−Pak)カートリッジ(ウォーターズ アソシエーツ(Waters Associates)、ミルフォード、マサチューセッツ)に反応混合液を付すことによって遊離の125Iを分離した。0.1%トリフルオロ酢酸中60%アセトニトリルで200−μlづつ連続的に(10回)遊離の125Iを溶出した。放射活性標識したペプチドは、もっとも高い放射活性を有する3回の溶出分を合わせて、さらにそれらを046−x 25−cmのμボンダパック(BondaPak)カラムを用いた逆相高速液体クロマトグラフ(フォーターズ アソシエイツ、モデル204、レオダインインジジェクター付)に付して非標識ペプチドから分離した。カラムは流速1.0ml/min、60分間で0.1%トリフルオロ酢酸中アセトニトリルの16〜64%(容量/容量)の直線的濃度勾配にて溶出した。125I−[D−Tyr0]NMBは、1%(質量/質量)BSAを用いて−20℃にて保存し、少なくとも6週間は安定であった。
C−6膠芽腫およびNMB−Rがトランスフェクトされた細胞への125I−[D−Tyr0]NMBの結合
ラット膠芽腫C−6またはNMB−Rがトランスフェクトされた細胞を用いる結合実験は、前に発表されたように(ベニャ、アール ブイら、モレキュラー ファーマコロジー42巻1058頁(1992);およびウォン、エル−エッチ(Wang,L−H.)ら、バイオケミカル ジャーナル(biochem.J.)286巻641頁(1992))、標準緩衝液(130nM NaCl、7.7mM CK1、1.0mM EGTA、0.02%ダイズ トリプシンインヒビター)に加えて50mMヘペス、1mM MgCl2、1.5mM CaCl2、2.2mM KHPO4、0.015%グルタミン、および0.2%BSA(質量/容量)(pH7.4)よりなる結合用緩衝液中に、ばらばらにした(disaggregated)細胞を懸濁することにより行なった。インキュベーションには、75pM 125I−[D−Tyr0]NMBおよび15×106C−6細胞/mlまたは2×106NMB−Rトランスフェクト細胞/mlを含み、22℃にて60分間行なった。125I−[D−Tyr0]NMBの非飽和(nonsaturable)結合は、インキュベーション混合液にμM単位でNMBが含まれているばあいC−6細胞またはNMB−Rがトランスフェクトされた細胞と結合した放射活性の量であった。非飽和結合はすべての実験で総結合の15%より小であった;すべての値を本明細書中に飽和(saturable)結合(すなわち、総結合から非飽和結合を引いた結合)として報告する。
125I−標識[Tyr4]ボンベシンの腺房への結合。
125I−[Tyr4]ボンベシン(2000Ci/ミリモル)は、前に発表された方法(ジェンセン、アール ティーら、プロシーディングズ オブ ナショナル アカデミー オブ サイエンス(Proc.Natl.acad.Sci.)USA、75巻6139頁(1978))の変法(ボン シュレンク(Von Screnck)ら、アメリカン ジャーナル オブ フィジオロジー 256巻G747頁(1989))を用いて調製した。125I−[Tyr4]ボンベシンは、セプ−パックカートリッジを用いて125Iより分離し、μボンダパックC18のカラム(0.46×25cm)を用いた逆相高圧液体クロマトグラフィーにより非標識ペプチドから分離した。カラムは流速1ml/minにてアセトニトリル(22.5%)とリン酸トリエチルアンモニウム(0.25M、pH7.3)(77.5%)を用いてイソクラッティックで溶出した。インキュベーションには、50pM125I−[Tyr4]ボンベシンを含み、37℃にて60分間、膵腺房とともに行なった。125I−[Tyr4]ボンベジンの非飽和結合は、インキュベーション中に50pM 125I−[Tyr4]ボンベシン+1μMボンベシンが含まれているばあいに腺房と結合した放射活性の量である。示されるすべての値は、飽和結合、すなわち、125I−[Tyr4]ボンベシンのみで測定した結合(総結合)から1μMの非標識ボンベシンの存在下で測定した結合(非飽和結合)を差し引いた結合に対する。非飽和結合はすべての実験で総結合の10%より小であった。
膜受容体アッセイ
膜はラット嗅球(NMB膜受容体アッセイ)、AR42J細胞(GRPおよびソマトスタチン膜受容体アッセイ)、モルモット大脳(N1、ヒスタミンH1、およびシグマ オピオイド膜受容体アッセイ)、ラット膵臓(CCKA受容体アッセイ)、ラット大脳皮質(CCKB、PYY、ニューロテンシン、α1−アドレナリン作動性、α2−アドレナリン作動性、ムスカリン様コリン作動性、神経系ベンゾジアゼピン、末梢系ベンゾジアゼピン、アデノシン、カルシウムチャンネル、およびN−メチル−D−アスパルテート膜受容体アッセイ)A10平滑筋細胞(ETA膜受容体アッセイ)、ラット前脳(TRH、ミュ−およびデルタ オピオイド膜受容体アッセイ、ラット線条体(ドーパミン1およびドーパミン2膜受容体アッセイ)、ならびにラット前皮質(セロトニン2膜受容体アッセイ)から調製した。膜は、以下にとくに別記しない限りにおいては氷冷(50mMトリス−塩酸中で、ポリトロン(Polytron)(6、15秒に設定)を用いて調製し、39,000xg/10分間で2度、そのあいだで新鮮な緩衝液中に再懸濁して遠心を行なった。NMBおよびGRP膜受容体アッセイについては、最終のペレットは0.1mg/mlのバシトラシン、および0.1%BSAを含む50mMトリス−塩酸中に再懸濁し、ソマトスタチン受容体アッセイについては10mMトリス−塩酸中に再懸濁した。NMBおよびGRP膜結合アッセイについては、50pM 125I−NMB(または50pM 125I−[Tyr4]Bn)を用い、4℃にて30分間インキュベーションを行ない、一方ソマトスタチンアッセイについてはインキュベーションは30℃にて25分間、0.1%BSA、5mM MgCl2バシトラシン(0.02mg/ml)、トラシロール(trasylol)(200KIU/ml)およびフッ化フェニルメチルスルフォニル(PMSF)(0.02mg/ml)を含む50mMヘペス(pH7.4)中で、50pM 125I−[Tyr1]ソマトスタチンを用いて行なった。インキュベーションは、前もって0.1%ポリエチレンイミン中に浸しておいたGF/Bフィルターを通して速やかに濾過することによって終了した(NMBおよびGRP受容体アッセイ)。各フィルターを氷冷緩衝液の5ml部分で3回洗浄した。種々の膜結合アッセイに対して用いられたリガンドは、[3H]サブスタンスP(NK1受容体)、[125I]エンドセリン−1(エンドセリンA受容体)、[125I]H5CCK−8(CCKAおよびCCKB受容体、[125I]PYY(PYY受容体)、[3H]ニューロテンシン(ニューロテンシン受容体)、[3H]ブラッディキニン(ブラッディキニン2受容体)、[3H]3−meHis TRH(TRH受容体)、[3H]プラゾシン(prazosin)(ω1アドレナリン作動性受容体)、[3H]クロニジン(clonidine)(ω2アドレナリン作動性受容体)、[3H]ジヒドロアルプレノロール(dihydroalprenolol)(β1アドレナリン作動性受容体)、[3H]QNB(ムスカリン様コリン作動性受容体)、[3H]RO15−1788(ベンゾジアゼピン−神経受容体)、[3H]RO5−4864(ベンゾジアゼピン−末梢受容体)[3H]SCh23390(ドーパミン1受容体)、[3H]スピペロン(spiperone)(ドーパミン2受容体)、[3H]ケタンセリン(ketanserin)(セロトニン2受容体)、[3H]ピリラミン(pyrilamine)(ヒスタミンH1受容体)、[3H]シクロヘキシルアデノシン(アデノシン1受容体)、[3H]MK−801(N−メチル−D−アスパルテート受容体)、[3H]ペンタゾシン(pantazocine)(シグマ オピオイド受容体)、[3H]DAGO(ミュー オピオイド受容体)ならびに[3H]DPDPE(デルタ オピオイド受容体)であった。
ホスホイノシチド類の測定
C−6細胞およびNMB−Rがトランスフェクトされた細胞中の総ホスホイノシチド類は、前に発表されたように、若干修飾を加えて(ベニャ、アール ブイら、モレキュラー ファーマコロジー42巻1058頁(1992);およびウォン、エル−エイチら、バイオケミカル ジャーナル286巻641頁(1992))測定した。細胞は24−穴プレート中で集密となるまで成長させ、ついで2%ウシ胎児血清を含むダルベッコ変法必須培地中、100μci/ml myo−[2−3H]イノシトールを37℃にて48時間負荷した。細胞を洗浄し、ホスホイノシチド緩衝液(標準緩衝液にさらに10mM LiCl、20mMヘペス、2mM CaCl2、2%BSA、および1.2mM MgSO4を含む)中で37℃にて15分間、ついで種々の濃度の作動物質または3nMのNMB(最高有効濃度の半分)および異なる濃度で可能性のある拮抗物質とともに60分間インキュベートした。氷冷したメタノール中1%塩酸を用いて反応を停止し、ついでイノシトールホスフェート(IP)類を前に発表されたように(ボローナ、エム(Bologna,M.)ら、キャンサー(Cancer)63巻1714頁(1989);およびエンド、ティー(Endo,T.)ら、エンドクリノロジー(Endocrinol.)131巻313頁(1991))単離した。手短に言うと、イオン交換カラムに付したのち、遊離の[3H]グリセロホスホリルイノシトールを60mMギ酸ナトリウム中5mMのテトラホウ酸2ナトリウムを用いて洗浄することにより除去した。そののち、前に発表されたように(ベニャ、アール ブイら、モレキュラー ファーマコロジー42巻1058頁(1992)およびウォン、エル−エッチら、バイオケミカル ジャーナル286巻641頁(1992))総[3H]イノシトールホスフェート類を1.0mMギ酸アンモニウム中100mMギ酸を用いて溶出した。
結果:
SS−14、SS−28および種々の環状SS−オクタ類似体がNMBおよびGRP受容体と相互作用する能力を調べるために、NMB−Rがトランスフェクトされた細胞への125I−[D−Tyr0]NMBのまたはラット膵腺房上のGRP受容体への125I−[D−Tyr4]Bnのいずれかの結合をそれぞれが阻害する能力を測定した。10μMでSS−14およびSS−28は、NMB−Rがトランスフェクトされた細胞への125I−[Tyr0]NMBの結合の阻害を引き起こさなかった;しかし、各環状SS−オクタペプチド類似体はこれらの細胞への125I−[Tyr0]NMBの結合の有意な阻害を引き起こした(図1)。環状SS−オクタ(#1;表1)はもっとも強力であり0.1μMで125I−[Tyr0]NMBの結合の検出可能な阻害を引き起こし、216nMで阻害の最高の半分阻害し、3μMで完全に阻害した(図1;表1)。環状SS−オクタは、[Phe6]−環SS−オクタ(#13;表1)よりも2倍強力であり;さらに[D−Nal4]−環SS−オクタ(#17;表1)(K1、400nM;表1)は同じくらいの強さであって;[Nal6,Thr8]−、[Nal6]−および[D−Phe1]−環状SS−オクタ(図1)(#2〜4;表1;K1 700〜800nM)よりも4倍強力で;[Nal1,D−Nal8]−環状SS−オクタ、[D−Cys2]−および[D−Cys7]−環状SS−オクタ(図1)(#9〜11;表1;K1 1〜1.2μM)よりも6倍強力で;[D−Nal8]−、[D−Trp1]−および[D−Phe1,Lys(iPr)5,Thr6]−環状SS−オクタ(#8、12および15;表1;K1 1.4〜2.3μM)よりも9倍強力で;[D−Phe1,Lys(diEt)5,Thr6]環状SS−オクタ(#7および16;表1;K1 3.9〜4.4μM)よりも18倍強力で;[His3]−環状SS−オクタ(#14;表1;K1 9.9μM)よりも45倍強力かつ、[Thr8]−、[Thr6,8]−、[Phe3,Thr6,8]−、および[D−Phe1,Nal3,Thr8]−環SS−オクタ(#5、6、18および19;表1;K1 14〜19μM)よりも69倍強力であった。SS−14およびSS−28とは対照的しかし同様に環状SS−オクタペプチドのうち13が、ラット膵腺房上のGRP受容体への125I−[Tyr4]Bnの結合の阻害を引き起こさず、残りの6つの類似体はこの受容体に対して非常に低い親和性を有し、それぞれ15μMよりは大きい親和性を有していた(表1)。環状SS−オクタ、[Phe6]−環SS−オクタおよび[D−Nal4]−環状SS−オクタ(#1、13および17;表1)の3つのもっとも強力な類似体は、NMBに対してGRP受容体よりも84倍、100倍より大ならびに100倍より大の親和性を有していた(表1)。
SS−14、SS−28または種々の環状SS−オクタペプチド類似体が作動物質または拮抗物質としてBn受容体サブタイプに機能するかどうか決定するために、それらが10μMで、NMB−Rがトランスフェクトされた細胞における[3H]IPの増大を刺激する能力またはGRP受容体をもっているラット膵腺房からのアミラーゼ放出を刺激する能力もしくはBnで刺激されるアミラーゼ放出を阻害する能力を検討した(表2)。SS−14もSS−28も19のSS−オクタペプチド類似体のいずれもが、10μMの濃度では作動活性を有さず、NMB−Rがトランスフェクトされた細胞における[3H]IPの増大も、GRP受容体を有するラット膵腺房からのアミラーゼ放出をも刺激しなかった(表2)。同様にこれらのペプチドのいずれもがこの濃度で、ラット膵腺房において0.3nM Bnによって引き起こされるアミラーゼ放出の増大を変化させなかった(表2)。一方SS−14、SS−28および3つの環状SS−オクタペプチド類似体(#5、6および18;表2)は、NMB−Rがトランスフェクトされた細胞中3nMのNMBにより引き起こされる[3H]IPの14倍の増大に対して何らの効果も有さず、環状SS−オクタペプチド類似体のうち16がいくぶん阻害を引き起こした(表2)。5つの類似体(#1、10、11、13および17;表2)が10μMで、NMBで刺激される[3H]IPの増大を完全に阻害した。
NMB−Rがトランスフェクトされた細胞における、NMBで刺激される[3H]IPの増大をSS−オクタペプチド類似体が阻害する相対的な能力を測定するために、各類似体に対して量−阻害曲線を決定した(図2)。環状SS−オクタ(#1、表1)がもっとも強力で、0.3μMで検出しうる阻害を引き起こし、885μMで最高の半分を阻害し、さらに10μMで完全に阻害した(図2)。相対的な力は:環状SS−オクタ(#1、IC50 885nM)>[D−Cys7]−、[Phe6]−、[D−Nal4]−環状SS−オクタ(#11、13および17;表1);IC50 1.2〜1.8μM)>[Nal6,Thr8]−、[Nal6]−、[D−Phe1]−環状SS−オクタ(#2〜4;表1);IC50 3〜6.6μM)>[D−Nal8]、[Nal1,D−Nal8]−、[D−Cys2]−、[D−Trp1]−環状SS−オクタ(#8〜10、12;表1;IC50 4.4〜5.2μM)>[D−Phe1,Lys(iPr)5,Thr6]−、[D−Phe1,Lys(diEt)5,Thr6]−環状SS−オクタ(#15および16;表1;IC50 7.2〜9.8μM)>[His5]−環状−SS−オクタ(#14;表1、IC50 11.8μM)>[D−Phe1,Thr6]−、[D−Phe1,Nal3,Thr8]−、[Phe3,Thr6,8]−環状−SS−オクタ(#7、18および19;表1、IC50>10μM)>SS−14、SS−28、[Thr8]−、[Thr6,8]−環状−SS−オクタ(#5および6、10μMで活性なし)であった。
異なるSS−オクタペプチド類似体がNMB−受容体を占める能力とNMB−Rがトランスフェクトされた細胞への125I−[D−Tyr0]NMBの結合を阻害する能力ならびに、これらの細胞内でNMBにより刺激される[3H]IPの増大を阻害する能力のあいだには概ね近密な一致がみられた(図1、2;表1)。
環状SS−オクタのうち18の環状SS−オクタペプチド類似体をつくって、NMB受容体拮抗物質として機能する能力を決定するうえでの環状SS−オクタ中の異なるアミノ酸置換の重要性を調べた(#1;表1、2)。類似体8〜11(表1、2)で、環状SS−オクタのポジション1、2、7、8における立体化学の重要性を調べた。Cys1またはCys7をD−Cysに変えると、いずれを置換しても親和性が5倍低下するという、同等の効果があった(#1、10および11を比較のこと;表1)。同様に、ポジション8にD−Nalを挿入すると親和性の6倍の低下を引き起こし(#1および8を比較のこと;表1)、そしてさらにNal1の代わりにD−Nal1を加えると、それ以上には親和性は変化しなかった(#1、8および9を比較のこと;表1)。ポジション1(類似体#4および12;表1)、ポジション3(#18および19;表1)ならびにポジション4(#17;表1)について、置換されたアミノ酸の疎水性ならびに環の大きさの重要性を調べた。異なる環の大きさを有し疎水性のより小さい基であるD−Phe1またはD−Trp1の挿入は中程度の効果しか有さず、減少させる力は4〜7倍であった(#1、4および12を比較のこと;表1)。これに対して、より疎水性の基であるNal3、D−Phe3をTyr3にかえて挿入すると親和性に対する効果はほとんどなく(#5および6を#18および19と比較されたい;表1)、類似体のなかにThr8の置換を加えたばあい(#5;表1)では、親和性の変化は生じなかった。同様に、より疎水性の強い基のD−Nalを、ポジション4のD−Trpにかえて挿入しても、(#1および17を比較のこと;表1)ほとんど親和性に対する効果はなかった。環状SS−オクタのポジション6でのValの置換の重要性を類似体(#3および13;表1)で調べた。Phe6(#13;表1)またはNal6(#3;表1)のいずれかの置換は、親和性を少しだけ(2〜3倍)減少させた。それと同様のポジションにThr8を挿入することは、いくつかの高親和性SSまたはミュー受容体作動物質で用いられているが(マウラー、アール(Maurer,R.)ら、プロシーディングズ オブ ナショナル アカデミー オブ サイエンス USA79巻4815頁(1982);ペルトン、ジェー ティー(Pelton,J.T.)ら、プロシーティングズ オブナショナル アカデミー オブ サイエンス82巻236頁(1985);グリャ、ケイ(Gulya,K.)ら、ライフ サイエンス(Life Sci.)38巻2225頁(1986):およびウォーカー、ジェー エム(Walker,J.M.)ら、ペプタイズ8巻869頁(1987))、NMB受容体の親和性の劇的な(80倍)低下をひきおこした(#1および5を比較されたい;表1)、一方Val6の代わりにNalを挿入することは、Thr8の置換を補い、4倍だけの低下を引き起こすこととなった(#1、2および5を比較されたい;表1)。ポジション5において、塩基性がより低い基であるHis5をLysの代わりに置換すると、親和性の顕著な、50倍の低下が引き起こされた(#1および4を比較されたい;表1)。
Lys3の第1級アミノ基の有効性を、ジエチルLys3またはイソプロピルLys3をつくることにより変化させても、NMB受容体に対する親和性はほとんど変化しなかった(#7、15および16を比較されたい;表1)。
さらにもっとも強力な類似体、環状SS−オクタ(#1;表1、2)の阻害作用を調べるために、NMB−Rがトランスフェクトされた細胞における、NMBで刺激される[3H]IPの増大の量−応答曲線(図3)またはこれらの細胞への125I−[D−Tyr0]NMBの結合に体するNMBの量−阻害曲線(図4)に影響をおよぼす能力を決定した。1μM、3μMまたは10μMの環状SS−オクタを添加すると、充分に高濃度のNMBを用いたばあいにはNMBで刺激される[3H]IPの増大の量−応答曲線は平行に右側へシフトするが、増強の最大は変化させなかった(図3)。右側へのシフトの大きさは、用いられた環状SS−オクタの濃度およびNMBの濃度に比例していた(図3)。これらのデータをシルドのかたちでプロットすると(シルド、エッチ オー(Schild,H.O.)ブリティッシュ ジャーナル オブ ファーマコロジー(Br.J.Pharmacol.)4巻277頁(1949))(図3、挿入)、回帰方程式y=1.1(+0.2)x±7.3で相関係数0.8(p<0.001)が与えられ、傾斜は全体として有意に異なっていなかった。これらのデータからNMB受容体に対する環状SS−オクタの親和性を計算すると231±43nMの親和性がえられた。非線形最小二乗曲線適合プログラム(nonlinear least−squares curve fitting program)(ムンソン、ピー ジェー(Munson,P.J.)ら、アニュアル バイオケミストリー(Ann.Biochem.)107巻220頁(1980))を用いて、NMB−Rがトランスフェクトされた細胞への125I−[D−Tyr0]NMBの結合に対するNMBの阻害能の量−応答曲線に、0.5μMの環状SS−オクタが影響をおよぼす能力を分析すると、環状SS−オクタは競合的拮抗物質として機能していることが確認された(図4)。とくに、0.5μMの環状SS−オクタはNMB受容体に対するNMBの親和性の減少を引き起こした(環状SS−オクタなしではKdは3.1±0.2で、0.5μMの環状SS−オクタが存在するとKdは6.0±0.5、p<0.01)。これとは対照的に、0.5μMの環状SS−オクタの存在下でNMB結合部位の総数は変化しなかった(環状SS−オクタなし=7.6±0.5pm/mgタンパクならびに0.5μMの環状SS−オクタ存在=6.6±0.5pm/mgタンパク)。
環状SS−オクタ類似体の阻害効果の特異性を調べるために、これら類似体の多くが、C−6膠芽腫細胞上のNMB受容体と相互作用する能力ならびにこれらの細胞での生物学的応答を変化させる能力はもちろんのこと、相異なる受容体に対する多くの相異なるリガンドの結合を阻害する能力を測定した。C−6膠芽腫細胞はNMB受容体をもっていることが示されており(リン、ダブリュー ダブリュー(Lin,W.W.)ら、ジャーナル オブ ニューロサイエンス(J.Neurosci.)12巻1077頁(1992))それゆえこれらの細胞上の天然の受容体とSS−オクタペプチド類似体が相互作用する能力を、NMB−Rがトランスフェクトされた細胞上のNMB受容体と相互作用する能力と比較した。表1に示されるように、SS−14およびSS−28はC−6細胞に対する125I−[D−Tyr0]NMBの結合を阻害せず、環状SS−オクタは50±9nMの親和性を有するもっとも強力なSS−オクタペプチド類似体であった。他の18のSSオクタペプチド類似体の親和性は、概ねNMB−Rがトランスフェクトされた細胞上のNMB受容体のばあいに見られたものと良好に一致していた(表1)。もっとも強力な類似体のうち2つ、環状SSオクタ(#1;表1)および[Nal6,Thr8]−環状SS−オクタ(#2;表1)の阻害作用の特異性を、C−6膠芽腫細胞で調べた。これは、これらのSS−オクタペプチド類似体がそれぞれこれらの細胞においてNMBで刺激される[3H]IPの増大を阻害するものの、エンドセリン−1で刺激される[3H]IPの増大には何の効果も示さないためである(表3)。さらに、もっとも強力なSSオクタペプチド類似体、環状SS−オクタ(#1;表1、2)は1μMで(ラット嗅球膜上のNMB受容体に対する結合を95%より大きく阻害する濃度)、「方法」に記載されるように調べた、種々の組織の形質膜上の、CCKA、CCKB、エンドセリンA、PYY、ブラッディキニン1、TRH、α1−またはα2アドレナリン作動性、β1−アドレナリン作動性、ムスカリン様コリン作動性、ベンゾジアゼピン−神経または末梢性、ドーパミン2、ヒスタミンH1、アデノシン1、シグマまたはデルタ オピオイド、N−メチル−D−アスパルテート各受容体に対する結合を阻害しなかった。
環状SS−オクタは、ラット前脳膜上のミュー オピオイド受容体に対する[3H]DAGOの結合を阻害し、親和性は430±130nMであり(表4)、さらにラット膵臓の膜上のCCKA受容体に対する125I−CCK−8の結合を阻害し、親和性は5537±7nMであった。これまでの研究で種々のSS類似体がソマトスタチン受容体はもちろんのことミュー オピオイド受容体に対しても高い親和性を有することが報告されている(マウラー、アールら、プロシーディングズ オブ ナショナル アカデミーオブ サイエンスUSA、79巻4815頁(1982);ペルトン、ジェー ティーら、プロシーディングズ オブ ナショナルアカデミー オブ サイエンス82巻236頁(1985);グリャ、ケイら、ライフ サイエンス38巻2225頁(1986);およびウォーカー、ジェー エムら、ペプタイズ8巻869頁(1987))。SS−14およびSS−28ならびに種々のSSオクタペプチド類似体が、同じ種由来の膜にあるBn受容体、ソマトスタチンおよびミュー オピオイド受容体の両方のサブタイプと相互作用する能力を比較するために、これらペプチドのそれぞれがラット膵臓腺房細胞腫瘍、AR 42J細胞からの細胞膜に対する125I−[Tyr11]SS−14または125I−[Tyr4]Bnの結合、ラット嗅球膜上のNMB受容体への125I−NMBの結合、ならびにラット前脳膜への[3H]DAGOの結合を阻害する能力を測定した(表4)。NMBもGRPもいずれもが10μMまでの濃度で、AR 42J細胞上のソマトスタチン受容体への、またはラット前脳膜上のミュー オピオイド受容体への125I−[Tyr11]SS−14の結合を阻害せず、SS−14もSS−28もいずれもが10μMまでの濃度で、AR 42J細胞膜上のGRP受容体、ラット嗅球膜上のNMB受容体またはラット前脳膜上のミュー オピオイド受容体に対する結合を阻害しなかった(表4)。種々のSS−オクタペプチド類似体のラット嗅球膜上のNMB受容体に対する親和性と、AR 42J細胞上のソマトスタチン受容体に対するそれらの親和性(r=0.1、p>0.8)、ラット膵臓膜上のGRP受容体に対するそれらの親和性(r=0.01、p>0.5)またはラット前脳からの膜上のミュー オピオイド受容体に対するそれらの親和性(r=0.1、p>0.7)とのあいだに相関はなかった(表4)。たとえば、環状SS類似体、環状SS−オクタ(#1;表1)、[Nal6,Thr8]−環状SS−オクタ(#2;表1)、[D−Phe1]環状SS−オクタ(#4;表1)、[D−Cys7]環状SS−オクタ(#11;表1)および[Phe6]環状SS−オクタは、NMB受容体に対する強さにおいては5倍より低くしか変動しないが、一方ソマトスタチン受容体に対する親和性については800倍も変動し、ミュー オピオイド受容体に対しては5000倍よりも大きく変動する(表4)。一方SS−オクタ類似体のほとんどはNMB受容体よりもソマトスタチン受容体に対して有意に高い親和性を有していたが、1つの類似体、[His5]−環状SS−オクタはNMB受容体に対して3倍高い親和性を有していた。もっとも強力なNMB受容体拮抗物質、環状SS−オクタ(#1;表4)はミューオピオイド受容体よりもNMB受容体に対して10倍大きな親和性を有しており、1つの類似体(#11;表4)は、50倍よりも高い親和性を有していた。これらのデータは、環状SS−オクタペプチドの、高親和性のNMB受容体占有に対する構造上の必要条件が、高親和性のソマトスタチンまたはミューオピオイド受容体占有に対して要求されるのと顕著に異なることを示している。
種々の環状SS−オクタペプチド類似体が、SS受容体を占有することによってNMB受容体への親和性を変化させないことのさらなる証拠は、膠芽腫C−6細胞またはNMB−Rがトランスフェクトされた細胞に対する125I−[Tyr11]SS−14の飽和結合がまったく検出されないことである(n=3)。高親和性のSS受容体をもっていることが示されている分散モルモット膵腺房に、用いられた125I−[Tyr11]SS−14は結合した(エスティーブ、ジェー ピー(Esteve,J.P.)ら、アメリカン ジャーナル オブ フィジオロジー247巻G62頁(1984))。
他の実施態様
前記した記載事項から当業者は本発明の本質的な特性を容易につきとめることができ、本発明の意図と範囲から逸脱することなく、種々の用途や条件に適応するように種々の変化および修飾をなすことができる。したがって、他の実施態様もまた請求の範囲内にあるものである。
Claims (24)
- 式:
(式中、
AA1は芳香族α−アミノ酸のD−またはL−異性体;
AA2はCysのD−またはL−異性体;
AA3はF5Phe、Phe、またはX−Phe(ここでXはハロゲン、NO2、CH3、またはOHを表わす);
AA4はTrpまたは芳香族α−アミノ酸;
AA5はLysまたはOrn;
AA6はLeu、Ile、Nle、Val、Nal、Trp、Me−Trp、Bpa、F5Phe、Phe、またはX−Phe(ここでXはハロゲン、NO2、CH3、またはOHを表わす);
AA7はCysのD−またはL−異性体;
AA8は芳香族α−アミノ酸、ThrおよびSerよりなる群から選ばれたD−またはL−異性体;
R1およびR2はそれぞれ独立にH、C1-12のアルキル、C2-12のアルケニル、C2-12のアルキニル、フェニル、ナフチル、C7-12のフェニルアルキル、C8-12のフェニルアルケニル、C8-12のフェニルアルキニル、C11-20のナフチルアルキル、C12-20のナフチルアルケニル、またはC12-20のナフチルアルキニル、COE、またはCOOE(ここでEはC1-12のアルキル、C2-12のアルケニル、C2-12のアルキニル、フェニル、ナフチル、C7-12のフェニルアルキル、C8-12のフェニルアルケニル、C8-12のフェニルアルキニル、C11-20のナフチルアルキル、C12-20のナフチルアルケニル、またはC12-20のナフチルアルキニルを表わす)を表わし、R1またはR2のうちの1つがCOEまたはCOOEであれば、他はHでなければならない;
R3およびR4はそれぞれ独立にH、C1-12のアルキル、C2-12のアルケニル、C2-12のアルキニル、フェニル、ナフチル、C7-12のフェニルアルキル、C8-12のフェニルアルケニル、C8-12のフェニルアルキニル、C11-20のナフチルアルキル、C12-20のナフチルアルケニル、またはC12-20のナフチルアルキニルを表わし;さらに
YはOR5またはNR6R7、(ここでR5、R6およびR7はそれぞれ独立にH、C1-12のアルキル、C2-12のアルケニル、C2-12のアルキニル、フェニル、ナフチル、C7-12のフェニルアルキル、C8-12のフェニルアルケニル、C8-12のフェニルアルキニル、C11-20のナフチルアルキル、C12-20のナフチルアルケニル、またはC12-20のナフチルアルキニルを表わす)を表わす;
ただし、AA1およびAA2の両方ともD−異性体とすることはできない;
またさらに、AA8がThrまたはSerであればAA6はValとすることはできない)
で示されるオクタペプチドからなり、ニューロメジンBにより誘導されるイノシトールリン酸の合成を阻害する、ニューロメジンB受容体拮抗剤。 - AA3がTyrである請求項1記載の拮抗剤。
- AA4がTrpまたはNalである請求項1記載の拮抗剤。
- AA4がTrpまたはNalである請求項2記載の拮抗剤。
- R3およびR4がそれぞれ独立にHである請求項1記載の拮抗剤。
- R3およびR4がそれぞれ独立にHである請求項4記載の拮抗剤。
- AA5がLysである請求項1記載の拮抗剤。
- AA6がValである請求項1記載の拮抗剤。
- AA6が芳香族α−アミノ酸である請求項1記載の拮抗剤。
- AA8がThrである請求項1記載の拮抗剤。
- AA8が芳香族α−アミノ酸である請求項1記載の拮抗剤。
- AA1がD−異性体であってAA8がL−異性体である、またはAA1がL−異性体であってAA8がD−異性体である請求項1記載の拮抗剤。
- 前記オクタペプチドが式:
H2−D−Nal−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Val−Cys−Nal−NH2;
H2−D−Nal−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Nal−Cys−Thr−NH2;
H2−D−Nal−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Nal−Cys−Nal−NH2;
H2−D−Phe−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Val−Cys−Nal−NH2;
H2−D−Nal−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Val−Cys−D−Nal−NH2;
H2−Nal−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Val−Cys−D−Nal−NH2;
H2−D−Nal−D−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Val−Cys−Nal−NH2;
H2−D−Nal−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Val−D−Cys−Nal−NH2;
H2−D−Trp−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Val−Cys−Nal−NH2;
H2−D−Nal−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Phe−Cys−Nal−NH2;
H2−D−Nal−Cys−Tyr−D−Nal−Lys−Val−Cys−Nal−NH2;
H2−D−Phe−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Nal−Cys−Thr−NH2;
または
H2−D−Nal−Cys−Tyr−D−Trp−Orn−Val−Cys−Nal−NH2
である請求項1記載の拮抗剤。 - 式:
(式中、
AA1は芳香族α−アミノ酸のD−またはL−異性体;
AA2はCysのD−またはL−異性体;
AA3はF5Phe、Phe、またはX−Phe(ここでXはハロゲン、NO2、CH3、またはOHを表わす);
AA4はTrpまたは芳香族α−アミノ酸;
AA6はThrまたはSer;
AA7はCysのD−またはL−異性体;
AA8は芳香族α−アミノ酸よりなる群から選ばれたD−またはL−異性体;
R1およびR2はそれぞれ独立にH、C1-12のアルキル、C2-12のアルケニル、C2-12のアルキニル、フェニル、ナフチル、C7-12のフェニルアルキル、C8-12のフェニルアルケニル、C8-12のフェニルアルキニル、C11-20のナフチルアルキル、C12-20のナフチルアルケニル、C12-20のナフチルアルキニル、COE、またはCOOE(ここでEはC1-12のアルキル、C2-12のアルケニル、C2-12のアルキニル、フェニル、ナフチル、C7-12のフェニルアルキル、C8-12のフェニルアルケニル、C8-12のフェニルアルキニル、C11-20のナフチルアルキル、C12-20のナフチルアルケニル、またはC12-20のナフチルアルキニルを表わす)を表わし、R1またはR2のうちの1つがCOEまたはCOOEであれば、他はHでなければならない;
R3およびR4はそれぞれ独立にH、C1-12のアルキル、C2-12のアルケニル、C2-12のアルキニル、フェニル、ナフチル、C7-12のフェニルアルキル、C8-12のフェニルアルケニル、C8-12のフェニルアルキニル、C11-20のナフチルアルキル、C12-20のナフチルアルケニル、またはC12-20のナフチルアルキニルを表わし;さらに
YはOR5またはNR6R7、(ここでR5、R6およびR7はそれぞれ独立にH、C1-12のアルキル、C2-12のアルケニル、C2-12のアルキニル、フェニル、ナフチル、C7-12のフェニルアルキル、C8-12のフェニルアルケニル、C8-12のフェニルアルキニル、C11-20のナフチルアルキル、C12-20のナフチルアルケニル、またはC12-20のナフチルアルキニルを表わす)を表わす;
ただし、AA1およびAA2の両方ともD−異性体とすることはできない)
で示されるオクタペプチドからなり、ニューロメジンBにより誘導されるイノシトールリン酸の合成を阻害する、ニューロメジンB受容体拮抗剤。 - AA1D−Pheである請求項14記載の拮抗剤。
- AA3がTyrである請求項14記載の拮抗剤。
- AA4がTrpである請求項14記載の拮抗剤。
- AA3がTyrである請求項15記載の拮抗剤。
- AA4がTrpである請求項15記載の拮抗剤。
- AA3がTyrである請求項19記載の拮抗剤。
- AA5がLysである請求項14記載の拮抗剤。
- AA6がThrである請求項14記載の拮抗剤。
- AA1がD−異性体であってAA8がL−異性体である、またはAA1がL−異性体であってAA8がD−異性体である請求項14記載の拮抗剤。
- 前記オクタペプチドが式:
H2−D−Phe−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Thr−Cys−Nal−NH2;
H2−D−Phe−Cys−Tyr−D−Trp−Lys(iPr)−Thr−Cys−Nal−NH2;
H2−D−Phe−Cys−Tyr−D−Trp−Lys(diEt)−Thr−Cys−Nal−NH2;
H2−D−Phe−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Ser−Cys−Thr−NH2;
H2−D−Nal−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Thr−Cys−Nal−NH2;
H2−D−Nal−D−Cys−Tyr−D−Trp−Lys−Thr−Cys−Nal−NH2;
または
H2−D−Nal−Cys−Phe−D−Trp−Lys−Thr−Cys−Nal−NH2である請求項14記載の拮抗剤。
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