JP3551902B2 - 真空保温容器による飲料抽出・保温方法と飲料抽出・保温器 - Google Patents

真空保温容器による飲料抽出・保温方法と飲料抽出・保温器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主としてハンディタイプの真空保温容器内で飲料の抽出を行ないそのまま保温し、抽出材の取り出しなしにそれ以上の抽出を防止しながら以降いつでも飲料を注ぎ出し利用できるようにする真空保温容器による飲料抽出・保温方法と飲料抽出・保温器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
茶類やコーヒーで代表される抽出飲料にはそれぞれに適した種々な抽出器が提供されている。これら抽出飲料は熱湯で抽出するのが一般的で、茶類では簡易な抽出器として急須やティーポットがある。これらに抽出材と熱湯を入れて抽出した飲料は、急須やティーポット自体の、あるいはそれに付帯した濾過部にて濾過して単独に注ぎ出し利用されるようにする。コーヒーでは粒子径が小さくそのような抽出器の濾過部では分離できないし、分離できるフィルタを用いると抽出した飲料を注ぎ出すのに時間が掛かり過ぎ実用に向かない。そこで、コーヒーはドリップ方式やサイフォン方式で抽出した飲料をサーバーに受け、冷えない間に利用するのが一般的である。もっとも、冷えた場合にサーバーごとコンロで再加熱して利用することも多々行なわれている。
【0003】
これに代って、ティーコジーを施して保温を図ったり、抽出器から抽出される飲料を保温容器に受けて保温したり、電気ヒータやバーナ、ろうそくなどを利用したウォーマーの上に載せたサーバーで受けて保温したり、あるいは抽出した飲料を受けたサーバーを各種ウォーマーの上に移して保温したりして、適温範囲の飲料が長時間の間、あるいはいつでも利用できるようにすることが行なわれている。
【0004】
また、紅茶の場合メリオール方式の抽出器も広く使用されている。このものは、容器内に抽出材と熱湯を入れて蓋をし、抽出材が熱湯中に拡散した浸漬状態を得て効率のよい抽出を図ってから、蓋から外部に出た操作バーを適時に操作してそれに連結されている容器内の漉し板を容器の口部近くから底部へ押し込むことによって、熱湯中に拡散している抽出材を容器の底部域に押え込んで抽出されにくい状態としておき、容器内の抽出飲料を抽出材から分離して注ぎ出し利用されるようにする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、抽出した飲料を保温できれば利用に便利である。しかし、ティーコジーはちょっとした合間の保温に有効なもので、取扱いの面倒さとの兼ね合いから一般での使用はまれである。また、抽出器からの抽出飲料を保温容器やサーバーで受けて保温できるようにする場合、長時間の保温に向くものの、抽出後の抽出器は、保温容器やサーバーによる飲料の使用上邪魔になるので保温容器やサーバーから取り外しておく主として水まわりでの取扱い物となり、水まわりから離れて用いるのが主目的な保温容器やサーバーと一貫して共に取扱えない不便がある。また、保温にエネルギーを消費するのでは省エネ上の問題が伴う。
【0006】
そこで、本発明者等は、前記従来のメリオール方式の抽出器の容器に保温容器を採用することを考えた。しかし、このメリオール方式の抽出器では、抽出後の抽出材は容器の底部域に押え込んでおくだけであって飲料中に浸漬されたままで抽出状態が続く。このため、抽出材の種類やその材料の違い、好みの違いによって、最適な抽出時間が微妙に異なるこれら嗜好的な飲料の抽出において、一瞬にしか最適な飲料は得られない。抽出に比較的長い時間が掛かる紅茶の場合でも最適時点から時間が過ぎるほど抽出過剰となって色も味も濃くなり香りが低下する。まして、抽出時間が短くてよい緑茶やコーヒーではなおさらであり、抽出した飲料を保温して長い時間利用に供するには到底向かない。
【0007】
本発明の目的は、飲料の効率的かつ最適な抽出、抽出した飲料の利用が共に簡単で、しかもエネルギー消費なしに効率よく保温できる真空保温容器による飲料抽出・保温方法と飲料抽出・保温器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために
【0010】
本発明の真空二重容器による飲料抽出・保温方法は、内容液を入れ上端の給排口を蓋により閉じた保温状態の真空保温容器内で、先ず前記内容液中に抽出材が拡散した浸漬状態にて抽出材から内容液への飲料成分の抽出を図り、次いで、前記拡散した浸漬状態の抽出材を飲料中から引き上げながら、真空保温容器を傾け注ぎ口から注ぎ出す時の飲料に対し非浸漬状態を確保する非浸漬位置となる所定域内まで絞りまとめることにより、それ以上の抽出を回避した保温状態および注ぎ出し状態が得られるようにしている。
【0011】
このような構成では、内容液を入れ上端の給排口に蓋をした保温状態の真空保温容器内で、先ず、内容液中に抽出材が拡散した浸漬状態で抽出材から内容液への飲料成分の抽出を図ることにより、拡散した抽出材と内容液とのさらに十分な接触によるさらに効率のよい抽出ができ、短時間で所望の飲料として注ぎ出し利用されるようにしながら、抽出開始時からの真空を利用した効率のよい保温によってより温度低下なくより長い時間所定の温度範囲に保温することができるし、抽出後の拡散した抽出材は抽出を終えた飲料中から引き上げながら、真空保温容器を傾け注ぎ口から注ぎ出す時の飲料に対し非浸漬状態を確保する非浸漬位置となる所定域まで絞りまとめることにより、保温時はもとより抽出した飲料を注ぎ出すために真空保温容器が傾けられ飲料が真空保温容器の給排口側に移動してきても、真空保温容器から取り出していない抽出材が再度飲料に浸漬されて抽出が行なわれるのを回避し過剰に抽出されないようにするので、温度に加え飲料の味と香りをも抽出を終えた時点の最適なままに保って、飲料の種類や材料の違い、嗜好にあった品質を保証しながら、真空保温容器および抽出容器は一貫して共に取扱い、使用や洗浄、収納ができるようにするので便利である。従って、緑茶やコーヒーのように抽出時間が短くかつ最適抽出時間の幅が小さな飲料にも好適であるし、場合によっては、抽出した飲料がなくなると内容液を入れ換えて同一の抽出材に対して上記抽出操作を繰り返し、烏龍茶のように同じ抽出材につき繰り返し利用されるようにすることもでき、汎用性のあるものとなる。特に、抽出後の抽出材は飲料中からの引き上げにより所定域内に絞れるので、飲料の残量を極力少なくして、残量分が抽出材からの過剰な抽出を受けながら何時までも滴下して正規抽出に係る飲料の品質を低下させたり、烏龍茶のように同一抽出材につき繰り返し利用するのに飲料成分が過剰に抜けてしまっているようなことを防止することができる。
【0013】
また、上記に加え、特に、抽出材の拡散した浸漬状態は、内容液を入れ上端の給排口を蓋により閉じた保温状態の真空保温容器内で、抽出材を収容し予め真空保温容器内に収納しておいた抽出容器の、抽出材を内容液中から引き上げて真空保温容器を傾け注ぎ口から注ぎ出す時の飲料に対し非浸漬状態を確保する非浸漬位置となる所定域へ絞りまとめる小容量状態から、容量が拡張して抽出材を内容液に拡散状態で浸漬させる大容量状態への容量変化によって得て注出を開始するようにしており、抽出容器が内容液中に浸漬し始めた時点から抽出は開始し、特に、抽出容器の内容液に浸漬しながらの容積の増大は内容液の抽出容器内への吸込みによる抽出材との強制的な撹乱接触と、抽出材の拡散が図れるので、効率的な抽出に好適である。
【0016】
本発明の真空保温容器による飲料抽出・保温器は、注ぎ口を持った真空保温容器と、真空保温容器の上端の給排口を開閉する蓋と、抽出材を収容して内容液への飲料成分の抽出を図る抽出容器と、蓋で閉じた真空保温容器内の前記抽出容器を、外部から前記内容液への浸漬位置に下ろしたり、注ぎ出し時の飲料に対する非浸漬状態を確保する非浸漬位置に上げたりする上げ下げ手段と、を備えている。
【0017】
このような構成では、前記1つの特徴の真空保温容器による飲料抽出・保温方法を、上げ下げ手段による抽出容器の蓋外部からの上げ下げ操作を可能にして容易に実現することができ、使用後は真空容器、抽出容器、上げ下げ手段の必要器具すべてを一挙に扱い、抽出材の取り出し、排出、各必要器具の洗浄を行なうことができ、収納やその後の使用にも便利である。
【0019】
また、上記に加え、特に、抽出容器を上げ下げ手段にて上げ下げさせる下げ動作に連動して抽出容器の容量を拡張し、上げ動作に連動して抽出容器の容量を収縮させる拡縮手段を備えたことにより、抽出材を内容液に浸漬させるために抽出容器を下げたり、抽出後非浸漬位置に上げたりする操作に連動した拡縮手段の働きによって、抽出容器の内容液への浸漬に伴う拡張により抽出材の内容液中への拡散を図り、抽出容器の非浸漬位置への引き上げに伴う収縮によって抽出材の非浸漬位置となる所定域への絞りまとめを達成して、抽出容器を用いる利点を活かした上で上記別の特徴の真空保温容器による飲料抽出・保温方法を簡易に実現することができる。
【0024】
本発明のそれ以上の目的および特徴は、以下の詳細な説明および図面によって明らかになる。本発明の各特徴は可能な限りにおいて、それ単独で、あるいは種々な組合せで複合して用いることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る真空保温容器による飲料抽出・保温方法および飲料抽出・保温器につき、図1〜図5を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
【0026】
(実施の形態1)
本実施の形態1の真空保温容器による飲料抽出・保温方法は、図1〜図3に示すように、抽出材1を収容して内容液2に浸漬し抽出を図る抽出容器3を用いる場合の一例である。以下、図1〜図3に示す真空保温容器4を用いた飲料抽出・保温容器を参照しながら説明する。内容液2を入れ上端の給排口6を蓋7により閉じた保温状態の真空保温容器4内で、抽出材1を収容し予め真空保温容器4内に収納しておいた抽出容器3を図1〜図3に仮想線で示すように下ろして前記内容液2に浸漬させることにより、前記抽出材1から内容液2への飲料成分の抽出を図る。この後、抽出容器3を真空保温容器4を傾け飲料を注ぎ口4aから注ぎ出す時の図1〜図3に仮想線で示す飲料2aに対し非浸漬状態を確保する図1〜図2に実線で示す非浸漬位置まで上げておくことにより、それ以上の抽出を回避した保温状態および注ぎ出し状態が得られるようにする。
【0027】
このように、本実施の形態1では、内容液2を入れ上端の給排口6に蓋7をした保温状態の真空保温容器4内で、予め収納しておいた抽出容器3を下ろして抽出容器3に収容している注出材1を内容液2に浸漬させ、抽出材1から内容液2への飲料成分の抽出を図ることにより、抽出容器3の内容液2中を移動するときの相対移動による内容液の抽出容器3への強制的な通液を伴い、抽出材1と内容液2との十分な接触による効率のよい抽出ができ、比較的短時間で所望の飲料として注ぎ出し利用されるようにすることができる。同時に、抽出開始時からの真空保温容器自体による真空11を利用した効率のよい保温によってより温度低下なくより長い時間所定の温度範囲に保温することができる。また、抽出後の抽出容器3は、真空保温容器4を傾け飲料を注ぎ口4aから注ぎ出す時の飲料に対し非浸漬状態を確保する非浸漬位置まで上げておくことにより、保温時はもとより抽出した飲料を注ぎ出すために真空保温容器4が傾けられ飲料が真空保温容器4の給排口6側に移動してきても、真空保温容器4から取り出していない抽出容器3内の抽出材1が再度飲料に浸漬されて抽出が行なわれるのを回避し過剰に抽出されないようにするので、温度に加え飲料の味と香りをも抽出を終えた時点の最適なままに保って、飲料の種類や材料の違い、嗜好にあった品質を保証することができる。併せて、真空保温容器4および抽出容器3は一貫して共に取扱い、使用や洗浄、収納ができるようにするので便利である。
【0028】
これらのため、本実施の形態1は緑茶やコーヒーのように抽出時間が短くかつ最適抽出時間の幅が小さな飲料にも好適であるし、場合によっては、抽出した飲料がなくなると内容液を入れ換えて同一の抽出材1に対して上記抽出操作を繰り返し、烏龍茶のように同じ抽出材1につき繰り返し利用されるようにすることもでき、汎用性のあるものとなる。特に、真空保温容器4内での抽出容器3による抽出材1の非浸漬位置への引き上げは強制的な抽出の停止を意味し、各種飲料の抽出時間にこだわった微妙な抽出を可能にするし、抽出容器3は同じ抽出材1の複数回繰り返し抽出も可能にする。
【0029】
本実施の形態1の真空保温容器による飲料抽出・保温器は、真空保温容器4として金属製の真空二重容器を本体21として採用している。本体21は熱伝導性の低い金属であるステンレス鋼よりなる内外筒21a、21bを組み合わ一体に接合したものを用いているが、材質や具体的構造は特に問わない。金属製であると衝撃に強く使用しやすいし、外部にそのまま露出する簡易構造でも十分に使用に耐えられるし、かえって外観がシンプルになる。しかし、これに限られることはなく、ガラス製や樹脂製の真空二重瓶を採用することができ、必要に応じ外装体を施して保護してもよい。
【0030】
魔法瓶の場合保温性を若干譲歩すると、従来の魔法瓶のように輻射熱を反射して外部に逃がしにくくしていたのを部分的に透明にしたり、全体を透明にしたりして、内部を透視できるようにすることができ、真空を活かしたある程度の保温効果を満足しながら抽出の動作状態を確認したり飲料の抽出状態を判断するのに便利である。部分的な透明は真空二重容器の全長に及ぶのが好適であるし、直径線上で対向するよう二箇所に設けると、真空二重容器を光が透過するので中の状態がより見やすくなる。全体が透明であると従来からあるガラス製のメリオールと同様な抽出器の外観を変えずに上記のような新機能を発揮させることができる。もっとも、金属製の真空二重容器であっても、部分的に透明材料を嵌め合せて透明にすることはできる。
【0031】
金属製の真空二重容器である本体21は複雑な形状をなしにくいので、本体21の上に無理嵌め部22などによって接続した合成樹脂製の肩部材23を設けて、この肩部材23によって注ぎ口4aと上端の給排口6とを一体に形成し、図1〜図3に示す例ではさらに手提げ用のハンドル24をも肩部材23に一体成形している。ガラス製の魔法瓶であると注ぎ口4a、給排口6を含めた全体を一体に形成することが容易にできる。また、ガラス製のハンドル24を付帯させることも容易である。本体21の下端には変形防止と内部を真空11としたときの封止部12を保護するなどのために合成樹脂製の底カバー25を無理嵌め部26などを利用して装着してある。しかし、これも必須でないしガラス製の魔法瓶でも真空封止用のチップ管を持たない形式のものでは同様に必須とならない。
【0032】
上端の給排口6にはねじ合わせ部27を持って蓋7が着脱できるように装着され給排口6を閉じるようにしている。蓋7は保温性確保のために中空体として断熱材28を装填してある。しかし、蓋7も真空二重構造としてよい。また蓋7には給排口6の口縁に密着するシール部材29が設けられている。注ぎ口4aには弾性係合部31を持って着脱できるようにスリット32aによる弾性を利用して装着した押えキャップ32によって金網などのフィルタ33を挟み付けてあり、粗い異物を漉せるようにしてある。フィルタ33は押えキャップ32を外して洗浄できるし、交換もできる。また注ぎ口4aには仮想線で示すようなフラップ弁34を設けて真空保温容器4の定置時は自重で閉じ、無闇み熱が外部に逃げるのを防止している。フラップ弁34も断熱特性のあるものとすることもできる。フラップ弁34は真空保温容器を傾けて飲料を注ぎ出すときは自重で開き位置になるように、その上端を注ぎ口4aないしは押えキャップ32の上部に軸35により回動できるように枢支している。
【0033】
抽出容器3は抽出材1を収容する容器41とこの容器41の上端開口にねじ合わせ部42を持って着脱できるように装着される蓋43とを備え、蓋43には容器41の開口縁と密着し合うシール部材44が装着されている。容器41の底部の開口41aにはフィルタ45が設けられ、抽出容器3が内容液2に浸漬されたとき、開口41aおよびフィルタ45を通じて抽出容器3内の抽出材1が内容液2浸漬されて、抽出材1から内容液2への飲料抽出が行なわれ、内容液2が飲料2aとなるようにする。このときフィルタ45は抽出材1が内容液2中に漏れ出るのを防止する。抽出容器3は容器41の蓋43を開閉することにより抽出後の抽出材1の排出、容器41および蓋43の丸洗いができ、次の使用に備えることができる。
【0034】
このような抽出容器3を用いて前記のような飲料の抽出を行なうのに、本実施の形態1の飲料抽出・保温器はさらに、蓋7で閉じた真空保温容器4内の前記抽出容器3を、外部から前記内容液2への図1〜図3に仮想線で示す浸漬位置に下ろしたり、注ぎ出し時の図1から図3に仮想線で示す飲料2aに対する非浸漬状態を確保する図1〜図3に実線で示す非浸漬位置に上げたりする上げ下げ手段46を備えている。ここに、非浸漬位置とは抽出容器3内の抽出材1が真空保温容器4の前傾によって注ぎ出される飲料2aに触れない高さ位置および状態をいい、図1〜図3に示す例では、抽出容器3は注ぎ出される飲料2aの最大液位に対し容器41の注ぎ口4a側底部、つまり前部側の底部が触れる高さ位置にあるが、容器41の底部の開口41aを前記飲料2aと触れる部分を避けた反注ぎ口2a側、つまり後部寄りに形成して、抽出材1が最大液位で注ぎ出される飲料に触れるのを防止する非浸漬位置を確保できるようにしている。しかし、抽出容器3を最大液位にて注ぎ出される飲料と触れない高さまで上げられれば、容器41の底部全域に開口41aを形成し、内容液2の抽出容器3内への通液面積を増大させることができる。もっとも、抽出容器3の上面や側周面にも開口を設けて内容液2の通液面積を増大させることはできる。この場合、それらの開口にもフィルタ45を設ける必要がある。フィルタ45はコーヒーに対しては特に粒子が細かいことからろ紙を用い、各回ごとに交換するのが好適である。開口41aは部分的なもの、あるいは小孔を必要範囲に必要数配したものでもよい。
【0035】
上記のような上げ下げ手段46を有していると、抽出容器3を蓋7の外部から上げ下げ操作できるようになるので、上記のような飲料抽出・保温方法を容易に実現することができ、使用後は真空保温容器4、抽出容器3、上げ下げ手段46の必要器具すべてを一挙に扱い、抽出材1の取り出し、排出、各必要器具の洗浄を行なうことができ、収納やその後の使用にも便利である。
【0036】
図1、図2に示す例の上げ下げ手段46は、蓋7を抜き差しできるように貫通した操作バー47を有し、操作バー47の下端を抽出容器3の容器41の底部にねじ48により着脱できるように連結し、蓋43とは抜き差しできるように嵌め合わされている。操作バー47の上端には合成樹脂製のツマミ49が設けられている。これによって、上げ下げ手段46はツマミ49を把持して操作バー47を蓋7に対し押し込むと、抽出容器3を真空保温容器4内で下げていき内容液2に浸漬する仮想線の浸漬位置とすることができるし、操作バー47を蓋7に対して引き上げると、注出容器3を最大液位にて注ぎ出される飲料2aに対する実線の非浸漬位置とすることができる。
【0037】
使用後、蓋7、抽出容器3、および上げ下げ手段46は1つの器具として取扱い、洗浄なども行えるが、必要に応じてねじ48およびツマミ49の取り外し、操作バー47の蓋7、43からの引き抜きによって、それぞれを分解し、個別に取扱い丸洗いなどできるようにもなる。抽出容器3では操作バー47が蓋43を貫通している隙間部は、抽出材1が漏れ出ないように操作バー47に嵌め合せたシール材51が、操作バー47の段差部47aと蓋43との間での圧縮状態にて密閉するようにしてある。操作バー47は途中に二箇所の関節部52、53が設けられ、抽出容器3を非浸漬高さに引き上げたとき、蓋7の上面と蓋7の側面とに沿って、図1に仮想線で示すように折り曲げかさ張らないようにしている。各関節部52、53は軸54による連結と、各連結端対の軸54まわりの一方に限った回動に対する逃げによって、一方側にのみ屈曲できるように曲げ規制をし、無制限に種々な方向に屈伸して操作が不安定にならないようにしている。
【0038】
もっとも、図1に示す例では、抽出容器3は真空保温容器4との間でフリーな関係にあるので、自重で内容液2内に沈降して浸漬状態になれることを利用すれば、抽出容器3を浸漬状態とするのに操作バー47に突っ張り力は不要であって、抽出容器3に対する吊り下げ力と引き上げ力伝達作用が満足できればよい。この意味で操作バー47に代えて腰のないチエンなどの索条や紐類を用いることもできる。
【0039】
図2に示す例では、抽出容器3の容器41の底部内に、開口41aを持った底部の上に隙間Sを持って開口41aよりも広い抽出容器3の胴部大きさ一杯の面積でフィルタ45が設けられている。これにより、開口41aの後部への偏りによってできる通液カバー部41bにて、抽出材1をやや低い位置にても最大液位で注ぎ出される飲料2aに対する非抽出高さを確保しながら、抽出容器3が内容液2に浸漬されたとき内容液2が前記隙間Sに入ってフィルタ45の全域を通じ抽出容器3内の抽出材1と接触できるようにして、抽出容器3における内容液2の通液面積を増大して、抽出材1の均一かつ迅速な浸漬および抽出が行なわれるようにすることができる。この場合の通液カバー部41bは図1、図3に示す各例でも同じような働きをする部分を有し、それに同じ符号を付して示してある。
【0040】
容器41の開口41aにも今1つのフィルタ45aを設けて二重のフィルタ構造とし、抽出材1の内容液2中への漏れ出しをより防止できるようにすることもできる。
【0041】
図3に示す例では抽出容器3は従来のドリップカップの形状をした容器41と蓋43とを組み合わせたもので、容器41に従来からのドリップ用の紙のフィルタ56を用いて抽出ができる利点がある。操作バー47は蓋43にねじ48により連結している。開口41aはフィルタ56を支持するために小孔を配列したものとしている。他の構成および奏する作用は図1、図2に示す例の場合と特に変わるところはなく、同種の部材には同一の符号を付し、重複する図示および説明は省略する。
【0042】
(実施の形態2)
本実施の形態2に係る飲料注出・保温方法につき、図4に示す本実施の形態2に係る飲料注出・保温器を参照して述べると、内容液2を入れ上端の給排口6を蓋7により閉じた保温状態の真空保温容器4内で、抽出材1を収容し予め真空保温容器4内に収納しておいた抽出容器3を下ろしながら旋回ないしは回転させて内容液に浸漬させて内容液2と抽出材1との攪拌接触を伴い、前記抽出材1から内容液2への飲料成分の抽出を図って後、ないしは同様の抽出を図りながら、真空保温容器4を傾け飲料を注ぎ口4aから注ぎ出す時の飲料2aに対し非浸漬状態を確保する非浸漬位置まで抽出容器3を上げておくことにより、それ以上の抽出を回避した保温状態および注ぎ出し状態が得られるようにする。
【0043】
このように、内容液2を入れ上端の給排口6に蓋7をした保温状態の真空保温容器4内で、予め収納しておいた抽出容器3を下ろしながら旋回ないしは回転させて抽出容器3に収容している注出材1を内容液に浸漬させ、抽出材1から内容液2への飲料成分の抽出を図ることにより、抽出容器3と内容液との旺盛な相対移動による抽出容器3への内容液2の活発な通液を伴う抽出材1と内容液2とのさらに十分な接触によるさらに効率のよい抽出ができ、比較的短時間で所望の飲料2aとして注ぎ出し利用されるようにしながら、抽出開始時からの真空11を利用した効果的な保温によってより温度低下なくより長い時間所定の温度範囲に保温することができるし、抽出後の抽出容器3は、真空保温容器4を傾け注ぎ口4aから注ぎ出す時の飲料2aに対し非浸漬状態を確保する非浸漬位置まで上げておくことにより、保温時はもとより抽出した飲料2aを注ぎ出すために真空保温容器4が傾けられ飲料2aが真空保温容器4の給排口6側に移動してきても、真空保温容器4から取り出していない抽出容器3内の抽出材1が再度飲料2aに浸漬されて抽出が行なわれるのを回避し過剰に抽出されないようにするので、温度に加え飲料2aの味と香りをも抽出を終えた時点の最適なままに保って、飲料2aの種類や材料の違い、嗜好にあった品質を保証しながら、真空保温容器4および抽出容器3は一貫して共に取扱い、使用や洗浄、収納ができるようにするので便利である。従って、緑茶やコーヒーのように抽出時間が短くかつ最適抽出時間の幅が小さな飲料2aにも好適であるし、場合によっては、抽出した飲料2aがなくなると内容液を入れ換えて同一の抽出材1に対して上記抽出操作を繰り返し、烏龍茶のように同じ抽出材1につき繰り返し利用されるようにすることもでき、汎用性のあるものとなる。なお、抽出容器3を非浸漬位置に上げる際にも旋回ないしは回転させて抽出を促進するようにすれば、抽出容器3の引き上げ時間をも効果的な抽出に利用でき、抽出時間のさらなる短縮が図れる。
【0044】
これを実現する飲料抽出・保温器としては、図4に示すようにさらに、抽出容器3を上げ下げ手段46にて上げ下げさせる少なくとも下げ動作に連動して抽出容器3を旋回ないしは回転させて抽出容器3内の抽出材1と内容液2との攪拌接触を図る攪拌手段61を備えている。このように、上げ下げ手段46による抽出容器3の上げ下げに攪拌手段61が連動した働きにより抽出容器3の旋回ないしは回転を得て、前記のような抽出容器3の上げ下げに伴う旋回ないしは回転を利用した攪拌方式のより効果的な抽出が、上げ下げ手段46の上げ下げ操作によって簡易に達成することができる。
【0045】
図4に示す例では 操作バー47の蓋7への貫通部分を相互の螺合部62とし、操作バー47をその上端に設けたハンドル63により回転させると、その回転の向きに応じ前記螺合部62を介し操作バー47が上動または下動して抽出容器3を内容液2に浸漬させたり、最大液位にて注ぎ出される飲料2aに対する非浸漬状態を確保する非浸漬位置に持上げたりすることができ、同時に、操作バー47が回転している運動成分にて、操作バー47の下端に支持された抽出容器3が旋回ないしは回転され内容液2を攪拌するようにしてある。
【0046】
図4に示す例では、抽出容器3は前記旋回ないしは回転によって内容液2を攪拌させやすく、かつ、攪拌によって内容液2が抽出容器3内に旺盛に通水されるようにそれ自体が濾材をなす袋を利用している。抽出容器3は操作バー47の下端をL型に折り曲げた腕47bを袋口の口縁に差し込んで支持し、操作バー47を中心に旋回されるようにしている。
【0047】
(実施の形態3)
本実施の形態3の飲料抽出・保温方法につき、図5、図6に示す飲料抽出・保温器を参照して説明すると、内容液2を入れ上端の給排口6を蓋7により閉じた保温状態の真空保温容器4内で、先ず前記内容液2中に抽出材1が図5に実線で示し、図6に仮想線で示すように拡散した浸漬状態にて抽出材1から内容液2への飲料成分の抽出を図る。次いで、拡散した浸漬状態の抽出材1を抽出を終えた飲料2a中から引き上げながら、真空保温容器4を傾け注ぎ口4aから注ぎ出す時の飲料2aに対し非浸漬状態を確保する図5に仮想線で示し、図6に実線で示す非浸漬位置となる所定域内まで絞りまとめることにより、それ以上の抽出を回避した保温状態および注ぎ出し状態が得られるようにする。
【0048】
このように、内容液2を入れ上端の給排口6に蓋7をした保温状態の真空保温容器4内で、先ず、内容液2中に抽出材1が拡散した浸漬状態で抽出材1から内容液2への飲料成分の抽出を図ることにより、抽出材1と内容液2とのさらに十分な接触によるさらに効率のよい抽出ができ、短時間で所望の飲料として注ぎ出し利用されるようにしながら、抽出開始時からの真空11を利用した効率のよい保温によってより温度低下なくより長い時間所定の温度範囲に保温することができる。また、抽出後の拡散した抽出材1は抽出を終えた飲料2a中から引き上げながら、真空保温容器4を傾け注ぎ口4aから注ぎ出す時の飲料2aに対し非浸漬状態を確保する非浸漬位置となる図5に仮想線で示し、図6に実線で示す所定域まで絞りまとめることにより、保温時はもとより抽出した飲料2aを注ぎ出すために真空保温容器4が傾けられ飲料2aが真空保温容器4の給排口6側に移動してきても、真空保温容器4から取り出していない抽出材1が再度飲料2aに浸漬されて抽出が行なわれるのを回避し過剰に抽出されないようにするので、温度に加え飲料2aの味と香りをも抽出を終えた時点の最適なままに保って、飲料2aの種類や材料の違い、嗜好にあった品質を保証しながら、真空保温容器4および抽出容器3は一貫して共に取扱い、使用や洗浄、収納ができるようにするので便利である。従って、緑茶やコーヒーのように抽出時間が短くかつ最適抽出時間の幅が小さな飲料2aにも好適であるし、場合によっては、抽出した飲料2aがなくなると内容液を入れ換えて同一の抽出材1に対して上記抽出操作を繰り返し、烏龍茶のように同じ抽出材1につき繰り返し利用されるようにすることもでき、汎用性のあるものとなる。特に、抽出後の抽出材1は飲料2a中からの引き上げにより所定域内に絞りまとめるので、飲料の残量を極力少なくして、残量分が抽出材1からの過剰な抽出を受けながら何時までも滴下して正規抽出に係る飲料の品質を低下させたり、烏龍茶のように同一抽出材1につき繰り返し利用するのに飲料2a成分が過剰に抜けてしまっているようなことを防止することができる。
【0049】
この場合の、抽出材1の拡散した浸漬状態は、図5に示す例では、抽出材1を内容液2中から引き上げて真空保温容器4の所定域内に絞りまとめる絞り具70を用い、この絞り具70が真空保温容器4の底部に入れ置いた上に、抽出材1と内容液2を同時、あるいは異時に入れるだけで得るようにしており、その後に真空保温容器4の給排口6を蓋7で閉じて抽出を開始すればよい。
【0050】
このような方法を達成する本実施の形態3の飲料抽出・保温器は、注ぎ口4aを持った真空保温容器4と、真空保温容器4の上端の給排口6を開閉する蓋7と、真空保温容器4内に収納されて底部内に置かれ、その上に入れられた内容液2中の抽出材1を引き上げながら、真空保温容器4を傾け注ぎ出すときの飲料2aに対して非浸漬状態を確保する非浸漬位置となる所定域内に絞りまとめて保持できるようにした絞り具70としての絞り皿71と、蓋7で閉じた真空保温容器4内の前記絞り皿71を、外部から前記非浸漬位置の所定域への絞り位置まで引き上げる引き上げ手段72と、を備えたもので足りる。絞り皿71は小孔を配列した開口71aが形成されて着脱式のフィルタ56を下方から支持するようにしてある。しかし、具体的な構造は種々に設計することができる。
【0051】
このように、真空保温容器4とその底部内に置かれる絞り皿71との組み合せによって、抽出材1を抽出容器3に入れる手間なく、内容液2とともに同時に、あるいは異時に真空保温容器4に入れるだけで、抽出材1が内容液2中により広く拡散しやすい抽出状態を得て抽出材1から内容液2への飲料成分の抽出を図り、抽出後は絞り皿71を引き上げ手段72により非浸漬位置となる所定域まで絞りまとめることで、上記の飲料抽出・保温方法を簡易により効果的に実現することができる。
【0052】
引き上げ手段72は蓋7を貫通した操作バー47で構成し、絞り皿71に対し弾性的に着脱できる係合部47cを下端に有し、蓋7に上方から差し込んで真空保温容器4内に挿入することにより、その底部内に先に置かれている絞り皿71の中央部にある係合部71cに弾性的に係合できるようにしている。この係合にて操作バー47を引き上げると絞り皿71を前記非浸漬位置となる図5に仮想線で示す絞り位置にまで持上げ、それによって絞り皿71が抽出済の飲料2a中に拡散している抽出材1を引き上げて蓋7との間で残液を所定状態にまで追い出すように絞りまとめることができる。
【0053】
絞り皿71はこの絞りまとめる所定の絞り位置に達したとき、前記係合部71cから上方に続く連結部71dが蓋7の下面に形成された係合部7bと弾性係合して、その位置に保持されるようにしてある。これにより、以降操作バー47を蓋7から引き出し、絞り皿71との係合を外しても絞り皿71は脱落しない。従って、抽出容器3は真空保温容器4内に置いたままであるが、操作バー47を取り外した状態で、飲料2aを保温し利用されるようにすることができる。この場合の操作バー47は上記のような絞り皿71との連結構造上突っ張り力が必要であり、関節部52、53をなくしてもよい。前記突っ張り力の関係で操作バー47は腰の弱い紐条のものでは不向きである。前記各例の場合同様に、絞り皿71は通液カバー71bによってやや低い絞り位置にて非浸漬位置を確保できるようにしている。
【0054】
また、別に、抽出材1の拡散した浸漬状態は、図6に示す例では、内容液2を入れ上端の給排口6を蓋7により閉じた保温状態の真空保温容器4内で、抽出材1を収容し予め真空保温容器4内に収納しておいた抽出容器3の、抽出材1を内容液2中から引き上げて真空保温容器4を傾け注ぎ口4aから注ぎ出す時の飲料2aに対し非浸漬状態を確保する非浸漬位置となる所定域へ絞りまとめる図6に実線で示す小容量状態から、容量が拡張して抽出材を内容液2に拡散状態で浸漬させる図6に仮想線で示す大容量状態への容量変化によっても得ており、抽出容器3が内容液2中に浸漬し始めた時点から抽出は開始し、特に、抽出容器3の内容液2に浸漬しながらの容積の拡張は内容液2の抽出容器3内への吸込みによる抽出材1との強制的な撹乱接触と、抽出材1の拡張した抽出容器3内一杯の拡散が図れるので、効率的な抽出に好適である。
【0055】
これを実現する本実施の形態3の飲料抽出・保温器は、さらに、図6に示すように抽出容器3を上げ下げ手段46にて上げ下げさせる下げ動作に連動して抽出容器3の容量を拡張し、上げ動作に連動して抽出容器3の容量を収縮させる拡縮手段81を備えてる。上げ下げ手段46により、抽出材1を内容液2に浸漬させるために抽出容器3を下げたり、抽出後非浸漬位置に上げたりする操作に連動した拡縮手段81が働き、この働きによって抽出容器3の内容液2への浸漬時に拡張させて抽出材1の内容液2中への拡散を図り、抽出容器3の非浸漬位置への引き上げ時の収縮によって抽出材1の非浸漬位置となる所定域への絞りまとめを達成して、抽出容器3を用いる利点を活かした上で上記真空保温容器4による飲料抽出・保温方法を簡易に実現することができる。
【0056】
拡縮手段81は図6に示すように、抽出容器3の容器41をベローズ82などの伸縮部により上下に伸縮できるようにした上で、蓋43のシール部材44を真空保温容器4の内面に摺接させるとともに、蓋7にも小孔を配列した開口43aを設けて通液性を持たせ、容器41と蓋43との真空保温容器4内を上下動するときの移動抵抗が容器41よりも蓋43の方が大きくなるようにして、操作バー47が抽出容器3を押し下げるとき、容器41がスムーズに下動するのに対して、蓋43が下動抵抗が大きい分だけ遅れて下動し、双方の距離が次第に大きくなるのをベローズ82の伸長にて吸収しながら抽出容器3が図6に実線で示す収縮状態から図6に仮想線で示す上下に拡張した状態とされるようにする。
【0057】
また、操作バー47が抽出容器3を引き上げるときは、容器41がスムーズに上動するのに対して、蓋43が上動抵抗が大きい分だけ遅れて上動し、双方の距離が次第に小さくなるのをベローズ82の収縮によって吸収しながら抽出容器3が図6に仮想線で示す拡張状態から図6に実線で示す収縮状態とされるようにする。
【0058】
前記蓋43は容器41よりも移動抵抗が大きくなるのは、蓋43の通液抵抗とシール部材44の真空保温容器4の内面との摺動抵抗とが複合したものとしてあるが、通液抵抗のみによっても必要な移動抵抗を満足することができ、この場合シール部材44と真空保温容器4の内面との摺接構造は省略できる。
【0059】
他の構造および奏する作用は図2に示す例と特に変わるところはなく、同種の部材には同一の符号を付し重複する説明は省略する。
【0060】
【発明の効果】
本発明の真空保温容器による飲料抽出・保温方法によれば、
【0061】
内容液を入れ上端の給排口に蓋をした保温状態の真空保温容器内で、先ず、内容液中に抽出材が拡散した浸漬状態で抽出材から内容液への飲料成分の抽出を図ることにより、拡散した抽出材と内容液とのさらに十分な接触によるさらに効率のよい抽出ができ、短時間で所望の飲料として注ぎ出し利用されるようにしながら、抽出開始時からの真空を利用した効率のよい保温によってより温度低下なくより長い時間所定の温度範囲に保温することができるし、抽出後の拡散した抽出材は抽出を終えた飲料中から引き上げながら、真空保温容器を傾け注ぎ口から注ぎ出す時の飲料に対し非浸漬状態を確保する非浸漬位置となる所定域まで絞りまとめることにより、保温時はもとより抽出した飲料を注ぎ出すために真空保温容器が傾けられ飲料が真空保温容器の給排口側に移動してきても、真空保温容器から取り出していない抽出材が再度飲料に浸漬されて抽出が行なわれるのを回避し過剰に抽出されないようにするので、温度に加え飲料の味と香りをも抽出を終えた時点の最適なままに保って、飲料の種類や材料の違い、嗜好にあった品質を保証しながら、真空保温容器および抽出容器は一貫して共に取扱い、使用や洗浄、収納ができるようにするので便利である。従って、緑茶やコーヒーのように抽出時間が短くかつ最適抽出時間の幅が小さな飲料にも好適であるし、場合によっては、抽出した飲料がなくなると内容液を入れ換えて同一の抽出材に対して上記抽出操作を繰り返し、烏龍茶のように同じ抽出材につき繰り返し利用されるようにすることもでき、汎用性のあるものとなる。特に、抽出後の抽出材は飲料中からの引き上げにより所定域内に絞れるので、飲料の残量を極力少なくして、残量分が抽出材からの過剰な抽出を受けながら何時までも滴下して正規抽出に係る飲料の品質を低下させたり、烏龍茶のように同一抽出材につき繰り返し利用するのに飲料成分が過剰に抜けてしまっているようなことを防止することができる。
特に、抽出材の拡散した浸漬状態は、内容液を入れ上端の給排口を蓋により閉じた保温状態の真空保温容器内で、抽出材を収容し予め真空保温容器内に収納しておいた抽出容器の、抽出材を内容液中から引き上げて真空保温容器を傾け注ぎ口から注ぎ出す時の飲料に対し非浸漬状態を確保する非浸漬位置となる所定域へ絞りまとめる小容量状態から、容量が拡張して抽出材を内容液に拡散状態で浸漬させる大容量状態への容量変化によって得て注出を開始することにより、抽出容器が内容液中に浸漬し始めた時点から抽出は開始し、特に、抽出容器の内容液に浸漬しながらの容積の増大は内容液の抽出容器内への吸込みによる抽出材との強制的な撹乱接触と、抽出材の拡散が図れるので、効率的な抽出に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る真空保温容器による飲料抽出・保温方法および飲料抽出・保温器の1つの例を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る真空保温容器による飲料抽出・保温方法および飲料抽出・保温器の別の例を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る真空保温容器による飲料抽出・保温方法および飲料抽出・保温器の他の例を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係る真空保温容器による飲料抽出・保温方法および飲料抽出・保温器の1つの例を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係る真空保温容器による飲料抽出・保温方法および飲料抽出・保温器の1つの例を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態3に係る真空保温容器による飲料抽出・保温方法および飲料抽出・保温器の別の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 抽出材
2 内容液
2a 飲料
3 抽出容器
4 真空保温容器
4a 注ぎ口
6 給排口
7 蓋
11 真空
24 ハンドル
46 上げ下げ手段
61 攪拌手段
70 絞り具
71 絞り皿
81 拡縮手段
82 ベローズ

Claims (2)

  1. 内容液を入れ上端の給排口を蓋により閉じた保温状態の真空保温容器内で、先ず前記内容液中に抽出材が拡散した浸漬状態にて抽出材から内容液への飲料成分の抽出を図り、次いで、前記拡散した浸漬状態の抽出材を飲料中から引き上げながら、真空保温容器を傾け注ぎ口から注ぎ出す時の飲料に対し非浸漬状態を確保する非浸漬位置となる所定域内まで絞りまとめることにより、それ以上の抽出を回避した保温状態および注ぎ出し状態が得られるようにし、抽出材の拡散した浸漬状態は、内容液を入れ上端の給排口を蓋により閉じた保温状態の真空保温容器内で、抽出材を収容し予め真空保温容器内に収納しておいた抽出容器の、抽出材を内容液中から引き上げて真空保温容器を傾け注ぎ口から注ぎ出す時の飲料に対し非浸漬状態を確保する非浸漬位置となる所定域へ絞りまとめる小容量状態から、容量が拡張して抽出材を内容液に拡散状態で浸漬させる大容量状態への容量変化により得て抽出を開始することを特徴とする真空保温容器による飲料抽出・保温方法。
  2. 注ぎ口を持った真空保温容器と、真空保温容器の上端の給排口を開閉する蓋と、抽出材を収容して内容液への飲料成分の抽出を図る抽出容器と、蓋で閉じた真空保温容器内の前記抽出容器を、外部から前記内容液への浸漬位置に下ろしたり、注ぎ出し時の飲料に対する非浸漬状態を確保する非浸漬位置に上げたりする上げ下げ手段と、抽出容器を上げ下げ手段にて上げ下げさせる下げ動作に連動して抽出容器の容量を拡張し、上げ動作に連動して抽出容器の容量を収縮させる拡縮手段と、を備えたことを特徴とする真空保温容器による飲料抽出・保温器。
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