JP3551629B2 - 記録媒体再生装置 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は記録媒体再生装置に係わり、特に、CD−ROMのチェンジャ機能を備えており、コンピュータ装置に組み込まれる記録媒体再生装置に関する。
コンピュータ装置に組み込まれるCD−ROMチェンジャ機能付きの記録媒体再生装置は、製造コスト低減及び信頼性の向上のために、モータの数が少ない構成であることが望ましい。
【0002】
【従来の技術】
CD−ROM(以下ディスクという)のチェンジャ機能付きのディスク再生装置300は、概略、図68に示すように、ディスクをディスク収容ユニットとディスク再生ユニットとの間で搬送するディスク搬送機構301をローディングモータ302で駆動し、ディスク再生ユニット内に搬送されてきたディスクをターンテーブル上にクランプするディスククランプ機構303をクランプモータ304で動作させる構成である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このため、ローディングモータ302の他にクランプモータ304が必要となり、ディスク再生装置300の製造コストを低減することが困難であった。
そこで、本発明は、上記課題を解決した記録媒体再生装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ディスク状記録媒体の挿入口、ディスク状記録媒体を再生する記録媒体再生ユニット、ディスク状記録媒体を収容する記録媒体収容ユニットの順で並んでおり、記録媒体搬送手段が、ディスク状記録媒体を上記記録媒体収容ユニットと上記記録媒体再生ユニットとの間で搬送し、又は、ディスク状記録媒体を上記記録媒体再生ユニットを越えて上記挿入口と上記記録媒体収容ユニットの間で搬送する構成であり、且つ、ディスク状記録媒体を支持して回転させるターンテーブルを上昇又は下降させてディスク状記録媒体をクランプ又はクランプ解除させるターンテーブル上下動機構を有し、ディスク状記録媒体を再生するときには上記記録媒体搬送手段が動作し続いて上記ターンテーブル上下動機構が動作し、ディスク状記録媒体の再生が終了した後には上記ターンテーブル上下動機構が動作し続いて上記記録媒体搬送手段が動作する構成の記録媒体再生装置において、
一のモータと、
上記記録媒体搬送手段を動かす記録媒体搬送手段駆動部材と、
ターンテーブル上下動機構を動かすターンテーブル上下動機構駆動部材と、
上記記録媒体搬送手段を動作させるときには上記記録媒体搬送手段駆動部材を動作させ、ディスク状記録媒体が上記記録媒体再生ユニット内に移動されてきたときに、該ディスク状記録媒体を再生する場合の他に、ディスク状記録媒体が再生されずに記録媒体再生ユニットを通過するときにも、上記記録媒体搬送手段駆動部材からターンテーブル上下動機構を動作させるように、上記一のモータの回転を上記記録媒体搬送手段駆動部材と上記ターンテーブル上下動機構駆動部材とに切り換えて選択的に伝達する選択伝達機構とを有し、
上記一のモータの駆動力によって記録媒体の搬送及びターンテーブルの上下動とを行う構成としたものである。
【0005】
請求項2の発明は、請求項1のターンテーブル上下動機構は、山形状のカムを有し、上記ターンテーブル上下動機構駆動部材によって上記カムが同一方向に動いて、上記ターンテーブルをディスク状記録媒体の搬送を妨害しない待避位置からディスク状記録媒体を支持する支持位置へと移動させ、続いて元の待避位置へと移動させる構成としたものである。
【0006】
請求項3の発明は、請求項1の選択伝達機構は、上記ターンテーブル上下動機構駆動部材及び上記記録媒体搬送手段駆動部材と係りあって、上記ターンテーブル上下動機構駆動部材の動きを拘束し、上記記録媒体搬送手段駆動部材の拘束が解除された第1の選択伝達状態とし、又は、上記ターンテーブル上下動機構駆動部材の動きが解除され、上記記録媒体搬送手段駆動部材を拘束した第2の選択伝達状態とするリンク部材よりなる構成としたものである。
【0007】
請求項4の発明は、請求項3のリンク部材は、ピンを2本有し、動作の前半は一のピンが担当して、上記ターンテーブル上下動機構駆動部材の動きを拘束したり、拘束を解除させたりし、動作の後半は上記一のピンに代わって別のピンが担当して、上記ターンテーブル上下動機構駆動部材の動きを拘束したり、拘束を解除させたする構成としたものである。
【0008】
請求項5の発明は、請求項3のリンク部材は、ピンを1本有し、一のピンが、上記ターンテーブル上下動機構駆動部材及び上記記録媒体搬送手段駆動部材と共通に係りあって、第1の選択伝達状態又は第2の選択伝達状態を作る構成としたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
〔ディスク再生装置30Aの概略〕
図67、図1、図32及び図37に示すように、ディスク再生装置30Aは、ディスク搬送機構34Aと、ターンテーブル上下動機構114と、一のローディングモータ174と、回転してディスク搬送機構34Aを動かすギヤ179と、回転してターンテーブル上下動機構114を動かすピニオン114と、一のローディングモータ174の回転をギヤ179とピニオン173とに切り換えて選択的に伝達する選択伝達機構250とを有する。
【0010】
ディスク11を搬送するときには、選択伝達機構250が、ローディングモータ174の回転をギヤ179に伝達する状態となり、ローディングモータ174によってギヤ179が回転され、ディスク搬送機構34Aが動かされて、ディスク11が搬送される。
【0011】
ディスク11がターンテーブル37Aの位置まで搬送されてくると、選択伝達機構250が、切り換わり、ローディングモータ174の回転をピニオン173に伝達するようになり、ローディングモータ174によってピニオン173が回転され、ターンテーブル上下動機構114が動かされて、ターンテーブル37Aをディスク11の搬送を妨害しない待避位置からディスク11を支持する支持位置へと移動する。
【0012】
ディスク搬送機構34Aが特許請求の範囲中、記録媒体搬送手段を構成する。ギヤ179が特許請求の範囲中、記録媒体搬送手段駆動部材を構成する。ピニオン173が特許請求の範囲中、ターンテーブル上下動機構駆動部材を構成する。
選択伝達機構250は、図32に示す駆動機構組立体110よりローディングモータ174、ギヤ179及びピニオン173を取り除いて残ったものが構成する。
【0013】
〔ディスク再生装置30Aの構成〕(図1乃至図15)
図1乃至図52は本発明の一実施例になるディスク再生装置30Aを示す。図1乃至図10はディスク再生装置30Aを概略的に示し、図11以降はディスク再生装置30Aを詳細に示す。
【0014】
説明の便宜上、先ず概略的に説明し、その後で、各部分の構成を詳細に説明する。
図1、図2、図3は、ディスク再生装置30Aを概略的に示す。
ディスク再生装置30Aは、門型のフレーム31Aと、記録媒体であるディスク11を再生するディスク再生ユニット32Aと、ディスク11を水平の姿勢で複数枚重なった状態で収容するディスク収容ユニット33Aと、ディスク11をディスク収容ユニット33Aとディスク再生ユニット32Aとの間で搬送するディスク搬送機構34Aと、ディスク再生ユニット32Aとディスク収容ユニット33Aとの双方を回動させる双方回動機構35Aとを有する。
【0015】
ディスク再生ユニット32Aが、特許請求の範囲の欄の記載中の記録媒体再生ユニットに対応する。ディスク収容ユニット33Aが、特許請求の範囲の欄の記載中の記録媒体収容ユニットに対応する。ディスク搬送機構34Aが、特許請求の範囲の欄の記載中のディスク搬送手段に対応する。双方回動機構35Aが、特許請求の範囲の欄の記載中の整列手段に対応する。
【0016】
図3に示すように、ディスク再生ユニット32Aとディスク収容ユニット33Aとは、ディスク再生ユニット32A内のディスク11とディスク収容ユニット33A内のディスク11とが、平面図上、一部重なり合う位置関係で配置してある。よって、ディスク再生装置30AはY方向の寸法が短い。なお、ディスク再生ユニット32A内のディスク11とディスク収容ユニット33A内のディスク11とが一部重なり合っても不都合でないのは、後述するように、ディスク再生ユニット32A内にディスク11が存在しているときには、ディスク再生ユニット32Aが回動しないように成っているからである。
【0017】
図1及び図13に示すように、ディスク再生ユニット32Aは、ディスク再生ユニット本体101の上側に、ローディング組立体100を有し、ディスク再生ユニット本体101がローディング組立体100に支持された構成である。上側に位置するローディング組立体100と、下側に位置するディスク再生ユニット本体101との間に、ディスクが搬送されるディスク搬送通路48Aが形成してある。
【0018】
ディスク再生ユニット32Aは、ローディング組立体100のうちのフロントベゼル39寄り側(Y2側)のX1及びX2側の両側をピン40Aにより門型のフレーム31Aに支持されており、C,D方向に回動可能である。
ディスク再生ユニット本体101は、X2端側であってY1,Y2方向に突き出ているピン102がシャーシ103の孔103aに嵌合し、且つX1端側にあってX1方向に突き出ているピン104がスライド部材105の山形状の案内溝105aに嵌合して支持されている。スライド部材105がY1,Y2方向に摺動することによって、ディスク再生ユニット本体101は、ピン102を中心にI,J方向に、フロントベゼル39A側より見て、水平の位置P1と斜め下向きの位置P2との間で揺動可能である。よって、ディスク再生ユニット本体101は、ローディング組立体100と共にC,D方向に揺動すると共に、単独で、I,J方向に揺動する。
【0019】
ディスク再生ユニット本体101は、光ピックアップ36A、ターンテーブル37A、及びディスク11を光学的に検出するディスク検出器106を有する。ローディング組立体100は、図13、図14、図37に示すように、シャーシ103に、クランパ38A、クランパホルダ上下動機構107、ディスク搬送機構34A、インサートレバ108、イジェクトレバー109、駆動機構組立体110、ディスク挿入口部材111、フラップ112、フラップ開き機構113、ターンテーブル上下動機構114、ディスククランプ機構190等が組み付けてある構成である。
【0020】
クランパホルダ上下動機構107、ディスク搬送機構34A、インサートレバ108、イジェクトレバー109、駆動機構組立体110、ディスク挿入口部材111、フラップ112、フラップ開き機構113、ターンテーブル上下動機構114等については後述する。
【0021】
駆動機構組立体110は、シャーシベース150の下面側に取り付けてあり、図32に示すように、ローディングモータ174と、スライド部材105と、ギヤ等を有する構成である。
ディスク収容ユニット33Aは、図1及び図15に併せて示すように、夫々が一枚のディスクを収容する第1乃至第6の6つのディスク収容部41A−1〜41A−6が平行に並んだ構成であり、ディスク再生ユニット32Aより奥部側(Y1側)に配してある。ディスク収容ユニット33Aは、Y1側であってX1及びX2側の両側のピン42Aにより門型のフレーム31Aに支持されており、E,F方向に回動可能である。
【0022】
ディスク11は、第1乃至第6のディスク収容部41A−1〜41A−6に一枚づつ収容される。ディスク11は互いに平行に並んでおり、上下の隣合うディスク11の間隔g1は、ディスク搬送時に擦れない程度に十分に大きい。
各ディスク収容部41A−1〜41A−6は、仕切り板130によって仕切られた構成である。各ディスク収容部41A−1〜41A−6内には、ストックアーム131が設けてある。ストックアーム131は、ディスク11の周縁を押してディスク11をディスク収容部41A内に保持する作用をすると共に、ディスク11をディスク収容部41より一部押し出す作用をするものである。ストックアーム131は各ディスク収容部41A−1〜41A−6毎に設けてあり、それぞれが独立して動作する。ストックアーム131は、略逆C字状を有し、Y2方向端側に、押さえ指部131aを有し、Y1方向端側に、押し出し指部131cを有し、中心より少しY2方向に寄った部位を軸支されて設けてある。詳細な構成については後述する。
【0023】
双方回動機構35Aは、図10、図11、図12に示すように、X1側及びX2側に設けてあり、X1側については、フレーム31Aの側板31Aaに固定してあるピン50Aに回動可能に支持しあるアーム51Aと、アーム51Aの一端のピン52Aがディスク再生ユニット32AのY1側の長孔65Aと嵌合した構造と、アーム51Aの他端のピン53Aがディスク収容ユニット33AのY2側の長孔66Aと嵌合した構造と、フレーム31Aの天板31Abの下面に、Y1,Y2方向に移動可能に設けてあるスライダ54Aと、スライダ54Aに形成してある階段状の孔55Aとピン52Aが嵌合した構造と、フレーム31Aの天板31Abの下面に設けてあるモータ56Aとギヤ57Aa〜57Adと、スライダ54Aの一部のラック54Aaとよりなる、スライダ54AをY1,Y2方向に移動させる機構と、スライダ54Aの一部のスリット部54Abと光センサ58Aとよりなる位置検出機構とよりなる。階段状の孔55Aは、図11(C)に示すように、第1から第6までの6つの階段孔55A−1〜55A−6を有する。
【0024】
双方回動機構35Aは、モータ56Aによりスライダ54AがY1方向に移動するにつれて、図16(A)乃至(E)に示すように、階段状の孔55Aがピン52Aをシフトさせてディスク再生ユニット32AをC方向に回動させ、更には、アーム51Aを介してディスク収容ユニット33AをF方向に回動させる。スライダ54Aが戻るY2方向に移動すると、階段状の孔55がピン52をシフトさせてディスク再生ユニット32をD方向に回動させ、更には、アーム51Aを介してディスク収容ユニット33AをE方向に回動させる。
【0025】
第1の階段孔55A−1がピン52Aと嵌合しているときには、図2(A),及び図12に示すように、ディスク再生ユニット32AはD方向に最大回動して位置P21に位置しており、ディスク収容ユニット33AはE方向に最大回動している。ディスク再生ユニット32Aは、ディスク搬送通路48Aがディスク収容ユニット33Aの第1のディスク収容部41A−1と一直線に整列した状態にある。
【0026】
第2の階段孔55A−2がピン52Aと嵌合すると、図16(A)に示すように、ディスク再生ユニット32AはC方向に少し回動して位置P22に位置し、ディスク収容ユニット33AはF方向に同じく少し回動する。ディスク再生ユニット32Aは、ディスク搬送通路48Aがディスク収容ユニット33Aの第2のディスク収容部41A−2と一直線に整列した状態となる。
【0027】
第3の階段孔55A−3がピン52Aと嵌合すると、図16(B)に示すように、ディスク再生ユニット32AはC方向に更に少し回動してディスク搬送通路48Aが位置P23に位置し、ディスク収容ユニット33AはF方向に同じく更に少し回動する。ディスク再生ユニット32Aは、ディスク搬送通路48Aがディスク収容ユニット33Aの第3のディスク収容部41A−3と整列した状態となる。
【0028】
第4の階段孔55A−4がピン52Aと嵌合すると、図16(C)に示すように、ディスク再生ユニット32AはC方向に更に少し回動してディスク搬送通路48Aが位置P24に位置し、ディスク収容ユニット33AはF方向に同じく更に少し回動する。ディスク再生ユニット32Aは、ディスク搬送通路48Aがディスク収容ユニット33Aの第4のディスク収容部41A−4と整列した状態となる。
【0029】
第5の階段孔55A−5がピン52Aと嵌合すると、図16(D)に示すように、ディスク再生ユニット32AはC方向に更に少し回動してディスク搬送通路48Aが位置P25に位置し、ディスク収容ユニット33AはF方向に同じく更に少し回動する。ディスク再生ユニット32Aは、ディスク搬送通路48Aがディスク収容ユニット33Aの第5のディスク収容部41A−5と整列した状態となる。
【0030】
第6の階段孔55A−6がピン52Aと嵌合すると、図2(B)、図16(E)に示すように、ディスク再生ユニット32AはC方向に更に少し回動して最大回動し、位置P25に到り、ディスク収容ユニット33AはF方向に同じく更に少し回動して最大回動する。ディスク再生ユニット32Aは、ディスク搬送通路48Aがディスク収容ユニット33Aの第6のディスク収容部41A−6と整列した状態となる。
【0031】
ディスク搬送機構34A等の他の機構については、説明の便宜上、後述する。
図1及び図2に示すように、ディスク再生ユニット32Aとディスク収容ユニット33Aが、対向した配置関係にあり、且つ双方が回動(揺動)して傾斜可能としてある。このため、ディスク再生ユニット32Aが回動しなければならない角度αは、ディスク収容ユニットが固定である場合にディスク再生ユニットが回動しなければならない角度より小さく、水平位置を基準に±3度で足り、ディスク再生ユニット32が回動するために必要とする空間81Aは狭くて済む。同じく、ディスク収容ユニット33Aが回動しなければならない角度βは、ディスク再生ユニットが固定でありディスク収容ユニットだけが回動しなければならない角度より小さく、水平位置を基準に±3度で足り、ディスク収容ユニット33Aが回動するために必要とする空間82Aは、狭くて済む。しかも、空間81Aと、空間82Aとは、Z方向上、重なりあっている。よって、ディスク再生装置30Aの高さ寸法はH10であり、薄型である。
【0032】
また、ディスク再生ユニット32Aとディスク収容ユニット33Aの双方が回動するため、ディスク再生ユニット32Aのディスク搬送通路48Aと、ディスク収容ユニット33Aの所定のディスク収容部とが一直線に整列した状態とするまでに要する時間が、ディスク再生ユニットだけが動く構成のディスク再生装置に比べて短くて済む。これにより、指令を発してから、この指令に応じた動作を完了するまでにかかる時間は、短い。
【0033】
〔ディスク再生装置30Aの概略動作〕(図4乃至図9)
次に、上記構成のディスク再生装置30Aの動作について概略的に説明する。
ディスク再生装置30Aはコンピュータ装置内に組み込まれており、通常は、コンピュータ装置よりの指令に基づいて、ディスク収容ユニット33Aの所定ののディスク収容部内のディスク11を引き出して再生し、再生を完了したディスク11をディスク収容ユニット33Aの元のディスク収容部内に戻す動作を行う。
【0034】
また、操作者の操作によって、ディスク収容ユニット33Aの所定のディスク収容部内のディスク11をディスク再生装置30A外に排出する動作等を行う。
(1)ディスク収容ユニット33Aの例えば第5のディスク収容部41A−5内のディスク11を引き出して再生する動作(図4):
ディスク収容ユニット33Aにはディスク11が収容してある。コンピュータ装置より第5のディスク収容部41A−5を指定する指令があると、図4に示す動作が行われる。図4中、押さえ指部131a、ローラ60A及びローラ61Aについて、黒塗りは、ディスク11の周縁に当たっていることを示し、白抜きは、ディスクより離れていることを示す。これは、他の図についても同じである。
【0035】
▲1▼ 双方回動機構35Aが動作し、ディスク再生ユニット32Aとディスク収容ユニット33Aとの双方が回動され、図16(D),図4(A)に示すように、ディスク再生ユニット32Aのディスク搬送通路48Aと、第5のディスク収容部41A−5とが整列した状態とされる。
【0036】
▲2▼ 続いて、図4(B)に示すように、第5のディスク収容部41A−5のストックアーム131が回動し、押さえ指部131aによるディスク11の保持が解除され、押し出し指部131cがディスク11を第5のディスク収容部41−5よりY2方向に少し押し出す。
【0037】
▲3▼ 続いて、ディスク搬送機構34Aが動作し、図4(C)に示すように、ローラ61Aおよび60Aが移動して、第5のディスク収容部41A−5より押し出されたディスク11を保持して、Y2方向に、ディスク再生ユニット32A内の位置まで搬送する。
【0038】
▲4▼ 続いて、図4(D)に示すように、ターンテーブル37Aが上動し、クランパ38Aと結合して、ディスク11がターンテーブル37A上にクランプされ、ローラ61Aおよび60Aが退避してディスク11より離れる。この後、ディスク11が再生される。
【0039】
なお、コンピュータ装置が第5のディスク収容部41A−5を指定したときに、ディスク再生ユニット32A上にディスク11が存在している場合には、そのディスク11をディスク収容ユニット33Aに収納する動作、又は、そのディスク11をディスク再生装置30A外に排出する動作(これらについては後述する)を行った後に、上記のディスク収容ユニット33A内のディスク11をディスク再生ユニット32A上に搬送してこれを再生する動作を開始する。
【0040】
(2)再生を完了したディスク11をディスク収容ユニット33Aの元ののディスク収容部41A−5に戻す動作(図5):
それまで再生していたディスク11は、第2のディスク収容部41A−2より引き出したディスクであり、ディスク再生ユニット32Aとディスク収容ユニット33とは、図16(A),図5(A)に示すように、ディスク再生ユニット32Aのディスク搬送通路48Aと、第2のディスク収容部41A−2とが整列した状態にある。
【0041】
コンピュータ装置が別のディスクを再生することを指令すると、図5に示す動作が行われる。
▲1▼ 図5(B)に示すように、ディスク搬送機構34Aが動作し、ディスク11を保持し、次いで、ターンテーブル37Aが下動し、クランパ38Aが上動して、ディスク11のクランプが解除される。
【0042】
▲2▼ 続いて、図5(C)に示すように、ディスク搬送機構34Aが、ディスク11をY1方向に搬送して第2のディスク収容部41A−2内に収容する。
▲3▼ 最後に、図5(D)に示すように、押さえ指部131aがディスク11の周縁に当たりディスク11を保持する。
【0043】
ディスク再生装置30Aは、通常は上記の動作を繰り返して行う。
ディスク再生装置30Aは、上記の動作の他に、操作者の操作によって、以下の動作を行う。
(3)ディスク再生装置30A外より挿入されたディスクを再生する動作(図6):
操作者がこれから挿入されるディスクを再生することを指示すると、図6に示す動作が行われる。
【0044】
▲1▼ 双方回動機構35Aが動作し、ディスク再生ユニット32Aとディスク収容ユニット33Aとの双方が回動され、図16(A),図6(A)に示すように、ディスク再生ユニット32Aのディスク搬送通路48Aと、空のディスク収容部、例えば、第2のディスク収容部41A−2とが整列した状態とされる。次いで、図14中のフラップ112が回動されてディスク挿入口71Aが開かれる。
【0045】
▲2▼ 次いで、操作者がディスク11をディスク挿入口71Aより挿入する。ディスク11がディスク挿入口71より挿入されると、図6(B)に示すように、ディスク搬送機構34Aが挿入されたディスク11を、Y1方向に、ディスク再生ユニット32A上の位置まで搬送する。
【0046】
▲3▼ 続いて、図6(C)に示すように、ターンテーブル37A及びクランパ38Aが動作して、ディスク11がターンテーブル37A上にクランプされる。また、フラップ112が元の状態に戻されて、ディスク挿入口71Aが閉じられる。
【0047】
▲4▼ 最後に、図6(D)に示すように、ローラ61Aおよび60Aが退避してディスク11より離れる。この後、ディスク11が再生される。
(4)ディスク再生ユニット32Aが再生中のディスクをディスク再生装置30A外に排出する動作(図7):
操作者が、図7(A)に示す、再生中のディスクを排出することを指示すると、図7(B)乃至(D)に示す動作が行われる。
【0048】
▲1▼ 図7(B)に示すように、ディスク搬送機構34Aが動作し、ディスク11を保持する。
▲2▼ 次いで、図7(C)に示すように、ディスク11のクランプが解除され、また、モータ(図示せず)が始動して、図14中のフラップ112が回動されてディスク挿入口71Aが開かれる。
【0049】
▲3▼ 続いて、図7(D)に示すように、ディスク搬送機構34Aがディスク11をY2方向に搬送し、ディスク11の一部がディスク再生装置30A外に突き出た状態とする。
この後、操作者が、ディスク11を把持してディスク再生装置30A外に引き抜く。
【0050】
ディスク11が引き抜かれると、フラップ112が元の状態に戻されて、ディスク挿入口71Aが閉じられる。
ここで、操作者がディスク11が引き抜かないとフラップ112が閉じないようになっている。即ち、フラップ112を閉じる命令が出されたときには、後述するディスク挿入検出スイッチ160(図28参照)を所定時間点灯させ、ディスク挿入検出スイッチ160がオフであった場合(ディスク11が引き抜かれないでいる)には、フラップ112を閉じる命令が実行されないようにしてある。よって、フラップ112がディスク11にぶつかる不都合が起きないようになっている。
【0051】
(5)ディスク再生装置30外のディスクをディスク収容ユニット33内に収容する動作(図8):
操作者が、収容動作を指示し、ディスクを収容しようとする収容部、例えば、第3のディスク収容部41A−3を指定すると、図8に示す動作が行われる。
【0052】
▲1▼ 双方回動機構35Aが動作し、ディスク再生ユニット32Aとディスク収容ユニット33Aとの双方が回動され、図16(B),図8(A)に示すように、ディスク再生ユニット32Aのディスク搬送通路48Aと、第3のディスク収容部41A−3とが整列した状態とされる。次いで、図14中のフラップ112が回動されてディスク挿入口71Aが開かれる。
【0053】
▲2▼ 次いで、操作者がディスク11をディスク挿入口71Aより挿入する。ディスク11がディスク挿入口71Aより挿入されると、図8(B)に示すように、ディスク搬送機構34Aが、挿入されたディスク11を保持する。
▲3▼ 続いて、図8(C)に示すように、ディスク搬送機構34Aが保持したディスク11をY1方向に搬送する。ディスク搬送機構34Aは、ディスク11を、ディスク再生ユニット32Aのディスク搬送通路48Aを通過して、ディスク収容ユニット33Aの第3のディスク収容部41A−3方向に搬送する。また、フラップ112が元の状態に戻されて、ディスク挿入口71Aが閉じられる。
【0054】
▲4▼ 最後に、図8(D)に示すように、押さえ指部131aがディスク11の周縁を押して、ディスク11を第3のディスク収容部41A−3内に収容してディスク11を保持する。このとき、ディスク搬送機構34Aとディスク11とが離間する。
【0055】
(6)ディスク収容ユニット33内のディスクをディスク再生装置30外に排出する動作(図9):
操作者が、排出動作を指示し、第4のディスク収容部41A−4を指定すると、図23に示す動作が行われる。
【0056】
▲1▼ 双方回動機構35Aが動作し、ディスク再生ユニット32Aとディスク収容ユニット33Aとの双方が回動され、図16(C),図9(A)に示すように、ディスク再生ユニット32Aのディスク搬送通路48Aと、第4のディスク収容部41A−4とが整列した状態とされる。
【0057】
▲2▼ 続いて、図9(B)に示すように、押さえ指部131aによるディスク11の保持が解除され、押し出し指部131cがディスク11を第4のディスク収容部41A−4よりY2方向に少し押し出す。ディスク搬送機構34Aが押し出されたディスク11を保持する。
【0058】
▲3▼ ディスク搬送機構34Aは、図9(C)に示すように、ディスク11をY2方向に搬送し、ディスク11の一部がディスク再生装置30A外に突き出た状態とする。
この後、操作者が、ディスク11を把持してディスク再生装置30A外に引き抜く。
【0059】
以上の記載より分かるように、ディスク再生装置30Aは、次の特長を有する。
(1) 高さ寸法はH10であり、薄型と出来る。
以下の理由による。
【0060】
▲1▼ 図2に示すように、ディスク再生ユニット32Aとディスク収容ユニット33Aが、対向した配置関係にあり、且つ双方が回動して傾斜可能としてある。このため、ディスク再生ユニット32Aが回動しなければならない角度αは、ディスク収容ユニットが固定である場合にディスク再生ユニットが回動しなければならない角度より小さい。よって、ディスク再生ユニット32Aが回動するために必要とする空間81Aは狭くて済む。角度αは約6度である。
【0061】
▲2▼ ディスク収容ユニット33Aが回動しなければならない角度βは、ディスク再生ユニットが固定でありディスク収容ユニットだけが回動しなければならない角度より小さい。よって、ディスク収容ユニット33Aが回動するために必要とする空間82Aは、狭くて済む。角度βは約6度である。
【0062】
▲3▼ ディスク再生ユニット32Aが回動するために必要とする空間81Aと、ディスク収容ユニット33Aが回動するために必要とする空間82Aとは、Z方向上、大部分が重なりあっている。
(2) ディスク収容ユニット33Aの各ディスク収容部41A−1乃至41A−6に収容してある隣同士のディスク11の間隔g1は、狭くならない。
【0063】
ディスク収容部41A−1乃至41A−6は互いに平行に配されているからである。
(3) 指令してから指令に応じた動作を完了するまでにかかる時間を短く出来る。
【0064】
ディスク再生ユニット32Aとディスク収容ユニット33Aの双方が回動するため、ディスク再生ユニット32Aのディスク搬送通路48Aと、ディスク収容ユニット33Aの所定のディスク収容部とが一直線に整列した状態とするまでに要する時間を短く出来るからである。
【0065】
次にディスク再生装置30Aの各部の構成を説明する。
〔ディスク搬送機構34Aの構成及び動作〕(図14、図18乃至図29)
次に、ディスク搬送機構34Aの構成及び動作について説明する。
ディスク搬送機構34Aは、主に、ローディング組立体100のシャーシ103に設けてあり、ローディングアーム140と、リンクアーム141と、第1のディスクアーム142と、第2のディスクアーム143と、ガイドレール部材60A等よりなる。
【0066】
ローディングアーム140は、四分一円部140aと、これより延びている腕部140bとよりなる形状を有し、四分一円部140aの端部の孔140cを、シャーシ103上の軸144に回転可能に支持されて、シャーシ103の上面に設けてある。
【0067】
四分一円部140aには、円弧状のラック140dと、イジェクトレバー109を動かすカム長孔140eと、クランパホルダ上下動機構107を動作させるカム140fと、7つのスリット140g−1〜140g−7とが形成してある。スリット140g−1〜140g−7とシャーシ103上の光学センサ145とが協働して、ディスク搬送機構34Aの動作状況が検出される。円弧状のラック140dは後述するギヤ179と噛合している。
【0068】
スリット140g−7は、ディスク搬送機構34Aの初期状態を検出させるためのものである。スリット140g−6は、図39(B)に示すように、山形状カム140fの斜面部140f−1がピン部192eを押したときの状態を検出させるためのものである。スリット140g−5は、図39(D)に示すように、山形状カム140fの頂面部140f−3がピン部192eを押したときの状態(再生状態の場合もあり、一時的にディスク11がクランプされただけの状態もある)を検出させるためのものである。スリット140g−4は、図41(A)に示すように、山形状カム140fの斜面部140f−2がピン部192eを押したときの状態を検出させるためのものである。スリット140g−3は、図41(C)に示すように、山形状カム140fがピン部192eを越えたときの状態を検出させるためのものである。スリット140g−2は、図29に示すディスク挿入待ち状態の位置を検出させるためのものである。スリット140g−1は、ディスク搬送機構34Aが図26及び図27に示す最終位置まで動作した状態を検出させるためのものである。
【0069】
シャーシ103のX2端側には、屈曲してY1,Y2方向に延在している屈曲案内長孔103bと、Y1,Y2方向に延在している直線案内長孔103cとが形成してある。屈曲案内長孔103bは、Y1端側からY2方向に向かって順に、第1の案内長孔部103b−1、第2の案内長孔部103b−2、第3の案内長孔部103b−3よりなる。Y1端側を基準としてみると、第1の案内長孔部103b−1は、X1とY2との間の方向に向かって延びており、第2の案内長孔部103b−2は、X2とY2との間の方向に向かって延びており、第1の案内長孔部103b−3は、X1とY2との間の方向に向かって延びている。各案内長孔部103b−1、103b−2、103b−3は、第1のディスクアーム142を回動させるように機能する。
【0070】
第1のディスクアーム142のY2側である基部側に、ピン146がかしめてある。第2のディスクアーム143は、ピン146によって第1のディスクアーム142に対して回動可能である。ピン146は、上部の周面に、環状の溝146aを有する。第1のディスクアーム142には、Y1端側の下面に、I字状ローラ61Aが回動(自転)自在に設けてあり、中央の上面に、環状の溝147aを有するピン147がかしめてある。第2のディスクアーム143は、先端の下面に、I字状ローラ62Aが回動(自転)自在に設けてある。第2のディスクアーム143は、円弧状の孔143aが、第1のディスクアーム142にかしめてあるピン148に嵌合してあり、円弧状の孔143aの範囲内でK1,K2方向に回動可能である。第2のディスクアーム143は、第2のディスクアーム143と第1のディスクアーム142との間に掛けてあるばね149によってK1方向に回動付勢されている。
【0071】
第1のディスクアーム142及び第2のディスクアーム143は、ピン146の環状溝146aが直線案内長孔103cに摺動可能に嵌合し、ピン147の環状溝147aが屈曲案内長孔103bに摺動可能に嵌合した状態で、シャーシ103の下面側に設けてある。
【0072】
リンクアーム141が、ローディングアーム140の腕部140bの先端と上記のピン147との間を連結している。ローディングアーム140が回動すると、第1のディスクアーム142が、ピン146を直線案内長孔103cに案内され、ピン147を屈曲案内長孔103bに案内されて、回動しつつY1,Y2方向に移動する。第2のディスクアーム143も第1のディスクアーム142と共に移動する。また、I字状ローラ61A、62Aが、ディスク搬送通路48Aの片側であるX2方向端側に略沿って移動する。
【0073】
ガイドレール部材60Aは、駆動機構組立体110のシャーシ150の上面に固定してある。駆動機構組立体110は、ローディング組立体100のシャーシ103の下面に取り付けられている。上側にシャーシ103、下側にシャーシ150の配置となっている。ガイドレール部材60Aは、ローディング組立体100のシャーシ103と駆動機構組立体110のシャーシ150との間であって、ディスク搬送通路48Aの反対側の片側であるX1方向端側にY1、Y2方向に延在して設けてある。ガイドレール部材60Aは、内側に、ガイド溝60Aaを有する。
【0074】
上記のイジェクトレバー109も、内側に、ガイド溝109aを有する。
また、シャーシ103上に初期状態検出スイッチ250が設けてある。初期状態検出スイッチ250は、常開のスイッチであり、イジェクトレバー109がM1方向に回動したときにイジェクトレバー109の立ち上げ壁部109fにより押されてONとなる。
【0075】
次に、ディスク搬送機構34Aの動作について説明する。
図17(A)乃至(K)は、ディスク搬送機構34Aを構成する部分の動作を示す。
ディスク搬送機構34Aは、図18及び図19に示す初期状態と、図26及び図27に示す排出状態との間で動作する。
【0076】
ディスク搬送機構34Aは、図18及び図19に示す初期状態にあることは、初期状態検出スイッチ250がOFFであることと、光学センサ145がスリット140g−7を検出していることによる情報によって確認される。
先ず、ディスク収容ユニット33A内に収容してあるディスク11をY2方向に搬送する動作について説明する。
【0077】
ローディングモータ174(図32)が正転して、図18、図19に示す状態から、ローディングアーム140がL1方向に、スリット140g−6がセンサ145によって検出される位置まで回動される(図17(A))。
ローディングアーム140がL1方向に回動を開始すると、先ず、図20の状態となる。第1のディスクアーム142及び第2のディスクアーム143がY2方向に少し移動し、カム長孔140eがイジェクトレバー109のピン109gを案内してイジェクトレバー109をM1方向に回動させる。イジェクトレバー109の回動により、初期状態検出スイッチ250がONとされる。また、ストックアーム131がN1方向に節動的に回動し、ディスク11がディスク収容部41A−1より距離aだけY2方向に押し出される。ここで、ディスク11の周縁11aが線11bと交叉する点をQX2,QX1とする。
【0078】
これにより、ディスク11は、その周縁11aのうちY2方向上の先頭側がI字状ローラ62Aに当たってこれをY2方向に押し、第2のディスクアーム143をばね149に抗してK2方向に回動させ、ディスク11の中心Oを通りX1,X2と平行の線11bがI字状ローラ61AよりY2方向に位置する状態となる。即ち、I字状ローラ61Aがディスク11の周縁11aのうち、点QX2よりY1側に寄った部位Q2に対向する状態となる。また、イジェクトレバー109をM1方向に回動することによって、イジェクトレバー109の内側のガイド溝109aがY1、Y2方向を向く状態、即ち、ディスク11の周縁11aを案内し得る状態となる。
【0079】
ローディングアーム140がL1方向に更に回動すると、図21に示すように、第1のディスクアーム142がY2方向に移動すると共に、ピン147を第1の案内長孔部103b−1に案内されて、R1方向に回動し、I字状ローラ61Aが部位Q2をX1方向に押す。ここで、部位Q2は点QX2よりY1側に寄った部位であるため、I字状ローラ61Aがディスク11の周縁11aをX1方向に押すことによって、ディスク11にはY2方向の力が作用し、ディスク11は、最初にイジェクトレバー109のガイド溝109a内を、続いてガイドレール部材60Aのガイド溝60Aa内を、S1方向に転動して摩擦が少ない状態で、ガイドレール部材60Aに沿ってY2方向に押し出されるように移動する。
【0080】
ここで、第2のディスクアーム143が、ばね149に抗してではあるけれども、第1のディスクアーム142に対してK2方向に、即ち、第1のディスクアーム142に対して開く方向に回動出来るため、ディスク11はI字状ローラ62Aによって制限されずにY2方向に押し出される。ディスク11がY2方向に押し出された分、第2のディスクアーム143は第1のディスクアーム142に対して開くK2方向に回動する。
【0081】
また、ディスク11は、図20(B)に示すように、周縁11aのうちX1側をイジェクトレバー109のガイド溝109aに嵌合して支持され、X2側をI字状ローラ61AとI字状ローラ62Aによって支持され、且つ、I字状ローラ62Aがばね149によって周縁11aに押し当たり続け、周縁11aがガイド溝109a(ガイド溝60Aa)及びI字状ローラ61Aに押し当たり続けることによって、3点で支持されてがたのない状態とされる。よって、ディスク11は、ディスク収容部41A−1より出た後も、外れて落ちるおそれなく水平に安定に支持され続ける。
【0082】
上記のように、ディスク搬送機構34Aは、ディスク収容部41A−1より一部押し出されたディスク11を掴んで、ローディングアーム140のL1方向の回動に伴ってディスク11をY2方向に搬送する。ここで、ディスク11とイジェクトレバー109とガイドレール部材60Aとの間に生ずる摩擦は、すべり摩擦ではなく、ころがり摩擦である。また、ディスク11とI字状ローラ61A、62Aとの間に生ずる摩擦も、すべり摩擦ではなく、ころがり摩擦である。よって、ディスク11の搬送時の負荷は極力少なくなっている。
【0083】
ローディングアーム140が、そのスリット140g−6がセンサ145によって検出される位置まで回動すると、ディスク搬送機構34Aは、図21(A),(B)に示す状態となる。ディスク11は、周縁11aがガイドレール部材60Aのガイド溝60Aaの底面60Aa−1に押し当っており、中心孔11cが、ターンテーブル37Aより少しずれており、平面図上、中心孔11cの縁11dが、ターンテーブル37Aの中央の凸部37Aaのテーパ面37Abと対向した状態となっている。
【0084】
続いて、ターンテーブル37AがZ1方向に上動して、ディスク11は中心孔11cの部分をターンテーブル37Aとクランパ38Aによってクランプされる。クランプ動作の過程において、テーパ面37Abが中心孔11cの縁11dを案内し、ディスク11はX2とY2との間のT方向に少し移動され、図22に示す状態となり、ディスク11の周縁11aがガイドレール部材60Aのガイド溝60Aaの底面60Aa−1より少しの距離b離される。
【0085】
なお、ディスク11の上記のT方向への少しの移動は、ディスク11の周縁11aがI字状ローラ62AをT方向に押し、第2のディスクアーム143をばね149に抗してK2方向に少し回動させつつ、支障無く行われる。また、ディスク11がT方向へ少し移動した後も、I字状ローラ61A、62Aはディスク11の周縁11aに押し当たり続けており、ディスク11はガイドレール部材60Aからは離れたけれども、依然として、がたのない状態で支持され続ける。
【0086】
ローディングアーム140は更に回動して、図23に示すように、そのスリット140g−5がセンサ145によって検出される位置まで回動し、その位置で停止する。このときのローディングアーム140の回動によって、図24に示すように、第1のディスクアーム142はY2方向に移動すると共に、ピン147を第2の案内長孔部103b−2に案内されて、R2方向に回動し、I字状ローラ61Aがディスク11の周縁11aから離れる(図17(D))。第2のディスクアーム143は、先端側のピン143bがシャーシ103に形成してあるカム103fに乗り上げK2方向に少し回動し、I字状ローラ62Aがディスク11の周縁11aから離れる(図17(D))。これにより、ディスク11の周縁11aと、I字状ローラ61A、I字状ローラ62A、及びガイドレール部材60Aのガイド溝60Aaの底面60Aa−1との間に夫々隙間151、152、153があいて、ディスク11は拘束から開放されて自由に回転出来る状態となる。
【0087】
この状態で、ディスク11がターンテーブル回転用モータにより回転されて、光ピックアップ36Aによって再生される。
次に、再生が完了したディスク11を元のディスク収容部41A−1内に収容する動作について説明する。
【0088】
この動作は、ローディングモータ174が逆転して、I字状ローラ61Aがディスク11の周縁11aに接近し、I字状ローラ62Aがディスク11の周縁11aにより押され、続いて、ターンテーブル37AがZ2方向に下動して、ディスク11のクランプが解除され、I字状ローラ62Aがディスク11を押してT方向と逆方向に案内し、I字状ローラ61A、62A及びガイドレール部材60Aが三点でディスク11を支持し、続いて、ローディングアーム140がL2方向に元の位置まで回動することによってなされる。ローディングアーム140がL2方向に回動すると、第1のディスクアーム142と第2のディスクアーム143とが上記とは逆の順序で且つ逆の方向に移動し、ディスク11はI字状ローラ61A、62A及びガイド溝60Aa(ガイド溝109a)によって支持されつつ、今度は、I字状ローラ62Aによって押されて上記のS1とは逆方向に転動してY1方向に搬送される。
【0089】
次に、ディスク11を再生位置30Aの外部へ排出する動作について説明する。
この動作は、ローディングモータ174が正転して、ターンテーブル37AがZ2方向に下動して、ディスク11のクランプが解除され、続いて、ローディングアーム140が更にL1方向に、そのスリット140g−1がセンサ145によって検出される図26に示す位置まで回動することによってなされる。
【0090】
ローディングアーム140が図23に示す位置よりL1方向に回動すると、図25に示すように、第1のディスクアーム142がY2方向に移動すると共に、ピン147を第3の案内長孔部103b−3に案内されて、R1方向に回動し、I字状ローラ61Aが、ディスク11の周縁11aの部位Q3をX1とY2との間の方向に押す。これにより、ディスク11は、I字状ローラ61A及び62Aによってガイドレール部材60Aのガイド溝60Aa内に押しつけられつつ、ガイド溝60Aaに沿ってS1方向に転動しつつ、Y2方向に搬送される。
【0091】
このとき、第2のディスクアーム143は、I字状ローラ62Aをディスク11によって押されて、第1のディスクアーム142に対してK2方向に回動される。
また、ディスク11の周縁11aのうち、X1寄りの部分が、インサートレバー108の先端のポール部108aを押して、インサートレバー108をばね116に抗してU1方向に回動させる。即ち、ディスク11は、インサートレバー108の先端のポール部108aを押し退けて移動し、Y2方向の先端側がディスク挿入口部材111の開口より出る。
【0092】
ローディングアーム140が図26に示す位置まで回動した状態では、第1のディスクアーム142及び第2のディスクアーム143は、図27に示す状態となり、第1のディスクアーム142はR1方向に略90度回動して略X1方向を向いた状態となり、I字状ローラ61Aはターンテーブル37Aの近くまで移動してディスク11のうちY1側の部位Q10を押している。よって、ディスク11は、ディスク11のうちY2側の半分(掴みしろ分)がディスク再生装置30のフロントベゼル39Aより突き出した状態となる。この後、操作者が、ディスク11を把持してディスク再生装置30A外に引き抜く。また、ディスク搬送機構34Aは、図26及び図27に示す状態となった後、直ちにローディングモータ174が逆転して、図28及び図29に示すディスク挿入待ち状態となる。
【0093】
次に、ディスク11を再生位置30A内に挿入する動作について説明する。
所定のディスク収容部を指定する操作をすると、ローディングモータ174 が正転して、ローディングアーム140が図28に示す位置まで回動され、ディスク搬送機構34Aは、図28及び図29に示す状態となる。インサートレバー108はばね116によってU2方向に回動している。
【0094】
操作者が、ディスク11を把持してフロントベゼル39Aのディスク挿入口71A及びディスク挿入口部材111の開口111aを通してディスク再生装置30A内に挿入すると、ディスク11の周縁11aのうち、X2寄りの部分がI字状ローラ62Aを押して第2のディスクアーム143をK2方向に回動させ、X1寄りの部分が、インサートレバー108の先端のポール部108aを押して、インサートレバー108をばね116に抗してU1方向に回動させる。
【0095】
ディスク11のうちY1側の約4分の3が挿入されると、ディスク11によりディスク挿入検出スイッチ160がONとされ、ローディングモータ174が逆転し、ローディングアーム140がL2方向に回動される。ディスク11は、ディスク11のうちY2側半分の部分に回り込んだI字状ローラ62Aによって押され、I字状ローラ61A,62Aとガイドレール部材60Aとによって支持されつつ、のガイド溝60Aa内に押しつけられつつ、ガイドレール部材60Aに沿ってS2方向に転動しつつ、Y1方向に搬送される。
【0096】
操作者によってディスク11が挿入されたときのI字状ローラ62Aの位置は、図29中、一点鎖線で示す位置であり、I字状ローラ62Aは、ディスク11のうちY2側半分の部分に当接している。
搬送されるディスク11は一旦クランプされ、その後、クランプを解除され、続いて、Y1方向に搬送されて、ディスク収容ユニット33Aの指定したディスク収容部内に収容される。
【0097】
〔ディスク収容ユニット33Aのストックアーム周りの構成〕(図30、31)
図30はディスク11が収容されているときの状態、図31はディスク11がディスク11が収容されていないときの状態を示す。
【0098】
保持部材としてのストックアーム131は、略逆C字状を有し、Y2方向端側に、押さえ指部131aと係止指部131bとを有し、Y1方向端側に、押し出し指部131cを有し、中心より少しY2方向に寄った部位の孔131dを仕切り板130上の軸部130aに嵌合されて回転可能に支持されている。
【0099】
132はトーションコイルバネであり、一の腕部132aの先端132a−1をストックアーム131の孔131eに掛けて、他の腕部132bの先端132b−1を仕切り板130の孔130bに掛けて、腕部132a,132bの間の開き角が狭くなるように弾性変形され、腕部132a,132b間の開き角が広くなる方向に弾性付勢された状態で、仕切り板130の裏面側に設けてある。仕切り板130には、トーションコイルバネ132の一の腕部132aが貫通する開口130cが形成してある。この開口130cは、一の腕部132aが振れて動く範囲を決めて、ストックアーム131が回動する範囲を決める。
【0100】
また、トーションコイルバネ132は、ストックアーム131を節動的に回動させるように、即ち、ストックアーム131が回動するときに、一の腕部132aの先端132a−1が線134を横切るように設けてある。線134は、孔130b(トーションコイルバネ132の他の腕部132bの先端)と軸部130aとを通る線である。
【0101】
ディスク11が収容されているときには、図30に示すように、一の腕部132aの先端132a−1が線134よりX1側に位置しており、ストックアーム131は、トーションコイルバネ132によってN2方向に回動付勢され、N2方向に回動され、開口130cによって回動位置を定められた状態にある。よって、ディスク11は周縁11aのうち前記の線11bよりY2側の部位Q20を押さえ指部131aによって押さえられて、ディスク収容ユニット33Aの所定のディスク収容部よりの抜け出しを制限されてディスク収容部内に収容されている。
【0102】
イジェクトレバー109がM1方向に回動すると、イジェクトレバー109の先端部109cが係止指部131bを押し、ストックアーム131がトーションコイルバネ132をその腕部132aと腕部132bとの開き角を小さくする方向に弾性変形させつつ、即ち、トーションコイルバネ132にばね力を蓄勢させつつN1方向に回動される。一の腕部132aの先端132a−1がX2方向に移動して線134を通り越すと、ストックアーム131は今度はトーションコイルバネ132によってN1方向に回動付勢され、同方向に、開口130cによって回動位置を定められる図Bに示す位置まで、勢いよく節動的に回動される。
【0103】
ストックアーム131がN1方向に回動することによって、押さえ指部131aがX1方向に退避し、押し出し指部131cがディスク11は周縁11aのうち前記の線11bよりY1側の部位Q21をを押す。これによって、ディスク11は、図31に示すように、ディスク収容ユニット33Aの所定のディスク収容部よりY2方向に距離a押し出され、図20に示すように、ディスク11の周縁11aがI字状ローラ61A,62Aに当接する。
【0104】
また、Y1方向に搬送されてきたディスク11がディスク収容ユニット33Aの所定のディスク収容部内に収容される動作も、ストックアーム131が、N2方向に、最初はイジェクトレバー109によって、最後はトーションコイルバネ132によって勢いよく節動的に回動されることによって、円滑に且つ確実に行われる。
【0105】
また、ストックアーム131の押され指部131aがディスク11をY1方向に押して搬送することにより、図19に示すように、ディスク11の周縁11aとI字状ローラ61A,62Aとが離間する。これにより、ディスク選択手段が動作可能となる。
【0106】
〔駆動機構組立体110〕(図32乃至36)
図13及び図32に示すように、駆動機構組立体110は、大略、シャーシベース150と、シャーシベース150の下面に支持されており、ピンと案内長孔とによってY1,Y2方向に摺動可能であるスライド部材105と、シャーシベース150に固定してあり、下方に突き出ている軸170と、軸170に独立に回転可能に支持してあるギヤ171(ウォームホイール部171aとギヤ部171bとよりなる)、ギヤ172及び半円のピニオン173と、シャーシ150の下面に固定てあるローディングモータ174と、モータ174のスピンドルに固定してあり、ウォームホイール部171aと噛合しているウォーム175と、シャーシベース150に固定してある軸176に支持されており、カム溝177aを有し、ギヤ172と噛合しているカムギヤ177と、シャーシベース150に植設された軸178に回転可能に支持してあり、カムギヤ177と噛合しているギヤ179と、ピニオン173に固定してある軸180aに回転可能に支持してあり、ギヤ部171bに噛合しているギヤ181aと、ピニオン173に固定してある別の軸180bに回転可能に支持してあり、ギヤ181aとギヤ172とに噛合しているギヤ181bと、シャーシベース150に固定してある軸182に回転可能に支持してあり、2つのピン183a、183bを有するリンクアーム183とを有する。なお、ギヤ179は、ローディングアーム140のラック140dと噛合しており、ギヤ179が回転すると、ローディングアーム140が回動される。
【0107】
ギヤ179が特許請求の範囲中、記録媒体搬送手段駆動部材を構成する。ピニオン173が特許請求の範囲中、ターンテーブル上下動機構駆動部材を構成する。
選択伝達機構250は、図32に示す駆動機構組立体110よりローディングモータ174、ギヤ179及びピニオン173を取り除いて残ったもの、即ち、スライド部材105と、軸170と、ギヤ171(ウォームホイール部171aとギヤ部171bとよりなる)、ギヤ172と、ウォーム175と、カムギヤ177と、ギヤ181と、2つのピン183a、183bを有するリンクアーム183とが、選択伝達機構250を構成する。
【0108】
選択伝達機構250は、モータ174の回転を、ピニオン173には伝達させないでギア179に伝達する第1の選択伝達状態、或いは、これとは逆に、モータ174の回転を、ギア179には伝達させないでピニオン173に伝達する第2の選択伝達状態を作るように機能する。
【0109】
ギヤ181a,181bは、ピニオン173の回転が拘束されているときには(スライド部材105の摺動が拘束されているときである)、公転せずにそのときの位置に留まって、ギヤ部171bの回転をギヤ172に伝達する。また、後述するようにピニオン173の回転が拘束されていないときには(スライド部材105が摺動可能となっているときである)、カム溝177aとピン183aとによって、カムギヤ177の回転が拘束されているため、カムギヤ177及びギヤ172は回転せずに停止しており、ギヤ181a,181bは、ギヤ172の周囲を自転しつつ公転し、ピニオン173が回転される。
【0110】
スライド部材105は、水平板部分105aと垂直板部分105bとを有する。垂直板部分105bに、山形状の案内溝105cが形成してある。水平板部分105bには、階段状の溝105dが形成してある。リンクアーム183のピン183aがカム溝177aに嵌合してあり、ピン183bが階段状溝105dに嵌合している。
【0111】
また、水平板部分105aにはラック105eが形成してある。ラック105eがピニオン173と噛合している。
階段状溝105dは、全体としてY1,Y2方向に延在しており、Y1方向に延在する溝部と、X1,X2方向に延在する段部とが組み合わされたものであり、Y2側からY1方向に向かって、順に、第1の段部105d−1、第1の溝部105d−2、第2の段部105d−3、第3の段部105d−4、第2の溝部105d−5、第4の段部105d−6、第5の段部105d−7よりなる。
【0112】
カム溝177aは、円弧状に延在する円弧状溝部とカムギヤ177の略半径の方向に延在する半径状溝部とが組み合わされたものであり、外周から中心に向かって、順に、第1の円弧状溝部177a−1、第1の半径状溝部177a−2、第2の円弧状溝部177a−3、第2の半径状溝部177a−4、第3の円弧状溝部177a−5とよりなる。
【0113】
階段状溝105dの第1の溝部105d−2は、リンクアーム183の回動を、ピン183aが第1の半径状溝部177a−2内に位置する回動位置に制限する。この状態では、カムギヤ177は回動出来ない状態とされる。階段状溝105dの第2の溝部105d−5は、リンクアーム183の回動を、ピン183aが第2の半径状溝部177a−4内に位置する回動位置に制限する。この状態でも、カムギヤ177は回動出来ない状態とされる。
【0114】
カム溝177aの第1の円弧状溝部177a−1は、リンクアーム183の回動を、ピン183bが第1の段部105d−1に当たった回動位置に制限する。第2の円弧状溝部177a−3は、リンクアーム183の回動を、ピン183bが第2の段部105d−3及び第3の段部105d−4に当たった回動位置に制限する。第3の円弧状溝部177a−5は、リンクアーム183の回動を、ピン183bが第4の段部105d−6及び第5の段部105d−7に当たった回動位置に制限する。
【0115】
カムギヤ177が反時計方向に回動するとき、カム溝177aの第1の半径状溝部177a−2は、ピン183bが第1の段部105d−1に当たっている状態で働き、リンクアーム183を時計方向に少し回動させるように機能する。カム溝177aの第2の半径状溝部177a−4は、ピン183bが第2の段部105d−3に当たっている状態で働き、リンクアーム183を時計方向に少し回動させるように機能する。カムギヤ177が時計方向に回動するときには、第2の半径状溝部177a−4及び第1の半径状溝部177a−2は、リンクアーム183を反時計方向に少し回動させるように機能する。
【0116】
階段状溝105dの第1の段部105d−1、第2の段部105d−3、第4の段部105d−6は、ピン183bに当たって、スライド部材105がY2方向に摺動することを制限するように機能する。第5の段部105d−7及び第3の段部105d−4は、ピン183bに当たって、スライド部材105がY1方向に摺動することを制限するように機能する。また、第1の段部105d−1、第2の段部105d−3、第4の段部105d−6は、それまで図33(B)中X1方向に移動することを制限されてきたピン183bが移動制限を解除されて、ピン183bをX1方向に少し移動可能とするように機能する。第5の段部105d−7及び第3の段部105d−4は、ピン183bを図33(B)中X2方向に少し移動可能とするように機能する。また、既に述べたように、ピニオン173がスライド部材105のラック105eと噛合している。
【0117】
よって、カムギヤ177とスライド部材105とピニオン173とは、カムギヤ177が回動可能であるときには、スライド部材105が摺動不可能(ピニオン173が回動不可能)の状態にあり、逆に、カムギヤ177が回動不可能であるときには、スライド部材105が摺動可能(ピニオン173が回動可能)の状態となるようになっている。
【0118】
なお、シャーシベース150は、腕部150aを有する。腕部150aは、ディスク搬送機構34Aの下側を横切っている。腕部150aには、合成樹脂製のパッド155が設けてあり、収容ユニット33Aとディスク再生ユニット32Aとの間の位置で、搬送されるディスク11を傷付けない状態で支持する。
【0119】
次に上記構成の駆動機構組立体110の動作について説明する。
図36(A)乃至(G)は駆動機構組立体110を構成する各部分の動作を示す。
ディスク搬送機構34Aが図18に示す初期状態にあるときには、駆動機構組立体110は図34(A)の状態にある。カムギヤ177は時計方向に回動しており、ピン183aはカム溝177aのうち第1の円弧状溝部177a−1内の位置1にあり、リンクアーム183は反時計方向に回動しており、ピン183bは階段状溝105dの内の位置Iにあり、よって、スライド部材105は、位置V1にあって、Y2方向に摺動出来ない状態にある。よって、ピニオン173は回動出来ない状態にある。ピン104は山形状の案内溝105cのY2側の裾野部105c−1によって案内されている。
【0120】
モータ174が始動して正転すると、モータ174の回転が、ウォーム175、ギヤ171、ギヤ181、ギヤ172を介して、カムギヤ177に伝わり、カムギヤ177が反時計方向に回動する。ピン183aは位置1から第1の円弧状溝部177a−1内を位置2へ向かって相対的に移動する。ピン183aが位置2に到るまでは、リンクアーム183は元の位置に留まっており、依然として、ピン183bは階段状溝105d内の位置Iにあり、スライド部材105はY2方向に摺動出来ない状態にあり、ピニオン173は回動出来ない状態にある。
【0121】
カムギヤ177に上記の反時計方向の回動によって、ギヤ179が回転し、ローディングアーム140がL1方向に回動し、前記のように、ディスク搬送機構34Aが、ディスク11をディスク収容部41A−1内よりY2方向に搬送する。
【0122】
ディスク11が、図21に示す位置(スリット140g−6が検出される位置)まで搬送される最後の段階で、第1の半径状溝部177a−2がピン183aを案内し、リンクアーム183が時計回りに回転される。リンクアーム183は、ピン183bが位置IIに到るまで回転し、ピン183aは位置2から位置3に到り、図34(B)の状態となる。ピン183aが第1の半径状溝部177a−2内に留まることによって、カムギヤ177が回動不可能となり、ディスク搬送機構34Aの動作が停止する。代わって、スライド部材105が摺動可能(ピニオン173が回動可能)となり、ギヤ181はギヤ172の周囲を自転しつつ公転し、ピニオン173が回転され、スライド部材105がY2方向に摺動を開始する。図34(C)に示すように、スライド部材105は、ピン183bが相対的に位置III に到るまで、即ち、第2の段部105d−3がピン183bに対向する位置V2まで摺動する。第2の段部105d−3がピン183bに対向すると、スライド部材105の摺動が制限されて停止する。
【0123】
ピン104は山形状の案内溝105cの頂部105c−2によって案内された状態となり、ディスク再生ユニット32Aは、J方向に回動し、ターンテーブル37Aが上動して、ディスク11がクランプされる。
ピン183bが位置III に到ったことにより、ピン183bが図33(B)中X1方向に移動可能となって、リンクアーム183が時計方向に回動可能となる。ピン183aが第1の半径状溝部177a−2に駆動されて、リンクアーム183が時計回りに回動し、ピン183aが位置4に到り、ピン183bが位置IVに到り、図34(C)に示す状態となる。これにより、スライド部材105は摺動が不可能となり、カムギヤ177が反時計方向に回動可能となる。カムギヤ177が反時計方向に回動すると、ディスク搬送機構34Aが動作し、I字状ローラ61A,62Aがディスク11の周縁11aから離間する。
【0124】
カムギヤ177が反時計方向に回動してピン183aが位置4と位置5との略中間に到ったときに、スリット140g−6が検出され、通常は、モータ174が停止され、別のモータであるターンテーブル回転用モータ(図示せず)が始動して、ディスク11が回転して再生が行われる。
【0125】
ディスク再生完了後にディスク11を元のディスク収容部41A−1内に収容する場合には、モータ174が逆転して、最初にカムギヤ177が時計方向に回動して、I字状ローラ61A,62Aがディスク11を保持し、続いてスライド部材105がY1方向に摺動してディスク11のクランプが解除され、再びカムギヤ177が時計方向に回動して、クランプが解除されたディスク11がY1方向に搬送される。
【0126】
ディスクを排出するときには、スリット140g−6が検出されてもモータ174は停止されずに正転し続け、カムギヤ177が反時計方向に回動し、ピン183aは第2の円弧状溝部177a−3内を位置4から位置5へ向かって相対的に移動する。ピン183aが位置5に到るまでは、リンクアーム183は元の位置に留まっており、依然として、ピン183bは階段状溝105d内の位置IVにあり、スライド部材105はY2方向に摺動出来ない状態にあり、ピニオン173は回動出来ない状態にある。
【0127】
カムギヤ177の上記の反時計方向の回動によって、ギヤ179が回転し、ローディングアーム140がL1方向にスリット140g−4が検出される位置まで回動し、前記のように、ディスク搬送機構34Aがディスク11の周縁を把持する。
【0128】
ピン183aが位置5に到ると、続いてピン183aは第2の半径溝部177a−4に駆動されて位置6に到り、位置IVにいたピン183bが位置Vに到り、図33及び図35(A)に示す状態になる。これにより、カムギヤ177が回転不可能になり、スライド部材105が摺動可能となる。よって、ギヤ181はギヤ172の周囲を自転しつつ公転して、ピニオン173が回転され、スライド部材105が再びY2方向に摺動を開始する。スライド部材105は、ピン183bが相対的に位置VIに到るまで、即ち、第4の段部105d−6がピン183bに対向する位置V3まで摺動する。第4の段部105d−6がピン183bに対向すると、スライド部材105の摺動が制限されて停止する。
【0129】
ピン104は山形状の案内溝105cのY1側の裾野部105c−3によって案内された状態となり、ディスク再生ユニット32Aは、J方向に回動し、ターンテーブル37Aが下動して、ディスク11のクランプが解除される。上記のように、モータ174が正転したままで、即ち、モータ174が途中で逆転することなくして、ターンテーブル37Aの上動と下動との両方の動作が行われる。
【0130】
図33、図35(B)に示すように、ピン183bが位置VIに到ると、リンクアーム183が時計方向に回動可能となり、ピン183aが半径溝部177a−4に駆動されてリンクアーム183が時計方向に回動し、ピン183aが位置7に到り、ピン183bが位置VII に到る。カムギヤ177は再び回動可能となる。スライド部材105は依然として摺動が制限された状態にある。
【0131】
カムギヤ177は図35(C)に示す位置まで反時計方向に回動する。カムギヤ177の回動によって、ギヤ179が回転し、ローディングアーム140が更にL1方向に回動し、前記のように、ディスク搬送機構34Aが、ディスク11を再生位置よりY2方向に、ディスク再生装置の外側の位置まで搬送し、スリット140g−1が検出されたことにより、モータ174を停止する。その後、直ちにモータ174を逆転させ、スリット140g−2が検出されるとモータ174を停止する(このとき、ピン183aは位置8と位置7の間に位置しており、ディスク挿入待ち状態にある)。
【0132】
なお、この状態においてディスクが挿入されると、モータ174が逆転し、カムギヤ177及びスライド部材105は、上記とは逆の順序で逆方向に移動し、駆動機構組立体110は図34(A)に示す初期状態となる。
る。
【0133】
〔ディスククランプ機構〕(図37乃至41)
図37及び図38に示すように、ディスククランプ機構190は、クランパホルダを上下動させるクランパホルダ上下動機構107とターンテーブル37Aを上下動させるターンテーブル上下動機構(ターンテーブル移動機構)114とよりなる。
【0134】
ディスククランプ機構190は、ディスククランプ時にディスクが傘状に反りに難くし、且つ、ディスククランプ時にディスクが逆傘状に反りに難くするようにしたものである。
ターンテーブル上下動機構114は、図37に示すように、スライド部材105の垂直板部分105bの山形状の案内溝105cと、ピン104とよりなる構成である。この機構114は、図39に示すように、ターンテーブル37Aを上下動させる。
【0135】
クランパホルダ上下動機構107は、図37に示すように、クランパ38Aと、クランパホルダ191と、クランプスライダ192等よりなる。
クランパ38Aは、中央より上方に突き出た柱部38Aaと、柱部38Aaの上部より張り出したフランジ部38Abとを有する。柱部38Aaの周囲部であってフランジ部38Abより下側には、環状の溝部38Acが形成してある。
【0136】
クランパホルダ191は、中心に中心孔191aを有し、一方の側面に2つのピン191b,191cを有し、反対側の側面に1つのピン191dを有する。
クランパ38Aは、環状の溝部38Acが中心孔191aと嵌合して、クランパホルダ191に支持してある。環状溝部38AcのZ方向の幅w1とクランパホルダ191の厚さt1とは、w1>t1の関係にある。クランパ38Aは、クランパホルダ191に対して、クランパ38Aの軸線方向に、寸法(w1−t1)の遊びを有している。
【0137】
クランパホルダ191は、ピン191b,191c、191dを、シャーシ103の中心の開口103aの淵に形成してあるZ方向のガイド溝103d,103e,103fと嵌合してZ1、Z2方向に移動可能である。クランパ38Aは、開口103aを通してシャーシ103の下面側に突き出ている。
【0138】
クランプスライダ192は、一端側に2又状のフォーク部192aを有し、このフォーク部192aに斜めのカム溝192b、192c、192dを有し、他端側に、ピン部192eを有する。クランプスライダ192は、斜めのカム溝192b、192c、192dが夫々ピン191b,191c、191dと嵌合した状態で、シャーシ103上に、A3,A4方向に摺動可能に設けてある。図37に示すように、A3方向は、Y1とX2との間の方向であり、A4方向は、Y2とX1との間の方向である。ピン部192eは、ローディングアーム140の山形状のカム140fと対向している。
【0139】
クランプスライダ192は、引っ張りコイルばね193によってA4方向に付勢されている。
山形状のカム140fは、両側の斜面部140f−1,140f−2と頂面部140f−2とよりなる。斜めのカム溝192bは、上側部192b−1と、斜め部192b−2と、下側部192b−3とよりなる。
【0140】
カム140fによって、クランプスライダ192は、A3,A4方向上、3つの位置P10,P11,P12に位置決めされる。これによって、クランパホルダ191は、高い位置(待避支持位置)Huと、中間の位置(中間支持位置)Hmと、低い位置(回転可能支持位置)Hlとに位置決めされる(図17(G))。高い位置Huは、クランパホルダ191がフランジ部38Abを支えて、クランパ38Aをディスク11より離れた高い位置であってディスク11の搬送を妨害しない待避位置H10に支持する待避支持位置である。中間の位置Hmは、クランパ38Aをディスク11に接する高さ位置H11に支持する位置である。低い位置Hlは、高さ位置H11にあるクランパ38Aのフランジ部38Abより低い位置、即ち、クランパホルダ191がフランジ部38Abより離れた位置である。
【0141】
次に、ディスククランプ機構190の動作について説明する。
図17(G)はクランパホルダ191の動きを示し、図17(I)はターンテーブル37Aの動きを示す。
先ず、ディスク11をクランプする動作について説明する。
【0142】
ディスク搬送機構34Aが図32に示す初期状態では、図39(A)に示すように、クランプスライダ192は位置P10に位置しており、クランパホルダ191は高い位置Huに位置しており、クランパ38Aは高い位置H10に位置しており、ターンテーブル37Aはディスク11の搬送を妨害しない低い位置(待避位置)H20に位置している(図17(I))。
【0143】
正転するモータ174によってローディングアーム140が反時計方向に回動して、ディスク11が再生位置にまで搬送されてくると、図39(B)に示すようになる。即ち、カム140fの斜面部140f−1がピン部192eを押し、クランプスライダ192がばね193に抗してA3方向に摺動して位置P11に到り、斜め部192b−2がピン191bを案内し、クランパホルダ191は中間の位置Hmに到り、クランパ38Aは高さ位置H11に到る。
【0144】
この状態で、図39(C)に示すように、ターンテーブル上下動機構114が動作して、ターンテーブル37Aが上動して、ディスク11を支持する支持位置H21に到り、ターンテーブル37A内の磁石37Acがクランパ38A内の鉄板片38Adを磁気吸着し、ディスク11がターンテーブル37A上にクランプされる。
【0145】
このようにクランパ38Aをクランプ位置に位置させてからターンテーブル37Aを上昇させることにより、ターンテーブル37A内の磁石37Acがクランパ38A内の鉄板片38Adを吸引する磁気吸着力を有効に使ってクランプ動作できる。
【0146】
この後、ローディングアーム140が更に反時計方向に回動して、図39(D)に示すようになる。即ち、カム140fの頂面部140f−2がピン部192eを押し、クランプスライダ192がA3方向に更に摺動して位置P12に到り、下側部192b−3がピン191bを案内し、クランパホルダ191は低い位置Hlに到り、フランジ部38Abより離れて、環状溝部38Ac内に浮いた状態となる。
【0147】
ここで、ディスク11が再生位置より所定寸法以上ずれている場合について説明する。
ターンテーブル37Aが上動したときに、図40(B)に示すように、ターンテーブル37Aはディスク11の中心孔の付近を押し上げて、ディスク11を傘状に変形させてしまう。
【0148】
図40(A)に示すように、クランパホルダ191は既に中間位置Hmに位置しており、クランパ38AがZ1方向に変位出来る余裕は、寸法b1に制限されている。このため、ターンテーブル37Aの上動は、図40(B)に示すように、本来の高さ位置H21より少し低い位置H22に制限される。
【0149】
よって、ターンテーブル37Aが本来の高さ位置H21まで上動した場合に比べて、ディスク11の中心孔の付近を押し上げ寸法は制限され、ディスク11の傘状に変形するときの変形量は少なく制限される。
次に、ディスクのクランプを解除する場合の動作について説明する。
【0150】
モータ174が逆転して、ローディングアーム140が時計方向に回動すると、図41(A)に示すようになる。即ち、カム140fの斜面部140f−2がピン部192eを押し、クランプスライダ192がA3方向に摺動して位置P11に到り、斜め部192b−2がピン191bを案内し、クランパホルダ191は少し上動して中間の位置Hmに到り、クランパ38Aのフランジ部38Abを支える状態となる。クランパ38Aは高さ位置H11に留まる。
【0151】
この状態で、図41(B)に示すように、ディスク11の周縁を把持され、ターンテーブル上下動機構114が動作してターンテーブル37Aが下動される。よって、ターンテーブル37Aがクランパ38Aより離れ、位置H20に到り、ディスク11のクランプが解除される。
【0152】
ターンテーブル37Aが下動されるとき、ターンテーブル37A内の磁石37Acとクランパ38A内の鉄板片38Adとの磁気吸着が強制的に引き離される。磁気吸着が強制的に引き離されるまでは、ターンテーブル37Aの下動に伴って、クランパ38Aが下方向に変位させられようとする。クランパ38Aが下方向に変位させられると、周縁を把持されているディスク11は逆傘状に変形してしまう。しかし、クランパホルダ191は既に少し上動して中間の位置Hmに到り、クランパ38Aのフランジ部38Abを支えており、クランパ38Aは下方向への変位を制限された状態にある。よって、クランプの解除に際して、ディスク11は逆傘状に変形することは起きない。
【0153】
この後、ローディングアーム140が更に時計方向に回動して、図41(C)に示すようになる。即ち、ピン部192eはカム140fの裾野部に到り、頂面部140f−2を乗り越える。よって、クランプスライダ192がA4方向に摺動して位置P10に到り、上側部192b−1がピン191bを案内し、クランパホルダ191は高い位置Huに到り、クランパ38Aは少し上動されて高い位置H10に到り、クランプが解除されているディスク11より浮く。
〔ディスク再生ユニット32Aとディスク収容ユニット33Aとの連結機構〕(図42、43)
ディスク再生装置30Aは、連結機構200を有する。連結機構200は、ディスク搬送機構34Aが動作するときに、ディスク再生ユニット32Aとディスク収容ユニット33Aとを機械的に連結して、双方回動機構35Aが動作しようとしても動作しないように、即ち、ディスク再生ユニット32Aとディスク収容ユニット33Aとが回動しないように機能する。
【0154】
連結機構200は、図42に示すように、イジェクトレバー109の先端の連結用凹部109bと、ストックアーム131の先端の押さえ指部131aとより構成される。即ち、連結機構200は、全て既存の部品よりなり、特別の部品を使用しないで構成してある。
【0155】
ディスク搬送機構34Aが図32に示す初期状態にあるとき、イジェクトレバー109は図43(A)に示す位置にあり、イジェクトレバー109とストックアーム131とは連結されていず、ディスク再生ユニット32Aとディスク収容ユニット33Aとは連結されていず自由に回動出来る状態にある。即ち、双方回動機構35Aが動作すると、ディスク再生ユニット32Aとディスク収容ユニット33Aとが回動する状態にある。
【0156】
双方回動機構35Aが動作し、ディスク再生ユニット32Aとディスク収容ユニット33Aとが回動し、ディスク再生ユニット32Aがディスク収容ユニット33Aの所定のディスク収容部41Aに対向した状態とされた後、ディスク搬送機構34Aが動作を開始すると、イジェクトレバー109がM1方向に回動し、イジェクトレバー109の先端部109cが係止指部131bを押し、ストックアーム131がN1方向に節動的に回動する。
【0157】
イジェクトレバー109がM1方向に回動し始めると、図43(B)に示すように、連結用凹部109bがストックアーム131の先端の押さえ指部131aと嵌合し始める。イジェクトレバー109及びストックアーム131は図43(C)に示す位置まで回動し、押さえ指部131aが連結用凹部109b内に深く嵌合し、イジェクトレバー109及びストックアーム131が機械的に連結される。
【0158】
これにより、ディスク再生ユニット32Aとディスク収容ユニット33Aとが機械的に連結され、ディスク再生ユニット32Aとディスク収容ユニット33Aとは回動を禁止された状態となる。よって、ディスク搬送機構34Aが動作しているときには電気的に双方回動機構35Aが動作しないようにはなっているけれども、例えば、ノイズ等の原因で制御が乱れ、たとえ双方回動機構35Aが動作しようとしても、ディスク再生ユニット32Aとディスク収容ユニット33Aとは回動しない。このため、ディスク再生ユニット32Aとディスク収容ユニット33Aとは所定の位置関係に確実に維持される。よって、ディスク搬送機構34Aによるディスク搬送が支障無く確実に行われる。
【0159】
また、ディスク収容ユニット33A外に搬送されているディスク11とディスク収容ユニット33A内に収容されている別のディスク11とが衝突してディスク11が破損してしまう事故が発生することを確実に防止出来る。よって、十分な信頼性を保証した条件の下で、図12に示すように、ディスク再生ユニット32Aとディスク収容ユニット33Aとは近づいて配設してある。よって、ディスク再生装置30Aは奥行き寸法L10が極力短いものとなっている。また、ディスク再生装置30Aの奥行き寸法L10が短くなっているため、ディスク11の搬送距離が短くなり、ディスク11の搬送に要する時間が短くなっている。
【0160】
〔フラップ112及びフラップ開き機構113〕(図44乃至図46)
図44、図45(A)に示すように、フラップ112は、X2側の腕部112aの孔112a−1を、ローディング組立体100のシャーシ103の側面のピン40Aに嵌合させ、X1側の腕部112bの二又部112b−1を上記ピン40Aに対応するピン40Aaに嵌合させて、B3,B4方向に回動可能に設けてありる。
【0161】
シャーシ103のX2側の側面に、スライダ210がY1,Y2方向に摺動可能に設けてある。スライダ210のY2端側の孔210aとフラップ112の腕部112aのピン部112a−2が嵌合しており、スライダ210とフラップ112とが連結してある。スライダ210はばね211によってY1方向に付勢されており、フラップ112は、閉じる方向であるB4方向に付勢されている。フラップ112は、この状態で、図46(A),(B)で示すように、フロントベゼル39Aの開口71Aを塞いでいる。
【0162】
スライダ210は、指部210bを有する。指部210bは、シャーシ103上であって、前記のピン146によって押される位置に突き出ている。
ディスク搬送機構34Aがディスク11をディスク再生装置30Aから排出するように動作するとき、図45(B)、図46(C)に示すように、動作の最終段階で、即ち、ディスク11が排出される直前において、Y2方向に移動してきたピン146が指部210bを押し、スライダ210がばね211に抗してY2方向に移動し、フラップ112がB3方向に回動して、フロントベゼル39Aの開口71Aが開かれる。フロントベゼル39Aの開口71Aが開かれると直ぐに、ディスク11が開口71Aより突き出す。
【0163】
ここで、フラップ112がフロントベゼル39Aの開口71Aを塞いでいる状態についてみる。
フラップ112は、ローディング組立体100のシャーシ103に取り付けてあり、ばね211によってスライダ210を介して閉じる方向であるB4方向に付勢されており、フロントベゼル39Aの開口71Aの裏側に突き出ている受け台部39Ab上のスポンジ213に当たっている。
【0164】
このため、双方回動機構35Aが動作して、図46(A),(B)で示すように、ディスク再生ユニット32Aがピン40A、40Aaを中心に揺動するときに、スライダ210が少し摺動することによって、フラップ112は受け台部39Ab上のスポンジ213に当たり続ける。即ち、ディスク再生ユニット32Aの揺動がスライダ210の少しの摺動によって吸収され、フラップ112は受け部212bに当接し続け、フロントベゼル39Aの開口71Aはフラップ112によって閉じられた状態を維持し続ける。このように、ディスク再生ユニット32Aが揺動しても、フラップ112とフロントベゼル39Aの相対位置関係は変わらないため、フラップ112のサイズ(高さ寸法)eは特別に大きくする必要は無く、開口71Aより一周り大きい最小限の大きさで足りる。よって、ディスク再生装置30Aを薄型に出来る。
【0165】
また、フラップ112は受け部39Ab上のスポンジ213に当たり続け、フラップ112とスポンジ213との間に隙間は生じない。よって、ディスク再生装置30Aのフロントベゼル39Aの開口71Aの部分は良好な防塵性を有する。
【0166】
また、フラップ112がフロントベゼル39Aの裏側に位置するため、排出されたディスク11を、例えば、その中心の孔に指を差し込んで引き出す場合でも、フラップ112が邪魔にならず、ディスク11を引き出す操作はし易い。
〔ディスク挿入口部材111周りの構成〕(図47乃至図49)
図47,図48(A),(B)に示すように、樹脂成形品であるディスク挿入口部材111の裏側のうちX1,X2端側に、ディスク支え部材220が取り付けてある。ディスク挿入口部材111はシャーシ103に固定してある。
【0167】
ディスク支え部材220は、シート状のフェルト製であり、横向きのT字状のスリット220aが入れてあり、スリット220aによって一対の翼部220b,220cが形成されている構成である。翼部220b,220cは弾性的に反り得る。また、ディスク支え部材220には、ディスク挿入口部材111の裏側の複数の突起111bに対応した孔220dが複数形成してある。
【0168】
221は取付け部材であり、ワイヤをU字形状に曲げてなる3つの腕部221a,221b,221cと、腕部221b,221cの先端を外側にまげてなる指部221d,221eとを有する。
図48(A)に示すように、ディスク挿入口部材111の裏側には、上記の複数の突起111bの他に、取付け部材221を取り付けるためのフック部111cと、孔111d,111eとを有する。
【0169】
ディスク支え部材220は、孔220dを突起111bに嵌合させて位置決めされて、スリット220a及び、翼部220b,220cの端が対向してディスク挿入口部材111の挿入口111a内に位置するようにされて、且つ、取付け部材221によってディスク支え部材220の裏面111fに押し付けられて取付けてある。取付け部材221は、腕部221bをフック部111cに掛止されて、且つ、指部221d,221eを孔111d,111eに差し込んで取付けてある。
【0170】
腕部221b,221cは突起111bの傍を通って横に延びており、ディスク支え部材220を押さえており、ディスク支え部材220は接着と同程度にしっかりと取り付けてある。
ここで、ディスク支え部材220は、ディスク11を挿入するときには、図49(A)に示すように、翼部220b,220cが弾性的にめくれるように反る。反った翼部220b,220cは、反った翼部220b,220c自体の弾性復元力でもってディスク11を挟んでディスク11を支える。ディスク11が排出されるときには、図49(B)に示すように、翼部220b,220cが反って、上記のディスク挿入時と同様に、ディスク11を支える。このように、ディスク支え部材220は、ディスク11の挿入及び排出の都度、ディスク11によって擦られ、徐々に摩耗してしまう消耗品であり、ディスク再生装置30Aの使用を開始してからある期間経過した後には新しいものと交換されるべきものである。取付け部材221は指部221d,221eを孔111d,111eより抜けば簡単に取り外され、取付け部材221を取り外すことによって、ディスク支え部材220は取り外され、新しいものと交換される。よって、ディスク挿入口部材111を交換する必要はなく、保守性が良い。
【0171】
また、ディスク支え部材220の裏面111fは挿入口111aに近づくにつれてY1方向に向くテーパ面であり、翼部220b,220cも、スリット220aに向かうにつれてY1方向に凸の山形状となっており、垂直面に対してY1方向に角度θ1傾斜している。
【0172】
このため、ディスク11を挿入するときには、図49(A)に示すように、翼部220b,220cが反る角度は、θ2にとどまる。この角度θ2は、翼部220b,220cが垂直面であった場合の反る角度よりθ1だけ小さくなり、反った翼部220b,220cの弾性復元力は小さく、反った翼部220b,220cが挿入されるディスク11に及ぼす抵抗力(ディスク11の挿入の負荷)は小さく、よって、ディスク11の挿入は従来に比べて軽い力で、良好な感触で行われる。
【0173】
なお、翼部220b,220cが反る中心の位置は、腕部221b,221cによって押さえられている箇所であり、挿入口111aの淵の位置からは上下に離れている位置である。翼部を接着した構成では、反る中心の位置は挿入口111aの淵の位置である。よって、このことによっても、翼部220b,220cが反る角度は小さい。
【0174】
また、ディスク11が排出されたとき、及び排出されたディスク11を引き出すときには、図49(B)に示すように、翼部220b,220cが反る角度は、θ4となる。この角度θ4は、翼部220b,220cが垂直面であった場合の反る角度よりθ1だけ大きくなり、反った翼部220b,220cの弾性復元力は大きく、反った翼部220b,220cが引き出されるディスク11を挟んで支持する力は増える。よって、ディスク11を引き出すときに、たとえ指先がディスク11から外れた場合でも、ディスク11は反った翼部220b,220cによってしっかり支えられ続け、ディスク11が外れて落ちてしまうことは起きず、安全である。
【0175】
なお、ディスク支え部材220は、フェルト製に限らず、ゴム製又はスポンジ製でもよい。
また、ディスク支え部材220は、カード状記録媒体を支えるのにも適用できる。
【0176】
〔外部からディスク11を挿入する場合に、ディスク搬送機構34Aが動作を開始した後に、操作者がディスク11を直ぐに強制的に引き抜いた場合の動作〕
(図50乃至図52)
図6、図50に示すようにディスク11をディスク収容ユニット33Aに収容するときには、図51(A),(B)に示すように、ディスク11の略4分の3がディスク再生装置30A内に挿入されたときに、ディスク挿入検出スイッチ160が動作してONとなり、続いて、ディスク11の略全体がディスク再生装置30A内に挿入された検出器106が動作してONとなる。その後、ディスク挿入検出スイッチ160はOFFとなる。
【0177】
ディスク挿入検出スイッチ160が動作してONとなるも、検出器106がONとなる前の時点で、または、検出器106がONとなった時点で、例えば、収容しようとするディスクの間違いに気付き、搬送が開始されたディスクをあわてて強制的に引き抜く場合が考えられる。この操作をした場合にもディスク再生装置30Aの動作に不都合が起きないようにしてある。
【0178】
その手段は、ディスク挿入検出スイッチ160がOFFとなる予定の状態を経過した後に、即ち、ディスク搬送機構34Aが動作を開始した少し後の時点で、ディスク挿入検出スイッチ160の状態と検出器106の状態をみて、ディスク挿入検出スイッチ160がOFFで検出器106がONである場合には、正常と判断してディスク搬送を続け、それ以外の場合には、異常と判断してエラーを発生し、ディスク搬送機構34Aを始めの排出状態、即ち、ディスクの挿入を受け入れる状態に戻すようにしている。
【0179】
図52は、図1及び図50中の制御回路230を構成するマイクロコンピュータのフローチャートである。
ディスク挿入検出器106がONであると判断すると(ST2)、ローディングモータ174を逆転させる(ST4)。スリット140g−3が検出されたと判断すると(ST5)、ディスク挿入検出スイッチ160がOFFであるか否か判断する(ST7)。判断結果がYESの場合には、ディスク挿入検出器106がOFFであるか否か判断する(ST10)。判断結果がYESの場合には、スリット140g−7が検出されたか否か判断する(ST12)。判断結果がYESの場合には、モータ174を停止させる(ST13)。
【0180】
ステップST7の判断結果がNOの場合、又は、ステップST10の判断結果がNOの場合には、エラーを発する(ST14)。
なお、ステップST1,ST3,ST9,ST11によって、検出器106の発光ダイオードは検出をすることが必要な時間にだけ点灯するようにしてある。また、ステップST6,ST8によって、ディスク挿入検出スイッチ160の発光ダイオードも検出をすることが必要な時間にだけ点灯するようにしてある。図52中、符号231は、ディスク挿入検出スイッチ160の発光ダイオードが点灯している時間を示し、符号232は、検出器106の発光ダイオードが点灯している時間を示す。ディスク挿入検出スイッチ160の発光ダイオード及び検出器106の発光ダイオードは常時点灯しているのではなく、検出をすることが必要な時間にだけ点灯する。よって、発光ダイオードの消費電力を少なく出来る。
【0181】
また、スリット140g−3が検出されるのはフラップ112が閉じる直前であり、正常にローディングしていれば、ディスク全体が装置内に取り込まれている状態である。よって、このときに正常にローディングされていれば、この後にディスクが引き抜かれることはないので、ディスクの引き抜きを確実に防止出来る。
【0182】
また、フラップを閉じる前に判断するため、引き抜き途中のディスクが閉まるフラップ112に衝突して傷ついてしまうことを防止出来る。また、クランプ(スリット140g−5)する前に判断するため、引き抜き途中のディスクにターンテーブルが衝突してディスクのデータが破壊されることを防止できる。
【0183】
〔駆動機構組立体の第1の変形例110A〕(図53乃至59)
図53の駆動機構組立体110Aは、図32に示す駆動機構組立体110とは、カムギヤ177A、リンクアーム183A及びスライド部材105A等を異にするだけであり、実質上は図32に示す駆動機構組立体110と同じ構成であり、対応する部分には同じ符号を付す。スライド部材105Aのうちでも、上記のスライド部材105の構成部分と同じ部分には同じ符号を付す。
【0184】
駆動機構組立体110Aは、カムギヤ177Aとの係り合う対象が一つでは無く二つ(リンクアーム183Aのピン183Aa,183Ab)とし、且つ、前半はピン183Aaがカムギヤ177Aとの係り合い、後半はピン183Aaに代わってピン183Abがカムギヤ177Aとの係り合うようにし、カムギヤ177Aとの係り合いをピン183Aaとピン183Abとが分担するようにして、ピン183Aa及びピン183Abとカムギヤ177Aとの係り合いが、カムギヤ177Aのうち専ら外周に近い位置で行われるようにして、ピン183Aa,183Abに無用に強い力が加わらないようにし、選択切換がいつも同じ条件で行われるようにして、信頼性の向上を図ったものである。
【0185】
また、駆動機構組立体110Aは、前記の駆動機構組立体110の場合とは逆に、スライド部材105Aの階段状溝105Adが、リンクアーム183Aにこれを回動させる力を加えるように構成してある。
図54(B)に示すように、スライド部材105Aの水平板部分105aに形成してある階段状の溝105Adは、全体としてY1,Y2方向に延在しており、Y1方向に延在するY方向溝部と、X1方向に偏倚しつつY1方向に延在する斜めの溝部とが組み合わされたものであり、Y2側からY1方向に向かって、順に、第1のY方向溝部105Ad−1、第1の斜め溝部105Ad−2、第2のY方向溝部105Ad−3、第2の斜め溝部105Ad−4、第3のY方向溝部105Ad−5、第3の斜め溝部105Ad−6、第4のY方向溝部105Ad−7よりなる。
【0186】
図54(A)に示すように、カムギヤ177Aは、その外周の近傍に沿って略230度に亘る円弧状溝177Aa−1と、中央部の凹部177Aa−2と、円弧状溝177Aa−1の両端よりカムギヤ177Aの中心の方向に中央凹部177Aa−2まで延びている第1、第2の半径状溝177Aa−3,177Aa−4と、第1、第2の半径状溝177Aa−3,177Aa−4の中央凹部177Aa−2への出口の間に円弧状に延在する内周壁177Aa−5(中央凹部177Aa−2の内周壁の一部である)を有する。第1、第2の半径状溝177Aa−3,177Aa−4の中央凹部177Aa−2への出口の部分には、内周壁177Aa−5よりカムギヤ177Aの中心の方向に少し突き出た第1、第2の半径壁部177Aa−6、177Aa−7を有する。
【0187】
反時計方向(カムギヤ177Aが通常最初に回転する方向とは逆の方向である)にみると、円弧状溝177Aa−1、第2の半径状溝177Aa−4、第2の半径壁部177Aa−7、円周壁177Aa−5、第1の半径壁部177Aa−6、第1の半径状溝177Aa−3、円弧状溝177Aa−1の順で並んでいる。反時計方向、即ち、カムギヤ177Aが時計方向に回転するときにピン183Aa,183Abが遭遇する順序でみると、円弧状溝177Aa−1、第1の半径状溝177Aa−3、第1の半径壁部177Aa−6、円周壁177Aa−5、第2の半径壁部177Aa−7、第2の半径状溝177Aa−4、円弧状溝177Aa−1の順で並んでいる。
【0188】
リンクアーム183Aのピン183Aaは、スライド部材105Aの階段状の溝105Adを通って、下端は、カムギヤ177Aの中央凹部177Aa−2の高さにあり、例えば円弧状溝177Aa−1に嵌合している。リンクアーム183Aのピン183Abは、その下端が、カムギヤ177Aの中央凹部177Aa−2の高さにあり、例えばカムギヤ177Aの中央凹部177Aa−2内に位置している。
【0189】
上記のスライド部材105Aの階段状の溝105Adのうち、第2のY方向溝部105Ad−3、第3のY方向溝部105Ad−5は、リンクアーム183Aが回動しないようにピン183Aaの位置を規制するように働く。第1の斜め溝部105Ad−2及び第2の斜め溝部105Ad−4は、ピン183Aaをリンクアーム183Aが回動する方向に移動させるように働く。
【0190】
カムギヤ177Aの円弧状溝177Aa−1は、ピン183Aa又は183Abを位置規制して、リンクアーム183Aが回動しないようにする。第1、第2の半径状溝177Aa−3,177Aa−4は、夫々、それまで円弧状溝177Aa−1内に位置して位置規制されていたピン183Aa、183Abの位置規制を解除してピン183Aa、183Abがカムギヤ177Aの略半径方向に移動可能となるようにする。また、第1、第2の半径状溝177Aa−3,177Aa−4は、ここにピン183Aa、183Abが嵌合したときに、カムギヤ177Aが回動しないようにする。第2の半径壁部177Aa−7は、カムギヤ177Aが時計方向に回転するときに、ピン183Abに当たって、カムギヤ177Aの回動を停止させる。第1の半径壁部177Aa−6は、カムギヤ177Aが反時計方向に回転するときに、ピン183Aaに当たって、カムギヤ177Aの回動を停止させる。
【0191】
よって、カムギヤ177Aとスライド部材105Aとピニオン173とは、カムギヤ177Aが回動可能であるときには、スライド部材105Aが摺動不可能(ピニオン173Aが回動不可能)の状態にあり、逆に、カムギヤ177Aが回動不可能であるときには、スライド部材105Aが摺動可能(ピニオン173Aが回動可能)の状態となるようになっている。
【0192】
図53に示すように、駆動機構組立体110Aは、大略、シャーシベース150と、シャーシベース150の下面に支持されており、ピンと案内長孔とによってY1,Y2方向に摺動可能であるスライド部材105Aと、シャーシベース150に固定してあり、下方に突き出ている軸170と、軸170に独立に回転可能に支持してあるギヤ171(ウォームホイール部171aとギヤ部171bとよりなる)、ギヤ172及び半円のピニオン173と、シャーシ150の下面に固定してあるローディングモータ174と、モータ174のスピンドルに固定してあり、ウォームホイール部171aと噛合しているウォーム175と、シャーシベース150に固定してある軸185に支持されており、ギヤ172と噛合している遊びギヤ186と、シャーシベース150に固定してある軸176に支持されており、カム溝177Aaを有し、遊びギヤ186と噛合しているカムギヤ177Aと、シャーシベース150に植設された軸178に回転可能に支持してあり、遊びギヤ186と噛合しているギヤ179と、ピニオン173に固定してある軸180に回転可能に支持してあり、ギヤ172とギヤ部171bとに噛合しているギヤ181と、シャーシベース150に固定してある軸182に回転可能に支持してあり、2つのピン183Aa、183Abを有するリンクアーム183Aとを有する。軸182は軸176の近くに位置している。なお、ギヤ179は、ローディングアーム140のラック140dと噛合しており、ギヤ179が回転すると、ローディングアーム140が回動される。
【0193】
ギヤ179が特許請求の範囲中、記録媒体搬送手段駆動部材を構成する。ピニオン173が特許請求の範囲中、ターンテーブル上下動機構駆動部材を構成する。
選択伝達機構250Aは、図53に示す駆動機構組立体110Aよりローディングモータ174、ギヤ179及びピニオン173を取り除いて残ったもの、即ち、スライド部材105Aと、軸170と、ギヤ171(ウォームホイール部171aとギヤ部171bとよりなる)、ギヤ172と、ウォーム175と、遊びギヤ186と、カムギヤ177Aと、ギヤ181と、2つのピン183Aa、183Abを有するリンクアーム183Aとが、選択伝達機構250Aを構成する。
【0194】
選択伝達機構250Aは、モータ174の回転を、ピニオン173には伝達させないでギア179に伝達する第1の選択伝達状態、或いは、これとは逆に、モータ174の回転を、ギア179には伝達させないでピニオン173に伝達する第2の選択伝達状態を作るように機能する。
【0195】
ギヤ181は、ピニオン173の回転が拘束されているときには(スライド部材105Aの摺動が拘束されているときである)、公転せずにそのときの位置に留まって、ギヤ部171bの回転をギヤ172に伝達する。また、後述するようにピニオン173の回転が拘束されていないときには(スライド部材105Aが摺動可能となっているときである)、例えばピン183Aa(183Ab)が半径状溝177Aa−3(177Aa−4)内に嵌合してカムギヤ177Aの回転が拘束されているため、カムギヤ177A及びギヤ172は回転せずに停止しており、ギヤ181はギヤ172の周囲を自転しつつ公転し、ピニオン173が回転される。
【0196】
スライド部材105Aは、水平板部分105aと、垂直板部分105bと、垂直板部分105bよりY2方向に延びたL字状の腕部105Afとを有する。垂直板部分105bに、山形状の案内溝105cが前記のように形成してある。水平板部分105bには、階段状の溝105Adが形成してある。また、水平板部分105aにはラック105eが形成してある。ラック105eがピニオン173と噛合している。
【0197】
次に上記構成の駆動機構組立体110Aの動作について説明する。
駆動機構組立体110Aは、状態を、図55(A),(B),(C),図56(A),(B),(C),図57(A),(B),(C),図58の順で変化させつつ動作する。
【0198】
図59(A)乃至(H)は駆動機構組立体110Aを構成する各部分の動作を示す。
選択伝達機構250Aは、図55(A)→図55(B)間は、第1の選択伝達状態を作り、図55(B)→図56(B)間は、第2の選択伝達状態を作り、図56(B)→図56(C)間は、再び第1の選択伝達状態を作り、図56(C)→図57(C)間は、再び第2の選択伝達状態を作り、図57(C)→図58間は、再び第1の選択伝達状態を作るように動作する。
【0199】
図54(B),図59(C)に示すように、スライド部材105AがY2方向に摺動するとき、ピン183Aaは、スライド部材105Aに対して相対的に、I→II→…→VI→VIIのように移動する。スライド部材105AがY1方向に摺動して戻るときは、ピン183Aaは、上記とは逆の順で相対的に移動する。
【0200】
図54(A),図59(A)に示すように、カムギヤ177Aが時計方向に回動するときには、ピン183Aaは、カムギヤ177Aに対して相対的に、1→2→…→6→7のように移動する。別のピン183Abは、図54(A),図59(B)に示すように、カムギヤ177Aに対して相対的に、一→二→…→六→七のように移動する。カムギヤ177Aが反時計方向に回動して戻るときには、ピン183Aa、183Abは、上記とは逆の順で相対的に移動する。
【0201】
以下の説明は、図54(A),(B)及び図59(A)乃至(H)を参照しつつ行う。なお、説明の便宜上、参照する図についての特記はしない。
ディスク搬送機構34Aが図18に示す初期状態にあるときには、駆動機構組立体110Aは図55(A)の状態にある。
【0202】
カムギヤ177Aは反時計方向に回動しており、ピン183Aaは円弧状溝177Aa−1内の位置1にあり、リンクアーム183Aは反時計方向に回動しており、ピン183Abは中央部の凹部177Aa−2内の位置一にある。よって、カムギヤ177Aは時計方向に回動可能な状態にある。一方、スライド部材105Aは、位置V1にあり、ピン183Aaは、第1のY方向溝部105Ad−1のうち第1の斜め溝部105Ad−2の際の位置Iにある。ピン183Aaがカムギヤ177Aの円弧状溝177Aa−1によって規制されてリンクアーム183Aが回動不可能の状態にあり、ピン183Aaが第1のY方向溝部105Ad−1の端の位置Iに位置しているため、スライド部材105Aは、Y2方向に摺動出来ない状態にある。よって、ピニオン173は回動出来ない状態にある。よって、選択伝達機構250Aは、第1の選択伝達状態にある。
【0203】
なお、ピン104は山形状の案内溝105cのY2側の裾野部105c−1によって案内されている。
駆動機構組立体110Aは、図55(A)の状態から図55(B)に示す状態となる。
【0204】
モータ174が始動して正転すると、モータ174の回転が、ウォーム175、ギヤ171、ギヤ181、ギヤ172を介して、ギヤ186に伝わり、ギヤ186が反時計方向に回動する。ギヤ186の反時計方向の回動は、カムギヤ177Aに伝わり、カムギヤ177Aが時計方向に回動する。カムギヤ177Aが時計方向に回動すると、ピン183Aaは位置1から円弧状溝177Aa−1内を位置2へ向かって相対的に移動する。ピン183Aaが位置2に到るまでは、リンクアーム183Aは元の位置に留まっており、依然として、ピン183Abは階段状溝105Ad内の位置Iにあり、スライド部材105AはY2方向に摺動出来ない状態にあり、ピニオン173は回動出来ない状態にある。
【0205】
ギヤ186の上記の反時計方向の回動によって、ギヤ179が回転し、ローディングアーム140がL1方向に回動し、前記のように、ディスク搬送機構34Aが、ディスク11をディスク収容部41A−1内よりY2方向に、図21に示す位置(スリット140g−6が検出される位置)まで搬送する。
ピン183Aaが相対的に円弧状溝177Aa−1の端の位置2に到って、円弧状溝177Aa−1の端がピン183Aaに当たって、カムギヤ177Aはそれ以上回動出来なくなる。よって、ディスク搬送機構34Aの動作が停止する。また、ピン183Aaが円弧状溝177Aa−1の端の位置2に到ると、ピン183Aaが第1の半径状溝177Aa−3に対向して、ピン183Aaはそれまでの円弧状溝177Aa−1による規制を解除されてカムギヤ177Aの中心方向に移動可能となる。よって、スライド部材105AがY2方向に摺動出来る状態となる。即ち、カムギヤ177Aは回動不可能となり、スライド部材105Aが摺動可能となる。よって、選択伝達機構250Aは、第1の選択伝達状態から第2の選択伝達状態となる。なお、ピン183Abは、中央部の凹部177Aa−2内を、位置一から位置二へ移動する。
【0206】
駆動機構組立体110Aが図55(B)の状態となり、カムギヤ177Aは回動不可能となり、スライド部材105Aが摺動可能(ピニオン173が回動可能)となったことによって、ギヤ181はギヤ172の周囲を自転しつつ公転し、ピニオン173が回転される。ピニオン173が回転することによって、スライド部材105Aが、Y2方向に図56(B)に示す位置V2まで摺動し、ピン183Aaは、相対的に位置II→III を経て位置IVに到るまで移動し、駆動機構組立体110Aは、以下に説明するように、三段階、即ち図55(C)の状態、図56(A)の状態を経て、図56(B)に示す状態となる。
【0207】
詳細には、先ず、駆動機構組立体110Aは、図55(B)の状態から図55(C)に示す状態となる。
第1の段階として、図55(B)に示す状態からスライド部材105AがY2方向に摺動し、ピン183Aaが第1の斜め溝部105Ad−2内を相対的に位置I→IIに移動し、よって、リンクアーム183Aが時計方向に回動される。リンクアーム183Aの回動によって、カムギヤ177Aに対して、ピン183Aaが第1の半径状溝177Aa−3内を相対的に位置2→3に移動し、及び、ピン183Abが中央凹部177Aa−2内を位置二→三に移動し、図55(C)に示す状態となる。
【0208】
次いで、駆動機構組立体110Aは、図55(C)に示す状態から図56(A)に示す状態となる。
第2の段階として、スライド部材105Aが更にY2方向に摺動し、ピン183Aaが第2のY方向溝部105Ad−3内を相対的に位置II→IIIに到り(カムギヤ177Aに対しては、ピン183Aa及びピン183Abは移動しない)、図56(A)に示す状態となる。カムギヤ177Aの回動規制は、ピン183Aaが第1の半径状溝177Aa−3内に位置していることによって成されている。
【0209】
次いで、駆動機構組立体110Aは、図56(A)に示す状態から図56(B)に示す状態となる。
第3の段階として、スライド部材105Aが更にY2方向に少し摺動し、ピン183Aaが相対的に第2のY方向溝部105Ad−3から第2の斜め溝部105Ad−4内に入り、位置III→IVに移動し、よって、リンクアーム183Aが時計方向に回動される。リンクアーム183Aの回動によって、カムギヤ177Aに対して、ピン183Aaが位置3→4に移動し、ピン183Abが位置三→四に移動し、図56(B)に示す状態となる。ピン183Aa,183Abとカムギヤ177Aとの関係についてみると、ピン183Aaは第1の半径状溝177Aa−3から抜け出し、ピン183Abは内周壁177Aa−5に押し当たった状態にある。
【0210】
ピン183Abが内周壁177Aa−5に押し当たってリンクアーム183Aがそれ以上は時計方向に回動出来ない状態となるため、スライド部材105Aは、位置V2まで摺動した段階で、第2の斜め溝部105Ad−4内の位置IVに位置しているピン183Aaによって、それ以上はY2方向には摺動出来なくなる。
【0211】
一方、ピン183Aaは第1の半径状溝177Aa−3から抜け出したことによって、カムギヤ177Aは時計方向に回動可能となる。よって、選択伝達機構250Aは、第2の選択伝達状態から再び第1の選択伝達状態となる。
また、スライド部材105Aが位置V2まで摺動することによって、ピン104は山形状の案内溝105cの頂部105c−2によって案内された状態となり、ディスク再生ユニット32Aは、J方向に回動し、ターンテーブル37Aが上動して、ディスク11がクランプされる。
【0212】
次に、駆動機構組立体110Aは、図56(B)に示す状態から図56(C)に示す状態に向かって変化する。
選択伝達機構250Aが、第2の選択伝達状態から再び第1の選択伝達状態となり、ギヤ186が反時計方向に回動し、ギヤ179が回転し、ローディングアーム140がL1方向に回動する。ローディングアーム140が少し回動した時点(カムギヤ177Aが時計方向に少し回動して、ピン183Abが相対的に移動して位置四と位置五との略中間に到ったときである)で、スリット140g−6が検出され、通常は、モータ174が停止される。駆動機構組立体110Aは、図56(B)に示す状態と、図56(C)に示す状態との間の状態で動作を停止する。
【0213】
ローディングアーム140の上記の少しの回動によって、ディスク搬送機構34Aが少し動作し、I字状ローラ61A,62Aがディスク11の周縁11aから離間する。
また、別のモータであるターンテーブル回転用モータ(図示せず)が始動して、ディスク11が回転して再生が行われる。
【0214】
ディスク再生完了後にディスク11を元のディスク収容部41A−1内に収容する場合には、モータ174が逆転して、最初にギヤ186が時計方向に、カムギヤ177Aが反時計方向に回動して、I字状ローラ61A,62Aがディスク11を保持し、続いてスライド部材105AがY1方向に摺動してディスク11のクランプが解除され、再びカムギヤ177−−時計方向に回動して、クランプが解除されたディスク11がY1方向に搬送される。
【0215】
ディスクを排出するときには、スリット140g−6が検出されてもモータ174は停止されずに正転し続け、カムギヤ177Aは時計方向に、第2の半径壁部177Aa−7がピン183Abに当たる位置まで回動する。駆動機構組立体110Aは、図56(C)に示す状態となる。
【0216】
上記のカムギヤ177Aが回動することによってギヤ186を介してギヤ179が回転し、ローディングアーム140がL1方向にスリット140g−4が検出される位置まで回動し、前記のように、ディスク搬送機構34Aがディスク11の周縁を把持する。
【0217】
カムギヤ177Aは時計方向に、第2の半径壁部177Aa−7がピン183Abに当たる位置まで回動し、駆動機構組立体110Aは、図56(C)に示す状態となる。
第2の半径壁部177Aa−7がピン183Abに当たって、カムギヤ177Aはそれ以上回動出来なくなる。よって、ディスク搬送機構34Aの動作が停止する。また、ピン183Abが第2の半径壁部177Aa−7に到ると、ピン183Abが第2の半径状溝177Aa−4に対向して、ピン183Abはそれまでの内周壁177Aa−5による規制を解除されてカムギヤ177Aの外周方向に移動可能となる。よって、スライド部材105AがY2方向に摺動出来る状態となる。即ち、カムギヤ177Aは回動不可能となり、スライド部材105Aが摺動可能となる。よって、選択伝達機構250Aは、第1の選択伝達状態から再び第2の選択伝達状態となる。なお、ピン183Aaは、中央部の凹部177Aa−2内を、位置4から位置5へ移動する。
【0218】
次に、駆動機構組立体110Aは、図56(C)に示す状態から図57(A)に示す状態に変化する。
スライド部材105Aが再びY2方向に摺動を開始し、ピン183Aaが第2の斜め溝部105Ad−4内を相対的に位置IV→Vに移動し、よって、リンクアーム183Aが時計方向に回動される。リンクアーム183Aの回動によって、カムギヤ177Aに対して、ピン183Abが位置五→六に移動し、第2の半径状溝177Aa−4内に入り込む。ピン183Aaが位置5→6に移動する。駆動機構組立体110Aは、図57(B)に示す状態となる。
【0219】
ピン183Abが第2の半径状溝177Aa−4内に入り込んだことによって、カムギヤ177Aの回動は依然として規制されたままとされている。ピン183Aaが第2の斜め溝部105Ad−4より抜け出て第3のY方向溝部105Ad−5内に入る。
【0220】
駆動機構組立体110Aは、図57(A)に示す状態から図57(B)に示す状態に変化する。
スライド部材105Aが更にY2方向に摺動し、ピン183Aaが第3のY方向溝部105Ad−5内を相対的に位置V→VIに到り(カムギヤ177Aに対しては、ピン183Aa及びピン183Abは移動しない)、駆動機構組立体110Aは、図57(B)に示す状態となる。
【0221】
駆動機構組立体110Aは、図57(B)に示す状態から図57(C)に示す状態に変化する。
スライド部材105Aが更にY2方向に少し摺動し、ピン183Aaが第3の斜め溝部105Ad−6を通りぬけて第4のY方向溝部105Ad−7内に入ってこの端にまで相対的に位置VI→VIIに移動し、よって、リンクアーム183Aが更に少し時計方向に回動される。リンクアーム183Aの回動によって、カムギヤ177Aに対して、ピン183Abが位置六→七に移動し、第2の半径状溝177Aa−4より抜け出して円弧状溝177Aa−1内に出て、カムギヤ177Aの回動規制が解除されてカムギヤ177Aが回動可能となる。スライド部材105Aは位置V3まで摺動して、Y2方向摺動が不可能となる。よって、選択伝達機構250Aは、第2の選択伝達状態から再び第1の選択伝達状態となる。駆動機構組立体110Aは、図57(C)に示す状態となる。
【0222】
ピン104は山形状の案内溝105cのY1側の裾野部105c−3によって案内された状態となり、ディスク再生ユニット32Aは、J方向に回動し、ターンテーブル37Aが下動して、ディスク11のクランプが解除される。上記のように、モータ174が正転したままで、即ち、モータ174が途中で逆転することなくして、ターンテーブル37Aの上動と下動との両方の動作が行われる。
【0223】
駆動機構組立体110Aは、図57(C)に示す状態から図58に示す状態に変化する。
選択伝達機構250Aは、第2の選択伝達状態から再び第1の選択伝達状態となったことによって、カムギヤ177Aが時計方向に回動され、図58に示す位置まで回動する。カムギヤ177Aが回動することによって、ギヤ186を介してギヤ179が回転され、ローディングアーム140が更にL1方向に回動し、前記のように、ディスク搬送機構34Aが、ディスク11を再生位置よりY2方向に、ディスク再生装置の外側の位置まで搬送し、スリット140g−1が検出されたことにより、モータ174を停止する。その後、直ちにモータ174を少し逆転させ、スリット140g−2が検出されるとモータ174を停止する。ディスク搬送機構34Aはディスク挿入待ち状態となる。
【0224】
なお、この状態においてディスクが挿入されると、モータ174が逆転し、カムギヤ177及びスライド部材105は、上記とは逆の順序で逆方向に移動し、駆動機構組立体110Aは図55(A)に示す初期状態となる。
〔駆動機構組立体の第2の変形例110B〕(図60乃至64)
図60の駆動機構組立体110Bは、カムギヤ係わり合うピンとスライド部材と係わり合うピンとを共通化して、ピンを1本としたものである。
したものである。
【0225】
図60の駆動機構組立体110Bは、図53に示す駆動機構組立体110のうち、カムギヤ177Aに代えてカムギヤ177Bを使用し、リンクアーム183Aに代えてリンクスライダ183Bを使用し、且つ、ピン183Aa,183Abに代えて1本のピン183Baを使用した構成である。駆動機構組立体110Bは、実質上は図53に示す駆動機構組立体110Aと同じ構成であり、対応する部分には同じ符号を付する。
【0226】
また、駆動機構組立体110Bは、前記の駆動機構組立体110の場合とは逆に、スライド部材105Aの階段状溝105Adが、リンクアーム183Aにこれをを回動させる力を加えるように構成してある。
図61(B)に示すように、スライド部材105Aの水平板部分105aに形成してある階段状の溝105Adは、全体としてY1,Y2方向に延在しており、Y1方向に延在するY方向溝部と、X1方向に偏倚しつつY1方向に延在する斜めの溝部とが組み合わされたものであり、Y2側からY1方向に向かって、順に、第1のY方向溝部105Ad−1、第1の斜め溝部105Ad−2、第2のY方向溝部105Ad−3、第2の斜め溝部105Ad−4、第3のY方向溝部105Ad−5、第3の斜め溝部105Ad−6、第4のY方向溝部105Ad−7よりなる。
【0227】
図61(A)に示すように、カムギヤ177Bは、カム溝177Baを有する。カム溝177Baは、カムギヤ177Bの円周方向に延在する円弧状の溝部と、カムギヤ177Bの半径方向に延在するの半径状溝部とが組み合われたものであり、反時計方向に見ると、外周側から中心に向かって、順に並んだ、第1の円弧状溝部177Ba−1、第1の半径状溝部177Ba−2、第2の円弧状溝部177Ba−3、第2の半径状溝部177Ba−4、第3の円弧状溝部177Ba−5よりなる。
【0228】
リンクスライダ183Bは、両端に舌部をシャーシベース150のスリットに嵌合させて、シャーシベース150上にX1,X2方向にスライド可能に設けてある。リンクスライダ183Bの下面に、ピン183Baが植設してある。ピン183Baは、シャーシベース150のX1,X2方向に延在しているガイド孔150fに嵌合している。リンクスライダ183Bは、ピン183Baをガイド孔150fに案内されつつ、X1,X2方向にスライド可能である。
【0229】
ピン183Baは、スライド部材105Aの階段状の溝105Adを貫通してカムギヤ177Bのカム溝177Baにまで到っており、階段状の溝105Adとカム溝177Baとに嵌合している。
上記のスライド部材105Aの階段状の溝105Adのうち、第2のY方向溝部105Ad−3、第3のY方向溝部105Ad−5は、リンクスライダ183Bがスライドしないようにピン183Baの位置を規制するように働く。第1の斜め溝部105Ad−2及び第2の斜め溝部105Ad−4は、ピン183Baをリンクスライダ183BがX1,X2方向にスライドさせるように働く。
【0230】
カムギヤ177Bの第1の円弧状溝部177Ba−1、第2の円弧状溝部177Ba−3、第3の円弧状溝部177Ba−5は、ピン183Baを位置規制して、リンクスライダ183BがX1,X2方向にスライドしないようにする。第1の半径状溝部177Ba−2、第2の半径状溝部177Ba−4は、夫々、それまで円弧状溝内に位置して位置規制されていたピン183Baの位置規制を解除してピン183Baがカムギヤ177Bの略半径方向に移動可能となるようにする。また、第1、第2の半径状溝177Ba−2,177Ba−4は、ここにピン183Baが嵌合したときに、カムギヤ177Bが回動しないようにする。
【0231】
よって、カムギヤ177Bとスライド部材105Aとピニオン173とは、カムギヤ177Bが回動可能であるときには、スライド部材105Aが摺動不可能(ピニオン173Aが回動不可能)の状態にあり、逆に、カムギヤ177Bが回動不可能であるときには、スライド部材105Aが摺動可能(ピニオン173Aが回動可能)の状態となるようになっている。
【0232】
図60に示すように、駆動機構組立体110Aは、大略、シャーシベース150と、シャーシベース150の下面に支持されており、ピンと案内長孔とによってY1,Y2方向に摺動可能であるスライド部材105Aと、シャーシベース150に固定してあり、下方に突き出ている軸170と、軸170に独立に回転可能に支持してあるギヤ171(ウォームホイール部171aとギヤ部171bとよりなる)、ギヤ172及び半円のピニオン173と、シャーシ150の下面に固定してあるローディングモータ174と、モータ174のスピンドルに固定してあり、ウォームホイール部171aと噛合しているウォーム175と、シャーシベース150に固定してある軸185に支持されており、ギヤ172と噛合している遊びギヤ186と、シャーシベース150に固定してある軸176に支持されており、カム溝177Baを有し、遊びギヤ186と噛合しているカムギヤ177Bと、シャーシベース150に植設された軸178に回転可能に支持してあり、遊びギヤ186と噛合しているギヤ179と、ピニオン173に固定してある軸180に回転可能に支持してあり、ギヤ172とギヤ部171bとに噛合しているギヤ181と、シャーシベース150に固定してある軸182に回転可能に支持してあり、1本のピン183Baを有するリンクスライダ183Bとを有する。なお、ギヤ179は、ローディングアーム140のラック140dと噛合しており、ギヤ179が回転すると、ローディングアーム140が回動される。
【0233】
ギヤ179が特許請求の範囲中、記録媒体搬送手段駆動部材を構成する。ピニオン173が特許請求の範囲中、ターンテーブル上下動機構駆動部材を構成する。
選択伝達機構250Bは、図60に示す駆動機構組立体110Bよりローディングモータ174、ギヤ179及びピニオン173を取り除いて残ったもの、即ち、スライド部材105Aと、軸170と、ギヤ171(ウォームホイール部171aとギヤ部171bとよりなる)、ギヤ172と、ウォーム175と、遊びギヤ186と、カムギヤ177Bと、ギヤ181と、1本のピン183Baを有するリンクスライダ183Bとが、選択伝達機構250Bを構成する。
【0234】
選択伝達機構250Bは、モータ174の回転を、ピニオン173には伝達させないでギア179に伝達する第1の選択伝達状態、或いは、これとは逆に、モータ174の回転を、ギア179には伝達させないでピニオン173に伝達する第2の選択伝達状態を作るように機能する。
【0235】
ギヤ181は、ピニオン173の回転が拘束されているときには(スライド部材105Aの摺動が拘束されているときである)、公転せずにそのときの位置に留まって、ギヤ部171bの回転をギヤ172に伝達する。また、後述するようにピニオン173の回転が拘束されていないときには(スライド部材105Aが摺動可能となっているときである)、例えばピン183Aa(183Ab)が半径状溝177Aa−3(177Aa−4)内に嵌合してカムギヤ177Bの回転が拘束されているため、カムギヤ177B及びギヤ172は回転せずに停止しており、ギヤ181はギヤ172の周囲を自転しつつ公転し、ピニオン173が回転される。
【0236】
スライド部材105Aは、水平板部分105aと、垂直板部分105bと、垂直板部分105bよりY2方向に延びたL字状の腕部105Afとを有する。垂直板部分105bに、山形状の案内溝105cが前記のように形成してある。水平板部分105bには、階段状の溝105Adが形成してある。また、水平板部分105aにはラック105eが形成してある。ラック105eがピニオン173と噛合している。
【0237】
次に上記構成の駆動機構組立体110Bの動作について説明する。
駆動機構組立体110Bは、状態を、図62(A),(B),(C),図63(A),(B)の順で変化させつつ動作する。
図64(A)乃至(G)は駆動機構組立体110Bを構成する各部分の動作を示す。
【0238】
選択伝達機構250Bは、図62(A)→図62(B)間は、第1の選択伝達状態を作り、図62(B)→図63(B)間は、第2の選択伝達状態を作るように動作する。
図61(B)、図64(A)に示すように、スライド部材105AがY2方向に摺動するとき、ピン183Baは、スライド部材105Aに対して相対的に、I→II→…→VI→VIIのように移動する。スライド部材105AがY1方向に摺動して戻るときは、ピン183Baは、上記とは逆の順で相対的に移動する。
【0239】
図61(A),図64(B)に示すように、カムギヤ177Bが時計方向に回動するときには、ピン183Baは、カムギヤ177Bに対して相対的に、1→2→…→7→8のように移動する。カムギヤ177Bが反時計方向に回動して戻るときには、ピン183Baは上記とは逆の順で相対的に移動する。
【0240】
以下の説明は、図61(A),(B)及び図59(A)乃至(H)を参照しつつ行う。なお、説明の便宜上、参照する図についての特記はしない。
ディスク搬送機構34Aが図18に示す初期状態にあるときには、駆動機構組立体110Bは図62(A)の状態にある。図62(A)の状態は、図55(A)の状態に対応する状態である。
【0241】
カムギヤ177Bは反時計方向に回動しており、ピン183Baは第1の円弧状溝177Ba−1内の位置1にあり、カムギヤ177Aは時計方向に回動可能な状態にあり、リンクスライダ183BはX2方向にスライドしている。一方、スライド部材105Aは、位置V1にあり、ピン183Baは、第1のY方向溝部105Ad−1のうち第1の斜め溝部105Ad−2の際の位置Iにある。ピン183Baがカムギヤ177Bの第1の円弧状溝177Ba−1によって規制されてリンクスライダ183Bがスライド不可能の状態にあり、ピン183Baが第1のY方向溝部105Ad−1の端の位置Iに位置しているため、スライド部材105Aは、Y2方向に摺動出来ない状態にある。よって、ピニオン173は回動出来ない状態にある。よって、選択伝達機構250Bは、第1の選択伝達状態にある。
【0242】
なお、ピン104は山形状の案内溝105cのY2側の裾野部105c−1によって案内されている。
駆動機構組立体110Aは、図62(A)の状態から図62(B)に示す状態となる。図62(B)の状態は、図55(B)の状態に対応する状態である。
【0243】
モータ174が始動して正転すると、モータ174の回転が、ウォーム175、ギヤ171、ギヤ181、ギヤ172を介して、ギヤ186に伝わり、ギヤ186が反時計方向に回動する。ギヤ186の反時計方向の回動は、カムギヤ177Bに伝わり、カムギヤ177Bが時計方向に回動する。カムギヤ177Bが時計方向に回動すると、ピン183Baは位置1から第1の円弧状溝177Ba−1内を位置2へ向かって相対的に移動する。ピン183Baが位置2に到るまでは、リンクスライダ183Bは元の位置に留まっており、依然として、ピン183Bbは階段状溝105Ad内の位置Iにあり、スライド部材105AはY2方向に摺動出来ない状態にあり、ピニオン173は回動出来ない状態にある。
【0244】
ギヤ186の上記の反時計方向の回動によって、ギヤ179が回転し、ローディングアーム140がL1方向に回動し、前記のように、ディスク搬送機構34Aが、ディスク11をディスク収容部41A−1内よりY2方向に、図21に示す位置(スリット140g−6が検出される位置)まで搬送する。
【0245】
ピン183Baが相対的に第1の円弧状溝177Ba−1の端の位置2に到って、第1の円弧状溝177Ba−1の端がピン183Baに当たって、カムギヤ177Bはそれ以上回動出来なくなる。よって、ディスク搬送機構34Aの動作が停止する。また、ピン183Baが第1の円弧状溝177Ba−1の端の位置2に到ると、ピン183Baが第1の半径状溝177Ba−2に対向して、ピン183Baはそれまでの第1の円弧状溝177Ba−1による規制を解除されてカムギヤ177Aの中心方向に移動可能となる。よって、スライド部材105AがY2方向に摺動出来る状態となる。即ち、カムギヤ177Bは回動不可能となり、スライド部材105Aが摺動可能となる。よって、選択伝達機構250Bは、第1の選択伝達状態から第2の選択伝達状態となる。
【0246】
駆動機構組立体110Bが図62(B)の状態となり、カムギヤ177Bは回動不可能となり、スライド部材105Aが摺動可能(ピニオン173が回動可能)となったことによって、ギヤ181はギヤ172の周囲を自転しつつ公転し、ピニオン173が回転される。ピニオン173が回転することによって、スライド部材105Aが、Y2方向に図63(B)に示す位置V2まで摺動し、ピン183Aaは、相対的に位置II→III を経て位置IVに到るまで移動し、駆動機構組立体110Bは、以下に説明するように、三段階、即ち図62(C)の状態、図63(A)の状態を経て、図63(B)に示す状態となる。
【0247】
詳細には、先ず、駆動機構組立体110Bは、図62(B)の状態から図62(C)に示す状態となる。図62(C)の状態は、図55(C)の状態に対応する状態である。
第1の段階として、図62(B)に示す状態からスライド部材105AがY2方向に摺動し、ピン183Baが第1の斜め溝部105Ad−2内を相対的に位置I→IIに移動し、よって、リンクスライダ183BがX1方向にスライドされる。リンクスライダ183Bのスライドによって、カムギヤ177Bに対して、ピン183Baが第1の半径状溝177Aa−2内を相対的に位置2→3に移動し、図62(C)に示す状態となる。
【0248】
次いで、駆動機構組立体110Bは、図62(C)に示す状態から図63(A)に示す状態となる。図63(A)の状態は、図56(A)の状態に対応する。
第2の段階として、スライド部材105Aが更にY2方向に摺動し、ピン183Baが第2のY方向溝部105Ad−3内を相対的に位置II→IIIに到り(カムギヤ177Bに対しては、ピン183Baは移動しない)、図63(A)に示す状態となる。カムギヤ177Bの回動規制は、ピン183Baが第1の半径状溝177Aa−2内に位置していることによって成されている。
【0249】
次いで、駆動機構組立体110Bは、図63(A)に示す状態から図63(B)に示す状態となる。図63(B)の状態は、図56(B)の状態に対応する。
第3の段階として、スライド部材105Aが更にY2方向に少し摺動し、ピン183Aaが相対的に第2のY方向溝部105Ad−3から第2の斜め溝部105Ad−4内に入り、位置III→IVに移動し、よって、リンクスライダ183BがX1方向にスライドされる。リンクスライダ183Bのスライドによって、カムギヤ177Bに対して、ピン183Baが位置3→4に移動し、図63(B)に示す状態となる。ピン183Baとカムギヤ177Bとの関係についてみると、ピン183Baは第1の半径状溝177Aa−2から抜け出し、第2の円弧状溝177Ba−3内に入った状態となる。
【0250】
ピン183Bbが第2の円弧状溝177Ba−3内に入ることによって、リンクスライダ183Bのスライドが再び規制され、スライド部材105Aは、位置V2まで摺動した段階で、第2の斜め溝部105Ad−4内の位置IVに位置しているピン183Aaによって、それ以上はY2方向には摺動出来なくなる。
【0251】
一方、ピン183Aaは第1の半径状溝177Ba−2から抜け出し第2の円弧状溝177Ba−3内に入ることによって、カムギヤ177Bは時計方向に回動可能となる。よって、選択伝達機構250Bは、第2の選択伝達状態から再び第1の選択伝達状態となる。
【0252】
また、スライド部材105Aが位置V2まで摺動することによって、ピン104は山形状の案内溝105cの頂部105c−2によって案内された状態となり、ディスク再生ユニット32Aは、J方向に回動し、ターンテーブル37Aが上動して、ディスク11がクランプされる。
【0253】
続いて、駆動機構組立体110Bは、図63(B)に示す状態より前記実施例の図58に示す状態に向かって変化する。このときの動作は、前記の駆動機構組立体110Aについての、図56(C),図57(A),図57(B),図57(C),図58に示す動作と同じであり、この説明は省略する。
【0254】
〔エマージェンシ機構〕(図65及び図66)
図65は、双方回動機構35Aについてのエマージェンシ機構400を示す。
図11を併せ参照するに、ギヤ57Abは、天板31Abにかしめてある軸401にZ1方向に摺動可能であり、且つ、ばね402によってZ2方向に付勢されている。
【0255】
停電等のエマージェンシ時に、双方回動機構35Aを動かす場合には、ディスク再生装置30Aのケースを取り外し、指先でギヤ57Abをばね402に抗してZ1方向にずらし、ギヤ57Abを次の段のギヤ57Acから外し、スライダ54Aを適宜Y1,Y2方向にスライドさせる操作をする。
【0256】
この操作によって、双方回動機構35Aが手動によって動作される。
図66は、ディスク搬送機構34Aについてのエマージェンシ機構410を示す。
プリント基板のうち、シャーシベース150の下面側のギヤ171に対向する部位に、L字状の開口411が形成してある。ギヤ171には孔412が複数あけてある。
【0257】
停電等のエマージェンシ時に、ディスク搬送機構34Aを動かす場合には、ディスク再生装置30Aのケースを取り外し、ドライバ等を使用して、ドライバ等を開口411に差し込んで孔412に嵌合させ、ギヤ171を強制的に回す。ウォーム175は二条であるため、ギヤ171はウォーム175を回しつつ回される。ギヤ171が回されると、ディスク搬送機構34Aが動作される。
【0258】
よって、停電等のエマージェンシ時に、ディスク収容ユニット33A内のディスク収容部内のディスクを排出しようとする場合には、上記のように、手動によって双方回動機構35Aを動作させ、ディスク収容ユニット33Aのうち取り出そうとするディスクが収容してあるディスク収容部がディスク再生ユニットと整列させ、次いで、同じく手動によってディスク搬送機構34Aを動作させ、ディスク11が外部に排出される。
【0259】
なお、本発明は、CD−ROMに限らず、CD,MD,DVD等の他のディスクにも適用出来る。
【0260】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、一のモータと、回転して上記記録媒体搬送手段を動かす記録媒体搬送手段駆動部材と、回転してターンテーブル上下動機構を動かすターンテーブル上下動機構駆動部材と、該一のモータの回転を上記記録媒体搬送手段駆動部材と上記ターンテーブル上下動機構駆動部材とに切り換えて選択的に伝達する選択伝達機構とを有する構成としたため、単一のモータでもって記録媒体搬送手段とターンテーブル上下動機構とを動作させることが出来、よって、記録媒体搬送手段を一のモータで駆動し、ターンテーブル上下動機構を別のモータで駆動する構成に比べて、装置の製造コストを安価とし得、且つ装置を小型と出来、更には、故障が起きにくく信頼性の向上を実現できる。
【0261】
請求項2の発明によれば、ターンテーブル上下動機構は、山形状のカムを有し、同一方向に動いて、上記ターンテーブルを待避位置より支持位置へと、続いて待避位置へと移動させる構成としたものであるため、モータは正転だけをすれば足り、モータを正転と逆転とさせてターンテーブル上下動機構駆動部材がクランプ時とクランプ解除時とで逆方向に移動するようにした構成に比べて、モータの制御がし易い。
【0262】
請求項3の発明によれば、選択伝達機構をリンク部材より構成したものであるため、構成を簡単に出来る。
請求項4の発明によれば、リンク部材は2本のピンを有し、動作の前半は1のピンを利用し、動作の後半は別のピンを利用する構成としたため、各ピンがより同じ条件で動作するようにすることが出来、よって、動作の安定化を図ることが出来る。また、ピンが回転体の中心近くにまで移動することがなく、ピンに過度の力が作用することが起きず、よって、ピンが折れる危険を回避出来る。
【0263】
請求項5の発明によれば、リンク部材は1本のピンを有する構成であるため、構成を簡単と出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のディスク再生装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1のディスク再生装置のディスク再生ユニットとディスク収容ユニットとの回動の位置関係及び回動範囲を説明する図である。
【図3】図4のディスク再生装置の概略平面図である。
【図4】ディスク再生ユニット内のディスクを引き出して再生する動作を説明する図である。
【図5】再生を完了したディスクをディスク収容ユニットに戻す動作を説明する図である。
【図6】ディスク再生装置外より挿入されたディスクを再生する動作を説明する図である。
【図7】再生中のディスクをディスク再生装置外に排出する動作を説明する図である。
【図8】ディスク再生装置外のディスクをディスク収容ユニット内に収容する動作を説明する図である。
【図9】ディスク収容ユニット内のディスクをディスク再生装置外に排出する動作を説明する図である。
【図10】ディスク再生装置のうち主に双方回動機構及びフロントベゼルの部分の分解斜視図である。
【図11】双方回動機構を示す図である。
【図12】ディスク再生装置の側面図である。
【図13】ディスク再生装置のうち主にディスク再生ユニット及び駆動機構組立体の部分の分解斜視図である。
【図14】ディスク再生装置のうち主にディスク搬送機構の部分の分解斜視図である。ディスク収容ユニットの分解斜視図である。
【図15】ディスク収容ユニットの分解斜視図である。
【図16】ディスク再生装置の双方回動機構の動作を説明する図である。
【図17】ディスク再生装置の各部分の動作を示す図である。
【図18】ディスク搬送機構の初期状態の平面図である。
【図19】シャーシを取り除いて示す、ディスク搬送機構の初期状態の平面図である。
【図20】ディスクがディスク収容ユニットより一部押し出された状態を示す図である。
【図21】ディスクが再生位置の近傍まで搬送されてきたときの状態を示す図である。
【図22】ディスクがクランプされたときの状態を示す図である。
【図23】ディスクが再生されるときの状態を示す、ディスク搬送機構の初期状態の平面図である。
【図24】シャーシを取り除いて、ディスクが再生されるときの状態を示す平面図である。
【図25】ディスクが再生位置より排出されるときのディスク搬送機構状態を示す平面図である。
【図26】ディスクが排出されたときのディスク搬送機構の状態を示す平面図である。
【図27】シャーシを取り除いて、ディスクが排出されたときの状態を示す平面図である。
【図28】ディスクを挿入したときのディスク搬送機構状態を示す平面図である。
【図29】シャーシを取り除いて、ディスクを挿入したときの状態を示す平面図である。
【図30】ディスク収容状態における、ディスク収容ユニットのストックアーム周りの構成を示す図である。
【図31】ディスクが収容されていないときの、ディスク収容ユニットのストックアーム周りの構成を示す図である。
【図32】駆動機構組立体の斜視図である。
【図33】駆動機構組立体のカムギヤのカム溝内のピンの位置と、スライド部材の階段状の溝内のピンの位置との関係を示す図である。
【図34】ディスク搬送及びクランプ動作時の動作を示す図である。
【図35】ディスククランプ解除動作時の動作を示す図である。
【図36】駆動機構組立体を構成する各部材の動作状態を対応させて説明する図である。
【図37】ディスククランプ機構の分解斜視図である。
【図38】ディスククランプ機構の平面図である。
【図39】ディスククランプ機構のディスククランプ動作を示す図である。
【図40】ディスクが正常にクランプされなかった場合の状態を示す図である。
【図41】ディスククランプ機構のディスククランプ解除動作を示す図である。
【図42】ディスク再生ユニットとディスク収容ユニットとの連結機構の要部を示す図である。
【図43】連結機構の動作を示す図である。
【図44】フラップ開き機構の分解斜視図である。
【図45】フラップが閉じている状態と開いた状態を示す図である。
【図46】ディスク再生ユニットが揺動したときのフラップの状態を示す図である。
【図47】ディスク挿入口部材周りの構成の分解斜視図である。
【図48】ディスク支え部材の取付け状態を示す図である。
【図49】ディスク挿入時及びディスク排出時におけるディスク支え部材のディスク支え状態を示す図である。
【図50】ディスク挿入時の状態を示す図である。
【図51】ディスクを挿入しようとしたが直ぐに引き抜いた場合の動作のスイッチの動作状態を示す図である。
【図52】ディスクを挿入しようとしたが直ぐに引き抜いたことを検出するフローチャートである。
【図53】駆動機構組立体の第1の変形例の斜視図である。
【図54】駆動機構組立体のカムギヤのカム溝内のピンの位置と、スライド部材の階段状の溝内のピンの位置との関係を示す図である。
【図55】ディスク搬送時の動作を示す図である。
【図56】ディスククランプ解除動作時の動作を示す図である。
【図57】ディスクククランプ解除動作時の動作を示す図である。
【図58】ディスクが排出されたときの状態を示す図である。
【図59】駆動機構組立体を構成する各部材の動作状態を対応させて説明する図である。
【図60】駆動機構組立体の第2の変形例の斜視図である。
【図61】駆動機構組立体のカムギヤのカム溝内のピンの位置と、スライド部材の階段状の溝内のピンの位置との関係を示す図である。
【図62】ディスク搬送時の動作を示す図である。
【図63】ディスククランプ解除動作時の動作を示す図である。
【図64】駆動機構組立体を構成する各部材の動作状態を対応させて説明する図である。
【図65】双方回動機構についてのエマージェンシ機構を示す図である。
【図66】ディスク搬送機構についてのエマージェンシ機構を示す図である。
【図67】本発明を概略的に示す図である。
【図68】従来の1例のディスク再生装置を示す図である。
【符号の説明】
30A ディスク再生装置
31A 門型のフレーム
32A ディスク再生ユニット
33A ディスク収容ユニット
34A ディスク搬送機構
35A 双方回動機構
36A 光ピックアップ
37A ターンテーブル
38A クランパ
48A ディスク搬送通路
51 アーム
109 イジェクトレバー
110,110A,110B 駆動機構
131 ストックアーム
60A ガイドレール部材
61A、62A I字状ローラ
104 ピン
105、105A スライド部材
105c 山形状の案内溝
105d,105Ad 階段状溝
105Ad−1 第1のY方向溝部
105Ad−2 第1の斜め溝部
105Ad−3 第2のY方向溝部
105Ad−4 第2の斜め溝部
105Ad−5 第3のY方向溝部
105Ad−6 第3の斜め溝部
105Ad−7 第4のY方向溝部
173 ピニオン
174 ローディングモータ
177,177A,177B カムギヤ
177Aa−1 円弧状溝
177Aa−2 中央凹部
177Aa−3 第1の半径状溝部
177Aa−4 第2の半径状溝部
177Aa−5 内周壁
177Aa−5 第1の半径壁部
177Aa−6 第2の半径壁部
177Ba−1 第1の円弧状溝部
177Ba−2 第1の半径状溝部
177Ba−3 第2の円弧状溝部
177Ba−4 第2の半径状溝部
177Ba−5 第3の円弧状溝部
179 ギヤ
183、183A リンクアーム
183B リンクスライダ
183a,183b,183Aa,183Ab,183Ba ピン
250、250A,250B 選択伝達機構

Claims (5)

  1. ディスク状記録媒体の挿入口、ディスク状記録媒体を再生する記録媒体再生ユニット、ディスク状記録媒体を収容する記録媒体収容ユニットの順で並んでおり、記録媒体搬送手段が、ディスク状記録媒体を上記記録媒体収容ユニットと上記記録媒体再生ユニットとの間で搬送し、又は、ディスク状記録媒体を上記記録媒体再生ユニットを越えて上記挿入口と上記記録媒体収容ユニットの間で搬送する構成であり、且つ、ディスク状記録媒体を支持して回転させるターンテーブルを上昇又は下降させてディスク状記録媒体をクランプ又はクランプ解除させるターンテーブル上下動機構を有し、ディスク状記録媒体を再生するときには上記記録媒体搬送手段が動作し続いて上記ターンテーブル上下動機構が動作し、ディスク状記録媒体の再生が終了した後には上記ターンテーブル上下動機構が動作し続いて上記記録媒体搬送手段が動作する構成の記録媒体再生装置において、
    一のモータと、
    上記記録媒体搬送手段を動かす記録媒体搬送手段駆動部材と、
    ターンテーブル上下動機構を動かすターンテーブル上下動機構駆動部材と、
    上記記録媒体搬送手段を動作させるときには上記記録媒体搬送手段駆動部材を動作させ、ディスク状記録媒体が上記記録媒体再生ユニット内に移動されてきたときに、該ディスク状記録媒体を再生する場合の他に、ディスク状記録媒体が再生されずに記録媒体再生ユニットを通過するときにも、上記記録媒体搬送手段駆動部材からターンテーブル上下動機構を動作させるように、上記一のモータの回転を上記記録媒体搬送手段駆動部材と上記ターンテーブル上下動機構駆動部材とに切り換えて選択的に伝達する選択伝達機構とを有し、
    上記一のモータの駆動力によって記録媒体の搬送及びターンテーブルの上下動とを行う構成としたことを特徴とする記録媒体再生装置。
  2. 請求項1のターンテーブル上下動機構は、山形状のカムを有し、上記ターンテーブル上下動機構駆動部材によって上記カムが同一方向に動いて、上記ターンテーブルをディスク状記録媒体の搬送を妨害しない待避位置からディスク状記録媒体を支持する支持位置へと移動させ、続いて元の待避位置へと移動させる構成としたことを特徴とする記録媒体再生装置。
  3. 請求項1の選択伝達機構は、上記ターンテーブル上下動機構駆動部材及び上記記録媒体搬送手段駆動部材と係りあって、上記ターンテーブル上下動機構駆動部材の動きを拘束し、上記記録媒体搬送手段駆動部材の拘束が解除された第1の選択伝達状態とし、又は、上記ターンテーブル上下動機構駆動部材の動きが解除され、上記記録媒体搬送手段駆動部材を拘束した第2の選択伝達状態とするリンク部材よりなる構成としたことを特徴とする記録媒体再生装置。
  4. 請求項3のリンク部材は、ピンを2本有し、動作の前半は一のピンが担当して、上記ターンテーブル上下動機構駆動部材の動きを拘束したり、拘束を解除させたりし、動作の後半は上記一のピンに代わって別のピンが担当して、上記ターンテーブル上下動機構駆動部材の動きを拘束したり、拘束を解除させる構成としたことを特徴とする記録媒体再生装置。
  5. 請求項3のリンク部材は、ピンを1本有し、一のピンが、上記ターンテーブル上下動機構駆動部材及び上記記録媒体搬送手段駆動部材と共通に係りあって、第1の選択伝達状態又は第2の選択伝達状態を作る構成としたことを特徴とする記録媒体再生装置。
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