JP3550767B2 - 遠心分離機 - Google Patents

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勇夫 若松
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石川島播磨重工業株式会社
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、外胴ボウルと内胴スクリュウからなる遠心分離機に係り、特に内胴スクリュウの軸心に配置され、内外胴間にスラリーなどの原液を供給する原液フィードパイプを改良した遠心分離機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
固体と液体の混合液からなるスラリー(以下原液という)の分離には図4に示すようなスクリュウデカンタ型の遠心分離機が使用されている。
【0003】
この遠心分離機は、回転差をもって互いに同方向に回転される外胴ボウル1と内胴スクリュウ2とからなり、その内胴スクリュウ2の軸心に配置したフィードパイプ3より原液4を、内胴スクリュウ2の供給口5より内外胴間に供給して外胴ボウル1の内周に原液4のダム6を形成し、固形分Sは外胴ボウル1の内周面に沈降させ、液分L は堰7より溢流させ、さらに外胴ボウル1の内周に沈降した固形分Sは、内胴スクリュウ2のスクリュウ羽根8により外胴ボウル1の先細りのテーパー部8に移送して脱水させて排出口9より排出するようになっている。
【0004】
なお、10,11は外胴ボウル1と内胴スクリュウ2の軸を支承するベアリングボックス、12はフレーム、13はケーシング、14は外胴ボウル1と内胴スクリュウ2とを回転差をもたせて回転するためのギャーボックス、15は駆動プーリである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、フィードパイプ3より内胴スクリュウ2内に供給される原液4は、そのまま供給口5から内外胴間に全て流れれば支障はないが、原液中の固形分Sが内胴スクリュウ2の流入室内周面に付着堆積してフィードパイプ4と接触して、フィードパイプ4を折損してしまう問題がある。特に、原液に沈降性の異なる固形分(粒径のバラツキが大きい、比重が異なる等)が含まれている場合、例えば、半導体工場で珪藻土を含んだ研磨排水や屎尿汚泥等を原液とする場合には、遠心力の調整のみで堆積を防止することが困難である。
【0006】
従来フィードパイプを2重構造にして、フィードパイプに原液と洗浄水を同時に注入して、固形分の付着堆積を防ぐことがなされているが、固形分の付着堆積防止のために洗浄水を大量に使用する必要がある。また洗浄水を使用しない場合には、2〜3日毎に配管をはずして、フィードパイプを引き抜き、内胴スクリュウの内周部を人力で棒を用いて清掃する等の作業を必要とする問題がある。
【0007】
本発明の目的は、上記課題を解決し、フィードパイプから供給される原液中の固形分が内胴スクリュウに付着堆積してもこれを運転中に簡単に除去できる遠心分離機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、外胴ボウルと内胴スクリュウからなり、その内胴スクリュウの軸心に、内外胴間にスラリーなどの原液を供給するフィードパイプを配置した遠心分離機において、内胴スクリュウの軸心に配置したフィードパイプの先端に掻き取り手段を設けたことを特徴とする遠心分離機である。
【0009】
請求項2の発明は、掻き取り手段がフィードパイプの先端外周に設けたスクリュウ羽根からなる請求項1記載の遠心分離機である。
【0010】
請求項3の発明は、フィードパイプの外周に洗浄水供給管が同心状に設けられると共にその洗浄管の先端から突出したフィードパイプ先端に掻き取り手段が設けられる請求項1記載の遠心分離機である。
【0011】
【作用】
上記構成によれば、フィードパイプの先端外周に掻き取り手段を設けることで内胴スクリュウに固形分が堆積しても、これを掻き取り、原液と共に内外胴間に排出できるので、フィードパイプの折損を防止することができる。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。
【0013】
図1は本発明の遠心分離機の部分断面図を示し、基本的には図4の従来例とで説明した通りであり、1は外胴ボウル、2は内胴スクリュウ、3は原液4を供給するフィードパイプ、5は供給口、9は排出口、10はベアリングボックス、12はフレーム、13はケーシング、15は駆動プーリである。
【0014】
先ず、外胴ボウル1は、原液を固液分離する大円筒部20と沈降分離した固形分を脱水する円錐部21と、脱水した固形分を圧密にして排出口9に移送するための小円筒部22とを連接して形成される。
【0015】
内胴スクリュウ2は、内胴23とその内胴の外周に設けたスクリュウ羽根8からなり、また内胴23は、外胴ボウル1の形状に合わせて大円筒部24と円錐部25と小円筒部26とが連接して形成される。この内胴23の円錐部25側の大円筒部24に供給口5が形成されると共に内胴23の円錐部25に原液4の流入室27が形成される。この内胴23の軸心に、その小円筒部26側から円錐部25内の流入室27に臨み、供給口5を介して内外胴管に原液4を供給するためのフィードパイプ3が配置され、さらにその外周に洗浄水28を供給するための洗浄管29が同心状に設けられる。
【0016】
フィードパイプ3の先端は、洗浄管29より突出するように設けられ、その外周に掻き取り手段30が設けられる。この掻き取り手段30は、図2に示すように二条のスクリュウ羽根31a,31bからなる。
【0017】
図3(a)は図2のA−A線矢視図を示し、図3(b)は図1の部分拡大図を示している。
【0018】
スクリュウ羽根31a,31bは、例えば、内胴スクリュウ2の回転方向を図示の矢印32の方向とするとスクリュウ羽根31a,31bが左ネジになるように形成される。
【0019】
このフィードパイプ3と洗浄管29の供給側は、フレーム12に設けた支持体に支持され、遠心分離を行う原液4は、フィードパイプ3の軸心側から供給するよう、また洗浄水28は洗浄管29の径方向から供給されるようになっている。
【0020】
次に実施例の作用を述べる。
【0021】
フィードパイプ3の先端から原液4を流入室27に供給すると、供給口5から外胴ボウル1と内胴スクリュウ2間に供給され、固液分離がなされ、固形分が内胴スクリュウ2のスクリュウ羽根8により外胴ボウル1の円錐部25に移送され、脱水されて排出口9より排出される。
【0022】
内胴スクリュウ2内の流入室27にフィードパイプ3より原液4が連続して供給されると、原液4中の固形分が内胴スクリュウ2の流入室27の内面に付着堆積して成長するが、フィードパイプ3の先端には掻き取り手段30が設けられており、付着堆積した固形分を掻き取ってほぐし、同時に洗浄管29から供給される洗浄水28により流されて供給口5から内外胴間に排出される。なお、洗浄水28を併用せず、掻き取り手段30の使用だけでも、堆積した固形分を掻き取ることができる。従って、固形分によりフィードパイプ3が磨耗したり折損されることが防止できる。
【0023】
この掻き取り手段30のスクリュウ羽根31a,31bは、内胴スクリュウ2の回転方向と同方向に羽根31a,31bの巻き方向を設定することで、堆積した固形分を供給口5の方向に押し出す力が生じるため、効率の良い掻き取りが行える。
【0024】
またこのスクリュウ羽根31a,31bは、その巻き方向を反対(右ネジ)にしても、堆積した固形分を一旦洗浄管29の先端側に戻し、洗浄水28の噴射力で固形分を押し出し、その力で堆積物を除去することが可能である。
【0025】
また掻き取り手段30はスクリュウ羽根のみならず単に羽根を設けただけで構成しても良く、要は堆積する固形物を掻き取ってその成長を抑制するものであればいかなる形状のものでも良い。
【0026】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、フィードパイプの先端外周に掻き取り手段を設けることで内胴スクリュウに固形分が堆積しても、これを掻き取り、原液と共に内外胴間に排出できるので、フィードパイプの折損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】図1の要部を示す拡大断面図である。
【図3】図2の掻き取り手段の詳細を示す図である。
【図4】従来例を示す図である。
【符号の説明】
1 外胴ボウル
2 内胴スクリュウ
3 フィードパイプ
30 掻き取り手段

Claims (3)

  1. 外胴ボウルと内胴スクリュウからなり、その内胴スクリュウの軸心に、内外胴間にスラリーなどの原液を供給するフィードパイプを配置した遠心分離機において、内胴スクリュウの軸心に配置したフィードパイプの先端に掻き取り手段を設けたことを特徴とする遠心分離機。
  2. 掻き取り手段がフィードパイプの先端外周に設けたスクリュウ羽根からなる請求項1記載の遠心分離機。
  3. フィードパイプの外周に洗浄水供給管が同心状に設けられると共にその洗浄管の先端から突出したフィードパイプの先端に掻き取り手段が設けられる請求項1記載の遠心分離機。
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