JP3550334B2 - 金属ベルト用エレメント及び金属ベルト - Google Patents

金属ベルト用エレメント及び金属ベルト Download PDF

Info

Publication number
JP3550334B2
JP3550334B2 JP2000009289A JP2000009289A JP3550334B2 JP 3550334 B2 JP3550334 B2 JP 3550334B2 JP 2000009289 A JP2000009289 A JP 2000009289A JP 2000009289 A JP2000009289 A JP 2000009289A JP 3550334 B2 JP3550334 B2 JP 3550334B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal belt
band
pulley
metal
pillar
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000009289A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001193797A (ja
Inventor
茂正 高木
豊 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fukujukogyo Co Ltd
Original Assignee
Fukujukogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fukujukogyo Co Ltd filed Critical Fukujukogyo Co Ltd
Priority to JP2000009289A priority Critical patent/JP3550334B2/ja
Publication of JP2001193797A publication Critical patent/JP2001193797A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3550334B2 publication Critical patent/JP3550334B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Transmissions By Endless Flexible Members (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、無端帯状をなす金属製のバンドの延長方向に多数のエレメントを積層配置した金属ベルト及びそのエレメントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、自動車の無段変速機等の動力伝達用に使用される金属ベルトにおいては、無端帯状をなす金属製のバンドに、金属板を成形してなる多数の平板状をなすエレメントを、ベルトの延長方向へ相対滑り可能に積層配置するようにして構成されている。エレメントの板厚については、従来から例えば1984年7月号における「機械設計」(日刊工業新聞社刊)の「自動車用無段変速機(CVT)の機構と特性」の論文中に「・・・コマ(エレメント)に関するものでは、3mm程度の厚さを持つ鋼板を精密プレスで打ち抜いて・・・」なる記述がある。また、その他特許第2532253号の特許公報中にはこのエレメントの厚みが2.2mmである旨の記述がある。
更に、近年ではエレメントを1.5mm程度に設計するのが常識になっているが、いずれもエレメント自体の剛性を向上させることを念頭に置くのみであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、エレメントが厚い場合には、プーリと接触する箇所において隣接するエレメント同士のヘッド部の間隔が開いてしまい、バンドに過度の屈曲応力が加わることとなってしまう。そのためエレメントが厚いほど屈曲応力が大きくなってバンドの寿命が短くなるという傾向があった。更に、屈曲応力が大きくなることによって動力損失も大きくなるという課題が生じていた。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、バンドに加わる屈曲応力が少ないためバンドが長持ちし、動力損失の少ない金属ベルトを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、駆動プーリと被動プーリとの間に掛装される無端帯状をなす金属製のバンドの延長方向に多数積層配置された金属ベルト用エレメントにおいて、
前記エレメントは、板厚0.7〜1.1mmの板材より構成されるとともに前記プーリと接触する部分がそれ以外の部分よりも減厚された薄肉部に形成され、同エレメントは、前記プーリに形成された環状溝の内側面と接触部を介して接触するボディ部と、そのボデ ィ部にピラー部を介して一体成形されたヘッド部とを備え、同ピラー部の両側にはバンドを挿通するためのスリットが設けられ、同エレメントの巾方向の中央部のピッチ線近傍及びピラー部下半部を除く位置であって上下2箇所あるいは上下いずれかの箇所に上下方向に延びる細長い凹凸部が板厚方向に曲げ成形によって形成されており、ボディ部下方には略台形形状の逃がし部が設けられていることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明では請求項1の金属ベルト用エレメントを無端帯状をなす金属製のバンドの延長方向に多数積層配置したことを特徴とするものである。
【0005】
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を自動車の無段変速機において具体化した実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態において、上下とは図2及び図3における上下方向をいい、左右とは図2における左右方向をいうものとする。また、前後とは図2の紙面からみて手前方向と奧方向とをそれぞれいうものとする。
【0007】
(実施の形態)
図1及び図2に示すように、駆動軸11には駆動プーリ12が取り付けられ、その外周には略V字状の環状溝13が形成されている。駆動軸11と対応する被動軸14には被動プーリ15が取り付けられ、その外周には略V字状の環状溝16が形成されている。駆動プーリ12及び被動プーリ15の各環状溝13,16間には無端状をなす金属ベルト17が掛け渡され、駆動プーリ12の回転が金属ベルト17を介して被動プーリ15に伝達される。
図2及び図3に示すように、この金属ベルト17は、無端状の金属製のバンド18と、多数の金属製のエレメント19により構成されている。エレメント19は板厚1.0mmの金属板を打ち抜き加工したものであって、ボディ部21と、同ボディ部21とピラー部22を介して一体成形されたヘッド部23とにより構成されている。横長のボディ部21の両端には前記環状溝13,16の側壁に当接する接触部としての傾斜部24が形成されている。傾斜部24は略V字状の各環状溝13,16の傾斜した内側壁に沿うように斜状に形成されている。
さらに、エレメント19の外周面全体には、サンドブラストあるいはショットピーニングにより図示しないサーフェスプロファイリングが形成され、このサーフェスプロファイリングに潤滑油が保持されるため、各エレメント19間の摩擦抵抗が軽減される。
【0008】
前記ピラー部22の両側であって、ボディ部21とヘッド部23との間には一対のスリット25が形成されている。前記両スリット25にはバンド18がそれらの長さ方向に相対滑り可能に積層して配置される。バンド18は、複数の金属薄板を板厚方向に積層重合して構成され、図示しないがその両面またはいずれか一方の面には、サンドブラストあるいはショットピーニングによるサーフェスプロファイリングが形成され、このサーフェスプロファイリングに潤滑油を保持して、バンド18と各エレメント19との間の摩擦抵抗が軽減されている。
ボディ部21とヘッド部23とにはそれぞれエレメント19の打ち抜き時に同時にプレス加工される凹凸部26a,26bが形成されている。凹凸部26a,26bは上下方向に長く形成され前面側(図2において手前側)が凸状で、裏面側が凹状とされている。
【0009】
ヘッド部23の上端からピラー部22中央にかけて上側の凹凸部26aが形成されている。ボディ部21の下端から仮想線としてのピッチ線P近傍にかけて下側の凹凸部26bが形成されている。隣接する各エレメント19の凹凸部26a,26bが互いに凹凸関係によって嵌まり合うことでエレメント19が整列して連結される。また、凹凸部26a,26bによって金属ベルト17の周回時におけるエレメント19の左右方向の相対移動が制限されることとなる。
【0010】
ボディ部21の下端であって、左右二箇所には大きく略台形状に切れ込んだ逃がし部27が、ボディ部21に巾狭の部分を形成させることにより設けられている。また、ボディ部21の両端部には、この部分以外のボディ部21より減厚された薄肉部21aが形成され、この薄肉部21aによりボディ部21に対して板ばね作用が付与されている。
金属ベルト17が両プーリ12,15間を周回し、環状溝13,16の内側壁にエレメント19の傾斜部24が当接して擦り合う際に内側壁面からの突き上げによってボディ部21には圧縮方向の外力がかかることとなる。このとき、逃がし部27はボディ部21に幅狭の部分を形成させているため、ボディ部21を上下方向に撓ませる緩衝機能を有するものである。同時に薄肉部21aも減厚されているため、その部分の板ばね作用が向上され、ここでも有効な緩衝機能が発揮される。
しかも、凹凸部26a,26bは逃がし部27による撓み方向と交差する方向の撓みを許容するため、これら逃がし部27、薄肉部21a及び凹凸部26a,26bによる協働作用によって周回時にエレメント19にかかる外力に基づく応力が軽減される。
【0011】
ボディ部21において図2上で一点鎖線で表されるピッチ線Pから下方の部分には研削加工によって傾斜面29が設けられていて、ボディ部21はその下方ほど薄肉とされている。このように傾斜面29が設けられているのは次の理由による。すなわち、金属ベルト17がちょうど前記プーリ12,15の環状溝13,16を周回する際には、各エレメント19のヘッド部23側は互いに若干離間して放射状に拡開されることとなる。つまり周回時においては隣接するエレメント19同士は斜め状態となっている。従って、このテーパ状の傾斜面29が形成されていることで、隣接するエレメント19同士は傾斜面29で密着するため、円滑に周回を担保させることができる。
【0012】
このように構成することによって本実施の形態では次のような効果が奏される。
(1)エレメント19の板厚は上記実施の形態1では1.0mmとされ、従来に比べ格段に薄くかつ軽量化されている。従って、プーリ12,15の環状溝13,16を周回しているエレメント19において隣接するエレメント19同士のヘッド部23の間隔が大きく開いてしまうことがなく、バンド18に過度の屈曲応力が加わることがなくなる。そのためバンド18の寿命が従来に比べ長くなるとともに、金属ベルト17に対して付与される無駄な応力を抑制できて、動力損失を少なくできる。
(2)エレメント19の板厚が厚い場合には、傾斜面29の傾斜を急角度にするために多量に研削する必要がある。しかし、本実施の形態1では、エレメント19の厚さを1.0mmとしたため、傾斜面29を出すための切削加工量がそれほど必要とならなくなり、エレメント19の加工時間の短縮となる。
(3) エレメント19の両端部に薄肉部21aを設けたため、ボディ部21の両端部が有効な板ばね機能を有するように撓曲する。このため、エレメント19における緩衝機能を発揮して、無理のない効率的な動力伝達及び長寿命化に寄与できる。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
なお、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・上記実施の形態でのエレメント19の板厚は1.0mmであった。エレメントは剛性を保持するため0.7mm以上は必要であり、実用上最も好ましいのは0.7〜1.1mmの範囲である。
上記実施の形態では例として自動車用の金属ベルトを示したが、自動車以外の車両や無段変速の必要な機械であれば、この発明の応用は自在である。
・凹凸部26a,26bの形状は隣接するエレメント19同士が脱落することなく連結されて、金属ベルト17としての機能を維持できれば、その形状や大きさを問うものでない。
・エレメント19の形状を種々変更すること。
・前記実施の形態1では、上下二箇所に凹凸部26a,26bがあったが、上下いずれか一方でもよい。
【0021】
【発明の効果】
この発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1及び2に記載の発明では、エレメントの板厚は0.7mm〜1.1mmとされ、従来に比べ格段に薄くかつ軽量化されている。従って、プーリの環状溝を周回しているエレメントにおいて隣接するエレメント同士の間隔が大きく開いてしまうことがなく、バンドに過度の屈曲応力が加わることがなくなる。そのためバンドの寿命が従来に比べ長くなるとともに、動力伝達における動力損失を少なくできる
【0022】
以上、説明した本発明の金属ベルトの総合的な効果は、軽量であることに加えて、バンドの寿命を延命させ、しかもエレメントに作用する幅方向及び上下方向の応力に対して、変形によって加圧応力を分散できるので、動力伝達におけるCVT全体の出力を20〜30パーセント削減することができた。
【0023】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の金属ベルトを示す側面図。
【図2】実施の形態の金属ベルトを示す一部断面図。
【図3】実施の形態の金属ベルトのエレメントの側面図。
【符号の説明】
12,15…プーリ、17…金属ベルト、18…バンド、19…エレメント、21…ボディ部、21a…薄肉部、24…接触部としての傾斜部、26a,26b…凹凸部。

Claims (2)

  1. 駆動プーリと被動プーリとの間に掛装される無端帯状をなす金属製のバンドの延長方向に多数積層配置された金属ベルト用エレメントにおいて、
    前記エレメントは、板厚0.7〜1.1mmの板材より構成されるとともに前記プーリと接触する部分がそれ以外の部分よりも減厚された薄肉部に形成され、同エレメントは、前記プーリに形成された環状溝の内側面と接触部を介して接触するボディ部と、そのボディ部にピラー部を介して一体成形されたヘッド部とを備え、同ピラー部の両側にはバンドを挿通するためのスリットが設けられ、同エレメントの巾方向の中央部のピッチ線近傍及びピラー部下半部を除く位置であって上下2箇所あるいは上下いずれかの箇所に上下方向に延びる細長い凹凸部が板厚方向に曲げ成形によって形成されており、ボディ部下方には略台形形状の逃がし部が設けられていることを特徴とする金属ベルト用エレメント。
  2. 請求項1の金属ベルト用エレメントを無端帯状をなす金属製のバンドの延長方向に多数積層配置したことを特徴とする金属ベルト。
JP2000009289A 1999-11-05 2000-01-18 金属ベルト用エレメント及び金属ベルト Expired - Fee Related JP3550334B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000009289A JP3550334B2 (ja) 1999-11-05 2000-01-18 金属ベルト用エレメント及び金属ベルト

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11-315367 1999-11-05
JP31536799 1999-11-05
JP2000009289A JP3550334B2 (ja) 1999-11-05 2000-01-18 金属ベルト用エレメント及び金属ベルト

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001193797A JP2001193797A (ja) 2001-07-17
JP3550334B2 true JP3550334B2 (ja) 2004-08-04

Family

ID=26568276

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000009289A Expired - Fee Related JP3550334B2 (ja) 1999-11-05 2000-01-18 金属ベルト用エレメント及び金属ベルト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3550334B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5018545B2 (ja) * 2008-02-25 2012-09-05 トヨタ自動車株式会社 伝動ベルトおよび伝動ベルトの組み付け方法
JP2010265960A (ja) * 2009-05-13 2010-11-25 Toyota Motor Corp 伝動ベルト
JP2010266048A (ja) * 2009-05-18 2010-11-25 Toyota Motor Corp 伝動ベルト

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001193797A (ja) 2001-07-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6679798B1 (en) Metal belt element, metal belt, and method of assembling the metal belt
JP4229532B2 (ja) 無段変速機用ベルト
US20070072721A1 (en) Metallic belt and push block used therefor
CN100473865C (zh) 金属带用金属环
US6440022B1 (en) Double-meshing type silent chain and sprocket for meshing with the chain along outer circumference thereof
US9772005B2 (en) Continuously variable transmission metal element
JPWO2005038295A1 (ja) 動力伝達チェーン及びそれを用いた動力伝達装置
JP3550334B2 (ja) 金属ベルト用エレメント及び金属ベルト
EP1179690A1 (en) Belt for continuously variable transmission
EP1179689B1 (en) Belt for continuously variable transmission
JP3111186B1 (ja) 金属ベルト用エレメント及び金属ベルト
EP2227642B1 (en) Drive belt
EP0781939B1 (en) A low noise belt for continuously variable transmission
JP3461790B2 (ja) 金属ベルト用エレメント、金属ベルト及び金属ベルトの組付方法
JP4503057B2 (ja) 無段変速機用金属ベルト
JP3323448B2 (ja) 金属ベルト用エレメント及び金属ベルト
EP0510990B1 (en) Driving belt for stepless speed variation
US7282002B2 (en) Belt for continuously variable transmission
JPH0729331Y2 (ja) 高負荷伝動用vベルト
JPS6246939Y2 (ja)
JP2008144825A (ja) 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置
JPH038823Y2 (ja)
JPH05209652A (ja) 高負荷伝動用ベルト
JP2009085411A (ja) 無段変速機用ベルト
CN112888540A (zh) 用于改进的柔性磨削切割工具的链节元件

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040123

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040312

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040406

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040423

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100430

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130430

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees