JP3549914B2 - 液晶表示素子パネル製造のための液晶注入方法 - Google Patents
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は液晶表示素子パネル製造のための液晶注入方法に関し、特に液晶表示素子（以下ＬＣＤと言う）パネル製造の際にイオン物質による液晶の汚染度を低下させることができる液晶注入方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
ＬＣＤパネル製造のための従来の液晶注入方法によれば、図５に示したように注入チャンバー（５）とセル（４）内部を真空排気させた後、ガスを漏洩（Ｌｅａｋ）させると空気の圧力差により液晶トレイ（１）に盛られている液晶（３）が密着コイル（２）を通じてセル（４）内部に注入される方法が利用されてきた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の液晶注入方法によると液晶トレイ（１）に盛られている液晶（３）をセル（４）内部に注入するとき、連続的な反復注入作業を行なうと液晶（３）は、イオン性物質により容易に汚染されてしまうから液晶が有している比抵抗（Ｒｅｓｉｓｔｉｖｉｔｙ）値が低下してＬＣＤ性能の低下を招くばかりでなく、汚染された液晶を汚染していない新たな液晶で頻繁に交替してやらなければならないので液晶注入工程が非常に煩わしいという問題があった。
【０００４】
本発明の目的は、ＬＣＤパネル製造の際、セルで注入される液晶の汚染度を低下させる液晶注入方法を提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明による液晶表示素子パネル製造のための液晶注入方法は上部に密着コイルが形成された液晶トレイ内部に盛られる液晶に前記液晶の汚染度を増加させるイオン性物質を捕獲するためのイオン物質捕獲材料を添加して精製する工程と；
イオン物質捕獲材料により精製された前記液晶を液晶表示素子パネルの液晶セル内に注入する工程と；
望ましくは、液晶注入口の孔径より大きい粒径を有するイオン物質捕獲材料を液晶に添加してイオン物質捕獲材料が液晶の汚染度を増加させるイオン性物質を捕獲すると共に密着コイルの代わりに液晶伝達の役割を行なうこともできる。
【０００６】
【作用】
図１に示したように液晶トレイの底面部に盛られた液晶に吸い込まれているイオン物質捕獲材料により精製された液晶が液晶トレイの段部に載置されている網及び密着コイルを通じてセル内部に液晶が注入される。このとき、網の網目はイオン物質捕獲材料の粒径より稠密に形成してイオン物質捕獲材料が液晶セル内に移動するのを防止するようになり、前記のイオン物質捕獲材料は液晶がイオン性物質により汚染されるのを最大限抑制することにより液晶が有する比抵抗値の低下を防止するようになる。図４に示したように本発明の他の実施例による液晶注入方法では、イオン物質捕獲材料の粒径を液晶注入口の孔径より大きくすることにより、イオン物質捕獲材料自体が密着コイルの液晶伝達役割を兼備しているので、既存の密着コイルを用いる必要がないのである。
【０００７】
この場合に網は多孔状に形成して液晶トレイの上端部に密着固定されると共に、先に説明したように網の網目はイオン物質捕獲材料がパネルに移動されるのを防止するとともに液晶注入口と液晶を相互接触させる役割をする。
【０００８】
【実施例】
図１は本発明の一実施例による液晶注入方法を説明するためのＬＣＤパネルの断面図を示すもので、液晶トレイ（６）内部に盛られる液晶（３）にイオン物質捕獲材料（７）を添加して液晶注入を行なうのを図示したものである。
【０００９】
前記のイオン物質捕獲材料（Ｃａｐｔｕｒｅ Ｍａｔｅｒｉａｌ）（７）としては、アルミナ（Ａｌｕｍｉｎａ）、ゼオライト（Ｚｅｏｌｉｔｅ）、炭素（Ｃ）、アルミニウム（Ａｌ）、ニッケル（Ｎｉ）、イオン交換樹脂（Ｉｏｎ−ｅｘｃｈａｎｇｅ ｒｅｓｉｎ）、鉄（Ｆｅ）−コバルト（Ｃｏ）による化合物の組成からなるのものが好ましい。又、イオン物質捕獲材料（７）の粒径は０．５μｍ〜５００μｍ範囲にするのが好ましい。
【００１０】
本発明において、用いられる液晶トレイ（６）には図１乃至図３に示したように、その内部に液晶（３）、密着コイル（２）及びイオン物質捕獲材料（７）が含まれており、前記捕獲材料（７）粒子がセル内部に移動するのを防ぐ網（８）を載置することができるように段部（ｔｈｒｅｓｈｏｌｄ）（９）が形成されている。
【００１１】
図４は、本発明の他の実施例による液晶注入方法を説明するためのパネルの断面図を示したもので、液晶トレイ（６ａ）に密着コイル（２）を用いないで、イオン物質捕獲材料（７）の粒径を液晶注入口の孔径より大きくしてイオン物質捕獲材料（７）自体が密着コイル（２）の液晶伝達役割を行なって網（８）を多孔状にして、イオン物質捕獲材料（７）粒子がパネルの液晶セル（４）内に移動するのを防ぐと共に液晶注入口の液晶（３）を相互接触させる構造で形成されている。
【００１２】
以上のような構造を有する液晶パネルに対する液晶注入方法は次の通りである。
【００１３】
図１に示したように液晶トレイ（６）の底面部に盛られた液晶（３）に吸い込まれているイオン物質捕獲材料（７）により精製された液晶（３）が液晶トレイ（６）の段部（９）に載置されている網（８）及び密着コイル（２）を通じてセル（４）内部に液晶（３）が注入される。
【００１４】
このとき、網（８）の網目（Ｍｅｓｈ）は、イオン物質捕獲材料（７）の粒径より稠密に形成してイオン物質捕獲材料（７）が液晶セル（４）内に移動するのを防止するようにする。
【００１５】
前記のイオン物質捕獲材料（７）は、先に説明したようにアルミナ、ゼオライト、炭素、アルミニウム、ニッケル、イオン交換樹脂、鉄−コバルトによる化合物の組成でなり、液晶（３）がイオン性物質により汚染されるのを最大限抑制することにより液晶（３）が有する比抵抗値の低下を防止するようになる。
【００１６】
図４に示した本発明の他の実施例による液晶注入方法では、イオン物質捕獲材料（７）の粒径を液晶注入口の孔径より大きくすることにより、イオン物質捕獲材料（７）自体が前記密着コイル（２）の液晶伝達役割を兼備しているので、既存の密着コイル（２）を用いる必要がないのである。なお、液晶注入口は長辺と短辺とからなる矩形（長方形）となっており、かつ長辺の長さは数ｃｍであるのに対し、短辺の長さは普通数μｍであるため、図４に示すように長辺方向の孔径がイオン物質捕獲材料（７）の粒径より大きくても、短辺の長さが数μｍとイオン物質捕獲材料（７）の粒径より極めて短い長さであることから、イオン物質捕獲材料（７）が液晶注入口を通過することはない。
【００１７】
この場合に網（８）は多孔状に形成して、液晶トレイ（６ａ）の上端部に密着固定されると共に、先に説明したように網（８）の網目はイオン物質捕獲材料（７）の粒子がパネルに移動されるのを防止するとともに液晶注入口と液晶を相互接触させる役割をする。
【００１８】
図４に示したイオン物質捕獲材料（７）の粒径は図１に示したイオン物質捕獲材料（７）の粒径より大きいがその化合物の組成は同一である。
【００１９】
【発明の効果】
以上のように本発明の液晶注入方法によればＬＣＤパネル製造の際に、液晶トレイに盛られる液晶がイオン性物質により汚染されるのが最大限抑制されて液晶の比抵抗値が低下されるのが防止され、且つ液晶注入の回数を増加させることができて、作業性の向上を図ることができる効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例による液晶注入方法を説明するためのＬＣＤパネル断面図である。
【図２】図１の液晶トレイ（Ｔｒａｙ）の平面図である。
【図３】図２のＡ−Ａに沿う断面図である。
【図４】本発明の他の実施例による液晶注入方法を説明するためのＬＣＤパネルの断面図である。
【図５】従来の液晶注入方法を説明するためのＬＣＤパネルの断面図である。
【符号の説明】
１ 液晶トレイ
２ 密着コイル
３ 液晶
４ セル
５ 注入チャンバー
６ 液晶トレイ
７ イオン物質捕獲材料
８ 網
【産業上の利用分野】
本発明は液晶表示素子パネル製造のための液晶注入方法に関し、特に液晶表示素子（以下ＬＣＤと言う）パネル製造の際にイオン物質による液晶の汚染度を低下させることができる液晶注入方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
ＬＣＤパネル製造のための従来の液晶注入方法によれば、図５に示したように注入チャンバー（５）とセル（４）内部を真空排気させた後、ガスを漏洩（Ｌｅａｋ）させると空気の圧力差により液晶トレイ（１）に盛られている液晶（３）が密着コイル（２）を通じてセル（４）内部に注入される方法が利用されてきた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の液晶注入方法によると液晶トレイ（１）に盛られている液晶（３）をセル（４）内部に注入するとき、連続的な反復注入作業を行なうと液晶（３）は、イオン性物質により容易に汚染されてしまうから液晶が有している比抵抗（Ｒｅｓｉｓｔｉｖｉｔｙ）値が低下してＬＣＤ性能の低下を招くばかりでなく、汚染された液晶を汚染していない新たな液晶で頻繁に交替してやらなければならないので液晶注入工程が非常に煩わしいという問題があった。
【０００４】
本発明の目的は、ＬＣＤパネル製造の際、セルで注入される液晶の汚染度を低下させる液晶注入方法を提供することにある。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明による液晶表示素子パネル製造のための液晶注入方法は上部に密着コイルが形成された液晶トレイ内部に盛られる液晶に前記液晶の汚染度を増加させるイオン性物質を捕獲するためのイオン物質捕獲材料を添加して精製する工程と；
イオン物質捕獲材料により精製された前記液晶を液晶表示素子パネルの液晶セル内に注入する工程と；
望ましくは、液晶注入口の孔径より大きい粒径を有するイオン物質捕獲材料を液晶に添加してイオン物質捕獲材料が液晶の汚染度を増加させるイオン性物質を捕獲すると共に密着コイルの代わりに液晶伝達の役割を行なうこともできる。
【０００６】
【作用】
図１に示したように液晶トレイの底面部に盛られた液晶に吸い込まれているイオン物質捕獲材料により精製された液晶が液晶トレイの段部に載置されている網及び密着コイルを通じてセル内部に液晶が注入される。このとき、網の網目はイオン物質捕獲材料の粒径より稠密に形成してイオン物質捕獲材料が液晶セル内に移動するのを防止するようになり、前記のイオン物質捕獲材料は液晶がイオン性物質により汚染されるのを最大限抑制することにより液晶が有する比抵抗値の低下を防止するようになる。図４に示したように本発明の他の実施例による液晶注入方法では、イオン物質捕獲材料の粒径を液晶注入口の孔径より大きくすることにより、イオン物質捕獲材料自体が密着コイルの液晶伝達役割を兼備しているので、既存の密着コイルを用いる必要がないのである。
【０００７】
この場合に網は多孔状に形成して液晶トレイの上端部に密着固定されると共に、先に説明したように網の網目はイオン物質捕獲材料がパネルに移動されるのを防止するとともに液晶注入口と液晶を相互接触させる役割をする。
【０００８】
【実施例】
図１は本発明の一実施例による液晶注入方法を説明するためのＬＣＤパネルの断面図を示すもので、液晶トレイ（６）内部に盛られる液晶（３）にイオン物質捕獲材料（７）を添加して液晶注入を行なうのを図示したものである。
【０００９】
前記のイオン物質捕獲材料（Ｃａｐｔｕｒｅ Ｍａｔｅｒｉａｌ）（７）としては、アルミナ（Ａｌｕｍｉｎａ）、ゼオライト（Ｚｅｏｌｉｔｅ）、炭素（Ｃ）、アルミニウム（Ａｌ）、ニッケル（Ｎｉ）、イオン交換樹脂（Ｉｏｎ−ｅｘｃｈａｎｇｅ ｒｅｓｉｎ）、鉄（Ｆｅ）−コバルト（Ｃｏ）による化合物の組成からなるのものが好ましい。又、イオン物質捕獲材料（７）の粒径は０．５μｍ〜５００μｍ範囲にするのが好ましい。
【００１０】
本発明において、用いられる液晶トレイ（６）には図１乃至図３に示したように、その内部に液晶（３）、密着コイル（２）及びイオン物質捕獲材料（７）が含まれており、前記捕獲材料（７）粒子がセル内部に移動するのを防ぐ網（８）を載置することができるように段部（ｔｈｒｅｓｈｏｌｄ）（９）が形成されている。
【００１１】
図４は、本発明の他の実施例による液晶注入方法を説明するためのパネルの断面図を示したもので、液晶トレイ（６ａ）に密着コイル（２）を用いないで、イオン物質捕獲材料（７）の粒径を液晶注入口の孔径より大きくしてイオン物質捕獲材料（７）自体が密着コイル（２）の液晶伝達役割を行なって網（８）を多孔状にして、イオン物質捕獲材料（７）粒子がパネルの液晶セル（４）内に移動するのを防ぐと共に液晶注入口の液晶（３）を相互接触させる構造で形成されている。
【００１２】
以上のような構造を有する液晶パネルに対する液晶注入方法は次の通りである。
【００１３】
図１に示したように液晶トレイ（６）の底面部に盛られた液晶（３）に吸い込まれているイオン物質捕獲材料（７）により精製された液晶（３）が液晶トレイ（６）の段部（９）に載置されている網（８）及び密着コイル（２）を通じてセル（４）内部に液晶（３）が注入される。
【００１４】
このとき、網（８）の網目（Ｍｅｓｈ）は、イオン物質捕獲材料（７）の粒径より稠密に形成してイオン物質捕獲材料（７）が液晶セル（４）内に移動するのを防止するようにする。
【００１５】
前記のイオン物質捕獲材料（７）は、先に説明したようにアルミナ、ゼオライト、炭素、アルミニウム、ニッケル、イオン交換樹脂、鉄−コバルトによる化合物の組成でなり、液晶（３）がイオン性物質により汚染されるのを最大限抑制することにより液晶（３）が有する比抵抗値の低下を防止するようになる。
【００１６】
図４に示した本発明の他の実施例による液晶注入方法では、イオン物質捕獲材料（７）の粒径を液晶注入口の孔径より大きくすることにより、イオン物質捕獲材料（７）自体が前記密着コイル（２）の液晶伝達役割を兼備しているので、既存の密着コイル（２）を用いる必要がないのである。なお、液晶注入口は長辺と短辺とからなる矩形（長方形）となっており、かつ長辺の長さは数ｃｍであるのに対し、短辺の長さは普通数μｍであるため、図４に示すように長辺方向の孔径がイオン物質捕獲材料（７）の粒径より大きくても、短辺の長さが数μｍとイオン物質捕獲材料（７）の粒径より極めて短い長さであることから、イオン物質捕獲材料（７）が液晶注入口を通過することはない。
【００１７】
この場合に網（８）は多孔状に形成して、液晶トレイ（６ａ）の上端部に密着固定されると共に、先に説明したように網（８）の網目はイオン物質捕獲材料（７）の粒子がパネルに移動されるのを防止するとともに液晶注入口と液晶を相互接触させる役割をする。
【００１８】
図４に示したイオン物質捕獲材料（７）の粒径は図１に示したイオン物質捕獲材料（７）の粒径より大きいがその化合物の組成は同一である。
【００１９】
【発明の効果】
以上のように本発明の液晶注入方法によればＬＣＤパネル製造の際に、液晶トレイに盛られる液晶がイオン性物質により汚染されるのが最大限抑制されて液晶の比抵抗値が低下されるのが防止され、且つ液晶注入の回数を増加させることができて、作業性の向上を図ることができる効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例による液晶注入方法を説明するためのＬＣＤパネル断面図である。
【図２】図１の液晶トレイ（Ｔｒａｙ）の平面図である。
【図３】図２のＡ−Ａに沿う断面図である。
【図４】本発明の他の実施例による液晶注入方法を説明するためのＬＣＤパネルの断面図である。
【図５】従来の液晶注入方法を説明するためのＬＣＤパネルの断面図である。
【符号の説明】
１ 液晶トレイ
２ 密着コイル
３ 液晶
４ セル
５ 注入チャンバー
６ 液晶トレイ
７ イオン物質捕獲材料
８ 網
Claims (2)
- 上部に網および密着コイルが順次設けられた液晶トレイの内部に盛られる液晶に前記液晶の汚染度を増加させるイオン性物質を捕獲するためのイオン物質捕獲材料を添加して、該液晶を精製する工程と；イオン物質捕獲材料により精製された液晶を、前記イオン物質捕獲材料が前記網および密着コイルにより液晶セル内に移動するのを防止して、前記網に続き前記密着コイルを通じて液晶表示素子パネルの液晶セル内に注入する工程と；を含み、前記網の網目はイオン物質捕獲材料の大きさより小さくて、イオン物質捕獲材料が液晶セル内に入ることを防止することを特徴とする液晶表示素子パネル製造のための液晶注入方法。
- 前記イオン物質捕獲材料はアルミナ（Ａｌｕｍｉｎａ）、ゼオライト（Ｚｅｏｌｉｔｅ）、炭素（Ｃ）、アルミニウム（Ａｌ）、ニッケル（Ｎｉ）、イオン交換樹脂、鉄（Ｆｅ）−コバルト（Ｃｏ）による化合物の組成からなることを特徴とする請求項１記載の液晶表示素子パネル製造のための液晶注入方法。
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| KR92-25517 | 1992-12-24 |
Publications (2)
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Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP34823193A Expired - Lifetime JP3549914B2 (ja) | 1992-12-24 | 1993-12-24 | 液晶表示素子パネル製造のための液晶注入方法 |
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| JPH117002A (ja) * | 1997-06-05 | 1999-01-12 | Tektronix Inc | プラズマ・アドレス液晶パネル及びその製造方法 |
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