JP3549305B2 - 映像表示装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光書き込み型の液晶ライトバルブを用いた映像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光書き込み型の液晶ライトバルブを用いた映像表示装置が注目されつつある。ここで、光書き込み型の液晶ライトバルブとは、書き込み光によって強度変調させられた読み出し光がライトバルブ内の反射層で反射され、投写される映像投写システムの中核を担うシステムであり、従来の透過型の液晶プロジェクタと比較して非常に明るくできるという利点がある。
【0003】
ここで、従来の光書き込み型液晶ライトバルブの構造及び動作について簡単に述べる。
【0004】
図6に液晶ライトバルブ1の構造図を示す。60は書き込み光側のガラス基板、61は書き込み光側のITO電極、62はアモルファスシリコンにより構成されたpin構造のフォトダイオード(以下a−Siダイオードと呼ぶ)であり、書き込み光側からp型63、絶縁層(I層)64、n型65の半導体層となっている。また、66はAlの読み出し光の反射膜であり、67はカーボンで形成されたマトリックス構造の絶縁層であり、Alの横方向の導通を遮断している。68は階調表現を司る液晶層であり、強誘電液性の液晶材料を用いている。また、69は読み出し光側のITO電極、70は読み出し光側のガラス基板である。71は書き込み光、一方72は読み出し光であり、2はライトバルブを駆動するため、二つのITO電極間に印可するリセットパルスを発生させるリセットパルス発生回路である。
【0005】
次に、図7に示す液晶ライトバルブを用いた映像表示装置の動作について説明する。まず液晶層68は、電圧が印可されていない時、反射層66で反射された読み出し光72は、その偏光状態を完全に保持して出力され、印加電圧が増加して行くにつれ、偏光状態は徐々に変化し、ある一定以上の電圧が印可されると読み出し光72は完全に遷移した変更状態で出力されるように配向されている。
【0006】
ここで、図7のような構成をとるライトバルブ1の動作は書き込み光71の強度に応じた電荷を蓄える書き込み期間と、上記電荷を引き抜くリセット期間とに分けて考えることができる。
【0007】
書き込み期間では、読み出し光側が接地されていると仮定すると、書き込み光側ITO電極61にはマイナスの電圧が印可されている。つまり、a−Siフォトダイオード62は逆バイアスされている。まず、書き込み光がない場合、ITO電極間に印可されている電圧は、ほとんどがa−Siフォトダイオード62にかかり、液晶層68には電圧はかかっていない状態となる。つまり、入射される読み出し光72はその偏光状態を変化させずにそのまま反射され、出力される。書き込み光71の強度が増加していくと、a−Siフォトダイオードのp型層63と絶縁層64との境界面で書き込み光71により励起された電子が多数生成され、それらの電子はプラスの電位に引き寄せられ、つまり液晶層68の方向に移動して行く。その結果、液晶層68の両端に互いに反対の電荷がたまり、書き込み光71の強度が増加して行くにつれて徐々に液晶層68にかかる電圧は増加して行き、反射された読み出し光72の偏光状態は変化されて出力されるようになる。
【0008】
一方、リセット期間では、読み出し光側からみて書き込み光側ITO電極61にプラスの電圧を印可する。つまり、a−Siフォトダイオード62は、順方向にバイアスされており、書き込み期間に蓄えられた電荷を一気に引き抜くように動作する。このリセット期間内に完全に電荷を抜き取ろうとして書き込み光側ITO電極61にプラスの電圧を印可すると、液晶層68には書き込み期間とは逆の電圧が印可されることになる。よって、リセット期間内の読み出し光72は、入射したときの偏光状態を保持したまま出力される。
【0009】
ここで、カーボンで形成された、マトリクス状の絶縁層67は、書き込み期間内に蓄えられた電荷がAlに反射膜66を通して横方向に逃げないようにしており、その絶縁層67により区切られた一つ一つが画素を形成している。
【0010】
図7に上記ライトバルブ1を用いた従来の映像表示装置の構成図を示す。1は液晶ライトバルブ、2はライトバルブを駆動するリセットパルス発生回路、3は書き込み映像光発生装置であり、現在一般的にはCRTが用いられ、その構成はCRT10とそれを発光するためのCRT駆動回路11からなる。4はCRTからの映像をライトバルブ上に結像させる役割を持つ書き込みレンズ、5はビームスプリッタであり、光の偏光状態の差により、S波を反射させ、P波を透過させる。また、6は読み出し光源であり、現在一般的にはキセノンランプやメタルハライドランプが用いられる。7はスクリーン8上に映像信号を結像させる役割を持つ投写レンズである。
【0011】
次に、上記映像表示装置の動作について述べる。CRT3で発生した映像信号の光信号80は、その空間的な強度分布に対応した電荷をライトバルブ1内に蓄えさせ、反射される読み出し光83の偏光状態を決定する。光源6からは任意の偏光状態の光81が照射されるが、ビームスプリッタ5は先に述べたとおり、S波82を反射させ、P波85を透過させる。つまり、ライトバルブ1へ読み出し光82として入射される光はビームスプリッタ5を反射したS波だけとなる。ここで、上記のライトバルブ1の動作と重ね合わせて考えると、書き込み光80の光強度が強い場合、液晶層68に読み出し光側を基準にしてマイナスの電圧が強くかかった状態となり、反射される読み出し光83は入射された時のS波の状態からP波に変化するため、ビームスプリッタ5を透過し投写レンズ7を通してスクリーン8上に映し出された映像84は明るいものとなる。逆に、書き込み光80が弱く、ほとんどP波のまま反射されるため、スクリーン上の映像84は暗いものとなる。
【0012】
ここで、一般に、映像表示装置には、その使用者の好みや表示する映像ソースにより、出力される映像の明暗の差(以下コントラストと呼ぶ)を調整できるようにコントラスト調整機能が備えられている。前記従来の映像表示装置では、前述したとおり、書き込み光80の光出力を制御することでスクリーン上の映像84のコントラストを調整することができる。特に、映像光発生装置3がCRTの場合、CRT駆動回路11において、カソード、もしくはG1に印加する電圧を制御して、書き込み光80の光出力のコントラストを制御し、スクリーン上の映像84のコントラストを制御している。
【0013】
ところで、映像光発生装置がCRTの場合、CRTの経時変化及びCRT駆動回路の温度特性などにより光出力の時間的変動が生じる。一般に、上記光出力の時間的変動を吸収するため、CRTに流れている電流を検出しCRT駆動回路にフィードバックし光出力を一定に保つような、自動光出力制御回路が用いられている。そこで、図8を用いて、従来の自動光出力制御回路について動作の説明を行う。
【0014】
図8において、41はトランジスタで、CRT駆動回路11の電圧をCRT10に伝達する。またそのとき、CRTに流れる電流を抵抗42に伝える。43はサンプルホールド回路で、CRT10に流れた電流により、抵抗42に発生した電圧をある一定期間サンプルし、次の期間に到達するまでその電圧を保持する。44はCRT駆動制御回路で、サンプルホールド回路43で保持された電圧が一定に保たれるように、CRT駆動回路11から出力されるカソードもしくはG1に印可する電圧を制御する。
【0015】
次に自動光出力制御回路の具体的な動作について説明する。図2の24に示す電流検出パルスの期間、一定振幅の電圧をCRT駆動回路11からCRT10に印可する。その時にCRT10に流れる電流は、トランジスタ41を介し抵抗42に流れ込み、抵抗42に電圧降下が生じる。サンプルホールド回路43によって電流検出パルス24の期間、上記電圧をサンプルし次のサンプル期間までそれを保持し、CRT駆動制御回路44に伝える。CRT駆動制御回路44は、上記電圧を一定に保つようにCRT駆動回路11を制御するので、CRT10の光出力は常に一定に保たれる。よって、電流検出期間は、一定振幅により生じる電流だけCRT10は発光していることになる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のライトバルブを用いた映像表示装置の構成では、コントラストを調整するために、CRT駆動回路11で、CRT10に印加する電圧を制御する必要があった。そのため、CRTの解像度を決定する一つの大きな要因である、CRT駆動回路の周波数特性を劣化させていた。この場合、CRTの解像度の劣化により、スクリーン上に見える映像は少しぼけたコントラスト感のない映像になってしまうという問題を有していた。
【0017】
また、上記従来の構成をRGB3原色用にそれぞれ一つずつ用意した構成を考えたとき、RGB3原色の発光バランスを調節しホワイトバランスをあわせる必要があり、RGB3原色の発光バランスを作るために、各色のCRT駆動回路11により各色のCRTに印加する電圧を制御する必要があった。そのため、さらに、CRTの解像度を劣化させる要因になっていた。
【0018】
また、上記従来の自動光出力制御回路では、CRTに流れる電流を検出するための期間は検出信号を常に発光させる必要があり、スクリーン上の映像に常にある期間検出信号が発光するという映像表示装置として品位を損なうという問題を有していた。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために本発明の映像表示装置は、液晶層と読み出し光の反射層とダイオード構造を有する光半導体層とを第1の電極と第2の電極とでサンドイッチ状に挟んだ構造を有する光書き込み型液晶ライトバルブを用いた映像表示装置において、上記ライトバルブへの書き込み光を発生させる書き込み映像表示装置と、書き込み光が入射したときに、その光強度に応じた電圧を上記液晶層にかけるため、上記光半導体層に逆バイアス電圧を、また、そのときライトバルブに蓄えられた電荷を抜き取るため、リセットパルスを上記ライトバルブの第1の電極と第2の電極間に印可するリセットパルス発生回路と、コントラストを調整するため、前述の逆バイアス電圧及びリセットパルスの波高値を制御するリセットパルス制御回路を備えたものであり、これによりコントラスト感のある映像を表示し、かつ映像の品位を損なうことなく径時変化や温度特性を吸収できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の映像表示装置は、光書き込み型液晶ライトバルブと、前記光書き込み型液晶ライトバルブの書き込み光を発生させる書き込み映像光発生装置と、書き込み光が入射したときに入射光に応じて蓄積された電子を抜き取るためリセットパルスを前記光書き込み型液晶ライトバルブへ印加するリセットパルス発生装置と、前記光書き込み型液晶ライトバルブへ印加するリセットパルスの波高値及びバイアス電圧を可変させるリセットパルス制御回路を備えたことを特徴とする映像表示装置であり、コントラストの調整及びホワイトバランスの調整を前記ライトバルブで行えるため、CRT駆動回路においてコントラスト制御を行うゲイン制御回路が不要となり、CRT駆動回路の周波数特性をあげることができ、コントラスト感のある映像を表示する事ができる。
【0021】
本発明の映像表示装置は、光書き込み型液晶ライトバルブと、前記光書き込み型液晶ライトバルブの書き込み光を発生させる書き込み映像光発生装置と、書き込み光が入射したときに入射光に応じて蓄積された電子を抜き取るためリセットパルスを前記光書き込み型液晶ライトバルブへ印加するリセットパルス発生装置と、前記光書き込み型液晶ライトバルブへ印加するリセットパルスの波高値及びバイアス電圧を可変させる複数のリセットパルス制御回路と、前記複数のリセットパルス制御回路を一括制御する発光バランス制御回路を備えたことを特徴とする映像表示装置であり、コントラストの調整及びホワイトバランスの調整を前記ライトバルブで行えるため、CRT駆動回路においてコントラスト制御を行うゲイン制御回路が不要となり、CRT駆動回路の周波数特性をあげることができ、コントラスト感のある映像を表示する事ができるものである。
【0022】
本発明の請求項1に記載の発明は、光書き込み型液晶ライトバルブと、前記光書き込み型液晶ライトバルブの書き込み光を発生させる書き込み映像光発生装置と、書き込み光が入射したときに入射光に応じて蓄積された電子を抜き取るためリセットパルスを前記光書き込み型液晶ライトバルブへ印加するリセットパルス発生装置と、前記光書き込み型液晶ライトバルブへ印加するリセットパルスのリセット期間を制御するリセットパルス制御回路と、前記書き込み映像光発生装置の電流を検出する電流検出回路と、前記電流検出回路によって検出された検出信号に基づいて前記書き込み映像光発生装置の光出力を制御する光出力制御回路とを備え、前記電流検出回路の電流検出期間における電流検出パルスが前記リセットパルス制御回路に入力され、前記リセットパルス制御回路の制御信号に応じて前記リセットパルス発生装置から前記電流検出期間にリセットパルスが出力されるようにして、映像光発生装置としてのCRTの電流を検出する前記検出信号によって発生する不要な発光による映像への影響をなくしたことを特徴とする映像表示装置であり、不要な発光による映像品位を損なうことなく映像を表示することができるものである。
【0023】
本発明の一実施の形態を図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1において、1は液晶ライトバルブ、2はリセットパルス発生回路、3は書き込み映像光発生装置であり、今回の発明ではCRT10、CRT駆動回路11で構成されている。4はCRT10からの書き込み光をライトバルブ上に結像させる役割をもつ書き込みレンズ、5はビームスプリッタであり、光の偏光状態の差により、S波を反射させ、P波を透過させる。また、6は読みだし光であり、本発明においてはキセノンランプが用いられている。7はスクリーン8上にライトバルブ1により反射された読みだし光を結像させるための投写レンズである。なお、本発明で用いた映像表示装置の動作及びデバイスの構造は、従来の技術の項で説明したとおりであるのでここでは省略する。また、9はリセットパルス制御回路であり、セットパルスのゲインの制御を行うゲイン制御回路12と、リセットパルスのバイアス電圧を制御するバイアス制御回路13より構成されている。
【0024】
図2(a)は、典型的なリセットパルスの電圧波形を示す。なお、図の電圧は読みだし光側を基準にしている。波形(a)の書き込み期間の電圧は−3V、リセット期間の電圧は+15Vである。また、書き込み期間とリセット期間の時間比率は60:1である。
【0025】
ここで、本発明の動作の説明を簡単にするために、図3のライトバルブ1の等価回路を用いる。書き込み期間において、図からわかるとおり、書き込み光が増加していくにつれて、フォトダイオード32の逆電流が増加し、Cl34にかかる電圧は0Vからしだいに上がっていく。書き込み光がある一定値に達すると、フォトダイオードはショート状態になり、Cl34にかかる電圧は3Vで飽和する。つまり、Cl34に最大でかけられる電圧は、書き込み期間にライトバルブ1に印可する電圧によって決まる。そこで、書き込み期間にライトバルブ1に印可する電圧を−3Vからさらに下げ、例えば−5Vにすると、Cl34にかかる電圧を5Vまで上げることができる。よって、従来の技術の項で説明したとおり、反射される読み出し光のP波の成分が増加することになり、スクリーン8上の映像はさらに明るくなる。一方、上記のように書き込み期間にライトバルブ1に印可する電圧を下げたとき、−2VだけCl34に電圧がかかっている、つまりその分だけライトバルブ1に電荷が蓄えられる。よって、リセット期間において、ライトバルブに印可する電圧が15vのままだと、ライトバルブに蓄えられた電荷を十分引き抜くことができず、スクリーン8上の映像は黒レベルが浮いた状態になってしまう。そこで、書き込み期間に蓄えられた、電荷を十分引き抜くためには、リセット期間ライトバルブに印可する電圧を上げる必要があり、書き込み期間印可する電圧を−5Vにした場合は、17Vの電圧を印可するのが適当である。上記説明でわかるとおり、ライトバルブ1に印可する電圧によってスクリーン8上の映像の明るさを制御することができる。
【0026】
次に、本発明のリセットパルス発生回路2及びリセットパルス制御回路9について具体的に説明する。本発明の実施の形態では、映像光発生装置3はCRTを用いており、CRT10及びCRT駆動回路11で構成されている。また、リセットパルス制御回路9は、バイアス制御回路13およびゲイン制御回路12で構成される。本実施の形態では、リセットパルス発生回路2は、外部よりCRT駆動回路11に入力される映像信号の垂直同期信号に同期したある一定振幅のパルスを、ある一定のバイアス電圧によってクランプしてリセットパルスとして、ライトバルブ1に印可する。つまり、書き込み期間にライトバルブ1に印可される電圧は、リセットパルス発生回路2のバイアス電圧で決まり、リセット期間にライトバルブ1に印可される電圧は、垂直同期信号に同期したパルスの振幅によって決まる。一方、バイアス制御回路13は、上記で説明したリセットパルス発生回路のバイアス電圧を制御する。また、ゲイン制御回路12は、上記したリセットパルス発生回路2のパルスの振幅を制御する。また、バイアス制御回路13とゲイン制御回路12の制御は互いに連動していて、バイアス電圧が−aV変化するとき、パルスの振幅が+2aV変化するようになっている。つまり、書き込み期間にライトバルブ1に印可する電圧を−aV下げると、リセット期間にライトバルブ1に印可される電圧は+aV上がる。よって、リセットパルス制御回路9によって、リセットパルス発生回路2のバイアス電圧及びパルスの振幅を同時に制御することができ、上記に説明したとおりスクリーン8上の映像信号の明るさつまりコントラストを制御することができる。
【0027】
(実施の形態2)
図4において、15−RはRGB3原色のうちの赤色の発光を担うライトバルブシステムであり、1は液晶ライトバルブ、2はリセットパルス発生回路、3は書き込み映像光発生装置であり、今回の発明ではCRT10、CRT駆動回路11で構成されている。4はCRT10からの書き込み光をライトバルブ上に結像させる役割をもつ書き込みレンズ、5はビームスプリッタであり、光の偏光状態の差によりS波を反射させ、P波を透過させる。また、6は読みだし光であり、本発明においてはキセノンランプが用いられている。7はスクリーン8で上にライトバルブ1により反射された読みだし光を結像させるための投写レンズである。14はダイクロイックミラーであり、読み出し光6をRGB3原色に分解する。なお、本発明で用いた映像表示装置の動作及びデバイスの構造は、従来の技術の項で説明したとおりであるのでここでは省略する。また、9はリセットパルス制御回路であり、セットパルスのゲインの制御を行うゲイン制御回路12と、リセットパルスのバイアス電圧を制御するバイアス制御回路13より構成されている。なお、リセットパルス発生回路2及びリセットパルス制御回路9の動作は、実施の形態1で説明したとおりであり、ここでは説明を省略する。また、15−G、15−BはそれぞれRGB3原色のうちの緑色の発光、青色の発光を担うライトバルブシステムであり、構成は上記で説明した15−Rと全く同一である。また、16は発光バランス制御回路で、各色のライトバルブシステム15のリセットパルス制御回路9のゲイン制御回路12及びバイアス制御回路13を制御し、各色のライトバルブ1に印可するリセットパルスの電圧を変化させる。
【0028】
次に、上記カラーシステムの動作について説明する。発光バランス制御回路16からの制御により、各色のライトバルブ1に印可される電圧が変化すると、各色のライトバルブシステム15は、発光バランス制御回路16により設定された発光バランスで発光する。各色のライトバルブシステム15より出力された読み出し光はスクリーン8上で合成される。ここで、ライトバルブ1に印可される電圧によってライトバルブ1によって反射される読み出し光の光出力が変化する事の説明は、実施の形態1で説明したとおりである。以上のように、発光バランス制御回路16により各色のライトバルブ1に印可する電圧を制御することにより、スクリーン上で合成された映像のホワイトバランスが調整することができる。
【0029】
(実施の形態3)
図5において、1は液晶ライトバルブ、2はリセットパルス発生回路、3は書き込み映像光発生装置であり、本実施の形態ではCRT10、CRT駆動回路11で構成されている。4はCRT10からの書き込み光をライトバルブ上に結像させる役割をもつ書き込みレンズ、5はビームスプリッタであり、光の偏光状態の差によりS波を反射させ、P波を透過させる。また、6は読みだし光であり、本発明においてはキセノンランプが用いられている。7はスクリーン8上にライトバルブ1により反射された読みだし光を結像させるための投写レンズである。
【0030】
なお、本発明で用いた映像表示装置の動作及びデバイスの構造は、従来の技術の項で説明したとおりであるのでここでは省略する。46は電流検出回路で、トランジスタ41、抵抗42、サンプルホールド回路43で構成されている。また、44はCRT駆動制御回路である。なお、本発明で用いた自動光出力制御回路の動作は、従来の技術で説明したとおりであるのでここでは省略する。また、9はリセットパルス制御回路であり、CRT10の電流を検出する期間、つまり、電流検出パルス24の期間、リセットパルス発生回路2にリセットパルスを発生させる。また、電流検出期間のリセットパルスのパルス幅をCRT10の残光特性に合わせて制御でき、CRTの残光時間と等しいパルス幅にリセットパルスの幅を制御する。
【0031】
ここで、本発明のリセットパルス発生回路2及びリセットパルス制御回路9の具体的動作の説明をする。自動光出力制御回路の電流検出期間、つまり電流検出信号でCRTが発光しているとき、リセットパルス制御回路9は、電流検出パルス45が与えられ、図2の23のタイミングでリセットパルスを発生させる。よって、従来の技術のライトバルブの動作説明のとおり、電流検出期間、液晶層には電圧が印可されておらず、スクリーン8上では、電流検出信号は発光しなくなる。
【0032】
【発明の効果】
以上のように、ライトバルブに印可する電圧を制御することにより、コントラスト調整が可能となる。また、ライトバルブのバラツキによる映像の明るさのバラツキも押さえられる。また、カラーシステムにおいて、発光バランスを制御可能となりホワイトバランスをとることができる。
【0033】
また、自動光出力制御の検出信号の発光期間に、ライトバルブにリセットをかけることで、検出信号の発光を消去できることとなり、映像品位を損なうことなく映像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1を示す映像表示装置の構成図
【図2】リセットパルスの形状を示す図
【図3】液晶ライトバルブの等価回路図
【図4】本発明の実施の形態2を示す映像表示装置の構成図
【図5】本発明の実施の形態3を示す映像表示装置の構成図
【図6】液晶ライトバルブの構造図
【図7】従来の映像表示装置の構成図
【図8】従来の自動光出力制御回路を示す図
【符号の説明】
1 液晶ライトバルブ
2 リセットパルス発生回路
3 書き込み映像光発生装置
4 書き込みレンズ
5 ビームスプリッタ
6 光源
7 投写レンズ
8 スクリーン
9 リセットパルス制御回路
16 発光バランス制御回路
44 光出力制御回路
46 電流検出回路
【発明の属する技術分野】
本発明は光書き込み型の液晶ライトバルブを用いた映像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、光書き込み型の液晶ライトバルブを用いた映像表示装置が注目されつつある。ここで、光書き込み型の液晶ライトバルブとは、書き込み光によって強度変調させられた読み出し光がライトバルブ内の反射層で反射され、投写される映像投写システムの中核を担うシステムであり、従来の透過型の液晶プロジェクタと比較して非常に明るくできるという利点がある。
【0003】
ここで、従来の光書き込み型液晶ライトバルブの構造及び動作について簡単に述べる。
【0004】
図6に液晶ライトバルブ1の構造図を示す。60は書き込み光側のガラス基板、61は書き込み光側のITO電極、62はアモルファスシリコンにより構成されたpin構造のフォトダイオード(以下a−Siダイオードと呼ぶ)であり、書き込み光側からp型63、絶縁層(I層)64、n型65の半導体層となっている。また、66はAlの読み出し光の反射膜であり、67はカーボンで形成されたマトリックス構造の絶縁層であり、Alの横方向の導通を遮断している。68は階調表現を司る液晶層であり、強誘電液性の液晶材料を用いている。また、69は読み出し光側のITO電極、70は読み出し光側のガラス基板である。71は書き込み光、一方72は読み出し光であり、2はライトバルブを駆動するため、二つのITO電極間に印可するリセットパルスを発生させるリセットパルス発生回路である。
【0005】
次に、図7に示す液晶ライトバルブを用いた映像表示装置の動作について説明する。まず液晶層68は、電圧が印可されていない時、反射層66で反射された読み出し光72は、その偏光状態を完全に保持して出力され、印加電圧が増加して行くにつれ、偏光状態は徐々に変化し、ある一定以上の電圧が印可されると読み出し光72は完全に遷移した変更状態で出力されるように配向されている。
【0006】
ここで、図7のような構成をとるライトバルブ1の動作は書き込み光71の強度に応じた電荷を蓄える書き込み期間と、上記電荷を引き抜くリセット期間とに分けて考えることができる。
【0007】
書き込み期間では、読み出し光側が接地されていると仮定すると、書き込み光側ITO電極61にはマイナスの電圧が印可されている。つまり、a−Siフォトダイオード62は逆バイアスされている。まず、書き込み光がない場合、ITO電極間に印可されている電圧は、ほとんどがa−Siフォトダイオード62にかかり、液晶層68には電圧はかかっていない状態となる。つまり、入射される読み出し光72はその偏光状態を変化させずにそのまま反射され、出力される。書き込み光71の強度が増加していくと、a−Siフォトダイオードのp型層63と絶縁層64との境界面で書き込み光71により励起された電子が多数生成され、それらの電子はプラスの電位に引き寄せられ、つまり液晶層68の方向に移動して行く。その結果、液晶層68の両端に互いに反対の電荷がたまり、書き込み光71の強度が増加して行くにつれて徐々に液晶層68にかかる電圧は増加して行き、反射された読み出し光72の偏光状態は変化されて出力されるようになる。
【0008】
一方、リセット期間では、読み出し光側からみて書き込み光側ITO電極61にプラスの電圧を印可する。つまり、a−Siフォトダイオード62は、順方向にバイアスされており、書き込み期間に蓄えられた電荷を一気に引き抜くように動作する。このリセット期間内に完全に電荷を抜き取ろうとして書き込み光側ITO電極61にプラスの電圧を印可すると、液晶層68には書き込み期間とは逆の電圧が印可されることになる。よって、リセット期間内の読み出し光72は、入射したときの偏光状態を保持したまま出力される。
【0009】
ここで、カーボンで形成された、マトリクス状の絶縁層67は、書き込み期間内に蓄えられた電荷がAlに反射膜66を通して横方向に逃げないようにしており、その絶縁層67により区切られた一つ一つが画素を形成している。
【0010】
図7に上記ライトバルブ1を用いた従来の映像表示装置の構成図を示す。1は液晶ライトバルブ、2はライトバルブを駆動するリセットパルス発生回路、3は書き込み映像光発生装置であり、現在一般的にはCRTが用いられ、その構成はCRT10とそれを発光するためのCRT駆動回路11からなる。4はCRTからの映像をライトバルブ上に結像させる役割を持つ書き込みレンズ、5はビームスプリッタであり、光の偏光状態の差により、S波を反射させ、P波を透過させる。また、6は読み出し光源であり、現在一般的にはキセノンランプやメタルハライドランプが用いられる。7はスクリーン8上に映像信号を結像させる役割を持つ投写レンズである。
【0011】
次に、上記映像表示装置の動作について述べる。CRT3で発生した映像信号の光信号80は、その空間的な強度分布に対応した電荷をライトバルブ1内に蓄えさせ、反射される読み出し光83の偏光状態を決定する。光源6からは任意の偏光状態の光81が照射されるが、ビームスプリッタ5は先に述べたとおり、S波82を反射させ、P波85を透過させる。つまり、ライトバルブ1へ読み出し光82として入射される光はビームスプリッタ5を反射したS波だけとなる。ここで、上記のライトバルブ1の動作と重ね合わせて考えると、書き込み光80の光強度が強い場合、液晶層68に読み出し光側を基準にしてマイナスの電圧が強くかかった状態となり、反射される読み出し光83は入射された時のS波の状態からP波に変化するため、ビームスプリッタ5を透過し投写レンズ7を通してスクリーン8上に映し出された映像84は明るいものとなる。逆に、書き込み光80が弱く、ほとんどP波のまま反射されるため、スクリーン上の映像84は暗いものとなる。
【0012】
ここで、一般に、映像表示装置には、その使用者の好みや表示する映像ソースにより、出力される映像の明暗の差(以下コントラストと呼ぶ)を調整できるようにコントラスト調整機能が備えられている。前記従来の映像表示装置では、前述したとおり、書き込み光80の光出力を制御することでスクリーン上の映像84のコントラストを調整することができる。特に、映像光発生装置3がCRTの場合、CRT駆動回路11において、カソード、もしくはG1に印加する電圧を制御して、書き込み光80の光出力のコントラストを制御し、スクリーン上の映像84のコントラストを制御している。
【0013】
ところで、映像光発生装置がCRTの場合、CRTの経時変化及びCRT駆動回路の温度特性などにより光出力の時間的変動が生じる。一般に、上記光出力の時間的変動を吸収するため、CRTに流れている電流を検出しCRT駆動回路にフィードバックし光出力を一定に保つような、自動光出力制御回路が用いられている。そこで、図8を用いて、従来の自動光出力制御回路について動作の説明を行う。
【0014】
図8において、41はトランジスタで、CRT駆動回路11の電圧をCRT10に伝達する。またそのとき、CRTに流れる電流を抵抗42に伝える。43はサンプルホールド回路で、CRT10に流れた電流により、抵抗42に発生した電圧をある一定期間サンプルし、次の期間に到達するまでその電圧を保持する。44はCRT駆動制御回路で、サンプルホールド回路43で保持された電圧が一定に保たれるように、CRT駆動回路11から出力されるカソードもしくはG1に印可する電圧を制御する。
【0015】
次に自動光出力制御回路の具体的な動作について説明する。図2の24に示す電流検出パルスの期間、一定振幅の電圧をCRT駆動回路11からCRT10に印可する。その時にCRT10に流れる電流は、トランジスタ41を介し抵抗42に流れ込み、抵抗42に電圧降下が生じる。サンプルホールド回路43によって電流検出パルス24の期間、上記電圧をサンプルし次のサンプル期間までそれを保持し、CRT駆動制御回路44に伝える。CRT駆動制御回路44は、上記電圧を一定に保つようにCRT駆動回路11を制御するので、CRT10の光出力は常に一定に保たれる。よって、電流検出期間は、一定振幅により生じる電流だけCRT10は発光していることになる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のライトバルブを用いた映像表示装置の構成では、コントラストを調整するために、CRT駆動回路11で、CRT10に印加する電圧を制御する必要があった。そのため、CRTの解像度を決定する一つの大きな要因である、CRT駆動回路の周波数特性を劣化させていた。この場合、CRTの解像度の劣化により、スクリーン上に見える映像は少しぼけたコントラスト感のない映像になってしまうという問題を有していた。
【0017】
また、上記従来の構成をRGB3原色用にそれぞれ一つずつ用意した構成を考えたとき、RGB3原色の発光バランスを調節しホワイトバランスをあわせる必要があり、RGB3原色の発光バランスを作るために、各色のCRT駆動回路11により各色のCRTに印加する電圧を制御する必要があった。そのため、さらに、CRTの解像度を劣化させる要因になっていた。
【0018】
また、上記従来の自動光出力制御回路では、CRTに流れる電流を検出するための期間は検出信号を常に発光させる必要があり、スクリーン上の映像に常にある期間検出信号が発光するという映像表示装置として品位を損なうという問題を有していた。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するために本発明の映像表示装置は、液晶層と読み出し光の反射層とダイオード構造を有する光半導体層とを第1の電極と第2の電極とでサンドイッチ状に挟んだ構造を有する光書き込み型液晶ライトバルブを用いた映像表示装置において、上記ライトバルブへの書き込み光を発生させる書き込み映像表示装置と、書き込み光が入射したときに、その光強度に応じた電圧を上記液晶層にかけるため、上記光半導体層に逆バイアス電圧を、また、そのときライトバルブに蓄えられた電荷を抜き取るため、リセットパルスを上記ライトバルブの第1の電極と第2の電極間に印可するリセットパルス発生回路と、コントラストを調整するため、前述の逆バイアス電圧及びリセットパルスの波高値を制御するリセットパルス制御回路を備えたものであり、これによりコントラスト感のある映像を表示し、かつ映像の品位を損なうことなく径時変化や温度特性を吸収できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の映像表示装置は、光書き込み型液晶ライトバルブと、前記光書き込み型液晶ライトバルブの書き込み光を発生させる書き込み映像光発生装置と、書き込み光が入射したときに入射光に応じて蓄積された電子を抜き取るためリセットパルスを前記光書き込み型液晶ライトバルブへ印加するリセットパルス発生装置と、前記光書き込み型液晶ライトバルブへ印加するリセットパルスの波高値及びバイアス電圧を可変させるリセットパルス制御回路を備えたことを特徴とする映像表示装置であり、コントラストの調整及びホワイトバランスの調整を前記ライトバルブで行えるため、CRT駆動回路においてコントラスト制御を行うゲイン制御回路が不要となり、CRT駆動回路の周波数特性をあげることができ、コントラスト感のある映像を表示する事ができる。
【0021】
本発明の映像表示装置は、光書き込み型液晶ライトバルブと、前記光書き込み型液晶ライトバルブの書き込み光を発生させる書き込み映像光発生装置と、書き込み光が入射したときに入射光に応じて蓄積された電子を抜き取るためリセットパルスを前記光書き込み型液晶ライトバルブへ印加するリセットパルス発生装置と、前記光書き込み型液晶ライトバルブへ印加するリセットパルスの波高値及びバイアス電圧を可変させる複数のリセットパルス制御回路と、前記複数のリセットパルス制御回路を一括制御する発光バランス制御回路を備えたことを特徴とする映像表示装置であり、コントラストの調整及びホワイトバランスの調整を前記ライトバルブで行えるため、CRT駆動回路においてコントラスト制御を行うゲイン制御回路が不要となり、CRT駆動回路の周波数特性をあげることができ、コントラスト感のある映像を表示する事ができるものである。
【0022】
本発明の請求項1に記載の発明は、光書き込み型液晶ライトバルブと、前記光書き込み型液晶ライトバルブの書き込み光を発生させる書き込み映像光発生装置と、書き込み光が入射したときに入射光に応じて蓄積された電子を抜き取るためリセットパルスを前記光書き込み型液晶ライトバルブへ印加するリセットパルス発生装置と、前記光書き込み型液晶ライトバルブへ印加するリセットパルスのリセット期間を制御するリセットパルス制御回路と、前記書き込み映像光発生装置の電流を検出する電流検出回路と、前記電流検出回路によって検出された検出信号に基づいて前記書き込み映像光発生装置の光出力を制御する光出力制御回路とを備え、前記電流検出回路の電流検出期間における電流検出パルスが前記リセットパルス制御回路に入力され、前記リセットパルス制御回路の制御信号に応じて前記リセットパルス発生装置から前記電流検出期間にリセットパルスが出力されるようにして、映像光発生装置としてのCRTの電流を検出する前記検出信号によって発生する不要な発光による映像への影響をなくしたことを特徴とする映像表示装置であり、不要な発光による映像品位を損なうことなく映像を表示することができるものである。
【0023】
本発明の一実施の形態を図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1において、1は液晶ライトバルブ、2はリセットパルス発生回路、3は書き込み映像光発生装置であり、今回の発明ではCRT10、CRT駆動回路11で構成されている。4はCRT10からの書き込み光をライトバルブ上に結像させる役割をもつ書き込みレンズ、5はビームスプリッタであり、光の偏光状態の差により、S波を反射させ、P波を透過させる。また、6は読みだし光であり、本発明においてはキセノンランプが用いられている。7はスクリーン8上にライトバルブ1により反射された読みだし光を結像させるための投写レンズである。なお、本発明で用いた映像表示装置の動作及びデバイスの構造は、従来の技術の項で説明したとおりであるのでここでは省略する。また、9はリセットパルス制御回路であり、セットパルスのゲインの制御を行うゲイン制御回路12と、リセットパルスのバイアス電圧を制御するバイアス制御回路13より構成されている。
【0024】
図2(a)は、典型的なリセットパルスの電圧波形を示す。なお、図の電圧は読みだし光側を基準にしている。波形(a)の書き込み期間の電圧は−3V、リセット期間の電圧は+15Vである。また、書き込み期間とリセット期間の時間比率は60:1である。
【0025】
ここで、本発明の動作の説明を簡単にするために、図3のライトバルブ1の等価回路を用いる。書き込み期間において、図からわかるとおり、書き込み光が増加していくにつれて、フォトダイオード32の逆電流が増加し、Cl34にかかる電圧は0Vからしだいに上がっていく。書き込み光がある一定値に達すると、フォトダイオードはショート状態になり、Cl34にかかる電圧は3Vで飽和する。つまり、Cl34に最大でかけられる電圧は、書き込み期間にライトバルブ1に印可する電圧によって決まる。そこで、書き込み期間にライトバルブ1に印可する電圧を−3Vからさらに下げ、例えば−5Vにすると、Cl34にかかる電圧を5Vまで上げることができる。よって、従来の技術の項で説明したとおり、反射される読み出し光のP波の成分が増加することになり、スクリーン8上の映像はさらに明るくなる。一方、上記のように書き込み期間にライトバルブ1に印可する電圧を下げたとき、−2VだけCl34に電圧がかかっている、つまりその分だけライトバルブ1に電荷が蓄えられる。よって、リセット期間において、ライトバルブに印可する電圧が15vのままだと、ライトバルブに蓄えられた電荷を十分引き抜くことができず、スクリーン8上の映像は黒レベルが浮いた状態になってしまう。そこで、書き込み期間に蓄えられた、電荷を十分引き抜くためには、リセット期間ライトバルブに印可する電圧を上げる必要があり、書き込み期間印可する電圧を−5Vにした場合は、17Vの電圧を印可するのが適当である。上記説明でわかるとおり、ライトバルブ1に印可する電圧によってスクリーン8上の映像の明るさを制御することができる。
【0026】
次に、本発明のリセットパルス発生回路2及びリセットパルス制御回路9について具体的に説明する。本発明の実施の形態では、映像光発生装置3はCRTを用いており、CRT10及びCRT駆動回路11で構成されている。また、リセットパルス制御回路9は、バイアス制御回路13およびゲイン制御回路12で構成される。本実施の形態では、リセットパルス発生回路2は、外部よりCRT駆動回路11に入力される映像信号の垂直同期信号に同期したある一定振幅のパルスを、ある一定のバイアス電圧によってクランプしてリセットパルスとして、ライトバルブ1に印可する。つまり、書き込み期間にライトバルブ1に印可される電圧は、リセットパルス発生回路2のバイアス電圧で決まり、リセット期間にライトバルブ1に印可される電圧は、垂直同期信号に同期したパルスの振幅によって決まる。一方、バイアス制御回路13は、上記で説明したリセットパルス発生回路のバイアス電圧を制御する。また、ゲイン制御回路12は、上記したリセットパルス発生回路2のパルスの振幅を制御する。また、バイアス制御回路13とゲイン制御回路12の制御は互いに連動していて、バイアス電圧が−aV変化するとき、パルスの振幅が+2aV変化するようになっている。つまり、書き込み期間にライトバルブ1に印可する電圧を−aV下げると、リセット期間にライトバルブ1に印可される電圧は+aV上がる。よって、リセットパルス制御回路9によって、リセットパルス発生回路2のバイアス電圧及びパルスの振幅を同時に制御することができ、上記に説明したとおりスクリーン8上の映像信号の明るさつまりコントラストを制御することができる。
【0027】
(実施の形態2)
図4において、15−RはRGB3原色のうちの赤色の発光を担うライトバルブシステムであり、1は液晶ライトバルブ、2はリセットパルス発生回路、3は書き込み映像光発生装置であり、今回の発明ではCRT10、CRT駆動回路11で構成されている。4はCRT10からの書き込み光をライトバルブ上に結像させる役割をもつ書き込みレンズ、5はビームスプリッタであり、光の偏光状態の差によりS波を反射させ、P波を透過させる。また、6は読みだし光であり、本発明においてはキセノンランプが用いられている。7はスクリーン8で上にライトバルブ1により反射された読みだし光を結像させるための投写レンズである。14はダイクロイックミラーであり、読み出し光6をRGB3原色に分解する。なお、本発明で用いた映像表示装置の動作及びデバイスの構造は、従来の技術の項で説明したとおりであるのでここでは省略する。また、9はリセットパルス制御回路であり、セットパルスのゲインの制御を行うゲイン制御回路12と、リセットパルスのバイアス電圧を制御するバイアス制御回路13より構成されている。なお、リセットパルス発生回路2及びリセットパルス制御回路9の動作は、実施の形態1で説明したとおりであり、ここでは説明を省略する。また、15−G、15−BはそれぞれRGB3原色のうちの緑色の発光、青色の発光を担うライトバルブシステムであり、構成は上記で説明した15−Rと全く同一である。また、16は発光バランス制御回路で、各色のライトバルブシステム15のリセットパルス制御回路9のゲイン制御回路12及びバイアス制御回路13を制御し、各色のライトバルブ1に印可するリセットパルスの電圧を変化させる。
【0028】
次に、上記カラーシステムの動作について説明する。発光バランス制御回路16からの制御により、各色のライトバルブ1に印可される電圧が変化すると、各色のライトバルブシステム15は、発光バランス制御回路16により設定された発光バランスで発光する。各色のライトバルブシステム15より出力された読み出し光はスクリーン8上で合成される。ここで、ライトバルブ1に印可される電圧によってライトバルブ1によって反射される読み出し光の光出力が変化する事の説明は、実施の形態1で説明したとおりである。以上のように、発光バランス制御回路16により各色のライトバルブ1に印可する電圧を制御することにより、スクリーン上で合成された映像のホワイトバランスが調整することができる。
【0029】
(実施の形態3)
図5において、1は液晶ライトバルブ、2はリセットパルス発生回路、3は書き込み映像光発生装置であり、本実施の形態ではCRT10、CRT駆動回路11で構成されている。4はCRT10からの書き込み光をライトバルブ上に結像させる役割をもつ書き込みレンズ、5はビームスプリッタであり、光の偏光状態の差によりS波を反射させ、P波を透過させる。また、6は読みだし光であり、本発明においてはキセノンランプが用いられている。7はスクリーン8上にライトバルブ1により反射された読みだし光を結像させるための投写レンズである。
【0030】
なお、本発明で用いた映像表示装置の動作及びデバイスの構造は、従来の技術の項で説明したとおりであるのでここでは省略する。46は電流検出回路で、トランジスタ41、抵抗42、サンプルホールド回路43で構成されている。また、44はCRT駆動制御回路である。なお、本発明で用いた自動光出力制御回路の動作は、従来の技術で説明したとおりであるのでここでは省略する。また、9はリセットパルス制御回路であり、CRT10の電流を検出する期間、つまり、電流検出パルス24の期間、リセットパルス発生回路2にリセットパルスを発生させる。また、電流検出期間のリセットパルスのパルス幅をCRT10の残光特性に合わせて制御でき、CRTの残光時間と等しいパルス幅にリセットパルスの幅を制御する。
【0031】
ここで、本発明のリセットパルス発生回路2及びリセットパルス制御回路9の具体的動作の説明をする。自動光出力制御回路の電流検出期間、つまり電流検出信号でCRTが発光しているとき、リセットパルス制御回路9は、電流検出パルス45が与えられ、図2の23のタイミングでリセットパルスを発生させる。よって、従来の技術のライトバルブの動作説明のとおり、電流検出期間、液晶層には電圧が印可されておらず、スクリーン8上では、電流検出信号は発光しなくなる。
【0032】
【発明の効果】
以上のように、ライトバルブに印可する電圧を制御することにより、コントラスト調整が可能となる。また、ライトバルブのバラツキによる映像の明るさのバラツキも押さえられる。また、カラーシステムにおいて、発光バランスを制御可能となりホワイトバランスをとることができる。
【0033】
また、自動光出力制御の検出信号の発光期間に、ライトバルブにリセットをかけることで、検出信号の発光を消去できることとなり、映像品位を損なうことなく映像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1を示す映像表示装置の構成図
【図2】リセットパルスの形状を示す図
【図3】液晶ライトバルブの等価回路図
【図4】本発明の実施の形態2を示す映像表示装置の構成図
【図5】本発明の実施の形態3を示す映像表示装置の構成図
【図6】液晶ライトバルブの構造図
【図7】従来の映像表示装置の構成図
【図8】従来の自動光出力制御回路を示す図
【符号の説明】
1 液晶ライトバルブ
2 リセットパルス発生回路
3 書き込み映像光発生装置
4 書き込みレンズ
5 ビームスプリッタ
6 光源
7 投写レンズ
8 スクリーン
9 リセットパルス制御回路
16 発光バランス制御回路
44 光出力制御回路
46 電流検出回路
Claims (1)
- 光書き込み型液晶ライトバルブと、前記光書き込み型液晶ライトバルブの書き込み光を発生させる書き込み映像光発生装置と、書き込み光が入射したときに入射光に応じて蓄積された電子を抜き取るためリセットパルスを前記光書き込み型液晶ライトバルブへ印加するリセットパルス発生装置と、前記光書き込み型液晶ライトバルブへ印加するリセットパルスのリセット期間を制御するリセットパルス制御回路と、前記書き込み映像光発生装置の電流を検出する電流検出回路と、前記電流検出回路によって検出された検出信号に基づいて前記書き込み映像光発生装置の光出力を制御する光出力制御回路とを備え、前記電流検出回路の電流検出期間における電流検出パルスが前記リセットパルス制御回路に入力され、前記リセットパルス制御回路の制御信号に応じて前記リセットパルス発生装置から前記電流検出期間にリセットパルスが出力されるようにして、映像光発生装置としてのCRTの電流を検出する前記検出信号によって発生する不要な発光による映像への影響をなくしたことを特徴とする映像表示装置。
Priority Applications (3)
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